第10回 人生最大の報酬とは,知的活動そのものである:キュリー夫人のラジウム発見と被曝
マリ・キュリー(1867〜1934)
医療になくてはならないX線は,1895年にレントゲンによって発見されたのは皆の知るところである。翌年ベクレルが,ウランに放射線を出す能力(放射能)があることを発見し,キュリー夫人(マリ)が夫ピエールとともにウラン以外の元素も調べ,1898年にポロニウム,ラジウムを発見している。マリとピエールは純粋なラジウムを作り出すのにくずウラン11トンをひたすら精製したとされる。自分たちの発見のためとはいえ,気の長くなるような肉体労働であったに違いな