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サンザシのジャム、ふたたび
以前に書いたサンザシのジャム、実はすべて使い切ったのではなかった。なにせ、食べられるかどうかわからないものだから、むだにすてることになるかもしれない。だったら、燃料を多量に消費するまでもないとおもって、半分しか加工しなかったのだ。そして、そのジャムは一昨日に食べきった。となると、のこりもジャムにするのがよかろうということになる。
前回は、冷蔵庫のなかで何年も古びていた「塩レモン」なるものを入れた。それがおもいがけずいい味つけになった。なんでもまぜればいいというもんでもなかろうが、この機会だ、いれられるものがあればなんでもつっこんでしまおう。ということで、材料をかきあつめた。大半は、母のパントリーからの回収品である。
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このなかでもプルーンは比較的おとなしい。賞味期限が切れてたかが3か月だ。
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だが、もちろんもっと猛者もいる。サンザシは、以前にもあげたとおり、5年前に賞味期限が切れている。
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もっとはげしいのが、「焼き梅干し」という何がなんだかよくわからない製品だ。
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説明書きによると梅干しは焼くとパワーが倍増するのだそうだが、いったいどういう化学なのだろうか? そしてこれは賞味期限が切れてかから14年もたっている。しかし、おそるべし、梅干しパワー、たしかにくさってはいない。これも入れよう。そして、水あめは、ウチの冷蔵庫からだ。これも相当にふるい。
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トドメとして意味不明なのが、母の手製のジャムだ。実のところ、私が「ええい、ジャムに煮てしまえ」とおもうようになったのは、母の影響だといえなくもない。彼女は、自分の菜園でとれる果物類をどんどんジャムにしていた。私の父親が存命だった頃には小さな果樹園もあったから、桃、枇杷、オレンジ、梅、葡萄なんかの果樹をどんどんジャムにした。果樹をつくったことがある人ならわかるとおもうが、生食に適さないハネモノがけっこう出る。さらに、旬の時期には食べきれないほどとれる。だから、ジャムを煮る。そういうことで母の冷蔵庫にジャムを見つけたときにはなんの不思議もなかったのだけれど、しかし、これはいつのものだ? 数ヶ月前かもしれないし、数年前かもしれない。なにより、内容物がわからない。どうやら、苺とレモンは入っている。ラベルに書いてある。けれど、もうひとつの漢字がよめない。目を凝らすと「蘓」とあるようだ。こんな漢字は知らない。「紫蘇」なのか?
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これらをすべてまぜあわせてなべで煮る。なお、手順としては最初に水とサンザシをいれて煮とかして、そのあとで、ほかの材料を入れ、最後に水あめをくわえる。
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できあがったジャムは、熱湯で消毒した広口びんに入れる。こんなふうにすると、それっぽく見えるから不思議だ。とはいえ、あぶない食べ物だから、なるべくはやく消費してしまおう。このびんがまた何年も冷蔵庫のなかで保管されるような未来だけは、避けたいのだから。
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