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医学部の選び方

前回は医学部や医者という存在について書いていきました。
今回は医学部進学の際の大学の選び方について書いていきたいと思います。

医学部というと、日本の大学受験においてはとても人気の学部で、理系の優秀な子はたいがい旧帝大の理系学部かその他の大学の医学部か、みたいなところがあるかと思います。

日本の理系の優秀な人が医学の世界へ集まってしまうために日本の唯一まだ強みであると思われる工業の分野に優秀な人が集まらず、一方で医学の分野は世界に比べると日本の研究は相当貧弱なので(国の予算が出ないので致し方ない…)、結局優秀な人材がなかなか上手く使われないという問題もあるようなのですが、今回はこの話は置いておきます。

医学部は多くの人が偏差値的に自分に合いそうなところを選んで入ってきます。言い換えると、各大学の特色は関係なく、単純に自分の頭のレベルで入れそうな医学部であればどこでもいいという人が多いということです。確かに医学部入試の受験戦争の激しさを考えれば当然のような気がします。

しかし、実際は医学部の卒業後は、自分の出身大学による影響を受けやすいというのが私の見解です。すなわち、○○大医学部に合格した瞬間からその子の将来はある程度方向性がつくということになります。

これにはいくつか理由があります。
1,一定数の医学部卒業生が出身大学に残る
2,出身大学によって就職しやすい病院に偏りがでる
などです。

1は分かりやすいと思いますが、私の大学だと3分の1くらいの学生(30人強)が出身大学に残ります。理由は人によって違いますが、地域枠で入学した学生や地元の学生や就職に失敗した学生などが当てはまります。
2は大学がある地域とは別の地域の病院に就職しようとしたときに問題になるのですが、病院によっては採用する学生の出身大学に偏りがあることがあるため注意が必要です。

じゃあ何を基準に選べばいいのか、わからなくなる方も多いと思います。そこで一つ、見てほしいのがその大学の「医学部の歴史の長さ」です(大学としての歴史の長さとは別物です)。どういうことかというと、歴史の古い医学部であれば基本的にOBOGがたくさんいるので基本的に日本全国に卒業生が散らばっています。就職を希望する病院に卒業生がいれば2は基本的に問題になりません。また、医学部の歴史が古いと研究レベルも比較的高いイメージですから、研究医などの臨床医以外の選択肢も選びやすい傾向にある気がします。

では歴史の古い医学部とは?もちろん直接大学のサイトから調べても良いと思いますが、国立だと旧帝大と旧六医大(千葉大学、金沢大学、新潟大学、岡山大学、長崎大学、熊本大学)が有名です。旧六医大とは、いずれも創立当初は医学専門学校でしたが、大正期の高等教育機関拡充政策により医科大学となり、さらに現在はすべての大学が総合大学となっています。旧帝大医学部は競争率が高すぎるという方には旧六医大がおすすめです。(私立はあまり詳しくないです、ごめんなさい)

また、その他にも、毎年の留年人数や国家試験の受験者数と合格率なども、大学選びの際に分かりやすい指標となると思います。医学部で留年生が多く出ることはとても日常的ですが、極端に留年者数が多いと卒業までに相当時間がかかることになるので注意が必要です。また、国家試験の合格率は大学の偏差値に比例しません。国家試験の少し前に学内で受ける”卒業試験”というもので、できの悪い学生を振り落とし国家試験を受けさせないようにすると、合格率を高くすることができるからです。よって、当たり前ですが、入学時とさほど変わらない人数が毎年国家試験を受験し、その多くが合格していれば、入学して医者になれる確率は高いと思います。

医学部は受験競争が激しく、また、医者になれたらどこでも一緒だと思われがちなので、受験生は大して大学調べをしないことがあります。しかし、ぜひきちんと大学を調べて自分のニーズに合った大学へ進学し医師になることをおすすめします。

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次回からはダンス医学に関する論文の一人抄読会の内容を書いていきたいと思います。

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