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薬剤師国家試験対策ノート|論点解説 薬学理論問題 物理(1)・化学(1) 第106回-第109回 30問 powered by Gemini 1.5 Pro, Google AI Studio & GPT4o, Chat GPT

こんにちは!Mats & BLNtです。

matsunoya_note から、薬剤師国家試験の論点解説をお届けします。
苦手意識がある人も、この機会に、薬学理論問題【物理】・【化学】 を一緒に完全攻略しよう!
今回は、薬学理論問題 物理(1)・化学(1)として、2024年2月に実施された最新の薬剤師国家試験までの4回分、第106回薬剤師国家試験-第109回薬剤師国家試験 薬学理論問題【物理】・【化学】30問の論点解説を powered by Gemini 1.5 Pro, Google AI Studio & GPT4o, Chat GPT との対話を基盤にして一挙公開します。
GPT4o, Chat GPT との対話を基盤にした論点解説と Gemini 1.5 Pro との対話を基盤にした論点解説を両方掲載していますので、追加の情報を得られ、また、両者の回答を比較することも可能です。

一般問題【薬学理論問題】は、解法へのアプローチで分類すると、2つにわけられます。
・選択肢の文章のみから、その記述の正誤を判断する問題
・図表の理解から、正答を選択する問題
今回取り上げた問題は、前者です。
必須問題との違いは、問題によって、選択肢を1つ選ぶ場合2つ選ぶ場合がある事、また、1問の中に論点が複数ある事です。
要するに、必須問題がたくさんあるようなものです。
まず、ここから攻略することで、論点理解を深め、知識の幅を増やして、実力アップに挑戦しましょう。

薬剤師国家試験の勉強法は色々ありますが、薬学理論問題を一通り解いてみて、そこから自分に合った勉強法の傾向と対策を立てることは効率的な方法のひとつです。
Matsunoya品質の論点解説でサクッと学べば、それはそれで、薬剤師国家資格取得に向け走り出すきっかけになると思います。

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薬剤師にしかできない仕事がある。

さあ、はじめよう。

薬剤師国家試験対策ノート|論点解説 薬学理論問題 物理(1)・化学(1) 第106回-第109回 30問 powered by Gemini 1.5 Pro, Google AI Studio & GPT4o, Chat GPT
https://note.com/matsunoya_note/n/n8bfea5ba5e10

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薬剤師国家試験対策ノート|論点解説 薬学理論問題 物理(1)・化学(1) 第106回-第109回 30問 powered by Gemini 1.5 Pro, Google AI Studio & GPT4o, Chat GPT

1. 論点一覧 30問 薬学理論問題【物理】・【化学】

問番号は[試験の回]-[問番号]です。問番号順に並んでいます。
まず、論点を確認しましょう。

💡Tips:
Webブラウザ上でショートカットキー[Ctrl+F]を使ってみよう!
例: 問 107-100の論点、問題、論点解説、解説要約に素早くアクセスするには、107-100を選択してからCtrl+Fを押します。

薬剤師国家試験問題 薬学理論問題【物理】・【化学】第106回 - 第109回

Creator: Yukiho Takizawa, PhD
Tool: Chat GPT powered by GPT4o & Google AI Studio by Gemini 1.5 Pro
Date: 2024/ 06/10

Matsunoya|薬剤師国家試験対策ノート
1. 論点一覧 30問 薬学理論問題【物理】・【化学】

Here; https://note.com/matsunoya_note/n/n8bfea5ba5e10

論点:
■■Gemini 1.5 Pro
⇒ 改変・校正(Yukiho Takizawa, PhD)
論点リスト
問番号 |論点
物理|問106-091|1mol/L水酸化ナトリウム液 / 調製及び標定
物理|問107-091|分子軌道法 / 電子配置
物理|問108-091|放射線/物質 / 相互作用
物理|問109-091|分子間相互作用
物理|問107-092|放射線 / 放射壊変
物理|問108-092|エントロピー / 定義と性質
物理|問109-092|状態関数 / 特性
物理|問107-093|状態関数 / 経路関数
物理|問108-093|酸化還元反応 / 化学電池 / 基本概念
物理|問109-093|類縁物質 / 許容限度値
物理|問106-094|ヒドロコルチゾンコハク酸エステル / 定量法
物理|問108-094|反応速度 / 温度依存性
物理|問109-094|金属水酸化物 / 沈殿生成
物理|問108-095|緩衝液 / 調製
物理|問107-096|分配係数 / 計算
物理|問108-096|混合溶液 / 吸光度計算
物理|問109-096|熱容量 / 理解
物理|問106-097|分子量 / 求める方法
物理|問107-097|ハロゲン化物 / 定性反応
物理|問108-097|液体クロマトグラフィー(LC) / 試験条件
物理|問108-098|定量法 / 電位差滴定法
物理|問107-098|塩化カルシウム水和物 / 定量法
物理|問109-098|ヨードチンキ / 定量法
物理|問107-099|液体クロマトグラフィー / 分離特性
物理|問109-099|光 / 性質 / 現象
物理|問107-100|キャピラリー電気泳動 / 特性と応用
物理|問109-100|ガスクロマトグラフィー / 検出法と応用
化学|問107-105|日本薬局方 / 確認試験
化学|問107-108|日本薬局方 / センナ / 確認試験
化学|問109-109|六君子湯 / 構成生薬 / 薬効


2. 試験問題 30問 薬学理論問題【物理】・【化学】

薬剤師国家試験問題 薬学理論問題【物理】・【化学】第106回 - 第109回

Creator: Yukiho Takizawa, PhD
Tool: Chat GPT powered by GPT4o & Google AI Studio by Gemini 1.5 Pro
Date: 2024/ 06/10

Matsunoya|薬剤師国家試験対策ノート
2. 試験問題 30問 薬学理論問題【物理】・【化学】

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論点を確認し終わったら、問題を解いてみましょう。
薬剤師国家試験の本番では、薬学理論問題は原則1問2.5分以内に解く必要があります。でも、最初はゆっくりで大丈夫です。よく考えることが大切だからです。時間がかかる問題とかからない問題があります。
落ち着いて一通り解いてみましょう。
2. 試験問題の後に、
3. 論点解説、4. 解説要約があります。
わからなかった問題に関して、論点解説を読み、重点的に復習してみましょう。正解だった問題も、時間があったら、解説を確認するとよいです。

薬剤師国家試験問題 薬学理論問題【物理】・【化学】第106回 - 第109回
・正答の選択肢は問題によって異なります。
 1つ選択または2つ選択のどちらかです。


💡豆知識: 物理と化学の薬学理論問題は、模擬試験のように薬剤師国家試験の原本そのままで、タイマー付きで解いてみることをお勧めします。
テキストと図の構成が独特かつ複雑で、一見してとても見づらいからです。
本物に慣れておくことは大事です。
一般問題「薬学理論問題」の完全攻略の第一歩は、何度も読むことで慣れる事です。
読書百遍意自ずから通ず📚

原本は厚生労働省のホームページ 薬剤師国家試験のページ |厚生労働省 (mhlw.go.jp) にあります。
薬学理論問題【物理・化学・生物】は本番の国家試験では第1日目のお昼休憩の後、12:30から始まります。
試験問題の原本(PDF)はこちら 
過去の試験問題及び解答
第106回 000756020.pdf (mhlw.go.jp)
第107回 000915526.pdf (mhlw.go.jp)
第108回 001074629.pdf (mhlw.go.jp)
第109回 001226760.pdf (mhlw.go.jp)

それでは、はじめましょう。


物理|問 106-091
日本薬局方において、1mol/L水酸化ナトリウム液の調製及び標定は以下のように規定されている。この調製及び標定に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
調製:水酸化ナトリウム42gを水950mLに溶かし、これに新たに製した水酸化バリウム八水和物飽和溶液を[1. 沈殿]がもはや生じなくなるまで滴加し、液をよく混ぜて密栓し、24時間放置した後、上澄液を傾斜するか、又はガラスろ過器(G3又はG4)を用いてろ過し、次の標定を行う。
標定
[ア]をデシケーター(減圧、シリカゲル)で約48時間乾燥し、その約1.5gを[イ]に量り、新たに煮沸して冷却した水25mLに溶かし、[2. 調製した水酸化ナトリウム液で滴定し]、ファクターを計算する(指示薬法:ブロモチモールブルー試液2滴、又は電位差滴定法)。ただし、指示薬法の滴定の終点は緑色を呈するときとする。
■選択肢

  1. [1. 沈殿]で生じる沈殿は、硫酸バリウムである。

  2. [ア]に入るのは、「アミド硫酸」である。

  3. [イ]に入るのは、「正確」である。

  4. [2. 調製した水酸化ナトリウム液で滴定し]の操作にはメスピペットが用いられる。

  5. 通例、ファクターが0.970~1.030の範囲にあるように調製する。


物理|問 107-091
分子軌道法に基づく基底状態の分子の電子配置に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 電子は特定の原子に属さず、分子全体に広がっている。

  2. 電子は一つの軌道に何個でも入ることができる。

  3. 一つの軌道に同じ向きのスピンをもつ電子が複数入ることができる。

  4. 電子はエネルギーの高い軌道から優先的に入ることがある。

  5. 結合次数は、(結合性軌道の電子数-反結合性軌道の電子数)/2で与えられる。


物理|問 108-091
放射線と物質の相互作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 放射線は粒子放射線と電磁波放射線とに分類される。

  2. α線は物質を通過するときに物質中の原子と相互作用し、飛跡がジグザグ状になる。

  3. β-線の透過放射線量は、吸収体の厚さに対して直線的に減少する。

  4. 電離作用の強さは、α線<β-線<γ線の順である。

  5. γ線は物質と相互作用するとき、光電効果、コンプトン効果又は電子対生成によりエネルギーを失う。


物理|問 109-091
分子間相互作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. クーロン力は電荷間距離の2乗に反比例する。

  2. 分散力は分子間にはたらく反発力である。

  3. 水中における界面活性剤のミセル形成はイオン結合による。

  4. 疎水性相互作用は水溶液中のタンパク質の高次構造の形成及び安定化に寄与している。

  5. 核酸塩基対は配位結合により形成される。


物理|問 107-092
放射線及び放射壊変に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 放射壊変には0次反応速度式に従う過程と、1次反応速度式に従う過程の2通りがある。

  2. 放射能のSI組立単位はベクレル(Bq)であり、その定義は1秒あたりに壊変する原子核数である。

  3. β-壊変では、生成する電子とニュートリノにエネルギーが分配されるため、電子のもつエネルギーは連続的な分布を示す。

  4. X線とγ線は電磁波であり、波長で区別されている。

  5. γ転移により放射されるγ線のエネルギーは、壊変する原子核種によらず一定である。


物理|問 108-092
エントロピーに関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
■選択肢

  1. エントロピー変化ΔSは、可逆的に出入りする熱をqrev、そのときの温度をTとすると、ΔS=qrev/Tで与えられる。

  2. エントロピーの最小値は熱力学第3法則によってゼロと定められる。

  3. 系と外界(周囲)のエントロピー変化の和が正になる方向に、すべての変化は進行する。

  4. エントロピーは系の乱雑さを定量的に表す熱力学量である。

  5. 外界(周囲)のエントロピー変化を温度で割った熱力学量が、系のギブズエネルギー変化である。


物理|問 109-092
状態関数に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 状態関数の変化量は系の変化の経路に依存する。

  2. 示量性状態関数においては加成性が成立する。

  3. 示強性状態関数は物質量に依存する。

  4. 体積は示量性状態関数である。

  5. エントロピーは示強性状態関数である。


物理|問 107-093
状態関数と経路関数に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 熱と仕事は経路関数である。

  2. 温度は示量性の状態関数である。

  3. エンタルピーは示強性の状態関数である。

  4. 熱力学第一法則より、内部エネルギーは経路関数であることがわかる。

  5. 状態関数の変化量は、可逆過程でも不可逆過程でも等しい。


物理|問 108-093
酸化還元反応と化学電池に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 酸化還元反応において、電子を受け取るのは還元剤である。

  2. コハク酸(C4H6O4)+FAD→フマル酸(C4H4O4)+FADH2の反応において、コハク酸は酸化剤である。

  3. 進行中の酸化還元反応の起電力は、Henderson‒Hasselbalchの式で表すことができる。

  4. 電解質の濃度のみが異なる2つの半電池からなる化学電池(濃淡電池)の標準起電力は0Vである。

  5. 反応が自発的に進行している化学電池では、カソード(正極)で還元反応が起こる。


物理|問 109-093
次の記述は、日本薬局方メフェナム酸の純度試験中の類縁物質に関するものである。
本品0.10gをクロロホルム/メタノール混液(3:1)5mLに溶かし、試料溶液とする。この液1mLを正確に量り、クロロホルム/メタノール混液(3:1)を加えて正確に200mLとする。この液10mLを正確に量り、クロロホルム/メタノール混液(3:1)を加えて正確に50mLとし、標準溶液とする。これらの液につき、薄層クロマトグラフィー(薄層板に蛍光剤を含む)により試験を行う。試料溶液及び標準溶液25μLずつを薄層板にスポットし、展開後風乾した薄層板に紫外線(主波長254nm)を照射するとき、試料溶液から得た主スポット以外のスポットは、標準溶液から得たスポットより濃くない。
類縁物質の混入が許容される限度値はどれか。1つ選べ。
■選択肢

  1. 0.1%

  2. 0.2%

  3. 1.0%

  4. 2.0%

  5. 2.5%


物理|問 106-094
日本薬局方において、ヒドロコルチゾンコハク酸エステルの定量法は以下のように規定されている(一部省略)。この定量法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
定量法:本品及びヒドロコルチゾンコハク酸エステル標準品を乾燥し、その[1. 約50 mgずつを精密に]量り、それぞれをメタノールに溶かし、正確に50mLとする。この液5mLずつを正確に量り、それぞれに内標準溶液5mLを正確に加えた後、メタノールを加えて50mLとし、試料溶液及び標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液10μLにつき、次の条件で液体クロマトグラフィーにより試験を行い、内標準物質のピーク面積に対するヒドロコルチゾンコハク酸エステルのピーク面積の比QT及びQSを求める。
ヒドロコルチゾンコハク酸エステル(C25H34O8)の量(mg)= [ア]
MS:ヒドロコルチゾンコハク酸エステル標準品の秤取量(mg)
内標準溶液:パラオキシ安息香酸ブチルのメタノール溶液(1→2500)
試験条件
[2. 検出器:紫外吸光光度計(測定波長:254nm)]
カラム: 内径4mm、長さ30cmのステンレス管に10μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充塡する。
カラム温度:25℃付近の一定温度
[3. 移動相:pH4.0の酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液/アセトニトリル混液(3:2)]
流量: ヒドロコルチゾンコハク酸エステルの保持時間が約5分になるように調整する。
システム適合性:システムの性能: 標準溶液10μLにつき、上記の条件で操作するとき、ヒドロコルチゾンコハク酸エステル、内標準物質の順に溶出し、その[イ]は9以上である。
システムの再現性:略
■選択肢

  1. [1. 約50 mgずつを精密に]のように「約」を付けたものは、記載された量の±3%の範囲を意味する。

  2. [ア]に入るのは、MS×QT/QSである。

  3. [2. 検出器:紫外吸光光度計(測定波長:254nm)]の検出に用いる光源は、タングステンランプである。

  4. [3. 移動相:pH4.0の酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液/アセトニトリル混液(3:2)]の移動相中のアセトニトリルの割合を増やすと、ヒドロコルチゾンコハク酸エステルの保持時間は短くなる。

  5. [イ]に入るのは、「理論段数」である。


物理|問 108-094
反応速度の温度依存性に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. アレニウス式は、温度と平衡定数の関係を表している。

  2. 0次反応にはアレニウス式は適用できない。

  3. アレニウス式に従う反応の場合、アレニウスプロットでは右上がりの直線が得られる。

  4. 2つの反応のアレニウスプロットの傾きが等しい場合、その2つの反応の活性化エネルギーは等しい。

  5. アレニウスプロットの傾きの絶対値が大きい反応ほど、反応速度に与える温度の影響が大きい。


物理|問 109-094
ある2価の金属イオンM2+の0.01mol/L水溶液のpHを上げていくと難溶性塩M(OH)2が沈殿する。この沈殿が生成し始めるpHに最も近い値はどれか。1つ選べ。
ただし、M(OH)2の溶解度積Ksp=2.0×10^(-20)(mol/L)^3、水のイオン積Kw=[H+][OH-]=1.0×10^(-14)(mol/L)^2、log 2 =0.30とし、ヒドロキソ錯体の生成などの副反応は起こらず、水溶液の温度と体積は変化しないものとする。
■選択肢

  1. 3

  2. 5

  3. 7

  4. 9

  5. 11


物理|問 108-095
0.20mol/L塩化アンモニウム水溶液100mLを用いてアンモニア・塩化アンモニウム緩衝液(pH 9.0)を調製したい。この塩化アンモニウム水溶液に加える0.18 mol/L アンモニア水溶液の液量に最も近い値はどれか。1つ選べ。
ただし、アンモニアのpKb=4.7、水のイオン積[H+][OH-]=1.0×10^(-14)(mol/L)^2、10^(0.3)=2 とし、混合により各水溶液の体積は変化しないものとする。
■選択肢

  1. 15mL

  2. 35mL

  3. 55mL

  4. 75mL

  5. 95mL


物理|問 107-096
分配係数は、薬物の脂溶性の指標として用いられる。ある1価の弱酸HA(pKa5.3)がpH5.0の緩衝液中に溶解している。この緩衝液200mLに水と混ざり合わない有機溶媒100mLを加えてHAを1回抽出したところ、抽出率は75%であった。この弱酸HAの分配係数KD(有機溶媒中の分子形の濃度/緩衝液中の分子形の濃度)に最も近い値はどれか。1つ選べ。
ただし、温度は一定で、混合により有機溶媒と緩衝液の体積に変化はなく、イオン形(解離形)は有機層に移行しないものとする。また、100.3=2とする。
■選択肢

