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オンラインで気軽に匿名相談できる手軽さや質問の返答が60分以内と早くて満足。

E-コンサルの提供開始から現在までご活用されている、市立伊勢総合病院 総合診療内科の谷崎隆太郎医師。200床ほどの小病院やナショナルセンター、大学病院などの医療機関を経て、地元三重県伊勢市の市立伊勢総合病院へ。
専門医が不足する環境である中、遠隔医療コンサル「E-コンサル®」を日頃の診療にどのように活かされているのか。実際のご意見や感想を伺ってみました。

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~ 谷崎隆太郎医師のご経歴 ~
2006年に埼玉医科大学医学部卒業後、同年に宮城厚生協会 坂総合病院 初期研修を経て 2009年には岐阜大学医学部附属病院にて高度救命救急センター医員へ。2012年に国立国際医療研究センター総合感染症コース フェロー。2015年に名張市立病院総合診療科に入職、その後2019年に現在の市立伊勢総合病院 内科・総合診療科にて勤務。

E-コンサルの実際の使用感は?

E-コンサルを知ったきっかけを教えてください。

谷崎先生:E-コンサルを知ったのは、知り合いの医師からの紹介がきっかけです。

E-コンサルを使ってみての感想を教えてください。

谷崎先生:地方の田舎で働いたことのある人ならどんな感じか分かると思うのですが、今いる病院は、領域別専門医が少なく、疾患によっては院内に相談できる人がいない状況です。E-コンサルは、相談できない専門科や病院にいない科の先生にアクセスできるという意味で、すごくありがたいサービスですね。
また、質問後のレスポンスがとにかく早いです。あの迅速さはありがたいですね。

実際のE-コンサルに投稿する様子

どんな科で使用することが多いですか?

谷崎先生:膠原病内科と内分泌内科で相談することが多いです。ある程度のことは自分でできるんですが、「ここはちょっと経験がある人に聞かないとな」と思うときや「ここは治療判断が難しいな。でも他院にわざわざ紹介するほどではないな。」という場面がいくつかあるため、そういう時に活用していますね。

自分で解決できる時もある、というお話ですが治療方針に悩んだ際はどのように解決に導いていますか。

谷崎先生:近年は、書籍や研修会など自分で勉強できる範囲が広がっており、普段からさまざまな分野のウェブセミナーを視聴して勉強できる機会が増えました。おかげで、例えば膠原病領域でも、典型的な症状や経過であれば、E-コンサルを使わずに多くは判断ができています。

ではどんなシーンでE-コンサルを活用しているかというと、比較的稀な病気が鑑別に上がるんだけど微妙な症状の時、特徴的な所見がなく判断に困る時、などですね。他にも、臨床像が似ていて「これってどっちだろう?」という時が悩ましいんです。例えば、高齢発症の関節リウマチとPMR(リウマチ性多発筋痛症)とかもそうですよね。そういった微妙な判断を仰ぎたいときに、E-コンサルを活用しています。

質問主治医の質問イメージ

E-コンサルは、顔が見えないオンライン上でのコミュニケーションとなっていますが、使用に抵抗などはありませんでしたか?

谷崎先生:そこに関しては抵抗ありませんでした。
フェイスtoフェイスだとどうしてもお互いの時間拘束が生じるので、
むしろチャット形式のほうが忙しい臨床医には使いやすいと思います。

E-コンサルは回答専門医側の本名が掲載されるため、どのようなバッググラウンドの方で、信頼できる医師なのかが見える化できると思っています。E-コンサルは、チャットだけでなくテレビ電話機能もあるので、フェイスtoフェイスで相談したい場合にも対応可能なのが良いと思っています。

E-コンサルに所属しているMedii認定専門医の質はいかがでしょうか?

谷崎先生:顔の見えないオンライン相談だからこそ、回答専門医には医学的な能力(エビデンス)の他に、相手が何を欲しているのかを汲み取る能力(ナラティブ)が求められていると思います。
その二つの能力が備わっている先生にあたると、「ああ、これはすごい先生だな」って感動します。

一方で、医学的に知見の深い方が回答したとしても、こちらの医療機関や患者背景からかけ離れた提案を回答されると、とちょっと参考にしにくい、ということもありえるかと思います。オンラインコミュニケーションの中でエビデンスとナラティブ両方を兼ね備る方は、高い評価を得るのではないでしょうか。

E-コンサル回答例

「医学的な能力(エビデンス)」と「相手が何を欲しているのかを汲み取る能力(ナラティブ)」、この2つの能力とは?

谷崎先生:エビデンスは、その時点で判明している科学的・医学的に正しいとされている客観的事実であり、ある程度経験のある医師の間では、似たような回答内容になると思います。一方でナラティブは、相談医とその患者さんごとの個々の事情に配慮した回答を指しますので、医師ごとに意見が分かれることは多いと思います。

医師にとってはどちらも大事な能力ですが、僕も回答専門医側になるときは質問者のさまざまなバックグラウンドを想定して、ナラティブ寄りに回答するように心がけています。「エビデンス的にはこのようになっているけど、これは実現可能かどうか。」「もし、実現不可能であれば代替案はこれです。」といった感じです。

色々な規模の医療機関がありますが、大きくて設備が整った環境での高度な医療は、医学界の最先端であっても医療の現場からみると最後尾、最後の砦です。最前線で奮闘する診療所や中小病院の医師との感覚のズレが生じるリスクはもちろんあると思うんです。

質問主治医側の医師が自分の状況をきちんと説明し、「このような状況で何ができますか?」といった聞き方をすればこのズレはきっと回避できると思いますし、一方で回答専門医側にも自分の環境と相手の環境の違いなどに気を配って擦り合わせようとする姿勢が大事ですよね。その点、E-コンサルに登録している回答専門医には、かなり配慮してくれる先生が多いと思います。

「専門医がいない」という、医療資源が限られた地域の医師が相談している、ということをきちんと理解し協力してくださっているのでしょう。

今後、E-コンサルどのように活用していきたいですか?

谷崎先生:引き続き、困ったときには活用していきたいですね。自分の勤めている病院にいない専門科の先生に気軽に相談できるのは本当にありがたいです。あとは、将来的に実際患者さんを専門医に診ていただけるようになるとさらに活用の可能性が広がるかと思います。

実際の現場で使用されている先生へ話を聞くことで、遠隔で治療診断の相談ができる利便性や必要性、そして課題がより明確になったのではないかと感じています。

今後も、MediiはE-コンサルを通じて地域医師不足・専門科偏在問題と向き合い日本における社会問題を解決に導いていきたいと思っています。

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