MAYA

広告会社勤務/北海道在住の28歳/既婚子なし 日々、自分に言い聞かせる言葉たち。

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広告会社勤務/北海道在住の28歳/既婚子なし 日々、自分に言い聞かせる言葉たち。

最近の記事

あれから2年、母への想い。

母が亡くなって2年が経った。 毎年、母の日が近づくといつも以上に 母に思いを馳せる。 私は母にとてもよく似ていて、まるで一心同体のように気持ちを理解しあえていたと思う。 だからよく、あーでもないこーでもないと 語っては、大泣き、大笑いしていた。 私の口癖は「お母さんが死んだらわたしも 死ぬ!」だったほど、母のそばを片時も 離れない子どもだった。 母が病気を患ってからは、さすがに心配 させまいと封印していたが・・。 母は、とても器の大きい人だった。 人に対して愛が深く、母

    • 「グリーンブック」-寂しいときに寄り添える存在。

      ※以下一部ネタバレを含みます。 週末最後の夜は、 映画「グリーンブック」を鑑賞。 これまで、友情を描く鉄板の感動系だよね、と 勝手に分類して、見る機会を逃してきた。 見終わってみると、そんな先入観は すっかり消えていて・・さすがは名作。 段々とふたりが距離を縮めていく様子が とても自然でしっくりくるし、互いを 大切に思う気持ちが伝わってくるような 温かい映画だった。 まったく違う世界に生きる対照的なふたりの 主人公が出会い、グリーンブックをたよりに 困難を乗り越えなが

      • サラリーマンの春は試練。二度と手に入らないものに気づく。

        サラリーマンにとって春は、 結構「試練」じゃないか??と思う。 転勤、新体制、新たな業務・・・ たとえ嬉しい変化だって、不安や重圧は 誰にでもあるから、超えなきゃいけない 試練のように思える。 少しずつ暖かくなっていく春の陽気に 力を借りながら、少し先の未来を想像して 皆なんとかやっているんだろうな。。 私は、「試練」というほどでもないが この数年は色々と行き詰まっている。 自分が、向かっていきたい方向と能力・・ 会社が見ている方向や組織として 持っているもの・・・ 簡単に

        • ただ、「言葉」の可能性を信じていたい。

          ひとは、「思い」と「言葉」によって 人格が作られている、とわたしは思う。 「なんとなく生きている」そう言う人が いたとしても、今日までの道のりの中で その人の「思い」のもととなるような 考えや感じ方が必ずどこかにあって、 「言葉」を使っていくつもの選択を してきたはずだ。 わたしは小さいころから今に至るまで、 周囲からはよく「考えすぎだよ」と 言われるほど、なんでもあれこれと 考える性格だ。 その性格は、自分の「言葉」に大きな 影響を与えてきたと思う。 家族以外の人と

        あれから2年、母への想い。

        • 「グリーンブック」-寂しいときに寄り添える存在。

        • サラリーマンの春は試練。二度と手に入らないものに気づく。

        • ただ、「言葉」の可能性を信じていたい。

          是枝裕和監督『怪物』-その”真実”は誰のもの?

          昨年公開の是枝監督の映画『怪物』を やっと見ることができた。 ※以下一部ネタバレを含みます。 この映画は子どもの学校でのいじめを きっかけに、社会問題化している教育現場の 課題や多様性とは、などについてしっかり 描きつつ、その中で私たちの日常の中にも スッと入り込み、観る者を試すような 是枝監督らしい映画だった。 『怪物だーれだ』のセリフは、 まさにこの映画のキーワード。 自然な展開ながら、登場人物全員に感情移入し 真実を突き止めたい思いに駆られる。 だが、「真実」は

          是枝裕和監督『怪物』-その”真実”は誰のもの?

          ついていきたい最高上司の4か条

          この春、また上司が変わる。 入社7年目になる私は、 これまで「上司との関係性づくり」を とても大事にしてきた。 それは、人事評価だけが理由ではなく 多くの人を巻き込まなければならない時や 自分の考えや悩みを相談し指針が欲しい時、 もっとも近くで自分の仕事を認めてもらう 存在が必要である、と考えているからだ。 といっても、「仲良し」というのは苦手で 少し言いにくいことも言える、適度な距離感 と緊張感を保っていたい。 上司との関係性を試行錯誤してきた、 そんな私なりの「最

          ついていきたい最高上司の4か条

          「幸せ」を別の言葉で表すなら。

          先日のこと。 仕事で出会った3つ下の 後輩ちゃんと、休日に会うことに。 知り合ってからしばらく経っていたのに、 ぐっと距離が縮まったのは昨年末。 彼女は昨年転職し、それまでは 人前に出る仕事をしていた。 今は私のいる会社と、とても関係の近い 会社にいて、職場から離れた実家から 毎日通っている。 経歴も出身も違うけれど、不思議なほど 似ている部分があったり、テンションが合う。 話すうちに、家族構成も同じで、家族の関係性 や両親のキャラクターがなんとなく似ている 気がしてい