  1. 4

  2. 5

  3. 6

  4. 7

  5. 9


物理|問 108-096
紫外可視吸光度測定法を用いて、単一の波長により、ある化合物の濃度の異なる2種類の水溶液の透過率を測定したところ、水溶液Iの透過率は50%、水溶液IIの透過率は20%であった。水溶液IとIIを等量ずつ混合した水溶液の吸光度に最も近い値はどれか。1つ選べ。
ただし、log2=0.3、用いたセルの層長は1cmとする。
■選択肢

  1. 0.3

  2. 0.5

  3. 0.7

  4. 1

  5. 1.5


物理|問 109-096
熱容量に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
ただし、Vは体積、pは圧力、Tは絶対温度、Hはエンタルピー、Rは気体定数、Cvは定容熱容量、Cv,mは定容モル熱容量、Cp,mは定圧モル熱容量である。
■選択肢

  1. モル熱容量は1molの物質の温度を1K上昇させるのに必要な熱である。

  2. 熱容量の単位はJ・Kである。

  3. Cvは、Cv= dH/dTにより求められる。

  4. 理想気体では、Cv,m<Cp,mである。

  5. 理想気体のCv,mは、1/2*Rである。


物理|問 106-097
分子量を求める方法に関する次の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
ただし、気体定数は8.314J・K^(-1)・mol^(-1)とし、水溶液の比重は1と近似できるものとする。
分子量は凝固点降下を利用して知ることができる。例えば、1.0%グルコース(分子量180)水溶液の凝固点降下は、水のモル凝固点降下定数を1.86K・kg・mol^(-1)とすると約[ア]Kとなる。一方、1.0%タンパク質(分子量18,000)水溶液の凝固点降下は約[イ]Kとなり、測定が難しい。そこで、同じく溶液の[ウ]性質の一つである浸透圧を上記のタンパク質溶液について測定すると、300Kにおいて、約[エ]Paとなり、タンパク質のような大きな分子の分子量も浸透圧から見積もることができる。
■選択肢

  1. [ア]にあてはまる数値は、1.0である。

  2. [イ]にあてはまる数値は、0.001である。

  3. [ウ]にあてはまるのは、「均一的」である。

  4. [ウ]の性質の一つに、蒸気圧降下がある。

  5. [エ]にあてはまる数値は、140である。


物理|問 107-097
日本薬局方に記載されているハロゲン化物の定性反応A~Dに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
定性反応
A|本品の溶液に[ア]試液を加えるとき、淡黄色の沈殿を生じる。沈殿を分取し、この一部に希硝酸を加えても溶けない。また、他の一部にアンモニア水(28)を加えて振り混ぜた後、分離した液に希硝酸を加えて酸性にすると[イ. 白濁]する。
B|本品の溶液に[ア]試液を加えるとき、[ウ. 沈殿]を生じる。この一部に希硝酸を、また、他の一部にアンモニア水(28)を追加してもいずれも沈殿は溶けない。
C|本品の溶液に[ア]試液を加えるとき、白色の沈殿を生じる。沈殿を分取し、この一部に希硝酸を加えても溶けない。また、他の一部に[エ. 過量のアンモニア試液を加えるとき、溶ける。]
D|本品の溶液に塩素試液を加えるとき、黄褐色を呈する。これを二分し、この一部にクロロホルムを追加して振り混ぜるとき、クロロホルム層は黄褐色~赤褐色を呈する。また、他の一部にフェノールを追加するとき、[オ. 白色の沈殿を生じる。]
■選択肢

  1. アに入る化合物は、塩化銀である。

  2. 下線部イの白濁は臭化銀の生成による。

  3. 下線部ウの沈殿は黒紫色を呈する。

  4. 下線部エでは銀イオンが水酸化物イオンと錯イオンを形成する。

  5. 下線部オの白色の沈殿は2,4,6-トリブロモフェノールである。


物理|問 108-097
純度試験に用いた液体クロマトグラフィー(LC)に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
次の記述は、日本薬局方L-アラニン(C3H7NO2:89.09)の純度試験(一部要約)である。
純度試験|試料溶液及び標準溶液20μLずつを正確にとり、次の条件で液体クロマトグラフィーにより試験を行う。試料溶液及び標準溶液から得たピーク高さから試料溶液1mLに含まれるアラニン以外のアミノ酸の質量を求め、その質量百分率を算出するとき、アラニン以外の各アミノ酸の量は0.1%以下である。
試験条件
検出器:可視吸光光度計(測定波長:570nm)|
カラム: 内径4.6mm、長さ8cmのステンレス管に3nmのポリスチレンにスルホン酸基を結合した液体クロマトグラフィー用強酸性イオン交換樹脂(Na型)を充塡する。|~(中略)~
移動相:移動相AからEの順に切り換える。
反応試薬:ニンヒドリンを含む溶液|~(以下略)~
■選択肢

  1. 一般に、この検出器の光源にはタングステンランプが用いられる。

  2. 固定相は陰イオン交換体である。

  3. 移動相はAからEの順に、pHが大きくなる。

  4. このLCは、プレカラム誘導体化法である。

  5. アラニンとプロリンは同じ呈色物質を生成する。


物理|問 108-098
定量法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
次の記述は、日本薬局方L-アラニン(C3H7NO2:89.09)の定量法である。
定量法|本品を乾燥し、その約90mgを精密に量り、ギ酸3mLに溶かし、酢酸(100)50mLを加え、0.1mol/L過塩素酸で滴定する(電位差滴定法)。同様の方法で空試験を行い、補正する。
0.1 mol/L 過塩素酸1mL=[ア]mg C3H7NO2
■選択肢

  1. 試料95.67mgを量り取った場合、「約90mg」を量り取ったことにならない。

  2. L-アラニンはアセチル化された後、過塩素酸と反応する。

  3. この電位差滴定法では、指示電極にガラス電極を用いる。

  4. 本試験より空試験の方が、0.1mol/L過塩素酸の滴加量は少ない。

  5. [ア]に入る数値は4.455である。


物理|問 107-098
日本薬局方塩化カルシウム水和物(CaCl2・2H2O:147.01)の定量法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
本品約0.4gを精密に量り、水に溶かし、正確に200mLとする。この液20mLを正確に量り、水40mL及び8mol/L[ア]2mLを加え、更にNN指示薬0.1 g を加えた後、直ちに[イ. 0.02mol/Lエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム液]で滴定する。ただし、滴定の終点は液の赤紫色が青色に変わるときとする。
0.02 mol/L エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム液1mL=[ウ]mgCaCl2・2H2O
■選択肢

  1. [ア]に入れるべき溶液は、「アンモニア・塩化アンモニウム緩衝液」である。

  2. 下線部[イ]の溶液は遮光のガラス瓶に保存する。

  3. [ウ]に入れるべき数値は、2.220である。

  4. Ca2+ とエチレンジアミン四酢酸との反応で生じたキレートの錯生成定数は、Ca2+ とNN指示薬との反応で生じたキレートの錯生成定数より大きい。

  5. 本定量法では、試料溶液中にMg2+が共存していても、塩化カルシウム水和物を定量することができる。


物理|問 109-098
日本薬局方ヨードチンキの定量に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
(1)ヨウ素 本品5mLを正確に量り、[ア. ヨウ化カリウム]0.5g、水20mL及び希塩酸1mLを加え、0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム液で滴定する(指示薬:[イ. デンプン試液]2mL)。
0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム液1mL=12.69mg
(2)ヨウ化カリウム 本品5mLを正確に量り、ヨウ素瓶に入れ、水20mL、塩酸50mL及びクロロホルム5mLを加えて室温に冷却し、[ウ. クロロホルム層の赤紫色]が消えるまで激しく振り混ぜながら、0.05mol/Lヨウ素酸カリウム液で滴定する。クロロホルム層の色が消えた後、5分間放置して再び着色するときは更に滴定を続ける。ここに得た0.05mol/Lヨウ素酸カリウム液の消費量amLと(1)の滴定に要した0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム液の消費量[エ. bmL]から次の式によってヨウ化カリウム(KI)の量(mg)を求める。
ヨウ化カリウム(KI)の量(mg)=16.60×[オ]
■選択肢

  1. 下線部[ア]の物質を加えるのは、ヨウ素とチオ硫酸ナトリウムの反応を促進させるためである。

  2. 下線部[イ]の溶液は滴定直前に被滴定液に添加する。

  3. 下線部[ウ]はヨウ素の色である。

  4. 本品5mLを量り、上記に従い、0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム液(ファクター1.000)で滴定したとき、下線部[エ]が23.60mLとすると、ヨウ素(I)の含量は6.0w/v%である。

  5. 空欄[オ]に入れるべき式は(a-b)である。ただし、(2)の反応は次のとおりである。
    2I2+KIO3+6HCl→5ICl+KCl+3H2O
    2KI +KIO3+6HCl→3ICl+3KCl+3H2O


物理|問 107-099
固定相としてオクタデシルシリル(ODS)化シリカゲル、移動相としてアセトニトリルと水の混合液を用いて、ベンゼン、トルエン及びエチルベンゼンの分離を液体クロマトグラフィーにより行った。この分離に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
■選択肢

  1. エチルベンゼン、トルエン、ベンゼンの順で溶出する。

  2. 理論段高さの値が小さいカラムに変更することにより、各成分間の分離度が向上する。

  3. 移動相の流速と各成分間の分離係数は比例する。

  4. 移動相中のアセトニトリルの割合を大きくすることにより、各成分間の分離度が向上する。

  5. 固定相にシリカゲル、移動相にn-ヘキサン-アセトン混液を用いても、溶出順は変わらない。


物理|問 109-099
光の性質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 光が臨界角より小さい入射角で入射すると、すべての光は境界面で全反射する。

  2. ある媒質から真空中に入射する光の屈折率を絶対屈折率という。

  3. 自然光を偏光板に通すと、特定の方向に振動面をもつ楕円偏光を取り出せる。

  4. 光が物質に当たったときに四方八方へ進行方向が散らばる現象を散乱という。

  5. 2つの光は位相が一致すると干渉して強め合う。


物理|問 107-100
キャピラリー電気泳動は、微量の試料の分析に極めて有用であり、臨床検査における血清タンパク質の分析にも用いられている。溶融シリカ毛細管を用いたキャピラリー電気泳動に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. pH7の緩衝液を用いると、電気浸透流は陰極から陽極の方向に向かう。

  2. キャピラリーゾーン電気泳動ではpH7の緩衝液を用いると、陽イオン性物質と中性物質は同時に泳動される。

  3. キャピラリーゲル電気泳動でタンパク質を分離すると、分子サイズの大きい順に検出される。

  4. キャピラリー等電点電気泳動では、緩衝液に両性電解質(ポリアミノカルボン酸など)を溶解して分離を行う。

  5. ミセル動電クロマトグラフィーでは、中性物質の相互分離が可能である。


物理|問 109-100
ガスクロマトグラフィーに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 電子捕獲検出器は、主にC-H結合を有する有機化合物の検出に用いられる。

  2. 定量には内標準法が用いられるが、絶対検量線法は用いられない。

  3. 難揮発性物質の誘導体化の1つにトリメチルシリル化がある。

  4. カラム恒温槽の温度をある温度から一定速度で上昇させると、上昇させない場合と比較して分離時間が長くなる。

  5. 電子イオン化及び化学イオン化はガスクロマトグラフィー/質量分析法のイオン化法に用いられる。


化学|問 107-105
日本薬局方に収載されている次の確認試験に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。「本品1mLにヨウ素試液2mL及びA試液2mLを加えて振り混ぜるとき、淡黄色の沈殿を生じる。」
■選択肢

  1. ヨウ素は求電子剤として働く。

  2. イソプロパノールはこの確認試験で陽性となる。

  3. 化合物の構造に含まれるホルミル基の検出に用いられる。

  4. Aは水酸化ナトリウムである。

  5. 淡黄色の沈殿はヨードホルムである。


化学|問 107-108
日本薬局方収載センナに関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
■選択肢

  1. マメ科植物CassiA angustifoliA VahlまたはCassiA aCutifoliA Delile の小葉を基原とする生薬である。

  2. 確認試験としてマグネシウム-塩酸反応が用いられる。

  3. 純度試験として残留農薬(総BHC及び総DDT)の量が規定されている。

  4. 瀉下作用を示す活性本体は、腸内細菌により生成したアントロン類である。

  5. 妊婦や妊娠している可能性のある女性に使用する場合には流早産の危険性があるため注意を要する。


化学|問 109-109
28歳女性。日頃からストレスによる疲労感やイライラを強く感じていて、最近になって胃痛や嘔吐、食欲不振に悩まされるようになった。今回、一般用医薬品を希望して来局したため、症状から六君子湯(ハンゲ、チンピ、ニンジン、ビャクジュツ又はソウジュツ、ショウキョウ、カンゾウ、タイソウ、ブクリョウから構成される)を薦めた。
これらの症状に対して六君子湯が有効と考えた主たる根拠として誤っているのはどれか。1つ選べ。
■選択肢

  1. ハンゲには嘔吐を改善するはたらきがある。

  2. チンピには胃の調子を改善するはたらきがある。

  3. ニンジンには疲労感を改善するはたらきがある。

  4. ビャクジュツ又はソウジュツにはイライラを改善するはたらきがある。

  5. ショウキョウには食欲不振を改善するはたらきがある。


😊 お疲れ様でした。次は、論点解説です。
がんばろう!絶対、完全攻略できます。

3. 論点解説 30問 薬学理論問題【物理】・【化学】

薬剤師国家試験問題 薬学理論問題【物理】・【化学】第106回 - 第109回

Creator: Yukiho Takizawa, PhD
Tool: Chat GPT powered by GPT4o & Google AI Studio by Gemini 1.5 Pro
Date: 2024/ 06/10

Matsunoya|薬剤師国家試験対策ノート
3. 論点解説 30問 薬学理論問題【物理】・【化学】

Here; https://note.com/matsunoya_note/n/n8bfea5ba5e10

Matsunoya|薬剤師国家試験対策ノート


物理|問 106-091 ■正答| 2 5
日本薬局方において、1mol/L水酸化ナトリウム液の調製及び標定は以下のように規定されている。この調製及び標定に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
調製:水酸化ナトリウム42gを水950mLに溶かし、これに新たに製した水酸化バリウム八水和物飽和溶液を [1. 沈殿]がもはや生じなくなるまで滴加し、液をよく混ぜて密栓し、24時間放置した後、上澄液を傾斜するか、又はガラスろ過器(G3又はG4)を用いてろ過し、次の標定を行う。
標定
アをデシケーター(減圧、シリカゲル)で約48時間乾燥し、その約1.5gを[イ]に量り、新たに煮沸して冷却した水25mLに溶かし、 [2. 調製した水酸化ナトリウム液で滴定し]、ファクターを計算する(指示薬法:ブロモチモールブルー試液2滴、又は電位差滴定法)。ただし、指示薬法の滴定の終点は緑色を呈するときとする。
■選択肢

  1. [1. 沈殿]で生じる沈殿は、硫酸バリウムである。

  2. [ア]に入るのは、「アミド硫酸」である。

  3. [イ]に入るのは、「正確」である。

  4. [2. 調製した水酸化ナトリウム液で滴定し]の操作にはメスピペットが用いられる。

  5. 通例、ファクターが0.970~1.030の範囲にあるように調製する。


物理|問 106-091


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|1 mol/L 水酸化ナトリウム液の調製と標定
この問題の論点は、日本薬局方における 1 mol/L 水酸化ナトリウム液の調製と標定の手順と根拠を理解し、正しい記述を特定することです。
■解説1|
[ア]に入るのは、「アミド硫酸」である。(選択肢2) [正しい]
日本薬局方では、1 mol/L 水酸化ナトリウム液の標定に、標準試薬としてアミド硫酸(硫酸水素アンモニウム、HOSO2NH2)を使用することが明記されています。
通例、ファクターが0.970~1.030の範囲にあるように調製する。(選択肢5) [正しい]
容量分析用標準液は、その力価を正確に求めるために標定を行います。ファクターはこの標定によって求められる補正係数であり、日本薬局方では、容量分析用標準液のファクターは0.970~1.030の範囲にあるように調製することが求められています。
■解説2|
水酸化ナトリウムは潮解性があり、空気中の二酸化炭素を吸収するため、正確な濃度の溶液を調製することができません。そのため、おおよその濃度の溶液を調製した後、標定によって正確な濃度を決定します。
アミド硫酸は純度が高く安定なため、標準試薬として適しています。標定は、正確に秤量したアミド硫酸を水に溶解し、調製した水酸化ナトリウム溶液で滴定することで行います。
ファクターは、標準試薬の質量と消費した水酸化ナトリウム溶液の体積から計算されます。ファクターが規定の範囲内であれば、その水酸化ナトリウム溶液は 1 mol/L 水酸化ナトリウム液として使用できます。
■結論|
正しい選択肢は 2 と 5 です。
■補足|
[1. 沈殿]で生じる沈殿は、硫酸バリウムである。(選択肢1) [誤り]
水酸化ナトリウムの調製過程で生じる沈殿は、水酸化ナトリウムに含まれる炭酸イオンと水酸化バリウムが反応して生じる炭酸バリウム(BaCO3)です。
[イ]に入るのは、「正確」である。(選択肢3) [誤り]
標準試薬を「正確」に量るという表現は適切ではありません。標準試薬は正確な濃度を決定するために「精密」に秤量する必要があります。
[2. 調製した水酸化ナトリウム液で滴定し]の操作にはメスピペットが用いられる。(選択肢4) [誤り]
滴定操作には、一般的にビュレットが用いられます。ビュレットは、滴下量を正確に測定できる目盛りが付いたガラス器具であり、滴定に適しています。メスピペットは、主に一定体積の液体を正確に量り取るために使用されます。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点|1 mol/L水酸化ナトリウム液の調製及び標定
この問題の論点は、1 mol/L水酸化ナトリウム液の調製及び標定に関する手順とその詳細を特定することです。
■解説1|
[ア]に入るのは、「アミド硫酸」である。(選択肢2) [正しい]
日本薬局方では、1 mol/L水酸化ナトリウム液の標定にアミド硫酸(硫酸水素アンモニウム、HOSO2NH2)が使用されることが明示されています。
アミド硫酸を用いてファクターを計算することが求められています。
通例、ファクターが0.970~1.030の範囲にあるように調製する。(選択肢5) [正しい]
日本薬局方の規定によると、容量分析用標準液のファクターは0.970~1.030の範囲にあるように調製される必要があります。ファクターの範囲は標準液の正確な濃度を表す重要な指標であり、規定の範囲内に収めることが求められます。
■解説2|
標定に使用されるアミド硫酸は、約48時間デシケーターで乾燥させた後、精密に量り取られます。この操作により、標準試薬の精密な質量が確保され、標準液の精密な濃度を求めることが可能です。
ファクターは標準液の実際の濃度を示す補正係数であり、0.970~1.030の範囲内でなければならないとされています。この範囲を超えると、標準液としての信頼性が低下し、分析結果の精度に影響を与えます。
■結論|
正しい選択肢は、2と5です。
■補足|
[1. 沈殿]で生じる沈殿は、硫酸バリウムである。(選択肢1) [誤り]
沈殿として生成されるのは炭酸バリウムであり、硫酸バリウムではありません。
[イ]に入るのは、「正確」である。(選択肢3) [誤り]
「正確」ではなく、「精密」が正しい表現です。標準試薬の質量を精密に量る必要があります。
[2. 調製した水酸化ナトリウム液で滴定し]の操作にはメスピペットが用いられる。(選択肢4) [誤り]
滴定には一般的にビュレットが使用されます。メスピペットは液体の移動や定量には適していますが、滴定操作には通常使用されません。


