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変身・断食芸人/カフカ、山下肇・山下万理(訳)




図書館から借りていた #カフカ の著書、
『変身/断食芸人』を拝読📖しました。
翻訳は、 #山下肇 さんと息子の #山下万理 さん。人生初のカフカ作品です。






。* ❤︎… あらすじ  …❤︎*。
⚫変身
ある朝、気がかりな夢から目をさますと、自分が一匹の巨大な虫に変わっているのを発見する男グレーゴル・ザムザ。
なぜ、こんな異常な事態になってしまったのか…。
謎は究明されぬまま、ふだんと変わらない、ありふれた日常がすぎていく。

⚫断食芸人
かつて断食芸は人気であった。
しかし今ではその人気も廃れ、注目されることがなくなった。
サーカスに雇われた断食芸人は好きなだけ断食を続ける。
。* ❤︎…  …❤︎*。。* ❤︎…  …❤︎*。

※この先ネタバレしますのでご注意を。


先に拝読したカミュの作品と同様、こちらも”不条理”について描かれた作品。
絶望名人と言われているカフカの作品らしく、2作品とも絶望的な終わり方でした。




私は、この2作品からも”承認欲求”という闇を見たように思えます。
『変身』の主人公も、『断食芸人』の主人公も、他者から承認されることで自分の価値を見出しているので、承認されることに執着してしまっていたのではないでしょうか。


承認されるために多くの自己犠牲をはたらかねばならぬので、本人にとってはとても苦しい状況だとは思います。
でも、苦しかったのは本当に本人だけなのだろうかという疑問も出てきます。


『変身』でいうなれば主人公の家族は、主人公に承認を求められていた他者です。
自己犠牲をはたらいてまで自分たちのために頑張っている主人公に、感謝する気持ちは大いにあったのですが、同時に主人公の承認欲求を満たそうとして、自分たちの可能性にはふたをしていたのではないかと思います。


現に、主人公が虫に変身したため働けなくなり、生活費に困る現実を突きつけられた家族は、それぞれ働きに出てやり甲斐を見出したような様子もありました。


一家の大黒柱から急転し、いつの間にか一家のお荷物となってしまった主人公。
家族の主人公に対する態度は確かに酷いとは思いますが、主人公も家族も承認欲求という呪縛に囚われた故の悲劇にも感じました。


承認欲求は、自分を呪縛してしまうだけではなく、承認を求める周りの人たちも呪縛するもの。
だから、承認欲求が強い人からみんな離れていくんだというのが、浅はかながら『変身』を拝読して感じたことです。



一方『断食芸人』は、他に生きる術があるのにも関わらず、過去の栄光に囚われた先の悲劇ではないでしょうか。
これもやはり、過去に満たされた承認欲求による呪縛のように思えます。


頑なに断食を続け息を引き取った断食芸人。
死後、サッサと檻の中を片付けさせたサーカスの親方は冷たいようにも見えますが、私は断食芸人が亡くなるまで好きにさせてくれていた優しさを感じました。



2作品通しての私の感想を一言で表すと、独りよがりな主人公たち。
結局、不条理とは自分自身で創り上げているのかもしれません。



カフカにしろ、カミュにしろ、きっと1回拝読しただけでは全然理解できていません。
また時間を置いて再読したいですし、他の作品も拝読したいです。

あとは、作家の背景が知れるものも読んでみようかと思います。









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