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薬剤師国家試験対策ノート|論点解説 薬学理論問題 病態(1) 第106回-第109回 41問 powered by Gemini 1.5 Pro, Google AI Studio & GPT4o, Chat GPT

こんにちは!Mats & BLNtです。

matsunoya_note から、薬剤師国家試験の論点解説をお届けします。
苦手意識がある人も、この機会に、薬学理論問題【病態】 を一緒に完全攻略しよう!
今回は、薬学理論問題 病態(1)として、2024年2月に実施された最新の薬剤師国家試験までの4回分、第106回薬剤師国家試験-第109回薬剤師国家試験 薬学理論問題【病態】41問の論点解説を powered by Gemini 1.5 Pro, Google AI Studio & GPT4o, Chat GPT との対話を基盤にして一挙公開します。
GPT4o, Chat GPT との対話を基盤にした論点解説と Gemini 1.5 Pro との対話を基盤にした論点解説を両方掲載していますので、追加の情報を得られ、また、両者の回答を比較することも可能です。

一般問題【薬学理論問題】は、解法へのアプローチで分類すると、2つにわけられます。
・選択肢の文章のみから、その記述の正誤を判断する問題
・図表の理解から、正答を選択する問題
今回取り上げた問題は、前者です。
必須問題との違いは、問題によって、選択肢を1つ選ぶ場合2つ選ぶ場合がある事、また、1問の中に論点が複数ある事です。
要するに、必須問題がたくさんあるようなものです。
まず、ここから攻略することで、論点理解を深め、知識の幅を増やして、実力アップに挑戦しましょう。

薬剤師国家試験の勉強法は色々ありますが、薬学理論問題を一通り解いてみて、そこから自分に合った勉強法の傾向と対策を立てることは効率的な方法のひとつです。
Matsunoya品質の論点解説でサクッと学べば、それはそれで、薬剤師国家資格取得に向け走り出すきっかけになると思います。

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薬剤師にしかできない仕事がある。

さあ、はじめよう。

薬剤師国家試験対策ノート|論点解説 薬学理論問題 病態(1) 第106回-第109回 41問 powered by Gemini 1.5 Pro, Google AI Studio & GPT4o, Chat GPT
https://note.com/matsunoya_note/n/n36a8a303a32f

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目次


薬剤師国家試験対策ノート|論点解説 薬学理論問題 病態(1) 第106回-第109回 41問 powered by Gemini 1.5 Pro, Google AI Studio & GPT4o, Chat GPT

1. 論点一覧 41問 薬学理論問題【病態】

問番号は[試験の回]-[問番号]です。問番号順に並んでいます。
まず、論点を確認しましょう。
💡Tips:
Webブラウザ上でショートカットキー[Ctrl+F]を使ってみよう!
例: 問 107-100の論点、問題、論点解説、解説要約に素早くアクセスするには、107-100を選択してからCtrl+Fを押します。

薬剤師国家試験問題 薬学理論問題【病態】第106回 - 第109回

Creator: Yukiho Takizawa, PhD
Tool: Chat GPT powered by GPT4o & Google AI Studio by Gemini 1.5 Pro
Date: 2024/ 06/19

Matsunoya|薬剤師国家試験対策ノート
1. 論点一覧 41問 薬学理論問題【病態】

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論点:
■■Gemini 1.5 Pro
⇒ 改変・校正(Yukiho Takizawa, PhD)
論点リスト
問番号 |論点
病態|問 107-184|スティーブンス・ジョンソン症候群 / 症状・治療
病態|問 108-184|双極性障害 / 病態・治療
病態|問 106-185|浮腫 / 病態・種類
病態|問 107-185|ギラン・バレー症候群 / 原因・症状・治療
病態|問 108-185|冠攣縮性狭心症 / 特徴・治療
病態|問 109-185|偽膜性大腸炎 / 原因・症状・治療
病態|問 106-186|巨赤芽球性貧血 / 原因・治療
病態|問 107-186|貧血 / 種類・特徴
病態|問 108-186|妊娠可能な女性 / 高血圧治療薬
病態|問 109-186|骨粗鬆症 / 病態・治療
病態|問 106-187|慢性腎臓病 / 定義・症状・治療
病態|問 107-187|ネフローゼ症候群 / 症状
病態|問 108-187|高齢者 / 薬物動態 / 変化
病態|問 109-187|再生不良性貧血 / 病態
病態|問 106-188|高尿酸血症・痛風 / 病態・治療
病態|問 107-188|橋本病 / 症状・検査所見
病態|問 108-188|クローン病 / 特徴・検査所見
病態|問 109-188|高血圧治療薬 / 作用機序・併用禁忌
病態|問 106-189|流行性耳下腺炎 / 症状・合併症・治療
病態|問 107-189|緑内障 / 種類・症状
病態|問 108-189|ウイルス性肝炎 / 種類・特徴
病態|問 109-189|間質性肺炎 / 症状・治療
病態|問 106-190|膵臓がん / 特徴
病態|問 107-190|メニエール病 / 症状・治療
病態|問 108-190|2型糖尿病・脂質異常症 / 治療薬 / 選択・併用
病態|問 106-191|漢方薬 / 効能効果・適用
病態|問 107-191|ライ症候群 / 特徴
病態|問 108-191|加齢黄斑変性 / 病態・治療
病態|問 109-191|白内障 / 病態・治療
病態|問 106-192|遺伝子治療 / 特徴
病態|問 107-192|漢方薬 / 効能効果・適用
病態|問 108-192|アトピー性皮膚炎 / 病態・治療
病態|問 109-192|白癬 / 治療薬 / 特徴・副作用
病態|問 106-193|臨床研究 / 統計手法 / 選択
病態|問 107-193|幹細胞 / 種類・特徴
病態|問 108-193|移植片対宿主病 (GVHD) / 特徴
病態|問 109-193|多発性骨髄腫 / 病態
病態|問 107-194|EBM / 実践プロセス・内的妥当性 / 評価
病態|問 106-195|遺伝学的検査・診断 / 目的・倫理的配慮・遺伝情報 / 取扱い
病態|問 108-195|バイアス・交絡 / 制御方法
病態|問 109-195|うつ病 / 症状・治療


2. 試験問題 41問 薬学理論問題【病態】

薬剤師国家試験問題 薬学理論問題【病態】第106回 - 第109回

Creator: Yukiho Takizawa, PhD
Tool: Chat GPT powered by GPT4o & Google AI Studio by Gemini 1.5 Pro
Date: 2024/ 06/19

Matsunoya|薬剤師国家試験対策ノート
2. 試験問題 41問 薬学理論問題【病態】

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論点を確認し終わったら、問題を解いてみましょう。
薬剤師国家試験の本番では、薬学理論問題は原則1問2.5分以内に解く必要があります。でも、最初はゆっくりで大丈夫です。よく考えることが大切だからです。時間がかかる問題とかからない問題があります。
落ち着いて一通り解いてみましょう。
2. 試験問題の後に、
3. 論点解説、4. 解説要約があります。
わからなかった問題に関して、論点解説を読み、重点的に復習してみましょう。正解だった問題も、時間があったら、解説を確認するとよいです。

薬剤師国家試験問題 薬学理論問題【薬理】第106回 - 第109回
・正答の選択肢は問題によって異なります。
 1つ選択または2つ選択のどちらかです。


💡豆知識: 
一般問題「薬学理論問題」の完全攻略の第一歩は、慣れる事です。
病態学の問題の場合は、4. 解説要約で事前にポイントの復習をして自分で必要な事柄をまとめてから問題に取り組むのもよいでしょう。
病態と治療学は、病態の名前と症候群およびメカニズムを理解して、あとはその病態の治療に用いる薬物の名前を覚えるだけの問題が多いです。それ以外には、臨床研究に必要な手法を論点にした問題があります。
対策は比較的に単純で、努力すれば努力しただけ報われる科目と言って良いです。全問正解を目指せ!
3. 論点解説、4. 解説要約を活用して弱点を克服しましょう。
読書百遍意自ずから通ず📚
薬剤師国家試験問題の原本で解いてみることをお勧めします。
薬剤師国家試験問題の原本は厚生労働省のホームページ 薬剤師国家試験のページ |厚生労働省 (mhlw.go.jp) にあります。
薬学理論問題【病態】は本番の国家試験では第1日目の午後の休憩の後、15:50から始まる【薬理、薬剤、病態・薬物治療】の最後の科目です。
薬剤師国家試験1日目の必須問題9科目90問が午前中に終わり、午後、12:30からの15:00までの一般問題のうちの薬学理論問題【物理・化学・生物、衛生、法規・制度・倫理】が終わった後の15:50から17:45までの115分の3科目中の最後、ラストスパート部分ですから、十分に余裕ができるレベルまで勉強しておくのが戦略の一つです。
試験問題の原本(PDF)はこちら 
過去の試験問題及び解答
第106回 000756021.pdf (mhlw.go.jp)
第107回 000915527.pdf (mhlw.go.jp)
第108回 001074630.pdf (mhlw.go.jp)
第109回 001226761.pdf (mhlw.go.jp)

それでは、はじめましょう。


病態|問 107-184
スティーブンス・ジョンソン症候群に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 中毒性表皮壊死症とも呼ばれる。

  2. 内服薬よりも、皮膚外用薬によって発症するケースが多い。

  3. 視力低下をきたすことがある。

  4. 発熱や倦怠感などの全身症状を伴うことはまれである。

  5. 治療の基本は、副腎皮質ステロイド薬の全身投与である。


病態|問 108-184
双極性障害の病態と治療に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 躁病相が認められない場合がある。

  2. 睡眠障害が認められる。

  3. 進行すると記憶障害が認められる。

  4. 躁病相では、オランザピンによる治療が有効である。

  5. うつ病相では、イミプラミンの単独治療が推奨される。


病態|問 106-185
浮腫の病態に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. ネフローゼ症候群による浮腫では、血漿膠質浸透圧が上昇している。

  2. 腎炎による浮腫は、最初に顔面、眼瞼に顕著に表れる。

  3. 肝性浮腫は、上肢に顕著に表れる。

  4. 心性浮腫は、朝方に生じる場合が多い。

  5. 粘液水腫は、指圧で圧痕を残さない。


病態|問 107-185
ギラン・バレー症候群に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 上気道感染症や消化器感染症の後に発症することが多い。

  2. 主に中枢神経の軸索や髄鞘が障害される。

  3. 原因病原体として最も多いのは真菌である。

  4. 下肢から上行する左右対称性の弛緩性運動麻痺がみられる。

  5. 副腎皮質ステロイド薬の単独療法により寛解が得られる。


病態|問 108-185
冠攣縮性狭心症の病態と治療に関する記述として、正しいのはどれか。1つ選べ。
■選択肢

  1. 心筋の壊死をきたす。

  2. 発作は1時間以上持続する。

  3. 発作は夜間や早朝に生じることが多い。

  4. 非発作時でも、心電図異常を認める。

  5. 発作予防には、アドレナリンβ受容体遮断薬が有効である。


病態|問 109-185
薬剤服用後に発症する偽膜性大腸炎に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 主な原因医薬品として、抗菌薬がある。

  2. 緑膿菌感染による大腸炎である場合が多い。

  3. 便秘が持続し、腸閉塞に至ることが多い。

  4. 治療薬として、メトロニダゾールやバンコマイシン塩酸塩が使用される。

  5. 難治性の場合は、インフリキシマブが用いられる。


病態|問 106-186
75歳男性。2ヶ月前より顔面蒼白を家族に指摘されていた。最近、手足のしびれと味覚異常を自覚し、倦怠感が増大したため受診した。既往歴として15年前に胃の全摘術を受けている。
血液検査所見:
赤血球数 240×10^4/μL、Hb 8.1g/dL、Ht 27.0%、MCV 113fL、MCH 34pg、白血球数 4,200/μL、血小板数18.5×10^4/μL
この患者の治療に適している薬剤はどれか。1つ選べ。
■選択肢

  1. 10%ブドウ糖注射剤

  2. 含糖酸化鉄注射剤

  3. デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム注射剤

  4. メコバラミン注射剤

  5. メトトレキサート注射剤


病態|問 107-186
貧血の病態に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 鉄欠乏性貧血では、血清フェリチン値が上昇する。

  2. 巨赤芽球性貧血は、ビタミンB12や葉酸の欠乏により起こる。

  3. 再生不良性貧血では、汎血球減少がみられる。

  4. 自己免疫性溶血性貧血は、大球性貧血に分類される。

  5. 腎性貧血では、エリスロポエチンの産生が亢進している。


病態|問 108-186
37歳女性。高血圧症があり、処方1の薬剤を服用していた。今回、来局したときに、「この度、結婚することになり、できれば子供も欲しいと思うようになった」と話していた。対応したかかりつけ薬剤師は、処方期間中に妊娠する可能性を考え、処方医へ薬剤変更を提案することにした。最も適切な薬物はどれか。1つ選べ。
(処方1)
テルミサルタン錠40mg 1回1錠(1日1錠)1日1回朝食後 90日分
■選択肢

  1. メチルドパ水和物

  2. ドキサゾシンメシル酸塩

  3. スピロノラクトン

  4. エトレチナート

  5. ヒドロクロロチアジド


病態|問 109-186
骨粗しょう症に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 閉経後は、骨吸収の相対的な低下により、骨量の減少をきたす。

  2. 典型的なX線所見として、頭蓋骨の打ち抜き像がある。

  3. 骨代謝マーカーは、骨折リスクの予測に有用である。

  4. 閉経後骨粗しょう症の治療には、エストロゲンの補充療法を行う。

  5. 選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)は、乳腺や子宮内膜に対してエストロゲン様作用を示す。


病態|問 106-187
慢性腎臓病の病態と治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 腎機能障害又は腎機能低下が3ヶ月以上持続する状態である。

  2. 合併症として貧血がある。

  3. 低張尿となる。

  4. 尿毒症の症状改善にラクツロースを内服する。

  5. 尿毒症状の発症を抑制するために、タンパク質を積極的に摂取させる。


病態|問 107-187
ネフローゼ症候群で必ずみられるのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 体重減少

  2. 血尿

  3. タンパク尿

  4. 低アルブミン血症

  5. 低コレステロール血症


病態|問 108-187
薬物動態に影響を与える因子のうち、高齢者において起きていると考えにくいのはどれか。1つ選べ。
■選択肢

  1. 体脂肪率の増加

  2. 血漿中のアルブミン濃度の低下

  3. 血漿中のα1-酸性糖タンパク濃度の低下

  4. 肝血流量の減少

  5. 糸球体ろ過量の減少


病態|問 109-187
再生不良性貧血に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 血清鉄が増加する。

  2. 不飽和鉄結合能が増大する。

  3. 小球性低色素性貧血に分類される。

  4. エリスロポエチン産生が亢進する。

  5. 血小板数は変化しない。


病態|問 106-188
高尿酸血症及び痛風の病態と治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 痛風発作は、関節内に析出した尿酸塩結晶が引き起こす急性関節炎発作である。

  2. 高尿酸血症の病型としては、尿酸産生過剰型が多い。

  3. 痛風発作時には、直ちにアロプリノールを用いる。

  4. 痛風間欠期には、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が用いられる。

  5. 尿路結石がある場合は、尿酸排泄促進薬を用いない。


病態|問 107-188
42歳女性。最近、疲れやすいと感じることが多くなり、また徐々に食欲が低下し、何をするにも億劫でやる気が起こらなくなった。月経周期が乱れたため受診し、検査の結果、橋本病と診断された。この患者の状態として、考えられるのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 体重が著しく減少している。

  2. 頻脈が認められる。

  3. 高コレステロール血症が認められる。

  4. 血清TSH(甲状腺刺激ホルモン)値が高い。

  5. 副甲状腺ホルモンの分泌が亢進している。


病態|問 108-188
クローン病に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 好発年齢は40~50歳代である。

  2. 大腸に限局した炎症が認められる。

  3. 初期症状として、便秘が認められる。

  4. 増悪期に、CRP値の上昇が認められる。

  5. 特徴的な内視鏡検査所見として、敷石状潰瘍がある。


病態|問 109-188
72歳男性。本態性高血圧症のために、処方1及び処方2を服用していた。最近、血圧が上昇したため、薬物による降圧療法を強化することになった。追加する治療薬として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
(処方1)
ニフェジピン徐放錠20mg 1回2錠(1日4錠)1日2回 朝夕食後 14日分
(処方2)
テルミサルタン錠40mg 1回2錠(1日2錠)1日1回 朝食後 14日分
■選択肢

  1. アムロジピンベシル酸塩

  2. アメジニウムメチル硫酸塩

  3. シベンゾリンコハク酸塩

  4. イルベサルタン

  5. ドキサゾシンメシル酸塩


病態|問 106-189
21歳男子大学生。親戚の4歳児の面倒をみた2週間後に頭痛と発熱を認めたため、市販のかぜ薬を服用した。翌日、市販薬で一時的に解熱したが、再び発熱し、両側の頬から耳の後ろにかけて腫れ、腫脹部分に痛みを感じたため受診し、流行性耳下腺炎と診断された。この患者の病態及び薬物治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 解熱すればすぐに通学しても差し支えない。

  2. 精巣炎を合併するリスクがある。

  3. 治療にはアシクロビルが有効である。

  4. 疼痛・発熱に対し、アセトアミノフェンが用いられる。

  5. 治療にはワクチンが有効である。


病態|問 107-189
緑内障に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 緑内障は、眼圧を正常範囲内に維持すれば症状は現れない。

  2. 緑内障により低下した視力は、眼圧を低下させると速やかに回復する。

  3. 開放隅角緑内障では、虹彩と水晶体の間の房水の流れが妨げられている。

  4. 開放隅角緑内障では、視野欠損が徐々に進行する。

  5. 急性閉塞隅角緑内障では、急性の眼痛とともに頭痛、悪心・嘔吐を伴った視力低下が起こる。


病態|問 108-189
ウイルス性肝炎に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 急性期に黄疸が認められることはまれである。

  2. A型肝炎ウイルスは経口感染する。

  3. B型肝炎ワクチン接種により、HBs抗体検査は陽性を示す。

  4. C型肝炎は、ワクチン接種により予防することができる。

  5. C型肝炎よりもA型肝炎の方が肝硬変に進展しやすい。


病態|問 109-189
間質性肺炎に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 閉塞性換気障害のために肺活量が減少する。

  2. 原因として最も頻度が高いのは、副腎皮質ステロイド性薬の副作用である。

  3. 乾性咳嗽が出現する。

  4. 胸部聴診で呼息時にブツブツという粗い断続性ラ音が聴取される。

  5. 特発性肺線維症に対しては、ニンテダニブエタンスルホン酸塩を投与することがある。


病態|問 106-190
膵臓がんに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 膵管がんは膵管の上皮細胞由来である。

  2. インスリン分泌の亢進により低血糖を起こしやすい。

  3. 初期から症状が出現するため、発見が容易である。

  4. CA 19-9 (carbohydrate antigen 19-9) が陰性になる。

  5. 好発部位は膵頭部である。


病態|問 107-190
メニエール病の病態と治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. ウイルス感染症である。

  2. 反復性回転性めまいと耳鳴、難聴や耳閉感を併発することが多い。

  3. イソソルビドは、外リンパ圧低下作用によりめまいを抑制する。

  4. ペルフェナジンは、悪心・嘔吐を抑制する。

  5. ベタヒスチンメシル酸塩は、外耳の血液循環を改善することによりめまいを抑制する。


病態|問 108-190
48歳男性。建築業に従事しており、高所での作業が多い。40歳時の健康診断で高血糖を指摘されて以降、近医に通院している。現在は以下の薬剤及び用法用量で2型糖尿病、高血圧、安定狭心症及び脂質異常症の治療を受けている。指導された食事療法と運動療法は遵守できている。今回の所見を踏まえた治療の変更として、適切なのはどれか。2つ選べ。
現在は以下の薬剤及び用法用量:
メトホルミン塩酸塩錠250mg 1回1錠(1日2回)朝夕食後、
カナグリフロジン水和物錠100mg 1回1錠(1日1回)朝食後、
アジルサルタン錠20mg 1回1錠(1日1回)朝食後、
アムロジピン錠5mg 1回1錠(1日1回)朝食後、
ピタバスタチンCa錠1mg 1回1錠(1日1回)朝食後。
今回受診の身体所見と検査所見は以下のとおりであった。
身長174cm、体重72kg、血圧128/78mmHg、
空腹時血液検査結果:
血糖124mg/dL、HbA1c 7.2%、総コレステロール 220mg/dL、TG(トリグリセリド) 148mg/dL、HDL-C 70mg/dL、LDL-C 148 mg/dL、血清クレアチニン 0.7mg/dL、eGFR 86mL/分/1.73m^2、
尿検査結果:
糖(4+)、蛋白(±)、潜血(-)、ケトン体(-)、尿アルブミン/クレアチニン比50mg/gCr、
各薬剤の添付文書上の用法用量は以下のとおりとする。
メトホルミン塩酸塩錠
1日500mgより開始し、維持量は750mg~1,500mg。1日最大用量は2,250mg。
カナグリフロジン水和物錠100mgを1日1回。
アジルサルタン錠 20mgを1日1回。1日最大用量は40mg。
アムロジピン錠
(高血圧症) 2.5~5mgを1日1回。1日最大用量は10mg。
(狭心症) 5mgを1日1回。症状に応じて適宜増減。
ピタバスタチンCa錠 1 mgを1日1回。1日最大用量は4mg。
■選択肢

  1. メトホルミン塩酸塩を増量する。

  2. グリメピリドを追加する。

  3. アムロジピンを増量する。

  4. ピタバスタチンCaを増量する。

  5. イコサペント酸エチルを追加する。


病態|問 106-191
漢方薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 大建中湯は、インフルエンザ初期に用いられる。

  2. 麻黄湯は、認知症の不穏に対して用いられる。

  3. 六君子湯は、腹部外科的手術後のイレウス予防に用いられる。

  4. 芍薬甘草湯は、腓腹筋の有痛性けいれんに対して用いられる。

  5. 補中益気湯は、食欲不振に対して用いられる。


病態|問 107-191
B型インフルエンザに続発するライ(Reye)症候群に関する記述として、正しいのはどれか。1つ選べ。
■選択肢

  1. 異常型プリオン蛋白が脳内に蓄積して発症する。

  2. 肝障害を伴う急性脳症である。

  3. 血糖値の上昇がみられる。

  4. 重度の黄疸がみられる。

  5. 小児の場合、アスピリンが治療に用いられる。


病態|問 108-191
加齢性黄斑変性(加齢黄斑変性)の病態と薬物治療に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 水晶体の混濁により、視機能が低下する。

  2. 喫煙は危険因子の1つである。

  3. 失明に至ることはまれである。

  4. 薬物治療の対象となるのは、萎縮型である。

  5. 薬物治療には、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)の阻害薬が用いられる。


病態|問 109-191
白内障に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 硝子体が混濁する疾患の総称である。

  2. 先天性と後天性とに大別できる。

  3. 副腎皮質ステロイド性薬の長期投与により、発症を抑制できる。

  4. 治療に用いる点眼薬として、ピレノキシンとグルタチオンがある。

  5. 加齢による白内障では、点眼薬の投与により混濁が消失する。


病態|問 106-192
遺伝子治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 失われた組織の再生を目指した治療である。

  2. がんや先天的遺伝子疾患の治療への応用が試みられている。

  3. in vivo 遺伝子治療は、遺伝子を直接患者に投与して、標的細胞に導入する方法である。

  4. レトロウイルスベクターの欠点を補うためにアデノウイルスベクターが開発された。

  5. 生殖細胞への遺伝子導入が繁用されている。


病態|問 107-192
漢方薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 大建中湯は、不眠症に使用される。

  2. 五苓散は、浮腫に使用される。

  3. 小青竜湯は、アレルギー性鼻炎に使用される。

  4. 補中益気湯は、月経困難に使用される。

  5. 抑肝散は、気管支ぜん息に使用される。


病態|問 108-192
アトピー性皮膚炎の病態と治療に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 皮膚のバリア機能が低下している。

  2. 皮膚の苔癬化は、成人期よりも乳児期に顕著にみられる。

  3. 血液検査では、血清総IgE値の上昇が認められる。

  4. 治療の基本は、抗ヒスタミン外用剤による炎症の抑制である。

  5. タクロリムス軟膏は、潰瘍やびらんを形成した皮膚部位に適用される。


病態|問 109-192
白癬及びその治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 足白癬の原因で最も頻度の高いのは、カンジダ・アルビカンスである。

