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緑のオリンピア/池波正太郎





積読本📚から、 池波正太郎さんの著書
『緑のオリンピア』を拝読📖しました。
(2021,9,3読了)





娘たちが実家に残していたものを、母がダンボール📦にひとまとめにし、大切に保管してくれていた中に本書がありました。
多分2番目の妹が購入し、そのまま置いていったものではないかと思うのですが。。。
以前、食エッセイのアンソロジーで池波正太郎さんの文章に触れる機会があり、いずれは著書を拝読してみたいと思っていたので、ダンボール📦から出し自分の積読本📚として置いていたのです。



本書は、5篇の中篇・短篇小説が収められています。
『ひとのふんどし』以外は、池波正太郎さんが直木賞を受賞する前の30代の頃に執筆されたもの。


池波正太郎さんといえば、『鬼平犯科帳』のような時代小説か、エッセイのイメージでしたが、本書は現代小説(時代背景は、主に戦後の日本)だったので意外だなと思いながら本書を開きました。
表題作の『緑のオリンピア』はファンタジーなので、更に意外でした。



第一話の『眼(め)』は、21歳で病気を発症し失明した青年のお話なのですが、段々と見える世界が消えていく様を鮮明に描かれており、
{先日亡くなったシリルが白内障で失明していく時も、こんな感じだったのだろう。
それは想像を絶する苦しみや悲しみだっただろうな。}
と、青年の悲痛な心の叫びが、まるでシリルの心の叫びのように感じました。


このタイミングで本書を読むことになったのも、何か見えない力がはたらいたようにも思えます。
不思議なのが、時を同じくして母も知人からお借りした本が全盲の方のお話。
考えすぎだと言われればそれまでですが、私は今の自分に必要なメッセージだと受け取りたい。



だいぶ話が逸れましたが😅
常盤新平さんの解説で

これはいわば読者が作家の誕生に立あうような短編集だ。


とおっしゃるように、確かに若さ溢れる瑞々しさと熱き想いが伝わってきます。


人間の劣等感、差別的感覚、生きることへの執念。
戦後の日本を立て直すべく生きてきた人たちを垣間見たようにも思えます。






一昔前の文豪が書く文章は、堅苦し過ぎず程よい重量感があり、これもまた良いものですね。
池波正太郎さんと同時代の文豪が執筆されたものも少しずつ拝読していきたいものです。






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