私の英語は、ボードゲームに救われた
ボードゲーム様様です。
大して高くない英語力でカナダにやって来て、ボードゲームに出会い、英語の上達という面で大変助けられました。その魅力と、何がどうして英語の上達に役立つのか説明したいと思います。
ボードゲームとは
自粛を機に、日本で人気が高まっていると聞くボードゲーム。巷では、ボドゲなどと呼ばれる事もあるそうです。
みんなにお馴染みの、かるた、オセロ、将棋、ジェンガ、トランプ、ウノ、人生ゲーム、すごろく、などに加えて、実は世の中にはありとあらゆるボードゲームが展開されています。
ウィキペディアによると、
ボードゲーム(board game)とは、専用のボード(盤)上で駒(石とも言う)を置いたり、動かしたり、取り除いたりして遊ぶゲームの総称。盤上ゲーム、盤上遊戯とも呼ばれる。
だそう。
***
冒頭で、カナダ二年目で運命的な出会い(?)をした、と申しましたが、実は小さな頃から家族はボードゲーム好きでありました。
私以外の父母兄の三人は、日本の旅館でよく見られる木で作られた立体パズルが大好きで、宿に着くと、「とりあえずそれをやる」という時間が設けられ、黒い羊であった私は、部屋の隅っこで仕方なく一人本を読んだり音楽を聴き始める…といった幼少期を過ごしました。
また、わたしの家での毎年の大晦日の恒例行事といえば、
紅白をバックミュージックに、麻雀で遊ぶ。
今思うと大変ユニークで、少し笑える伝統行事ですが、カナダに住む今、大晦日の楽しみが一つ減ったようで悲しいです。
とにかく私はボードゲームの申し子として生まれて来た、と言っても過言ではないでしょう。(?)
カナダでボードゲームに出会う
カナダではよくpotluck partyと呼ばれる、持ち寄りホームパーティーが行われるのですが、ボードゲームに出会ったのはその時。
一通り食べて飲んだ後、な~んとなくの流れで「ボードゲームしよっか」といった感じで始まりました。
長~く寒~い冬の冬眠時期がある為か、トロントの人たちはボードゲームが好き。(戸外では、フリスビーが人気。そして驚くほど上手です。みんながみんな、股の下からポイっと投げたり、なんかしらの技が出来たりします。)
その時に遊んだのはいわゆる軽ゲー(軽量級ゲーム)と呼ばれる、みんなでワイワイと初心者の私でも楽しめた30分程のプレイ時間のものでした。
その日、「へぇ、ボードゲーム、楽しい」といった感想を抱いて、家路につきました。
ボードゲームのミートアップに参加
それからしばらく、時々呼ばれるおうち遊びにてボードゲームをするようになり、この世には色々なゲームがあるんだな、奥深いな、なんて思っていました。
そして、ある日、ふと開いたミートアップのアプリで
「中国人+日本人交流クラブ ボードゲームミートアップ」を見つけたのです。
その頃、私はすでに働き始めていて、特に土日にこれといった予定もなく、特別親しい友人はルームメイトくらいでした。
「友達が欲しい」「英語の上達の為にもっと現地の方々と話したい」
という二大欲求を満たす為に、おぉ、コレ面白そう!行ってみよう!と参加希望ボタンを押しました。
開催場所は、ダウンタウンにあるボードゲームカフェ。「そもそも、ボードゲームで遊ぶ為だけのカフェなんてあるんだ」と、お思いではないですか?私も初めは驚きました。
地下鉄の駅から徒歩2分のカフェ、グーグルマップで場所はすぐに見つかりました。確か、「土曜日の午後2時から」という触れ込みだったと、記憶しています。
あんまり早く着きすぎないようにしよう、でもあんまり遅くてゲームが始まっちゃってたらどうしよう、なんてモゾモゾしながら
間をとって(?)2時15分に到着。
中国人&日本人グループなので、アジア系の方々の座るテーブルを探しましたが、ピンと来ず、お店の人に「ミートアップで来たんですけど‥」と尋ねると、「あぁ、まだ、彼ら誰も来てないね」との回答!
