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十日間の不思議/エラリイ・クイーン、越前敏弥(訳)




子供の頃、コナン・ドイルの『シャーロック・ホームズシリーズ』や、江戸川乱歩の『怪盗二十面相シリーズ』などが好きで読んでいたような記憶があります。
また、ちょうどその頃アガサ・クリスティ原作の『名探偵ポワロシリーズ』、横溝正史原作の『金田一耕助シリーズ』がテレビで放映されていて、そちらも楽しみの一つでした。



大人になってからもミステリー自体は好きだったので時折拝読していましたが、昔のコテコテのミステリーからは少し離れていたように思います。
今月は、読書好きな人が集まるオプチャの課題図書2冊で久しぶりに海外ミステリーに触れることになりました。



まず1冊目、エラリイ・クイーンの『十日間の不思議』を拝読📖。
今月は本当に時間がなくて、読了までに長い時間をかけてしまいました。
(20201,11,21 読了)




エラリイ・クイーンの作品は初読。
始めは古典文学特有のまわりくどさもあり、なかなかのページ量なので読み切れるか不安でしたが。
ページが進むにつれ、人物描写や心理描写が絶妙でどんどん惹き込まれていきました。

エラリイ・クイーン研究家の飯城勇三さんの解説によると、本作品は完成するまでに10年かかったとありましたが、その10年分の熱量が読者にも充分に伝わってくるのではないかと思います。



実は、犯人の予想は当たっていました。
だけど、途中で違う犯人が出てきたのであれれ?外れたかと思っていたら最後でまさかのどんでん返し。
それに加え犯罪の裏に隠されたカラクリが巧みで、読了後に感服してしまいました。



そして、本作品では問題提起と学びも。

『神ならぬ人間が、常に真相にたどりつくことができるのか。過ちを犯さずにすむことができるのか。』


こちらは、解説にある一文です。


精神的病も、病ではないにしても、もしかしたら外的要因により思い込まされていることが誰にでもあるのかもしれません。
特に子供の頃に植え付けられたものはなかなか根深く残るものです。
本書はそういうことが生んだ悲劇でした。


神は一人一人自分の中にあるものです。
しかし、誰かが誰かの神になってはいけない。
それは、神になったつもりの自分を満たすためだけの傲慢さでしかありません。




やっぱり海外ミステリー、海外古典文学は面白いし深みがありますね。
次も、王道の海外ミステリーが待ち構えているので楽しみたいと思います😆







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