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ヘルスケアベンチャーが地方自治体と組んで成し遂げたいこと。mediVRは東京都三鷹市とパートナー協定を締結しました

株式会社mediVRは、「福祉Laboどんぐり山(仮称)」の整備を進める東京都三鷹市と、「デジタル技術を活用した三鷹市の健康福祉施策推進に向けたパートナー協定」を締結しました。

「福祉Laboどんぐり山(仮称)」は、2020年3月に廃止となった三鷹市立特別養護老人ホームどんぐり山の施設を活用し、在宅生活を望む高齢者とその介護を担う家族、市内介護事業者等を支援する拠点施設で、2023年12月に開設予定です。mediVRは三鷹市や連携大学・企業とともに在宅医療・介護の負担を軽減する研究に取り組み、その成果を地域住民や介護事業者に届けたいと考えています。

福祉Laboどんぐり山プロジェクト事業イメージ図:三鷹市作成

2022年12月16日、市長公室で締結式が執り行われ、河村孝市長とmediVR代表の原正彦が協定書に署名をしました。

記者にカメラを向けられながら署名をする河村市長と原

ご自身も脳の病気で倒れた経験を持ち、市民の健康福祉施策に熱心に取り組まれている河村市長。署名後の挨拶では、YouTube動画をきっかけにmediVRカグラを知り、VRを使ったリハビリに可能性を感じたことを語ってくださいました。

mediVR代表原に向かって語りかける河村市長

河村市長:すぐに職員とともにmediVRを訪問してカグラを体験し、これはすばらしい技術だと感じました。私自身が病気をした後に悩んだのは、まっすぐに歩いているつもりなのに人から見ると右や左に傾いていて、自分が描くイメージと実際の姿にギャップがあったことです。VR空間なら客観的な自己像を描きやすく、それが脳の刺激となり、身体動作の改善につながると感じました。病気の後遺症や障害で苦しんでいらっしゃる市民のみなさんに何らかの形でmediVRカグラを届けられたらと考えたことが、今回のパートナー協定締結につながりました。

原:mediVRが地方自治体と組むのは今回が初めてのことです。私共をパートナーに選んでいただいたこと、深くお礼申し上げます。河村市長も職員のみなさまもとてもフットワークが軽く、mediVRカグラを体験してすぐに「市民のみなさんのこうした課題を解決できるのでは」「こんなふうに活用できるのでは」とアイデアを膨らませてくださいました。そうした姿に感銘を受け、協業が始まるこの日が来ることを楽しみにしていました。三鷹市民のみなさまの期待に応えられるよう、誠心誠意取り組んでまいりたいと思います。

河村市長に向かい挨拶を返すmediVR原

また、在宅医療・介護に関する記者からの質問を受け、河村市長は「超高齢社会で医療・介護人材の不足が懸念されていますが、ITやデジタル機器を活用し効率化を図ることで現場の負担を軽減できるよう研究を進めたい」と、原は「行政とともにアプローチすることで、ご家族が自分の時間・人生を犠牲にして介護をするような状況を解決し、患者さまやご家族が自分らしい人生を歩めるようにできるのではと期待しています。福祉Laboどんぐり山でさまざまな実験的取り組みを行えたらと考えています」と展望を語りました。

三鷹市在宅医療・介護研究センター解説図

締結式の後は、河村市長やメディアのみなさまにmediVRカグラをご体験いただきました。「mediVRカグラはゲーム感覚でリハビリに取り組めるので、高齢者の日常生活の改善や健康維持につながると思います」と河村市長。言葉の端々から、医療をめぐる現状と課題を深く理解し、市民のみなさまの健やかな暮らしをどう守るか日々考えていらっしゃることが伝わってきました。

mediVRカグラのデモンストレーション後、原に質問をする河村市長

より具体的な協業内容については現在三鷹市職員のみなさまと計画を詰めているところです。詳細を発表できる段階になりましたら、都度報告したいと思います。

三鷹市職員の皆様とmediVR社員との記念撮影
mediVRからは原正彦、村川雄一朗、新本啓人、白石希恵が協定締結式に出席しました

自治体と組むことで、これまで手が届かなかった方々へリハビリを届けたい

さて、原の挨拶にもあったとおり、mediVRが地方自治体と連携するのは今回が初めてのこと。ここからは少し、ヘルスケアベンチャーが地方自治体と連携することで何を実現したいのかについて語りたいと思います。

