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今日も、読書。 |新章スタート、モノ選びのルールについて

2022.2.13 Sun

破戒:290ページ
須賀しのぶさんの小説、『革命前夜』を読む。

舞台は、ベルリンの壁崩壊直前の東ドイツ。

留学生としてピアノを学ぶ日本人・眞山柊史は、強烈な個性を持つライバルたちを前に大きな挫折を味わいつつも、自分らしいピアノの音を探求していく。また同時に、民主化運動が激化する東ドイツで様々な人と出会い、止めどない歴史の渦中に巻き込まれていく。

これまで歴史上の出来事としか認識していなかった、ベルリンの壁崩壊と東西ドイツ統一。当たり前のことだが、そこには激動の時代を生きる当時の人々の暮らしが、現在の私たちと地続きの毎日が存在したのだということに気付かされる。世界史の一問一答のように、何の前触れもなくベルリンの壁が崩壊したのでもなければ、それで終わりでもない。

教科書で学ぶ歴史は、起こった事実だけが取り上げられ、バラバラの点の集まりでしかない。しかし、その時代を生きた人々にとっては、全ては生活の延長であり、連綿と続くひとつの線だ。小説で歴史物語を読むと、それまで点の集合でしかなかった歴史を、わずかながらも線としてとらえられるようになる。

『革命前夜』もそんな小説で、私の知的好奇心は大いにくすぐられた。



2022.2.14 Mon

203日目。
破戒:336ページ
ワイドモニターが我が家に来る予定だ。デスクに設置する予定なのだが、現在私のデスクの上には大きめの棚が据え付けられており、このままではモニターを置くことができない。

私はこの棚に積読本を並べ、「積読スペース」として活用している。モニターを迎え入れるにあたって棚を取り外すのだが、それによって行き場を失った積読本たちが、部屋を彷徨い歩くこととなってしまう。彼らへの救済が必要だった。

状況を打破すべく、いそいそと無印良品へと向かう私。壁に付けられる家具シリーズの、オーク材突板(44cm)を買った。

早速壁に取り付け、100均のブックエンドを装着し、積読スペースに仕立て上げる。中央には、角川武蔵野ミュージアムのショップで購入した豆本メモが鎮座。

サイズ感としては、文庫本がぴったりと収まる奥行き。46版の本だとやや背表紙がはみ出すが、問題無く並べることはできる。積読スペースとして申し分ない。

何より、本を乗せた木の板が宙に浮いているみたいで、可愛い。観葉植物とか、本以外のものもディスプレイしてみたくなる。結果として、置ける本の数が少なくなるというジレンマを抱えつつ、今後この積読スペースがどうなっていくのか、楽しみだ。



2022.2.15 Tue

204日目。
破戒:370ページ
在宅勤務は気楽で良いし、何より早起きする必要がなくて助かるのだけれど(出社時は、5時50分起床不可避)、出社したら出社したで、人とのコミュニケーションが取りやすく、仕事が捗って良い。

最近は、基本的には在宅勤務でのんびり仕事をして、色々と煮詰まってきたら、出社して一気に進める、みたいな働き方をしている。勤め先が、在宅勤務をコロナ禍でのBCPではなく、多様な働き方のひとつとして正式に認める動きを見せていて、我が意を得たとばかりに家に閉じこもっている。

そんな中、先日注文した、LGのワイドモニターが遂に届いた。デスクの棚を解体してスペースを確保し、設置。今まで使用してきた、富士通のラップトップと接続。大画面にデスクトップが映った!

ついでに机周りのものを断捨離し、すっきりとした在宅環境が整った。ここから、新章スタートだ。

当たり前のことだが、画面が大きくて感動する。私はこれまでこんな小さな画面を覗き込んでいたのか……とすぐ隣のラップトップを見て愕然とする。これは、目も痛くなるし、肩も凝るわけだ。しかし、今日からその心配はないのだ。

画質も良いし、動作のラグもほとんどない。そして何より、モニターの見た目が格好良い。特に、この脚の部分。

メタリックシルバーで、細身のカーブを描いたデザイン。正直、この脚のデザインの格好良さだけで、LGのモニターを選んだといっても過言ではない。

ついでに、この他のPCグッズもご紹介。

キーボードはKeychronのK2 V2。キーは赤軸で、スコスコという打鍵感が癖になる。

マウスはlogicoolのM585。私の手にすっぽりと馴染む丸みとサイズ感が良い。

このふたつ、メーカーは全く違うのだが、まるで1セットかのような、色の統一感が気に入っている。LGのモニターの黒×シルバーの色合いともマッチしていて、デスク周りがすっきりとして見える。

お気に入りのモノに囲まれていると、退屈な仕事も、楽しく快適に感じられるから、良い。少しずつではあるものの、質が良くて長く使えるモノに、投資していきたいと思っている。



2022.2.16 Wed

205日目。
破戒:370ページ
思い出した頃に、破戒の話。

実はここ数日でかなり読み進んでいて、いよいよ物語も佳境である。どんどん追い詰められていく丑松の様子に、胸が苦しくなる。

きっと、差別される側の丑松の視点だけでなく、差別する側の視点も並行して描かれているから、胸に迫るものがあるのだろう。他者の心の内を、正確に読み取ることは不可能だ。あなたのことを100%理解している、という態度の人は、全く信用できない。完全には理解できないから、人と人の間には、すれ違いや軋轢が生じることもある。

