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吉良式コミュ力&プレゼン力向上法❷~話していますか?読んでいませんか?~

どうもどうも、吉良です。

コミュニケーション・プレゼンテーションについてのシリーズ、今回は第2回目です。第1回目はコミュニケーションの定義と現状についてお話をし、日本人はほとんど全員、話すこと・プレゼンテーションが得意ではないことをお伝えしました。

僕も、もともとたくさんの人とコミュニケーションを取ることも、人前で話(プレゼンテーション)をすることも得意ではありませんでした。むしろ苦手でした。今の僕を見て、高校や大学の友人たちからも「お前!いつからそんなに人に講演するほどのコミュ力やプレゼン力をつけたの?」と会うたびに言われています。

考えるに3つの要因が思い浮かびます。

まず、子ども時代の転校です。
かなりポジティブに言えば、父の仕事の関係での転校は僕にコミュニケーション力を与えてくれました。本当は嫌でしたが、自分の意思で変わるものではなかったので良いようにとらえています。

転校先では、何事もポジティブにとらえる性格と運動好きをベースにしたコミュニケーションで、新しい地でも仲間作りができるよう努力しました。しかし、学力にはまったく自信がなかったため、プレゼン力はこの時点ではまったくゼロでした。

次の要因はサッカーです。
サッカーは僕に仲間を自然に呼び寄せてくれました。だから僕はいつも「サッカーの神様」に感謝していますし、チームプレーはコミュニケーションスキルを上げるためには必要不可欠だと思っています。

最後は電通での経験です。
偏差値教育、総合力重視教育から解放された僕は、まさに水を得た魚のように毎日毎日自分のストロングポイントを磨きました。新入社員時代のクリエイティブ局でのコピーライターの仕事、糸井重里さんのコピーや石岡瑛子さんのデザインを通じた営業の仕事。

偏差値がまったく関係ない世界を経験したことが、教育者としての今日の自分のスタンスを生み出しています。その中でも営業局時代にお世話になった故・永井亮三氏に出会えなければ、このようにコミュ力やプレゼン力を語る自分は存在しなかったと断言できます。

コミュニケーション、プレゼンテーション、企画書制作の天才である永井さんからは言葉では表せないほどのたくさんのこと、広告の全てを教わりました。クリエイティブに戻ろうと思っていた僕に「これからは企画プロデュースの時代が来るから、お前はプロデューサーを目指せ」と将来の指針を示してくださったのも永井さんでした。

企画を作った者がプレゼンもすべきだ、という永井さんの考えに基づき入社2年目に初めてしたプレゼンはあまりの緊張でボロボロ。(しかし、永井さんの事前の根回しのおかげで企画は通過しました。)

初プレゼンがクライアントの幹部の前で大緊張だったため、それ以降、この緊張感を超えるプレゼンテーションはない、と思えることも僕のプレゼン力向上を支えてくれたと思っています。

そして、この経験から皆さんでも実践できるようなコミュニケーション、プレゼンテーションの向上につながる考え方をお伝えできるまでになりました。

さて、今回は特にプレゼンテーションにおいて重要となる、「読む」「話す」の違いについてお話していきます。
まずは前提として、「おしゃべり」について確認していきましょう。

【話すこととおしゃべりは違う】

まず、前提として「プレゼンで話すことが上手な人」「普段の雑談やおしゃべりが上手な人」は必ずしも同じではありません。むしろ、一致しないことが大半です。

話すことは、相手の状況に合わせて、相手に合わせた話や受け答えが必要となりますが、おしゃべりでは、相手のことを考えずに一方的に一人でべらべらしゃべっていることが多いからです。

例えば、下記のように面接で質問をされて、聞かれてもいないことを長く話してしまう人はおしゃべりは上手かもしれませんが、話す力があるとは言えません。

面接官「学生時代に頑張ったことはなんですか?」

就活生「私は、大学時代に部活動を頑張りました。部長として~。~このような経験をして「〇〇」に携わったことがきっかけで、この業界に興味を持ちました。私の経験を生かして御社で「△△」として活躍したいです。」

頑張ったことを聞かれているのに、最終的に志望動機を言ってしまっていますね。このような人は「話すことが上手な人」とは言えず、「おしゃべりな人」であると評価されてしまいます。

【読むと話すの違い】

では次に、「読む」「話す」は何が違うのでしょうか。
「読む」を黙読ではなく音読と考えると、相手に向かって言葉を口から発する点では同じであるように思えます。

違いを見ていくために、それぞれを使った文章をまず作ってみましょう。

●読む
 ニュースキャスターが原稿を読む。
 授業中に大きな声で教科書を読む。 

●話す
 電話で友人に話す。
 近所で起きた事件について隣人に話す。

「読む」で読んでいる原稿や教科書は、もととなる文章が用意されており、その通りに発語をすればよいため、暗記することもできますし、同時刻に他の人も全く同じように読むことができます。

一方で、「話す」で話している内容は、もととなる文章は用意されておらず、同じ状況であっても同じ言葉で話すとは限りません。発言するのは自分の言葉であり、同時刻に他の人が全く同じように話すことはできません。

つまり、「読む」場合にはあらかじめ文章が用意されており、その場に応じた変更ができませんが、「話す」場合にはあらかじめ文章は用意されておらず、その場に応じて自分で文章を組み立てる必要があることがわかります。

冒頭で紹介した就活生は、おそらくあらかじめ面接で言うことを用意して暗記したものを一言一句間違えないように話したのでしょう。それでは面接官に向かって「話している」のではなく、一方的に文章を「読んでいる」に過ぎません。

前回の記事で、意思の疎通を図ろうとすることがコミュニケーションである、とお話ししたように一方的な発言はコミュニケーションとは言えません。

コミュニケーションが必要になったとき、あらかじめ用意した文をただ単に「読む」のではなく、相手に合わせて自分の言葉で「話す」ことを心がけるだけでコミュニケーションがとりやすくなるはずです。

次回は、僕のプレゼンテーションスタイル確立の話をしつつ、この「読む」と「話す」の違いをふまえたうえで、「なぜ目を見て話すのか」についてお話ししていきます。


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