  2. 足白癬への外用薬による治療は、1週間で中止する。

  3. 爪白癬の治療には、内服薬は用いられない。

  4. イトラコナゾール錠は、妊婦又は妊娠の可能性のある女性に禁忌である。

  5. テルビナフィン塩酸塩錠の副作用として、重篤な肝障害がある。


病態|問 106-193
臨床研究における検討事項と使用する統計手法の組合せとして適切なのはどれか。2つ選べ。
検討事項|統計手法
■選択肢

  1. 薬剤投与群の男女比と非投与群の男女比に差があるかどうかを検討する|Mann-WhitneyのU検定

  2. 降圧薬を投与する前後の血圧に差があるかどうかを検討する|重回帰分析

  3. 血圧値の低下に対して、年齢、性別、食塩摂取量などの複数の因子の影響度合いを検討する(時間的要素を考慮しない)|カイ二乗検定

  4. 副作用の有無に対して、治療法や背景などの複数の因子の影響度合いを検討する(時間的要素を考慮しない)|ロジスティック回帰分析

  5. 抗がん剤投与群の生存率曲線と手術群の生存率曲線に差があるかどうかを検討する|ログランク検定


病態|問 107-193
幹細胞に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 胚性幹細胞(ES細胞)は、自己複製能を持つ。

  2. 胚性幹細胞は、多能性獲得に必要な遺伝子を導入して作製する。

  3. 人工多能性幹細胞(iPS細胞)の作製には、受精卵が用いられる。

  4. 造血幹細胞は、あらゆる細胞に分化する能力を持つ。

  5. 造血幹細胞は、臍帯血にも存在する。


病態|問 108-193
造血幹細胞移植時における移植片対宿主病(GVHD)に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 移植後1週間以内に好発する。

  2. 予防として、移植前から免疫抑制薬の投与を開始する。

  3. 自家移植に比べ、同種移植では発症のリスクが低い。

  4. ドナー由来のリンパ球が、レシピエントの組織を攻撃して起こる疾患である。

  5. 発症を予防するために、移植する造血幹細胞に対して放射線照射を行う。


病態|問 109-193
多発性骨髄腫の病態に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. T細胞が腫瘍化する。

  2. 腫瘍細胞が産生するMタンパク質は、単クローン性の免疫グロブリンである。

  3. アミロイドタンパク質が臓器や組織に沈着し、臓器障害をきたす。

  4. 骨髄細胞にフィラデルフィア染色体を認める。

  5. 脾腫が頻発する。


病態|問 107-194
EBMの実践に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 最初のプロセスは「問題解決のための情報収集」である。

  2. 情報を効率的に収集するために、一次資料の調査から開始する。

  3. PICO又はPECOとよばれる4つの要素(Patient、Intervention/Exposure、Comparison、Outcome)を用いて問題の定式化を行う。

  4. 論文等に示された研究成果の正確度や再現性を確認することを、内的妥当性の評価という。

  5. 割りつけられた治療を完遂できず脱落した者を除いた解析はITT(intention-to-treat)解析という。


病態|問 106-195
遺伝学的検査・診断に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. すでに発症している患者の診断を目的として行われた遺伝学的検査の結果は、患者の診療に関係する情報と一緒に保管する。

  2. 遺伝情報は、血縁者間で一部共有されていることを考慮する必要がある。

  3. 遺伝学的検査は、出生前診断のために行われることはない。

  4. 発症前診断は、当該疾患を発症するおそれがなく治療する必要がない者に対する検査である。

  5. 非発症保因者診断では、発症する前に将来の発症を予測するために検査を行う。


病態|問 108-195
臨床研究に関わるバイアスや交絡に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. ランダム化により、介入研究における被験者の選択バイアスを小さくできる。

  2. 非盲検化により、介入研究におけるエンドポイント評価時の情報バイアスを小さくできる。

  3. マッチングにより、観察研究における交絡要因の影響は小さくできる。

  4. 盲検化により、介入研究の交絡要因を解析できる。

  5. フォレストプロットにより、メタアナリシスの結果に影響する公表バイアスを評価できる。


病態|問 109-195
55歳男性。会社員。26歳時に結婚し、子供が二人いる。元来まじめな性格で、会社では昼夜を問わず仕事をしていた。2年前に昇進し、一層仕事に励んでいた。今年に入り、朝早く目が覚めてその後眠れないようになった。また、便秘がちになり食欲が低下したため、近医の消化器内科を受診したが軽快しなかった。その後も体調不良が続き、これらの症状に加え、立ちくらみや耳鳴りが出現したため、内科を転々とし精査を受けたが、器質的異常は認められなかった。やがて、一日中身体の不調を自覚するようになり、業務中にミスが増えた。「こんなダメな自分と一緒にいても未来がないので離婚しよう。」と、妻に頻回に言うようになった。趣味のゴルフへの興味もなくなり、休日は家でぼんやり過ごすようになったため、心配した妻と一緒に精神科を受診し、うつ病と診断された。この患者の病態と治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 微小妄想が認められる。

  2. 昏迷が生じている。

  3. 記憶障害を伴う可能性が高い。

  4. 治療では、十分な休養が推奨される。

  5. 薬物療法では、初回から2剤以上の抗うつ薬を併用する。


この後に記載された解説は、薬理学の基本的な概念に基づいており、特定の薬剤の作用機序や臨床応用に関する一般的な情報を提供するものです。もし更に詳細な情報が必要な場合は、専門の文献や資料を参照してください。

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3. 論点解説 41問 薬学理論問題【病態】

薬剤師国家試験問題 薬学理論問題【病態】第106回 - 第109回

Creator: Yukiho Takizawa, PhD
Tool: Chat GPT powered by GPT4o & Google AI Studio by Gemini 1.5 Pro
Date: 2024/ 06/19

Matsunoya|薬剤師国家試験対策ノート
3. 論点解説 41問 薬学理論問題【病態】

Here; https://note.com/matsunoya_note/n/n36a8a303a32f

Matsunoya|薬剤師国家試験対策ノート


病態|問 107-184 ■正答| 3 5
スティーブンス・ジョンソン症候群に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 中毒性表皮壊死症とも呼ばれる。

  2. 内服薬よりも、皮膚外用薬によって発症するケースが多い。

  3. 視力低下をきたすことがある。

  4. 発熱や倦怠感などの全身症状を伴うことはまれである。

  5. 治療の基本は、副腎皮質ステロイド薬の全身投与である。


スティーブンス・ジョンソン症候群


病態|問 107-184


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|スティーブンス・ジョンソン症候群の症状、発症原因、治療
この問題の論点は、スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)の主な特徴、発症の要因、そして治療法に関する理解を問うものです。


■解説1|
スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)は、薬物アレルギー反応によって引き起こされる重篤な皮膚粘膜の病気です。SJSは、粘膜、皮膚、眼に深刻な症状を引き起こし、重症例では死亡に至る可能性もあります。
選択肢3:視力低下をきたすことがある。 [正しい]
SJSは眼の粘膜にも影響を与えるため、結膜炎、角膜炎、視力低下を引き起こす可能性があります。
選択肢5:治療の基本は、副腎皮質ステロイド薬の全身投与である。 [正しい]
SJSの治療は、薬物の中止、副腎皮質ステロイド薬の全身投与、サポート療法(輸液、栄養補給、感染予防など)が基本となります。ステロイド薬は、炎症反応を抑え、症状の悪化を防ぐために使用されます。
■解説2|
SJSは、薬物療法によって、体内の免疫システムが自分の組織を攻撃する際に起こります。これは、薬物が体内に侵入した際に、免疫システムが異物と認識し、攻撃することで引き起こされます。薬剤だけでなく、感染症やワクチンもSJSの誘因になることが知られています。SJSの症状は、発熱、倦怠感、発疹、水疱などの皮膚症状、眼の炎症、口腔内の潰瘍などです。重症例では、皮膚剥離、呼吸困難、多臓器不全などを引き起こす可能性があります。


■結論|
正しい選択肢は、3と5です。


■補足|
選択肢1:中毒性表皮壊死症とも呼ばれる。 [誤り]
中毒性表皮壊死症(TEN)は、SJSよりも重症な皮膚粘膜の病気です。TENは、皮膚の剥離がより広範囲にわたるため、SJSと区別されます。
選択肢2:内服薬よりも、皮膚外用薬によって発症するケースが多い。 [誤り]
SJSは、内服薬、外用薬、注射薬など、様々な薬剤によって発症する可能性があります。
選択肢4:発熱や倦怠感などの全身症状を伴うことはまれである。 [誤り]
SJSは、発熱、倦怠感、筋肉痛、頭痛などの全身症状を伴うことが多く、症状が急速に悪化する傾向があります。


病態|問 107-184


■■GPT4o
■論点|スティーブンス・ジョンソン症候群の症状と治療
この問題の論点は、スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)の症状と治療方法に関する正確な知識を特定することです。


■解説1|
視力低下をきたすことがある。(選択肢3) [正しい]
スティーブンス・ジョンソン症候群は、皮膚および粘膜の重篤な炎症性疾患であり、しばしば視力低下や目の障害を引き起こすことがあります。
角膜炎や結膜炎などの目の合併症が頻繁に発生し、場合によっては永久的な視力障害を引き起こすこともあります。
治療の基本は、副腎皮質ステロイド薬の全身投与である。(選択肢5) [正しい]
スティーブンス・ジョンソン症候群の治療には、副腎皮質ステロイド薬の全身投与が広く用いられています。
ステロイドは炎症を抑え、免疫反応を調節する効果があり、SJSの進行を抑制するために重要な役割を果たします。
■解説2|
視力低下をきたすことがある。(選択肢3)
SJSの患者はしばしば眼の合併症を経験し、その中には結膜の瘢痕形成、シンデキ、乾燥症などが含まれます。これらは視力に大きな影響を及ぼします。
早期の眼科的介入が推奨され、適切なケアが視力の保護に役立ちます。
治療の基本は、副腎皮質ステロイド薬の全身投与である。(選択肢5)
ステロイド以外にも、免疫抑制剤やIVIG(免疫グロブリン静脈注射)などが治療に使用されることがありますが、ステロイドは多くの治療プロトコルで基礎的な治療法とされています。
これにより、炎症の急速な制御と免疫反応の抑制が図られ、患者の症状の軽減に寄与します。


■結論|
正しい選択肢は、3と5です。


■補足|
中毒性表皮壊死症とも呼ばれる。(選択肢1) [誤り]
SJSは中毒性表皮壊死症(TEN)と似ていますが、異なる疾患です。TENはSJSよりも重篤で、皮膚剥離面積がより広いことが特徴です。
内服薬よりも、皮膚外用薬によって発症するケースが多い。(選択肢2) [誤り]
SJSは通常、内服薬(抗生物質、抗てんかん薬、NSAIDsなど)の使用後に発症します。皮膚外用薬が原因となることは稀です。
発熱や倦怠感などの全身症状を伴うことはまれである。(選択肢4) [誤り]
SJSはしばしば発熱、倦怠感、関節痛などの全身症状を伴います。これらの症状は疾患の初期に見られ、その後皮膚や粘膜の症状が現れます。


病態|問 108-184 ■正答| 2 4
双極性障害の病態と治療に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 躁病相が認められない場合がある。

  2. 睡眠障害が認められる。

  3. 進行すると記憶障害が認められる。

  4. 躁病相では、オランザピンによる治療が有効である。

  5. うつ病相では、イミプラミンの単独治療が推奨される。


双極性障害


病態|問 108-184


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|双極性障害の特徴、症状、治療
この問題の論点は、双極性障害の主な症状、特徴、そして治療法に関する理解を問うものです。


■解説1|
双極性障害は、躁病相と鬱病相を繰り返す気分障害です。躁病相では、高揚感、活動性、思考の加速、睡眠時間の短縮などの症状が見られます。鬱病相では、意欲の低下、気分の落ち込み、集中力の低下、睡眠障害などの症状が見られます。
選択肢2:睡眠障害が認められる。 [正しい]
双極性障害では、躁病相でも鬱病相でも、睡眠障害が見られます。躁病相では、睡眠時間が短縮される傾向があり、鬱病相では、睡眠過多になる傾向があります。
選択肢4:躁病相では、オランザピンによる治療が有効である。 [正しい]
オランザピンは、抗精神病薬の1つであり、躁病相の症状を抑える効果があります。躁病相では、気分の高揚や活動性の抑制、妄想や幻覚などの症状を抑えるために、オランザピンなどの抗精神病薬が用いられます。
■解説2|
双極性障害は、躁病相と鬱病相のサイクルを特徴とする複雑な気分障害です。躁病相では、エネルギーレベルの亢進、気分の高揚、過剰な自信、衝動的な行動、睡眠時間の短縮などの症状が見られます。鬱病相では、意欲の低下、絶望感、集中力の低下、睡眠過多、食欲不振などの症状が見られます。双極性障害は、遺伝的要因、環境的要因、神経伝達物質の異常など、様々な要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。


■結論|
正しい選択肢は、2と4です。


■補足|
選択肢1:躁病相が認められない場合がある。 [誤り]
双極性障害では、躁病相と鬱病相が交互に繰り返されます。躁病相が認められない場合、単極性うつ病の可能性が考えられます。
選択肢3:進行すると記憶障害が認められる。 [誤り]
双極性障害では、進行すると認知機能の低下が認められる可能性はありますが、記憶障害は必ずしも認められるわけではありません。
選択肢5:うつ病相では、イミプラミンの単独治療が推奨される。 [誤り]
うつ病相では、イミプラミンなどの三環系抗うつ薬は、躁病相を誘発する可能性があるため、単独治療は推奨されません。うつ病相の治療には、気分安定薬や抗うつ薬の併用療法が有効と考えられています。


病態|問 108-184


■■GPT4o
■論点|双極性障害の症状と治療法
この問題の論点は、双極性障害の症状および適切な治療法に関する知識を特定することです。


■解説1|
睡眠障害が認められる。(選択肢2) [正しい]
双極性障害の患者は、躁病相およびうつ病相のいずれにおいても、睡眠障害を経験することが一般的です。
躁病相では過剰な活動と連動して睡眠が減少し、うつ病相では不眠症または過眠症が現れることがあります。
躁病相では、オランザピンによる治療が有効である。(選択肢4) [正しい]
オランザピンは、双極性障害の躁病相において有効性が認められており、急性期の症状を鎮静化するために使用されます。
この薬は、気分の安定化や精神病症状の緩和に寄与します。
■解説2|
睡眠障害が認められる。(選択肢2) [正しい]
双極性障害の診断基準には、睡眠の変動が含まれており、睡眠パターンの乱れは病相の指標となります。
睡眠障害の管理は、全体的な病状管理において重要です。
躁病相では、オランザピンによる治療が有効である。(選択肢4) [正しい]
オランザピンは、抗精神病薬であり、双極性障害の躁病相の治療に広く使用されている。効果は迅速で、患者の安全を確保するためにしばしば第一選択薬として用いられます。
この薬の使用により、躁病相の重症度が低下し、入院期間が短縮されることが示されています。


■結論|
正しい選択肢は、2と4です。


■補足|
躁病相が認められない場合がある。(選択肢1) [誤り]
双極性障害の定義には、躁病相(または軽躁病相)が含まれており、これが認められない場合は診断基準を満たしません。
進行すると記憶障害が認められる。(選択肢3) [誤り]
双極性障害そのものが進行すると記憶障害が生じるとは限りません。認知機能の低下が報告されることはありますが、一般的に記憶障害は病気の進行によるものではなく、エピソードによる一時的なものです。
うつ病相では、イミプラミンの単独治療が推奨される。(選択肢5) [誤り]
イミプラミンなどの抗うつ薬は、双極性障害のうつ病相において単独で使用すると躁転のリスクがあるため、気分安定薬と併用するのが一般的です。


病態|問 106-185 ■正答| 2 5
浮腫の病態に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. ネフローゼ症候群による浮腫では、血漿膠質浸透圧が上昇している。

  2. 腎炎による浮腫は、最初に顔面、眼瞼に顕著に表れる。

  3. 肝性浮腫は、上肢に顕著に表れる。

  4. 心性浮腫は、朝方に生じる場合が多い。

  5. 粘液水腫は、指圧で圧痕を残さない。


浮腫の病態


病態|問 106-185


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|浮腫の発生機序と臨床症状
この問題の論点は、様々な疾患における浮腫の発生機序と、それに伴う特徴的な臨床症状に関する理解を問うものです。


■解説1|
浮腫は、血管内の水分が組織間隙に過剰に移動することで発生します。様々な要因で血管透過性亢進や血漿膠質浸透圧の低下が起こり、水分が血管外へ移動することで生じます。
選択肢2:腎炎による浮腫は、最初に顔面、眼瞼に顕著に表れる。[正しい]
腎炎では、腎臓でのタンパク質漏出が起こり血漿中のアルブミン濃度が低下するため、血漿膠質浸透圧が低下し浮腫が生じます。腎炎による浮腫は、組織が緩く重力の影響を受けやすい顔面や眼瞼に最初に現れやすいという特徴があります。
選択肢5:粘液水腫は、指圧で圧痕を残さない。[正しい]
粘液水腫は、甲状腺機能低下症に伴い、皮膚にムコ多糖類が沈着することで生じる浮腫です。ムコ多糖類が水を保持するため、指で押しても圧痕は残りにくいという特徴があります。
■解説2|
浮腫の発生機序は、大きく分けて(1)静脈圧の上昇、(2)血漿膠質浸透圧の低下、(3)毛細血管透過性の亢進、(4)リンパ浮腫の4つに分類されます。
腎炎による浮腫は、糸球体濾過機能の低下により、体内の水分や塩分の排泄が障害され、体液量が増加することでさらに悪化します。
粘液水腫は、甲状腺ホルモンの不足により代謝が低下し、ムコ多糖類の産生と分解のバランスが崩れることで生じます。


■結論|
正しい選択肢は、2と5です。


■補足|
選択肢1:ネフローゼ症候群による浮腫では、血漿膠質浸透圧が上昇している。[誤り]
ネフローゼ症候群では、尿中に大量のタンパク質が漏出することで、血漿中のアルブミン濃度が低下し、血漿膠質浸透圧は低下します。
選択肢3:肝性浮腫は、上肢に顕著に表れる。[誤り]
肝性浮腫は、肝硬変などにより門脈圧が上昇することで、腹水貯留をきたし、下肢に浮腫が現れます。
選択肢4:心性浮腫は、朝方に生じる場合が多い。[誤り]
心性浮腫は、心不縮により静脈系に血液がうっ滞することで生じ、夕方になるほど悪化する傾向があります。


病態|問 106-185


■■GPT4o
■論点|浮腫の病態とその特徴
この問題の論点は、浮腫の病態とそれに関連する具体的な臨床的特徴を正確に特定することです。


■解説1|
腎炎による浮腫は、最初に顔面、眼瞼に顕著に表れる。(選択肢2) [正しい]
腎炎に伴う浮腫は、腎機能の低下により体液が体内に貯留し、最初に顔面や眼瞼に浮腫が現れます。これは特に朝に顕著になります。
これは、長時間横になっている間に液体が顔面に移動しやすいためです。
粘液水腫は、指圧で圧痕を残さない。(選択肢5) [正しい]
粘液水腫は甲状腺機能低下症に関連する浮腫であり、皮膚が硬くなり、指圧しても圧痕が残らないのが特徴です。
これは、浮腫が主に粘液性物質(ムコ多糖類)によるものであるためです。
■解説2|
腎炎による浮腫は、最初に顔面、眼瞼に顕著に表れる。(選択肢2)
急性腎炎(例えば急性糸球体腎炎)では、腎臓の炎症によりナトリウムと水の再吸収が増加し、血管内外の液体のバランスが崩れます。これが浮腫の原因となります。
朝起きたときに顔がむくむのは、長時間横になっていることで液体が顔に集まりやすいからです。
粘液水腫は、指圧で圧痕を残さない。(選択肢5)
粘液水腫は、粘液性物質が皮下組織に蓄積することによる特殊な浮腫であり、甲状腺ホルモンの不足が原因です。
皮膚が硬くて厚く、指で押しても元に戻らないのが特徴です。


■結論|
正しい選択肢は、2と5です。


■補足|
ネフローゼ症候群による浮腫では、血漿膠質浸透圧が上昇している。(選択肢1) [誤り]
ネフローゼ症候群では、大量のタンパク質が尿中に失われるため、血漿膠質浸透圧が低下します。このため、浮腫が生じます。
肝性浮腫は、上肢に顕著に表れる。(選択肢3) [誤り]
肝性浮腫は主に腹水として腹部に現れます。これは門脈圧亢進や低アルブミン血症が原因です。
心性浮腫は、朝方に生じる場合が多い。(選択肢4) [誤り]
心性浮腫は、通常夕方や夜間に下肢に現れることが多いです。これは、日中の活動により足に液体が溜まりやすいためです。


病態|問 107-185 ■正答| 1 4
ギラン・バレー症候群に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 上気道感染症や消化器感染症の後に発症することが多い。

  2. 主に中枢神経の軸索や髄鞘が障害される。

  3. 原因病原体として最も多いのは真菌である。

  4. 下肢から上行する左右対称性の弛緩性運動麻痺がみられる。

  5. 副腎皮質ステロイド薬の単独療法により寛解が得られる。


ギラン・バレー症候群


病態|問 107-185


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|ギラン・バレー症候群の原因、症状、治療
この問題の論点は、ギラン・バレー症候群の誘因となる因子、特徴的な臨床症状、一般的な治療法に関する理解を問うものです。


■解説1|
ギラン・バレー症候群(GBS)は、末梢神経の軸索が自己免疫によって攻撃されることで、運動麻痺や感覚障害をきたす疾患です。
選択肢1:上気道感染症や消化器感染症の後に発症することが多い。[正しい]
GBSの約2/3は、カンピロバクターなどの細菌やウイルスによる感染症が先行して起こることが知られています。これらの感染によって免疫システムが活性化され、自身の末梢神経を攻撃してしまう自己免疫反応が誘発されると考えられています。
選択肢4:下肢から上行する左右対称性の弛緩性運動麻痺がみられる。[正しい]
GBSでは、両側の下肢から始まり、徐々に上半身に広がる、左右対称性の弛緩性運動麻痺が特徴的です。筋力低下は数日から数週間かけて進行し、呼吸筋麻痺をきたすこともあります。
■解説2|
GBSは、自己免疫機序によって末梢神経が障害される自己免疫疾患の一つです。GBSの診断は、臨床症状、髄液検査、電気生理学的検査などを総合的に判断して行われます。
GBSの治療法は、症状の程度や進行度に応じて異なりますが、血漿交換療法や免疫グロブリン大量静注療法などの免疫療法が有効とされています。


■結論|
正しい選択肢は、1と4です。


■補足|
選択肢2:主に中枢神経の軸索や髄鞘が障害される。[誤り]
GBSは、末梢神経、特に運動神経の軸索が障害される疾患です。中枢神経(脳や脊髄)は侵されません。
選択肢3:原因病原体として最も多いのは真菌である。[誤り]
GBSの原因として最も多いのは、カンピロバクターなどの細菌やウイルス感染です。真菌感染が原因となることは稀です。
選択肢5:副腎皮質ステロイド薬の単独療法により寛解が得られる。[誤り]
GBSに対しては、副腎皮質ステロイド薬の単独療法は効果が乏しく、むしろ症状を悪化させる可能性も指摘されています。


病態|問 107-185


■■GPT4o
■論点|ギラン・バレー症候群の病態とその特徴
この問題の論点は、ギラン・バレー症候群(GBS)の病態とその臨床的特徴を正確に特定することです。


■解説1|
上気道感染症や消化器感染症の後に発症することが多い。(選択肢1) [正しい]
ギラン・バレー症候群は、カンピロバクター・ジェジュニ感染やエプスタイン・バール・ウイルス感染など、上気道や消化器の感染症に続いて発症することが多いです。
感染症に対する免疫反応が誤って末梢神経を攻撃することで発症します。
下肢から上行する左右対称性の弛緩性運動麻痺がみられる。(選択肢4) [正しい]
ギラン・バレー症候群では、通常、下肢から始まり、上行性に進行する左右対称性の弛緩性運動麻痺が特徴です。
これは、末梢神経の炎症と脱髄によるもので、重症の場合は呼吸筋麻痺を引き起こすこともあります。
■解説2|
上気道感染症や消化器感染症の後に発症することが多い。(選択肢1)
GBSは一般的に急性感染症の後に自己免疫反応として発症します。これは感染後数週間以内に症状が現れることが多いです。
免疫系が感染症に対抗する過程で、自己免疫反応が誤って末梢神経のミエリンを攻撃します。
下肢から上行する左右対称性の弛緩性運動麻痺がみられる。(選択肢4)
GBSの初期症状として、両足の筋力低下やしびれ感が現れ、徐々に体幹や上肢、さらには顔面や呼吸筋にまで広がります。
弛緩性運動麻痺とは、筋肉の緊張が低下し、自発的な筋力が著しく低下する状態を指します。


■結論|
正しい選択肢は、1と4です。


■補足|
主に中枢神経の軸索や髄鞘が障害される。(選択肢2) [誤り]
GBSは主に末梢神経系が影響を受け、中枢神経系は直接の対象ではありません。
原因病原体として最も多いのは真菌である。(選択肢3) [誤り]
GBSの主な原因病原体は細菌(特にカンピロバクター・ジェジュニ)やウイルスであり、真菌は一般的な原因ではありません。
副腎皮質ステロイド薬の単独療法により寛解が得られる。(選択肢5) [誤り]
GBSの治療には、免疫グロブリン療法(IVIG)や血漿交換が有効とされています。ステロイドは有効性が証明されていません。


