【口が裂けても言いたい話】「映画的ドキュメンタリーという手法」
ネットフリックスオリジナル映画「グッド・ナース」を鑑賞。1990年代のアメリカで実際に起きた現役看護師の病院での連続患者殺害事件を題材に、犯行が繰り返される過程をリアルに描いていく。連続殺人鬼、チャールズ・カレンを演じるのは「博士と彼女のセオリー」のエディ・レッドメイン。
慢性的な人材不足にあえぐ都市部の大病院に救急科の看護師として働く女性看護師。次第に重度化していく心筋症の発作に怯えつつも、彼女は連日の過酷な夜勤業務をやりがいを持ってこなしていた。そんなある日、シビアな予算の中、夜勤担当の看護師がひとり配属されることに。「経験豊富で優秀な看護師」として紹介されたチャールズ・カレンだったが、彼が配属されたその日から、救急病棟で入院患者の不審な突然死が急増するのだった……。
実際に起きた事件をモチーフにしているだけに、作品全体にリアリティと緊張感がある。チャールズ・カレンはサイコパスとして描かれており、何もできない周囲をあざ笑うかのように淡々と残忍な犯行を繰り返していく。
点滴の中に大量のインシュリンを混入する……カレンの犯行はいたってシンプルで、そのうえ静かだ。だからこそ、患者の予期せぬ急変に周囲の家族や看護師はうろたえ、その死をただただなす術もなく受け入れるしかない。
サイコパスであるカレンの生い立ちについて、作中では詳しく描かれることはない。ただ、クライマックスの取り調べのシーンで見せる狂乱ぶりと執拗に繰り返されるセリフから、幼い頃の母親との関係において何らかのひずみがあったという背景がそれとなく暗示される。
事件をドキュメンタリータッチで追いかけたオリジナル作品「キラー・ナース」もネットフリックスで近日配信予定。ぜひ、合わせてチェックしていただきたい。
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