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歴史の望遠鏡

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この世の理不尽や不合理を疑問に思うこと。実は多くの場合、そこには人間の歴史がある。そこに生きた人々の怨念と情愛がある。
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#織田信長

たった一人で扉を開ける(2)

たった一人で扉を開ける(2)

「人類は未来にタイムトラベルを実現させるのではないか。」歴史の中には、そう思わずにはいられないほどの異常人が何人か登場します。ロシアのピョートル大帝、清の康熙帝、アイユーブ朝のサラディンなど、驚異のマルチタレントで時代を一気に進める様は未来を知っているもののようです。
日本史においてはひとり、織田信長で、その意識を伺うにあまりに現代人に近い。
桶狭間の戦いや長篠の戦いが有名ですが、戦国武将などは彼

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たった一人で扉を開ける(1)

たった一人で扉を開ける(1)

日本でいつからちゃんとお金が使われだしたか。考えてみますと多分、室町時代じゃないですかね。
「明銭」というのがありましたよね。
清盛の時代は宋銭でも貿易商人や一部の貴族に「お金」は浸透していたのですが、商品経済が発達してきて、民衆レベルで商品取引の対価が必要になってきた。明のお金でもなんでも必要に迫られて、使っちゃえという感じだと思います。実はそれより700年も前に日本では「和同開珎」というお金が

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