病態|問 108-185 ■正答| 3
冠攣縮性狭心症の病態と治療に関する記述として、正しいのはどれか。1つ選べ。
■選択肢

  1. 心筋の壊死をきたす。

  2. 発作は1時間以上持続する。

  3. 発作は夜間や早朝に生じることが多い。

  4. 非発作時でも、心電図異常を認める。

  5. 発作予防には、アドレナリンβ受容体遮断薬が有効である。


冠攣縮性狭心症


病態|問 108-185


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|冠攣縮性狭心症の特徴と治療
この問題の論点は、冠攣縮性狭心症の発作の特徴、および治療薬に関する理解を問うものです。


■解説1|
冠攣縮性狭心症は、冠動脈の攣縮によって一過性に心筋虚血が生じ、胸痛などの狭心症発作をきたす疾患です。
選択肢3:発作は夜間や早朝に生じることが多い。[正しい]
冠攣縮性狭心症の発作は、夜間から早朝にかけて多くみられます。これは、睡眠時には副交感神経が優位になり、血管収縮作用のある交感神経の働きが抑制されるため、相対的に血管収縮物質の影響を受けやすくなると考えられています。
■解説2|
冠攣縮性狭心症の主な症状は、労作時ではなく安静時に起こる胸痛発作です。発作は、数分から数十分程度で自然軽快することが多いですが、反復することがあります。
冠攣縮性狭心症の治療は、発作の予防と発作時の対処療法に分けられます。発作予防には、血管拡張作用のあるカルシウム拮抗薬や硝酸薬が用いられます。


■結論|
正しい選択肢は、3です。


■補足|
選択肢1:心筋の壊死をきたす。[誤り]
冠攣縮性狭心症は、冠動脈の一過性の攣縮による心筋虚血をきたしますが、通常は心筋壊死(心筋梗塞)には至りません。
選択肢2:発作は1時間以上持続する。[誤り]
冠攣縮性狭心症の発作は、通常は数分から数十分程度で自然軽快します。
選択肢4:非発作時でも、心電図異常を認める。[誤り]
冠攣縮性狭心症では、発作時以外は心電図異常を認めないことが多いです。発作時には、心筋虚血に伴うST segment の変化などがみられます。
選択肢5:発作予防には、アドレナリンβ受容体遮断薬が有効である。[誤り]
アドレナリンβ受容体遮断薬は、交感神経の働きを抑制することで心拍数や心筋収縮力を抑え、心筋の酸素需要を減らす薬剤です。冠攣縮性狭心症の発作予防には、血管拡張作用のあるカルシウム拮抗薬や硝酸薬が有効です。


病態|問 108-185


■■GPT4o
■論点|冠攣縮性狭心症の病態と発作の特徴
この問題の論点は、冠攣縮性狭心症(プリンツメタル狭心症)の病態と発作の特徴を正確に特定することです。


■解説1|
発作は夜間や早朝に生じることが多い。(選択肢3) [正しい]
冠攣縮性狭心症は、冠動脈の一過性の痙攣によって引き起こされる狭心症です。発作は通常、安静時に生じ、特に夜間や早朝に多く見られます。
夜間や早朝に発作が生じる理由としては、交感神経と副交感神経のバランスが崩れることが関与しています。
■解説2|
発作は夜間や早朝に生じることが多い。(選択肢3)
発作は冠動脈の一過性の収縮によって引き起こされ、通常、5~15分程度続きますが、発作の頻度や時間帯は患者により異なります。
夜間や早朝の発作は、交感神経の活動が低下し、副交感神経が優位になる時間帯に多いとされています。この時間帯に冠動脈が攣縮しやすくなるためです。


■結論|
正しい選択肢は、3です。


■補足|
心筋の壊死をきたす。(選択肢1) [誤り]
冠攣縮性狭心症は一過性の冠動脈攣縮によるものであり、持続的な狭窄や閉塞が起きない限り心筋の壊死には至りません。
発作は1時間以上持続する。(選択肢2) [誤り]
発作は通常数分から15分程度で収まり、1時間以上続くことは稀です。
非発作時でも、心電図異常を認める。(選択肢4) [誤り]
冠攣縮性狭心症は発作時に一過性の心電図異常を示しますが、非発作時には通常心電図は正常です。
発作予防には、アドレナリンβ受容体遮断薬が有効である。(選択肢5) [誤り]
アドレナリンβ受容体遮断薬は冠攣縮性狭心症の発作を悪化させることがあり、予防にはカルシウム拮抗薬や硝酸薬が用いられます。


病態|問 109-185 ■正答| 1 4
薬剤服用後に発症する偽膜性大腸炎に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 主な原因医薬品として、抗菌薬がある。

  2. 緑膿菌感染による大腸炎である場合が多い。

  3. 便秘が持続し、腸閉塞に至ることが多い。

  4. 治療薬として、メトロニダゾールやバンコマイシン塩酸塩が使用される。

  5. 難治性の場合は、インフリキシマブが用いられる。


偽膜性大腸炎


病態|問 109-185


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|偽膜性大腸炎の原因、特徴、治療
この問題の論点は、偽膜性大腸炎を引き起こす主な原因、特徴的な症状、一般的な治療法に関する知識を問うものです。


■解説1|
偽膜性大腸炎は、抗菌薬の使用により腸内細菌叢のバランスが崩れ、クロストリディオイデス・ディフィシル(Clostridioides difficile)という細菌が異常増殖することで発症する腸炎です。
選択肢1:主な原因医薬品として、抗菌薬がある。[正しい]
抗菌薬の使用は、腸内細菌叢のバランスを崩し、C. difficile の異常増殖を招くため、偽膜性大腸炎の主な原因となります。特に、広域スペクトル抗菌薬や長期投与によりリスクが高まります。
選択肢4:治療薬として、メトロニダゾールやバンコマイシン塩酸塩が使用される。[正しい]
C. difficile に有効な抗菌薬であるメトロニダゾールやバンコマイシン塩酸塩は、偽膜性大腸炎の治療薬として使用されます。これらの薬剤は、C. difficile の増殖を抑え、腸内細菌叢のバランスを整えることで、炎症を鎮静化させます。
■解説2|
偽膜性大腸炎は、抗菌薬の使用後、数日から数週間以内に発症することが多く、下痢、腹痛、発熱などの症状がみられます。重症化すると、脱水症状や腸穿孔などをきたすこともあります。
偽膜性大腸炎の診断は、便中の C. difficile トキシンを検出することで確定診断されます。


■結論|
正しい選択肢は、1と4です。


■補足|
選択肢2:緑膿菌感染による大腸炎である場合が多い。[誤り]
偽膜性大腸炎は、C. difficile の感染によって引き起こされる腸炎です。緑膿菌は、院内感染の原因菌として知られていますが、偽膜性大腸炎の主要な原因菌ではありません。
選択肢3:便秘が持続し、腸閉塞に至ることが多い。[誤り]
偽膜性大腸炎の主な症状は、むしろ下痢です。C. difficile が産生するトキシンが腸粘膜に炎症を引き起こし、水様性の下痢をきたします。
選択肢5:難治性の場合は、インフリキシマブが用いられる。[誤り]
インフリキシマブは、TNF-α阻害薬という種類の生物製剤で、関節リウマチやクローン病などの炎症性疾患の治療に用いられます。偽膜性大腸炎の治療には、C. difficile に有効な抗菌薬が第一選択となります。


病態|問 109-185


■■GPT4o
■論点|偽膜性大腸炎の原因と治療
この問題の論点は、偽膜性大腸炎の原因と治療に関する記述の正確さを特定することです。


■解説1|
主な原因医薬品として、抗菌薬がある。(選択肢1) [正しい]
偽膜性大腸炎は、抗菌薬の使用により腸内細菌のバランスが崩れ、クロストリジウム・ディフィシル(C. difficile)の過剰増殖が原因で発症します。
特にクリンダマイシン、フルオロキノロン系、ペニシリン系などの抗菌薬が関与することが多いです。
治療薬として、メトロニダゾールやバンコマイシン塩酸塩が使用される。(選択肢4) [正しい]
偽膜性大腸炎の治療には、C. difficileに有効な抗菌薬であるメトロニダゾールやバンコマイシンが使用されます。
メトロニダゾールは軽症から中等症の患者に、バンコマイシンは重症患者やメトロニダゾールが無効な場合に使用されます。
■解説2|
主な原因医薬品として、抗菌薬がある。(選択肢1)
抗菌薬による腸内フローラの乱れが、C. difficileの過剰増殖を引き起こし、毒素を産生します。この毒素が腸粘膜を傷害し、偽膜性大腸炎を引き起こします。
一部の抗菌薬は腸内の善玉菌を抑制することで悪玉菌が優勢になり、これがC. difficile感染の発症につながります。
治療薬として、メトロニダゾールやバンコマイシン塩酸塩が使用される。(選択肢4)
メトロニダゾールは、嫌気性菌に対して高い効果を示し、経口または静脈内投与されます。
バンコマイシンは、経口投与で腸内に留まり、C. difficileに対して直接効果を発揮します。これは、経口バンコマイシンが全身循環に入らず、腸内に高濃度で存在するためです。


■結論|
正しい選択肢は、1と4です。


■補足|
緑膿菌感染による大腸炎である場合が多い。(選択肢2) [誤り]
偽膜性大腸炎の主な原因はC. difficileであり、緑膿菌は通常関与しません。
便秘が持続し、腸閉塞に至ることが多い。(選択肢3) [誤り]
偽膜性大腸炎では、下痢が主症状であり、便秘や腸閉塞は一般的な症状ではありません。
難治性の場合は、インフリキシマブが用いられる。(選択肢5) [誤り]
インフリキシマブはクローン病や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患に用いられますが、偽膜性大腸炎には通常使用されません。


病態|問 106-186 ■正答| 4
75歳男性。2ヶ月前より顔面蒼白を家族に指摘されていた。最近、手足のしびれと味覚異常を自覚し、倦怠感が増大したため受診した。既往歴として15年前に胃の全摘術を受けている。血液検査所見: 赤血球数 240×10^4/μL、Hb 8.1g/dL、Ht 27.0%、MCV 113fL、MCH 34pg、白血球数 4,200/μL、血小板数 18.5×10^4/μLこの患者の治療に適している薬剤はどれか。1つ選べ。
■選択肢

  1. 10%ブドウ糖注射剤

  2. 含糖酸化鉄注射剤

  3. デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム注射剤

  4. メコバラミン注射剤

  5. メトトレキサート注射剤|


巨赤芽球性貧血


病態|問 106-186


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|巨赤芽球性貧血の原因と治療
この問題の論点は、患者の症状、病歴、血液検査所見から、巨赤芽球性貧血を疑い、適切な治療薬を選択できるかを問うものです。


■解説1|
患者は、顔面蒼白、手足のしびれ、味覚異常、倦怠感などの症状を呈しており、15年前に胃の全摘術を受けていることから、ビタミンB12欠乏による巨赤芽球性貧血が疑われます。
選択肢4:メコバラミン注射剤 [正しい]
メコバラミンは、ビタミンB12製剤であり、ビタミンB12欠乏による巨赤芽球性貧血の治療に有効です。胃全摘術後では、ビタミンB12の吸収に必要な内因子を産生する胃粘膜が失われるため、ビタミンB12欠乏が生じやすくなります。
■解説2|
血液検査所見では、赤血球数、Hb、Htの低下がみられ、貧血の状態です。MCVが113fLと増大していることから、巨赤芽球性貧血が強く示唆されます。
ビタミンB12は、DNA合成に重要な役割を果たしており、欠乏すると赤血球の産生が阻害され、貧血を引き起こします。また、神経系の機能にも関与しているため、欠乏すると神経障害を引き起こすことがあります。


■結論|
正しい選択肢は、4です。


■補足|
選択肢1:10%ブドウ糖注射剤 [誤り]
10%ブドウ糖注射剤は、低血糖時の治療薬であり、貧血の治療には用いられません。
選択肢2:含糖酸化鉄注射剤 [誤り]
含糖酸化鉄注射剤は、鉄欠乏性貧血の治療薬であり、ビタミンB12欠乏による貧血には効果がありません。
選択肢3:デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム注射剤 [誤り]
デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム注射剤は、ステロイド薬であり、自己免疫疾患やアレルギー疾患の治療に用いられます。貧血の治療には用いられません。
選択肢5:メトトレキサート注射剤 [誤り]
メトトレキサート注射剤は、抗リウマチ薬であり、葉酸代謝拮抗作用を持ちます。葉酸欠乏による巨赤芽球性貧血を悪化させる可能性があります。


病態|問 106-186


■■GPT4o
■論点|巨赤芽球性貧血の診断と治療
この問題の論点は、巨赤芽球性貧血の診断および適切な治療薬を特定することです。


■解説1|
メコバラミン注射剤 (選択肢4) [正しい]
巨赤芽球性貧血は、ビタミンB12または葉酸の欠乏により、赤血球の生成が異常になり、大型の赤血球(巨赤芽球)が増えることで発生します。
この患者は胃の全摘術を受けており、内因子が欠乏しているため、ビタミンB12の吸収が阻害されています。これにより、ビタミンB12欠乏症が生じ、巨赤芽球性貧血を引き起こします。
メコバラミンはビタミンB12の一種であり、巨赤芽球性貧血の治療に使用されます。
■解説2|
メコバラミン注射剤
ビタミンB12は赤血球の正常な形成に必要不可欠です。欠乏するとDNA合成が障害され、正常な赤血球の生成が妨げられます。
巨赤芽球性貧血の患者では、赤血球が通常よりも大きく(MCV: 平均赤血球容積が113fLと高値)、また血色素量(Hb: 8.1g/dL)が低下しています。これらはビタミンB12欠乏の典型的な所見です。
手足のしびれや味覚異常は、ビタミンB12欠乏による神経障害の症状です。


■結論|
正しい選択肢は、4です。


■補足|
10%ブドウ糖注射剤 (選択肢1) [誤り]
ブドウ糖はエネルギー源として使用されますが、貧血の治療には効果がありません。
含糖酸化鉄注射剤 (選択肢2) [誤り]
含糖酸化鉄は鉄欠乏性貧血の治療に使用されますが、この患者の貧血はビタミンB12欠乏によるものです。
デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム注射剤 (選択肢3) [誤り]
デキサメタゾンはステロイドであり、炎症やアレルギー反応の抑制に使用されますが、巨赤芽球性貧血の治療には適していません。
メトトレキサート注射剤 (選択肢5) [誤り]
メトトレキサートは抗がん剤および免疫抑制剤として使用され、葉酸代謝を阻害するため、貧血を悪化させる可能性があります。


病態|問 107-186 ■正答| 2 3
貧血の病態に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 鉄欠乏性貧血では、血清フェリチン値が上昇する。

  2. 巨赤芽球性貧血は、ビタミンB12や葉酸の欠乏により起こる。

  3. 再生不良性貧血では、汎血球減少がみられる。

  4. 自己免疫性溶血性貧血は、大球性貧血に分類される。

  5. 腎性貧血では、エリスロポエチンの産生が亢進している。


貧血の病態


病態|問 107-186


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|様々な貧血の病態生理
この問題は、様々な種類の貧血における病態生理の特徴に関する理解を問うものです。


■解説1|
貧血は、赤血球数やヘモグロビン濃度の低下を特徴とする状態です。様々な原因で起こり、それぞれ特徴的な病態生理を示します。
選択肢2:巨赤芽球性貧血は、ビタミンB12や葉酸の欠乏により起こる。[正しい]
ビタミンB12や葉酸は、DNA合成に必須の栄養素です。これらの欠乏により、赤血球の細胞分裂と成熟が阻害され、未成熟な大型の赤血球(巨赤芽球)が出現する巨赤芽球性貧血が生じます。
選択肢3:再生不良性貧血では、汎血球減少がみられる。[正しい]
再生不良性貧血は、骨髄における造血幹細胞の障害により、赤血球、白血球、血小板が全て減少する汎血球減少を特徴とする貧血です。
■解説2|
貧血の検査では、赤血球の大きさ(MCV), 形態、ヘモグロビン量などを調べることで、原因物質の特定や治療方針決定のヒントを得られます。


■結論|
正しい選択肢は、2と3です。


■補足|
選択肢1:鉄欠乏性貧血では、血清フェリチン値が上昇する。[誤り]
鉄欠乏性貧血では、体内の貯蔵鉄が枯渇するため、血清フェリチン値は低下します。
選択肢4:自己免疫性溶血性貧血は、大球性貧血に分類される。[誤り]
自己免疫性溶血性貧血は、赤血球が自己免疫によって破壊される貧血で、赤血球の大きさは正常かやや小さいことが多く、正球性貧血に分類されます。
選択肢5:腎性貧血では、エリスロポエチンの産生が亢進している。[誤り]
腎性貧血は、慢性腎臓病に伴ってエリスロポエチンの産生が低下することで起こる貧血です。エリスロポエチンは、腎臓から分泌されるホルモンで、骨髄における赤血球産生を促進する働きがあります。


病態|問 107-186


■■GPT4o
■論点|各種貧血の病態と特徴
この問題の論点は、各種貧血の病態およびそれらの特徴を正確に理解することです。


■解説1|
巨赤芽球性貧血は、ビタミンB12や葉酸の欠乏により起こる。(選択肢2) [正しい]
巨赤芽球性貧血は、ビタミンB12や葉酸が不足することで、DNA合成が障害され、巨赤芽球と呼ばれる異常に大きな赤血球が生成されます。
再生不良性貧血では、汎血球減少がみられる。(選択肢3) [正しい]
再生不良性貧血は、骨髄の造血幹細胞の機能不全により、赤血球、白血球、血小板のすべての血球が減少する汎血球減少が特徴です。
■解説2|
巨赤芽球性貧血
巨赤芽球性貧血は、ビタミンB12や葉酸が欠乏することで、正常な赤血球の生成が障害されることによって生じます。
これらの栄養素はDNA合成に必須であり、欠乏すると細胞分裂が遅れ、異常に大きな赤血球が生成されます。
再生不良性貧血
再生不良性貧血は、骨髄の造血幹細胞の機能不全により、赤血球、白血球、血小板の生成が著しく減少するため、汎血球減少が見られます。
感染や出血に対する抵抗力の低下、貧血による疲労感などが症状として現れます。


■結論|
正しい選択肢は、2と3です。


■補足|
鉄欠乏性貧血では、血清フェリチン値が上昇する。(選択肢1) [誤り]
鉄欠乏性貧血では、血清フェリチン値は通常低下します。フェリチンは体内の鉄の貯蔵量を反映する指標であり、鉄が欠乏すると減少します。
自己免疫性溶血性貧血は、大球性貧血に分類される。(選択肢4) [誤り]
自己免疫性溶血性貧血は、赤血球が自己抗体によって破壊されることによる貧血であり、通常は正球性貧血に分類されます。
腎性貧血では、エリスロポエチンの産生が亢進している。(選択肢5) [誤り]
腎性貧血は、慢性腎疾患によりエリスロポエチンの産生が低下することが原因です。エリスロポエチンは腎臓で生成され、赤血球の生成を促進するホルモンです。


病態|問 108-186 ■正答| 1
37歳女性。高血圧症があり、処方1の薬剤を服用していた。今回、来局したときに、「この度、結婚することになり、できれば子供も欲しいと思うようになった」と話していた。対応したかかりつけ薬剤師は、処方期間中に妊娠する可能性を考え、処方医へ薬剤変更を提案することにした。最も適切な薬物はどれか。1つ選べ。(処方1)テルミサルタン錠40mg 1回1錠(1日1錠)1日1回朝食後 90日分
■選択肢

  1. メチルドパ水和物

  2. ドキサゾシンメシル酸塩

  3. スピロノラクトン

  4. エトレチナート

  5. ヒドロクロロチアジド


妊娠の可能性がある場合の高血圧治療薬


病態|問 108-186


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|妊娠中の高血圧治療薬の選択
この問題の論点は、妊娠の可能性がある女性に対する高血圧治療薬の選択について、催奇形性のリスクを考慮し、適切な薬剤を選択できるかを問うものです。


■解説1|
テルミサルタンは、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)であり、妊娠中に服用すると胎児に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、妊娠中期以降の服用は、胎児の腎機能障害や発育遅延のリスクを高めることが知られています。
選択肢1:メチルドパ水和物 [正しい]
メチルドパは、中枢性α2受容体刺激薬であり、長年妊娠高血圧症の治療薬として使用されており、比較的安全性が高いとされています。催奇形性も報告されておらず、妊娠中の高血圧治療薬として第一選択に挙げられます。
■解説2|
妊娠中の高血圧治療薬の選択においては、母体への有効性と安全性の観点に加えて、胎児への影響も考慮することが重要です。ARBを含むレニン・アンジオテンシン系阻害薬は、胎児の腎機能や発育に悪影響を及ぼす可能性が指摘されており、妊娠中の使用は禁忌とされています。


■結論|
正しい選択肢は、1です。


■補足|
選択肢2:ドキサゾシンメシル酸塩 [誤り]
ドキサゾシンは、α1受容体遮断薬であり、妊娠中の投与は胎児への安全性に関する十分なデータがありません。
選択肢3:スピロノラクトン [誤り]
スピロノラクトンは、アルドステロン受容体拮抗薬であり、抗アンドロゲン作用を持つため、妊娠中の使用は禁忌です。
選択肢4:エトレチナート [誤り]
エトレチナートは、ビタミンA誘導体であり、催奇形性を有するため、妊娠中の使用は禁忌です。
選択肢5:ヒドロクロロチアジド [誤り]
ヒドロクロロチアジドは、チアジド系利尿薬であり、長期間の使用で胎児への影響が懸念されます。特に、妊娠後期に使用すると、胎児における血小板減少症や新生児における低血糖などを引き起こす可能性が報告されています。


病態|問 108-186


■■GPT4o
■論点|妊娠可能性のある女性への高血圧治療薬の選択
この問題の論点は、妊娠可能性のある女性に対して安全かつ適切な高血圧治療薬を選択することです。


■解説1|
メチルドパ水和物 (選択肢1) [正しい]
メチルドパは、妊娠中の高血圧治療に安全とされる薬剤の一つです。妊娠中の使用に関する安全性が確立されており、胎児に対する有害影響のリスクが低いとされています。
テルミサルタン(処方1の薬剤)はアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)であり、妊娠中の使用は胎児に対して危険があるため避けるべきです。
■解説2|
メチルドパ水和物
メチルドパは中枢神経系に作用し、ノルアドレナリンの生成を抑制することで血圧を低下させます。
妊娠中の高血圧治療薬としての長年の使用経験があり、母体および胎児に対する安全性が確認されています。
他の選択肢の薬剤(例:スピロノラクトン、エトレチナート、ヒドロクロロチアジド)は妊娠中に使用することが推奨されていないか、潜在的なリスクが高いです。


■結論|
正しい選択肢は、1です。


■補足|
ドキサゾシンメシル酸塩 (選択肢2) [誤り]
ドキサゾシンはα1遮断薬であり、高血圧治療に使用されますが、妊娠中の使用に関するデータが限定されているため、第一選択薬としては推奨されません。
スピロノラクトン (選択肢3) [誤り]
スピロノラクトンは抗アルドステロン薬で、妊娠中の使用は胎児に対するリスクがあるため避けるべきです。
エトレチナート (選択肢4) [誤り]
エトレチナートはレチノイド薬であり、催奇形性があるため、妊娠中および妊娠予定の女性には絶対に使用してはいけません。
ヒドロクロロチアジド (選択肢5) [誤り]
ヒドロクロロチアジドは利尿薬であり、妊娠中の使用は胎児への影響が不明確であるため、慎重に使用する必要があります。


病態|問 109-186 ■正答| 3 4
骨粗しょう症に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 閉経後は、骨吸収の相対的な低下により、骨量の減少をきたす。

  2. 典型的なX線所見として、頭蓋骨の打ち抜き像がある。

  3. 骨代謝マーカーは、骨折リスクの予測に有用である。

  4. 閉経後骨粗しょう症の治療には、エストロゲンの補充療法を行う。

  5. 選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)は、乳腺や子宮内膜に対してエストロゲン様作用を示す。


骨粗鬆症


病態|問 109-186


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|骨粗鬆症の病態生理、診断、治療
この問題は、骨粗鬆症の病態、検査、治療法に関する正しい知識を問うものです。


■解説1|
骨粗鬆症は、骨密度が減少し、骨の微細構造が破壊されることで骨が脆くなり、骨折しやすくなる疾患です。
選択肢3:骨代謝マーカーは、骨折リスクの予測に有用である。[正しい]
骨代謝マーカーは、骨の形成と吸収の状態を反映する血液検査や尿検査の項目です。骨代謝マーカーを測定することで、骨代謝回転の状態を把握することができ、骨粗鬆症の診断や治療効果の判定、骨折リスクの予測に有用です。
選択肢4:閉経後骨粗しょう症の治療には、エストロゲンの補充療法を行う。[正しい]
エストロゲンは、骨吸収を抑制する効果があるため、閉経後骨粗鬆症の治療に用いられます。しかし、エストロゲン補充療法は、乳がんや子宮体がんのリスクを高める可能性があるため、慎重に適応を検討する必要があります。
■解説2|
骨粗鬆症は、加齢、女性ホルモンの減少、遺伝的要因、生活習慣、基礎疾患などが複合的に関与して発症すると考えられています。


