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スタートアップ・ウェイへの招待状  プロダクトを、事業を、未来を創る者よ集まれ!【入社インタビュー】渡部拓也

数々の企業をグロースさせてきた渡部拓也がミツモアにジョインしました。ミツモアでの抱負に加え、エンジニアからキャリアをスタートし、前職では会社の経営層へとキャリア選択をしたこと、これからのエンジニアの成長に必要なもの、働く楽しみ方など、自身の経験まで伺いました。

渡部拓也 Takuya Watabe 新規事業部 部長
2004年 一橋大学商学部卒業。同年NTTコミュニケーションズ株式会社に入社、その後、株式会社グラファイトやニフティ株式会社などでエンジニアとして数々のプロジェクトに参画し、クライアント/サーバ型システムの構築やインターネットサービスの開発に携わる。2010年にグリー株式会社入社、2013年からNative Game事業本部で開発と事業の責任者を務める。2014年スマートニュース株式会社で広告プロダクトマネージャを務め、2016年10月にKaizen platform, Inc.(当時)に参画、2017年2月にCTOに、2019年4月にCOOに就任(CTO兼務)。2018年4月から2022年3月まで株式会社Kaizen Platform 取締役を務め、2022年4月にミツモアにジョイン。

スタートアップならではの課題に自分なりの恩返しをしたい

ー前職(株式会社Kaizen PlatformのCTO&COO)の挑戦や成果について改めてご自身の言葉で教えてください。

渡部:入ったときに、自分を奮い立たせるためにも公言していたのは「僕は絶対この会社を上場させるから」。自分が経営者になっていくというのは初めての体験でした。それまでCTOも取締役も、COOもやったことがなく、不安はもちろん、わからないこともいっぱいありました。でも「自分自身の手で会社をしっかり作るということをやりたい」と強く思ってKaizen Platformに入ったので、そこで少なくとも気持ちだけは強くありたかった。当時社内の取締役は、私と代表取締役の須藤さんの2名の体制でしたので「これ僕の仕事ではないよね」と言っていられる状況ではなかったんです。スタートアップは、本当にいろんな状況が目の前に押し寄せてきます。なので「僕はCTOだからこれ僕の仕事じゃないよ」と言ってキャッチしないと、誰もキャッチしないでそのまま会社にバーンとぶつかるという感覚だったので、まあやるしかないよね、という。「やれる人いないなら、いろいろやるよ」と、やってるうちにCOOの動きみたいになってきたので、じゃあそういうタイトルにしようとなってCOOも兼務することになりました。僕が一番得意な開発部門だけ見ていても、会社の成果に繋がらない。そういう状況が見えていたので、会社にとって必要なことであって、私より適任者が会社にいないのであればやるしかなかった。カスタマーサクセスの部門を立ち上げたり、経理の迅速化スピードアッププロジェクトをやったり、いろいろなんでもやりましたね。結果すごく時流も掴むことができて、上場というところに持ってこれた。もちろん、上場自体が会社のゴールではないんですけど、やっぱり一個のマイルストーンとして、実際にここまで持ってこれたというのは、私としては成果が挙げられたのではないかと思ってます。

ー改めて伺うと本当にすごいですね。経理まで見ていたとは‥。

渡部:大体の役割分担としては、須藤さんが社外向きの仕事、営業とかマーケティングとか、PRとか、資金調達とか含めたところをやっていて、社内向きの仕事は基本私が見るみたいな分け方をしていたので、なんでもやりましたよ。コーポレート部門も一時自分が見ていました。そうして、だんだん事業が整ってくると、そういうところをお渡しできる人も採用を通じてできてきました。当時部長をいくつも兼務した時期もありましたが、私が全部やってますというのは良くない状況なので、メンバーを育成して引き揚げて、1個ずつ自分の兼務をお渡していくという流れでした。それが一巡し終わったタイミングが、昨年ぐらいだったので、私としては新しいチャレンジをするタイミングなのかなと思ってました。

ーそしてミツモアにジョインされたわけですが、きっかけはなんだったんでしょうか?