なんてこった、早過ぎた!ガビーンとしながら席に着くと、すかさず1人の男性が「ミートアップですか?」とやって来ました。
その方は常連さんで(今になって知るが、1番物腰の柔らかい系)、お互い自己紹介をし、このミートアップの仕組みや雰囲気なんかをザッと説明してくれました。
1人、2人と人数が増え、4人席はすぐに満席。椅子を追加、他のテーブルにも同じミートアップの人々が着席し遊び始めていました。
さて、ドキドキの初日の記憶は‥
ルール説明を理解するのに手一杯。
どんなゲームで遊んだのか、また、一緒に遊んだ人たちの名前すら憶えていない。
ゲームを楽しめたのかは謎。
でも、全編英語!英語しか喋らなかった!
と、英語の試練、みたいなイメージで終わった初日でした。
***
さて、こちらをお読みになっている方の中には、「中国人+日本人の交流会なのに全編英語?」と、クエスチョンマークを浮かべている人もいるかもしれません。
トロントには、私と同じように世界中から移民としてやって来て、カナダに住んでいる方々がたくさんいます。
また、カナダ生まれのカナダ人であっても、それぞれの家庭のバックグラウンドは様々。日系の家庭に生まれたが、日本語を殆ど話さない、なんて方も多くいらっしゃいます。
ちなみに…私の参加したミートアップは表向き「日中交流」でしたが、実際参加する方々が全員、中国、及び日本のバックグラウンドを持つ、という訳ではありません。全員、誰でもウェルカム!
…むしろ、後にも先にも、日本人の方は、「日本の大学を休学しトロントに留学していた女性」と、「トロント生まれの日系の男性」の二名しか出会わず。
とにかく、こんなところにも、カナダのInclusive, Diversity精神が活かされている、と実感。移民として、とても生きやすい国なんです。
Language Independent Board Games
実は、ボードゲームの世界には
language independentと呼ばれる、英語話者でなくても楽しめる分野が存在します。
私がボードゲームカフェに入り浸る前、ホームパーティーで遊んでいたのはこうしたゲーム達。
language independentとは、別名;英語圏で生まれ育ってなくても、英語喋れなくても楽しめるよゲーム
です。
定義はサラッとこんな感じ。
ゲームを構成するコンポーネントは、
1. Mostly pictures 絵がほとんど。
2. Simple rules with interesting game-play ルールがシンプルだけど、面白い
ゲームのルールに関して、言葉で説明するのではなく、やって見せるだけで理解できる、というのが大きなポイント
3. Don’t need much talking ゲーム中に話さなくても良い
4. No cultural references 文化的な背景に考慮しなくても良い
こうしたゲームは、ルール説明も難しくなく、サクッと遊べます。
ゲーム会の常連になる
週一回のミートアップに参加するのが習慣化されて来たころ、段々と「英語の為の戦いに出向く」というより、ゲーム自体を楽しむ事が出来るようになりました。
そう!私もすっかり、language independent以外のゲームでも遊べるように。成長です。
ゲームをする、というと「黙々と無言でコマを打ちあう光景」をイメージする方もいるかもしれませんが、まちまちです。
ゲームによっては、自然と会話が弾んだり、討論?(いかに相手を言い負かす?…言いくるめる?…騙す…?)みたいなおしゃべりゲームもあるんです。
また、カードゲームや、重ゲー(重量系ゲーム;プレイ時間1時間以上~)と呼ばれるなかには、そもそも手札の長~い英文を読まなければ試合が始まらないものもあります。
そう、英語をしゃべらないと生き残れない、生きるか死ぬかのバトルなんです!(嘘)
そんなこんなで、土曜か日曜の週①で昼から夜中まで、食べるのも忘れてボードゲームに没頭するうちに、彼氏が出来ました。
あ、間違えた、英語が喋れるようになりました!
