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医療 製薬業界|1週間の注目記事(10/1-10/12)

クリニファー株式会社でインターンシップをしている大学院生のオダニと申します。
今回は10/1-10/12の約1週間で、私が興味を持った注目記事を共有します。コメントやアドバイス等ありましたら、ぜひお願いいたします!

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ノーベル生理学・医学賞にmRNAワクチン技術 新型コロナに効果

日刊薬業(2023年10月3日) https://nk.jiho.jp/article/184343

2023年のノーベル生理学・医学賞に、mRNAワクチン開発につながる基礎技術を開発したカタリン・カリコ教授と、ドリュー・ワイスマン教授が選ばれた。同氏らはmRNA投与後に起こる炎症反応を抑える技術を開発し、mRNAワクチン実用化への道筋を付けた。

mRNAを医薬品に利用する発想は30年ほど前からあったようで、コロナの世界的流行によりそのワクチン開発が一気に加速したようです。mRNAを投与することで、体内で合成された目的たんぱく質により治療することが可能となり、ワクチンだけでなく遺伝子疾患やがん治療薬への応用が期待されます。今後もmRNAを利用した医薬品の開発が加速し、これまで治らなかった病気が治る世界が来ることに非常に期待しています。

協和キリン 遺伝子治療のグローバルリーダー企業Orchard社を買収

ミクスOnline(2023年10月6日)https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=75440

協和キリンは10月5日、英・バイオ医薬品企業Orchard Therapeutics plcを707億円で買収した。Orchard社は希少疾患の治療薬の開発と商業化に成功した経験を持つ遺伝子治療のグローバルリーダー企業であり、この買収により協和キリンは遺伝子治療分野で世界をリードすることが狙い。

協和キリンは抗体医薬品に強みを持ち、「クリースビータ」の伸長により業績は好調をキープしていますが、「クリースビータ」は2029年に特許が切れる見込み。次を担う新薬の開発が必要ですが、現在は難航しています。具体的に、21年度から25年度の中期経営計画で次世代戦略品として位置付けた5品目のうち3品目がすでに開発を中止しています。これを受け、開発力強化を図るために遺伝子治療分野への参入に目を向け、Orchard社を買収したと考えられます。

国内医薬品市場、27年以降はマイナス成長予測 富士経済

ミクスOnline(2023年10月11日)https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=75452

富士経済は10月10日、日本の医療用医薬品市場の2032年まで10年間の年平均成長率が0.8%にとどまると予測した。20年代前半はがん領域や自己免疫疾患領域、アルツハイマー治療薬が市場を成長させ、28年までは成長拡大が継続すると予想されたが、27年以降にこれらのバイオシミラーが登場し、マイナス成長に転じると分析した。

医療費の削減のため、政府はジェネリック医薬品やバイオシミラーの普及を推進していることから、これらの登場で市場の成長が抑制されることは間違いありません。確かに国民皆保険の持続のためには致し方ないと考えられる面もありますが、私たち国民は「価格が安い」という理由だけで安易に後発医薬品を選ぶことは避けるべきではないかと考えます。特にバイオ医薬品は低分子医薬品に比べて開発難易度が高く、後発医薬品であるバイオシミラーの有効性は、必ずしも先発医薬品と同等であるとは限りません。バイオ医薬品は高価なものであることが多く、バイオシミラーを選ばざるを得ない状況がほとんどだと考えられますが、先発医薬品を選べる状況にある場合は積極的に選ぶべきだと考えます。

アルツハイマー治療薬ドナネマブ、投与1年で半数が治療終了

日刊薬業(2023年10月11日) https://nk.jiho.jp/article/184531

米イーライリリーは開発中のアルツハイマー治療薬「ドナネマブ」について、投与開始1年で患者の半数が治療を終わらせることができると述べた。これにより一定程度発生する副作用のリスクを低減できると説明した。

「ドナネマブ」には重大な副作用があり、被験者の3分の1程度で脳浮腫が見られました。その中の1.6%に危険な脳浮腫が見られ、うち2名が死亡したと報告されています。画期的な薬ですが、重大なリスクがあることを知っておかなければなりません。エーザイの「レカネマブ」にも同様の副作用があり、17.3%の脳内出血と12.6%の脳浮腫が報告されています(エーザイHP)。医薬品には副作用がつきものですので、治療効果や有効性ばかりに目を向けるのではなく、副作用や安全性にも注視する必要があると改めて感じました。

モデルナ インフル・コロナ混合ワクチン開発好調

日刊薬業(2023年10月12日) https://nk.jiho.jp/article/184562

モデルナ・ジャパンは11日、開発中のインフルエンザワクチンと新型コロナワクチンの混合ワクチンmRNA-1083を既存のインフルエンザワクチンやコロナワクチンと比べた臨床第1/2試験で、同等以上の免疫反応を示したと発表した。今年中にP3試験を開始し、25年の承認取得を目指す。

インフルエンザとコロナの混合ワクチンが登場しました。一度の接種で両方予防できる点は魅力的です。インフルエンザとコロナは同時流行する場合があることが報告されており、一度の接種で両方予防できる同ワクチンが25年に承認されれば、混合ワクチンが主流になると考えられます。また、副作用の発生率や症例についてですが、これまでに実用化したモデルナ製のコロナワクチンと変わらなかったと報告されています。

10月中の他の週間注目記事についてもまとめています。ぜひご覧ください!(マガジンはこちら


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