『名前のない生きづらさ』読了
名前や所属先、肩書き、病名、障害名等がないことによる生きづらさ…
それは「自分は何者である」という証明がないようなもの。
まるで社会とのつながりが断たれたような感じ。
う~ん… 極端な考えかもしれませんが、そういう生きづらさってわかる気がしますし、今の私がまさにそれを感じている。
反対に、ラベリングされて名札があるからといって生きづらさがなくなるものでもない。
名付けられたけど、
「なんか、私ってもしかすると、その枠からはみ出てるのでは…?」
と、個人差はあるかもしれませんが、〝名前と私のズレ〟を感じずにいられない時ってあると私は思えます。
あと、この名前をつけられて不快になったり、傷ついたりとか。
名前って厄介だと改めて思いました。
この本では、著者である不登校当事者だった方が当時をふりかえって、深く掘り下げて書かれていました。
読みながら、私自身も学生時代の記憶を呼び起こしたりして、忘れていた事を思い出したりするようになりました。
また、もう1人の著者は、過去に「不登校新聞」の編集長を務め、現在は立ち上げた居場所のコーディネーターをしていて、「不登校」や「ひきこもり」などの名称が生まれた時代背景、教育のあり方、いじめなどについて詳しく紹介されています。
また、現在取り組んでおられる活動内容なども少し触れています。
そこで、私がこれはいいな☆と思って、思わずノートにメモった文章があります。
『名前のない生きづらさ』より
「生きづらさ」について今日から出来ること
1.まずは力を抜きましょう
2.自分が「生きづらい」と感じているのなら、それは素直に認めていきましょう
3.無理に我慢してがんばったあげく、ストレスを他者にぶつけるのはやめましょう
4.「生きづらさ」を自分に閉じ込めて、自分を傷つけることもやめましょう
5.マスメディアで流されていることを鵜呑みにするのはやめましょう
6.「ひきこもり」「ニート」など、人にラベルを貼ってわかった気になるのはやめましょう
7.自分を否定するのも、まやかしです
8.「生きづらさ」を開いて、他者と共有しましょう
9.自分を生きづらくしている状況に目を向けましょう
10.問題は簡単に解決しませんが、矛盾こそ大事にしましょう
親御さんや教育関係者、子どもと関わるすべての人に向けた本だと思えます。
あと、学校に行くのが辛くなっている人。
勉強や友達付き合いでクタクタになっている人。
いじめを受けていて苦しい思いをしている人。
あるいは、周りでいじめが起こっているのを目の当たりにし、心を痛めている人。
中学生や高校生にも、おすすめ出来る本かと私は思います。
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