破戒は、差別者と被差別者、両方の心の内を追いながら読み進めることになる。丑松が善、校長や勝野は悪、と明確に区分されていて、互いの心の内が、相手側にはっきりと伝わることはない。丑松の悲痛な想いは校長に伝わらないし、校長の打算的な考えを丑松は知らない。それ故に歪みが生じ、丑松の身辺はじわじわと、彼の知らないうちに窮地に陥っていく。気づけば彼は、進退をかけた一大決心を迫られるところまで追い詰められていく。

読んでいて辛くなるが、先が気になり、どんどん読みたくなるのも事実だ。破戒が持つ力はすごい。



2022.2.17 Thu

206日目。
破戒:370ページ
スターウォーズは、ルークとアナキンの物語が終わり、新章エピソード7・フォースの覚醒へ。

ハン・ソロがいる!ハン・ソロがいる(2回目)!!
歳を重ね、さらに渋カッコいいおじさんになっている。素晴らしい。

新章に突入したスターウォーズだが、登場人物が全員魅力的すぎて、困る。一体、誰を推せばいいのだ。過去作から登場しているハン・ソロやレイアはもちろん、今作から登場のレイもフィンもポーも、全員良い。BB-8のデザインも素晴らしい。

そしてアニメ平家物語は、相変わらず心に響く。映像も音楽も美しいし、平家物語の物語そのものが、まず面白い。

びわたちが幸せそうにしている場面を見ていると、嬉しく思うのと同時に、どうしようもなく切なく感じる。それはおそらく、彼らが常に、戦と隣り合わせの人生を歩んでいるからだろう。

今日をどんなに穏やかに過ごせても、明日には命を懸けた戦いに身を投じなければならない。私はそれがどんなに辛いことなのか、画面越しに、ただただ想像することしかできない。だが、心優しい維盛が願うように、徳子が涙を流したように、あの時代を生きた人々も、血生臭い戦などではなく、好きな人と好きなことをして過ごす時間のほうを、きっと大切にしたかったはずだ。

憎しみと報復の絶えない戦乱の時代だからこそ、束の間の幸せな時間を、人々は深く慈しむ。芸能や音楽に癒され、救われる。心がきりりと痛むが、同時にそれを美しいとも思う。

最近は、スターウォーズや平家物語といった、映像作品によって心が満たされている。



2022.2.18 Fri

207日目。
破戒:384ページ
勤め先は私服OKなのだが、仕事だからカッチリしたものを着たいという謎のこだわりがあって、シャツにスラックス、革靴という格好で出勤している。しかし、勤続200日を超え、良い意味でも悪い意味でも仕事に慣れてくると、もっとラフな格好でも別に良いのでは、と思えてくる。

特に靴は、締め付け感やストレスのないスニーカーかスリッポンにしたい、更に言えば、色味はオールブラックでフォーマルな感じのものが良い、と考えていた。

そんなわけで、SLACK FOOTWEARというブランドの「CALMER LX」というスリッポンを購入。

色はもちろん黒で、柔らかいマイクロファイバーレザーという革素材。シュッとしたデザインで、履き口がワンポイントでベージュになっているのも可愛い。理想のスリッポンを探し求めて、ついに見つけた一足だった。

SLACK FOOTWEARは東京発のブランドで、革靴とスポーツシューズのノウハウが融合したハイブリットシューズを作っているそうだ。まさに私が求めていた靴のイメージに、ぴったりではないか。思わずリピート買いしたくなるような、お気に入りのブランドが増えて嬉しい。

私は大学時代、PUMAの靴しか履かないという謎のこだわりを持っていて、黒、白、ベージュ、グレーの4足のPUMAをローテーションしていた。今でもベージュとグレーのスニーカーは愛用していて、この他KLEMANの革靴に加え、今回新たにスリッポンが加わった形だ。

所持しているファッションアイテムの数はそこまで多くないけれど、その全てが心からお気に入りのものだと、胸を張って言うことができる。お気に入りのアイテムを、長く大切に使う。私はそのほうが、モノをたくさん所持している状態よりも、豊かだと思う。

「monograph」というWebメディアを運営されている堀口さんの著書、『人生を変えるモノ選びのルール』は、私のモノを持つことへの考え方に大きな影響を及ぼした本だ。

本当に心がときめくモノだけに囲まれた生活。こちらの方が、結果的にはお財布に優しいと思うし、何より毎日が楽しく、豊かに感じられる。

ただ、これが本の話になった途端に、考え方がガラリと変わってしまうのが悩みの種だ。本は良さそうと思ったものは、何でも見境なく買ってしまう。結局出費はかさむし、モノをたくさん所持する状態から抜け出せない。ただ、本についてはこの方が、私にとって豊かに感じられることは確かだ。



2022.2.19 Sat

破戒:384ページ
「風が吹けば桶屋が儲かる」という諺を考えた人は、きっと物語を生み出す天才だったのではないか。

風が吹いてから桶屋が儲かるまでの、一連の物語に想像を膨らませ、それを一言の諺にまとめたすごさ。風が吹くことと桶屋が儲かること、全く関係の無いように見える2つの事象を並べることで、人々に両者の間の物語を想像させる余白の残し方。「風が吹けば」という始まり方も、小説の冒頭のような風情があり、良い。



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