■結論|
正しい選択肢は、3と4です。


■補足|
選択肢1:閉経後は、骨吸収の相対的な低下により、骨量の減少をきたす。[誤り]
閉経後は、エストロゲン分泌が低下することで、骨吸収が亢進し、骨量が減少します。
選択肢2:典型的なX線所見として、頭蓋骨の打ち抜き像がある。[誤り]
頭蓋骨の打ち抜き像は、多発性骨髄腫でみられる所見です。骨粗鬆症では、X線検査で骨密度低下がみられますが、特徴的な所見ではありません。
選択肢5:選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)は、乳腺や子宮内膜に対してエストロゲン様作用を示す。[誤り]
SERMは、組織選択的にエストロゲン様作用を示す薬剤であり、骨に対してはエストロゲン様作用を示しますが、乳腺や子宮内膜に対しては抗エストロゲン作用を示します。


病態|問 109-186


■■GPT4o
■論点|骨粗しょう症の病態と治療
この問題の論点は、骨粗しょう症の病態およびその治療に関する正確な理解です。


■解説1|
骨代謝マーカーは、骨折リスクの予測に有用である。(選択肢3) [正しい]
骨代謝マーカーは、骨形成や骨吸収の状態を反映する指標であり、骨折リスクの評価や治療効果のモニタリングに使用されます。
閉経後骨粗しょう症の治療には、エストロゲンの補充療法を行う。(選択肢4) [正しい]
エストロゲンの補充療法は、閉経後の骨密度低下を防ぐために有効です。エストロゲンは骨吸収を抑制し、骨密度の維持に寄与します。
■解説2|
骨代謝マーカー
骨代謝マーカーには、骨形成マーカー(例えばアルカリホスファターゼ)および骨吸収マーカー(例えばカルシウム尿)が含まれます。
これらのマーカーは、骨代謝の変化を早期に検出し、骨折リスクを予測するのに役立ちます。
エストロゲン補充療法
閉経後、エストロゲンの減少により骨吸収が亢進し、骨密度が低下します。
エストロゲン補充療法は、骨吸収を抑制し、骨量の減少を防ぐ効果があります。ただし、乳がんや血栓症のリスクも考慮する必要があります。


■結論|
正しい選択肢は、3と4です。


■補足|
閉経後は、骨吸収の相対的な低下により、骨量の減少をきたす。(選択肢1) [誤り]
閉経後はエストロゲンの減少により骨吸収が亢進し、結果として骨量が減少します。
典型的なX線所見として、頭蓋骨の打ち抜き像がある。(選択肢2) [誤り]
頭蓋骨の打ち抜き像は多発性骨髄腫の特徴的な所見であり、骨粗しょう症には見られません。
選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)は、乳腺や子宮内膜に対してエストロゲン様作用を示す。(選択肢5) [誤り]
SERM(例えばラロキシフェン)は骨に対してエストロゲン様作用を示しますが、乳腺や子宮内膜に対してはむしろエストロゲン拮抗作用を示します。


病態|問 106-187 ■正答| 1 2
慢性腎臓病の病態と治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 腎機能障害又は腎機能低下が3ヶ月以上持続する状態である。

  2. 合併症として貧血がある。

  3. 低張尿となる。

  4. 尿毒症の症状改善にラクツロースを内服する。

  5. 尿毒症状の発症を抑制するために、タンパク質を積極的に摂取させる。


慢性腎臓病


病態|問 106-187


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|慢性腎臓病の定義、症状、治療
この問題は、慢性腎臓病の定義、一般的な症状、および治療方針に関する正しい理解を問うものです。


■解説1|
慢性腎臓病(CKD)は、腎臓の働きが慢性的に低下した状態を指します。
選択肢1:腎機能障害又は腎機能低下が3ヶ月以上持続する状態である。[正しい]
CKDは、腎臓の損傷またはGFRの低下が3ヶ月以上持続する状態と定義されます。
選択肢2:合併症として貧血がある。[正しい]
CKDが進行すると、腎臓でエリスロポエチンというホルモンの産生が低下し、赤血球の産生が減少するため、貧血が生じます。
■解説2|
CKDは、初期段階では自覚症状に乏しいですが、進行すると様々な症状が現れます。CKDの治療は、原因となる疾患の治療、食事療法、薬物療法などを組み合わせ、腎機能の悪化抑制、合併症の予防・治療を目的とします。


■結論|
正しい選択肢は、1と2です。


■補足|
選択肢3:低張尿となる。[誤り]
CKDでは、腎臓の濃縮機能が低下するため、等張尿または高張尿となる傾向があります。
選択肢4:尿毒症の症状改善にラクツロースを内服する。[誤り]
ラクツロースは、腸内のアンモニア産生を抑え、高アンモニア血症を改善する薬剤です。CKDに伴う消化管内のアンモニア産生抑制には使用されますが、尿毒症の症状改善を直接目的とするものではありません。
選択肢5:尿毒症状の発症を抑制するために、タンパク質を積極的に摂取させる。[誤り]
CKDでは、タンパク質の摂取を制限することで、腎臓への負担を軽減し、尿毒症の発症を遅らせるようにします。


病態|問 106-187


■■GPT4o
■論点|慢性腎臓病の病態と治療
この問題の論点は、慢性腎臓病の診断基準および合併症に関する正確な理解です。


■解説1|
腎機能障害又は腎機能低下が3ヶ月以上持続する状態である。(選択肢1) [正しい]
慢性腎臓病 (CKD) の定義には、腎機能障害または腎機能低下が3ヶ月以上持続することが含まれます。これはGFR(糸球体濾過率)の低下や尿検査の異常(蛋白尿や血尿)を伴う状態です。
合併症として貧血がある。(選択肢2) [正しい]
CKDでは、エリスロポエチンの産生低下により貧血が一般的な合併症として認められます。腎臓はエリスロポエチンを産生する主要な臓器であり、その機能が低下することで貧血が引き起こされます。
■解説2|
腎機能障害の診断基準
CKDの診断は、GFRの持続的な低下(<60 mL/min/1.73m^2)やアルブミン尿の持続的存在によって行われます。この状態が3ヶ月以上続くことが必要です。
貧血のメカニズム
腎臓はエリスロポエチンを分泌し、赤血球の生成を促進します。CKDではこのホルモンの分泌が低下し、結果として貧血が発生します。治療にはエリスロポエチン製剤が使用されることがあります。


■結論|
正しい選択肢は、1と2です。


■補足|
低張尿となる。(選択肢3) [誤り]
CKDでは、腎臓の濃縮機能が低下し、等張尿や高張尿になることが多いです。
尿毒症の症状改善にラクツロースを内服する。(選択肢4) [誤り]
ラクツロースは主に肝性脳症の治療に使用されますが、尿毒症の治療には使用されません。尿毒症の治療には透析や腎移植が必要です。
尿毒症状の発症を抑制するために、タンパク質を積極的に摂取させる。(選択肢5) [誤り]
CKDの治療では、タンパク質の摂取を制限することが推奨されます。過剰なタンパク質摂取は腎臓に負担をかけ、病態を悪化させる可能性があります。


病態|問 107-187 ■正答| 3 4
ネフローゼ症候群で必ずみられるのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 体重減少

  2. 血尿

  3. タンパク尿

  4. 低アルブミン血症

  5. 低コレステロール血症


ネフローゼ症候群


病態|問 107-187


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|ネフローゼ症候群の主要な症状
この問題は、ネフローゼ症候群の定義と、必ずみられる主要な症状に関する理解を問うものです。


■解説1|
ネフローゼ症候群は、尿タンパクが高度に増加し、低アルブミン血症などの症状を呈する病態です。
選択肢3:タンパク尿 [正しい]
ネフローゼ症候群では、糸球体基底膜の透過性が亢進し、大量のタンパク質が尿中に漏出するため、著明なタンパク尿がみられます。
選択肢4:低アルブミン血症 [正しい]
大量のアルブミンが尿中に漏出することで、血中のアルブミン濃度が低下し、低アルブミン血症をきたします。
■解説2|
ネフローゼ症候群は、糸球体腎炎など様々な腎疾患に伴って発症します。


■結論|
正しい選択肢は、3と4です。


■補足|
選択肢1:体重減少 [誤り]
ネフローゼ症候群では、むしろ浮腫による体重増加がみられます。
選択肢2:血尿 [誤り]
血尿は、糸球体腎炎などでみられることがありますが、ネフローゼ症候群に必ずみられるわけではありません。
選択肢5:低コレステロール血症 [誤り]
ネフローゼ症候群では、むしろ高コレステロール血症や高脂血症を伴うことが多いです。


病態|問 107-187


■■GPT4o
■論点|ネフローゼ症候群の診断基準
この問題の論点は、ネフローゼ症候群に必ず見られる症状や徴候を特定することです。


■解説1|
タンパク尿 (選択肢3) [正しい]
ネフローゼ症候群の診断には、3.5g/日以上のタンパク尿が必須です。これにより血液中のアルブミンが低下し、低アルブミン血症が引き起こされます。
低アルブミン血症 (選択肢4) [正しい]
タンパク尿により血清アルブミンが低下し、低アルブミン血症が発生します。これがネフローゼ症候群の主要な特徴の一つです。
■解説2|
タンパク尿のメカニズム
ネフローゼ症候群では、糸球体基底膜の透過性が異常に増加し、大量のタンパク質が尿中に漏出します。これがタンパク尿の原因です。
低アルブミン血症の影響
血清アルブミンの低下は、浮腫や血管内脱水を引き起こします。これにより、体液バランスが崩れ、腎機能にさらなる負担をかけることがあります。


■結論|
正しい選択肢は、3と4です。


■補足|
体重減少 (選択肢1) [誤り]
ネフローゼ症候群では体重増加(浮腫による)が一般的であり、体重減少は典型的ではありません。
血尿 (選択肢2) [誤り]
ネフローゼ症候群では血尿は必ずしも見られるわけではなく、見られる場合でも少量であることが多いです。
低コレステロール血症 (選択肢5) [誤り]
ネフローゼ症候群では、むしろ高コレステロール血症がしばしば見られます。肝臓がアルブミン合成を補うために脂質合成も増加させるからです。


病態|問 108-187 ■正答| 3
薬物動態に影響を与える因子のうち、高齢者において起きていると考えにくいのはどれか。1つ選べ。
■選択肢

  1. 体脂肪率の増加

  2. 血漿中のアルブミン濃度の低下

  3. 血漿中のa1-酸性糖タンパク濃度の低下

  4. 肝血流量の減少

  5. 糸球体ろ過量の減少


高齢者における薬物動態の変化


病態|問 108-187


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|高齢者における薬物動態の変化の特徴
この問題は、高齢者において薬物動態に影響を与える因子として、典型的に観察されない変化を理解しているかを問うものです。


■解説1|
高齢になると、身体組成、臓器機能、代謝などが変化し、薬物動態に影響を与えます。
選択肢3:血漿中のa1-酸性糖タンパク濃度の低下 [正しい]
a1-酸性糖タンパクは、急性相反応物質であり、炎症や感染症などが存在すると血漿中濃度が上昇します。高齢者では、慢性炎症などにより、むしろa1-酸性糖タンパク濃度は上昇する傾向があります。
■解説2|
高齢者では、体脂肪率の増加、肝血流量の減少、糸球体ろ過量の減少などにより、薬物の吸収、分布、代謝、排泄が変化し、薬効や副作用の発現リスクに影響を与えます。


■結論|
正しい選択肢は、3です。


■補足|
選択肢1:体脂肪率の増加 [誤り]
高齢者は、筋肉量が減少し、体脂肪率が増加する傾向があります。
選択肢2:血漿中のアルブミン濃度の低下 [誤り]
高齢者は、栄養状態の悪化や肝機能の低下などにより、血漿中のアルブミン濃度が低下する傾向があります。
選択肢4:肝血流量の減少 [誤り]
高齢者は、心機能の低下や動脈硬化などにより、肝血流量が減少する傾向があります。
選択肢5:糸球体ろ過量の減少 [誤り]
高齢者は、腎機能が低下するため、糸球体ろ過量が減少する傾向があります。


病態|問 108-187


■■GPT4o
■論点|高齢者の薬物動態に影響を与える因子
この問題の論点は、高齢者における薬物動態の変化に関連する因子を特定することです。


■解説1|
体脂肪率の増加 (選択肢1) [正しい]
高齢者では筋肉量の減少と相対的な体脂肪の増加が一般的に見られます。これは薬物の分布容積に影響を与えることがあります。
血漿中のアルブミン濃度の低下 (選択肢2) [正しい]
高齢者では栄養状態や慢性疾患の影響で血漿アルブミン濃度が低下することがあります。これにより薬物の結合と分布が影響を受けます。
肝血流量の減少 (選択肢4) [正しい]
高齢者では心拍出量の減少や動脈硬化などにより肝血流量が減少することがあります。これにより薬物の代謝速度が低下する可能性があります。
糸球体ろ過量の減少 (選択肢5) [正しい]
加齢に伴い腎機能が低下し、糸球体ろ過量も減少します。これにより腎排泄型薬物のクリアランスが低下することがあります。
■解説2|
血漿中のa1-酸性糖タンパク濃度の低下 (選択肢3) [誤り]
高齢者ではむしろa1-酸性糖タンパク濃度は増加することが一般的です。a1-酸性糖タンパクは主にアルカロイド薬や塩基性薬物の結合に関与しており、その濃度上昇は薬物の遊離型濃度に影響を与える可能性があります。


■結論|
正しい選択肢は、3です。


■補足|
高齢者では薬物動態が大きく変化するため、薬物の効果や副作用に対する感受性が異なります。特に肝臓や腎臓の機能低下、体組成の変化などが薬物の吸収、分布、代謝、排泄に影響を与えるため、適切な薬剤選択と投与量の調整が必要です。


病態|問 109-187 ■正答| 1 4
再生不良性貧血に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 血清鉄が増加する。

  2. 不飽和鉄結合能が増大する。

  3. 小球性低色素性貧血に分類される。

  4. エリスロポエチン産生が亢進する。

  5. 血小板数は変化しない。


再生不良性貧血


病態|問 109-187


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|再生不良性貧血の病態生理と検査所見
この問題は、再生不良性貧血で見られる特徴的な検査所見や病態生理を理解しているかを問うものです。


■解説1|
再生不良性貧血は、骨髄の造血幹細胞が障害され、赤血球、白血球、血小板が全て減少する疾患です。
選択肢1:血清鉄が増加する。[正しい]
再生不良性貧血では、赤血球産生が低下するため、鉄利用が減少し、血清鉄が増加します。
選択肢4:エリスロポエチン産生が亢進する。[正しい]
再生不良性貧血では、貧血を代償するために、腎臓からエリスロポエチンが過剰に分泌されますが、骨髄での造血が抑制されているため、貧血が改善しません。
■解説2|
再生不良性貧血は、自己免疫異常、薬剤、ウイルス感染、放射線など、様々な要因によって引き起こされると考えられています。


■結論|
正しい選択肢は、1と4です。


■補足|
選択肢2:不飽和鉄結合能が増大する。[誤り]
再生不良性貧血では、鉄利用が減少するため、不飽和鉄結合能は低下します。
選択肢3:小球性低色素性貧血に分類される。[誤り]
再生不良性貧血では、赤血球の大きさは正常であることが多い正球性貧血に分類されます。
選択肢5:血小板数は変化しない。[誤り]
再生不良性貧血では、血小板も減少するため、出血傾向がみられます。


病態|問 109-187


■■GPT4o
■論点|再生不良性貧血の病態
この問題の論点は、再生不良性貧血に関連する病態生理と診断基準を理解することです。


■解説1|
血清鉄が増加する (選択肢1) [正しい]
再生不良性貧血では骨髄の造血機能が低下し、鉄の利用が減少するため血清鉄が増加することがあります。
エリスロポエチン産生が亢進する (選択肢4) [正しい]
骨髄の造血機能が低下するため、体はそれを補うためにエリスロポエチンの産生を増加させます。しかし、骨髄の反応性が低いため効果的な赤血球生成には繋がりません。
■解説2|
不飽和鉄結合能が増大する (選択肢2) [誤り]
再生不良性貧血では鉄の供給が余剰になるため、不飽和鉄結合能 (UIBC) はむしろ減少することが一般的です。
小球性低色素性貧血に分類される (選択肢3) [誤り]
再生不良性貧血は骨髄での全血球生成が低下するため、汎血球減少症を呈し、通常は正球性正色素性貧血に分類されます。
血小板数は変化しない (選択肢5) [誤り]
再生不良性貧血では血小板数も減少することが一般的です。これは汎血球減少の一環として見られます。


■結論|
正しい選択肢は、1と4です。


■補足|
再生不良性貧血は、骨髄の造血幹細胞の機能不全により、赤血球、白血球、血小板の全てが減少する病態です。症状としては、貧血による倦怠感や動悸、感染症に対する易感染性、出血傾向などが挙げられます。治療には免疫抑制療法や骨髄移植が行われることがあります。


病態|問 106-188 ■正答| 1 5
高尿酸血症及び痛風の病態と治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 痛風発作は、関節内に析出した尿酸塩結晶が引き起こす急性関節炎発作である。

  2. 高尿酸血症の病型としては、尿酸産生過剰型が多い。

  3. 痛風発作時には、直ちにアロプリノールを用いる。

  4. 痛風間欠期には、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が用いられる。

  5. 尿路結石がある場合は、尿酸排泄促進薬を用いない。


高尿酸血症と痛風


病態|問 106-188


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|高尿酸血症と痛風の病態、治療選択
この問題は、高尿酸血症および痛風の原因、症状、治療法について、正しい知識を持っているかを問うものです。


■解説1|
高尿酸血症は、血液中の尿酸値が7.0 mg/dLを超えた状態を指します。痛風は、高尿酸血症を基盤に、尿酸塩結晶が関節内に析出することで発症する急性関節炎です。
選択肢1:痛風発作は、関節内に析出した尿酸塩結晶が引き起こす急性関節炎発作である。[正しい]
尿酸値が高い状態が続くと、尿酸塩結晶が関節などに析出し、炎症を引き起こします。これが痛風発作です。
選択肢5:尿路結石がある場合は、尿酸排泄促進薬を用いない。[正しい]
尿酸排泄促進薬は、尿中の尿酸量を増加させるため、尿路結石のリスクがある場合は使用を控えます。
■解説2|
痛風の治療は、発作時と発作間欠期で異なります。発作時には、コルヒチンやNSAIDsなどで炎症を抑え、疼痛を緩和します。発作間欠期には、尿酸値を下げる薬物療法(尿酸合成阻害薬、尿酸排泄促進薬など)を行います。


■結論|
正しい選択肢は、1と5です。


■補足|
選択肢2:高尿酸血症の病型としては、尿酸産生過剰型が多い。[誤り]
高尿酸血症は、尿酸産生過剰型と尿酸排泄低下型に分けられますが、日本人の約9割は尿酸排泄低下型と言われています。
選択肢3:痛風発作時には、直ちにアロプリノールを用いる。[誤り]
アロプリノールは、尿酸合成阻害薬であり、痛風発作の予防に用いられます。発作時に使用すると、症状を悪化させる可能性があります。
選択肢4:痛風間欠期には、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が用いられる。[誤り]
痛風間欠期には、尿酸値を下げる薬物療法が中心となります。NSAIDsは、痛風発作時の消炎鎮痛を目的として使用されます。


病態|問 106-188


■■GPT4o
■論点|高尿酸血症及び痛風の病態と治療
この問題の論点は、高尿酸血症および痛風の病態と治療に関する正しい理解を特定することです。


■解説1|
痛風発作は、関節内に析出した尿酸塩結晶が引き起こす急性関節炎発作である。(選択肢1) [正しい]
痛風発作は、尿酸塩結晶が関節内に沈着し、これが免疫系を刺激して急性の炎症反応を引き起こすことにより発生します。この炎症反応は強い痛みを伴います。
尿路結石がある場合は、尿酸排泄促進薬を用いない。(選択肢5) [正しい]
尿路結石を有する患者に対しては、尿酸排泄促進薬の使用は避けられることがあります。これは、これらの薬剤が尿酸の結晶化を助長し、さらに結石を形成するリスクがあるためです。
■解説2|
高尿酸血症の病型としては、尿酸産生過剰型が多い。(選択肢2) [誤り]
高尿酸血症の原因としては、尿酸の排泄低下型の方が多くを占めます。約90%が排泄低下型であり、産生過剰型は10%程度です。
痛風発作時には、直ちにアロプリノールを用いる。(選択肢3) [誤り]
痛風発作時にはアロプリノールのような尿酸生成抑制薬は使用しません。アロプリノールは痛風発作の間欠期に用いられます。発作時にはコルヒチンやNSAIDsが使用されます。
痛風間欠期には、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が用いられる。(選択肢4) [誤り]
痛風の間欠期には、NSAIDsは使用されません。間欠期には尿酸値を低下させる薬剤(アロプリノールやフェブキソスタットなど)が使用されます。


■結論|
正しい選択肢は、1と5です。


■補足|
高尿酸血症は尿酸産生過剰型よりも尿酸排泄低下型が多いです。
痛風発作時には、NSAIDsやコルヒチンが使用されますが、アロプリノールなどの尿酸生成抑制薬は使用されません。
痛風間欠期には、尿酸値をコントロールするための薬剤が使用され、NSAIDsは使用されません。


病態|問 107-188 ■正答| 3 4
42歳女性。最近、疲れやすいと感じることが多くなり、また徐々に食欲が低下し、何をするにも億劫でやる気が起こらなくなった。月経周期が乱れたため受診し、検査の結果、橋本病と診断された。この患者の状態として、考えられるのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 体重が著しく減少している。

  2. 頻脈が認められる。

  3. 高コレステロール血症が認められる。

  4. 血清TSH(甲状腺刺激ホルモン)値が高い。

  5. 副甲状腺ホルモンの分泌が亢進している。


橋本病


病態|問 107-188


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|橋本病の症状、検査所見
この問題は、橋本病の代表的な症状と検査所見を理解しているかを問うものです。


■解説1|
橋本病は、自己免疫機序により甲状腺が破壊され、甲状腺ホルモンの分泌が低下する疾患です。
選択肢3:高コレステロール血症が認められる。[正しい]
甲状腺ホルモンは、コレステロールの代謝を促進する作用があるため、橋本病のように甲状腺機能が低下すると、高コレステロール血症になりやすくなります。
選択肢4:血清TSH(甲状腺刺激ホルモン)値が高い。[正しい]
橋本病では、甲状腺ホルモンの分泌低下を代償しようと、脳下垂体からTSHが過剰に分泌されるため、血清TSH値が高値になります。
■解説2|
橋本病は、女性に多くみられる疾患です。初期は自覚症状に乏しいこともありますが、進行すると、全身倦怠感、食欲不振、体重増加、寒がり、便秘、皮膚の乾燥、脱毛などの症状が現れます。


■結論|
正しい選択肢は、3と4です。


■補足|
選択肢1:体重が著しく減少している。[誤り]
橋本病では、代謝が低下するため、むしろ体重増加がみられることが多いです。
選択肢2:頻脈が認められる。[誤り]
橋本病では、代謝が低下するため、むしろ徐脈がみられることが多いです。
選択肢5:副甲状腺ホルモンの分泌が亢進している。[誤り]
副甲状腺ホルモンは、血清カルシウム濃度を調節するホルモンであり、橋本病とは直接的な関連はありません。


病態|問 107-188


■■GPT4o
■論点|橋本病の病態と症状
この問題の論点は、橋本病に関連する症状と病態を正確に理解することです。


■解説1|
高コレステロール血症が認められる。(選択肢3) [正しい]
橋本病は甲状腺機能低下症の一種であり、代謝が低下するため、高コレステロール血症がしばしば見られます。
血清TSH(甲状腺刺激ホルモン)値が高い。(選択肢4) [正しい]
甲状腺機能が低下すると、負のフィードバック機構により血清TSH値が上昇します。これは体が甲状腺ホルモンを増やそうとする反応です。
■解説2|
体重が著しく減少している。(選択肢1) [誤り]
橋本病では、むしろ代謝が低下するため体重増加が見られることが多いです。
頻脈が認められる。(選択肢2) [誤り]
甲状腺機能低下症では、心拍数が低下することが多く、頻脈は通常見られません。
副甲状腺ホルモンの分泌が亢進している。(選択肢5) [誤り]
橋本病は甲状腺の疾患であり、副甲状腺ホルモンの分泌とは直接関係がありません。