私たちは、現在の医療制度や医療環境にはさまざまな課題があると考えています。たとえば、医療保険でリハビリが受けられる日数は、治療を開始した日から数えて運動器疾患で150日、脳血管疾患で180日といった制限があります。この期間を超えた方々への受け皿やサポート体制はまだ少ないのが現状で、身体や暮らしに改善の余地があるにもかかわらず経済的な事情からリハビリをあきらめてしまう方、自分に合った自費リハビリ施設をなかなか見つけられずにいる方もいらっしゃいます。いわゆる“リハビリ難民”と呼ばれる方々です。

mediVRでは、全国の大学やリハビリテーション病院と連携し、mediVRカグラを使ったリハビリの治療実績や医学的エビデンスを蓄積してきました。他院から「これ以上の改善が望めない」と匙を投げられてしまった慢性期の患者さまの日常生活動作が劇的に改善するなど、驚くべき事例が生まれています。

私たちは全国の医療・介護施設にmediVRカグラの導入を進めるとともに、2021年には業界初の“成果報酬型”リハビリテーションセンターを開設しました。あらかじめ設定した目標を達成したとき・達成した分だけ報酬をいただく仕組みで、「治るかどうかわからないリハビリに時間やお金を費やさなければいけない」という患者さまの不安を払拭することが狙いです。

ここでは社会福祉活動の一環として難病の子どもに無料でリハビリを行う一方で、富裕層の方からはそうした取り組みに対する資金を含めた金額をいただくという“ブラックジャックモデル”も試しています。制度疲労を起こしつつある国民皆保険制度に頼らずに、すべての患者さまにリハビリを届ける方法を模索しているのです。

ただ、mediVR一社でできることには限りがあります。三鷹市のような志を持った自治体と連携することで、これまでアプローチできなかった方々にmediVRカグラを使ったリハビリを提供できるのではないかと期待しています。

河村市長がおっしゃったとおり医療・介護人材の不足は深刻で、厚生労働省は令和4年版の厚生労働白書において「2040年には医療・福祉就業者数が96万人不足する」という試算を出しています。多くの人が充分な医療・介護サービスを受けられなくなる日が来るかもしれません。こうした課題意識から、mediVRでは理学療法士・作業療法士の遠隔サポートのもと、ご家族にmediVRカグラを操作していただく在宅リハビリの試みも進めています。患者さまの日常生活動作が改善し自力でできることが増えれば、ご家族の介護負担も減るはずです。

mediVRカグラを体験する河村市長

また、三鷹市では高齢者に向けた施策を中心に行う予定ですが、脳性麻痺や発達障害などの小児に効率的にリハビリを届けるため、自治体と組んで小中学校や療育施設にmediVRカグラを導入できないかという構想も練っています。毎回学校を休んでリハビリ施設に通うのは、子どもにとっても保護者にとっても大変なこと。学校で空き時間などにリハビリに取り組むことができれば、無理なく続けられるのではないでしょうか。

mediVRは今後もさまざまな自治体と協力して医療・リハビリ分野の課題解決に取り組みたいと考えています。関心を持っていただける自治体の首長・職員の方がいらっしゃったら、ぜひご連絡いただけると幸いです。

■株式会社mediVR
HP:https://www.medivr.jp/
リハビリセンター:https://www.medivr.jp/rehacenter/
Facebook:https://www.facebook.com/mediVR.media
instagram:https://www.instagram.com/medivr.jp/

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