■■Copilot powered by GPT4
■参考|
以下に、日本薬局方の通則に準拠した標準操作手順を示します。
操作手順
秤量する質量の範囲を確認します。この例では、[ ]gから[ ]gの範囲で量ります。
「精密に量る」操作を行う場合:
例:約1.5gを精密に量る
「約」が付いているため、1.5gの±10%の範囲、つまり1.35gから1.65gの範囲で量ります。
「精密に量る」ため、最小位を考慮し、0.1 mgまで量ります。
例としては、1.5103gという秤量値が得られます。1.3500gから1.6500gまでの秤量値が許容されます。
「正確に量る」操作を行う場合:
例:1.5gを正確に量る
「約」が付いていないため、指示された数値の質量をその桁数まで量ります。この場合、1.5gを正確に量ります。
例としては、1.5103gという秤量値が得られます。四捨五入して1.5gの秤量値が得られる1.45gから1.54gまでの秤量値が許容されます。
量った試料を適切な容器に移します。
試料が「乾燥し」と記載されている場合、その医薬品各条の乾燥減量の項と同じ条件で乾燥します。
引用元:第18改正日本薬局方 通則
24. 質量を「精密に量る」とは,量るべき最小位を考慮し,0.1 mg,10 μg,1 μg又は0.1 μgまで量ることを意味し,また,質量を「正確に量る」とは,指示された数値の質量をその桁数まで量ることを意味する.
39. 定量に供する試料の採取量に「約」を付けたものは,記載された量の±10%の範囲をいう.また,試料について単に「乾燥し」とあるのは,その医薬品各条の乾燥減量の項と同じ条件で乾燥することを示す.


物理|問 107-091 ■正答| 1 5
分子軌道法に基づく基底状態の分子の電子配置に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 電子は特定の原子に属さず、分子全体に広がっている。

  2. 電子は一つの軌道に何個でも入ることができる。

  3. 一つの軌道に同じ向きのスピンをもつ電子が複数入ることができる。

  4. 電子はエネルギーの高い軌道から優先的に入ることがある。

  5. 結合次数は、(結合性軌道の電子数-反結合性軌道の電子数)/2で与えられる。


物理|問 107-091


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|分子軌道法に基づく基底状態の分子の電子配置
この問題の論点は、分子軌道法における電子の振る舞いと、それが分子の電子配置や結合次数にどのように影響するかを理解することです。
■解説1|
電子は特定の原子に属さず、分子全体に広がっている。(選択肢1) [正しい]
分子軌道法では、分子中の電子は特定の原子に束縛されず、分子全体に広がった分子軌道に属すると考えます。
結合次数は、(結合性軌道の電子数-反結合性軌道の電子数)/2で与えられる。(選択肢5) [正しい]
結合次数は、分子における結合の強さを表す指標であり、結合性軌道と反結合性軌道の電子数の差から計算されます。
■解説2|
分子軌道法では、原子軌道が相互作用して結合性軌道と反結合性軌道を形成します。結合性軌道は原子核間の電子密度が高く、安定な状態です。一方、反結合性軌道は原子核間の電子密度が低く、不安定な状態です。
電子はエネルギー準位の低い軌道から順番に占有していきます。結合性軌道に電子が入ると結合が強くなり、反結合性軌道に電子が入ると結合が弱くなります。
■結論|
正しい選択肢は、1 と 5 です。
■補足|
電子は一つの軌道に何個でも入ることができる。(選択肢2) [誤り]
一つの軌道には、パウリの排他律に従い、スピンの異なる電子が最大2個まで入ることができます。
一つの軌道に同じ向きのスピンをもつ電子が複数入ることができる。(選択肢3) [誤り]
同じ軌道に入る電子は、スピン量子数が異なる必要があります。
電子はエネルギーの高い軌道から優先的に入ることがある。(選択肢4) [誤り]
電子はエネルギー準位の低い軌道から優先的に占有します。ただし、エネルギー差が小さく、軌道の縮退などがある場合には、エネルギーの高い軌道に電子が入ることもあります。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点|分子軌道法に基づく電子配置
この問題の論点は、分子軌道法による基底状態の分子の電子配置に関する正しい記述を特定することです。
■解説1|
電子は特定の原子に属さず、分子全体に広がっている。(選択肢1) [正しい]
分子軌道法では、電子は分子全体に広がる軌道に配置されます。これは、電子が特定の原子に限定されず、分子全体で共有されることを意味します。
結合次数は、(結合性軌道の電子数-反結合性軌道の電子数)/2で与えられる。(選択肢5) [正しい]
結合次数は分子内の結合の強さを示す指標であり、結合性軌道に存在する電子数と反結合性軌道に存在する電子数の差を基に計算されます。
■解説2|
分子軌道法は、個々の原子軌道が重なり合って分子全体をカバーする分子軌道を形成することを説明します。これにより、電子は個々の原子に閉じ込められるのではなく、分子全体に広がります。
結合次数は化学結合の安定性を定量化するために使用されます。結合性軌道に電子が多いほど結合は強く、反結合性軌道に電子が多いほど結合は弱くなります。
■結論|
選択肢1と選択肢5は分子軌道法に基づく基底状態の分子の電子配置に関する正しい記述です。
■補足|
電子は一つの軌道に何個でも入ることができる。(選択肢2) [誤り]
パウリの排他原理により、一つの軌道にはスピンの異なる2個の電子しか入ることができません。
一つの軌道に同じ向きのスピンをもつ電子が複数入ることができる。(選択肢3) [誤り]
パウリの排他原理により、同じ向きのスピンを持つ電子が同じ軌道に入ることはできません。
電子はエネルギーの高い軌道から優先的に入ることがある。(選択肢4) [誤り]
アウフバウ原理により、電子はまずエネルギーの低い軌道から順に配置されます。


物理|問 108-091 ■正答| 1 5
放射線と物質の相互作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 放射線は粒子放射線と電磁波放射線とに分類される。

  2. α線は物質を通過するときに物質中の原子と相互作用し、飛跡がジグザグ状になる。

  3. β-線の透過放射線量は、吸収体の厚さに対して直線的に減少する。

  4. 電離作用の強さは、α線<β-線<γ線の順である。

  5. γ線は物質と相互作用するとき、光電効果、コンプトン効果又は電子対生成によりエネルギーを失う。


物理|問 108-091


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|放射線と物質の相互作用
この問題の論点は、α線、β線、γ線などの放射線が物質とどのように相互作用するか、その特徴を理解することです。
■解説1|
放射線は粒子放射線と電磁波放射線とに分類される。(選択肢1) [正しい]
放射線は、エネルギーを持つ粒子線である粒子放射線と、波動としての性質を持つ電磁波放射線に分類されます。
γ線は物質と相互作用するとき、光電効果、コンプトン効果又は電子対生成によりエネルギーを失う。(選択肢5) [正しい]
γ線は電磁波であり、物質と相互作用する際に、光電効果、コンプトン効果、電子対生成などの現象を起こし、エネルギーを失います。
■解説2|
粒子放射線には、α線、β線、陽子線、中性子線などがあります。電磁波放射線には、γ線、X線などがあります。
放射線が物質に入射すると、物質中の原子と相互作用し、電離や励起を引き起こします。これらの相互作用により、放射線はエネルギーを失い、透過力が低下します。
■結論|
正しい選択肢は、 1 と 5 です。
■補足|
α線は物質を通過するときに物質中の原子と相互作用し、飛跡がジグザグ状になる。(選択肢2) [誤り]
α線はβ線と比較して質量が大きく電荷も大きいため、物質との相互作用が強く、直線的な飛跡を描きます。
β-線の透過放射線量は、吸収体の厚さに対して直線的に減少する。(選択肢3) [誤り]
β線の透過放射線量は、吸収体の厚さに対して指数関数的に減少します。
電離作用の強さは、α線<β-線<γ線の順である。(選択肢4) [誤り]
電離作用の強さは、α線>β-線>γ線の順です。α線は質量が大きく電荷も大きいため、物質との相互作用が強く、電離作用も強くなります。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点|放射線と物質の相互作用
この問題の論点は、放射線が物質と相互作用する際の正しい物理的特性とメカニズムを理解することです。
■解説1|
放射線は粒子放射線と電磁波放射線とに分類される。(選択肢1) [正しい]
放射線はその性質に基づいて大きく2つに分類されます。粒子放射線にはα線、β線、陽子線、重イオン線などがあり、電磁波放射線にはγ線やX線が含まれます。
γ線は物質と相互作用するとき、光電効果、コンプトン効果又は電子対生成によりエネルギーを失う。(選択肢5) [正しい]
γ線は高エネルギーの電磁波であり、物質と相互作用するときにエネルギーを失うメカニズムとして、光電効果(低エネルギー域で顕著)、コンプトン効果(中エネルギー域で顕著)、電子対生成(高エネルギー域で顕著)が知られています。
■解説2|
放射線は、粒子の運動として表される粒子放射線と、波として伝わる電磁波放射線に分けられます。これらは相互作用の仕方や物質への影響が異なるため、正確に分類される必要があります。
γ線の物質との相互作用には、エネルギーの高低によって異なる現象が起こります。低エネルギーでは光電効果、適度なエネルギーではコンプトン効果、非常に高エネルギーでは電子対生成が主な相互作用です。
■結論|
選択肢1と選択肢5は放射線と物質の相互作用に関する正しい記述です。
■補足|
α線は物質を通過するときに物質中の原子と相互作用し、飛跡がジグザグ状になる。(選択肢2) [誤り]
α線は重くて電荷が大きいため、直線的な飛跡を描きます。飛跡がジグザグ状になるのはβ線の特徴です。
β-線の透過放射線量は、吸収体の厚さに対して直線的に減少する。(選択肢3) [誤り]
β線の減少は指数関数的であり、厚さが増えるにつれて透過量は非線形に減少します。
電離作用の強さは、α線<β-線<γ線の順である。(選択肢4) [誤り]
電離作用の強さはα線>β-線>γ線の順です。α線は最も電離作用が強く、γ線は最も弱いです。


■■Copilot powered by GPT4
■参考|
放射線の電離作用とは、放射線が物質中を通過する際に、そのエネルギーにより物質を構成している原子が持つ軌道電子を弾き飛ばし、陽電荷を帯びた状態の原子(または陽イオンの分子)と自由な電子とに分離する現象を指します。この現象は、放射線が物質にエネルギーを与えることで起こります。
放射線の種類(α線、β線、γ線)によって電離作用の強さは異なります。具体的には、以下のような順序となります:
α線:電離作用が最も強く、透過力が最も弱い。これはα線がヘリウム原子核であり、大きな電荷を持つためです。
β線:電離作用と透過力はα線とγ線の中間に位置します。β線は高速で流れる電子であり、その電荷はα線よりも小さいためです。
γ線:電離作用が最も弱く、透過力が最も強い。γ線は電磁波であり、電荷を持たないためです。
以上の順序は、放射線の種類による電離作用の強さを示しています。
ソース: Copilot との会話、 2024/6/4
環境省_放射線による電離作用.
https://www.env.go.jp/chemi/rhm/h29kisoshiryo/h29kiso-03-02-01.html.
放射線の電離作用-電離放射線の性質 環境省.
https://www.env.go.jp/chemi/rhm/h29kisoshiryo/h29kiso-01-03-06.html.
放射線の電離作用-電離放射線の性質 放射線の種類と生物へ
https://www.env.go.jp/content/900413215.pdf.
放射線はどこで生まれる? 放射線の種類 環境省.
https://www.env.go.jp/content/900413498.pdf.


物理|問 109-091 ■正答| 1 4
分子間相互作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. クーロン力は電荷間距離の2乗に反比例する。

  2. 分散力は分子間にはたらく反発力である。

  3. 水中における界面活性剤のミセル形成はイオン結合による。

  4. 疎水性相互作用は水溶液中のタンパク質の高次構造の形成及び安定化に寄与している。

  5. 核酸塩基対は配位結合により形成される。


物理|問 109-091


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|分子間相互作用
この問題の論点は、分子間にはたらく様々な力とその特徴、および生体分子における役割を理解することです。
■解説1|
クーロン力は電荷間距離の2乗に反比例する。(選択肢1) [正しい]
クーロン力は、電荷を持つ粒子間に働く力で、距離の2乗に反比例します。
疎水性相互作用は水溶液中のタンパク質の高次構造の形成及び安定化に寄与している。(選択肢4) [正しい]
疎水性相互作用は、水分子との相互作用を避けるために、疎水性の分子同士が集まる傾向があることを指します。
■解説2|
分子間相互作用には、クーロン力、ファンデルワールス力、水素結合などがあります。
クーロン力は、イオン結合や水素結合などの強い相互作用に関与します。
ファンデルワールス力は、分散力、双極子-双極子相互作用、誘起双極子-双極子相互作用など、比較的弱い相互作用を含みます。
■結論|
正しい選択肢は 1 と 4 です。
■補足|
分散力は分子間にはたらく反発力である。(選択肢2) [誤り]
分散力は、無極性分子間に働く引力の一種です。
水中における界面活性剤のミセル形成はイオン結合による。(選択肢3) [誤り]
界面活性剤のミセル形成は、疎水性相互作用と親水基のイオン結合の組み合わせによって起こります。
核酸塩基対は配位結合により形成される。(選択肢5) [誤り]
核酸塩基対は、水素結合によって形成されます。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点|分子間相互作用の理解
この問題の論点は、分子間に働くさまざまな力とその性質について理解することです。
■解説1|
クーロン力は電荷間距離の2乗に反比例する。(選択肢1) [正しい]
クーロン力(静電気力)は、電荷間の距離の2乗に反比例します。これはクーロンの法則に基づく基本的な物理原理です。
疎水性相互作用は水溶液中のタンパク質の高次構造の形成及び安定化に寄与している。(選択肢4) [正しい]
疎水性相互作用は、水中で非極性分子が集まる現象です。これはタンパク質の高次構造(例えば三次構造や四次構造)の形成と安定化に重要な役割を果たします。
■解説2|
クーロン力は、電荷間の距離が近づくと強くなり、離れると急激に弱まります。これは分子間相互作用における基本的な力の一つで、電荷の正負によって引力または斥力として働きます。
疎水性相互作用は、水を避ける分子同士が集まることでエネルギー的に安定化する現象です。水溶液中のタンパク質では、疎水性のアミノ酸残基が内側に配置され、タンパク質の立体構造を形成し安定化させます。
■結論|
選択肢1と選択肢4は分子間相互作用に関する正しい記述です。
■補足|
分散力は分子間にはたらく反発力である。(選択肢2) [誤り]
分散力(ロンドン分散力)は分子間に働く引力です。分子間の一時的な双極子相互作用により引き起こされます。
水中における界面活性剤のミセル形成はイオン結合による。(選択肢3) [誤り]
ミセル形成は疎水性相互作用と分子の双極子相互作用によるものです。界面活性剤分子の疎水基が水から逃れ、親水基が水と接触することでミセルを形成します。
核酸塩基対は配位結合により形成される。(選択肢5) [誤り]
核酸塩基対は水素結合によって形成されます。アデニンとチミン(またはウラシル)、グアニンとシトシンの間に特有の水素結合が形成されます。


■■Copilot powered by GPT4
■参考|
タンパク質の立体構造は、そのアミノ酸配列によって大きく決定されます²。このアミノ酸配列は、タンパク質をコードする遺伝子のmRNA塩基配列によって決まります。一次構造が決まると、各アミノ酸に特有の側鎖の性質とその相互作用によって基本的には三次構造もほぼ決まります。
タンパク質の立体構造は、一次構造から四次構造までで説明できます。一次構造はアミノ酸配列を指し、二次構造はポリペプチド鎖の主鎖が一次配列上で近いアミノ酸ととる局所的な規則的な立体構造を指します。この二次構造は、ペプチド骨格のN-H基とC=O基との間の水素結合により固定されます。
疎水性のアミノ酸残基がタンパク質の内側に配置されることは、タンパク質の立体構造の安定化に寄与します。これは、水溶液中では疎水性のアミノ酸残基が水分子から遠ざけられる傾向があり、これによりタンパク質は特定の立体構造を取ることが促進されます。しかし、最近の研究では、水分子がタンパク質の立体構造を不安定化するという新たな視点が提唱されています。
ソース: Copilot との会話、 2024/6/5
タンパク質の構造と機能.
https://wako.w.waseda.jp/Lecture_Genetic Information/03_Protein.html.
水はタンパク質の立体構造を不安定化する~ 長年信じられてきた
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r3/press20210903-2.pdf.
ペプチド,タンパク質の高次構造 - Health Sciences University
https://www.hoku-iryo-u.ac.jp/~onishi/18-3.pdf.
疎水効果の物理的起源と構造安定性への寄与 - J-STAGE.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/biophys1961/33/1/33_1_21/_pdf.
生命にはなぜ水が必要なのか たんぱく質の機能と水和構造の相関.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/oubutsu/80/10/80_903/_pdf.