■結論|
正しい選択肢は、3と4です。


■補足|
橋本病は慢性甲状腺炎であり、甲状腺機能低下症を引き起こします。
甲状腺ホルモンの低下により、代謝が低下し、体重増加、倦怠感、寒がり、高コレステロール血症などが見られます。
TSHの上昇は、甲状腺ホルモンの分泌を刺激しようとする体の反応です。


病態|問 108-188 ■正答| 4 5
クローン病に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 好発年齢は40~50歳代である。

  2. 大腸に限局した炎症が認められる。

  3. 初期症状として、便秘が認められる。

  4. 増悪期に、CRP値の上昇が認められる。

  5. 特徴的な内視鏡検査所見として、敷石状潰瘍がある。


クローン病


病態|問 108-188


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|クローン病の特徴、症状、検査所見
この問題は、クローン病の年齢的な特徴、病変部位、症状、検査所見、特徴的な内視鏡所見について、正しい理解ができているかを問うものです。


■解説1|
クローン病は、口から肛門までの全消化管にわたって炎症や潰瘍が生じる原因不明の炎症性腸疾患です。
選択肢4:増悪期に、CRP値の上昇が認められる。[正しい]
クローン病は、炎症性腸疾患であるため、病状の増悪に伴い、炎症反応を示すCRP値が上昇します。
選択肢5:特徴的な内視鏡検査所見として、敷石状潰瘍がある。[正しい]
クローン病の病変は、腸管壁の全層に及び、縦走潰瘍とそれを取り囲むように発赤した粘膜が交互に現れるため、敷石を敷き詰めたような外観を呈します。
■解説2|
クローン病は、若年期に発症することが多く、腹痛、下痢、血便、発熱、体重減少などの症状を呈します。


■結論|
正しい選択肢は、4と5です。


■補足|
選択肢1:好発年齢は40~50歳代である。[誤り]
クローン病は、10代後半から20代に多く発症します。
選択肢2:大腸に限局した炎症が認められる。[誤り]
クローン病は、口から肛門までの全消化管に病変が生じる可能性があります。
選択肢3:初期症状として、便秘が認められる。[誤り]
クローン病では、下痢や血便などの症状が一般的です。便秘は、腸管の狭窄や運動障害などが原因で起こることがありますが、初期症状としてみられることは多くありません。


病態|問 108-188


■■GPT4o
■論点|クローン病の病態と診断
この問題の論点は、クローン病の特徴的な病態と診断方法を正確に理解することです。


■解説1|
増悪期に、CRP値の上昇が認められる。(選択肢4) [正しい]
クローン病は炎症性腸疾患の一つで、炎症が活発になるとCRP(C反応性タンパク)の値が上昇します。これは炎症の程度を示す指標として用いられます。
特徴的な内視鏡検査所見として、敷石状潰瘍がある。(選択肢5) [正しい]
クローン病の特徴的な内視鏡所見には、敷石状の潰瘍があります。この潰瘍は、腸の粘膜が不規則に盛り上がり、石畳のような外観を呈することから名付けられています。
■解説2|
好発年齢は40~50歳代である。(選択肢1) [誤り]
クローン病の好発年齢は10~30歳代であり、若年層に多く見られます。40~50歳代ではなく、思春期から若年成人に発症することが多いです。
大腸に限局した炎症が認められる。(選択肢2) [誤り]
クローン病は消化管の全ての部位に炎症が起こり得ますが、特に小腸と大腸に多く見られます。大腸に限局するのは潰瘍性大腸炎の特徴です。
初期症状として、便秘が認められる。(選択肢3) [誤り]
クローン病の初期症状には、腹痛、下痢、体重減少などが含まれ、便秘は一般的ではありません。


■結論|
正しい選択肢は、4と5です。


■補足|
クローン病は全消化管に影響を与える慢性炎症性疾患で、若年層に多いです。
初期症状は多岐にわたり、腹痛や下痢が一般的です。
診断には内視鏡検査が重要で、敷石状潰瘍が特徴的な所見として確認されます。


病態|問 109-188 ■正答| 5
72歳男性。本態性高血圧症のために、処方1及び処方2を服用していた。最近、血圧が上昇したため、薬物による降圧療法を強化することになった。追加する治療薬として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。(処方1)ニフェジピン徐放錠20mg 1回2錠(1日4錠)1日2回 朝夕食後 14日分(処方2)テルミサルタン錠40mg 1回2錠(1日2錠)1日1回 朝食後 14日分
■選択肢

  1. アムロジピンベシル酸塩

  2. アメジニウムメチル硫酸塩

  3. シベンゾリンコハク酸塩

  4. イルベサルタン

  5. ドキサゾシンメシル酸塩


本態性高血圧症における降圧薬の選択


病態|問 109-188


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|降圧薬併用療法における薬理学的知識
この問題は、本態性高血圧症に対して、既存の処方内容を理解した上で、適切な降圧薬を追加できるかを問うものです。


■解説1|
患者は、カルシウム拮抗薬であるニフェジピンと、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)であるテルミサルタンを服用中ですが、血圧コントロールが不十分な状態です。
選択肢5:ドキサゾシンメシル酸塩 [正しい]
ドキサゾシンは、α1受容体遮断薬であり、血管拡張作用により降圧効果を示します。ニフェジピン、テルミサルタンとは作用機序が異なるため、併用により相加的な降圧効果が期待できます。
■解説2|
降圧目標達成のためには、単剤での効果不十分な場合、作用機序の異なる降圧薬を併用することが推奨されます。


■結論|
正しい選択肢は、5です。


■補足|
選択肢1:アムロジピンベシル酸塩 [誤り]
アムロジピンは、カルシウム拮抗薬であり、ニフェジピンと作用機序が重複するため、併用による効果は限定的です。
選択肢2:アメジニウムメチル硫酸塩 [誤り]
アメジニウムは、中枢性α2受容体刺激薬であり、徐脈や鎮静などの副作用が出現しやすいため、第一選択薬としては適切ではありません。
選択肢3:シベンゾリンコハク酸塩 [誤り]
シベンゾリンは、血管拡張作用を有しますが、反射性頻脈の副作用が強く、単独での使用は推奨されていません。
選択肢4:イルベサルタン [誤り]
イルベサルタンは、ARBであり、テルミサルタンと作用機序が重複するため、併用による効果は限定的です。


病態|問 109-188


■■GPT4o
■論点|高血圧症の薬物療法の適切な追加治療
この問題の論点は、本態性高血圧症における適切な追加治療薬を選択することです。


■解説1|
ドキサゾシンメシル酸塩 (選択肢5) [正しい]
ドキサゾシンはα1受容体遮断薬であり、血管を拡張させることで血圧を下げる効果があります。既にカルシウム拮抗薬(ニフェジピン)とアンジオテンシンII受容体拮抗薬(テルミサルタン)を使用しているため、異なる作用機序を持つ薬剤の追加が適切です。
■解説2|
アムロジピンベシル酸塩 (選択肢1) [誤り]
アムロジピンはカルシウム拮抗薬であり、既に同じクラスの薬剤(ニフェジピン)を使用しているため、作用機序が重複します。
アメジニウムメチル硫酸塩 (選択肢2) [誤り]
アメジニウムは昇圧薬であり、主に低血圧の治療に使用されるため、高血圧の治療薬としては不適切です。
シベンゾリンコハク酸塩 (選択肢3) [誤り]
シベンゾリンは抗不整脈薬であり、血圧降下効果は限定的です。高血圧の追加治療には適していません。
イルベサルタン (選択肢4) [誤り]
イルベサルタンはアンジオテンシンII受容体拮抗薬であり、既に同じクラスのテルミサルタンを使用しているため、重複使用は適切ではありません。


■結論|
正しい選択肢は、5です。


■補足|
高血圧症の治療では、異なる作用機序を持つ薬剤を組み合わせることが有効です。
既に使用中の薬剤と作用機序が重複しない薬剤を選択することが重要です。
ドキサゾシンは、α1受容体を遮断することで血管拡張作用を発揮し、既存の治療薬との相乗効果が期待されます。


病態|問 106-189 ■正答| 2 4
21歳男子大学生。親戚の4歳児の面倒をみた2週間後に頭痛と発熱を認めたため、市販のかぜ薬を服用した。翌日、市販薬で一時的に解熱したが、再び発熱し、両側の頬から耳の後ろにかけて腫れ、腫脹部分に痛みを感じたため受診し、流行性耳下腺炎と診断された。この患者の病態及び薬物治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 解熱すればすぐに通学しても差し支えない。

  2. 精巣炎を合併するリスクがある。

  3. 治療にはアシクロビルが有効である。

  4. 疼痛・発熱に対し、アセトアミノフェンが用いられる。

  5. 治療にはワクチンが有効である。


流行性耳下腺炎


病態|問 106-189


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|流行性耳下腺炎の特徴、合併症、治療
この問題は、流行性耳下腺炎の症状、合併症、治療法について正しい知識を持っているかを問うものです。


■解説1|
流行性耳下腺炎は、ムンプスウイルスによる急性ウイルス感染症で、耳下腺の腫脹と疼痛を特徴とします。
選択肢2:精巣炎を合併するリスクがある。[正しい]
ムンプスウイルスは、耳下腺以外にも、精巣、膵臓、髄膜などにも感染することがあります。思春期以降の男性では、精巣炎を合併することがあり、不妊症の原因となる可能性もあります。
選択肢4:疼痛・発熱に対し、アセトアミノフェンが用いられる。[正しい]
流行性耳下腺炎に対する特異的な治療法はありません。対症療法として、アセトアミノフェンなどの解熱鎮痛薬を用いて、発熱や疼痛を緩和します。
■解説2|
ムンプスウイルスは、感染者の唾液中に排泄され、飛沫感染によって伝播します。潜伏期は2〜3週間と比較的長く、発症する数日前から感染力を持つようになります。


■結論|
正しい選択肢は、2と4です。


■補足|
選択肢1:解熱すればすぐに通学しても差し支えない。[誤り]
流行性耳下腺炎は、学校保健安全法において、出席停止期間が定められている感染症です。症状が消失した後も、5日を経過するまでは登校できません。
選択肢3:治療にはアシクロビルが有効である。[誤り]
アシクロビルは、ヘルペスウイルスに有効な抗ウイルス薬であり、ムンプスウイルスには効果がありません。
選択肢5:治療にはワクチンが有効である。[誤り]
ワクチンは、ムンプスウイルスの感染を予防するために有効ですが、発症後の治療には効果がありません。


病態|問 106-189


■■GPT4o
■論点|流行性耳下腺炎の病態と治療
この問題の論点は、流行性耳下腺炎(おたふく風邪)の病態および治療方法について正確に理解することです。


■解説1|
精巣炎を合併するリスクがある。(選択肢2) [正しい]
流行性耳下腺炎はムンプスウイルスによる感染症で、特に思春期以降の男性では精巣炎を合併するリスクがあります。精巣炎は不妊症の原因となる可能性もあるため注意が必要です。
疼痛・発熱に対し、アセトアミノフェンが用いられる。(選択肢4) [正しい]
流行性耳下腺炎の治療では、対症療法が主であり、疼痛や発熱に対してアセトアミノフェンが使用されます。アセトアミノフェンは解熱鎮痛薬として広く用いられる薬です。
■解説2|
解熱すればすぐに通学しても差し支えない。(選択肢1) [誤り]
流行性耳下腺炎は感染力が強いため、解熱後も一定期間は登校や外出を控えることが推奨されます。感染拡大を防ぐためには、医師の指示に従って適切な隔離期間を守ることが重要です。
治療にはアシクロビルが有効である。(選択肢3) [誤り]
流行性耳下腺炎はウイルス感染症ですが、アシクロビルは主にヘルペスウイルスに対する抗ウイルス薬であり、ムンプスウイルスには効果がありません。
治療にはワクチンが有効である。(選択肢5) [誤り]
ワクチンは予防に有効ですが、既に感染している場合には治療薬としては使用されません。予防接種により流行性耳下腺炎の発症を防ぐことが可能です。


■結論|
正しい選択肢は、2と4です。


■補足|
流行性耳下腺炎はムンプスウイルスによる感染症で、特に思春期以降の男性には精巣炎のリスクがあります。
治療は対症療法が中心で、解熱鎮痛薬としてアセトアミノフェンが使用されます。
感染拡大を防ぐためには、適切な隔離期間を守ることが重要です。


病態|問 107-189 ■正答| 4 5
緑内障に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 緑内障は、眼圧を正常範囲内に維持すれば症状は現れない。

  2. 緑内障により低下した視力は、眼圧を低下させると速やかに回復する。

  3. 開放隅角緑内障では、虹彩と水晶体の間の房水の流れが妨げられている。

  4. 開放隅角緑内障では、視野欠損が徐々に進行する。

  5. 急性閉塞隅角緑内障では、急性の眼痛とともに頭痛、悪心・嘔吐を伴った視力低下が起こる。


緑内障


病態|問 107-189


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|緑内障の種類、症状、病態
この問題は、緑内障の種類、症状、進行、視力への影響について正しい知識を持っているかを問うものです。


■解説1|
緑内障は、視神経が障害され、視野が狭窄していく疾患です。眼圧が上昇することが主な原因と考えられています。
選択肢4:開放隅角緑内障では、視野欠損が徐々に進行する。[正しい]
開放隅角緑内障は、ゆっくりと進行していくため、初期には自覚症状に乏しいことが多いです。しかし、放置すると徐々に視野が狭窄し、最終的には失明に至る可能性もあります。
選択肢5:急性閉塞隅角緑内障では、急性の眼痛とともに頭痛、悪心・嘔吐を伴った視力低下が起こる。[正しい]
急性閉塞隅角緑内障は、眼圧が急激に上昇することで発症し、激しい眼痛、頭痛、吐き気、視力低下などの症状が現れます。
■解説2|
緑内障は、大きく分けて開放隅角緑内障と閉塞隅角緑内障に分類されます。開放隅角緑内障は、房水の排出経路である隅角が開放されているにもかかわらず、房水産生と排出のバランスが崩れて眼圧が上昇するタイプです。閉塞隅角緑内障は、隅角が狭窄または閉塞することで、房水の排出が阻害され、眼圧が上昇するタイプです。


■結論|
正しい選択肢は、4と5です。


■補足|
選択肢1:緑内障は、眼圧を正常範囲内に維持すれば症状は現れない。[誤り]
正常眼圧緑内障と呼ばれる、眼圧が正常範囲内であっても視神経障害が進行するタイプもあります。
選択肢2:緑内障により低下した視力は、眼圧を低下させると速やかに回復する。[誤り]
緑内障による視神経障害は、一度進行すると回復しません。眼圧を低下させる治療は、視神経障害の進行を抑制するために行われます。
選択肢3:開放隅角緑内障では、虹彩と水晶体の間の房水の流れが妨げられている。[誤り]
開放隅角緑内障では、隅角は開放されていますが、房水産生と排出のバランスが崩れていることが原因で眼圧が上昇します。


病態|問 107-189


■■GPT4o
■論点|緑内障の病態と症状
この問題の論点は、緑内障の病態および症状の進行について正確に理解することです。


■解説1|
開放隅角緑内障では、視野欠損が徐々に進行する。(選択肢4) [正しい]
開放隅角緑内障は、眼圧が正常範囲内でも視神経が徐々に損傷され、視野欠損が進行します。自覚症状が少ないため、定期的な眼科検診が重要です。
急性閉塞隅角緑内障では、急性の眼痛とともに頭痛、悪心・嘔吐を伴った視力低下が起こる。(選択肢5) [正しい]
急性閉塞隅角緑内障は、眼圧の急激な上昇により急性の眼痛、頭痛、悪心、嘔吐、視力低下などの症状が現れます。緊急治療が必要です。
■解説2|
緑内障は、眼圧を正常範囲内に維持すれば症状は現れない。(選択肢1) [誤り]
緑内障には眼圧が正常範囲内でも発症する正常眼圧緑内障があります。眼圧管理は重要ですが、必ずしも症状を完全に防ぐわけではありません。
緑内障により低下した視力は、眼圧を低下させると速やかに回復する。(選択肢2) [誤り]
緑内障により損傷された視神経は回復しないため、一度失った視力は回復しません。眼圧を低下させる治療は進行を遅らせるためのものであり、視力の回復を目的としたものではありません。
開放隅角緑内障では、虹彩と水晶体の間の房水の流れが妨げられている。(選択肢3) [誤り]
開放隅角緑内障は、房水の流出路である隅角が開いているにもかかわらず、房水の排出が障害されて眼圧が上昇するタイプの緑内障です。虹彩と水晶体の間の房水の流れが妨げられるのは、閉塞隅角緑内障です。


■結論|
正しい選択肢は、4と5です。


■補足|
開放隅角緑内障は進行が緩やかで、自覚症状が出にくいため、早期発見が重要です。
急性閉塞隅角緑内障は緊急事態であり、迅速な対応が必要です。
緑内障の管理には、定期的な眼科検診と適切な治療が不可欠です。


病態|問 108-189 ■正答| 2 3
ウイルス性肝炎に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 急性期に黄疸が認められることはまれである。

  2. A型肝炎ウイルスは経口感染する。

  3. B型肝炎ワクチン接種により、HBs抗体検査は陽性を示す。

  4. C型肝炎は、ワクチン接種により予防することができる。

  5. C型肝炎よりもA型肝炎の方が肝硬変に進展しやすい。


ウイルス性肝炎


病態|問 108-189


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|ウイルス性肝炎の種類と特徴、予防法
この問題は、ウイルス性肝炎の感染経路、ワクチンによる予防、合併症、予後について正しい知識を持っているかを問うものです。


■解説1|
ウイルス性肝炎は、肝臓に炎症を起こすウイルス感染症の総称です。A型、B型、C型など、様々なウイルスが知られており、それぞれ感染経路や症状、重症度が異なります。
選択肢2:A型肝炎ウイルスは経口感染する。[正しい]
A型肝炎ウイルスは、主に汚染された食品や水を介して経口感染します。衛生状態の悪い地域への旅行や集団生活などで感染するリスクが高まります。
選択肢3:B型肝炎ワクチン接種により、HBs抗体検査は陽性を示す。[正しい]
B型肝炎ワクチンは、B型肝炎ウイルスに対する免疫を獲得するために有効な手段です。ワクチン接種により、HBs抗体が産生され、HBs抗体検査で陽性となります。
■解説2|
A型肝炎は、比較的軽症で、多くの場合、自然に治癒します。一方、B型やC型肝炎は、慢性化しやすく、肝硬変や肝臓がんのリスクを高めます。


■結論|
正しい選択肢は、2と3です。


■補足|
選択肢1:急性期に黄疸が認められることはまれである。[誤り]
ウイルス性肝炎では、急性期に黄疸、発熱、倦怠感、食欲不振、吐き気、嘔吐、腹痛、肝腫大などの症状が現れることがあります。
選択肢4:C型肝炎は、ワクチン接種により予防することができる。[誤り]
C型肝炎には、有効なワクチンが存在しません。感染予防には、血液や体液を介した感染を防ぐことが重要です。
選択肢5:C型肝炎よりもA型肝炎の方が肝硬変に進展しやすい。[誤り]
C型肝炎は、慢性化しやすく、肝硬変や肝臓がんに進展するリスクが高いです。A型肝炎は、慢性化することは稀です。


■■GPT4o


病態|問 108-189
■論点|ウイルス性肝炎の特徴と予防法
この問題の論点は、ウイルス性肝炎の感染経路、ワクチン接種の効果、および臨床症状について特定することです。


■解説1|
A型肝炎ウイルスは経口感染する。(選択肢2) [正しい]
A型肝炎ウイルス(HAV)は主に糞口感染を通じて伝播します。汚染された食物や水を摂取することが感染源となります。
HAVは急性肝炎を引き起こし、通常は自己限性ですが、一部の患者で重篤化することがあります。
B型肝炎ワクチン接種により、HBs抗体検査は陽性を示す。(選択肢3) [正しい]
B型肝炎ワクチンはHBs抗原(表面抗原)を基に作られており、接種により体内でHBs抗体が産生されます。
HBs抗体陽性はワクチン接種後の正常な免疫応答を示します。
■解説2|
HAV感染は、予防接種が可能であり、特に衛生環境の悪い地域では重要な予防手段です。A型肝炎の潜伏期間は2〜6週間であり、感染者は症状が出る前からウイルスを排出します。
B型肝炎(HBV)は血液や体液を介して伝播し、ワクチン接種により効果的に予防できます。ワクチン接種後の抗体産生は、感染リスクの低減に寄与します。


■結論|
正しい選択肢は、2と3です。


■補足|
急性期に黄疸が認められることはまれである。(選択肢1) [誤り]
急性ウイルス性肝炎では、特に成人患者において黄疸が一般的に認められます。
C型肝炎は、ワクチン接種により予防することができる。(選択肢4) [誤り]
C型肝炎(HCV)に対するワクチンは現時点で存在しません。予防は主に感染経路の遮断によります。
C型肝炎よりもA型肝炎の方が肝硬変に進展しやすい。(選択肢5) [誤り]
C型肝炎は慢性化しやすく、長期的に肝硬変や肝細胞癌に進展するリスクがあります。一方、A型肝炎は慢性化しないため、肝硬変に進展することはありません。


病態|問 109-189 ■正答| 3 5
間質性肺炎に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 閉塞性換気障害のために肺活量が減少する。

  2. 原因として最も頻度が高いのは、副腎皮質ステロイド性薬の副作用である。

  3. 乾性咳嗽が出現する。

  4. 胸部聴診で呼息時にブツブツという粗い断続性ラ音が聴取される。

  5. 特発性肺線維症に対しては、ニンテダニブエタンスルホン酸塩を投与することがある。


間質性肺炎


病態|問 109-189


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|間質性肺炎の症状、原因、治療法
この問題は、間質性肺炎の臨床症状、原因、治療法に関する知識を問うものです。


■解説1|
間質性肺炎は、肺の間質組織に炎症が起こる病気の総称です。原因は様々で、特定の原因が特定できない特発性間質性肺炎と、膠原病や薬剤、環境因子などが原因となる間質性肺炎に分類されます。
選択肢3:乾性咳嗽が出現する。[正しい]
間質性肺炎の初期症状として、労作時呼吸困難や乾性咳嗽がよくみられます。進行すると、呼吸困難が安静時にも出現するようになります。
選択肢5:特発性肺線維症に対しては、ニンテダニブエタンスルホン酸塩を投与することがある。[正しい]
ニンテダニブは、チロシンキナーゼ阻害薬という種類の薬物で、線維芽細胞の増殖やコラーゲン産生を抑制することで、肺線維症の進行を抑制する効果が期待されています。
■解説2|
間質性肺炎は、様々な原因で発症するため、原因検索が重要となります。


■結論|
正しい選択肢は、3と5です。


■補足|
選択肢1:閉塞性換気障害のために肺活量が減少する。[誤り]
間質性肺炎では、拘束性換気障害がみられ、肺活量が減少します。
選択肢2:原因として最も頻度が高いのは、副腎皮質ステロイド性薬の副作用である。[誤り]
副腎皮質ステロイド薬は、間質性肺炎の治療に用いられることがあります。間質性肺炎の原因としては、特発性、膠原病、環境因子などが挙げられます。
選択肢4:胸部聴診で呼息時にブツブツという粗い断続性ラ音が聴取される。[誤り]
間質性肺炎では、胸部聴診で、吸気後期にベルクロを剥がすような音が聴取されることがあります (velcro crackles)。


■■GPT4o


病態|問 109-189
■論点|間質性肺炎の臨床症状と治療法
この問題の論点は、間質性肺炎の臨床症状、原因、および治療法について特定することです。


■解説1|
乾性咳嗽が出現する。(選択肢3) [正しい]
間質性肺炎の主要な症状の一つは乾性咳嗽です。これは肺の線維化により気道が刺激されるためです。
特発性肺線維症に対しては、ニンテダニブエタンスルホン酸塩を投与することがある。(選択肢5) [正しい]
ニンテダニブは特発性肺線維症(IPF)の進行を遅らせるために用いられる抗線維化薬です。臨床試験で有効性が示されています。
■解説2|
間質性肺炎は、肺の間質(肺胞と血管の間の組織)に炎症と線維化を引き起こす疾患群で、乾性咳嗽や労作時呼吸困難が特徴です。
特発性肺線維症(IPF)は原因不明の間質性肺炎の一種であり、進行性の線維化が特徴です。ニンテダニブは、線維化プロセスに関与する成長因子の受容体を阻害し、病気の進行を遅らせる効果があります。


■結論|
正しい選択肢は、3と5です。


■補足|
閉塞性換気障害のために肺活量が減少する。(選択肢1) [誤り]
間質性肺炎は拘束性換気障害を引き起こし、肺活量は減少しますが、閉塞性換気障害ではありません。
原因として最も頻度が高いのは、副腎皮質ステロイド性薬の副作用である。(選択肢2) [誤り]
間質性肺炎の最も一般的な原因は特発性(原因不明)であり、薬剤性肺炎は原因の一つに過ぎません。
胸部聴診で呼息時にブツブツという粗い断続性ラ音が聴取される。(選択肢4) [誤り]
間質性肺炎では、主に吸気時に細かい断続性ラ音(捻髪音)が聴取されます。呼息時の粗いラ音は典型的ではありません。


