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涙が一滴、熱々のクルトンの上に落ちて蒸発した。  2021/02/06

 特に予定もなく、家でごろごろ本を読むつもりで起きて、コーヒーを淹れたら豆が切れたので外に出たらついでに買わねばなるまい。でも外出るのかな、という疑問も感じながらレーモン・クノー『地下鉄のザジ』を読み、読了。

「それに早く行かなきゃ。シャルルが待ってらっしゃるる」
レーモン・クノー『地下鉄のザジ』P.14

 なんだか小難しい印象があるかもしれないけれど、そんなことはなくて、あんまり構えずにただ読んで、あはは、と笑っていればいいだけな気がする。予想外に売れてしまった大ヒット作というだけあって、親しみやすいというか、わかりやすくふざけていて、とにかくざじが何かと「オケツぶー」と切り捨てるのが痛快。

涙が一滴、熱々のクルトンの上に落ちて蒸発した。
レーモン・クノー『地下鉄のザジ』P.198

 で、なんか油断してると、いきなりこういうちょっと気になるフレーズが出てきたり。いいね、クルトン熱いね、という。

 その後は有川浩『図書館危機』読んでそのまま一気に読了。ちょっと余裕こいて楽しんでたら、稲嶺司令が去るところでグッときてしまった。児玉清がモデルだったらしい。

 後書きでの作者自身の実体験が重い。

 初めて断固たる壁にぶち当たり、がっつり交渉してみて分かったのは、禁止用語というのは概ね自主規制なんだなぁ、ということ。「読者から苦情が来たら困るから」先回りして言葉を摘む。摘んだ結果が蓄積されて「禁止用語」はじわじわと根拠を得て確立してしまう。誰から何を言われたわけではなくても、自主規制したそのことが積み重なって根拠になってしまう。
有川浩『図書館危機』P.362

 twitterの「#名刺代わりの小説10選」で多くの人があげてるものを読もうと思って読んでる。あんまりエンタメ系読んできてなかったから新鮮&面白い。

 伊坂幸太郎『重力ピエロ』読んで、寝た。


 


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