物理|問 107-092 ■正答| 2 3
放射線及び放射壊変に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 放射壊変には0次反応速度式に従う過程と、1次反応速度式に従う過程の2通りがある。

  2. 放射能のSI組立単位はベクレル(Bq)であり、その定義は1秒あたりに壊変する原子核数である。

  3. β-壊変では、生成する電子とニュートリノにエネルギーが分配されるため、電子のもつエネルギーは連続的な分布を示す。

  4. X線とγ線は電磁波であり、波長で区別されている。

  5. γ転移により放射されるγ線のエネルギーは、壊変する原子核種によらず一定である。


物理|問 107-092


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|放射線と放射壊変
この問題の論点は、放射壊変の定義、種類、放射線の種類と特徴を理解することです。
■解説1|
放射能のSI組立単位はベクレル(Bq)であり、その定義は1秒あたりに壊変する原子核数である。(選択肢2) [正しい]
放射能は、放射性核種の原子核が単位時間に壊変する数を表し、その単位はベクレル(Bq)です。
β-壊変では、生成する電子とニュートリノにエネルギーが分配されるため、電子のもつエネルギーは連続的な分布を示す。(選択肢3) [正しい]
β-壊変では、原子核から電子とニュートリノが放出されますが、これらの粒子はエネルギーを分配するため、電子のエネルギーは一定ではなく、連続的なスペクトルを示します。
■解説2|
放射壊変は、不安定な原子核が放射線を放出してより安定な原子核へと変化する現象です。α壊変、β壊変、γ壊変など、様々な種類があります。
β-壊変には、原子核から電子と反ニュートリノが放出されるβ-壊変と、原子核から陽電子とニュートリノが放出されるβ+壊変があります。
■結論|
正しい選択肢は 2 と 3 です。
■補足|
放射壊変には0次反応速度式に従う過程と、1次反応速度式に従う過程の2通りがある。(選択肢1) [誤り]
放射壊変は、原子核の壊変が他の原子核の状態に影響されないため、1次反応速度式に従います。
X線とγ線は電磁波であり、波長で区別されている。(選択肢4) [誤り]
X線とγ線はどちらも電磁波ですが、発生機構によって区別されます。X線は原子核外の電子のエネルギー遷移によって発生し、γ線は原子核のエネルギー準位の遷移によって発生します。
γ転移により放射されるγ線のエネルギーは、壊変する原子核種によらず一定である。(選択肢5) [誤り]
γ転移により放射されるγ線のエネルギーは、壊変する原子核種によって異なります。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点|放射線と放射壊変の理解
この問題の論点は、放射線の性質と放射壊変のメカニズムに関する正しい知識を確認することです。
■解説1|
放射能のSI組立単位はベクレル(Bq)であり、その定義は1秒あたりに壊変する原子核数である。(選択肢2) [正しい]
ベクレル(Bq)は放射能の単位であり、1秒間に1つの原子核が壊変することを意味します。これは国際単位系(SI)で採用されている定義です。
β-壊変では、生成する電子とニュートリノにエネルギーが分配されるため、電子のもつエネルギーは連続的な分布を示す。(選択肢3) [正しい]
β-壊変において、崩壊する中性子は陽子、電子(β粒子)、および反電子ニュートリノに変わります。電子とニュートリノにエネルギーが分配されるため、電子のエネルギーは連続的に変化します。
■解説2|
ベクレルは放射能の測定単位として広く使われており、放射線量の計測や比較において基本的な単位です。
β-壊変のエネルギースペクトルが連続的である理由は、エネルギーが電子とニュートリノの間で分配されるためです。このため、観測される電子のエネルギーは一つの値ではなく、ある範囲の値をとります。
■結論|
選択肢2と選択肢3は放射線及び放射壊変に関する正しい記述です。
■補足|
放射壊変には0次反応速度式に従う過程と、1次反応速度式に従う過程の2通りがある。(選択肢1) [誤り]
放射壊変は通常1次反応速度式に従います。0次反応速度式に従う放射壊変は存在しません。
X線とγ線は電磁波であり、波長で区別されている。(選択肢4) [誤り]
X線とγ線はどちらも電磁波ですが、区別は波長ではなく、その発生源に基づいています。X線は通常、原子の電子殻からの遷移により生成され、γ線は原子核の遷移により生成されます。
γ転移により放射されるγ線のエネルギーは、壊変する原子核種によらず一定である。(選択肢5) [誤り]
γ線のエネルギーは、特定の壊変に対応するエネルギー準位の差によって決まるため、壊変する核種に依存します。


物理|問 108-092 ■正答| 5
エントロピーに関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
■選択肢

  1. エントロピー変化ΔSは、可逆的に出入りする熱をqrev、そのときの温度をTとすると、ΔS=qrev/Tで与えられる。

  2. エントロピーの最小値は熱力学第3法則によってゼロと定められる。

  3. 系と外界(周囲)のエントロピー変化の和が正になる方向に、すべての変化は進行する。

  4. エントロピーは系の乱雑さを定量的に表す熱力学量である。

  5. 外界(周囲)のエントロピー変化を温度で割った熱力学量が、系のギブズエネルギー変化である。


物理|問 108-092


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|エントロピーの定義と性質
この問題の論点は、エントロピーの定義、熱力学における役割、および関連する熱力学量との関係を理解することです。
■解説1|
外界(周囲)のエントロピー変化を温度で割った熱力学量が、系のギブズエネルギー変化である。(選択肢5) [誤り]
外界(周囲)のエントロピー変化を温度で割ったものは、系のギブズエネルギー変化ではなく、外界が系に及ぼす影響の指標です。系のギブズエネルギー変化は、エンタルピー変化とエントロピー変化の組み合わせで決まります。
■解説2|
エントロピーは、系の乱雑さ、無秩序さを定量的に表す状態量です。
熱力学第二法則によれば、断熱系では自発的に進行する変化は、系のエントロピーが増大する方向に進みます。
ギブズエネルギーは、定温定圧条件下での系の自発性を判断する指標となる熱力学量です。
■結論|
誤っている選択肢は 5 です。
■補足|
エントロピー変化ΔSは、可逆的に出入りする熱をqrev、そのときの温度をTとすると、ΔS=qrev/Tで与えられる。(選択肢1) [正しい]
これはエントロピー変化の定義式です。
エントロピーの最小値は熱力学第3法則によってゼロと定められる。(選択肢2) [正しい]
熱力学第三法則では、絶対零度において完全結晶のエントロピーはゼロです。
系と外界(周囲)のエントロピー変化の和が正になる方向に、すべての変化は進行する。(選択肢3) [正しい]
これは熱力学第二法則の表現の一つです。
エントロピーは系の乱雑さを定量的に表す熱力学量である。(選択肢4) [正しい]
これはエントロピーの一般的な解釈の一つです。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点|エントロピーの定義と性質
この問題の論点は、エントロピーに関する基礎的な理解と、その性質や公式についての知識を確認することです。
■解説1|
エントロピー変化ΔSは、可逆的に出入りする熱をqrev、そのときの温度をTとすると、ΔS=qrev/Tで与えられる。(選択肢1) [正しい]
可逆過程におけるエントロピー変化は、系に出入りする熱量を温度で割ることで求められます。
エントロピーの最小値は熱力学第3法則によってゼロと定められる。(選択肢2) [正しい]
熱力学第3法則によれば、絶対零度において完全な結晶のエントロピーはゼロです。
系と外界(周囲)のエントロピー変化の和が正になる方向に、すべての変化は進行する。(選択肢3) [正しい]
自然のすべての過程は、エントロピー増大の法則に従い、孤立系においてエントロピーが増加する方向に進行します。
エントロピーは系の乱雑さを定量的に表す熱力学量である。(選択肢4) [正しい]
エントロピーは系の乱雑さや無秩序の度合いを表す熱力学量です。
外界(周囲)のエントロピー変化を温度で割った熱力学量が、系のギブズエネルギー変化である。(選択肢5) [誤り]
ギブズエネルギー変化は、エンタルピー変化とエントロピー変化に基づいて計算されますが、直接的には外界のエントロピー変化を温度で割ったものとはなりません。ギブズエネルギー変化ΔGは、ΔG=ΔH-TΔSで表されます。
■解説2|
エントロピー変化に関する公式や概念は、熱力学の基本原理に深く根ざしています。特に、エントロピーの定義とその変化に関する公式(ΔS=qrev/T)は、可逆過程において熱力学的な分析に不可欠です。
熱力学第3法則は、エントロピーが絶対零度でゼロになることを示しており、これは低温物理学において重要な役割を果たします。
ギブズエネルギー変化(ΔG=ΔH-TΔS)は、系の自由エネルギー変化を示し、化学反応や相転移の自発性を判断する際に用いられますが、外界のエントロピー変化を温度で割ることとは直接関係ありません。
■結論|
選択肢5は、エントロピーに関する誤った記述です。
■補足|
ΔS=qrev/Tは、可逆過程におけるエントロピー変化の基本公式です。
熱力学第3法則は、エントロピーの絶対値に関する基本的な法則です。
エントロピー増大の法則は、すべての自然過程がエントロピー増大の方向に進行することを示しています。
エントロピーは、系の乱雑さや無秩序の度合いを定量的に表す指標として広く認識されています。


■■Copilot powered by GPT4
■参考|
ギブズエネルギーの変化(ΔG)は、エンタルピーの変化(ΔH)とエントロピーの変化(ΔS)を用いて以下のように表すことができます:ΔG=ΔH-TΔS
ここで、ΔHはエンタルピーの変化を表し、系が熱を吸収または放出するときのエネルギーの量です。
Tは絶対温度(ケルビン)を表します。ΔSはエントロピーの変化を表します。
この式は、化学反応が自発的に進行するかどうかを判断するのに役立ちます。具体的には、ΔGが負の場合、反応は自発的に進行します。逆に、ΔGが正の場合、反応は自発的には進行しません。この性質は、熱力学の第二法則によって説明されます。この法則は、自然のプロセスがエネルギーの分散を最大化する方向に進む傾向があると述べています。このため、ギブズエネルギーは通常、時間とともに増加します。この増加は、エネルギーがより多くの可能な状態に分散することを反映しています。このギブズエネルギーの増加原理は、物質の自然な振る舞いや自然現象の多くを理解するのに非常に重要です。


物理|問 109-092 ■正答| 2 4
状態関数に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 状態関数の変化量は系の変化の経路に依存する。

  2. 示量性状態関数においては加成性が成立する。

  3. 示強性状態関数は物質量に依存する。

  4. 体積は示量性状態関数である。

  5. エントロピーは示強性状態関数である。


物理|問 109-092


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|状態関数の定義と性質
この問題の論点は、状態関数と経路関数の違い、示量性と示強性の概念を理解し、それぞれの性質を持つ熱力学量を正しく分類できるようになることです。
■解説1|
示量性状態関数においては加成性が成立する。(選択肢2) [正しい]
示量性状態関数は系の大きさ(物質量)に比例する性質を持ち、部分系の値の和が全体の値と等しくなります。
体積は示量性状態関数である。(選択肢4) [正しい]
体積は系の大きさ(物質量)に比例するため、示量性状態関数です。
■解説2|
状態関数は、系の状態だけで一意的に決まり、変化の経路には依存しません。一方、経路関数は、変化の経路によって値が変わります。
示量性状態関数は系の大きさに比例する状態関数であり、示強性状態関数は系の大きさによらない状態関数です。
■結論|
正しい選択肢は 2 と 4 です。
■補足|
状態関数の変化量は系の変化の経路に依存する。(選択肢1) [誤り]
状態関数の変化量は始状態と終状態だけで決まり、経路には依存しません。
示強性状態関数は物質量に依存する。(選択肢3) [誤り]
示強性状態関数は物質量に依存しません。
エントロピーは示強性状態関数である。(選択肢5) [誤り]
エントロピーは系の大きさに比例するため、示量性状態関数です。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点|状態関数の特性
この問題の論点は、状態関数の基本的な性質と、示量性および示強性状態関数の違いを理解することです。
■解説1|
示量性状態関数においては加成性が成立する。(選択肢2) [正しい]
示量性状態関数は物質の量に比例し、系の部分の和として表されるため、加成性が成立します。
体積は示量性状態関数である。(選択肢4) [正しい]
体積は物質の量に比例する示量性状態関数です。系の体積は部分系の体積の和です。
■解説2|
状態関数は、系の現在の状態だけに依存し、その変化は経路に依存しません。これには内部エネルギー、エンタルピー、エントロピーなどが含まれます。
示量性状態関数(例えば、体積、質量、エントロピー)は物質量に比例し、加成性が成り立ちます。一方、示強性状態関数(例えば、温度、圧力)は物質量に依存しません。
■結論|
選択肢2と選択肢4は、状態関数に関する正しい記述です。
■補足|
状態関数の変化量は、系の初期状態と最終状態のみに依存し、変化の経路には依存しません。(選択肢1)
示強性状態関数は、物質の量に依存しない量です。物質量に依存するのは示量性状態関数です。(選択肢3)
エントロピーは示量性状態関数であり、物質量に比例します。示強性状態関数は、エントロピーとは異なり、物質量に依存しません。(選択肢5)


■■Copilot powered by GPT4
■参考|
物理学における状態関数は、系の状態を特徴づける関数で、その値は初期状態と最終状態のみに依存し、過程には依存しません。状態関数は、示強性状態関数と示量性状態関数の2つに分類することができます。
示強性状態関数:
これらは、単位量あたりの物理量を表します。そのため、系の大きさ(つまり、系に含まれる物質の量)には依存しません。
| 示強性状態関数 | 説明 |
| 温度 (T) | 系の熱的な状態を表します。 |
| 圧力 (P) | 単位面積あたりの力を表します。 |
| 化学ポテンシャル (μ) | 系に粒子を追加または除去するときの自由エネルギーの変化を表します。 |
示量性状態関数:
これらは、系全体の物理量を表します。そのため、系の大きさ(つまり、系に含まれる物質の量)に依存します。
| 示量性状態関数 | 説明 |
| 内部エネルギー (U) | 系の全エネルギーを表します。 |
| エンタルピー (H) | 系の内部エネルギーと圧力-体積積を表します。 |
| ギブズエネルギー (G) | 系のエンタルピーと温度-エントロピー積の差を表します。 |
| エントロピー (S) | 系の乱雑さや不確定性を表します。 |
| 体積 (V) | 系が占める空間を表します。 |
| 物質量 (n) | 系に含まれる物質の量を表します。 |
これらの状態関数は、熱力学の法則を理解し、物理的な現象を説明するのに非常に重要です。それぞれの状態関数がどのように系の状態を特徴づけるかを理解することで、物質の振る舞いや自然現象をより深く理解することができます。


物理|問 107-093 ■正答| 1 5
状態関数と経路関数に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 熱と仕事は経路関数である。

  2. 温度は示量性の状態関数である。

  3. エンタルピーは示強性の状態関数である。

  4. 熱力学第一法則より、内部エネルギーは経路関数であることがわかる。

  5. 状態関数の変化量は、可逆過程でも不可逆過程でも等しい。


物理|問 107-093


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|状態関数と経路関数の区別
この問題の論点は、熱力学における基本概念である状態関数と経路関数の違いを理解し、具体的な熱力学量を正しく分類できるようになることです。
■解説1|
熱と仕事は経路関数である。(選択肢1) [正しい]
熱と仕事は、系の変化の経路によってその値が変化するため、経路関数です。
状態関数の変化量は、可逆過程でも不可逆過程でも等しい。(選択肢5) [正しい]
状態関数の変化量は、始状態と終状態だけで決まり、過程(可逆・不可逆)には依存しません。
■解説2|
状態関数は、系の状態だけで一意的に決まる関数であり、内部エネルギー、エンタルピー、エントロピー、ギブズエネルギーなどが該当します。
経路関数は、系の変化の経路によってその値が変化する関数であり、熱や仕事が該当します。
■結論|
正しい選択肢は 1 と 5 です。
■補足|
温度は示量性の状態関数である。(選択肢2) [誤り]
温度は系の大きさによらないため、示強性状態関数です。
エンタルピーは示強性の状態関数である。(選択肢3) [誤り]
エンタルピーは系の大きさに比例するため、示量性状態関数です。
熱力学第一法則より、内部エネルギーは経路関数であることがわかる。(選択肢4) [誤り]
熱力学第一法則は、エネルギー保存則を表しており、内部エネルギーが状態関数であることを示しています。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点|状態関数と経路関数の違い
この問題の論点は、状態関数と経路関数の違い、およびそれぞれの特性について理解することです。
■解説1|
熱と仕事は経路関数である。(選択肢1) [正しい]
熱と仕事は、系が経路によって受け取るエネルギーの形態であり、経路に依存します。
状態関数の変化量は、可逆過程でも不可逆過程でも等しい。(選択肢5) [正しい]
状態関数の変化は、初期状態と最終状態だけに依存し、経路には依存しません。したがって、可逆過程でも不可逆過程でも変化量は同じです。
■解説2|
状態関数は、系の現在の状態に依存し、その変化は経路に依存しません。例えば、内部エネルギー、エンタルピー、エントロピーなどがあります。
経路関数は、系が特定の経路を通って状態を変化させるときに依存する関数です。熱と仕事は典型的な経路関数です。
熱力学第一法則(エネルギー保存の法則)は、内部エネルギーが状態関数であることを示しています。内部エネルギーの変化は、系に加えられた熱と仕事の和で表されます。
■結論|
選択肢1と選択肢5は、状態関数と経路関数に関する正しい記述です。
■補足|
温度は示強性の状態関数です。示量性状態関数は、物質の量に比例しますが、温度は物質の量に依存しません。(選択肢2)
エンタルピーは示量性の状態関数です。示強性状態関数は、物質の量に依存しない量です。(選択肢3)
熱力学第一法則は、内部エネルギーが状態関数であることを示しています。内部エネルギーの変化は、系の経路に依存しません。(選択肢4)