病態|問 106-190 ■正答| 1 5
膵臓がんに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 膵管がんは膵管の上皮細胞由来である。

  2. インスリン分泌の亢進により低血糖を起こしやすい。

  3. 初期から症状が出現するため、発見が容易である。

  4. CA 19-9(carbohydrate antigen 19-9)が陰性になる。

  5. 好発部位は膵頭部である。


膵臓がん


病態|問 106-190


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|膵臓がんの種類、特徴、腫瘍マーカー、好発部位
この問題は、膵臓がんの発生母地、症状、腫瘍マーカー、好発部位に関する正しい知識を持っているかを問うものです。


■解説1|
膵臓がんは、膵臓から発生するがんであり、膵管がんと膵内分泌腫瘍に大別されます。
選択肢1:膵管がんは膵管の上皮細胞由来である。[正しい]
膵管がんは、膵臓がんの90%以上を占め、膵管を構成する上皮細胞から発生します。
選択肢5:好発部位は膵頭部である。[正しい]
膵臓がんは、膵頭部に最も多く発生し、次いで膵体部、膵尾部の順に発生頻度が低くなります。
■解説2|
膵臓がんは、早期発見が難しく、予後不良な癌として知られています。


■結論|
正しい選択肢は、1と5です。


■補足|
選択肢2:インスリン分泌の亢進により低血糖を起こしやすい。[誤り]
インスリン分泌の亢進による低血糖は、膵内分泌腫瘍の一種であるインスリノーマでみられることがあります。膵管がんでは、むしろインスリン分泌が低下し、糖尿病を発症することがあります。
選択肢3:初期から症状が出現するため、発見が容易である。[誤り]
膵臓がんは、初期には自覚症状に乏しく、進行するまで発見されないことが多いです。
選択肢4:CA 19-9(carbohydrate antigen 19-9)が陰性になる。[誤り]
CA19-9は、膵臓がんの腫瘍マーカーとして用いられ、進行すると高値を示すことがあります。しかし、早期がんや他の疾患でも上昇することがあります。


■■GPT4o


病態|問 107-190 ■正答| 2 4
メニエール病の病態と治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. ウイルス感染症である。

  2. 反復性回転性めまいと耳鳴、難聴や耳閉感を併発することが多い。

  3. イソソルビドは、外リンパ圧低下作用によりめまいを抑制する。

  4. ペルフェナジンは、悪心・嘔吐を抑制する。

  5. ベタヒスチンメシル酸塩は、外耳の血液循環を改善することによりめまいを抑制する。


メニエール病


病態|問 107-190


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|メニエール病の症状、治療薬
この問題は、メニエール病の症状と、治療に用いられる薬物の作用機序について、正しい知識を持っているかを問うものです。


■解説1|
メニエール病は、内耳のリンパ液が増加し、内耳が障害されることで、めまい、難聴、耳鳴、耳閉感などの症状が出現する疾患です。
選択肢2:反復性回転性めまいと耳鳴、難聴や耳閉感を併発することが多い。[正しい]
メニエール病の代表的な症状は、回転性のめまいであり、難聴、耳鳴、耳閉感を伴うことが多いです。これらの症状は、数十分から数時間持続し、反復することが特徴です。
選択肢4:ペルフェナジンは、悪心・嘔吐を抑制する。[正しい]
メニエール病のめまい発作に伴う、吐き気や嘔吐に対して、制吐作用を持つ抗精神病薬であるペルフェナジンが用いられます。
■解説2|
メニエール病の原因は、はっきりとはわかっていませんが、内リンパ水腫が関与していると考えられています。


■結論|
正しい選択肢は、2と4です。


■補足|
選択肢1:ウイルス感染症である。[誤り]
メニエール病は、ウイルス感染症ではありません。
選択肢3:イソソルビドは、外リンパ圧低下作用によりめまいを抑制する。[誤り]
イソソルビドは、内リンパ水腫を改善する作用があり、メニエール病の治療に用いられますが、外リンパ圧に直接作用するわけではありません。
選択肢5:ベタヒスチンメシル酸塩は、外耳の血液循環を改善することによりめまいを抑制する。[誤り]
ベタヒスチンは、内耳の血流を改善することで、メニエール病のめまい発作を抑制すると考えられていますが、その詳細な作用機序は明らかになっていません。外耳の血流改善効果については、明確なエビデンスはありません。


■■GPT4o


病態|問 108-190 ■正答| 1 4
48歳男性。建築業に従事しており、高所での作業が多い。40歳時の健康診断で高血糖を指摘されて以降、近医に通院している。現在は以下の薬剤及び用法用量で2型糖尿病、高血圧、安定狭心症及び脂質異常症の治療を受けている。指導された食事療法と運動療法は遵守できている。今回の所見を踏まえた治療の変更として、適切なのはどれか。2つ選べ。
現在は以下の薬剤及び用法用量:
メトホルミン塩酸塩錠250mg 1回1錠(1日2回)朝夕食後、
カナグリフロジン水和物錠100mg 1回1錠(1日1回)朝食後、
アジルサルタン錠20mg 1回1錠(1日1回)朝食後、
アムロジピン錠5mg 1回1錠(1日1回)朝食後、
ピタバスタチンCa錠1mg 1回1錠(1日1回)朝食後。
今回受診の身体所見と検査所見は以下のとおりであった。
身長174cm、体重72kg、血圧128/78mmHg、
空腹時血液検査結果:
血糖 124mg/dL、HbA1c 7.2%、総コレステロール 220mg/dL、TG(トリグリセリド) 148mg/dL、HDL-C 70mg/dL、LDL-C 148 mg/dL、血清クレアチニン 0.7mg/dL、eGFR 86mL/分/1.73m^2、
尿検査結果:
糖(4+)、蛋白(±)、潜血(-)、ケトン体(-)、尿アルブミン/クレアチニン比 50mg/gCr、
各薬剤の添付文書上の用法用量は以下のとおりとする。
メトホルミン塩酸塩錠1日500mgより開始し、維持量は750mg~1,500mg。1日最大用量は2,250mg。
カナグリフロジン水和物錠 100mgを1日1回。アジルサルタン錠 20mgを1日1回。1日最大用量は40mg。
アムロジピン錠
(高血圧症) 2.5~5mgを1日1回。1日最大用量は10mg。
(狭心症) 5mgを1日1回。症状に応じて適宜増減。
ピタバスタチンCa錠 1 mgを1日1回。1日最大用量は4mg。
■選択肢

  1. メトホルミン塩酸塩を増量する。

  2. グリメピリドを追加する。

  3. アムロジピンを増量する。

  4. ピタバスタチンCaを増量する。

  5. イコサペント酸エチルを追加する。


2型糖尿病、高血圧、安定狭心症、脂質異常症の治療変更


病態|問 108-190


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|検査結果に基づいた薬物治療の変更
この問題は、糖尿病、高血圧、脂質異常症の検査データに基づき、治療効果を判断し、適切な薬物治療の変更を選択できるかを問うものです。


■解説1|
患者は2型糖尿病、高血圧、安定狭心症、脂質異常症と複数の疾患を抱えており、それぞれの病態を考慮した治療選択が必要です。
選択肢1:メトホルミン塩酸塩を増量する。[正しい]
HbA1cは7.2%であり、血糖コントロール目標値(日本糖尿病学会では7.0%未満)に達しておらず、メトホルミン塩酸塩は増量可能です。最大用量までは余裕があるため、まずはメトホルミン塩酸塩を増量し、血糖コントロールの改善を目指します。
選択肢4:ピタバスタチンCaを増量する。[正しい]
LDL-コレステロールは148 mg/dLと高く、脂質管理目標値(日本動脈硬化学会ではリスク分類に応じて70~119mg/dL)に達していません。ピタバスタチンCaは増量可能であり、副作用発現にも注意しながら増量し、脂質コントロールの改善を目指します。
■解説2|
糖尿病治療においては、食事療法・運動療法を継続しながら、経口血糖降下薬やインスリン注射などを用いて、血糖コントロールを行います。
脂質異常症治療においては、食事療法・運動療法を継続しながら、薬物療法(スタチン系薬剤、EPA製剤など)を併用することで、脂質コントロールを行い、心血管イベントのリスクを低下させます。


■結論|
正しい選択肢は、1と4です。


■補足|
選択肢2:グリメピリドを追加する。[誤り]
グリメピリドはSU薬であり、低血糖のリスクがあるため、メトホルミン増量で効果不十分な場合に考慮します。
選択肢3:アムロジピンを増量する。[誤り]
血圧は128/78mmHgであり、管理目標値(日本高血圧学会では140/90mmHg未満)に達しているため、アムロジピンの増量は不要です。
選択肢5: イコサペント酸エチルを追加する。[誤り]
EPA製剤は、中性脂肪を低下させる効果が高いですが、LDL-コレステロールが高い場合は、まずはスタチン系薬剤の増量を優先します。


■■GPT4o


病態|問 106-191 ■正答| 4 5
漢方薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 大建中湯は、インフルエンザ初期に用いられる。

  2. 麻黄湯は、認知症の不穏に対して用いられる。

  3. 六君子湯は、腹部外科的手術後のイレウス予防に用いられる。

  4. 芍薬甘草湯は、腓腹筋の有痛性けいれんに対して用いられる。

  5. 補中益気湯は、食欲不振に対して用いられる。


漢方薬


病態|問 106-191


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|代表的な漢方薬の適応
この問題は、代表的な漢方薬の効能と、それに対する適切な使用場面を理解しているかを問うものです。


■解説1|
漢方薬は、複数の生薬から成り、多様な作用をもち、自然治癒力を高めることで効果を発揮します。
選択肢4:芍薬甘草湯は、腓腹筋の有痛性けいれんに対して用いられる。[正しい]
芍薬甘草湯は、筋肉の緊張を緩和する効果があり、こむら返りや腹痛などに用いられます。
選択肢5:補中益気湯は、食欲不振に対して用いられる。[正しい]
補中益気湯は、胃腸の働きを改善し、食欲不振や疲労倦怠感などに用いられます。
■解説2|
漢方薬は、西洋薬と比較して、副作用が少ないとされていますが、体質や症状に合わない場合は、効果が得られないばかりか、副作用が現れる可能性もあります。


■結論|
正しい選択肢は、4と5です。


■補足|
選択肢1:大建中湯は、インフルエンザ初期に用いられる。[誤り]
大建中湯は、腹痛や便秘などに用いられます。インフルエンザ初期には、葛根湯などが用いられます。
選択肢2:麻黄湯は、認知症の不穏に対して用いられる。[誤り]
麻黄湯は、かぜの初期症状に用いられます。認知症の不穏に対しては、抑肝散などが用いられます。
選択肢3:六君子湯は、腹部外科的手術後のイレウス予防に用いられる。[誤り]
六君子湯は、食欲不振や胃もたれなどに用いられます。腹部外科的手術後のイレウス予防には、大建中湯などが用いられます。


病態|問 107-191 ■正答| 2
B型インフルエンザに続発するライ(Reye)症候群に関する記述として、正しいのはどれか。1つ選べ。
■選択肢

  1. 異常型プリオン蛋白が脳内に蓄積して発症する。

  2. 肝障害を伴う急性脳症である。

  3. 血糖値の上昇がみられる。

  4. 重度の黄疸がみられる。

  5. 小児の場合、アスピリンが治療に用いられる。


ライ症候群


病態|問 107-191


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|ライ症候群の特徴、症状
この問題は、インフルエンザに続発するライ症候群の原因、症状、治療法について、正しい知識を問うものです。


■解説1|
ライ症候群は、インフルエンザなどのウイルス感染症に罹患した小児が、解熱剤としてアスピリンを使用した場合に発症するリスクが高くなるとされています。
選択肢2:肝障害を伴う急性脳症である。[正しい]
ライ症候群は、嘔吐や意識障害などの脳症症状に加えて、肝臓への脂肪沈着による肝機能障害を特徴とします。
■解説2|
ライ症候群は、早期診断・治療が重要ですが、原因不明な点も多く、予防には、小児へのアスピリン使用を避けることが重要です。


■結論|
正しい選択肢は、2です。


■補足|
選択肢1:異常型プリオン蛋白が脳内に蓄積して発症する。[誤り]
異常型プリオン蛋白の蓄積は、クロイツフェルト・ヤコブ病などのプリオン病でみられます。
選択肢3:血糖値の上昇がみられる。[誤り]
ライ症候群では、むしろ低血糖がみられることが多いです。
選択肢4:重度の黄疸がみられる。[誤り]
ライ症候群では、肝障害により軽度の黄疸がみられることもありますが、重症化することは稀です。
選択肢5:小児の場合、アスピリンが治療に用いられる。[誤り]
ライ症候群は、アスピリンの使用により発症リスクが高まるとされており、小児へのアスピリンの使用は禁忌です。


■■GPT4o


病態|問 108-191 ■正答| 2 5
加齢性黄斑変性(加齢黄斑変性)の病態と薬物治療に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 水晶体の混濁により、視機能が低下する。

  2. 喫煙は危険因子の1つである。

  3. 失明に至ることはまれである。

  4. 薬物治療の対象となるのは、萎縮型である。

  5. 薬物治療には、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)の阻害薬が用いられる。


加齢黄斑変性


病態|問 108-191


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|加齢黄斑変性の症状、危険因子、治療薬
この問題は、加齢黄斑変性の症状、危険因子、治療法について、正しい知識を持っているかを問うものです。


■解説1|
加齢黄斑変性は、加齢に伴い黄斑部に異常が生じ、視力が低下する疾患です。
選択肢2:喫煙は危険因子の1つである。[正しい]
喫煙は、加齢黄斑変性の発症リスクを高めることが知られています。喫煙により、酸化ストレスや血管新生が促進され、黄斑部に障害が生じやすくなると考えられています。
選択肢5:薬物治療には、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)の阻害薬が用いられる。[正しい]
加齢黄斑変性の治療には、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)の阻害薬である、ラニビズマブやアフリベルセプトなどが用いられます。これらの薬剤は、硝子体注射により投与され、新生血管の成長を抑え、視力低下の進行を抑制する効果があります。
■解説2|
加齢黄斑変性は、大きく分けて萎縮型と滲出型に分類されます。萎縮型は、黄斑部が徐々に萎縮していくタイプで、進行は緩やかです。滲出型は、黄斑部に新生血管が生じてくるタイプで、進行が早く、視力低下も著明です。


■結論|
正しい選択肢は、2と5です。


■補足|
選択肢1:水晶体の混濁により、視機能が低下する。[誤り]
水晶体の混濁は、白内障の症状です。
選択肢3:失明に至ることはまれである。[誤り]
加齢黄斑変性は、放置すると失明に至る可能性のある疾患です。特に、滲出型は進行が早く、適切な治療が必要です。
選択肢4:薬物治療の対象となるのは、萎縮型である。[誤り]
薬物治療の対象となるのは、主に滲出型です。萎縮型に対しては、有効な薬物治療法は確立されていません。


■■GPT4o


病態|問 109-191 ■正答| 2 4
白内障に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 硝子体が混濁する疾患の総称である。

  2. 先天性と後天性とに大別できる。

  3. 副腎皮質ステロイド性薬の長期投与により、発症を抑制できる。

  4. 治療に用いる点眼薬として、ピレノキシンとグルタチオンがある。

  5. 加齢による白内障では、点眼薬の投与により混濁が消失する。


白内障


病態|問 109-191


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|白内障の特徴、原因、治療
この問題は、白内障の原因、分類、治療法に関する正しい知識を問うものです。


■解説1|
白内障は、水晶体が濁ることで視力が低下する疾患です。
選択肢2:先天性と後天性とに大別できる。[正しい]
白内障は、生まれつき水晶体に濁りがある先天性白内障と、後天的に水晶体が濁る後天性白内障に分けられます。
選択肢4:治療に用いる点眼薬として、ピレノキシンとグルタチオンがある。[正しい]
ピレノキシンやグルタチオンは、白内障の進行を抑制する効果があるとされ、点眼薬として使用されます。
■解説2|
白内障は、加齢に伴い発症する頻度が高くなります。


■結論|
正しい選択肢は、2と4です。


■補足|
選択肢1:硝子体が混濁する疾患の総称である。[誤り]
硝子体が混濁するのは、飛蚊症や硝子体出血などの疾患です。
選択肢3:副腎皮質ステロイド性薬の長期投与により、発症を抑制できる。[誤り]
副腎皮質ステロイド性薬の長期投与は、白内障のリスク因子の一つです。
選択肢5:加齢による白内障では、点眼薬の投与により混濁が消失する。[誤り]
白内障の進行を抑制する点眼薬はありますが、すでに濁ってしまった水晶体を透明にすることはできません。混濁が強い場合は、手術療法が選択されます。


■■GPT4o


病態|問 106-192 ■正答| 2 3
遺伝子治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 失われた組織の再生を目指した治療である。

  2. がんや先天的遺伝子疾患の治療への応用が試みられている。

  3. in vivo 遺伝子治療は、遺伝子を直接患者に投与して、標的細胞に導入する方法である。

  4. レトロウイルスベクターの欠点を補うためにアデノウイルスベクターが開発された。

  5. 生殖細胞への遺伝子導入が繁用されている。


遺伝子治療


病態|問 106-192


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|遺伝子治療の標的疾患、治療法、ベクター
この問題は、遺伝子治療の対象となる疾患、治療方法、ベクターの種類と特徴に関する正しい知識を持っているかを問うものです。


■解説1|
遺伝子治療は、遺伝子の異常を修復したり、新たな遺伝子を導入したりすることで、病気の治療を目指す治療法です。
選択肢2:がんや先天的遺伝子疾患の治療への応用が試みられている。[正しい]
遺伝子治療は、がん細胞の増殖抑制や、遺伝子異常によって引き起こされる先天性遺伝子疾患治療への応用が期待されています。
選択肢3:in vivo 遺伝子治療は、遺伝子を直接患者に投与して、標的細胞に導入する方法である。[正しい]
遺伝子治療には、患者の体外で細胞に遺伝子を導入する ex vivo 遺伝子治療と、患者の体内に直接遺伝子を導入する in vivo 遺伝子治療があります。in vivo 遺伝子治療では、ベクターと呼ばれる運び屋を用いて、目的の遺伝子を標的細胞に届けます。
■解説2|
遺伝子治療は、まだ開発段階の治療法であり、安全性や有効性について、更なる研究が必要です。


■結論|
正しい選択肢は、2と3です。


■補足|
選択肢1:失われた組織の再生を目指した治療である。[誤り]
失われた組織の再生を目指す治療は、再生医療と呼ばれます。
選択肢4:レトロウイルスベクターの欠点を補うためにアデノウイルスベクターが開発された。[誤り]
レトロウイルスベクターとアデノウイルスベクターは、それぞれ異なる特徴を持つ遺伝子導入ベクターであり、どちらが優れているわけではありません。
選択肢5:生殖細胞への遺伝子導入が繁用されている。[誤り]
生殖細胞への遺伝子導入は、倫理的な問題や安全性への懸念から、現時点では行われていません。


■■GPT4o


病態|問 107-192 ■正答| 2 3
漢方薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 大建中湯は、不眠症に使用される。

  2. 五苓散は、浮腫に使用される。

  3. 小青竜湯は、アレルギー性鼻炎に使用される。

  4. 補中益気湯は、月経困難に使用される。

  5. 抑肝散は、気管支ぜん息に使用される。


漢方薬


病態|問 107-192


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|様々な漢方薬の適応疾患
この問題は、代表的な漢方薬の効能と、それに対する適切な使用場面を理解しているかを問うものです。


■解説1|
漢方薬は、自然由来の生薬を組み合わせることで、多様な効果を発揮し、身体全体のバランスを整えながら、自然治癒力を高めることを目的としています。
選択肢2:五苓散は、浮腫に使用される。[正しい]
五苓散は、体内の水分の循環を改善し、利尿作用によって、むくみや水様性の下痢などに効果があります。
選択肢3:小青竜湯は、アレルギー性鼻炎に使用される。[正しい]
小青竜湯は、アレルギー症状を抑え、鼻水、くしゃみ、鼻づまりなどの症状を改善します。
■解説2|
漢方薬は、西洋薬と比較して、副作用が少ない傾向がありますが、体質や症状に合わない場合は、効果が得られないばかりか、副作用が現れる可能性もあるため、注意が必要です。


■結論|
正しい選択肢は、2と3です。


■補足|
選択肢1:大建中湯は、不眠症に使用される。[誤り]
大建中湯は、腹部を温めて痛みを和らげる効果があり、腹痛、便秘、胃痛などに用いられます。
選択肢4:補中益気湯は、月経困難に使用される。[誤り]
補中益気湯は、胃腸の働きを改善し、食欲不振、疲労倦怠感、虚弱体質などに用いられます。
選択肢5:抑肝散は、気管支ぜん息に使用される。[誤り]
抑肝散は、精神を安定させる効果があり、神経症、不眠症、小児の夜泣きなどに用いられます。


■■GPT4o


病態|問 108-192 ■正答| 1 3
アトピー性皮膚炎の病態と治療に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 皮膚のバリア機能が低下している。

  2. 皮膚の苔癬化は、成人期よりも乳児期に顕著にみられる。

  3. 血液検査では、血清総IgE値の上昇が認められる。

  4. 治療の基本は、抗ヒスタミン外用剤による炎症の抑制である。

  5. タクロリムス軟膏は、潰瘍やびらんを形成した皮膚部位に適用される。


アトピー性皮膚炎


病態|問 108-192


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|アトピー性皮膚炎の特徴、症状、検査所見、治療法
この問題は、アトピー性皮膚炎の皮膚の状態、症状の出現時期、検査所見、治療法について、正しい知識を持っているかを問うものです。


■解説1|
アトピー性皮膚炎は、皮膚のバリア機能異常、IgE抗体を介したアレルギー反応などにより、強いかゆみと慢性的な湿疹を繰り返す疾患です。
選択肢1:皮膚のバリア機能が低下している。[正しい]
アトピー性皮膚炎では、皮膚のバリア機能が低下しており、外部からの刺激を受けやすくなっています。その結果、乾燥、炎症、かゆみなどが生じやすくなります。
選択肢3:血液検査では、血清総IgE値の上昇が認められる。[正しい]
アトピー性皮膚炎では、IgE抗体を介したアレルギー反応が関与しているため、血清中の総IgE値が上昇することがあります。
■解説2|
アトピー性皮膚炎の治療は、スキンケア、薬物療法、悪化因子の除去などが中心となります。


■結論|
正しい選択肢は、1と3です。


■補足|
選択肢2:皮膚の苔癬化は、成人期よりも乳児期に顕著にみられる。[誤り]
皮膚の苔癬化は、慢性的な炎症により皮膚が厚く硬くなる状態で、乳児期よりも成人期にみられることが多くなります。
選択肢4:治療の基本は、抗ヒスタミン外用剤による炎症の抑制である。[誤り]
抗ヒスタミン外用剤は、かゆみを抑える効果はありますが、炎症を抑える効果は限定的です。治療の基本は、ステロイド外用剤やタクロリムス軟膏などの抗炎症薬による炎症の抑制です。
選択肢5:タクロリムス軟膏は、潰瘍やびらんを形成した皮膚部位に適用される。[誤り]
タクロリムス軟膏は、ステロイド外用剤と同様に、炎症を抑える効果がありますが、潰瘍やびらんを形成している部位には使用できません。


■■GPT4o


病態|問 109-192 ■正答| 4 5
白癬及びその治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 足白癬の原因で最も頻度の高いのは、カンジダ・アルビカンスである。

  2. 足白癬への外用薬による治療は、1週間で中止する。

  3. 爪白癬の治療には、内服薬は用いられない。

  4. イトラコナゾール錠は、妊婦又は妊娠の可能性のある女性に禁忌である。

  5. テルビナフィン塩酸塩錠の副作用として、重篤な肝障害がある。


白癬と治療薬


病態|問 109-192


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|白癬の原因菌、治療薬の特徴、副作用
この問題は、白癬の主な原因菌、治療期間、治療薬の種類、副作用について、正しい知識を持っているかを問うものです。


■解説1|
白癬は、白癬菌というカビが皮膚に感染することで起こる皮膚疾患です。
選択肢4:イトラコナゾール錠は、妊婦又は妊娠の可能性のある女性に禁忌である。[正しい]
イトラコナゾール錠は、経口抗真菌薬であり、胎児への影響が懸念されるため、妊婦または妊娠の可能性のある女性には禁忌です。
選択肢5:テルビナフィン塩酸塩錠の副作用として、重篤な肝障害がある。[正しい]
テルビナフィン塩酸塩錠は、経口抗真菌薬であり、副作用として、肝機能障害、胆汁うっ滞、肝炎などが報告されています。
■解説2|
白癬の治療には、外用薬または内服薬が用いられます。


