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医療 製薬業界|1週間の注目記事(11/9-11/15)

クリニファー株式会社でインターンシップをしている大学院生のオダニと申します。
今回は11/9-11/15の1週間で、私が興味を持った注目記事を共有します。コメントやアドバイス等ありましたら、ぜひお願いいたします!

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味の素 米遺伝子治療薬CDMO企業を買収

日刊薬業(2023年11月13日)https://nk.jiho.jp/article/185421

味の素は米国の遺伝子治療薬CDMOを約828億円で買収した。同社は得意技術である「アミノサイエンス」を活用してアデノ随伴ウイルスベクターの製造に取り組む。遺伝子治療薬CDMOを次世代の戦略事業の一つに位置付けており、今回の買収で遺伝子治療薬CDMOの参入を果たした。

今回買収した米国の遺伝子治療CDMOは、遺伝子治療薬の開発と製造を行うフルバリューチェーンを保有しています。遺伝子治療薬の開発にはウイルスベクターの開発が必要ですが、その生産性に課題がありました。生産性を向上させるためには、ウイルスベクター製造の源である培地の最適化が必要であり、味の素は独自のアミノサイエンスを応用することで培地最適化を目指します。遺伝子治療領域の製薬ニーズは、市場規模・臨床試験数の増加に伴い、今後年間二桁以上の急成長が見込まれています[1]。味の素は、この急成長している市場で、遺伝子治療薬製造受託のリードを目指しているようです。
このように、バイオ医薬品の製造に関しては、製薬業界以外の食品業界や化学業界の参入がしばしばみられ、他業界も注目していることがわかります。以上のことからも、バイオ医薬品の市場は今後も急成長し続けると考えています。

[1] 味の素株式会社|米国Forge Biologics Holdings社の買収について

https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/ir/event/business_briefing/main/011111/teaserItems1/01/linkList/01/link/Forge_Presentation_J.pdf


花王 独自開発した免疫制御技術を用いてmRNA医薬品創出へ

日刊薬業(2023年11月14日)https://nk.jiho.jp/article/185465

花王はNANO MRNA(旧ナノキャリア)とmRNA医薬品の創薬に向けた包括共同研究契約を締結したと発表した。共同研究ではアレルギー疾患領域などにおいて、画期的なmRNA医薬品創薬に向けた研究開発を推進する計画である。

花王が独自開発した免疫抑制技術「スネアバックス」とNANO MRNAが持つmRNA医薬品創薬における豊富な知見を融合させることで、アレルギー疾患をはじめとした領域において画期的なmRNA医薬品を創薬することを目指しているようです。mRNAはワクチンや医薬品として用いられているモダリティの一つであり、最近では新型コロナウイルスワクチンに採用され、その基礎研究を行った教授らがノーベル生理学・医学賞に選ばれました(関連記事)。以上のことからもmRNAは現在非常に注目されており、その研究開発が進んでいます。花王はこの急成長が予測されているmRNA市場[2]に目を付け、mRNA医薬品創薬のパイオニアであるNANO MRNAと共同研究を行うことで、この市場への参入を果たしたと言えます。このように、上述した味の素のような、医薬品以外の業界のリーディングカンパニーが参入してくるほどに、バイオ医薬品の市場は他業界からも注目されていることがわかりました。

[2] 花王株式会社|花王とNANO MRNA mRNA医薬品創薬に向けた包括共同研究契約を締結 https://www.kao.com/jp/newsroom/news/release/2023/20231114-001/


大正製薬HD 売上高と社員数のバランスを考慮し早期退職制度実施 645人が応募

 ミクスOnline(2023年11月14日)https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=75631

大正製薬HDは今年5月から募集していた早期退職優遇制度で645人の応募があり、9月末までに全員の退職が完了したと発表した。医薬事業において、売上高に見合った社員数に調整するため、人員の削減を行ったとした。

製薬業界の早期退職プログラムの実施が相次いでいますが、大正製薬HDが実施した早期退職制度の対象者は勤続3年以上かつ満30歳以上の正社員であり、比較的対象範囲が広い印象を受けました。中外製薬や塩野義製薬などは、企業の更なる成長のために早期退職プログラムを実施しました(関連記事)が、大正製薬HDは業績が厳しい医薬品事業を再編成し、今後の持続的な成長に向けて生産性の高い組織構築を進めていくために行ったという点が異なっています。改めて業界の厳しさを感じましたが、この生き残りの厳しい業界で、各製薬企業は盤石な経営基盤の構築を積極的に進めていただき、将来は安定した組織になってほしいと思っています。

帝人 生成AIを導入 業務効率化・生産性向上に期待

ミクスOnline(2023年11月15日)https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=75639

帝人はグループ社員8000人が利用する生成AI「chatテイジン」を導入したと発表した。社員の社内業務効率など生産性向上を目的としたもので、文章の作成・翻訳・要約やデータの分析などに活用される。

社員一人ひとりの業務の効率化や生産性向上に向け、生成AIを導入する企業が増えています。例えば、小野薬品は2023年6月からグループ全体で生成AI「OnoAIChat」を本格的に活用しており、用途は検索・質問が最多で、次いで翻訳、要約・校正が多く、業務効率化が主でした(関連記事)。このように、医療・ヘルスケア業界で働くうえで、今後は生成AIがなくてはならない存在になり、これら生成AIを正しく使いこなすスキルを身に着けていくことが重要になりそうだと考えています。また、治験報告書や承認申請書を生成AIが支援するサービスも提供し始めているようで、これの活用により、研究員がより創造的な業務に時間を充て、イノベーションに繋げることができると考えています。

11月中の他の週間注目記事についてもまとめています。ぜひご覧ください!(マガジンはこちら


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