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自分探しではなく、自分「はがし」で見つける天才性

人生100年と言われる中、私たちの生き方や働き方の転換が求められている。「自分は何をやりたいのか?どんな仕事が向いているのか」という大きな問いに即答するのが難しいことに気付く。そうやって多くの自己啓発本を手にとり、自分探し迷子になってしまう人もいるだろう。かくゆう私もその1人。そんなときに手に取ったのが、『GENIUS FINDER 自分だけの才能の見つけ方』(山口洋平著)だった。

時代は「強み」から「天才性」へ

本書は「強み(ストレングス)」を越えた「天才性(ジーニアス)」という新しい切り口で、幸せな働き方を見つけるための指南書だ。自分らしさを構成する「記憶」と「意識」にアプローチする手法で、3つのステップで自己分析を進めていく。第1章では、「強み」をアピールして競争していた平成の時代から、時間や空間を越えてつながり、独自の個性にあった仕事を「創る」令和の時代に変わってきた時代背景をもとに、今なぜ「天才性」、つまり人とは違う自分らしさや個性が求められるかを理解する。第2章では、人生の棚卸しをする中で過去の「記憶」を整理し、第3章では、「天才性を見つける」付録のウェブ診断ツールを用いて、さらに自己分析を進める。第4章では、分析を基に新しい時代の自分らしい生き方を「再構築」をし、未来の働き方に想いを馳せていく。

固定観念や思い込みから自分を「はがす」

自分探しを多くしてきた人にとって新鮮なのは、「自分をはがす」という切り口だ。ここでは、自分の過去の出来事を丁寧に振り返り、自問自答しながら固定観念やネガティブな思い込みの「とげ」を抜いていく。1つ1つのとげを解放して初めて「真っ白でピュアな赤ん坊のような存在が見えてくる」という。このワークを「とげぬき」という表現しているところに著者のユーモアを感じ、ずっと目を背けてしまっていた過去の自分の記憶にも向き合いやすくなる。

意識の方向から見つける「天才性」の診断ツール

客観的に分析できるウェブ診断ツール「ジーニアス・ファインダー」を使ったワークも入ってくるのも魅力的だ。誰しも「意識」が向く方向を持っていて、「描く」「想う」「感じる」「観る」という軸をベースに、8つの合う仕事の傾向が割り出されてくる。
1人で黙々と自己分析をしていると、どこかで煮詰まってくる。ちょうど本の真ん中ぐらい。そうそう、これこれ!と既に知っている自分、意外な自分など、具体的な行動が見透かされていて、ドキッとする。下手な占いよりも当たるのではないだろうか。

例えば、私の天才性は「人を想う」だった。少人数グループで人と濃く関わりたい。人の感情やニーズを敏感に察知できるので、カウンセラー、教育、コンサルタントなどが向いているという。他にも生活や仕事のスタイル、気づくポイントなどの項目で分析されている。こちらはSNSシェア用の画像。著名人で例えると、「ナインチンゲール」だそう(笑)

答えは内側に。とげで見えないだけ

「自分探し」をする時、人はつい外に答えを探そうとしてしまう。でも結局そこに答えはない。大人になるにつれて、たくさんの「思い込み」のとげが、いつしか本来の自分の中にある「天才性」を覆い隠してしまう。外へ発信をする前に、自分の内側にある思い込みを1枚1枚はがしていく作業の方が、実は大事なのだ。まるで心の断捨離のように。

おわりに

コロナの感染拡大により緊急事態宣言が出始めた最近。外に行くより家の中で過ごす時間がまた増えてきた。新しい時代の生活様式にあった自分らしい働き方について、じっくり向き合う時間はたくさんありそうだ。珈琲でも飲みながら、ペンとノートを手に取って、「自分はがし」をしてみるのもいいかもしれない。

同様の内容をstandfmの音声配信でもアップしています。作業しながら、ながら聴きしたい方は、こちらもぜひ!


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