■結論|
正しい選択肢は、4と5です。


■補足|
選択肢1:足白癬の原因で最も頻度の高いのは、カンジダ・アルビカンスである。[誤り]
足白癬の原因菌は、トリコフィトン属の白癬菌が最も多く、カンジダ・アルビカンスは、カンジダ症の原因となります。
選択肢2:足白癬への外用薬による治療は、1週間で中止する。[誤り]
足白癬の外用薬治療は、症状が消失した後も、最低2週間は継続する必要があります。
選択肢3:爪白癬の治療には、内服薬は用いられない。[誤り]
爪白癬の治療には、外用薬では効果が期待できないため、イトラコナゾールやテルビナフィンなどの経口抗真菌薬が用いられます。


■■GPT4o


病態|問 106-193 ■正答| 4 5
臨床研究における検討事項と使用する統計手法の組合せとして適切なのはどれか。2つ選べ。検討事項|統計手法
■選択肢

  1. 薬剤投与群の男女比と非投与群の男女比に差があるかどうかを検討する|Mann-WhitneyのU検定

  2. 降圧薬を投与する前後の血圧に差があるかどうかを検討する|重回帰分析

  3. 血圧値の低下に対して、年齢、性別、食塩摂取量などの複数の因子の影響度合いを検討する(時間的要素を考慮しない)|カイ二乗検定

  4. 副作用の有無に対して、治療法や背景などの複数の因子の影響度合いを検討する(時間的要素を考慮しない)|ロジスティック回帰分析

  5. 抗がん剤投与群の生存率曲線と手術群の生存率曲線に差があるかどうかを検討する|ログランク検定


臨床研究における検討事項と統計手法


病態|問 106-193


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|臨床研究における統計手法の選択
この問題は、臨床研究で用いられる様々な統計手法の特徴と、それぞれの目的に応じた使い分けを理解しているかを問うものです。


■解説1|
臨床研究では、研究デザインやデータの種類、目的とする分析に応じて適切な統計手法を選択する必要があります。
選択肢4:副作用の有無に対して、治療法や背景などの複数の因子の影響度合いを検討する(時間的要素を考慮しない)|ロジスティック回帰分析 [正しい]
ロジスティック回帰分析は、ある事象(ここでは副作用の有無)が起こる確率を予測する際に、複数の説明変数(治療法や背景因子など)の影響を検討するために用いられる手法です。
選択肢5:抗がん剤投与群の生存率曲線と手術群の生存率曲線に差があるかどうかを検討する|ログランク検定 [正しい]
ログランク検定は、2群以上の生存時間データに差があるかどうかを比較するために用いられます。例えば、異なる治療法の効果を比較する際に、それぞれの群の生存曲線を描き、その差を統計的に検定します。
■解説2|
それぞれの統計手法には、適用できるデータの種類や分析の目的に応じた適切な使い分けがあります。


■結論|
正しい選択肢は、4と5です。


■補足|
選択肢1:薬剤投与群の男女比と非投与群の男女比に差があるかどうかを検討する|Mann-WhitneyのU検定 [誤り]
2群の比率の差を検討する場合、カイ二乗検定などが用いられます。Mann-WhitneyのU検定は、2群の中央値に差があるかどうかを比較する際に用いられます。
選択肢2:降圧薬を投与する前後の血圧に差があるかどうかを検討する|重回帰分析 [誤り]
同一群における介入前後の変化を比較する場合、対応のあるt検定などが用いられます。重回帰分析は、目的変数(従属変数)に対して、複数の説明変数(独立変数)がどのように影響するかを分析する際に用いられます。
選択肢3:血圧値の低下に対して、年齢、性別、食塩摂取量などの複数の因子の影響度合いを検討する(時間的要素を考慮しない)|カイ二乗検定 [誤り]
連続変数である血圧値の低下に対する複数の因子の影響を検討する場合、重回帰分析などが用いられます。カイ二乗検定は、2つのカテゴリカル変数の間に関連があるかどうかを検討する際に用いられます。


■■GPT4o


病態|問 107-193 ■正答| 1 5
幹細胞に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 胚性幹細胞(ES細胞)は、自己複製能を持つ。

  2. 胚性幹細胞は、多能性獲得に必要な遺伝子を導入して作製する。

  3. 人工多能性幹細胞(iPS細胞)の作製には、受精卵が用いられる。

  4. 造血幹細胞は、あらゆる細胞に分化する能力を持つ。

  5. 造血幹細胞は、臍帯血にも存在する。


幹細胞


病態|問 107-193


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|幹細胞の種類と特徴
この問題は、ES細胞、iPS細胞、造血幹細胞といった様々な種類の幹細胞の特徴を理解しているかを問うものです。


■解説1|
幹細胞は、自己複製能と多分化能を有する細胞であり、様々な組織や臓器の細胞に分化することができます。
選択肢1:胚性幹細胞(ES細胞)は、自己複製能を持つ。[正しい]
ES細胞は、受精卵から得られる幹細胞であり、自己複製能と多分化能を有しています。
選択肢5:造血幹細胞は、臍帯血にも存在する。[正しい]
造血幹細胞は、骨髄中に多く存在しますが、臍帯血や末梢血にもわずかに存在します。
■解説2|
幹細胞は、再生医療や創薬への応用が期待されています。


■結論|
正しい選択肢は、1と5です。


■補足|
選択肢2:胚性幹細胞は、多能性獲得に必要な遺伝子を導入して作製する。[誤り]
多能性獲得に必要な遺伝子を導入して作製するのは、iPS細胞です。ES細胞は、受精卵から得られます。
選択肢3:人工多能性幹細胞(iPS細胞)の作製には、受精卵が用いられる。[誤り]
iPS細胞は、体細胞に特定の遺伝子を導入することで作製されます。受精卵は使用しません。
選択肢4:造血幹細胞は、あらゆる細胞に分化する能力を持つ。[誤り]
造血幹細胞は、赤血球、白血球、血小板など、血液細胞に分化する能力を持つ幹細胞です。あらゆる細胞に分化する能力を持つわけではありません。


■■GPT4o


病態|問 108-193 ■正答| 2 4
造血幹細胞移植時における移植片対宿主病(GVHD)に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 移植後1週間以内に好発する。

  2. 予防として、移植前から免疫抑制薬の投与を開始する。

  3. 自家移植に比べ、同種移植では発症のリスクが低い。

  4. ドナー由来のリンパ球が、レシピエントの組織を攻撃して起こる疾患である。

  5. 発症を予防するために、移植する造血幹細胞に対して放射線照射を行う。


病態|問 108-193


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|GVHDの原因、予防法、発症時期、リスク因子
この問題は、造血幹細胞移植における合併症であるGVHDの原因、予防法、発症時期、リスク因子について、正しい知識を持っているかを問うものです。


■解説1|
GVHDは、造血幹細胞移植後に、ドナー由来の免疫担当細胞が、レシピエントの組織を攻撃することで起こる免疫反応です。
選択肢2:予防として、移植前から免疫抑制薬の投与を開始する。[正しい]
GVHDの予防には、移植前から免疫抑制薬を投与し、免疫反応を抑制します。
選択肢4:ドナー由来のリンパ球が、レシピエントの組織を攻撃して起こる疾患である。[正しい]
移植された造血幹細胞に含まれるドナー由来のリンパ球が、レシピエントの組織を、自分とは異なる異物と認識し、攻撃することでGVHDが発症します。
■解説2|
GVHDは、移植後早期に起こる急性GVHDと、移植後数ヶ月から数年経過して起こる慢性GVHDに分類されます。


■結論|
正しい選択肢は、2と4です。


■補足|
選択肢1:移植後1週間以内に好発する。[誤り]
急性GVHDは、移植後100日以内に好発します。
選択肢3:自家移植に比べ、同種移植では発症のリスクが低い。[誤り]
自家移植では、自分自身の造血幹細胞を移植するため、GVHDは起こりません。同種移植では、他人の造血幹細胞を移植するため、GVHDのリスクがあります。
選択肢5:発症を予防するために、移植する造血幹細胞に対して放射線照射を行う。[誤り]
移植する造血幹細胞に放射線照射を行うと、造血幹細胞が障害され、移植が成功する確率が低下します。


■■GPT4o


病態|問 109-193 ■正答| 2 3
多発性骨髄腫の病態に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. T細胞が腫瘍化する。

  2. 腫瘍細胞が産生するMタンパク質は、単クローン性の免疫グロブリンである。

  3. アミロイドタンパク質が臓器や組織に沈着し、臓器障害をきたす。

  4. 骨髄細胞にフィラデルフィア染色体を認める。

  5. 脾腫が頻発する。


移植片対宿主病(GVHD)


多発性骨髄腫


病態|問 109-193


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|多発性骨髄腫の特徴、症状、検査所見
この問題は、多発性骨髄腫でみられる特徴的な症状、検査所見、合併症を理解しているかを問うものです。


■解説1|
多発性骨髄腫は、骨髄中の形質細胞が腫瘍化し、異常増殖する疾患です。
選択肢2:腫瘍細胞が産生するMタンパク質は、単クローン性の免疫グロブリンである。[正しい]
多発性骨髄腫では、腫瘍化した形質細胞が、単一の種類の免疫グロブリン(Mタンパク質)を過剰に産生します。
選択肢3:アミロイドタンパク質が臓器や組織に沈着し、臓器障害をきたす。[正しい]
多発性骨髄腫では、Mタンパク質の一部がアミロイド線維を形成し、心臓、腎臓、神経などの臓器に沈着することで、臓器障害を引き起こすことがあります。
■解説2|
多発性骨髄腫は、骨破壊、貧血、高カルシウム血症、腎障害などの症状を引き起こします。


■結論|
正しい選択肢は、2と3です。


■補足|
選択肢1:T細胞が腫瘍化する。[誤り]
T細胞が腫瘍化するのは、悪性リンパ腫などです。
選択肢4:骨髄細胞にフィラデルフィア染色体を認める。[誤り]
フィラデルフィア染色体は、慢性骨髄性白血病でみられる染色体異常です。
選択肢5:脾腫が頻発する。[誤り]
多発性骨髄腫では、脾腫はあまりみられません。脾腫は、慢性骨髄性白血病や悪性リンパ腫などでみられることがあります。


■■GPT4o


病態|問 107-194 ■正答| 3 4
EBMの実践に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 最初のプロセスは「問題解決のための情報収集」である。

  2. 情報を効率的に収集するために、一次資料の調査から開始する。

  3. PICO又はPECOとよばれる4つの要素(Patient、Intervention/Exposure、Comparison、Outcome)を用いて問題の定式化を行う。

  4. 論文等に示された研究成果の正確度や再現性を確認することを、内的妥当性の評価という。

  5. 割りつけられた治療を完遂できず脱落した者を除いた解析はITT(intention-to-treat)解析という。


EBMの実践


病態|問 107-194


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|EBMのプロセス、内的妥当性、ITT解析
この問題は、EBM(Evidence-Based Medicine:根拠に基づいた医療)の実践における手順、論文評価、解析方法に関する正しい知識を持っているかを問うものです。


■解説1|
EBMは、最新の医学的根拠と、患者の価値観、医療現場の状況などを統合し、最良の医療を提供することを目指す医療の考え方です。
選択肢3:PICO又はPECOとよばれる4つの要素(Patient、Intervention/Exposure、Comparison、Outcome)を用いて問題の定式化を行う。[正しい]
EBMでは、まず解決すべき臨床上の疑問を明確化します。その際に、PICOまたはPECOと呼ばれる要素を用いることで、より具体的かつ検索可能な形に整理することができます。
選択肢4:論文等に示された研究成果の正確度や再現性を確認することを、内的妥当性の評価という。[正しい]
EBMでは、集めた論文の質を評価する必要があります。内的妥当性は、研究のバイアスのリスクなどを評価することで、研究結果の信頼性を判断するものです。
■解説2|
EBMの実践は、(1)臨床上の疑問の明確化、(2)医学的根拠の検索、(3)根拠の批判的吟味、(4)患者への結果の適用、(5)評価、というプロセスで行われます。


■結論|
正しい選択肢は、3と4です。


■補足|
選択肢1:最初のプロセスは「問題解決のための情報収集」である。[誤り]
EBMの最初のプロセスは、臨床上の疑問を明確化することです。
選択肢2:情報を効率的に収集するために、一次資料の調査から開始する。[誤り]
一次資料の調査は時間と労力を要するため、まずは系統的レビューなどの二次資料から検索を開始し、必要に応じて一次資料を調査することが効率的です。
選択肢5:割りつけられた治療を完遂できず脱落した者を除いた解析はITT(intention-to-treat)解析という。[誤り]
ITT解析は、治療を完遂できなかった患者も含めて、最初に割り付けられた治療群に則って解析を行う方法です。


■■GPT4o


病態|問 106-195 ■正答| 1 2
遺伝学的検査・診断に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. すでに発症している患者の診断を目的として行われた遺伝学的検査の結果は、患者の診療に関係する情報と一緒に保管する。

  2. 遺伝情報は、血縁者間で一部共有されていることを考慮する必要がある。

  3. 遺伝学的検査は、出生前診断のために行われることはない。

  4. 発症前診断は、当該疾患を発症するおそれがなく治療する必要がない者に対する検査である。

  5. 非発症保因者診断では、発症する前に将来の発症を予測するために検査を行う。


遺伝学的検査・診断


病態|問 106-195


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|遺伝学的検査・診断の目的、倫理的配慮、遺伝情報の扱い
この問題は、遺伝学的検査・診断の目的、遺伝情報に関する倫理的な配慮、検査結果の保管方法に関する知識を問うものです。


■解説1|
遺伝学的検査・診断は、遺伝子の変化を調べることで、病気の診断、治療方針の決定、発症リスクの予測などを行うものです。
選択肢1:すでに発症している患者の診断を目的として行われた遺伝学的検査の結果は、患者の診療に関係する情報と一緒に保管する。[正しい]
遺伝学的検査の結果は、患者の診療情報と同様に、個人情報保護法に基づき、適切に管理する必要があります。
選択肢2:遺伝情報は、血縁者間で一部共有されていることを考慮する必要がある。[正しい]
遺伝情報は、親から子へ、子から孫へと受け継がれるものであり、血縁者間で共有されています。そのため、遺伝学的検査・診断を行う際には、患者だけでなく、血縁者への影響も考慮する必要があります。
■解説2|
遺伝学的検査・診断は、倫理的な問題や心理的な影響を伴う可能性があるため、遺伝カウンセリングを受けることが重要です。


■結論|
正しい選択肢は、1と2です。


■補足|
選択肢3:遺伝学的検査は、出生前診断のために行われることはない。[誤り]
出生前診断として、染色体異常や遺伝子変異を調べるために、遺伝学的検査が行われることがあります。
選択肢4:発症前診断は、当該疾患を発症するおそれがなく治療する必要がない者に対する検査である。[誤り]
発症前診断は、将来発症する可能性のある遺伝性疾患について、発症前に診断するものです。
選択肢5:非発症保因者診断では、発症する前に将来の発症を予測するために検査を行う。[誤り]
非発症保因者診断は、遺伝性疾患を発症していないが、その遺伝子変異を持っている人を診断するものです。将来の発症を予測するものではありません。


■■GPT4o


病態|問 108-195 ■正答| 1 3
臨床研究に関わるバイアスや交絡に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. ランダム化により、介入研究における被験者の選択バイアスを小さくできる。

  2. 非盲検化により、介入研究におけるエンドポイント評価時の情報バイアスを小さくできる。

  3. マッチングにより、観察研究における交絡要因の影響は小さくできる。

  4. 盲検化により、介入研究の交絡要因を解析できる。

  5. フォレストプロットにより、メタアナリシスの結果に影響する公表バイアスを評価できる。


臨床研究に関わるバイアスや交絡


病態|問 108-195


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|バイアスと交絡の制御方法
この問題は、臨床研究におけるバイアスや交絡の影響を最小限に抑えるための方法について、正しい理解ができているかを問うものです。


■解説1|
臨床研究において、バイアスや交絡は、研究結果の妥当性を脅かす要因となります。
選択肢1:ランダム化により、介入研究における被験者の選択バイアスを小さくできる。[正しい]
ランダム化は、介入群と対照群への被験者の割り当てを無作為に行うことで、両群の背景因子を均等化し、選択バイアスを最小限に抑えることができます。
選択肢3:マッチングにより、観察研究における交絡要因の影響は小さくできる。[正しい]
マッチングは、交絡因子となる可能性のある因子(例:年齢、性別)について、介入群と対照群で似たような被験者を割り当てることで、交絡による影響を小さくすることができます。
■解説2|
バイアスを完全に排除することは難しいですが、研究デザインやデータ解析の段階で、適切な対策を講じることで、バイアスの影響を最小限に抑えることが重要です。


■結論|
正しい選択肢は、1と3です。


■補足|
選択肢2:非盲検化により、介入研究におけるエンドポイント評価時の情報バイアスを小さくできる。[誤り]
非盲検化は、介入の有無を患者や医師が知ってしまうことで、評価にバイアスがかかる可能性があります。情報バイアスを小さくするためには、むしろ盲検化が重要です。
選択肢4:盲検化により、介入研究の交絡要因を解析できる。[誤り]
盲検化は、情報バイアスを抑制するための方法であり、交絡要因を解析できるわけではありません。交絡要因の影響を解析するためには、多変量解析などが用いられます。
選択肢5:フォレストプロットにより、メタアナリシスの結果に影響する公表バイアスを評価できる。[誤り]
フォレストプロットは、メタアナリシス(複数の研究結果を統合する解析)の結果を表示する際に用いられる図であり、公表バイアスの評価には、ファンネルプロットなどが用いられます。


■■GPT4o


病態|問 109-195 ■正答| 1 4
55歳男性。会社員。26歳時に結婚し、子供が二人いる。元来まじめな性格で、会社では昼夜を問わず仕事をしていた。2年前に昇進し、一層仕事に励んでいた。今年に入り、朝早く目が覚めてその後眠れないようになった。また、便秘がちになり食欲が低下したため、近医の消化器内科を受診したが軽快しなかった。その後も体調不良が続き、これらの症状に加え、立ちくらみや耳鳴りが出現したため、内科を転々とし精査を受けたが、器質的異常は認められなかった。やがて、一日中身体の不調を自覚するようになり、業務中にミスが増えた。「こんなダメな自分と一緒にいても未来がないので離婚しよう。」と、妻に頻回に言うようになった。趣味のゴルフへの興味もなくなり、休日は家でぼんやり過ごすようになったため、心配した妻と一緒に精神科を受診し、うつ病と診断された。この患者の病態と治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 微小妄想が認められる。

  2. 昏迷が生じている。

  3. 記憶障害を伴う可能性が高い。

  4. 治療では、十分な休養が推奨される。

  5. 薬物療法では、初回から2剤以上の抗うつ薬を併用する。


うつ病の症状と治療


病態|問 109-195


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|うつ病の症状、治療法
この問題は、うつ病の症状や治療法について、適切な知識を持っているかを問うものです。


■解説1|
うつ病は、憂うつな気分、興味・喜びの喪失、意欲低下、疲労感、集中力低下、睡眠障害、食欲変化などの症状が2週間以上持続する精神疾患です。
選択肢1:微小妄想が認められる。[正しい]
うつ病では、「自分は価値がない」「周りに迷惑をかけている」などの否定的な内容の妄想(微小妄想)がみられることがあります。
選択肢4:治療では、十分な休養が推奨される。[正しい]
うつ病の治療では、薬物療法だけでなく、休養、睡眠時間の確保、栄養バランスのとれた食事など、生活習慣の改善も重要です。
■解説2|
うつ病の治療法は、患者さんの状態に合わせて、薬物療法、精神療法、環境調整などを組み合わせて行われます。


■結論|
正しい選択肢は、1と4です。


■補足|
選択肢2:昏迷が生じている。[誤り]
昏迷は、意識障害の一つであり、うつ病の症状ではありません。
選択肢3:記憶障害を伴う可能性が高い。[誤り]
うつ病では、集中力や注意力の低下により、記憶障害が生じることがありますが、記憶障害自体がうつ病の主要な症状ではありません。
選択肢5:薬物療法では、初回から2剤以上の抗うつ薬を併用する。[誤り]
抗うつ薬は、一般的に単剤から開始し、効果不十分な場合や副作用が強い場合に、他の抗うつ薬への変更や併用を検討します。


😊 お疲れ様でした。次は、解説要約です。
がんばろう!絶対、完全攻略できます。


4. 解説要約 41問 薬学理論問題【病態】

各問題の論点と解説の要約を以下にまとめます。復習しましょう。

薬剤師国家試験問題 薬学理論問題【病態】第106回 - 第109回

Creator: Yukiho Takizawa, PhD
Tool: Chat GPT powered by GPT4o & Google AI Studio by Gemini 1.5 Pro
Date: 2024/ 06/19

Matsunoya|薬剤師国家試験対策ノート
4. 解説要約 41問 薬学理論問題【病態】

Here; https://note.com/matsunoya_note/n/n36a8a303a32f


■ 各問題の論点と解説の要約


病態|問 107-184
論点| スティーブンス・ジョンソン症候群の症状と治療


ポイント|
スティーブンス・ジョンソン症候群は、皮膚や粘膜に重篤な水疱やびらんを引き起こす疾患で、視力低下をきたすことがある。
治療の基本は、原因薬剤の中止と副腎皮質ステロイド薬の全身投与である。
中毒性表皮壊死症は、スティーブンス・ジョンソン症候群よりも重症な病型である。
スティーブンス・ジョンソン症候群は、皮膚外用薬よりも内服薬によって発症するケースが多い。
スティーブンス・ジョンソン症候群は、発熱や倦怠感などの全身症状を伴う。


病態|問 108-184
論点| 双極性障害の病態と治療


ポイント|
双極性障害は、躁状態とうつ状態を繰り返す疾患であり、睡眠障害は両方の病相で認められる。
躁病相では、気分安定薬であるオランザピンによる治療が有効である。
双極性障害では、躁病相が必ず認められる。
双極性障害で記憶障害が認められることは少ない。
双極性障害のうつ病相では、気分安定薬と抗うつ薬の併用が推奨される。イミプラミンの単独治療は、躁転のリスクがあるため推奨されない。


病態|問 106-185
論点| 浮腫の病態と種類


ポイント|
ネフローゼ症候群では、タンパク尿により血漿中のアルブミンが減少し、血漿膠質浸透圧が低下することで浮腫が生じる。
腎炎による浮腫は、毛細血管透過性亢進とナトリウム・水貯留により生じ、重力に従い最初に顔面や眼瞼に現れることが多い。
肝性浮腫は、アルブミン合成低下や門脈圧亢進により腹水から出現することが多く、下肢にもみられる。
心性浮腫は、静脈うっ滞により夕方頃に下肢から出現することが多い。
粘液水腫は、甲状腺機能低下症に伴いムコ多糖が皮下に蓄積することで生じ、指圧で圧痕を残さない非圧痕性浮腫である。


病態|問 107-185
論点| ギラン・バレー症候群の原因、症状、治療


ポイント|
ギラン・バレー症候群は、末梢神経の自己免疫疾患であり、カンピロバクター・ジェジュニなどの感染がきっかけで発症することが多い。
末梢神経の軸索や髄鞘が障害され、下肢から上行する左右対称性の弛緩性運動麻痺がみられる。
ギラン・バレー症候群の原因として最も多いのは細菌感染である。
治療には、血漿交換療法や免疫グロブリン大量療法が有効である。
副腎皮質ステロイド薬単独では効果が乏しい。


病態|問 108-185
論点| 冠攣縮性狭心症の特徴と治療


ポイント|
冠攣縮性狭心症は、冠動脈の一過性攣縮により心筋虚血が生じる疾患である。
攣縮は夜間や早朝に起こりやすく、発作は数分から十数分で自然軽快する。
発作予防には、カルシウム拮抗薬が有効である。
冠攣縮性狭心症では、心筋壊死は起こらない。
冠攣縮性狭心症では、非発作時の心電図は正常である。
アドレナリンβ受容体遮断薬は、冠攣縮を悪化させる可能性があるため、冠攣縮性狭心症には禁忌である。


病態|問 109-185
論点| 偽膜性大腸炎の原因、症状、治療


ポイント|
偽膜性大腸炎は、抗菌薬投与により腸内細菌叢が乱れ、クロストリジウム・ディフィシルが増殖することで発症する。
治療薬として、メトロニダゾールやバンコマイシンが用いられる。
偽膜性大腸炎は、クロストリジウム・ディフィシル感染による大腸炎である。
偽膜性大腸炎は、下痢や腹痛が主な症状で、便秘は起こりにくい。
インフリキシマブは、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患に用いられる薬剤であり、偽膜性大腸炎には用いられない。


病態|問 106-186
論点| 巨赤芽球性貧血の原因と治療


ポイント|
患者は、顔面蒼白、手足のしびれ、味覚異常、倦怠感といった巨赤芽球性貧血の症状を示しており、血液検査の結果からも巨赤芽球性貧血と診断できる。
胃全摘術の既往があることから、ビタミンB12吸収障害によるビタミンB12欠乏症が原因と考えられる。
ビタミンB12欠乏症の治療には、ビタミンB12製剤であるメコバラミンが適している。
10%ブドウ糖注射剤は、低血糖時の治療に用いられる。
含糖酸化鉄注射剤は、鉄欠乏性貧血の治療に用いられる。
デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム注射剤は、炎症やアレルギー反応を抑える薬剤である。
メトトレキサート注射剤は、抗がん剤や免疫抑制剤として用いられる。


