記事一覧
初物のししとうと謎の香辛料
5月に母の菜園にうえた唐辛子類がはやくも実をつけはじめた。たぶん、甘長唐辛子と獅子唐辛子とパプリカとあと1種類ぐらい、ぜんぶ1株ずつあるとおもう。母はいろいろと変わったものが好きなので、苗を買うときには「あれもこれも」となって種類がふえる。おもしろいのは、ここ数年、いろいろな種類があることに頓着せず、収穫のときにはぜんぶおなじものとしてあつかうことだ。数種類あったことを収穫時にはわすれているからな
もっとみるパエリアではない、なにか
母のパントリーから回収したものの中に、パエリアをつくるための調味料があった。私のレパートリーにパエリアはない。母のふだんのレパートリーにもないが、母はもともといろいろと目新しいことに手を出すのが好きなので、スーパーで見かけて買ったのだろう。だが、よる年波とともに、日常に冒険はすくなくなった。スーパーの売り場で「ちょっとやってみよう」とおもっても、いざ台所にたつとそれが行動にうつらない。だから10年
もっとみるトマトシチューは甘納豆ではできない
母のパントリーをかたづけていたら、「塩トマト甘納豆」なる謎の製品が出てきた。賞味期限は2016年に切れているから、製造から10年近くたっていると推定される。それよりなにより、なぜこの製品が母のパントリーにやってきたのか、謎だ。
というのは、母は信仰に近いほどの「減塩」主義者だからだ。これは高齢になって健康を気にするようになったから、というのではない。もっと若いころから、「塩は身体によくない」とい
サンザシのジャム、ふたたび
以前に書いたサンザシのジャム、実はすべて使い切ったのではなかった。なにせ、食べられるかどうかわからないものだから、むだにすてることになるかもしれない。だったら、燃料を多量に消費するまでもないとおもって、半分しか加工しなかったのだ。そして、そのジャムは一昨日に食べきった。となると、のこりもジャムにするのがよかろうということになる。
前回は、冷蔵庫のなかで何年も古びていた「塩レモン」なるものを入れた。
パン粉でグラタンもどき
実家の冷蔵庫にかぎらない、パン粉のような乾物は、どこの台所でもふるびてしまう傾向がある。たとえば青のりなんか、私の台所でも気がついたら賞味期限が切れている。毎日つかうものではないからだ。パン粉もその代表で、ハンバーグやとんかつをつくるときにはなくてならないものだけれど、ハンバーグやとんかつをそうそうしょっちゅうつくるものでもない。結果としていつのまにかふるびている。母の冷蔵庫にもパン粉がずっとある
もっとみる00年代のトムヤムクン
実家からもちかえったふるい食材、おそらくこれがきわめつけというのが、2006年1月に賞味期限がきれたトムヤムクンだ。さすがにこれはくえるのか? かなりのチャレンジだった。過去形でかいているということは、たべたのだけれど、はたしてそれがどの程度、劣化していたのかはわからない。というのも、私はトムヤムクンをたべたことがないからだ。
まあ、長く生きてるから、皆無ということはないのかもしれない。ひょっとし
醤油麹はふるくてもOK?
実家からもちかえった賞味期限切れの食品シリーズ、今日は醤油麹に挑戦した。賞味期限は8年前の2015年。ちょっとしたチャレンジだ。
もっとも、発酵食品の賞味期限はあてにならない。たとえば納豆なんかは賞味期限が切れてからのほうがうまいようにおもう。味噌なんかは三年ものが薬とかいうぐらいらしく、ふるさに一定の価値があるぐらいだ。古酒についてはいうまい。ふるけりゃいいってもんでもないだろうから。
この醤
サンザシのジャム(?)
実家のパントリーには、膨大な保存食品がある。むかしからそうだ。主婦として男の子を2人そだてていたころ、母親は、つねに食品の備蓄をかかさなかった。まだ畑がひろかったころにはジャムや瓶詰め類を大量につくっては保存していた。もう習い性のようなものだった。
息子たちが独立していったあとも、この保存食づくりはかわらなかった。なぜなら、ことあるごとに息子たちに作品をおくりつづけたからだ。実際、母のつくるピクル
ハーブティーというにはあまりに雑草な
庭に何種類かのハーブがはえている。たねをまいた記憶があるのはひとつだけで、それもほんとうにまいたのかどうか、かなりうすぼんやりとしている。すきなひとはいろいろためすのだろうが、私はそこまでハーブに興味はない。「ハーブ」というのは、西洋由来の香草のことだ。英語では紫蘇や葱はもちろん、うっかりすると菠薐草や菜っ葉までherbの範疇に入れられてしまいそうなので、そのことばはうっかりつかえない。カタカナで
もっとみるエンダイブはひたすら苦い
エンダイブを初めてたべたのは中学生のころだったとおもう。あのころ、私の母親は、家庭菜園をはじめて3年めか4年めぐらいだった。畑がいちばんおもしろくかんじるころだ。そのころですでに100種類ちかい作物をそだてていたのではなかっただろうか。タキイ種苗のカタログをみては、いろいろなたねを仕いれていた。そのなかに、サラダ用の野菜であるエンダイブもあったのだろう。
はじめてたべたときには、「これはなにかのま
アスパラガスはやっぱりうまい
はやいものでもう1ヶ月ちかくまえになるのだけれど、息子の友人が大挙してやってきた。全員はたちをこえているので、当然のように飲み会だ。実はこの面々、息子の保育園時代の同級生たちで、そのなかには小学校時代の同級生もいるにはいるけれど、何人かは私にとって卒園以来という懐かしい顔だった。けれど、たのしくもりあがった。
いえにつれてくるというのを直前に連絡してくるのもどうかとおもうのだけれど、その時点で既に