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取材・執筆・推敲 書く人の教科書/古賀史健







大ベストセラー『嫌われる勇気』の著者である古賀史健さんの新刊 『取材・執筆・推敲 書く人の教科書』を拝読📕しました。




発売されて10日過ぎた頃に手元に届き、スタートも遅れた上に拝読するのに1ヶ月近くかかってしまいました😥
#読書ノート に毎度自分に必要な言葉を書き出すのですが、今回は10ページに及びました。



書くことを仕事にしている訳でもない私が、なぜこの本を購入し、読んだのか。
単純に著者の書く文章が好きだからです。
『嫌われる勇気』を拝読して、生き方そのものを見直すこととなった私は、著者に対して絶大なる信頼があるからです。


そして仕事ではないですが、10年以上ネット上で書くことを楽しんでいます。
仕事ではないとはいえ、せっかくならば読まれる文章が書けるようにはなりたいのです。
もしかしたら、本書を読むことで何か変われるかもという淡い期待もあります。



本書は、著者が「もしぼくが『ライターの学校』をつくるとしたら、こんな教科書がほしい」を出発点とし、3年の月日をかけて執筆されたものです。

(ライター業界の)『不在』に気づいた者の責任として、書かざるをえなくなった。
ひとつは『先輩の不在』であり、もうひとつは『教科書の不在』である。

あとがきより抜粋






ガイダンスから、著者の情熱と信念のようなものがビシビシと伝わってきました。
そして、読み進めていくうちに3方向の視点から拝読している自分がいました。



⚫読者に読まれるものを書けるようになりたいと思いながら拝読している自分。
書くために必要な準備、心構えなど喩えを混じえながら、とても詳細にわかりやすく書かれています。

あなたにとって「おもしろい」ことが、読者にとっても「おもしろいところ」なのかは、なんらかの手続きを踏んで考えた方がいいだろう。
いいコンテンツには必ず「ここでしか読めないもの」が含まれる。




これは、自分が読者目線で考えたら思い当たる節があるのではないでしょうか。
もう、そういうの見飽きたよ。他のところでも言ってるよ。
というものは、世の中に溢れています。
ただ、既出の話題でも書き手の人柄が伝わり、その人柄で読みたくなる文章もあります。
書き手が見える文章は、『ここでしか読めないもの』とも言えるような気がします。

私は素人ですが、せっかく公の場で書くならば、そういうところを意識して書けるようにはなりたい。





⚫飲食業で働く者として置き換えて拝読している自分。
本書は書く人に向けて書かれているものですが、自分の仕事とも置き換えて考えれることも多くありました。

「エンターテイン(お客さんをたのしませること)を目的につくられたもの」は、すべてコンテンツだと思っている。』
『いいものを読んだ(※食べた)、気持ちのいい物(※サービスや料理)に触れた、いい出会いだったと思ってもらえてこそコンテンツなのだ。

※印の部分は、私が置き換えたものです。



これは、飲食業としても心に留めておきたい大切な言葉でした。
そして編集者とライターの関係を書かれているところでは、自分は料理人にとっての編集者のような立場でありたい。
料理人と一緒に喜ばれる料理を考え、料理がより美味しく感じれるようなサービスを提供できる人に自分はなりたい。


自分の理想がハッキリとイメージ出来た瞬間でした。





⚫自分の生き方と置き換えながら拝読している自分。
著者の中にアドラーの教えが落とし込まれているからなのか、本書には生き方への教訓とも取れる言葉も多くあったのではないかと思います。

相手の話をつなぐこと。続けること。もっと先まで転がすこと。そんな対話はやがてお互いを「気がついたら、こんなところにまできてしまった」と思える場所に連れて行ってくれるのだ。



この言葉は、人との信頼関係を築くときに大切なことではないでしょうか。
お互いに敬意を持ちながら対話をしていくからこそしっかりとした信頼関係に繋がるのだと思います。



対象のことが大好きだからこそ、「最良の反対意見」を探そう。
対象を深く理解するだけではなく、対象に向けられるまなざしもまた、理解しておかなければならない。



この言葉は、恋愛にも生かせますよね。
「愛」とは、相手のことをなんでも肯定すればいいというものではありません。
受け容れたうえで、相手のことを本当に思えばこそ厳しいことを言わねばならぬときもある。



そして、本書の終盤を迎えるところで書かれていた言葉で、ガーンと打ちのめされました。

自信と虚勢は違う。他者や世間に向かって大口を叩くのはただの虚勢であり、弱さの裏返しだ。自信とは本来、自分ひとりの中で静かに醸成されるものであり、公言や宣言を必要としないものだ。





どの立場の自分にも言えることです。
改めて、自分のこれまでを反省しなければと思いました。


本書一冊で、三冊分の学びと気付きを得た気分です。



古賀史健さんが、情熱をかけて世に送り出した本書は、書く人のためだけではなく、生きる人たちのための教科書でした。















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