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大好きな絵本 | たいようオルガン

私は、誰かの本棚を見せてもらうことがすごく好きです。
それは、友人の部屋の本棚だったり、セレクト本屋さんの棚だったり。
その人の世界観や価値観、大切にしていることが伝わってきたり、自分の知らなかった分野の魅力に気づかせてもらったりすることが好きです。

私もオープン本棚のように、誰かにシェアしたい出会えて嬉しかった本を少しずつ紹介したいと思います。

荒井良二さんの絵本「たいようオルガン」。

27歳の時、別の用事で百貨店の中を歩いていて、とてもドキドキするカラフルな色彩に惹かれて近づいていったら、荒井さんの絵本特集コーナーだった、というのが出会いでした。

絵本を手に取って美しくてどきどきして、とても惹かれていたのに、独身で子どももいなかった私は「友達の出産祝いの候補にしておこう」とその場を離れました。

その後、自分の子どもに買うという建前ができるまで、この本が欲しかったー、という気持ちに蓋をしていました。

本当は、娘が生まれたり、大きくなるのを待たなくてもよかったのに。
27歳の独身のあの時、自分は大人だから、って決めつけずに、自分のために買えばよかったんだなと思います。

街も田舎も雨も空も海も夕暮れも、ゾウバスのめくるめく旅路が美しいです。そのカオス感のある大胆な絵の具の色彩の中に、かくれんぼのように紛れ込んでいる鉛筆での書き込みも活き活きしていて面白いです。

小学生に「鉛筆の下書きは消さなきゃだめなんだよ」と注意された。
小学生に心配される大人になってるって最高だよね。

みたいなことを語っていらっしゃる荒井さんのインタビューを読んで、ますます楽しくなってしまいました。

自分の中の子ども心を起こしてもらえる本です。



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