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[本(1)星月夜(ほしつきよる)】

夏休みを利用し、本を読みました。李琴峰(りことみ)氏の星月夜(ほしつきよる)です。個人的な感想を書いておきたいと思います。感想文を書くことに慣れていないので、これからの練習!を兼ねています。ストーリーは、あまり書かず、自分が感じが抽象的な気持ちをまとめました。


タイムスリップ

本を読んで、1ページからタイムスリップをしたかのような感じがした。
あの時の慌ただしさ、同僚の先生とのやり取り、それでも、モヤモヤしている気持ちなど、そして、ランチの時間など、、
私もあの時、そう思っていたのかもしれない。感じていたのかもしれないと思いながら、小説を読んでいた。

個人としての悩みと自分を取り巻く環境との闘い

留学生、その身分を持ってから、本当に様々な立場を差を感じるようになった。というのは、立場が変わったら、これだけ通じないのかなーと思うぐらい腹が立つ経験も多く、その内容は法律的に触れるようなことでもなく、
大きな事件になるわけでもなく、
友達との一言やバイト先の出来事、わけのわからない皮肉など、、
そして、理解しているかどうかもわからない親との関係、、、
中でも、自分一人の力では、どうにもならない環境との小さな闘いも、
自分の中のもう一人の自分なのかな~と思うぐらいだった。

「ルール」という残酷な言葉

小説の中では、在留カードのことで、ある出来事がある。
在留カード、とても重い言葉である。
そして、「ルール」というのは、いかに残酷なのかをもう一度、考えさせられるシーンでもあった。

やはり、言葉の使用者が作る言葉は美しい

日本語の正しさを問う際に、よく「非文」「誤用」などの表現があるが、
外国人となるとその評価の基準が一層厳しくなる。
そして、一気にそのスピードが加速し、隣のおばあちゃんやおじいさんまで、国語教師のように教えようとすることもある。
私が、この小説を読んで、一番、ほっとしたのは、やはり、
星月夜(ほしつきよる)という題名にもあるような会話であった。
確かにそうだ!と感じていたことや使用者が使っている言語はやはり価値があり、美しいと感じた。あの二人が見ていた夜空は、どれほどの星が輝いて、月が照らされていたのかを想像すると心が熱くなる。

読んでいて楽しかった

最初は、自分が想像しやすい環境が書かれていたので、読んでいたが、
まず、対象が留学生と日本語教育の教師であることや、
大学院の入試など関わったりしているところも、楽しく読むポイントとなった。*「楽しい」という感情は、とても複雑で、悲しい、うれしい、怒る、というようなすべての感情が揺れ動いて、その結果、「楽しい」という感情表現になっただけで、決して、「ははは!」と笑えるようなことではない。

マイノリティは多数決で解決できない

つらいことではあるけど、マイノリティの問題は、より多くのマイノリティの方の発言や活動によるものでやっと成り立つ。
いつも思うが、マイノリティは、数が少ないからマイノリティであり、
その一つの解決の方法が、多数決になっているところがなんだか矛盾を感じる。話は変わるが、「マイノリティ」である「海外のルーツを持つ子供」
は、その数が「一人」である場合は、全く政策は動かない。そのまま「同化」である。ただ、その数がいよいよ半数を超えるか超えないかとなると、
政策として「動く」ことがある。「マイノリティ」は、数が少ないからなの!といくら言っても何ら変わらないだろうな。
私も、これからどうするの?と聞かれたら、「考えたことがないからわからない!」という答えだけはしないように、考えていきたい。




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