いくらあっても
読書が好き、という話を前に書いたと思う。
たくさんの本を読めていたのは中学生までであり、それ以降はなかなか本とは縁遠い生活を送っていたのだ。高校生以降、通学に時間がかかったり、授業の予習復習が間に合わなかったり、部活で帰るのが遅かったりと、なかなか読書をする機会がなかった。大学も完全に時間もバイトに捧げていたため、学校と勤務地の往復の日々であった。
そしてこのご時世、どうせ引きこもるならと本を読もうと思ったのだ。
しかし、家から近い図書館も二駅隣にあり、定期券外であったため、なかなか利用していない。しかも緊急事態宣言の今はしまっている。悲しい。
基本的に、本を買うと場所をとってしまったり、お金がかかるので、あまり本屋で買い物をしないのだが、図書館が開いていないのであればしかたがない、ということで、図書館に行くことにした。
今思い返すと、なれないことをするものではないというものである。
まず、買う本が全然決められない。欲しい本はある。気になる本もたくさん見つかる。この作家さんの新作かあ。これ最近話題にあがっているなあ。この本後々役立ちそう。
いくら時間があってもしぼれない。全部素敵に見える。お金と場所が足りない。
この経験は古本屋でもしたことがあり、定価よりも安いということで、欲しい本を好きなだけかごに入れてレジに持って行ったことがある。
結果、本棚の一角と諭吉を失った。
古本屋でこれなので、普通の本屋で気を抜いたらとんでもないことになるだろう。
結局、三冊買ってお店を出ることとなった。ハードカバーの本だったので一葉とお別れすることになった。
早く図書館が開いてほしい。
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