TOYOSHIMA YUJI

現代サーカスカンパニーで事務局スタッフとして働きつつ、フィジカルシアター・現代サーカス…

TOYOSHIMA YUJI

現代サーカスカンパニーで事務局スタッフとして働きつつ、フィジカルシアター・現代サーカスの未来について考えてる人/キャリア:制作←演出←俳優/制作者だからといって作品を作らないとは言ってない/拠点:香川←静岡←東京←京都

最近の記事

オブジェクト/シアター【サーカスを語る技術 100ぶんの1歩】

技術がある、というのはどういうことか。 誰かのパフォーマンスをみて、「やっぱうまいね、技術があるね」と思ったり、「発想はいいんだけど技術がないから、アイデア倒れになってるね」と思ったりする。 そのときの「技術」とはどういうことか。 それを一旦仮に、「1のうしろに100があること」としてみる。何かしらが100ある中から、1を取り出すことが出来ること。それを「技術」としてみる。 とすれば、「サーカスを語る技術」の手前には、「サーカスを語ること」が100ある。それを、何かしらの

    • 新宿末廣亭にいってきた

      昨日、つまり4月28日、新宿末廣亭に行ってきました。 寄席と言えば、緊急事態宣言発出後もまだ開けていると言うことで評判です。 けれどもいつ閉まるか分かりませんので行ってきました。 (補足:などといってるうちに、5月1日からの休業が決定してしまいました…) 末広通りのお店は休業で閉めてしまっているところも多かったです。 僕が末廣亭に着いたのは、ちょうど前座さんの噺が始まったあたりのところ。 その時で26人くらい座っていました。その後休憩の度に数えなおして、換気休憩で39

      • エドワード・ゴードン・クレイグの「俳優と超人形」

        そもそもマイムと関係あるの?俳優と超人形論とは、演出家の時代といわれた20世紀の演劇史において、一番はじめに演出家(Stage Director)という役割を提唱し、また、自らそれを名乗った人物であるエドワード・ゴードン・クレイグによって1907年に書かれた、彼の代表的な演劇論である。 そもそも、この小難しそうな話とマイムは関係あるのだろうか。 ある。大アリである。 近代マイムの父と言われるエティエンヌ・ドゥクルー。彼は、コーポリアル・マイムという表現様式を探求し、独自の

        • 「俳優と超人形」から始めるマイムの話

          マイムについて考えるために僕は、マイムをやっている。 もう少し詳しくいうと、関西の小劇場演劇の界隈で、「マイム」というジャンルを軸に舞台表現に関わっている。そこで人には、「マイムをやってる人」として自分を説明する。しかし、これがなかなか思ったように伝えられない。 普段演劇を見ない人たちだけでなく、同じく「舞台」に関わっている人たちにすら、自分が何をやっているのかの説明が難しいのだ。 これには2つ理由がある。 まず、マイムがこういう、ステレオタイプとしてのイメージを強く持ってい

        オブジェクト/シアター【サーカスを語る技術 100ぶんの1歩】

          mime LONDONで考える、フィジカルシアターのドラマトゥルギー

          mime LONDONでいっぱいフィジカルシアターがみれて最高に幸せ! コロナが無ければ、これだけたくさんの海外作品をオンライン経由でシェアできることなんてなかっただろうと思うと、逆にこれはチャンスかもと思う。 ので。 そこで見た作品たちをきっかけにして、フィジカルシアターのドラマトゥルギーって、どんなんがあるかなーというのを考えてみました。 わかりやすくいうと、 「どうやって作ってんのかなー」 「なんで面白いのかなー」 という僕の空想です。はい。 まず、大元として

          mime LONDONで考える、フィジカルシアターのドラマトゥルギー

          フィジカルシアターについてのメモ / ドラマトゥルギーについて

          僕は結局、「言葉によらない出し物」をどうやってつくるか、ということに興味がありました。 で、それは結局は、ドラマトゥルギーをどうやってつくるか、ってことだったんです。 思い返せば始まりは、はじめてマイムの作品を何かつくりましょう、となったとき。何から始めればいいのかわからない。演劇と違ってセリフを喋るわけじゃない。平田オリザさんの演劇入門も、「演劇としてリアルなセリフの書き方」からはじまります。セリフありきの世界からすると、僕は最初から見放されている存在だったわけです。

          フィジカルシアターについてのメモ / ドラマトゥルギーについて

          利賀で凹んだ演出家が#DWS2018_wingに参加してきた

          2018年8月13日〜16日。 お盆の真っただ中に行なわれた、演出家のためのワークショップに参加してきました。 正式名称は『〜正しく致命傷を負って現場に帰るための〜 ウイングフィールド×花まる学習会王子小劇場 ディレクターズワークショップ』 です。長いので以下DWSと表記。 DWSのだいたいの概要なんかは、こちらの過去記事に読みやすくまとめられているのでどうぞ。 また、今回のDWSについては、Togetterに「#DWS2018_wing」のハッシュタグでツイートがまとめら

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          思い出すための語彙とベタについて、あるいは劇団しようよの「あゆみ」

          CoRich舞台芸術まつりの結果が出ました。 劇団しようよは残念でしたが、審査員の方のクチコミ評を読んでいて、京都で2015年に上演されたときに感想を自分も書き留めていたことを思い出して、別にそのとき公開はしなかったのですが、今の自分の問題意識にも繋がっているのが面白いと思ったので、載せてみます。 ===================== 思いだすための語彙は、そのひと自身のなかにしかない。 だから、父親が娘の一生を思い出すなら、父親は自分の語彙でそれをかたるしかない

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          「パントマイム」と " Mime "

          日本語で「パントマイム」というと、見えない壁やロープのこと。 でも英語で " Mime " というと、まったく違うものです。 ↓以下の記事を和訳しました Mime artist - Wikipedia, the free encyclopedia ==========  マイム、あるいはマイムアーティスト(ギリシャ語で「ミモス」(まねをする人、役者))とは、物語を言葉なしに、身体の動きを通して表現すること、あるいはマイムを演劇の手段として、あるいは、パフォーマンスア

          「パントマイム」と " Mime "