■■Copilot powered by GPT4
■参考|
物理学、特に熱力学において、状態関数と経路関数は重要な概念です。これらは系の特性を記述するために使用されますが、それぞれ異なる特性を持っています。
状態関数:
状態関数は、その名前が示す通り、系の「状態」を記述します。これらの関数の値は、系がどのようにその状態に達したか(つまり、どの経路を通ったか)には依存せず、初期状態と最終状態のみに依存します。例えば、エネルギー、エントロピー、体積、圧力、温度などは状態関数です。
経路関数:
一方、経路関数は、系がある状態から別の状態に移る際に、どの経路を通ったかによってその値が変わります。つまり、経路関数の値は、系がその状態に達するためにどのようなプロセスを経たかに依存します。例えば、仕事や熱は経路関数です。
比較:
状態関数と経路関数の主な違いは、その値が系の経路に依存するかどうかです。状態関数の値は経路に依存せず、初期状態と最終状態のみに依存します。一方、経路関数の値は系がどの経路を通ったかによって変わります。
したがって、状態関数は系の「状態」を記述するのに適しており、経路関数は系が状態を変える際の「プロセス」を記述するのに適しています。これらの概念は、物理学、特に熱力学の理解に不可欠です。


物理|問 108-093 ■正答| 4 5
酸化還元反応と化学電池に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 酸化還元反応において、電子を受け取るのは還元剤である。

  2. コハク酸(C4H6O4)+FAD→フマル酸(C4H4O4)+FADH2の反応において、コハク酸は酸化剤である。

  3. 進行中の酸化還元反応の起電力は、Henderson‒Hasselbalchの式で表すことができる。

  4. 電解質の濃度のみが異なる2つの半電池からなる化学電池(濃淡電池)の標準起電力は0Vである。

  5. 反応が自発的に進行している化学電池では、カソード(正極)で還元反応が起こる。


物理|問 108-093


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|酸化還元反応と化学電池の基礎
この問題の論点は、酸化還元反応における電子の授受、化学電池の構成と電極反応、標準起電力などを理解することです。
■解説1|
電解質の濃度のみが異なる2つの半電池からなる化学電池(濃淡電池)の標準起電力は0Vである。(選択肢4) [正しい]
標準起電力は、反応に関与する物質がすべて標準状態にある場合の起電力です。濃淡電池では、同じ電極を用いているため、標準電極電位が等しくなり、標準起電力は0Vです。
反応が自発的に進行している化学電池では、カソード(正極)で還元反応が起こる。(選択肢5) [正しい]
化学電池では、外部回路を介して電子の移動が起こり、カソードでは還元反応、アノードでは酸化反応が起こります。
■解説2|
酸化還元反応は、原子やイオン間での電子の授受によって起こる反応です。電子を失う反応を酸化反応、電子を得る反応を還元反応といいます。
化学電池は、酸化還元反応を利用して化学エネルギーを電気エネルギーに変換する装置です。
■結論|
正しい選択肢は 4 と 5 です。
■補足|
酸化還元反応において、電子を受け取るのは還元剤である。(選択肢1) [誤り]
電子を受け取るのは酸化剤、電子を与えるのが還元剤です。
コハク酸(C4H6O4)+FAD→フマル酸(C4H4O4)+FADH2の反応において、コハク酸は酸化剤である。(選択肢2) [誤り]
この反応では、コハク酸は電子を失って酸化され、FADは電子を得て還元されています。したがって、コハク酸は還元剤、FADは酸化剤です。
進行中の酸化還元反応の起電力は、Henderson‒Hasselbalchの式で表すことができる。(選択肢3) [誤り]
Henderson‒Hasselbalchの式は、酸解離平衡におけるpHと酸と塩基の濃度比の関係を表す式であり、酸化還元反応の起電力には適用できません。ネルンストの式を用いることで、反応の進行度合いを考慮した起電力を計算できます。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点|酸化還元反応と化学電池の基本概念
この問題の論点は、酸化還元反応と化学電池の基本概念についての理解を確認することです。
■解説1|
電解質の濃度のみが異なる2つの半電池からなる化学電池(濃淡電池)の標準起電力は0Vである。(選択肢4) [正しい]
濃淡電池の標準起電力は、標準状態における両半電池の電極電位差が等しいため0Vです。
反応が自発的に進行している化学電池では、カソード(正極)で還元反応が起こる。(選択肢5) [正しい]
化学電池において、カソード(正極)で還元反応が進行し、アノード(負極)で酸化反応が進行します。
■解説2|
酸化還元反応は、酸化剤と還元剤の間で電子が移動する化学反応です。酸化剤は電子を受け取り、還元されます。還元剤は電子を失い、酸化されます。
濃淡電池は、同じ物質の濃度差を利用して電位差を発生させる化学電池であり、標準状態では起電力は0Vです。
化学電池における電極反応では、カソードで還元反応が起こり、電池の自発的な反応に寄与します。アノードでは酸化反応が起こります。
■結論|
選択肢4と選択肢5は、酸化還元反応と化学電池に関する正しい記述です。
■補足|
酸化還元反応において、電子を受け取るのは酸化剤であり、還元剤ではありません。還元剤は電子を供給します。(選択肢1)
コハク酸はこの反応において還元されてFADH2を生成するため、酸化剤ではなく還元剤です。(選択肢2)
起電力を表すためにはネルンストの式を使用します。Henderson‒Hasselbalchの式は酸と塩基の平衡に関する式です。(選択肢3)


■■Copilot powered by GPT4
■参考|
ネルンストの式は、電気化学において、電池の電極の電位を記述した式で、酸化還元反応の進行中の起電力を計算するために使用されます。
酸化体Oxと還元体Redの間の電子授受平衡反応を考えると、系に挿入された不活性電極の持つ電位(電極電位)Eは、平衡時には以下の式で記述されます:
E=E0–RT/zF*ln(aRed/aOx)
ここで、
E0: 標準電極電位
R: 気体定数
T: 温度 (K)
z: 移動電子数
a: 還元側および酸化側の活量
F: ファラデー定数(96485 C mol^-1)
この式は、酸化還元反応におけるネルンストの式と呼ばれます。
ネルンストの式は、電池の電極の電位を計算するため、またはセルのコンポーネントの一つの濃度を見つけるために使用されます。この式は、化学ポテンシャルの考え方に基づいて導出されます。ネルンストの式は、平衡セル電位(ネルンスト電位とも呼ばれます)を膜全体の濃度勾配に関連付けます。この式は、電気化学において非常に重要な役割を果たします。


物理|問 109-093 ■正答| 1
次の記述は、日本薬局方メフェナム酸の純度試験中の類縁物質に関するものである。本品0.10gをクロロホルム/メタノール混液(3:1)5mLに溶かし、試料溶液とする。この液1mLを正確に量り、クロロホルム/メタノール混液(3:1)を加えて正確に200mLとする。この液10mLを正確に量り、クロロホルム/メタノール混液(3:1)を加えて正確に50mLとし、標準溶液とする。これらの液につき、薄層クロマトグラフィー(薄層板に蛍光剤を含む)により試験を行う。試料溶液及び標準溶液25μLずつを薄層板にスポットし、展開後、風乾した薄層板に紫外線(主波長254nm)を照射するとき、試料溶液から得た主スポット以外のスポットは、標準溶液から得たスポットより濃くない。類縁物質の混入が許容される限度値はどれか。1つ選べ。
■選択肢

  1. 0.1%

  2. 0.2%

  3. 1.0%

  4. 2.0%

  5. 2.5%


物理|問 109-093


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|薄層クロマトグラフィーによる類縁物質の限度試験
この問題の論点は、日本薬局方における薄層クロマトグラフィーを用いた純度試験法を理解し、得られた結果から類縁物質の混入許容量を計算によって求めることです。
■解説1|
類縁物質の混入が許容される限度値は 0.1% である。(選択肢1) [正しい]
問題文から、試料溶液調製、標準溶液調製を経て、最終的に標準溶液は試料溶液の1/1000倍の濃度となっています。
薄層クロマトグラフィーの結果から、試料溶液中の類縁物質の量は標準溶液の量を超えないことから、類縁物質の許容量は最大で試料の0.1%と計算できます。
■解説2|
試料溶液調製:0.10 g の試料を 5 mL の溶媒に溶解しています。
標準溶液調製:試料溶液 1 mL を 200 mL に希釈後、さらにその 10 mL を 50 mL に希釈しています。
この操作により、標準溶液は試料溶液を(1/200)×(10/50)=1/1000 倍に希釈したことになります。
最終的な標準溶液の濃度は、試料に対して 1/1000 です。
薄層クロマトグラフィーでは、試料溶液と標準溶液のスポットの濃淡を比較することで、類縁物質の量を相対的に評価します。
問題文より、試料溶液のスポットは標準溶液のスポットより濃くないため、類縁物質の量は標準溶液以下、すなわち試料の 0.1 % 以下であることが分かります。
■結論|
正しい選択肢は、1(0.1 %)です。
■補足|
選択肢 2~5 は、計算上の類縁物質の混入許容量と比べて過剰な値です。
薄層クロマトグラフィーは、試料中の成分を分離し、その量を相対的に評価するのに有用な分析手法です。
日本薬局方では、医薬品の品質管理のために、様々な分析法が規定されています。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点|類縁物質の許容限度値
この問題の論点は、メフェナム酸の純度試験における類縁物質の混入が許容される限度値を特定することです。
■解説1|
まず、試料溶液と標準溶液の濃度を計算します。
試料溶液の濃度:
0.10g ÷ 5mL=0.02g/mL
次に、標準溶液の濃度を計算します。
試料溶液1mLを200mLに希釈します。
0.02g/mL×1mL/200mL=0.0001g/mL
この溶液10mLを50mLに希釈します。
0.0001g/mL×10mL÷50mL=0.00002g/mL
したがって、標準溶液の濃度は試料溶液の濃度の1/1000です。
■解説2|
標準溶液の濃度が試料溶液の1/1000であることから、標準溶液の濃度が試料溶液よりも濃くならないようにするためには、試料溶液中の類縁物質の混入限度は0.1%(1/1000)です。
■結論|
選択肢1(0.1%)が正しい選択肢です。試料溶液中の類縁物質の限度は、標準溶液に基づき0.1%(1/1000)であることを示しています。


物理|問 106-094 ■正答| 2 4
日本薬局方において、ヒドロコルチゾンコハク酸エステルの定量法は以下のように規定されている(一部省略)。この定量法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
定量法:本品及びヒドロコルチゾンコハク酸エステル標準品を乾燥し、その. [1. 約50 mgずつを精密に]量り、それぞれをメタノールに溶かし、正確に50mLとする。この液5mLずつを正確に量り、それぞれに内標準溶液5mLを正確に加えた後、メタノールを加えて50mLとし、試料溶液及び標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液10μLにつき、次の条件で液体クロマトグラフィーにより試験を行い、内標準物質のピーク面積に対するヒドロコルチゾンコハク酸エステルのピーク面積の比QT及びQSを求める。
ヒドロコルチゾンコハク酸エステル(C25H34O8)の量(mg)=[ア]
MS:ヒドロコルチゾンコハク酸エステル標準品の秤取量(mg)
内標準溶液:パラオキシ安息香酸ブチルのメタノール溶液(1→2500)
試験条件. [2. 検出器:紫外吸光光度計(測定波長:254nm)]
カラム: 内径4mm、長さ30cmのステンレス管に10μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充塡する。カラム温度:25℃付近の一定温度
[3. 移動相:pH4.0の酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液/アセトニトリル混液(3:2)]
流量: ヒドロコルチゾンコハク酸エステルの保持時間が約5分になるように調整する。
システム適合性:
システムの性能: 標準溶液10μLにつき、上記の条件で操作するとき、ヒドロコルチゾンコハク酸エステル、内標準物質の順に溶出し、その[イ]は9以上である。システムの再現性:略
■選択肢

  1. [1. 約50 mgずつを精密に]のように「約」を付けたものは、記載された量の±3%の範囲を意味する。

  2. [ア]に入るのは、MS×QT/QSである。

  3. [2. 検出器:紫外吸光光度計(測定波長:254nm)]の検出に用いる光源は、タングステンランプである。

  4. [3. 移動相:pH4.0の酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液/アセトニトリル混液(3:2)]の移動相中のアセトニトリルの割合を増やすと、ヒドロコルチゾンコハク酸エステルの保持時間は短くなる。

  5. [イ]に入るのは、「理論段数」である。


物理|問 106-094


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|日本薬局方におけるヒドロコルチゾンコハク酸エステルの定量法
この問題の論点は、日本薬局方におけるヒドロコルチゾンコハク酸エステルの定量法として用いられる液体クロマトグラフィーの条件と、その計算方法、化合物と保持時間の関係について理解することです。
■解説1|
[ア]に入るのは、MS×QT/QSである。(選択肢2) [正しい]
日本薬局方のヒドロコルチゾンコハク酸エステルの定量法では、内標準法を用いており、試料中の目的成分の量を試料と標準品のピーク面積比から算出します。
[3. 移動相:pH4.0の酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液/アセトニトリル混液(3:2)]の移動相中のアセトニトリルの割合を増やすと、ヒドロコルチゾンコハク酸エステルの保持時間は短くなる。(選択肢4) [正しい]
逆相液体クロマトグラフィーでは、一般的に移動相の有機溶媒の割合を増やすと、化合物の保持時間が短くなる傾向があります。
■解説2|
内標準法では、試料と標準品に既知量の内部標準物質を加え、目的成分と内部標準物質のピーク面積比を測定することで、試料中の目的成分の正確な定量を行います。
ヒドロコルチゾンコハク酸エステルは、逆相液体クロマトグラフィーにおいて、移動相の極性を変化させることで保持時間を調整することができます。
アセトニトリルは、水よりも溶出力の強い有機溶媒であるため、移動相中のアセトニトリルの割合を増やすと、ヒドロコルチゾンコハク酸エステルの保持時間が短くなります。
■結論|
正しい選択肢は 2 と 4 です。
■補足|
[1. 約50 mgずつを精密に]のように「約」を付けたものは、記載された量の±3%の範囲を意味する。(選択肢1) [誤り]
日本薬局方の通則によれば、「約」を付けたものは、記載された量の±10%の範囲を意味します。
[2. 検出器:紫外吸光光度計(測定波長:254nm)]の検出に用いる光源は、タングステンランプである。(選択肢3) [誤り]
紫外吸光光度計の光源には、紫外線領域の測定には重水素ランプが、可視光領域の測定にはタングステンランプが用いられます。測定波長が254 nmであることから、この場合の光源は重水素ランプです。
[イ]に入るのは、「理論段数」である。(選択肢5) [誤り]
[イ]には、「分離度」が入ります。分離度は、クロマトグラフィーにおいて、2つのピークがどれだけ分離されているかを表す指標です。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点|ヒドロコルチゾンコハク酸エステルの定量法
この問題の論点は、ヒドロコルチゾンコハク酸エステルの定量法の具体的な手順や条件に関する理解を特定することです。
■解説1|
[ア]に入るのは、MS×QT/QSである。(選択肢2) [正しい]
日本薬局方の定量法では、ヒドロコルチゾンコハク酸エステルの量を求める公式としてMS×QT/QSが使用されることが規定されています。
ここで、MSはヒドロコルチゾンコハク酸エステル標準品の秤取量、QTは試料溶液のピーク面積の比、QSは標準溶液のピーク面積の比を意味します。
[3. 移動相:pH4.0の酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液/アセトニトリル混液(3:2)]の移動相中のアセトニトリルの割合を増やすと、ヒドロコルチゾンコハク酸エステルの保持時間は短くなる。(選択肢4) [正しい]
液体クロマトグラフィーにおいて、移動相中の有機溶媒(この場合はアセトニトリル)の割合を増やすと、試料の移動速度が速くなり、保持時間が短くなります。
これは、有機溶媒が溶質の溶解度を増加させ、カラム内での分離が迅速に行われるためです。
■解説2|
定量法で使用される公式MS×QT/QSは、クロマトグラフィーによる定量分析において一般的な計算式であり、標準物質と試料のピーク面積を比較することで、試料中の目的成分の濃度を求める方法です。
移動相中の有機溶媒(アセトニトリル)の割合を増やすと、保持時間が短くなる理由として、溶質が有機溶媒とより強く相互作用し、カラムから早く溶出されることが挙げられます。この特性を利用して、分析の迅速化や分離効率の向上を図ることができます。
■結論|
正しい選択肢は、2と4です。
■補足|
[1. 約50 mgずつを精密に]のように「約」を付けたものは、記載された量の±3%の範囲を意味する。(選択肢1) [誤り]
日本薬局方では「約」を付けたものは±10%の範囲を意味します。
[2. 検出器:紫外吸光光度計(測定波長:254nm)]の検出に用いる光源は、タングステンランプである。(選択肢3) [誤り]
紫外吸光光度計の光源として一般的に使用されるのは、195~365 nmの波長範囲に対応する重水素ランプであり、タングステンランプは370~700 nmの波長範囲をカバーする。
[イ]に入るのは、「理論段数」である。(選択肢5) [誤り]
システム適合性の項目で示されているのは分離度であり、理論段数ではありません。


物理|問 108-094 ■正答| 4 5
反応速度の温度依存性に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. アレニウス式は、温度と平衡定数の関係を表している。