渡部:ミツモアの取締役COOの伊野さんと飲みに行ったんですよね。伊野さんはグリーの時代の同僚で、全然関係なくグリーを退職した共通の友人の壮行会という飲み会だったんです。そこで、ちょこっとそんな話をしたんですよね。「そろそろ次考えようかな」と。そしたら「お前ちょっとこっち来い!」みたいな感じで別の会がセットアップされて、というのがきっかけですね(笑)。

ーさすがにその場では話はまとまらなかったとは思うのですが、渡部さんがミツモアに入ろうと思った決め手はなんだったんでしょうか?

渡部:そうですね、きっかけの伊野さんのお話をもう少しすると、グリーの時にすごく濃密な仕事を一緒にしていた戦友で、少なくとも伊野さんと働いたら楽しいのは間違いないないよね、というのはなんとなく私の中にはありました。ただせっかくの機会なので、他の会社さんも含めてお話とかを聞かせていただいてフラットに「どこに行こうかな」と考えていました。そんな中で、石川さんと柄澤さんとお話させていただいた時、柄澤さんと会ったときの良い意味での衝撃が大きかったんです。入社前に、新規プロダクトのメモを見た時に、この短期間でここまで持ってくるんだ、すごい開発力だなという、柄澤さん並びにエンジニアチームの馬力といいますか、そこに感嘆しました。そんなにすごいポテンシャルがある中で、柄澤さん自身も事業とか会社とか規模が大きくなってくると、それこそ私が前職でやっていたように、組織作りとかのいろんな状況が押し寄せてくるので、これに対してすごくもがいていらっしゃるなと。その時にふと昔の自分を思い出したんです。もともと私も開発にいてプロダクトを作るのが大好きでしたし、それが一番得意だと思っているんですけど、そういういろんな状況が目の前に押し寄せてくるときに「誰も助けてくれなかったよなー」というのを思い出しました(笑)。自分はその状況に適応するしかなかった。でも、私みたいにそういうことを一周やってきた人が、少し助けてあげることができれば、開発力がある柄澤チーム含めて柄澤さんが変に器用になることを強制される必要がない。共同経営者ですし、会社ももっともっと伸ばしていく数年後以降のことを考えると、彼はそんなに器用にならなくてもいいわけですよ。前職でもそうでしたが、会社の規模が急に大きくなって、中の事業が整わないという、このギャップの期間は数年で乗り越えていけると思うんです。柄澤さんの周りを固める人間が増えていって、柄澤さんが本来の力をもっともっと伸ばしていく方が、4、5年後のミツモアを見据えた時に一番最適なのかなと。僕自身も本当はそうしたかったんだけど、なかなか選べなかった。僕はこのスタートアップの業界が大好きなんです。非常にエキサイティングで、こんなに合理的に動いていく、その中で私自身も貴重な体験をたくさんさせてもらったし、成長もさせてもらいました。だから何か恩返しするとしたら、こういうことなのじゃないかと。チームの中に入って、ポテンシャルのある経営陣だったり、開発者という方々が本来の力をまっすぐ伸ばして、会社も事業も大きくなるお手伝いをしていく。今は、会社としても事業としても成長痛を感じて、成長していく時期で、どっちの方向に成長していこうか、それ自体も手探りなんですよね。そこが決まって上場とかしていけばおそらくそれがバシッとハマってるから、世間様に認められるわけじゃないですか。そこの前の段階は、試行錯誤しているので、例えばこういうのが得意な人がいるといいよねとなっても、試行錯誤の結果こっちの方向じゃなかったねという状況もあり得るわけですよね。ある程度私みたいに小器用になんでもやりますという人がいた方が、この時期を支えていく。そうしていくことが一番効率がいいような気がしていて、今は事業も見させていただいているんですけど、事業を引っ張る時期もあれば、ひょっとしたら開発の組織をうまくまとめないといけない時期もあれば、時系列で重要度の高いミッションは変わってくると思うので、そういうのに対して柔軟に対応していくと、経営陣、開発チーム、会社、サービス、事業、このあたりがうまくいいものを掴んでいく支援ができるのではないかと。

ー自分がそうしてほしかったように柄澤さんを助けたいということですね!