          「幸せ」を別の言葉で表すなら。

          小津安二郎監督の遺作『秋刀魚の味』-ヴィム・ベンダースのルーツに触れて。

          先日、映画『PERFECT DAYS』鑑賞後、 その余韻に浸る毎日を過ごしている。 そんな中、ヴィム・ベンダースが敬愛し 『PERFECT DAYS』にもそのエッセンスが 詰まっているという、小津安二郎監督の作品が 気になり『秋刀魚の味』を鑑賞した。 まず、予告編を観たのだが・・ 3分ちょっとで触れられる独特の雰囲気と、 言葉を駆使した繊細で豊かな表現が とても好きだった。 *** 以下ナレーション *** 母なき娘にかける 父の愛情と夢が 抱きかかえられるような感情

          小津安二郎監督の遺作『秋刀魚の味』-ヴィム・ベンダースのルーツに触れて。

          「変わってしまう」ことの寂しさと「変えたい」と思えるワクワク。

          コロナをきっかけに、会社で他部署の人と 交流をしたり、宴席の機会がすっかり なくなった。会社の文化が変わった。 こうなると・・ 他部署の人と関わる機会はほとんどない。 それほど大きい会社ではないのに、顔と名前が 一致しなかったり、あいさつ程度の当たり 障りのない会話しか交わしたことのない人ばかり。 お酒も、人と話すこともすごく好きだが、 大人数でその場の「ノリ」に合わせることに 疲れてしまう私は、ありがたかったりもする。 でも、全くないのは寂しいとも思う。 私が入社した

          「変わってしまう」ことの寂しさと「変えたい」と思えるワクワク。

          「好き」「嫌い」に理由はいらない。自分だけのもの

          少し前のドラマを見ていて、 とても救われた言葉があった。 「好き」「嫌い」に理由はいらない、 自分だけのもの。という言葉。 普段、色々な場面で自分の考えを話したり 意思表示をする。 「これはこうした方が良いと思う」 「私はこうしたい」 そのあとに続くのが、そう思った理由。 それを言わなければ、「なんで?」と 聞き返されることが多い。 だから無意識に相手を納得させるように 論理的に話す。 とってもエネルギーが必要で、疲れてしまう。 営業先でクライアントに「YES」と

          「好き」「嫌い」に理由はいらない。自分だけのもの

          『PERFECT DAYS』

          2024年、最も観てよかった映画と 今から言い切れてしまう最高の映画。 あの雰囲気に浸りたくて、2回も観てしまった。 (以下一部ネタバレを含みます) ドイツのヴィム・ベンダース監督と日本を 代表する役所広司が最強ダッグを組んだ。 ただ毎日を淡々と過ごす役所広司演じる 「平山」が積み重ねていく毎日に、シンプルであることの美しさや気持ち良さを感じる。 まさに、この映画のキャッチコピー『こんな ふうに生きていけたなら』と思わされる。 公衆トイレの清掃員として、全く手を抜かず

          『PERFECT DAYS』

          泣くほど最悪な上司が泣けるほど最高な上司になった話。後編

          (前編のつづき) なんとも・・私とその上司は引き寄せられる 運命にあるのか。 私は今、別の部署で、その泣くほど最悪だと 思っていた上司のもとで今日も働いている。 前の部署でその上司が先に異動し、 東京勤務となった。 その後すぐ、私も同じ部署へ (勤務地は札幌)異動することになった。 (正確には、フリーペーパーが休刊となり 部員は解散となったのだ。) いわゆる「広告代理店」業務を行う部署で、 最初の2年間営業として働いた。 そして昨年、東京から戻ってきた元上司と

          泣くほど最悪な上司が泣けるほど最高な上司になった話。後編

          泣くほど最悪な上司が泣けるほど最高な上司になった話。前編

          私は新卒で今の会社に入り、 まもなく7年目になる。 入社して最初の上司が本当に最悪だった。 私はフリーペーパーを発行する部署で 広告営業に配属された。 既存顧客に対してフリーペーパーの広告枠を セールスしたり、新規顧客へのテレアポ、 広告会社への媒体売り込みなどが主な内容だ。 その上司は何かにつけて、私を指導した。 周りの10歳以上離れた先輩方誰ひとり として実践できていないような「ビル倒し」 (手当たり次第にビルに入り1件1件飛び込みセールスすること)を求めてきたり

          泣くほど最悪な上司が泣けるほど最高な上司になった話。前編

          母の形見リング

          女にとってジュエリーは特別なものだと思う。 頑張った証であったり、自分に少し自信を 持たせてくれたり・・ お守りのようなものだ。 母も指輪が好きで、いつも身につけていた。 母の指輪がかっこよくて、 「いつか欲しい」と思っていた。 デザインが素敵なだけじゃなく、 母の歩んできた人生に、重ねてきた毎日に 力をもらえる気がして。 キズがついていて、チャームが取れていて、 形も少し歪んで見える母の指輪。 それが味になって、母の歴史に重なった。 なおさらかっこよかった。 母が病気

          母の形見リング