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六波羅蜜~日常で実践できる禅的心がまえ~

仏教や禅と聞くと「お堅そう」だったり「難しそう」または宗教色が強くて「怪しそう」と思ってしまうかもしれませんが、実は日常生活でも実践できる教えも書かれているのです。

それは「六波羅蜜」

「なんか聞いたことある……?けどよく分からない……」
実際私も六波羅密と聞いたら、京都の六波羅密寺くらいしか思い浮かびませんでした。(とはいえ六波羅密寺もどのあたりまで有名なんだろうか……ちなみにこれはまた後述します)

さて、では六波羅密とはいったいなんなのか?

「彼岸に至る」=「波羅密多」

よく三途の川を渡って向こう岸に渡ることを「彼岸に至る」と言いますよね?彼岸花やお彼岸の彼岸ですね。

仏教では、お坊さんが仏になる(彼岸に至る)ために厳しく長い修業期間があるのは有名ですが、この修行のことを「波羅蜜多(はらみた)」と言います。実はこれ、もともとはサンスクリット語である「パーラミター」が語源なのです。

サンスクリット(梵: संस्कृत、saṃskṛta、英: Sanskrit)とは?
古代インド・アーリア語に属する言語。インドなど南アジアおよび東南アジアにおいて用いられた古代語。文学、哲学、学術、宗教などの分野で広く用いられた。ヒンドゥー教の礼拝用言語でもあり、大乗仏教でも多くの経典がこの言語で記された。(Wikipediaより)

お釈迦様が開かれた仏教は東南アジア(スリランカ・タイ・ミャンマーなど)を中心に広まった上座部仏教と、東アジア(日本・中国・朝鮮半島・モンゴルなど)を中心とした大乗仏教に分かれましたが、サンスクリット語は主に大乗仏教でよく使われていたようです。

たしかに、パーラミターと言ってみると「波羅密多」と聞こえなくもない…………?パーラミター……ハーラミター……ハラミター……ハラミタ……波羅密多……?(完全当て字ですね。

仏になるための6つの修行とは?

修行である波羅蜜多の中の1つが「六波羅蜜」です。

ただこれはお釈迦様の時代に説かれたものではなく、あとから発展した大乗仏教で広まった考え方と言われています。

それまでは修行僧として修行をした人のみが仏になれるとされていたのが、様々なところで発展し、最終的に「どんな人でも日常生活でこの6つ(六波羅蜜)を意識すれば仏になれる」と言われるようになりました。

そりゃ長く苦しい修業を一般庶民が続けるのはなかなか大変ですからね。日常的にできる6種類くらいなら、なんとかできそうです。

それではその六波羅蜜の6つとは何なのか?

1)布施
今でも「お布施」等でよく聞きますが、この語源は六波羅蜜から来ています。布施=惜しまずに施しをする。つまり見返りを求めず、情けをもって行動をすること。

2)自戒
自律を尊重する。慎みを持って行動すること。

3)忍辱(にんにく)
苦難を耐え忍ぶ。忍耐強い心を持つこと。

4)精進(しょうじん)
たゆまず努力すること。「精進します」等は今でも使いますね。

5)禅定(ぜんじょう)
瞑想によって精神を集中する。自分の心を見つめる習慣を持つこと。

6)智慧(ちえ)
1~5を実践することで智慧を得て、心が穏やかになること。

6つ一気にやることは難しくても、まずは1つだけでも意識してみると少し日常の見方が変わるかもしれません。

特に5つ目の禅定は、座禅や瞑想として比較的日常生活で取り入れやすいです。
私もコロナ渦の4月頃から日々座禅を生活に取り入れてますが、最初は雑念だらけだったのが、慣れてくると「今日は自分が思っているより心がざわざわしてたな」とか「今日は呼吸が安定していて集中できた」という風に、自分が思っている以上に自分の身体や内面の変化に気づけるようになりました。

有名なアップルのスティーブ・ジョブズも瞑想(マインドフルネス)を取り入れていたので有名ですが、座禅や瞑想をして自分の内面に意識を持てるようになると怒りの感情のコントロールするアンガーマネジメントや新しいアイデアの発想にも良い影響があるそうです。
もしやるなら朝一か夜寝る前がリラックスできてオススメです。

また前述したように京都には六波羅蜜寺という天台宗のお寺もあります。

ここでは塗香(ずこう)と呼ばれる粉末状のお香のお香もあるようです。お寺で使われるお香には白檀も入っており、白檀にはリラックス効果があるので、これを付けながら座禅や瞑想をするのもオススメですよ。

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