つわりがやってきた【2】

必ず終わりは来るとわかっていても、その最中にいると永遠に終わらないのではないかとすら思えてくるつわり。

夫とグーグル先生にこのつわりは一体いつ終わるのかと問う毎日。ほんとにブラックだった・・・。なかには「産むまで吐いてました」なんて人もいるようで、もしそんなことになったら十月十日が十年にも感じられてしまう!と戦慄しておりました。

そんなこんなで、つわり中は夫に頼りっきりだったのですが、これ、フルタイムで働いていたり、上にお子さんがいらっしゃる女性たちはどうやって乗り越えているのだろう?と不思議で仕方ありませんでした。我が家の場合、夫は職場に拘束される時間が定まっているわけではないので、可能な限り家にいて家事や私の世話をしてくれたのですが、世の中こんなに恵まれた方ばかりではないはず。ネットを見ていると、つわりでしんどいのに夫や職場の人に心ない言葉を浴びせられる人が少なくないようで。気持ち悪いなかネットを見ながら、つわりで苦しむ妊婦代表として「つわりってこんなにしんどいんだよ!!」と声を大にして世の中に言ってやりたいと何度思ったことか。しかも安定期に入るまでは、自分の行動一つで赤ちゃんになにか影響が出るかもしれないと思うと一挙手一投足が気になって仕方ないし、精神的にも結構なプレッシャーがあるのです。なんせ他者の命が自分のなかにあるのですから。

つわり期間中辛かったのは気持ち悪さだけではなく、なぜか優しくされると余計に感じてしまう孤独感でした。夫がいくら家事をこなし優しく接してくれたとしても、この気持ち悪さとプレッシャーは私にしかわからないんだ、と思うと無性に孤独を感じてしまうのです。どんなに心配してもらっても気持ち悪さが和らぐわけではないし、どんなにこのプレッシャーがキツイかを話して共有しても、おなかのなかで赤ちゃんを育てるのは私以外あり得ない。そして、夫に優しくされればされるほど、孤独を感じてしまう自分に申し訳なさを覚えるという悪循環。気持ち悪いやらプレッシャーだは申し訳ないはで感情はぐちゃぐちゃ、涙と吐き気で顔もぐちゃぐちゃ。恵まれた環境にいた私でもこんな状態。精神的にも肉体的にも辛いときに、配慮に欠けた言葉を投げられるとたまったもんじゃない、とおせっかいにも思うわけです。こんなことを言うと「妊婦様が!」と揶揄されそうですが、別に過剰な配慮を求めているわけではなく、ほんのちょっと、世の男性方には想像してみて欲しいだけなのです。妊娠は病気ではありませんが、間違いなく心も身体もデリケートな状態。いつもよりほんの少しだけ、奥さんや同僚の女性に優しくするくらいの懐の深さがあれば、少子化だっていくらかマシになるはず。

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