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久しぶりの異文化体験。また、通訳役について改めて考える①

先月の中頃から彼のお家に、台湾の従姉妹が一人で遊びに来ている。彼女は昔、当地で留学していて、その時の友人がカナダ国内で結婚式を挙げるためだった。有名な観光地バンフで行われた結婚式。私たちもついでに行こうか案も出たが、お互い長期休みを取れそうになく、壮大な自然が醍醐味なのに「週末バンフ」はちょっと…と、見送った。

湖を含んだ景色は当地でも有名で、訪れた人の殆どが勧めて来るし、いつかまた絶対行きたいと懐古している。今思えば、週末バンフでも良かったかもしれない。行けば良かった。

台湾の人々は○○をする

ぐふふ。すごいありきたりな目次を作っちゃった。

さて、とある週末、私は彼のお家にお邪魔していた。その日は、彼と私は夕食を別で食べて、従姉妹を含む家族は外に食べに出ていた。先に帰宅した我々が部屋で寛いでいると、彼らが帰って来た物音。

そして、彼がふと呟いた。

「彼女、ノックしてこちらの返事を待たないでドアを開ける癖があるから気を付けて」

「え、何それ、どゆこと?」

と言っているうちに彼女が上の階に上がって来て、コンコンガ(チャ)とドアノブに手を掛けたのが分かり盛大な「ウェーーーーーーーーイッ!!!!!!」(wait)が出た。その、彼の忠告からコンマ8秒くらいの出来事だったと思う。今思い出しても驚く。

彼の「told you so」(俺は言ったぜ?)に「いや、聞いたけれど…」と苦笑いの私。

詳しい解説によると、それは彼女の性格?というより、台湾の方の習慣らしい。コンコンとノックしたら、ガチャと開ける。それが当たり前らしい。ヘー。職員室とかでもコンコンガチャらしい。世代とか関係しているのかは知らない。

例えば、彼のお父さんはコンコンと部屋をノックした後、扉から離れた所で待機してくれる。まず、滅多にコンコンされる事もないが、とにかくコンコンガチャは私には初めての出来事だった。

でもまあ、知っておいて良かった。これから先、役立つ情報かと思う。私には。

彼らのカジュアル具合

彼の親戚はコロナ前は頻繁に当地に遊びに来ていて、私もよく一緒にナイアガラに連れて行ってもらったり、ご馳走になったりしたものだけれど、なにせ3年振りの異文化体験。

色々忘れていた事も多い。

そのコンコンガチャの後、私たちはリビングルームで寛いでいた。するとシャワーを浴びた彼女が下りて来た。

「Hi」と声を掛けようと振り返ったら、顔にパックを貼り付けたままの彼女。つ…つえぇ…と思う私。そしてパジャマ。3年程居候していた私は、パジャマというパジャマを着るのが憚られ、大きめのTシャツにレギンスをいうのを、ルームウエアとして着用していたのだが、彼女は半袖短パンの可愛い系パジャマ。あのジェラートピケで売ってそうな、女子力頂点のパジャマである。+パック。

いいのだ。ただのパジャマ。好きなものを着ればいい。私もそう思う。

これは、私がパジャマを着れなかった妬みから来るブログである(いや、違う)

なんというか、もうリラックス感が半端ないのだ。自分の家感が。カジュアル具合が。

私は「息子の彼女」という立場だから、実家の持ち主であるお父さんには「良い嫁」でありたい、良い嫁像を演じたい、的な思いもある。そもそもその私の良い嫁像は、巷で聞く日本の同居家族アレコレからするとイージー度の83倍くらいなのですが。でも、日本の皆さん、親戚のお家に行ってそんな寛げます?私はそんなにリラックス出来ないですね…祖父母のお家とかだったらまだ自分家感あるけど。なんというか、叔父/伯父がいる家では私は無理。そんな違いが面白い。

