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話がうまい人は、ツリー構造で考える

話がうまい人はツリー構造で情報を整理している


打ち合わせの司会進行をスムーズに行えたり、話がうまい人は、ツリー構造で情報を整理しています。話がうまい人は、どうやって会話を進行しているのか、キャンプを行うケースを例に説明します。

このnoteを読むと、打ち合わせの司会進行をうまく行えたり、プロジェクトマネージャーとしての情報整理と進め方にも役立つ内容になっています。

話がうまくない人たちの話し合い


話の進め方がうまくない3人が、キャンプに行く予定について話し合うと、このようになります。

A「キャンプに行きたいですね。今度のゴールデンウィークなんかどうですか。」

B「いいですね、行きましょう。今の季節は奥多摩とか良いですよね。ゴールデンウィークだと混んでますかね。」

C「奥多摩とかも良いですね。都心でもキャンプできるところがあるらしいですよ」

B「そうなんですか。都心でもできるんですね。キャンプといえばやっぱりカレーですよね。」

A「肉を焼くよりもカレーですか。肉も食べたいですね。」

C「肉はどうでも良いですけど、カレーはじゃがいもを入れないタイプが良いですね」

B「えっ。カレーにじゃがいもを入れないんですか。じゃがいもが入っていないカレーなんて、カレーじゃないですよ。」

A「バーモントのルーさえ使えばカレーですよ。」

B「えっ。キャンプのカレーといえば、スパイスは自分たちで調合するのが醍醐味でしょう。」

C「それめんどくさくないですか。とりあえずじゃがいもが入らないなら、カレーはいらないですよ。」

というふうに、話がうまくない人たちが話し合うと、いろいろなことを話して話がとっちらかってしまいます。

この会話の特徴は、話題がコロコロ変わり、一貫した話の流れが保たれないことです。始めはキャンプの計画について話していたはずが、途中で食べ物の話に飛び、個々の好みや調理方法に話が及ぶことで、本来の目的であるキャンプ計画の詳細を詰めることがおろそかになっています。これにより、具体的な計画が立てられず、会話がとっちらかってしまいます。では、話がうまい人はどのように話すのでしょうか。

話がうまい人は、頭の中にツリー構造ができている


話がうまい人は、頭の中でツリー構造を作りながら会話を進めます。今までの会話で出てきた話題を整理すると、以下のようになります。

  • キャンプの日程の話

  • 場所について

  • 料理について

A、B、Cさんは、日程などのツリーの上位の話が深まらないうちにどんどん深掘りしてしまい、最終的にはキャンプで作る料理についての論争になってしまっています。これに対して、話がうまい人は、常にツリーのどのレベルの話をして、どの順番で消化すべきかを意識するため、進行が早く、スムーズになるのです。

例えば、先ほどの会話の続きに話がうまいDさんが加わった例を見てみましょう。

ツリーの階層を意識して話をした場合


D「まあまあ、とりあえずカレーは置いておいて日程を決めましょう。ゴールデンウィークで良いですか?」

ABC「日程は異論ないです」

このように、Dさんが入ることでツリーの階層を一番上の「日程の話」に引き戻すことにより、この階層の議題を消化しました。

  • キャンプの日程の話 ←話題を引き戻す

  • 場所について

  • 料理について

D「では次に場所を決めましょう。奥多摩か都内かという話が出ましたが、その他の候補はありますか?」

A「もっと近場でいうと会社裏にキャンプできる施設があるらしいですよ」

B「そうなんですか。でも、休みの日は自然に触れたいから奥多摩が良いです」

C「自分も奥多摩くらい遠い方が良いですね」

D「それでは奥多摩で決定にしましょう」

続いて、第2階層の「場所について」に話し合いを進めています。さらにこのときのポイントが、話がうまい人は階層において他の候補はないかと、選択肢をあらかじめ洗い出していることです。

  • キャンプの日程の話

  • 場所について ←第2階層に進めて、選択肢を洗い出す

  • 料理について

最初に考え得る選択肢を並べた方が、決めてから他にこんな案があるよ、と出すよりも決定がたやすいのです。

話がうまい人は、足りないピースの棚を頭の中に作る


さらに話がうまい人は、足りないピースの棚を頭の中に作っています。
どういうことか、例を続けて説明します。

D「ではキャンプで何を作るか決めましょう。カレーはみんな食べたいということで良いですか?」

A「自分は肉があれば別にカレーがあってもなくても良いです」

BC「カレーは絶対食べたいです」

D「肉を焼くのとカレーを作るのは決定ですね。それぞれの作り方を話す前に他に食べたい物はありますか?」

B「食べ物というか、お酒は大量に必要ですね。クーラーボックス1個じゃ足りないかも」

A「肉はサーロインとかかたまり肉を焼いたり、いろいろ焼きたいですね。夏野菜も焼きたいところです。」

C「お肉とカレーがあれば、あとは野菜ですね。デザートにフルーツポンチみたいな凝ったデザートも作りたいです。」

D「まとめると、お酒、かたまり肉などのいろいろな肉、野菜、カレーライス、デザートですね。」

ABC「そうですね」

D「椅子やテーブル、パラソル、あと調理器具などのキャンプ用品は誰か持っていますか?」

B「キャンプが趣味なので、すべて持っています。」

D「Bさんはキャンプ用品と食材を乗せられる車を出すことは可能ですか?できない場合はキャンピングカーなどを借りても良いですね」

B「車もキャンプができる仕様なので、大丈夫です。」

話がうまいDさんは、何を作るかを決めた後でキャンプ用品と輸送手段の車の確認を行いました。Dさんの頭の中にはこういうツリーができていたからです。

  • キャンプの日程の話

  • 場所について

  • 料理について←ーーー→輸送手段

キャンプをするには、料理やお酒を運搬する輸送手段を決める必要があります。しかし、この輸送手段は、何をどれだけ作るかという「料理」に関連します。Dさんは皆の希望を聞いた結果、本格的なキャンプ用品と大量の食材が必要であることが分かり、大型の車を所有しているかを確認しました。

それは、この「輸送手段」というピースが空の状態で頭の中に構築されていたからです。Dさんは料理についての内容が固まったので、関連する項目として用意していた空のピース=輸送手段の中身を決めるために質問を行っています

このように、話がうまい人は、会話の進行に必要な項目を頭の中でツリー構造として整理し、足りないピースを常に把握しています。その上で、足りないピースの関連する項目を頭の中で紐づけ、関連項目の議論を確定させてから、空のピースをはめるという順番で話を進めているのです。

まとめ:常にツリー構造を意識しよう


話がうまい人は、情報をツリー構造で整理しながら会話を進めます。これにより、話の進行がスムーズになり、重要なポイントを見逃さずに議論を深めることができます。一方で、話がうまくない人は、話題が散漫になりがちで、一貫性を欠いた会話になってしまいます。
ツリー構造を意識することで、会話の流れを整理し、必要な情報を効率的に引き出すことができるのです。この技術は、プロジェクトの進行や打ち合わせの司会進行において非常に有効です。

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