渡部:先輩の苦労を後輩も同じだけ味わえというのは、エコシステム全体が同じところに停滞して、人類の進化の逆をいってますよね。科学とか、先人の天才がいろいろ発明をして、研究結果を論文にまとめて、若者が後から読んで、それを土台として次に積み上げていくから人類というか全体のエコシステムをすごいスピードで発達させることができたと思う。それを「俺の時は掛け算からやったもんだ」と毎回みんなが言ってたら、ずーっと進歩はしない。それってつまんないですよね(笑)。僕がグリーに入った時ぐらいは、スタートアップはそんなに数がなかった。今みたいにいろんな会社がスタートアップとして出てくるという前の時代だったので、そこからこういう風にスタートアップのエコシステムは、たぶんちょっと進化したんですよ。次に進化していく時に「俺がCTOの時は全部やったから柄澤さんも全部やならきゃダメだよ」と言うのはなんか老害っぽいじゃないですか。

ー「若い時の苦労は買ってでもしろ」みたいな風潮が日本全体のエコシステムを停滞させてる気はしますね。

渡部:苦労はしてもいいけど、無駄な苦労はしなくてもいい。「僕と同じ苦労をしなさい」というのは完全に押しつけですよね。柄澤さんが苦労するところ、そこじゃないんじゃないかなと。柄澤さんという才能の煌めきがあって、これを僕ならもっと活かすことができるんじゃないかという感覚。コーチというよりは、彼がいろんなことに集中できるようにしていく。僕が悩んだり、失敗や成功して学んだことを、もう一度同じ時間をかけて学んでもらうのは学習効率が悪いじゃないですか。なので「僕の時はこういうことしたよ」とちゃんと教えてあげられる。その上で彼が選択をすればいいと思うんです。そこが、いろんな会社を見る中でも、すごくミツモアの光ってた部分かなと。

ー先輩として、CTO柄澤の才能の煌めきを活かしたい。すごく心に沁みました。

渡部:ありがとうございます。もちろん、石川さんも全然大好きですし、語ることはたくさんあるんですが、話が広がりすぎるので。僕はエンジニアだったので柄澤フューチャーで話しをさせもらいます。実際彼はすごいですよ。ある意味羨ましいというか。僕が純粋にあっちの道を選ぶことは、現実できなかったし、状況が許してくれなかったので、羨ましいなと思うところもありますね。

ースタートアップ業界から日本全体のエコシステムの改善というか、理想の働き方を作ってほしいなと思いますね。

渡部:日本語で「働く」というと「生活をするための糧を得る」という意味になるじゃないですか。よくあるドラマの描写とかで、父の日に「みんなのためにいつも働いてくれてありがとう」と言うのは「本当はいやだけど、お金のために苦しい思いをしてくれてありがとう」と感じませんか? 働くことの対価として報酬を得るというのは当然発生するべきなんですけど、人生の大半の時間を費やして「生きるため」だけにやってるのは辛いですよね。僕は、事業を作って会社を作るということをみんなでやっている、この瞬間が純粋に楽しいんですよね。ゲーム感覚と言うと誤解されるかもしれないですけど、一緒にやる仲間がいて、事業を作っている瞬間は純粋に楽しい。もちろん苦しい時もたくさんあります、ゲームしていて強い敵に負けたら悔しいからもう一回倒すぞ! そんな風にゲームしているのと、本質的に働くモチベーションは変わらないです。お金というものを完全に除外して考えた時に、じゃあ働かないかといったら働くし、なんでかというと、面白いからなんですよね。

ー伝える側としては、これまで「辛かったけどがんばりました」という側面を切り取りすぎたのかなと反省してます。「楽しく仕事して成果も上がりました!」という記事を増やしたいですね。

渡部:僕の中で、事業を作って会社を作るということは楽しい、“エキサイティング”といいますか。そうすると、そんな楽しいことを他の人にやらせたくない、僕がやりたいと思うじゃないですか。例えば有名な歌手のコンサートに行きたいと、席を争って獲るじゃないですか、それと同じような感覚ですね。

