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京都の劇団、努力クラブ制作(事務)/とさつワークショップ(全国出張可)/Caterin…

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京都の劇団、努力クラブ制作(事務)/とさつワークショップ(全国出張可)/Catering Service ミケ/自主上映会

マガジン

  • 1111

  • あかるく生きられない

最近の記事

1111⑤

これはあくまで「小説」です。全部うそ。全部うそということも含めて、全部うそだよ。私の闘争です。 1111|mazytsu|note ←これまでのエピソードはこちらから 両親が宿泊予定のホテルに着いた。 「やっぱりあれね、まゆちゃんみたいな派手派手な服を着て歩いてる人なんて、京都駅付近でもやっぱり見ないわよねえ」 ふと母親が軽口のようなニュアンスで話しかけてきた。そのまなざしがあの子をどれだけ傷つけてきたと思ってるんだ!!!私は、大きな声で、言いたかった。好きなお洋服を、誰に

    • 1111④

      あ、""小説""ですよ!「小説」!! 1111|mazytsu|note ←これまでのエピソードはこちら 警察署の最寄り駅に着いた。その日、すでに病院での処置は終わり、あの子は警察署へと移送されていた。検死。胃の中にある大量の錠剤の成分を一つずつ検査して死因の確定要件を探るらしい。状況的には一酸化炭素中毒で間違いないのだが、変死扱いになるためこの行程が必須となるそうだ。錠剤の種類が豊富で、葬儀はすぐには執り行えないことが確定していた。 私は、当たり前のようにこの日、検死前

      • 1111③

        1111|mazytsu|note ←これまでのエピソードはこちらから 深夜25時の住宅街に、私と共に取り残された友人がどんな顔をしていたか、もう思い出せない。きっと友人も、私も、見たことのない顔をしていただろう。 二人とも、マジか…、やりやがった…、マジか…、あいつ…、え、ほんまに…?、マジか…などあまり会話にならないような単語を並べて、朝を迎えるための場所を探し住宅街を歩き回った。 友人は泣いていたし、今すぐにでも死にそうだった。わたしは煙草の吸いすぎで唾を吐き続けてい

        • 劇場内での性表現について制作ができることを考えている

          さて、合田団地が先日、ついに『戯曲賞』を獲った。 田畑実戯曲賞。今年度は合田団地の単独受賞となった。9月15日からの公演は受賞後初の新作であるが、集客が芳しくないw そこで、作品内容とは違うが、演劇について記事を書いてみようと思い立った。 先日受賞したのは、『涼しい。』という作品である。この公演も今回の公演のように集客が少なく、伝説的に語り継がれている。なんと記録映像もない。あるのは、公演写真と脚本だけなのであった。 この公演は、本公演ではなく突発的にやりたくなったのでおこ

        1111⑤

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        • 1111
          5本
        • あかるく生きられない
          3本

        記事

          1111②

          第一話はこちら 23:30ごろ、宗田の自宅に着いた。消防隊と救急隊はもう帰っていて、警察が現場検証を行っていた。いろいろな質問に答える。警察はまだ、実家のほうに連絡はしていないと言った。 「貴女から電話しておいてください」 「え・・・無理です。絶対絶対無理です。警察から電話していただいて、それを私に連絡してください。そのあとで私から電話をします。第一報を私がするのは・・・本当に絶対、無理です」 「わかりました、では、署に戻って担当者から電話します。まだ現場検証が続いているの

          1111②

          1111①

          宗田が死んだ。金曜日だった。 「お世話かけるかもしれません。」 あ、これはやったな、とツイートを見た瞬間に思った。  火曜日の晩に、宗田は私の家に泊まった。泊まる予定を事前に聞いていなかったから、私は慌てて簡単な食事の用意をする。まずはすぐに炊けるからタイ米をフライパンで炊き、昼に食して余っていたベトナム料理を温める。きゅうりのぬか漬けと、それから温かいルイボスティーを淹れ、少し遅めの夕食を摂った。その後も、風呂を沸かして順番に風呂に入り、24時に更新されるWEB漫画『マリ

          1111①

          頭の中を整理するための文章

          これは私の頭の中に溜まったものを、一旦、アウトプットしないと日常に支障が出るかもしれない、と感じて書きなぐるものである。 排泄、デトックス、ストレス発散、とにかくそんな感じだ。 好き好んで見せるものでもねえのに掲載するのは見せることで自分が冷静になる効果を狙ってのことで、つまりこの記事を開いた人は私に一方的にゴミ箱にされます。 なのですが、しかしながら、乱分失礼したい。 えーまず。これまで難なくできていたことができなくなっている、といったことはない。難なくできることは相変

          頭の中を整理するための文章

          振り返って

          ここから下は、10月2日に書いてた保存してたぶん。まだしんどい人は、閲覧注意。 令和4年9月27日、何の日?ロリータの生前葬の日だ。 9月16日、わたしにLINEが届く。 「9月27日に生前葬することになりました」 「安倍のこくそうにあわせて、Tさんプロデュースで」 「します」 「たぶんデルタでします」 「なんそれ!!!遺影とらせて!!!」 「何しよーかなと思ってたけど決まった」 即答。 彼女は大学の頃からの友人である。いや、正確には大学卒業後にこそ仲は深まったのか