  2. 0次反応にはアレニウス式は適用できない。

  3. アレニウス式に従う反応の場合、アレニウスプロットでは右上がりの直線が得られる。

  4. 2つの反応のアレニウスプロットの傾きが等しい場合、その2つの反応の活性化エネルギーは等しい。

  5. アレニウスプロットの傾きの絶対値が大きい反応ほど、反応速度に与える温度の影響が大きい。


物理|問 108-094


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|反応速度の温度依存性とアレニウスの式
この問題の論点は、反応速度の温度依存性を表すアレニウスの式の意味を理解し、アレニウスプロットから活性化エネルギーや反応速度の温度依存性に関する情報を読み取れるようになることです。
■解説1|
2つの反応のアレニウスプロットの傾きが等しい場合、その2つの反応の活性化エネルギーは等しい。(選択肢4) [正しい]
アレニウスプロットの傾きは -Ea/R です。アレニウス式は k=A exp(-Ea/RT) で表され、ここで k は反応速度定数、A は頻度因子、Ea は活性化エネルギー、R は気体定数、T は絶対温度です。アレニウスプロットは ln(k) 対 1/T のグラフで、 ln(k)=-Ea/R×(1/T)+ln(A) と表されます。傾きが等しい場合は活性化エネルギーも同じ値になります。
アレニウスプロットの傾きの絶対値が大きい反応ほど、反応速度に与える温度の影響が大きい。(選択肢5) [正しい]
アレニウスプロットの傾きの絶対値が大きいほど活性化エネルギーが大きく、温度変化による反応速度の変化も大きくなります。
■解説2|
アレニウスの式は、反応速度定数 k が温度 T と活性化エネルギー Ea を用いて表される式です。
アレニウスプロットは、アレニウスの式を変形して、縦軸に ln k、横軸に 1/T をとったグラフです。
アレニウスプロットの傾きと切片から、それぞれ活性化エネルギーと頻度因子を求めることができます。
■結論|
正しい選択肢は 4 と 5 です。
■補足|
アレニウス式は、温度と平衡定数の関係を表している。(選択肢1) [誤り]
アレニウスの式は、温度と反応速度定数の関係を表す式です。平衡定数との関係は、ファントホッフの式で表されます。
0次反応にはアレニウス式は適用できない。(選択肢2) [誤り]
0次反応を含め、多くの反応にアレニウスの式は適用できます。
アレニウス式に従う反応の場合、アレニウスプロットでは右上がりの直線が得られる。(選択肢3) [誤り]
アレニウスプロットは右下がりの直線になります。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点|反応速度の温度依存性
この問題の論点は、反応速度の温度依存性とアレニウス式に関する理解を特定することです。
■解説1|
2つの反応のアレニウスプロットの傾きが等しい場合、その2つの反応の活性化エネルギーは等しい。(選択肢4) [正しい]
アレニウス式は k=A exp(-Ea/RT) で表され、ここでk は反応速度定数、A は頻度因子、Eaは活性化エネルギー、Rは気体定数、Tは絶対温度です。
アレニウスプロットはln(k)対1/Tのグラフで、傾きは-Ea/Rです。したがって、傾きが等しい場合、Eaは等しいことです。
アレニウスプロットの傾きの絶対値が大きい反応ほど、反応速度に与える温度の影響が大きい。(選択肢5) [正しい]
アレニウスプロットの傾きは-Ea/Rです。傾きの絶対値が大きいということは、Eaが大きいことを意味します。
活性化エネルギーEaが大きい反応ほど、温度変化に対する反応速度定数kの変化が大きくなるため、温度の影響が大きいといえます。
■解説2|
アレニウスプロットの直線性は、反応がアレニウス式に従うことを示します。直線の傾きが-Ea/Rであるため、活性化エネルギーEaを直接読み取ることができます。
温度の影響が大きい反応は、温度が少し変化するだけで反応速度が大きく変化します。これは特に高温域で顕著です。
■結論|
正しい選択肢は、4と5です。
■補足|
アレニウス式は、温度と平衡定数の関係を表している。(選択肢1) [誤り]
アレニウス式は温度と反応速度定数の関係を表します。平衡定数ではありません。
0次反応にはアレニウス式は適用できない。(選択肢2) [誤り]
0次反応でもアレニウス式は適用可能です。反応速度定数が温度に依存する限り、アレニウス式は適用されます。
アレニウス式に従う反応の場合、アレニウスプロットでは右上がりの直線が得られる。(選択肢3) [誤り]
アレニウスプロットは通常、右下がりの直線です。反応速度定数kが温度Tの逆数に対して指数関数的に変化するためです。


物理|問 109-094 ■正答| 2
ある2価の金属イオンM2+の0.01mol/L水溶液のpHを上げていくと難溶性塩M(OH)2が沈殿する。この沈殿が生成し始めるpHに最も近い値はどれか。1つ選べ。
ただし、M(OH)2の溶解度積Ksp=2.0×10^(-20)(mol/L)^3、水のイオン積Kw=[H+][OH-]=1.0×10^(-14)(mol/L)^2、log 2 =0.30とし、ヒドロキソ錯体の生成などの副反応は起こらず、水溶液の温度と体積は変化しないものとする。
■選択肢

  1. 3

  2. 5

  3. 7

  4. 9

  5. 11


物理|問 109-094


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|溶解度積とpHの関係
この問題の論点は、溶解度積とイオン積の関係を理解し、金属イオンの濃度とpHから難溶性塩の沈殿が生じる条件を判断できるようになることです。
■解説1|
この沈殿が生成し始めるpHに最も近い値は 5 である。(選択肢2) [正しい]
M(OH)2の溶解度積と水のイオン積から、M2+の濃度が1.0×10^-8 mol/LとなるpHを求めると、pH=5.15です。
■解説2|
M(OH)2の溶解度積は以下の式で表されます。
Ksp=[M2+][OH-]^2=2.0×10^(-20)(mol/L)^3
問題文より、[M2+]=0.01 mol/L なので、[OH-]を計算すると、
[OH-]=√(Ksp/[M2+])=√(2.0×10^(-20)/0.01)=1.4×10^(-9) mol/L
水のイオン積Kw=[H+][OH-]=1.0×10^(-14)(mol/L)^2を用いて、[H+]を計算すると、
[H+]=Kw/[OH-]=1.0×10^(-14)/1.4×10^(-9)=7.1×10^(-6) mol/L
pH=-log[H+]=-log(7.1×10^(-6))=5.15
よって、pHが5.15以上になるとM(OH)2が沈殿し始めます。選択肢の中で最も近い値は5(選択肢2)です。
■結論|
選択肢の中で最も近い値は5(選択肢2)です。
■補足|
pHが3の場合は、[OH-]がKsp/[M2+]よりも小さいため、沈殿は生成しません。
pHが7, 9, 11の場合は、既に多くのM(OH)2が沈殿しており、沈殿が生成し始めるpHとしては高すぎます。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点|金属水酸化物の沈殿生成
この問題の論点は、金属水酸化物の沈殿が生成し始めるpHを特定することです。
■解説1|
M(OH)2の沈殿が生成し始める条件は、溶解度積 Ksp に基づきます。M(OH)2 の溶解度積 Ksp は以下の式で表されます:
Ksp=[M(2+)][OH-]^2
ここで、与えられた条件を代入します:
Ksp=2.0×10^(-20)
[M(2+)]=0.01 mol/L
この条件で、[OH-]を求めます:
2.0×10^(-20)=(0.01) [OH-]^2
[OH-]^2=2.0×10^(-20)/0.01
[OH-]^2=2.0×10^(-18)
[OH-]=√(2.0×10^(-18))
[OH-]=√2×10^(-9)
[OH-]=1.4×10^(-9)
次に、水のイオン積からpHを求めます:
Kw=[H+][OH-]=1.0×10^(-14)
[H+]=1.0×10^(-14)/(1.4×10^(-9))
[H+]=7.1×10^(-6)
pHは次のように計算されます:
pH=-log[H+]
pH=-log(7.1×10^(-6))
pH=-(log7.1+log10^(-6))
pH=-(0.85-6)
pH=5.15
■解説2|
溶解度積 Ksp は、一定温度での溶液中の溶質の最大濃度積を示します。溶解度積が小さいほど、物質は難溶性であることを意味します。
水のイオン積 Kw は、純水中の水素イオン濃度と水酸化物イオン濃度の積が常に一定であることを示します。この値は温度によってわずかに変動しますが、通常は1.0×10^(-14) とされています。
pHは水溶液中の水素イオン濃度の負の対数です。低いpHは高い酸性度を、高いpHは高いアルカリ度を示します。
■結論|
正しい選択肢は、2です。
■補足|
pH=3(選択肢1)
このpHでは、[OH-]が10^(-11)となり、溶解度積を満たさないため、沈殿は生成しません。
pH=7(選択肢3)
このpHでは、[OH-]が10^(-7)となり、溶解度積を大きく超えるため、沈殿が既に生成されています。
pH=9(選択肢4)
このpHでは、[OH-]が10^(-5)となり、溶解度積を大きく超えるため、沈殿が既に生成されています。
pH=11(選択肢5)
このpHでは、[OH-]が10^(-3)となり、溶解度積を大きく超えるため、沈殿が既に生成されています。


物理|問 108-095 ■正答| 3
0.20mol/L塩化アンモニウム水溶液100mLを用いてアンモニア・塩化アンモニウム緩衝液(pH 9.0)を調製したい。この塩化アンモニウム水溶液に加える0.18 mol/L アンモニア水溶液の液量に最も近い値はどれか。1つ選べ。
ただし、アンモニアのpKb=4.7、水のイオン積[H+][OH-]=1.0×10^(-14)(mol/L)^2、10^(0.3)=2 とし、混合により各水溶液の体積は変化しないものとする。
■選択肢

  1. 15mL

  2. 35mL

  3. 55mL

  4. 75mL

  5. 95mL


物理|問 108-095


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|緩衝液の調製とpH計算
この問題の論点は、Henderson-Hasselbalch の式を用いて、目的の pH を持つ緩衝液を調製するために必要な弱酸とその共役塩基のモル比を計算し、必要な溶液の量を求められるようになることです。
■解説1|
0.20 mol/L 塩化アンモニウム水溶液 100 mL に加える 0.18 mol/L アンモニア水溶液の液量に最も近い値は 55 mL である。(選択肢3) [正しい]
■解説2|

  1. 必要な弱酸と共役塩基のモル比を計算する。
    アンモニアの pKb=4.7 から、共役酸であるアンモニウムイオンの pKa を求めます。
    pKa+pKb=14 より、pKa=14-pKb=14-4.7=9.3
    目的の pH である 9.0 とアンモニウムイオンの pKa=9.3 を Henderson-Hasselbalch の式に代入します。
    pH=pKa+log([共役塩基]/[弱酸])
    9.0=9.3+log([NH3]/[NH4+])
    log([NH3]/[NH4+])=-0.3
    [NH3]/[NH4+]=10^(-0.3)=1/2 (10^0.3=2 のため)
    よって、アンモニアと塩化アンモニウムのモル濃度比は 1:2 です。

  2. 塩化アンモニウムのモル数を計算する。
    塩化アンモニウムの初濃度は 0.20 mol/L で、体積が 100 mL なので、
    モル数(NH4+)=0.20 mol/L×0.1 L=0.02 mol

  3. 必要なアンモニアのモル数を計算する。
    塩基と酸のモル濃度比は 1:2 なので、
    モル数(NH3)=0.02 mol×(1/2)=0.01 mol

  4. 必要なアンモニア水溶液の体積を計算する。
    0.18 mol/L のアンモニア水溶液を使用するので、液量 V(L)は次の式で求められます。
    0.18(mol/L) × V(L)=0.01(mol)
    V=0.01(mol)/0.18(mol/L)=0.0556(L)=55.6(mL)
    ■結論|
    正しい選択肢は選択肢3(55 mL) です。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点|緩衝液の調製
この問題の論点は、緩衝液のpHを求めるためのアンモニア水溶液の量を特定することです。
■解説1|
緩衝液のpHはHenderson-Hasselbalchの式を使用して計算できます。この式は以下の通りです:
pH=pKa+log([塩基]/[酸])
アンモニアと塩化アンモニウムの緩衝液の場合、アンモニアは塩基、塩化アンモニウムは酸(その共役酸)に相当します。
まず、アンモニアのpKaを求めます。アンモニアのpKbが4.7であるため:
pKa=14-pKb=14-4.7=9.3
次に、pHが9.0であることから、Henderson-Hasselbalchの式を用いて計算します:
9.0=9.3+log([NH3]/[NH4+])
log([NH3]/[NH4+])=9.0-9.3=-0.3[NH3]/[NH4+]=10^(-0.3)
[NH3]/[NH4+]=1/2 (10^0.3=2 のため)
したがって、塩基と酸のモル濃度比は1:2です。
■解説2|
塩化アンモニウム(NH4Cl)の初濃度は0.20 mol/Lで、体積が100 mLです。モル数を求めると:
モル数(NH4+)=0.20mol/L×0.1L=0.02mol
NH3のモル数を求めるために必要な条件を満たすには、2分の1のモル数(NH4+の半分)である必要があります。
モル数(NH3)=0.02mol×1/2=0.01mol
この0.01molのアンモニアを提供するためには、0.18mol/Lのアンモニア水溶液を使用します。
液量V(L)は次の式で求められます:
0.18(mol/L)×V(L)=0.01(mol)
V=0.01(mol)/0.18(mol/L)=0.0556(L)=55.6(mL)
■結論|
正しい選択肢は、3(55 mL)です。
■補足|

  1. 15mL(選択肢1) [誤り]
    この量では、必要なアンモニアのモル数に達しません。

  2. 35mL(選択肢2) [誤り]
    この量では、まだ不足しています。

  3. 75mL(選択肢4) [誤り]
    この量では、過剰です。

  4. 95mL(選択肢5) [誤り]
    この量でも、過剰です。


物理|問 107-096 ■正答| 5
分配係数は、薬物の脂溶性の指標として用いられる。ある1価の弱酸HA(pKa5.3)がpH5.0の緩衝液中に溶解している。この緩衝液200mLに水と混ざり合わない有機溶媒100mLを加えてHAを1回抽出したところ、抽出率は75%であった。この弱酸HAの分配係数KD(有機溶媒中の分子形の濃度/緩衝液中の分子形の濃度)に最も近い値はどれか。1つ選べ。
ただし、温度は一定で、混合により有機溶媒と緩衝液の体積に変化はなく、イオン形(解離形)は有機層に移行しないものとする。また、10^(0.3)=2とする。
■選択肢

  1. 4

  2. 5

  3. 6

  4. 7

  5. 9


物理|問 107-096


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|分配係数と抽出率の関係
この問題の論点は、分配係数の定義と抽出率の関係を理解し、弱酸の解離平衡を考慮して分配係数を計算できるようになることです。
■解説1|
この弱酸 HA の分配係数 KD (有機溶媒中の分子形の濃度 / 緩衝液中の分子形の濃度) に最も近い値は 9 である。(選択肢5)
■解説2|
弱酸の解離平衡を求める。
弱酸HAは、水溶液中で解離平衡の状態にあります。
pKa=5.3, 緩衝液のpH=5.0であり、Henderson-Hasselbalchの式を用いると、
pH=pKa+log([A-]/[HA])
5.0=5.3+log([A-]/[HA])
log([A-]/[HA])=-0.3
[A-]/[HA]=10^(-0.3)=1/2
よって、緩衝液中のHAは、A-とHAが1:2の比で存在していることが分かります。
抽出後のHA量から、有機溶媒中と緩衝液中の分子形のHA濃度を求める。
最初のこの弱酸化合物の量をDとすると、D=([A-]+[HA])×200 mL と表せます。
抽出後の緩衝液中の弱酸化合物の量D'は、D'=0.25×Dです。
[A-]:[HA]=1:2より、緩衝液中の分子形のHAの濃度 [HA]wは、
[HA]w=(2/3)×0.25×D/200 mL
有機溶媒中の分子形のHAの濃度 [HA]oは、
[HA]o = 0.75×D/100 mL
分配係数(KD)を計算する。
分配係数KDは、有機溶媒中の分子形のHAの濃度と、緩衝液中の分子形のHAの濃度との比で表されます。
KD=[HA]o/[HA]w=(0.75×D/100 mL)/((2/3)×0.25×D/200 mL)=9
■結論|
正しい選択肢は 9 です。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点| 分配係数の計算
この問題の論点は、弱酸の分配係数を特定することです。
■解説1|
まず、pHとpKaの関係から緩衝液中の分子形[HA]とイオン形. [A-]の比率を求めます。
Henderson-Hasselbalchの式を使用して以下のように計算します:
pH=pKa+log([A-]/[HA])
5.0=5.3+log([A-]/[HA])
log([A-]/[HA])=-0.3[A-]/[HA]=10^(-0.3)=1/2
次に、抽出前の緩衝液中の分子形[HA]の量とイオン形[A-]の量の比率を用います。
最初のこの弱酸化合物の全量をDとすると、以下の関係が成り立ちます:
[A-]:[HA]=1:2
有機溶媒中に移行した分子形[HA]の割合が75%であることから、抽出後の緩衝液中に残っている分子形[HA]の量は25%です。
全体の分子形[HA]の割合は以下のようになります:
緩衝液中の分子形の濃度. [HA]w=2/3×0.25×D/200mL
有機溶媒中の分子形の濃度. [HA]o=0.75×D/100mL
分配係数KDは以下の式で求められます:
KD=[HA]o/[HA]w
KD=(0.75×D/100mL)/(2/3×0.25×D/200mL)
KD=0.75/(2/3×0.25×2)
KD=9
■解説2|
Henderson-Hasselbalchの式により、緩衝液中の弱酸の解離の程度を求め、緩衝液中の分子形[HA]とイオン形[A-]の比率を決定します。この比率が抽出の効率に影響します。
分配係数KDは、有機溶媒中の分子形[HA]の濃度と緩衝液中の分子形[HA]の濃度の比率として定義されます。これにより、分子形の分布がわかり、抽出効率の指標です。
■結論|
正しい選択肢は、5です。


