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私が躁うつとわかるまで⑥ 〜診断編(後編)〜

前回はこちら↓


初診から1ヶ月ほど経ち、私はSSRIを飲みながら、母と暮らし、なんとか毎日仕事へ行っていました。

処方前に比べたら、絶望感は小さくなったような気がしていました。

平日は普通に会社に行き、帰ってきて普通に母と会話しながら食事をとりました。

休日は外出する気は起きないけれど、海外ドラマを母と一緒に見て笑えていました。

ただ、漠然とした不安感を常に感じ、未来や将来に対して希望はありませんでした。

4回目の診察で、先生のその質問は唐突でした。

『今まで、高揚感を感じ、自分がなんでも出来るような気になったことはありませんか?お金をたくさん使い過ぎてしまったこととか。いつもよりよく話すようになったり、イライラしたり。』

私には思い当たる節がありすぎました。

転職前の自分がまさにその状態だったし、それまでもうつ状態を抜けると高揚感と幸福感に満たされる期間を何度も経験していました。

先生は、『まゆりさんは双極性障害の可能性があります。今のSSRIを服用し続けるのは危険かもしれないので、早速今日からリチウムという薬に変えましょう。このリーフレットを差し上げますので、お家でじっくり読んでみて、自分に当てはまるかどうかもう一度考えて見てください』と言いました。

私はその日、「双極性障害」という言葉を初めて聞いたし、「躁うつ」と呼ばれるものもあまり認識していませんでした。

それでも私は先生のこの診断結果が正しいことを確信していました。

双極性障害はPMDDや摂食障害を併発しやすいことも知られており、今まで長い間自分を苦しめていた存在の首謀者がようやく現れたと思いました。

実は自分としてはうつ症状よりもむしろ過食行動の方を危惧しており、自分は深刻な摂食障害なのではないかと不安に思っていたところがありました。

先生の反応は予想を裏切る軽さで、
「摂食障害も双極性障害の症状の一つとして出ているものでしょう、治療をしていけば改善されると思います」
という一文で終わりにできることだったのかと心底ホッとしました。


双極性障害はうつ症状で診療に来る人が多いため、正しく診断されるのに平均で7年かかるとも言われています。

その点私はたった1ヶ月で診断されたのは、先生のおかげというしかありません。

リチウム1錠から始めた私の躁うつの治療は長くかかることになりますが、この診断結果のおかげで心持ち心境軽くなったと感じました。

病気だったんだから仕方ない!こう思えるようになったと思います。


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