          振り返って

          朝日新聞12.11の1面

          鷲田清一さんが折々の言葉に私の言葉を引用してくださったそうだ。 折々のことば:2020 鷲田清一:朝日新聞デジタル (asahi.com) 本文はこちらの記事から。

          朝日新聞12.11の1面

          制作さんによく効く「どく」

          効果はばつぐんだ!「自分は仕事も遊びも大事やと思うから、どっちも応援してる」「いま演劇やる理由を見つけないと、演劇は難しいよね」って言われた。 悲しい。 一個目は、私にとってはどっちも仕事だから。まあその人の基準であえて言うなら(食い扶持の)仕事と、(食えてない)仕事、という括弧書きは可能かもしれないけど。 二個目は、一個目と矛盾してたらあれだけど、私が演劇やるのは、生きることだから。生きる理由を見つけないと難しい、って言われてしまうと、え?死ぬしかなくない??ってなる

          制作さんによく効く「どく」

          フリーペーパーでのコラム連載10回、最終回

          連載しているフリーペーパーのコラム、今回で10回となり、連載が終了します。紙面の関係で、掲載時には構成や削除が入りますが、原文を載せます。 拝啓 あなたへ 寒くなってまいりましたね。空気が澄んで星座は冬模様、いかがお過ごしでしょうか。 さて、自助だ共助だと、ウイルスと一緒に自己責任論が蔓延している昨今、自己責任論が言ってる「責任」って何の責任なんでしょうね。人生? 一人で頑張る若い皆さんの多くは、助けを求めるコツを知らない方が多いので、ここでこっそりとお教えします。 助

          フリーペーパーでのコラム連載10回、最終回

          努力クラブ配信公演『ゲームしてる彼氏のとなりの』小屋入り

          さて、今この文章を書いているのは8月6日の15時である。私の所属している劇団、努力クラブの配信公演を明日に控え、劇団の制作部を担当している私は、劇場に観客を入場させない『無観客生配信公演』の現場で、現在、完全に自身を持て余している。 本番までのチケット販売における宣伝集客の追い込み無し。関係者炊き出し無し。無観客なので客席設営も無し。当日パンフ無し、チケット無し。お釣りの用意、受付ブース無し、物販の商品チェック無し。脚本の印刷製本無し、宣伝チラシの折り込み作業無し。制作部が

          努力クラブ配信公演『ゲームしてる彼氏のとなりの』小屋入り

          梅雨の土曜日、扇風機のノイズ、水溜まりとひび割れた雨樋から零れるポリリズム(または上品について考えたこと)

          一日中家にいて、寝て起きてまたまどろんで、美容室に予約を入れていたはずだけどリマインドメールが来ないなと思って確認したら私の入れた予約はどう見ても来週と書いてあるので、もう二度と、酔って予約といった類いの行為はしないぞと、心に誓うのだった。 本当は今日は、滋賀県まで田植えの手伝いをしに行って夕涼みにはUFOを呼ぶとかいう、怪しげだがなんとも楽しそうなイベントになる予定で、しかしそれが雨で中止になり美容室も予約を間違えて今日ではなくなり、降り続く雨の音と梅雨入りした京都の気温

          梅雨の土曜日、扇風機のノイズ、水溜まりとひび割れた雨樋から零れるポリリズム(または上品について考えたこと)

          あかるく生きたいのにそのようにできない、でも最近は暗くもなくなったそのいきさつ:後編(陰陽の陽編)

          前編(陰陽の陰)はこちら↓ あかるく生きたいのにそのようにできないのはもう性格、あきらめろ。こう思うようになったのはでも本当に最近だ。これは、ある程度回復して仕事も始め、普通の生活サイクルに戻ってきたころに、それでも自尊心の低さと希死念慮のかたまりが変わらず心にうずくまっていた時に、いいことがあったからというきっかけがある。 でもま、まだ全然の全然で暗いんですけどね!! いいこと。とりあえず私はそのいいことによって人生観がアップデートされ、自尊心を取り戻し、希死念慮が粉

          あかるく生きたいのにそのようにできない、でも最近は暗くもなくなったそのいきさつ:後編(陰陽の陽編)

          世界の変化と自己の変化についての原稿

          これの次の号に連載する文章です。 拝啓 あなたへ 前回のお手紙から世界が一変してしまいましたね。いかがお過ごしでしょうかと問うよりも、いまはどうかご無事で、と祈りたい今日この頃です。 あなたは、「変わりたい」と願ったことはありますか。きっと多くの人が考える話でしょう。 今なのではないでしょうか。もしや今がその時なんじゃないでしょうか。 生き物は気候変動と共にその環境に適応すべく進化をしてきました。進化とまではいわずとも、世界が変わったのですからあなたも変わることができる

          世界の変化と自己の変化についての原稿

          きゅんきゅん魅瑠愚天『戦場の生活』について

          2017.7.10最終編集:facebookから転載 2013年の8月1日から31日まで毎朝、出町柳の三角州にて、「朝日の昇る頃〜ラジオ体操の時間」まで、具体的には朝4:30〜6:00まで行われていたインスタレーションパフォーマンス。 宗岡ルリという名前で活動していた人が、宗岡ルリを封じて、本名・宗岡茉侑として自身のユニット「きゅんきゅん魅瑠愚天(みるくてん)」と名乗り行った企画。 毎朝4:30から太陽の昇る方角(東)に礼拝するところからパフォーマンスは始まる。メトロノー

          きゅんきゅん魅瑠愚天『戦場の生活』について