CTO柄澤を超えていけ〜自分だけの“エンジニア未来像”をみつけるために

ーミツモアに入社されてまだ2週間弱ですが、ミツモアの印象を教えてください。

渡部:そうですね、スタートアップっぽくて好きですね。まず、全くもってストレートな感じで言うと、いろんな会社を見ていると「これってスタートアップごっこじゃないか?」と思うことがあるんです。「働きやすいユートピア」「風通しが良い」とか、それはそれでスタートアップの特徴だと思うんですけど、スタートアップは成長しないと死ぬ生き物だと思ってるんです。ミツモアはそこに対する貪欲さみたいなものが、そもそも感じられる会社で僕は好きですという意味ですね。スタートアップはgrowth or dieなんですよね。前職でもこの話を結構していたんですけど、「スタートアップは成長意欲が非常に高い零細企業です。すごい良い会社だと思ったら大間違いですよ」と。そのうちすごい会社になるんですけど、まだなっていなくて、今は零細企業で成長して「そうなってやる」というところだけは強く持っている。そこの一線を失くしてしまうとただの零細企業になっちゃうんですよ。なので、「居心地が良いところを作ろう」とかじゃなくて、摩擦を減らして、従業員が余計なことにマインドシェアを取られないようにした上で、みんなのクリエイティビティを事業を伸ばすことに集約させるための合理的な手法にすぎないんですね。やれ上司がめんどくさいとか、そういうことに気を取られないでいる方がみんなパフォーマンスが上がって快感じゃないですか。そういう状況は作った方がいいけど、そこがゴールじゃなくて手段なんですよね。経営陣だけではなくてメンバー含めて数字をちゃんと作っていく、成長させなくてはいけないんだと。ミツモアはそういう面では僕に取ってはすごく居心地がいいですね。結構あるんですよ「なぜ成長させなきゃいけないんですか?」とか聞かれることが。「え、そっからですか?」と、そこから始めなきゃいけないのは結構ストレスなんですよね。そういうのが全くなくて「よし、やったるぞ!」っていう状況、入った瞬間からそういうスタート地点に立ってるのはみなさん当たり前だと思ってますけど、当たり前じゃないんですよ。表向きとか、経営陣だけで言ってるわけではなくて、本当にメンバー一人一人がそういうスタート地点に立っているのはミツモアとしてはいいところだなと思ってます。

ーこういう人はミツモアに入ってほしいとかありますか?

渡部:そうですね、やっぱり高いレベルで仕事をするというのは大事じゃないですか? 学校でも進学校の授業のクオリティが特別に高いわけじゃなくて、周りにすごいやつがいっぱいいると、そこに引きずられて自分もがんばって勉強するというのがある。あと若いエンジニアの子と話すと、「将来はCTOになりたい、そのためには何が必要ですか?」と聞かれたりします。「僕ができることと同じことをやったらCTOになれるんですか」と良く聞かれるんですけど、僕のCTOの形と、柄澤さんのCTOの形は違うじゃないですか。でも根底には技術力、開発力、プロダクトの構想力、そういうのがCTOには求められると思っているので、僕が柄澤さんを見た時のポジティブな衝撃を考えると、エンジニアはやっぱり柄澤さんに挑戦しにくればいいんじゃないかな?

ーおおおお!

渡部:それこそ、いろいろ知り合いの若者エンジニアと話す時「うちのCTOすげえよ、お前まだまだそのレベルに達してないからさ」という話を良くするんですよね。僕がいろいろなことに手を出さざるを得ない状況だったので、自分もそういうことに手を広げたいという相談を受けたりする時があるんですよ。「俺は開発はまあまあできてるからもっと幅を広げた方がいいんじゃないか」というコンテキストで話されるんですけど、「お前まだまだ甘いよ、うちの柄澤にチャレンジしてみ?」という感覚の話を良くしたりしますね(笑)。エンジニアのキャリアとして、柄澤さんと働くことは良い経験になるんじゃないかなと思ったりします。柄澤さんはそんなに口が達者な方じゃないので、一緒に働かないと彼のすごさはわからない気がしますけどね。

ー一緒に働けば柄澤さんのすごさがわかるから、腕に覚えのあるエンジニア、来たれ! ですね。

渡部:彼はとても優秀ですよ。僕みたいに良く喋る人の方が、エンジニア以外からわかりやすく評価されたりするんですけど、彼は優秀で、なかなか得難い人材です。彼をCOファウンダーに選んだ石川さんの目はすごいんじゃないですかね。なかなかエンジニアを見抜くってできないじゃないですか。そういう意味で良いコンビなんじゃないかなと思ってますね。