物理|問 108-096 ■正答| 2
紫外可視吸光度測定法を用いて、単一の波長により、ある化合物の濃度の異なる2種類の水溶液の透過率を測定したところ、水溶液Iの透過率は50%、水溶液IIの透過率は20%であった。水溶液IとIIを等量ずつ混合した水溶液の吸光度に最も近い値はどれか。1つ選べ。
ただし、log2=0.3、用いたセルの層長は1cmとする。
■選択肢

  1. 0.3

  2. 0.5

  3. 0.7

  4. 1

  5. 1.5


物理|問 108-096


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|吸光度と透過率の関係、および溶液の混合による吸光度の変化
この問題は、ランバート・ベールの法則を理解し、透過率から吸光度を計算し、溶液の混合による吸光度の変化を計算できるかどうかを問うものです。
■解説1|
水溶液IとIIを等量ずつ混合した水溶液の吸光度に最も近い値は 0.5 である。(選択肢2) [正しい]
まず、水溶液IとIIの吸光度をそれぞれ求めます。次に、混合後の溶液の濃度を考慮し、吸光度の加成性を用いて混合溶液の吸光度を計算します。
■解説2|
水溶液IとIIの吸光度を求める。
透過率Tと吸光度Aの関係は、A=-logT で表されます。
水溶液Iの吸光度A1は、A1=-log(50/100)=-log(1/2)=log2=0.3
水溶液IIの吸光度A2は、A2=-log(20/100)=-log(1/5)=log5
2. 混合溶液の吸光度を求める。
水溶液IとIIを等量ずつ混合すると、それぞれの溶質の濃度は元の1/2になります。
ランバート・ベールの法則より、吸光度は濃度に比例するため、水溶液Iの吸光度は0.3/2、水溶液IIの吸光度は(log5)/2です。
混合溶液の吸光度は、それぞれの溶液の吸光度の和となるため、混合溶液の吸光度Aは、
A=0.3/2+(log5)/2
log5=log(10/2)=log10-log2=1-0.3=0.7 より、
A=0.3/2+0.7/2=0.5
■結論|
正しい選択肢は 2 です。
■補足|
ランバート・ベールの法則は、溶液の吸光度が溶液の濃度と光が溶液を通過する距離に比例することを示しています。
吸光度は、物質が特定の波長の光を吸収する程度を示す尺度です。
透過率は、入射光に対してどれだけ多くの光が溶液を通過したかを表す尺度です。


■■GPT4 or GPT3.5
物理|問 108-096
■論点| 混合溶液の吸光度計算
この問題の論点は、紫外可視吸光度測定法を用いて、異なる透過率を持つ水溶液を混合した際の吸光度を計算することです。
■解説1|
透過率と吸光度の関係から、それぞれの溶液の吸光度を計算します。
透過率(T)=50%のとき、吸光度(A)は以下のように計算されます:
A=log(100/T)=log(100/50)=log2=0.3
透過率(T)=20%のとき、吸光度(A)は以下のように計算されます:
A=log(100/T)=log(100/20)=log5=0.7
ただし、 log5=log(10/2)=log10-log2=1-0.3=0.7
溶液Iと溶液IIを等量ずつ混合すると、両方の溶液の濃度は半分になります。吸光度は濃度に比例するため、それぞれの吸光度も半分になります。
水溶液Iの吸光度は:
0.3/2=0.15
水溶液IIの吸光度は:
0.7/2=0.35
混合溶液の吸光度は、個々の吸光度の和です。
0.15+0.35=0.5
■解説2|
吸光度(A)は溶液の濃度(c)とセルの層長(l)に比例します。ランバート・ベールの法則(A=εcl)により、溶液の吸光度は濃度の変化に対して直線的に変わります。
吸光度は透過率の逆数の常用対数であり、透過率から吸光度を求める際には対数変換が必要です。特に、混合溶液の吸光度はそれぞれの成分の吸光度の和として計算されます。
この問題では、log2=0.3を使用して簡略化されていますが、正確な計算が必要な場合は、対数の基本的な性質と精度に留意する必要があります。
■結論|
正しい選択肢は、2です。


物理|問 109-096 ■正答| 1 4
熱容量に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
ただし、Vは体積、pは圧力、Tは絶対温度、Hはエンタルピー、Rは気体定数、Cvは定容熱容量、Cv,mは定容モル熱容量、Cp,mは定圧モル熱容量である。
■選択肢

  1. モル熱容量は1molの物質の温度を1K上昇させるのに必要な熱である。

  2. 熱容量の単位はJ・Kである。

  3. Cvは、Cv= dH/dTにより求められる。

  4. 理想気体では、Cv,m<Cp,mである。

  5. 理想気体のCv,mは、1/2*Rである。


物理|問 109-096


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|熱容量の定義と性質
この問題の論点は、熱容量、モル熱容量、定圧熱容量、定容熱容量の定義と関係性を理解し、理想気体における特徴を理解しているかを問うものです。
■解説1|
モル熱容量は1molの物質の温度を1K上昇させるのに必要な熱である。(選択肢1) [正しい]
モル熱容量は、物質 1 mol の温度を 1 K (または 1 ℃) 上昇させるのに必要な熱量として定義されます。
理想気体では、Cv,m < Cp,m である。(選択肢4) [正しい]
理想気体では、定圧変化においては体積変化に伴う仕事をする必要があるため、同じ温度上昇を得るためには、定容変化の場合よりも多くの熱量を必要とします。
■解説2|
熱容量は、ある物質の温度を 1 K (または 1 ℃) 上昇させるのに必要な熱量として定義されます。
モル熱容量は、物質 1 mol あたりの熱容量です。
定圧熱容量 (Cp) は、圧力一定の条件下で測定される熱容量です。
定容熱容量 (Cv) は、体積一定の条件下で測定される熱容量です。
理想気体では、Cp,m-Cv,m=R という関係が成り立ちます。
■結論|
正しい選択肢は 1 と 4 です。
■補足|
熱容量の単位はJ・Kである。(選択肢2) [誤り]
熱容量の単位は、J・K⁻¹ もしくは cal・K⁻¹です。
Cvは、Cv=dH/dTにより求められる。(選択肢3) [誤り]
Cv は、Cv=(∂U/∂T)v で表されます。dH/dT は定圧熱容量 Cp を表します。
理想気体のCv,mは、1/2*Rである。(選択肢5) [誤り]
理想気体の Cv,m は、単原子分子では (3/2)R、二原子分子では (5/2)R です。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点|熱容量に関する理解
この問題の論点は、熱容量に関する正しい知識を特定することです。
■解説1|
モル熱容量は1molの物質の温度を1K上昇させるのに必要な熱である。(選択肢1) [正しい]
モル熱容量(molar heat capacity) は、1molの物質の温度を1K上昇させるのに必要な熱量を示します。この定義は正確です。
理想気体では、Cv,m < Cp,mである。(選択肢4) [正しい]
理想気体において、定容モル熱容量(Cv,m) と定圧モル熱容量(Cp,m) の関係は、Cp,m=Cv,m+R で表されます。したがって、常に Cv,m < Cp,m です。
■解説2|
熱容量の概念:
熱容量(C) は、物質の温度を1K上昇させるのに必要な熱量です。定圧条件下では定圧熱容量(Cp)、定容条件下では定容熱容量(Cv) として定義されます。
単位は通常 J/K・mol です(モル当たりの熱容量の場合)。
理想気体の熱容量:
理想気体に対する熱容量の関係式は重要です。特に、定容条件下での熱容量 Cv は dU/dT、定圧条件下での熱容量 Cp は dH/dT です。
理想気体の定容モル熱容量(Cv,m) は分子の自由度に依存し、単原子分子の場合 3/2・R、二原子分子の場合 5/2・R です。
■結論|
正しい選択肢は、1と4です。
■補足|
熱容量の単位は J・K である。(選択肢2) [誤り]
熱容量の単位は J/K ですが、モル熱容量や比熱容量の単位は J/(K・mol) や J/(K・g) などです。選択肢の記述は不完全です。
Cvは、Cv= dH/dT により求められる。(選択肢3) [誤り]
Cv は定容条件下での熱容量であり、内部エネルギー(U) の温度変化に関するものです。正しくは Cv=dU/dT です。dH/dT は定圧条件下の熱容量 Cp に対応します。
理想気体の Cv,m は、1/2・R である。(選択肢5) [誤り]
理想気体の単原子分子の定容モル熱容量(Cv,m) は 3/2・R です。


■■Copilot powered by GPT4
■参考|
それぞれの概念
V: 体積。物体が占める空間の大きさ。
P: 圧力。単位面積あたりに働く力の大きさ。
T: 絶対温度。絶対零度からの温度、ケルビン(K)。
H: エンタルピー。熱力学的なポテンシャルエネルギーで、一定圧力下での熱量。
R: 気体定数。理想気体の状態方程式で使われ、その値は8.314 J/(mol·K)。
Cv: 定容熱容量。体積を一定としたときに、1K温度上昇させるのに必要な熱量。
Cv,m: 定容モル熱容量。体積を一定としたときに、1molの物質の温度を1K上昇させるのに必要な熱量。
Cp,m: 定圧モル熱容量。圧力を一定としたときに、1molの物質の温度を1K上昇させるのに必要な熱量。
これらの概念は熱力学の基本的な要素であり、物質の状態変化を理解するために重要です。
定容熱容量(Cv)と定圧熱容量(Cp)を求める式は以下の通りです:

定容熱容量Cv:
Cv=(δU/δT)v
ここで、U: 内部エネルギー、T: 温度、V: 体積(一定)
定圧熱容量Cp:
Cp=(δH/δT)p
ここで、H: エンタルピー、T: 温度、P: 圧力(一定)
これらの式は、系の熱的性質を理解するために重要です。定容熱容量は体積が一定のときの温度変化に対する内部エネルギーの変化を、定圧熱容量は圧力が一定のときの温度変化に対するエンタルピーの変化をそれぞれ表します。


物理|問 106-097 ■正答| 2 4
分子量を求める方法に関する次の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
ただし、気体定数は8.314J・K^(-1)・mol^(-1)とし、水溶液の比重は1と近似できるものとする。分子量は凝固点降下を利用して知ることができる。例えば、1.0%グルコース(分子量180)水溶液の凝固点降下は、水のモル凝固点降下定数を1.86K・kg・mol^(-1)とすると約[ア]Kとなる。一方、1.0%タンパク質(分子量18,000)水溶液の凝固点降下は約[イ]Kとなり、測定が難しい。そこで、同じく溶液の[ウ]性質の一つである浸透圧を上記のタンパク質溶液について測定すると、300Kにおいて、約[エ]Paとなり、タンパク質のような大きな分子の分子量も浸透圧から見積もることができる。
■選択肢

  1. [ア]にあてはまる数値は、1.0である。

  2. [イ]にあてはまる数値は、0.001である。

  3. [ウ]にあてはまるのは、「均一的」である。

  4. [ウ]の性質の一つに、蒸気圧降下がある。

  5. [エ]にあてはまる数値は、140である。


物理|問 106-097


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|分子量測定法
この問題の論点は、凝固点降下と浸透圧という二つの束一的性質を用いた高分子化合物の分子量測定法の原理について理解しているかを問うものです。
■解説1|
[イ]にあてはまる数値は、0.001である。(選択肢2) [正しい]
凝固点降下度は溶液の質量モル濃度に比例します。1.0%グルコース水溶液と1.0%タンパク質水溶液では、タンパク質の方が分子量が大きく質量モル濃度が1/100となるため、凝固点降下度も1/100になります。
[ウ]の性質の一つに、蒸気圧降下がある。(選択肢4) [正しい]
蒸気圧降下も凝固点降下や浸透圧と同様に、溶液中の溶質の粒子数によってのみ決まる束一的性質の一つです。
■解説2|
1.0%グルコース水溶液の凝固点降下度は、ΔT = Kf × m より、1.86 × (10 g / 180 g/mol ) / 0.1 kg = 0.103 K となります。
タンパク質はグルコースの100倍の分子量であるため、凝固点降下度はグルコースの1/100となり、約0.001 K となります。
溶液の束一的性質には、凝固点降下、沸点上昇、蒸気圧降下、浸透圧の4つがあります。
これらの現象は、溶液中の溶質粒子によってのみ決まり、溶質の種類や化学的性質には依存しません。
浸透圧(Π)は、Π=cRTで表されます。
1.0% (w/v) タンパク質水溶液は、1.0 g / 100 mL = 0.01 g/mL の濃度です。
分子量 18,000 に対するモル濃度 c は、0.01 (g/mL) / 18,000 ( g/mol ) = 5.56 × 10⁻⁷ mol/mL = 5.56 × 10⁻⁴ mol/L となります。
絶対温度 T は 300 K、気体定数 R は 8.314 J・K⁻¹・mol⁻¹ なので、浸透圧 Π は、
Π = (5.56 × 10⁻⁴ mol/L) × (8.314 J・K⁻¹・mol⁻¹) × (300 K) = 1.39 J/L = 1.39 Pa
水溶液の比重を1と近似すると、1 Pa = 1 N/m² = 1 kg・m⁻¹・s⁻²、1 J/L = 1 kg・m⁻¹・s⁻² なので、浸透圧は約 1.39 Pa となります。
■結論|
正しい選択肢は 2 と 4 です。
■補足|
[ア]にあてはまる数値は、1.0である。(選択肢1) [誤り]
正しくは、計算により求められる凝固点降下度は約0.1 K です。
[ウ]にあてはまるのは、「均一的」である。(選択肢3) [誤り]
束一的性質は溶液の均一性とは無関係に、溶質粒子数によって決まります。
[エ]にあてはまる数値は、140である。(選択肢5) [誤り]
正しくは、計算により求められる浸透圧は約1.39 Paです。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点|分子量を求める方法
この問題の論点は、分子量を求めるための方法とその適用例を特定することです。
■解説1|
[イ]にあてはまる数値は、0.001である。(選択肢2) [正しい]
凝固点降下法により分子量を求める場合、分子量が大きくなるほど凝固点降下は小さくなります。
1.0%タンパク質(分子量18,000)水溶液の凝固点降下が0.001K程度であることは、分子量が非常に大きいために凝固点降下が小さいことを示しています。
[ウ]の性質の一つに、蒸気圧降下がある。(選択肢4) [正しい]
溶液の性質に関して、「コラジゲーティブ性質」として知られるものには蒸気圧降下、沸点上昇、凝固点降下、浸透圧があります。蒸気圧降下もその一つであり、これは正しい記述です。
■解説2|
凝固点降下法:
凝固点降下 ΔTf は、溶質のモル濃度(m) とモル凝固点降下定数(Kf) の積で求められます。
グルコース水溶液の場合、1.0%(0.01g/mL) の濃度は、溶質量(0.01g)/分子量(180g/mol)=約0.0556mol/kg です。よって、ΔTf=1.86 * 0.0556=約0.103K です。
浸透圧法:
浸透圧(Π) は、溶液のモル濃度(c) と気体定数(R) および絶対温度(T) の積で求められます。つまり、Π=cRT です。
タンパク質水溶液の場合、1.0%(0.01g/mL) の濃度で、分子量18,000に対するモル濃度は0.01(g/mL)/18,000(g/mol)=約5.56 * 10^-7 mol/mL=0.000556mol/L です。
これを基に浸透圧を計算すると、Π=0.000556 * 8.314 * 300=約1.39Pa です。
■結論|
正しい選択肢は、2と4です。
■補足|
[ア]にあてはまる数値は、1.0である。(選択肢1) [誤り]
グルコース水溶液の凝固点降下は、約0.103Kであり、1.0Kとは異なります。
[ウ]にあてはまるのは、「均一的」である。(選択肢3) [誤り]
「均一的」ではなく、「コラジゲーティブ性質」が適切です。コラジゲーティブ性質は、溶質の種類に依存せず、溶質の粒子数に依存する特性を指します。
[エ]にあてはまる数値は、140である。(選択肢5) [誤り]
上記の浸透圧の計算に基づき、正しい数値は約1.39Paであり、140Paとは大きく異なります。


物理|問 107-097 ■正答| 2 5
日本薬局方に記載されているハロゲン化物の定性反応A~Dに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
定性反応|
A
本品の溶液に[ア]試液を加えるとき、淡黄色の沈殿を生じる。沈殿を分取し、この一部に希硝酸を加えても溶けない。また、他の一部にアンモニア水(28)を加えて振り混ぜた後、分離した液に希硝酸を加えて酸性にすると[イ. 白濁]する。
B
本品の溶液に[ア]試液を加えるとき、[ウ. 沈殿]を生じる。この一部に希硝酸を、また、他の一部にアンモニア水(28)を追加してもいずれも沈殿は溶けない。
C
本品の溶液に[ア]試液を加えるとき、白色の沈殿を生じる。沈殿を分取し、この一部に希硝酸を加えても溶けない。また、他の一部に[エ. 過量のアンモニア試液を加えるとき、溶ける。]
D
本品の溶液に塩素試液を加えるとき、黄褐色を呈する。これを二分し、この一部にクロロホルムを追加して振り混ぜるとき、クロロホルム層は黄褐色~赤褐色を呈する。また、他の一部にフェノールを追加するとき、[オ. 白色の沈殿を生じる。]
■選択肢