ボードゲームカフェでの出会い
週末、カフェに住むようになってから、今のパートナーに出会いました。
さらに、後々、女子会を開くようになる、友達も出来ました。その友達の中には、「ボードゲームっていうから、ジェンガとかやるのかと思ったら、なんか細々してる、よく分かんないのやって意味不明だった~」みたいな、結局一回しかカフェに訪れる事のなかった女性もいました。
トロントは、日本でいう東京みたいな都市なので、一人上京して来た人や、異国からの留学生も多くやってきます。
ボードゲームカフェは友達が出来る素晴らしい社交場の一つとも、言えるでしょう。
遊んで楽しい!というのもありますが、私としては、カフェが24時に閉店し、その後にみんなでご飯食べに行くのが好きだったりも…
最近は、ミートアップには参加せず、友人らと個人的に待ち合わせをして遊ぶ事が多くなりましたが、
ボードゲームミートアップ、おススメです。
ちなみに、日本に一時帰国した際、一度だけ都内で「英語話者のためのボードゲーム会」に参加しましたが
language exchangeよりも楽しかったです。学びも多かった気が…これは人にもよると思いますが、趣味で繋がる関係って、話も広がるし、何しろ楽しいんですよね。
話が弾むと、初対面の緊張がほぐれ、どっと会話量が増え、学べる事も増える。是非。足を運んでみてください。
さて、ここからは私のボードゲームへの愛が溢れて来ます。
私調べ:英語中級者向けボードゲーム
私はマスターでもなんでもないのですが、個人的にハードルが高かったゲームがこちら…
・Werewolf 人狼
・Secret Hitler シークレットヒトラー
とにかく個人個人が話さないとゲームが進行しないんです。
「自分はオオカミじゃないのよ、私を信じて」と、狼役が無実を装ったり
「お前がヒットラーだろ!お前は信用ならん!」と、ヒットラー張本人が他の人に罪を擦り付けたりして、騙し合うゲーム。
私はどちらも大好きですが、英語がシドロモドロの頃は、なかなか「説得」が出来ず苦労しました。
・Spyfall スパイフォール
同じく会話型ゲーム。お互いに質問をし、答え合わないと、進まない。
・Codenames コードネーム
ゲーム自体はとても簡単。5×5に並べられた15枚のカードの中から、ヒントマスターのコードを頼りに正解を導き出す。
この、そもそもの並べられたカードの中に、あまりピンと来ない単語が混ざっていたりするんです。
例えば、Goldilocks(森の中に住む三匹のクマの家に女の子がやって来る話のその子)、Stethoscope(聴診器)、Minotaur(ギリシア神話の牛頭人身の怪物)など。ちょっと生活密着型な言葉でないですよね。
こうしたカードに通ずるヒントが与えられる訳なのですが、そのヒントもなかなか難しかったりして、チームの足を引っ張るどころか、戦力外だったりもしました。
このゲームは前述したNo cultural references 文化的な背景に考慮しなくても良い、の真逆に位置しており、文化を知らないと楽しめないゲームの一つです。
私調べ:英語上級者向けボードゲーム
大人のパーティーゲームの定番?な位置付けな
・Card Against Humanity (日本バージョンは販売されていない模様)
個人的にはあまり好きではありません。
いわゆる飲みゲーム。センスの良さを競うというより、笑いを誘うorとにかく下品な事を言ったもん勝ち、大喜利ゲームです。(好きな人ごめんなさいね)
下ネタ満載なことも含めて、難易度高めです。とにかくカードの意味が分からないので、「え?それどうゆう事?」と聞きまくり、空気の読めない人になる率89%です。
・Hedbanz (こちらも日本版はない模様)
ヘッドバンドに自分では見えないように付けられたお題を、周りの人のヒントを頼りに当てるゲーム。
そもそものお題が芸能人の名前だったり、と日本育ちの私には難しすぎて一度も遊んだことはありません。
ファミリーフレンドリー版もあるので、そっちなら楽しめそうです。
***
そして、非対称型ボードゲームと呼ばれる、
・Root ルート
・Disney Villainous (日本語版まだなし)
のこちら。非対称型とは、4人で遊んだら、戦い方が4人それぞれ、勝ち方も4人通り、というもの。つまり、説明書が長い!!!
ディズニーの方は手札カードに読みごたえのある文がたっぷり!ふぅ!
読みごたえのあるカードといえば、
・Everdell エバーデール
というゲームもあります。見た目かわいいんですよ。まんまと騙されます。楽しいから、いいんですけどね、読むだけですからね…
まとめ
ボードゲーマーの方々は、この自粛期間、オンラインサイトを利用して遊んでいる模様。
私が利用した事があるのは、ボードゲームアリーナ。無料で気軽に遊べます。以下にリンクが貼ってあります。
なんか違う切り口で語学勉強に挑みたい、と思っている方、是非ボードゲームの沼に足を踏み入れてみてくださいね。ふふふ(悪い笑い)
出典:
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