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それで君の声はどこにあるんだ?/榎本空





図書館にリクエストしていた榎本空さんの
「それで君の声はどこにあるんだ?」を拝読しました📖´-
(2022,9,20 読了)




古賀史健さんがnoteで本書の感想を書かれていたので、私もぜひ拝読してみたいと思いました。
著者が黒人神学者ジェイムズ・H・コーンに学んだことを中心に黒人神学、黒人の歴史などを記した1冊です。



私は黒人進学という言葉自体初耳でしたし、キリスト教についても黒人の歴史についてもほぼ知識がなく、また特に興味がある訳でもなかったのですが、本書を拝読して目を逸らしてはいけないものがある、無知のままで済ませてはいけないことがあると思い知らされました。



とはいえ、なぜ今自分がこの本を拝読する必要があったのか。
きっと拝読するべきタイミングだったから、手元に本書が届いたのだろうけど、それが分からないまま読み進めていたのですが、次の文章に行き着いたところで、その理由が分かったような気がします。

男性と女性、性的少数者と多数者、貧しい者と豊かな者、病や障害をもつ者ともたない者、国籍や母語が与える権威を疑うことなく受け入れられる者とそれらを疑わざるを得ない者の間にも存在していて、私たちは様々な境界線を同時に持ち得るし、何よりも刻一刻と姿を変えていくそれらがどのように作用するかは、多分に、私たちと他者との関係性に依存している。そんな関わりあいを通して、私たちは自分が誰であり、誰でないのかを、問われつつ学び、学び捨て、そしてまた学び直していく。





私にはこの人と人との間にある「境界線」がキーワードなのだと思います。
本当の苦しみというものは当事者にしかわかりません。
部外者である自分がどんなに頑張って理解しよう、寄り添おうと思ってもこの境界線を乗り越えることはできない。
だからといって境界線の向こうからただ傍観しているのはとても悔しくて、力のない自分を呪いたくもなるのです。
ちょうど、今私が感じていたことを著者が言葉にしてくれていて自分の中にあるモヤモヤが明確になりました。




明確になったとはいえ、ではどのようにしたらいいかということはきちんと理解できていませんが。
まずは寄り添いたいと想う人、想う事への理解を深めるために苦しみの種であるものを知ること、学ぶことが今の私がすべきことなのかなと思います。
そして、しっかり理解した上で苦しんでいる人たちの声を境界線の狭間にすらいない人たちに届けることができるようになりたい。


タイトルが暗示するように、これは「書くこと」についての本だったのだ。人はなぜ「書く」のか。「書く」とはどういうことか。ほんとうを「書く」ためには、なにが必要なのか。その問いと答えが、『それで君の声はどこにあるんだ?』なのだ。少なくともぼくは、そう読んだ。
”『それで君の声はどこにあるんだ?』感想。/古賀史健”より




古賀史健さんはこのように本書は「書くこと」についての本だったとnoteの中で述べられています。
本書を拝読して、再び古賀史健さんのnoteを再読して、私はもっと書くことに対して真剣に向き合わねばならないと実感しました。
以前拝読した古賀史健さんの著書「取材・執筆・推敲 書く人の教科書」に書かれていたことをもう一度学び直さねばとも。




なんだかダラダラと長く書いた割には、きちんとまとまった感想になっていませんが…💦
本書を拝読したことで知らないまま通り過ぎようとしていたことを知ることができましたし、書くことの熱量みたいなものを与えてくれた榎本空さん、そして本書と出逢うきっかけをくださった古賀史健さんに深く感謝いたします。

















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