更に、こんな事もあった。

彼女は、リビングの一角にある書斎エリアに、自分のラップトップとiPadを広げて仕事をしている。私が訪れるのは週末だけだから、彼女がお仕事している姿を見るのは稀であった。というか、彼女、現在は小学生のお部屋を借りて生活していて、その部屋にちゃんとデスクはある。

で、彼女が部屋に籠っていたとある日、我々はリビングで映画を観ていたのだが、急に下りて来た彼女、そしてそのリビングの一角で電話を始めた

「?????」もう、頭の中にはクエスチョンマークが乱立。何故に、ここで電話を始める?どうして?さっきまで上にいたのに?そして、別にパソコンを広げたりする必要の無さそうな様子。もう分からん。

暫く気にせず(いや、もちろん気になるが)映画に集中しようと頑張っていたが、二人とも諦めて、部屋に戻って続きを鑑賞した。

ウ~カジュアル☆なんというリラックス感!

私は、台湾の方々のウェルカム具合というか、大らかでフレンドリーでお世話好きな所が大好きだ。実際、3年程彼の実家で居候させて頂き、本当に娘の様に可愛がっていただいた。

また、台北を訪れた昔、Airbnbで個室を借りたのだが、そこのホストの女性と仲良くなり、実家にお誘いくださりお茶を頂いたり、ご飯をご馳走になったりもした。(追加料金とかそういうプランで、とかではなくて)

家族の範囲が広い。もてなしの仕方がダイナミック。そう、本当にこういう小さな事が異文化だわぁ、と思う。

家族の範囲が広いとは

日本語的におかしいだろうか。でも、これは自国以外の文化を知る上で結構重要なテーマだと思う。

以前こちらのnoteでもお話したのだが、


価値観の違いについて学ぶ
そもそも、人はそれぞれ異なる価値観を持っている。人生において「家族」が大切な人もいるし「他人に認識される事」「趣味やスポーツ、手芸」「信仰」「仕事」「親戚や義家族を含んだ家族」が一番大事だと考える人もいる。

本当これ。家族って何?と考えたときに「親戚や義家族を含んだ家族」もしくは「いわゆる自分と配偶者/パートナーを主とした家族」の捉え方。

その昔、初めてカナダにやって来た時、メキシコからの留学生がホームステイ先にいた。彼女は毎晩、彼氏や家族とずーーーーーっと本当に文字通りずっと電話をしていたが、ある日「さっきは誰と話してたの?」と聞いたら「叔父」と言われて心底びっくりした。そんな私は彼女に、あまりにも誰とも連絡を取っていないから孤児だと思われていたりした。

同僚もたまに、休憩中に親戚と長電話したりしている。

さらに、以前、「大人になってから移民としてやって来て当地で結婚、出産をしたカナダ人」また「母国で結婚、出産して、夫婦で移民したカナダ人」のほぼ同年齢の女性たちと話した時のこと。多くの女性が「家族は母国に住んでいる」と表現したのが印象的だった。

それはただの移民組の感覚なのか、それとも自分の両親や自分の兄弟らを今でも「家族」と定義しているのかは分からない。その時は、子どもの頃に移民した一人のカナダ人女性が「カナダでは、自分のパートナーや自分の子どもを”家族”と定義する事が多く、”家族は母国に住んでいる”と言うのは誤解を招く言い方だと思う」と言って、その話は何となく終わった。

私は、未婚であり、子どももおらず、私が「家族」と思い浮かべるのは日本に住む両親である。でも、例えば職場で、家族の写真を壁に飾りましょう、となった時に飾りたいのは彼との2ショットかもしれない。ふむ。皆さんはどうお考えになりますか?

この家族の範囲が広くて近い問題、割と当地では日本人嫁からの愚痴を中心に色々聞く。ま、私が日本人嫁とよくつるんでいるからっていう母数の多さもあるけれど。

まとめ

話がちょっと飛んだが、長くなってしまったので二部制にしようと思う。題名にした「通訳役」のあれこれについてはまた長くなりそうなので後日まとめたい。

続き書きました。



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