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転職は日本経済を救う34 学び続ける

前回、脱線して片思いの話なんぞしてしまった。
失敗することで人は優しくなれる、人に相談できる、人の話も聞ける。
周囲との関係が築けるようになる。人脈、ネットワークができる。
それがまわりまわって転職などの人生の転機には威力を発揮する。
もしかしたらそれが転職の一番大きなポイントかもしれないと。
実際人生なんてそんなものかもしれない。
人と関わり続けることで、縁が生まれ、チャンスが生まれるのかもしれない。
・・・これをあまり言い過ぎると、運任せみたいになってしまって、このコラムの趣旨とあわなくなる。
人脈が運を引き寄せることは大いにあろうけれど、そのために人脈を作るのではない。
心を開いて、柔らかい頭によって結果的にできた人脈が、運を招く、機会を得られる、そんなものだ。
途中から自分の力の及ばない世界に行ってしまう。

やはり自分の力でできることに目を向けたい。
3つのポイントの中で、自分でとことんできることといえば、学ぶこと、学び続けることだ。

【学び続けること】

東大を出てエリート官僚になるような頭脳を持った秀才がいる。
私のような凡人はどうやったって敵わない。
しかし、ウサギと亀ではないが、秀才であることに胡坐をかいて、周囲を顧みず、新しい知識を入れずに、組織内活動ばかりしていれば、こつこつと、世の中の状況に合わせて学び続けた凡才は、長い年月をかければ、その秀才を追い抜くことができる。
時代遅れの知見しか持たない秀才に価値はないのだ。

・・・私は間違いなく凡人だが、少なくとも学び続けてきたという自負はある。
特に最初に入った印刷会社では、自分の方向性が見えない中、やみくもに社会人としての学習を続けてきた。
そもそも配属先が情報システム部門だったことで、まだPCが一般的なものでない1984年時点から、BASICに親しめたことは大きな学習だった。
仕事が変わっていく中で統計、多変量解析を学び、MACでGUIの世界に触れることができた。
ただ、、それだけでは社会で生きていけないのではと、資格を取ろうと考えた。
当時あこがれていたコンサルティングの仕事のためと、中小企業診断士を目指した。ここで経営全般を学ぶことができた。
親に死なれ税理士を目指し、簿記と財務諸表をマスターした。残り科目は合格できず、士にはなれなかったが。
さらに、大前研一氏にあこがれ、彼が主宰する通信講座で、ロジカルシンキングなどを理解した。

なんだか脈絡がない。学ぶ方向が、あっちいったりこっちいったりしているようだ。
だが、実際問題、今、内部監査室長としてのスキルの骨格は、これらの学習で成り立っている。
印刷会社時代に身に着けていたものばかりだ。

22年間の印刷会社時代に、「内部監査」なんて言葉はなかった。
もしかしたらどこかにあったのかもしれないが、少なくとも私の頭の中にはなかった。
結果として、システム、経営、会計、ロジカルシンキング、すべて役に立っている。


あれこれと手を出していたことが、数十年たって生きている。
ジョブズが大学中退後も受講していたカリグラフィーが、マッキントッシュのフォントに活かされた、という逸話がある。
自分のそれはジョブズの功績と比べられるものではないが、方向性は一緒だ。
役に立つかどうかなどわからず学んだことが、あとで活きるのだ。
学び続けていればこそだ。

監査法人に採用され転職できたのも、システムの知識と会計の知識があればこそだった。
会計の知識は、親が死ななければ手に入らなかった。資格としては挫折したのに。
そこから先は、前職での経験を買ってもらっての転職になった。

そのせいか、印刷会社時代の学びに比べると、今は書籍とpodcastに偏っている。
体系だった教育ではなく、ザッピングではないが、やみくもに書を手にし、音を聞いている。
世の中の最新の動向をキャッチアップしているつもりだ。
その中で歴史を知ることも多々ある。
なにせ新しい知識、未知の知識を手に入れている。
まだこれから何があるかわからない。まだ59歳だ。

ちょっと長くなった。
学び続けることが転職に有効であることの実体験を語った。
次回は切り口を変えてみたい。
組織に属する中で何を学かを語りたい。

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