病態|問 107-186
論点| 貧血の種類と特徴


ポイント|
鉄欠乏性貧血では、貯蔵鉄の指標である血清フェリチン値が低下する。
巨赤芽球性貧血は、DNA合成に必要なビタミンB12や葉酸の欠乏により、赤血球の成熟が阻害され、大型の赤血球が出現する貧血である。
再生不良性貧血は、骨髄の造血幹細胞が障害されることで、赤血球、白血球、血小板がすべて減少する汎血球減少がみられる貧血である。
自己免疫性溶血性貧血は、赤血球が自己抗体によって破壊されることで起こる貧血であり、正球性貧血に分類される。
腎性貧血は、腎機能の低下によりエリスロポエチンの産生が低下することで起こる貧血である。


病態|問 108-186
論点| 妊娠可能な女性の高血圧治療薬


ポイント|
テルミサルタンは、妊娠中に禁忌のARBであり、妊娠の可能性がある女性には禁忌である。
メチルドパは、妊娠高血圧症候群を含む妊娠中の高血圧治療薬として用いられる。
ドキサゾシンは、α1遮断薬であり、妊娠中の使用に関する安全性は確立していない。
スピロノラクトンは、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬であり、妊娠中の使用に関する安全性は確立していない。
エトレチナートは、ビタミンA誘導体であり、催奇形性があるため、妊娠中の使用は禁忌である。
ヒドロクロロチアジドは、サイアザイド系利尿薬であり、妊娠中の使用に関する安全性は確立していない。


病態|問 109-186
論点| 骨粗鬆症の病態と治療


ポイント|
閉経後は、エストロゲン分泌低下により骨吸収が促進され、骨量の減少をきたす。
骨粗鬆症の典型的なX線所見は、骨密度低下であり、頭蓋骨の打ち抜き像は多発性骨髄腫でみられる。
骨代謝マーカーは、骨吸収や骨形成の状態を反映する指標であり、骨粗鬆症の診断や治療効果の判定、骨折リスクの予測に用いられる。
閉経後骨粗鬆症の治療には、ビスホスホネート系薬剤やSERMなどが用いられる。
SERMは、骨に対してはエストロゲン様作用を示すが、乳腺や子宮内膜に対しては抗エストロゲン作用を示すため、乳がんや子宮体がんのリスクを増加させない。


病態|問 106-187
論点| 慢性腎臓病の定義、症状、治療


ポイント|
慢性腎臓病は、腎機能障害または腎機能低下が3ヶ月以上持続する状態と定義される。
腎臓の機能低下により、エリスロポエチン産生低下による貧血や、電解質異常、代謝産物の蓄積などが起こる。
腎機能が低下すると尿濃縮力が低下するため、等張尿となる。
ラクツロースは、高アンモニア血症の治療に用いられ、腸内細菌によるアンモニア産生を抑制する。
尿毒症症状の発症を抑制するため、タンパク質摂取を制限する。


病態|問 107-187
論点| ネフローゼ症候群の症状


ポイント|
ネフローゼ症候群は、糸球体基底膜の透過性亢進により大量のタンパク尿が出現する病態である。
尿中へのタンパク質喪失により、低アルブミン血症となる。
ネフローゼ症候群では、体重増加、浮腫がみられる。
ネフローゼ症候群では、血尿は必ずしもみられない。
ネフローゼ症候群では、高コレステロール血症がみられる。


病態|問 108-187
論点| 高齢者における薬物動態の変化


ポイント|
高齢者では、体脂肪率の増加、血漿アルブミン濃度の低下、肝血流量の減少、糸球体濾過量の減少などが起こり、薬物動態に影響を与える。
α1-酸性糖タンパクは、炎症時に増加する急性相タンパク質であり、高齢者では加齢に伴い増加する傾向がある。


病態|問 109-187
論点| 再生不良性貧血の病態


ポイント|
再生不良性貧血は、骨髄の造血機能不全により、赤血球、白血球、血小板がすべて減少する汎血球減少症である。
赤血球産生が低下するため、血清鉄は増加し、不飽和鉄結合能は低下する。
再生不良性貧血は、正球性正色素性貧血に分類される。
エリスロポエチンは、腎臓から分泌されるホルモンであり、赤血球産生を促進する。再生不良性貧血では、赤血球産生が低下しているにもかかわらず、エリスロポエチン産生は代償的に亢進する。
再生不良性貧血では、血小板も減少するため、出血傾向がみられる。


病態|問 106-188
論点| 高尿酸血症と痛風の病態と治療


ポイント|
痛風発作は、関節内に析出した尿酸塩結晶を白血球が貪食することで炎症反応が起こり、激しい痛みを伴う急性関節炎発作を引き起こす。
高尿酸血症の病型としては、尿酸排泄低下型が多い。
痛風発作時には、まずNSAIDsやコルヒチンなどの抗炎症薬を用いて痛みや炎症を抑える。アロプリノールは、発作を悪化させる可能性があるため、発作時には使用しない。
痛風間欠期には、尿酸値を下げる薬物療法として、尿酸産生抑制薬(アロプリノールなど)や尿酸排泄促進薬(プロベネシドなど)が用いられる。
尿路結石がある場合は、尿酸排泄促進薬により結石が増大する可能性があるため、使用しない。


病態|問 107-188
論点| 橋本病の症状と検査所見


ポイント|
橋本病は、甲状腺に対する自己免疫疾患であり、甲状腺機能低下症を引き起こす。
甲状腺ホルモンの分泌低下により、代謝が低下し、倦怠感、食欲低下、体重増加、徐脈、高コレステロール血症などがみられる。
橋本病では、甲状腺ホルモンの分泌低下を代償するために、血清TSH値が上昇する。
橋本病は、甲状腺の疾患であり、副甲状腺ホルモンの分泌異常はみられない。


病態|問 108-188
論点| クローン病の特徴と検査所見


ポイント|
クローン病は、消化管のどの部位にも炎症が起こる可能性がある炎症性腸疾患であり、若年者に多い。
クローン病は、小腸や大腸など、消化管の様々な部位に炎症が起こる。
クローン病では、下痢や腹痛が主な症状で、便秘は起こりにくい。
クローン病では、炎症反応が亢進するため、CRP値が上昇する。
クローン病の特徴的な内視鏡検査所見として、縦走潰瘍とそれに直交する横走潰瘍により、粘膜が敷石状に見える敷石状潰瘍がある。


病態|問 109-188
論点| 高血圧治療薬の作用機序と併用禁忌


ポイント|
患者は、カルシウム拮抗薬であるニフェジピンとARBであるテルミサルタンを服用している。
カルシウム拮抗薬とARBに、α1遮断薬であるドキサゾシンを追加することで、相加的に血圧を低下させることができる。
アムロジピンは、カルシウム拮抗薬であり、ニフェジピンとの併用は作用機序が重複するため、適切ではない。
アメジニウムは、利尿薬であり、ニフェジピンやテルミサルタンとの併用で相加的な降圧効果が期待できるが、高齢者では脱水や電解質異常のリスクが高いため、注意が必要である。
シベンゾリンは、α1遮断薬であるが、起立性低血圧などの副作用が多い。
イルベサルタンは、ARBであり、テルミサルタンとの併用は作用機序が重複するため、適切ではない。


病態|問 106-189
論点| 流行性耳下腺炎の症状、合併症、治療


ポイント|
流行性耳下腺炎は、ムンプスウイルスによる感染症であり、耳下腺の腫脹や疼痛、発熱などをきたす。
男性では、合併症として精巣炎や不妊症が起こる可能性がある。
流行性耳下腺炎の治療は、対症療法が基本であり、解熱鎮痛薬としてアセトアミノフェンが用いられる。
流行性耳下腺炎は、ウイルス感染症であり、抗菌薬は効果がない。
流行性耳下腺炎の予防には、ワクチンが有効である。
流行性耳下腺炎は感染力が強いため、解熱してもウイルスが排出されている間は登校・登園を控える必要がある。


病態|問 107-189
論点| 緑内障の種類と症状


ポイント|
緑内障は、視神経が障害され、視野欠損が進行する疾患であり、眼圧が正常範囲内であっても発症することがある。
緑内障による視力低下や視野欠損は、不可逆的な場合が多い。
開放隅角緑内障は、隅角は開放されているものの、線維柱帯の機能異常などにより、房水の流出が阻害され、眼圧が上昇する病態である。
開放隅角緑内障は、自覚症状に乏しく、徐々に視野欠損が進行していく。
急性閉塞隅角緑内障は、隅角が閉塞することで房水の流出が急激に阻害され、眼圧が急上昇することで、眼痛、頭痛、悪心・嘔吐、視力低下などの症状をきたす。


病態|問 108-189
論点| ウイルス性肝炎の種類と特徴


ポイント|
ウイルス性肝炎は、A型、B型、C型などの肝炎ウイルスに感染することで起こる肝臓の炎症性疾患であり、急性期には黄疸がみられることが多い。
A型肝炎ウイルスは、糞口感染(経口感染)により伝播する。
B型肝炎ワクチン接種により、HBs抗体が産生され、HBs抗体検査は陽性を示す。
C型肝炎は、ワクチンが存在しないため、ワクチン接種による予防はできない。
C型肝炎は、慢性化しやすく、肝硬変や肝細胞癌に進展するリスクが高い。A型肝炎は、ほとんどの場合、急性肝炎で治癒する。


病態|問 109-189
論点| 間質性肺炎の症状と治療


ポイント|
間質性肺炎は、肺胞壁に炎症が起こり、線維化が進行する疾患であり、拘束性換気障害のために肺活量が減少する。
間質性肺炎の原因は様々であり、薬剤性、膠原病に伴うもの、特発性などがある。
間質性肺炎では、乾性咳嗽や呼吸困難などの症状がみられる。
間質性肺炎では、胸部聴診で吸気終末にベルクロラ音が聴取されることがある。
特発性肺線維症の治療薬として、ニンテダニブやピルフェニドンが用いられる。


病態|問 106-190
論点| 膵臓がんの特徴


ポイント|
膵臓がんは、膵管上皮細胞から発生する膵管がんが多い。
膵臓がんは、進行するまで自覚症状が現れにくく、早期発見が難しい。
膵臓がんでは、腫瘍マーカーであるCA19-9が上昇することが多い。
膵臓がんの好発部位は膵頭部である。
膵臓がんでは、インスリン分泌低下により高血糖を起こしやすい。


病態|問 107-190
論点| メニエール病の症状と治療


ポイント|
メニエール病は、内耳のリンパ液の代謝異常が原因で起こる疾患であり、反復性の回転性めまい、耳鳴、難聴、耳閉感をきたす。
メニエール病の治療薬として、抗めまい薬(ジフェニドールなど)、制吐薬(ペルフェナジンなど)、利尿薬(イソソルビドなど)が用いられる。
メニエール病は、ウイルス感染症ではない。
イソソルビドは、内リンパ水腫を軽減することで、めまいを抑制すると考えられている。
ベタヒスチンは、内耳の血流を改善することで、めまいを抑制すると考えられているが、その効果は明確ではない。


病態|問 108-190
論点| 2型糖尿病、脂質異常症の治療薬の選択と併用


ポイント|
患者は2型糖尿病、高血圧、安定狭心症、脂質異常症を合併しており、複数の薬剤を服用している。
HbA1c 7.2% は目標値に達しておらず、血糖コントロールの改善が必要である。
LDLコレステロール値は 148mg/dL と高く、心血管イベントリスクが高い状態である。
メトホルミンは、最大用量まで増量できるため、増量することで血糖コントロールの改善が期待できる。
ピタバスタチンは、最大用量まで増量できるため、増量することでLDLコレステロール値の低下が期待できる。
SU薬であるグリメピリドの追加は、低血糖のリスクを高めるため、高所作業を行う患者には適さない。
アムロジピンの増量は、降圧効果を高める可能性があるが、患者は安定狭心症も合併しているため、安易な増量は避けるべきである。
イコサペント酸エチルは、中性脂肪値を低下させる効果はあるが、LDLコレステロール値を低下させる効果は限定的である。


病態|問 106-191
論点| 漢方薬の効能効果と適用


ポイント|
大建中湯は、腹部膨満感や便秘などの症状に用いられる漢方薬である。インフルエンザ初期には、葛根湯などが用いられる。
麻黄湯は、かぜの初期症状に用いられる漢方薬である。認知症の不穏には、抑肝散などが用いられる。
六君子湯は、胃腸虚弱、食欲不振、消化不良などに用いられる漢方薬である。腹部外科的手術後のイレウス予防には、大建中湯などが用いられる。
芍薬甘草湯は、筋肉の痙攣を緩解する作用があり、こむら返りや腓腹筋の有痛性痙攣などに用いられる。
補中益気湯は、胃腸虚弱、食欲不振、疲労倦怠感などに用いられる漢方薬である。


病態|問 107-191
論点| ライ症候群の特徴


ポイント|
ライ症候群は、インフルエンザや水痘などのウイルス感染症に続発する急性脳症であり、肝臓にも脂肪変性などの障害がみられる。
ライ症候群では、低血糖がみられる。
ライ症候群では、黄疸はみられない。
ライ症候群は、小児においてアスピリンの使用との関連が指摘されているため、小児のインフルエンザや水痘には、アスピリンを使用しない。
プリオン病は、異常型プリオンタンパク質が脳内に蓄積することで起こる神経変性疾患である。


病態|問 108-191
論点| 加齢黄斑変性の病態と治療


ポイント|
加齢黄斑変性は、網膜の中心部である黄斑に障害が起こり、視力低下や視野の中心が歪んで見えるなどの症状をきたす疾患である。
加齢黄斑変性の危険因子として、加齢、喫煙、遺伝などが挙げられる。
加齢黄斑変性は、放置すると失明に至ることもある。
薬物治療の対象となるのは、滲出型である。
薬物治療には、新生血管の形成を抑制するVEGF阻害薬(ラニビズマブなど)が用いられる。


病態|問 109-191
論点| 白内障の病態と治療


ポイント|
白内障は、水晶体が混濁する疾患であり、視力低下や霞み目などの症状をきたす。
白内障は、先天性と後天性(加齢性、外傷性、薬剤性など)に大別される。
白内障の治療は、手術療法が基本であり、点眼薬では混濁を改善することはできない。
白内障の進行を遅らせる目的で、ピレノキシンやグルタチオンなどの点眼薬が用いられることがある。
副腎皮質ステロイド薬の長期投与は、後天性白内障の危険因子となる。


病態|問 106-192
論点| 遺伝子治療の特徴


ポイント|
遺伝子治療は、遺伝子を導入することで、病気の治療や予防を目指す治療法である。
がんや遺伝性疾患などの治療への応用が研究されている。
in vivo遺伝子治療は、遺伝子を直接患者に投与する方法であり、ex vivo遺伝子治療は、患者の細胞を体外に取り出して遺伝子を導入し、再び患者に戻す方法である。
アデノウイルスベクターは、レトロウイルスベクターに比べて遺伝子導入効率が高いという利点がある。
生殖細胞への遺伝子導入は、倫理的な問題があり、現時点では行われていない。


病態|問 107-192
論点| 漢方薬の効能効果と適用


ポイント|
大建中湯は、腹部膨満感や便秘、腹痛などに用いられる漢方薬である。不眠症には、酸棗仁湯などが用いられる。
五苓散は、体内の水分代謝を調整する作用があり、浮腫、二日酔い、尿量減少などに用いられる。
小青竜湯は、アレルギー性鼻炎、気管支喘息、風邪などに用いられる漢方薬である。
補中益気湯は、胃腸虚弱、食欲不振、疲労倦怠感などに用いられる漢方薬である。月経困難には、当帰芍薬散などが用いられる。
抑肝散は、神経症、不眠症、小児の夜泣きなどに用いられる漢方薬である。気管支喘息には、小青竜湯などが用いられる。


病態|問 108-192
論点| アトピー性皮膚炎の病態と治療


ポイント|
アトピー性皮膚炎は、皮膚のバリア機能の低下やアレルギー反応などが原因で起こる慢性的な湿疹・皮膚炎である。
アトピー性皮膚炎の皮膚の苔癬化は、慢性的な掻痒により皮膚が肥厚した状態で、乳児期よりも成人期に顕著にみられる。
アトピー性皮膚炎では、血清総IgE値が上昇することが多い。
アトピー性皮膚炎の治療の基本は、ステロイド外用薬による炎症の抑制とスキンケアである。
タクロリムス軟膏は、ステロイド外用薬で効果不十分な場合に用いられる免疫抑制薬であり、潰瘍やびらんを形成した皮膚部位には使用しない。


病態|問 109-192
論点| 白癬の治療薬の特徴と副作用


ポイント|
白癬は、白癬菌(皮膚糸状菌)による感染症であり、足白癬の原因で最も頻度の高いのは、トリコフィトン・ルブルムである。
足白癬の外用薬による治療は、症状消失後も再発予防のために、数週間継続する必要がある。
爪白癬は、外用薬では治癒が難しいため、内服薬が用いられる。
イトラコナゾールは、azole系抗真菌薬であり、妊婦又は妊娠の可能性のある女性には禁忌である。
テルビナフィンは、allylamine系抗真菌薬であり、副作用として肝機能障害が起こることがある。


病態|問 106-193
論点| 臨床研究における統計手法の選択


ポイント|
2群の比率の差を検討するには、カイ二乗検定が用いられる。Mann-WhitneyのU検定は、2群の中央値の差を検討するノンパラメトリック検定である。
対応のある2群の平均値の差を検討するには、t検定が用いられる。重回帰分析は、複数の説明変数が目的変数に与える影響を検討する分析手法である。
血圧値の低下に対する複数の因子の影響度合いを検討するには、重回帰分析が用いられる。カイ二乗検定は、2つの変数の関連性を検討する検定である。
副作用の有無に対する複数の因子の影響度合いを検討するには、ロジスティック回帰分析が用いられる。
2群の生存率曲線の差を検討するには、ログランク検定が用いられる。


病態|問 107-193
論点| 幹細胞の種類と特徴


ポイント|
ES細胞は、胚盤胞から作製される幹細胞であり、自己複製能と多分化能を持つ。
ES細胞は、胚盤胞に由来するため、多能性獲得のための遺伝子導入は必要ない。
iPS細胞は、体細胞に多能性獲得に必要な遺伝子を導入して作製される。
造血幹細胞は、血液細胞のすべての種類に分化する能力を持つが、他の種類の細胞(神経細胞や筋肉細胞など)には分化できない。
造血幹細胞は、骨髄だけでなく、臍帯血や末梢血にも存在する。


病態|問 108-193
論点| 移植片対宿主病 (GVHD) の特徴


ポイント|
GVHDは、移植されたドナー由来のリンパ球が、レシピエントの組織を攻撃することで起こる免疫反応である。
GVHDの予防には、移植前から免疫抑制薬を投与する。
GVHDは、同種移植で起こる合併症であり、自家移植では起こらない。
GVHDは、移植後数週間から数ヶ月で発症することが多い。
移植する造血幹細胞に放射線照射を行うと、造血幹細胞が死滅してしまうため、GVHDの予防にはならない。


病態|問 109-193
論点| 多発性骨髄腫の病態


ポイント|
多発性骨髄腫は、形質細胞が腫瘍化し、骨髄内で異常増殖する疾患である。
多発性骨髄腫では、腫瘍化した形質細胞からMタンパク質と呼ばれる単クローン性の免疫グロブリンが産生される。
多発性骨髄腫では、Mタンパク質の一部がアミロイドとして臓器や組織に沈着し、臓器障害をきたすことがある。
フィラデルフィア染色体は、慢性骨髄性白血病 (CML) でみられる染色体異常である。
多発性骨髄腫では、脾腫はみられない。


病態|問 107-194
論点| EBMの実践プロセスと内的妥当性の評価


ポイント|
EBM (Evidence-Based Medicine) の実践プロセスは、「臨床上の疑問の明確化」から始まる。
EBMの情報収集は、効率的に行うために、UpToDateなどの二次資料の検索から開始する。
PICOまたはPECOは、臨床上の疑問を明確化し、検索式を作成するために用いられる。
内的妥当性とは、研究結果がバイアスなく、真の結果を反映しているかどうかを示す概念であり、研究デザインや方法などを評価することで、内的妥当性を評価する。
ITT解析は、割りつけられた治療を完遂できなかった患者も含めて解析を行う方法であり、治療効果をより現実的に評価できる。


病態|問 106-195
論点|遺伝学的検査・診断の目的、倫理的配慮、遺伝情報の扱い


ポイント|
遺伝学的検査の結果は、個人情報保護法に基づき、患者の診療情報と同様に適切に管理する必要がある。
遺伝情報は血縁者間で共有されているため、遺伝学的検査・診断を行う際には、患者だけでなく、血縁者への影響も考慮する必要がある。
遺伝学的検査は、出生前診断にも用いられる。
発症前診断は、将来発症する可能性のある遺伝性疾患について、発症前に診断するものであり、発症の有無や治療の必要性とは無関係である。
非発症保因者診断は、遺伝性疾患を発症していないが、その遺伝子変異を持っている人を診断するものであり、将来の発症を予測するものではない。


病態|問 108-195
論点|バイアスと交絡の制御方法


ポイント|
ランダム化は、介入研究における選択バイアスを小さくする効果的な方法である。
非盲検化は、介入研究においてエンドポイント評価時に情報バイアスを大きくする可能性があり、情報バイアスを小さくするためには盲検化が重要である。
マッチングは、観察研究における交絡要因の影響を小さくすることができる。
盲検化は、情報バイアスを抑えるための方法であり、交絡要因を解析できるわけではない。
フォレストプロットはメタアナリシスの結果を表示する際に用いられる図であり、公表バイアスの評価にはファンネルプロットなどが用いられる。


病態|問 109-195
論点| うつ病の症状と治療


ポイント|
うつ病では、「自分は価値がない」「将来に希望がない」といった悲観的な思考や、罪責感、無力感などが強くなり、離婚を切り出すなどの行動につながることもある。これは微小妄想にあたる。
うつ病では、精神活動の低下や意欲の減退がみられるが、意識消失や運動不能を伴う昏迷状態にはならない。
うつ病では、集中力や注意力の低下がみられることはあるが、記憶障害を伴うことは少ない。
うつ病の治療では、薬物療法だけでなく、休養、睡眠、食事などの生活習慣の改善、心理療法なども重要である。
うつ病の薬物療法では、SSRIやSNRIなどの抗うつ薬を単剤で開始する。効果不十分な場合に抗うつ薬を単剤で増量する。または、他の抗うつ薬を追加する。


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参考資料|

厚生労働省ホームページ / 薬剤師国家試験のページ
薬剤師国家試験のページ |厚生労働省 (mhlw.go.jp)

過去の試験問題及び解答|

第109回(令和6年2月17日、2月18日実施)
第108回(令和5年2月18日、2月19日実施)
第107回(令和4年2月19日、2月20日実施)
第106回(令和3年2月20日、2月21日実施)
第105回(令和2年2月22日、23日実施)
第104回(平成31年2月23、2月24日実施)
第103回(平成30年2月24、2月25日実施)
第102回(平成29年2月25、2月26日実施)
第101回(平成28年2月27、2月28日実施)
第100回(平成27年2月28、3月1日実施)
第99回(平成26年3月1、2日実施)
第98回(平成25年3月2、3日実施)
第97回(平成24年3月3、4日実施)

過去の薬剤師国家試験の結果|

第109回(令和6年2月17日、18日実施)[PDF形式:2,589KB][2.6MB]
第108回(令和5年2月18日、19日実施)[PDF形式:471KB][471KB]
第107回(令和4年2月19日、20日実施)[PDF形式:803KB][803KB]
第106回(令和3年2月20日、21日実施)[PDF形式:871KB][871KB]
第105回(令和2年2月22日、23日実施)[PDF形式:371KB][371KB]
第104回(平成31年2月23、2月24日実施)[PDF形式:620KB][620KB]
第103回(平成30年2月24、2月25日実施)[PDF形式:457KB]
第102回(平成29年2月25、2月26日実施)[PDF形式:564KB]
第101回(平成28年2月27、2月28日実施)[PDF形式:796KB]
第100回(平成27年2月28、3月1日実施)[PDF形式:2,005KB]
第99回(平成26年3月1、2日実施)[PDF形式:1,116KB]
第98回(平成25年3月2、3日実施)[PDF形式:634KB]
第97回(平成24年3月3、4日実施)[PDF形式:285KB]

いかがでしたか?前回の4年前の集計と比較して、文章での解説を省略して、グラフだけで見せるアプローチにしてみました。
薬学生の皆さんは、ぜひ、グラフから分析と考察に挑戦してみてください。

今日はこの辺で、
それではまた
お会いしましょう。

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Mats & BLNt

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