〖作詞〗『歪』

『歪』
作詞 : S0U.

聞いたことの無い
歪な音が  ふと聞こえた
高いような  低いような
形容しがたい  そんな音

どうやら  音の出処は
私の中に  あるらしい
鋭利な言葉を  浴びるたび
重心上の  真ん中から

自分を失くして  しまったから
喪失感が  分からなくて
人の姿で  産まれたはずが
ぶつかり変わった  歪な形


聞き慣れてきた
歪な音が  また聞こえた
生きてる様な  死んでる様な
少し懐古な  そんな音

心の通わぬ  声が通り
私の中は  空洞に
「私」だけで出来てたはずが
半分くらいは  他人のもの

片目を渡して  しまったから
遠近感が  分からなくて
不安で不安で  堪らないから
壁に凭もたれる  歪な私


表面だけが  カシャカシャ変わる
有機基板の  人の顔
無機質で無個性が  光り湧く
下ノ正しい  この世界


「聞…… こ ……え ……  …す……か？    …  ……  ？」


心が壊れる音だって
決めつけていた  歪な音は
失くしたはずの  私の声
あぁ  そうだった
こんなに  澄んだ音だった

初めて声を聞いたように
歪な姿の  私のままで

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