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#日々好物 vol.4

#はさみ


右利きと、左利きを

これほどはっきり分かつ道具を


私は、はさみ以外に知りません。


箸は、言ってもただの棒だし、

鉛筆やペンも、消しゴムも、

とんかちもシャベルも、


大概の道具は、利き手が違ってもとりあえずそのまま、使える気がします




でも、はさみだけは


左右の手を代えるだけで


びっくりするほど切れなくなる



たった数ミリ、されど数ミリ


刃の当たりかたがズレるだけで



自分のからだが、おかしくなったみたいに


切ろうとしていた紙が、ビニールにでもなったみたいに


あらぬ方向に逃げていく




こういうとき、人はまず


「おかしい」

「そんなこと、あるわけない」


と、思ってしまいます。




それはもちろん、正しく当たり前の反応


そして、気づくのです


「ああ、利き手が違うって、こういうことなんだな」



はさみだったら、すぐ気づくでしょう。

そして、利き手が違う人のことを

理解もするでしょう。




でも、これが

心の病や、発達の違いなど

目に見えなくて、体感もできないものだったら?




知らず知らず、

「ちょきん」と切り離していませんか?




たった数ミリ、角度を変えるだけで



右利きでも、左利き用のはさみで

紙が切れるようになるのに。




どんなに切れるハサミだって、

裁縫用と料理用を

ごっちゃにする人はいないのに。




いろんな刃の形があって、

いろんな大きさがあって、

いろんな用途があるのが当たり前。





はさみの世界はもう、





人類の最先端。





※本日の写真は、cectne9さんからお借りしました。ありがとうございます。


 



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