ーエンジニアは柄澤さんに挑戦する気で入ってこいと。

渡部:今まさに柄澤さんと二人三脚みたいに新規事業をやっていますが、僕は開発面に関しては何も心配していないです。これまでのキャリアの中で一番開発の方を見ていないですね。事業の方ばっかりやってます。彼が開発の方を見ててくれるから。今までは両方見てたんですよ。でも全然心配せずに、完全に丸投げで、ただ単に要望を投げるだけ。なので、会社としては、柄澤以外の人間が増えると強くなる。「もう柄澤さんの時代じゃないですよ」という人がいっぱい出てくれば、ミツモアとしても嬉しいですし、そういうオポチュニティはいっぱい転がってる会社なのかなと思ってます。「柄澤を超えろ!」という感じじゃないですかね。

ー今はまだ柄澤さん以外のエンジニアの方とはまだそんなにやり取りしていないですか?

渡部:朝会とかでチョコチョコ話したりはしてますね。まだ開発の全体のプロセスまで全部は見られているわけじゃないので。ただ、みんな僕がこういうことやってるとか言うと、興味を持って聞いてくれます。「事業のことは知らないよ」という感じではなくて、自分たちが作っているものがどういう風にお客様や市場に対して、どのような貢献ができているか興味を持って聞いてくれているなあと。そういう意味でも、スタートアップで一緒に事業を作っている仲間として、すごく頼もしいです。

ミツモアは日本の中小企業の労働生産性を上げるエバンジェリストになる

ー先ほども少し話に出たミツモアの新規事業について、可能な範囲で教えてください。

渡部:ミツモアというのは、集客や見積もりというところ、事業者さんを支援するということをやっていますが、これだけでは足りないと思っています。受注が増えてもキャパシティがいっぱいになるとそこで成長が止まってしまいます。でも業務の効率化や生産性を上げるということができれば、もっと受注を取ることができる。この両輪を回していくことがミツモアとしてサポートすべきことなんじゃないかなと。そんな感じのところでサービスを展開していこうとしています。

ー特に中小企業に向けた事業なんですか?

渡部:日本ではシステムを入れて標準化できるお金がある大企業は儲かっています。一方、中小企業はあまりお金がない。システムを普通に発注して作ろうとすると、多分開発費が数億レベル以上かかるんですよ。それはどこの会社でも払えるわけじゃなくて、大きい会社は払えて、結果、業務標準化、データ可視化ができて、労働生産性が上がっている。大企業と中小企業の差は年々開いている。なおかつ、エンジニアの求人倍率は10倍ぐらいです。ソフトウェアの自前での開発はとにかく金がかかる。もうこれ、詰んでるんですよね。なんですけど、我々は、会社の規模に応じた従量課金の料金支払いだけでいいですよと提供して、先ほども申した生産性向上ができるということをご提案できる。

ー会社の規模に応じた従量課金! それはぜひ皆さんに導入してもらって労働生産性を上げてほしいですね。

渡部:そこを本当にやった方がいいよ、というのを皆さんの共通の理解に変えていく。まさに啓蒙というかエバンジェリストといいますか、営業のプロセスというところで、しっかりご理解いただくというのが必要だと思っています。皆さん経験したことがないんですよね、例えば我々みたいなITの会社だと、数字で経営指標が見えて、それを見ながら改善していくとか、ABテストを繰り返すとか当たり前なんです。経験しちゃうとそれがないのは信じられないじゃないですか。ですけど、経験してないと必要なことだとわからない。例えば、スピードメーターのない車に乗ったら怖いんですけど、乗った時からずっと付いてないとなんか感覚でわかる。付いてることの恩恵は気づかない。スピードメーター付けない方が2万円車が安くなるならなくていいという感覚なんですよ。付けてる人は「付けた方がいい」とみんな言う。ここをいかに超えていくかってことが、事業としても社会に対して与えるインパクトとしてもチャレンジなのかなと。

ーそれはすごくハードルが高そうですが、効率化することを躊躇しないでほしいですね。

渡部:事業のプロセスを経て、皆さんにご理解いただけるようになると、事業も軌道にのりますし、結果として社会に対しての我々が及ぼす価値というのも増えていくと思ってます。

ー新規事業の開発チームを見て、新人の方が拾えそうなボールは落ちたりしていますか?

