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読書日記㉓七十歳死亡法案、可決/垣谷美雨

こんにちは。

最近はすっかり春めいてきましたね。ランニングコースの桜も満開が近いです。

そんなこんなでもう4月ですね~。新生活が始まるみなさんも多いのでは?私はもうしばらく就活が続きますが、まだ見ぬ新生活に向けて進むのみ。

七十歳死亡法案、可決/幻冬舎文庫/垣谷美雨

70歳の誕生日から30日以内に死ななくてはならない。年金や財政の困窮により、日本で七十歳死亡法案が可決された。姑の介護に疲れていた東洋子(とよこ)はひそかに安堵する。施行されるまであと2年。これで生活も楽になると思いきや、当り散らす姑、就職しない息子、早期退職して世界旅行に行くと言い出した夫、一人暮らしをして家に寄り付かなくなった娘。姑の介護を押しつけて誰も東洋子を助けてくれない。この状況、もう耐えられないー。

一目見て、衝撃が走ったどぎついタイトル。老後の資金不足から、長生きもリスクとされるこの時代。このタイトルにドキッとする人は多いはず。

私の親も現在は健康ですが、離れて暮らしているしいつどうなるかはわかりません。昔、祖母が認知症になった時、父や叔母が1週間おきに交代して面倒を見ていた時がありました。あの時父は介護休暇もとっていたはず。当時私が住んでいた家が祖母の家に近かったこともあり、自分の番が終わって叔母と交代し父が家に来たとき、げっそりとして一気に老け込んだように見えました。その後祖母は施設に入ることになり、父と叔母が交代で面倒を見ていた期間は1,2カ月だったと思います。ただ、それがもっと長く続いていたら、父の疲労も更に重なっていたでしょう。

この本は、介護問題だけでなく、非正規雇用の増加やブラック企業、ヘルパーの賃金問題にも触れています。現代の社会で問題となっている事象が多く取り上げられていることで、現実感が増しています。

こんな衝撃の設定どうするの?と読み始めからハラハラだったんですが、不自然でなく終結させるのはさすが。そして、垣谷先生は、本当に夫や義実家の憎たらしい態度を描くのが上手い。笑 読んでいてめっちゃ腹立つんだけど、これが癖になって「いいぞ、もっとやれ!」って思っちゃうんですよね。

やっと垣谷先生の「子育てはもう卒業します」を入手しました。次も垣谷先生節が炸裂してるといいな。

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