渡部:新規事業の開発チームを見てると、柄澤さんが整備してるからか知らないですけど、何をやるかとかちゃんとドキュメントにまとまっているので、入って来やすいと思いますね。今どういうものを作っていて、どういうことが優先順位が高いかドキュメントにまとまっていたりするので、違和感なく入って来れるのではないかなと。実際、お客様がたくさん使い始めてくると、いろんなご要望が上がってきたりする。そういうのを見ながらお客様が実際どう使っているのかを、エンジニアも含めてみんなでインスピレーションを沸かせながらみんなで作っていく。なので、もうゴリゴリ開発したい、プロダクト作りが好きだという人であれば、ここにすごくフィットするんじゃないかなと。

ー今やっているような、エンジニアがテストユーザーに直接現場を見せてもらって開発に活かすというのは、そうそう体験できないことかなと思うんですけど?

渡部:そうですね、そこがtoBの面白いところだと思います。toCはお客様の数が多いので、束で見ないといけない部分がある。でもtoBはお客様の数の桁が一段落ちるので、逆に深く入っていける。そこが面白さかなと思いますね。あとは職種、職位で自分はこれだよねという垣根も特にないので、声さえ挙げれば誰もがいいんじゃないと言う。結局その人が仕事を普段やっていれば誰も文句は言わないんじゃないですか。

ーユージーンと柄澤さんがアメリカに?

渡部:ユーザーインタビューみたいな感じで行きましたね。実際ユージーンとオフィスでチョコチョコ話すんですけど、ビジネスにも興味あるのか、いろいろ質問されますね。なんでしょう、待っている人にはあんまり向いてないかもしれないですね。機会、情報、チャンスを待っている人は、あまり向いてないかもしれないです。自分自身が興味あるよと言えば、みんながなんでも情報出してくれるし、基本的には情報はオープンで転がってるんですけど、むしろ情報の洪水になりがちですよ、オープンな会社は。みんながみんなキャッチアップするのは難しいじゃないですか。「これ誰か知ってる?」と声さえ上げれば「この人が詳しいよ」と教えてくれるし、それがスタートアップっぽいと感じるところでもあるし。

ー渡部さん個人として、ミツモアでチャレンジしたいことはありますか?

渡部:そうですね、事業が落ち着いたら僕もコード書かせてもらいたいですね。元々コード書くのが好きでエンジニアという職業を選んだので、基本的には僕一日コード書いてれば幸せな人なんですよ。なんですけど、チームでやるのに、自分で楽しいことを優先するよりは、チームが勝つことを優先しないと面白くないじゃないですか。なのでやってないんですけど、僕はみんなと一緒にコード書くのやりたいな、と思ってます。みんながなかなか解決できずにいる技術的な問題を、ささっと解決したらかっこいいじゃないですか? 基本そういうことがやりたくて僕はエンジニアという職業を選んだので。なかなか仕事だと難しいので、今は家でコードを書いて、自給自足してます(笑)。

ー最後に言っておきたいことあればお願いします!

渡部:僕自身が他の人にやらせたくない、自分がやりたいって思ったから入ったわけなので、これを一緒に楽しむ仲間、是非是非! という感じですね。絶対楽しいぜって、思ってます。グッとハマる瞬間があるんですよ、お客様の心を掴む方法が見つかったとか、引き合いが一気にすごく増えてきたとか。「新規事業全然売れてないぞ、お前ら」と怒られたりしながら、歯を食いしばってやっている時に「きたきたきたきた!」という瞬間が、2年に1回ぐらい感じられるんですよ、スタートアップで仕事してると。その瞬間を味わうために、僕は働いてます。これを味わうと病みつきになるというか、またその瞬間を味わう2、3年後か4、5年後のために、また地道な泥臭い仕事をコツコツできる。みんなで「よっしゃ来たぞ、それを自分自身がやってやったぞ」という感覚をみんなが味わえて、働く自己効力感ってこういうことなんだと。さっきのスピードメーターの話じゃないですけど、皆さん知らないんですよね。それを味わうと働き方の人生観が変わる。みんな、そういう機会ってあるのかな、そういうのは都市伝説で自分の身には起きない、遠くの世界で起きてることだと思っている。「そんなことないよ」と言いたいですね。勇気を持って手を挙げれば、そこに果実はあるんだぜ、というのを知ってほしい。そうしたら働くのも楽しくなるんじゃないかなと思ってます。

ーいろんな人をインスパイアするお話ありがとうございました!

(取材・執筆 字と図 吉田千枝子)

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