  1. アに入る化合物は、塩化銀である。

  2. 下線部イの白濁は臭化銀の生成による。

  3. 下線部ウの沈殿は黒紫色を呈する。

  4. 下線部エでは銀イオンが水酸化物イオンと錯イオンを形成する。

  5. 下線部オの白色の沈殿は2,4,6-トリブロモフェノールである。


物理|問 107-097


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|ハロゲン化物の定性分析
この問題の論点は、ハロゲン化物イオン(Cl⁻, Br⁻, I⁻)をそれぞれ沈殿反応や酸化還元反応を用いて識別する方法について理解しているかを問うものです。
■解説1|
下線部イの白濁は臭化銀の生成による。(選択肢2) [正しい]
臭化物イオンを含む溶液に硝酸銀試液を加えると淡黄色の臭化銀AgBrが沈殿します。この沈殿は希硝酸に溶けませんが、アンモニア水を加えると錯イオンを形成して溶解します。この溶液を酸性にすることで再びAgBrが生成し、白濁します。
下線部オの白色の沈殿は2,4,6-トリブロモフェノールである。(選択肢5) [正しい]
臭化物イオンを含む溶液に塩素試液を加えると臭素Br₂が生成します。この溶液にフェノールを加えると、臭素がフェノールに置換反応を起こし、白色の2,4,6-トリブロモフェノールが生成します。
■解説2|
ハロゲン化物イオンを含む溶液に硝酸銀試液を加えると、それぞれハロゲン化銀の沈殿を生じます。AgClは白色、AgBrは淡黄色、AgIは黄色の沈殿を生じるため、色によってある程度区別できます。
また、それぞれのハロゲン化物イオンは酸化されやすさが異なることを利用し、塩素や臭素を酸化剤として加えることで識別することも可能です。
■結論|
正しい選択肢は 2 と 5 です。
■補足|
アに入る化合物は、塩化銀である。(選択肢1) [誤り]
AgClの沈殿は白色であるため、誤りです。
下線部ウの沈殿は黒紫色を呈する。(選択肢3) [誤り]
下線部ウの沈殿はAgIであり、黄色の沈殿を生じるため、誤りです。
下線部エでは銀イオンが水酸化物イオンと錯イオンを形成する。(選択肢4) [誤り]
下線部エの反応は塩化銀とアンモニアによる錯イオン形成反応です。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点|ハロゲン化物の定性反応
この問題の論点は、日本薬局方に記載されているハロゲン化物の定性反応に関する知識を正確に把握し、正しい反応記述を特定することです。
■解説1|
2. 下線部イの白濁は臭化銀の生成による。(選択肢2) [正しい]
日本薬局方において、臭化物の溶液に硝酸銀試液を加えると淡黄色の沈殿(臭化銀)が生じます。この沈殿をアンモニア水で処理し、再び希硝酸を加えると白濁(臭化銀の再沈殿)が観察されます。
5. 下線部オの白色の沈殿は2,4,6-トリブロモフェノールである。(選択肢5) [正しい]
臭化物の溶液に塩素試液を加えてフェノールを追加すると、2,4,6-トリブロモフェノールの白色沈殿が生成されます。これは日本薬局方に記載されている反応で、臭化物の定性試験として利用されます。
■解説2|
臭化銀の生成と白濁:
臭化物の検出において、硝酸銀を用いると淡黄色の臭化銀(AgBr)が沈殿します。この沈殿は希硝酸には溶けず、アンモニア水には一旦溶解しますが、再度希硝酸を加えると白濁が生じます。
この反応は、臭化物イオンが存在することを確認する標準的な方法です。
2,4,6-トリブロモフェノールの生成:
臭化物の溶液に塩素試液を加え、さらにフェノールを追加すると、フェノールのブロモ化が進行し、2,4,6-トリブロモフェノールの白色沈殿が形成されます。
この反応は、臭化物の検出に特有の反応であり、臭化物の存在を確認するために用いられます。
■結論|
正しい選択肢は、2と5です。
■補足|
アに入る化合物は、塩化銀である。(選択肢1) [誤り]
アに入るのは硝酸銀試液であり、反応して生成されるのは臭化銀(AgBr)です。塩化銀(AgCl)ではありません。
下線部ウの沈殿は黒紫色を呈する。(選択肢3) [誤り]
下線部ウに該当するのは、硝酸銀試液を加えて生成する臭化銀(AgBr)であり、淡黄色の沈殿です。黒紫色ではありません。
下線部エでは銀イオンが水酸化物イオンと錯イオンを形成する。(選択肢4) [誤り]
銀イオンが水酸化物イオンと錯イオンを形成するのではなく、アンモニア水で臭化銀が一旦溶解し、希硝酸を加えることで再び沈殿します。
■■Copilot powered by GPT4
■参考|
以下に、化学反応の仕組みを基礎的な化学反応の原理に基づいて解説します。
臭化物の溶液に硝酸銀試液を加えるとき,淡黄色の沈殿を生じる。
これは、臭化物イオン(Br-)と硝酸銀(AgNO3)が反応して、硝酸と銀の臭化物(AgBr)を生成する反応です。銀の臭化物は淡黄色の沈殿として現れます。この反応は以下の化学式で表されます:
Br- + AgNO3 → AgBr↓ + NO3-
ここで、↓は沈殿を示します。
沈殿を分取し,この一部に希硝酸を加えても溶けない。
銀の臭化物(AgBr)は水にほとんど溶けない性質があります。そのため、希硝酸を加えても溶けません。
他の一部にアンモニア水(28)を加えて振り混ぜた後,分離した液に希硝酸を加えて酸性にすると白濁する。
アンモニア水を加えると、銀の臭化物はアンモニアと反応して複合イオンを形成します。しかし、希硝酸を加えて酸性にすると、複合イオンは分解し、銀の臭化物が再び生成します。これは白濁として観察されます。
臭化物の溶液に塩素試液を加えるとき,黄褐色を呈する。
これは、臭化物イオンが塩素と反応して、臭素を生成し、塩化物イオンを残す反応です。臭素は黄褐色を呈します。この反応は以下の化学式で表されます:
2Br- + Cl2 → 2Cl- + Br2
ここで、Br2は黄褐色の臭素を示します。
この一部にクロロホルムを追加して振り混ぜるとき,クロロホルム層は黄褐色~赤褐色を呈する。
生成した臭素は、クロロホルムに溶け込み、黄褐色から赤褐色を呈します。これは、臭素がクロロホルムに溶け込むときの特性色です。
他の一部にフェノールを追加するとき,白色の沈殿を生じる。
臭素はフェノールと反応して、2,4,6-トリブロモフェノールを生成します。これは白色の沈殿として観察されます。この反応は以下の化学式で表されます:
Br2 + C6H5OH → C6H2Br3OH + HBr
化学反応の引用元:日本薬局方 30 一般試験法 1. 化学的試験法 臭化物
(1) 臭化物の溶液に硝酸銀試液を加えるとき,淡黄色の沈殿を生じる.沈殿を分取し,この一部に希硝酸を加えても溶けない.また,他の一部にアンモニア水(28)を加えて振り混ぜた後,分離した液に希硝酸を加えて酸性にすると白濁する.
(2) 臭化物の溶液に塩素試液を加えるとき,黄褐色を呈する.これを二分し,この一部にクロロホルムを追加して振り混ぜるとき,クロロホルム層は黄褐色~赤褐色を呈する.また,他の一部にフェノールを追加するとき,白色の沈殿を生じる.


|問 108-97-98 ■正答|
■問題文
ある化合物が医薬品として適合するかどうかの判定は、分離分析、定性分析及び定量分析を駆使して行われる。次の記述は、日本薬局方L-アラニン(C3H7NO2:89.09)の純度試験(一部要約)及び定量法である。純度試験
試料溶液及び標準溶液20μLずつを正確にとり、次の条件で液体クロマトグラフィーにより試験を行う。試料溶液及び標準溶液から得たピーク高さから試料溶液1mLに含まれるアラニン以外のアミノ酸の質量を求め、その質量百分率を算出するとき、アラニン以外の各アミノ酸の量は0.1%以下である。
試験条件
検出器:可視吸光光度計(測定波長:570nm)
カラム: 内径4.6mm、長さ8cmのステンレス管に3nmのポリスチレンにスルホン酸基を結合した液体クロマトグラフィー用強酸性イオン交換樹脂(Na型)を充塡する。
~(中略)~
移動相:移動相AからEの順に切り換える。
反応試薬:ニンヒドリンを含む溶液
~(以下略)~
定量法
本品を乾燥し、その約90mgを精密に量り、ギ酸3mLに溶かし、酢酸(100)50mLを加え、0.1mol/L過塩素酸で滴定する(電位差滴定法)。同様の方法で空試験を行い、補正する。0.1 mol/L 過塩素酸1mL=[ア]mg C3H7NO2


物理|問 108-097 ■正答| 1 3
ある化合物が医薬品として適合するかどうかの判定は、分離分析、定性分析及び定量分析を駆使して行われる。次の記述は、日本薬局方L-アラニン(C3H7NO2:89.09)の純度試験(一部要約)及び定量法である。
純度試験
試料溶液及び標準溶液20μLずつを正確にとり、次の条件で液体クロマトグラフィーにより試験を行う。試料溶液及び標準溶液から得たピーク高さから試料溶液1mLに含まれるアラニン以外のアミノ酸の質量を求め、その質量百分率を算出するとき、アラニン以外の各アミノ酸の量は0.1%以下である。
試験条件
検出器:可視吸光光度計(測定波長:570nm)
カラム: 内径4.6mm、長さ8cmのステンレス管に3nmのポリスチレンにスルホン酸基を結合した液体クロマトグラフィー用強酸性イオン交換樹脂(Na型)を充塡する。
~(中略)~
移動相:移動相AからEの順に切り換える。
反応試薬:ニンヒドリンを含む溶液
~(以下略)~
定量法
本品を乾燥し、その約90mgを精密に量り、ギ酸3mLに溶かし、酢酸(100)50mLを加え、0.1mol/L過塩素酸で滴定する(電位差滴定法)。同様の方法で空試験を行い、補正する。0.1 mol/L 過塩素酸1mL=[ア]mg C3H7NO2
純度試験に用いた液体クロマトグラフィー(LC)に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 一般に、この検出器の光源にはタングステンランプが用いられる。

  2. 固定相は陰イオン交換体である。

  3. 移動相はAからEの順に、pHが大きくなる。

  4. このLCは、プレカラム誘導体化法である。

  5. アラニンとプロリンは同じ呈色物質を生成する。


物理|問 108-097


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|アミノ酸分析における液体クロマトグラフィー
この問題の論点は、日本薬局方におけるアミノ酸分析に用いられる液体クロマトグラフィーの検出法、固定相、移動相の性質について理解しているかを問うものです。
■解説1|
一般に、この検出器の光源にはタングステンランプが用いられる。(選択肢1) [正しい]
可視吸光光度計では、測定波長によって適切な光源が選択されます。570 nm の可視光領域の測定には、一般的にタングステンランプが用いられます。
移動相はAからEの順に、pHが大きくなる。(選択肢3) [正しい]
参考資料の移動相の組成から、移動相AからEになるにつれて、酸性のリン酸の濃度が減少し、pHが大きくなるように設計されていることがわかります。
(*著者注釈:問題文の情報のみでは移動相の組成が示されていないため、pHが大きくなるか判断できない。)
■解説2|
可視吸光光度計は、試料溶液を通過した光の強度を測定することで、溶液中の分析対象物質の濃度を測定します。
アミノ酸分析に用いられる液体クロマトグラフィーでは、一般的に、プレカラム誘導体化法が用いられます。
プレカラム誘導体化法では、まずアミノ酸をニンヒドリンなどの試薬と反応させて呈色誘導体とした後、液体クロマトグラフィーに注入します。
この際、固定相には強酸性陽イオン交換樹脂が用いられ、移動相のpHを変化させることで、各アミノ酸を分離・検出します。
■結論|
正しい選択肢は 1 と 3 です。
■補足|
固定相は陰イオン交換体である。(選択肢2) [誤り]
固定相には強酸性陽イオン交換樹脂が用いられます。
このLCは、プレカラム誘導体化法である。(選択肢4) [誤り]
問題文の「反応試薬:ニンヒドリンを含む溶液」という記述から、プレカラム誘導体化法が用いられていることがわかります。
(*著者注釈:問題文の情報のみではプレカラム誘導体化法であることは否定されない。)
アラニンとプロリンは同じ呈色物質を生成する。(選択肢5) [誤り]
アラニンとプロリンでは、ニンヒドリンとの反応で生成する呈色物質の色が異なります。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点|液体クロマトグラフィー(LC)の試験条件
この問題の論点は、日本薬局方に基づくL-アラニンの純度試験における液体クロマトグラフィーの試験条件についての理解です。
■解説1|
一般に、この検出器の光源にはタングステンランプが用いられる。(選択肢1) [正しい]
可視吸光光度計の光源には、一般的にタングステンランプが使用されます。これは、タングステンランプが可視光領域の波長を安定して供給するためです。
移動相はAからEの順に、pHが大きくなる。(選択肢3) [正しい]
日本薬局方によると、移動相は順番にAからEへと切り替わる際に、pHが変化します。具体的なpHの変動については資料に記載されていますが、一般的にこのような設定はLCの分離効率を高めるために行われます。
(*著者注釈:問題文の情報のみでは移動相の組成が示されていないため、pHが大きくなるかは判断できない。)
■解説2|
可視吸光光度計の光源:
可視吸光光度計の光源としてタングステンランプが選ばれる理由は、安定した可視光を供給できることです。これは分析における波長安定性が求められるためです。
移動相の順序とpH変化:
LCでは、移動相のpHを制御することが重要であり、AからEへ順に切り替えることで、分離対象物質の特性に応じた最適な分離を実現します。このpHの変化は、カラム内での物質の挙動を制御するために必要です。
■結論|
正しい選択肢は、1と3です。
■補足|
固定相は陰イオン交換体である。(選択肢2) [誤り]
固定相は、ポリスチレンにスルホン酸基を結合した強酸性イオン交換樹脂(Na型)であり、これは陽イオン交換体です。
このLCは、プレカラム誘導体化法である。(選択肢4) [誤り]
プレカラム誘導体化法は、サンプルをカラムに導入する前に化学的に修飾する方法です。本問題のLC条件は直接カラム内での分離と検出の設定であり、プレカラム誘導体化法とは異なります。
(*著者注釈:問題文の情報のみではプレカラム誘導体化法であることは否定されない。)
アラニンとプロリンは同じ呈色物質を生成する。(選択肢5) [誤り]
ニンヒドリン試薬を使用する場合、アラニンとプロリンは異なる呈色物質を生成します。プロリンは通常、異なる色を呈します。


物理|問 108-098 ■正答| 3 4
ある化合物が医薬品として適合するかどうかの判定は、分離分析、定性分析及び定量分析を駆使して行われる。次の記述は、日本薬局方L-アラニン(C3H7NO2:89.09)の純度試験(一部要約)及び定量法である。純度試験
試料溶液及び標準溶液20μLずつを正確にとり、次の条件で液体クロマトグラフィーにより試験を行う。試料溶液及び標準溶液から得たピーク高さから試料溶液1mLに含まれるアラニン以外のアミノ酸の質量を求め、その質量百分率を算出するとき、アラニン以外の各アミノ酸の量は0.1%以下である。
試験条件
検出器:可視吸光光度計(測定波長:570nm)
カラム: 内径4.6mm、長さ8cmのステンレス管に3nmのポリスチレンにスルホン酸基を結合した液体クロマトグラフィー用強酸性イオン交換樹脂(Na型)を充塡する。
~(中略)~
移動相:移動相AからEの順に切り換える。
反応試薬:ニンヒドリンを含む溶液
~(以下略)~
定量法
本品を乾燥し、その約90mgを精密に量り、ギ酸3mLに溶かし、酢酸(100)50mLを加え、0.1mol/L過塩素酸で滴定する(電位差滴定法)。同様の方法で空試験を行い、補正する。0.1 mol/L 過塩素酸1mL=[ア]mg C3H7NO2
定量法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 試料95.67mgを量り取った場合、「約90mg」を量り取ったことにならない。

  2. L-アラニンはアセチル化された後、過塩素酸と反応する。

  3. この電位差滴定法では、指示電極にガラス電極を用いる。

  4. 本試験より空試験の方が、0.1mol/L過塩素酸の滴加量は少ない。

  5. [ア]に入る数値は4.455である。


物理|問 108-098


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|アミノ酸の定量分析
この問題の論点は、日本薬局方におけるL-アラニンの定量法について理解し、電位差滴定法の原理、空試験の目的、およびファクターの計算について理解しているかを問うものです。
■解説1|
この電位差滴定法では、指示電極にガラス電極を用いる。(選択肢3) [正しい]
電位差滴定法では、指示電極と参照電極を用いて滴定終点を求めます。酸塩基滴定において、指示電極には一般的にガラス電極が用いられます。
本試験より空試験の方が、0.1mol/L過塩素酸の滴加量は少ない。(選択肢4) [正しい]
空試験は、試料を用いずに滴定操作を行うことで、試薬や溶媒中の不純物による影響を補正するために実施します。本試験では試料中のL-アラニンも過塩素酸と反応するため、空試験よりも滴定量が多くなります。
■解説2|
電位差滴定法は、滴定の過程における電位差の変化を測定することで、滴定終点を求める方法です。
L-アラニンの定量では、試料をギ酸と酢酸に溶解した後、過塩素酸で滴定します。
この滴定反応は、L-アラニンのアミノ基と過塩素酸との間の酸塩基反応です。
空試験を行うことで、試薬や溶媒中の不純物による影響を補正し、より正確な測定結果を得ることができます。
■結論|
正しい選択肢は 3 と 4 です。
■補足|
試料95.67mgを量り取った場合、「約90mg」を量り取ったことにならない。(選択肢1) [誤り]
日本薬局方では、「約」を付けたものは、記載された量の±10%の範囲を意味するため、95.67mgを量り取った場合でも「約90mg」を量り取ったことになります。
L-アラニンはアセチル化された後、過塩素酸と反応する。(選択肢2) [誤り]
L-アラニンはアセチル化されずに、そのまま過塩素酸と反応します。
[ア]に入る数値は4.455である。(選択肢5) [誤り]
L-アラニン(分子量 89.09)と過塩素酸は1:1で反応するため、0.1 mol/L 過塩素酸 1mL と反応する L-アラニンの質量は 8.909 mg です。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点|定量法における電位差滴定法
この問題の論点は、日本薬局方に基づくL-アラニンの定量法に関する理解です。
■解説1|
この電位差滴定法では、指示電極にガラス電極を用いる。(選択肢3) [正しい]
電位差滴定法で用いる指示電極は一般的にガラス電極です。ガラス電極はpH測定に広く用いられ、酸性および塩基性溶液の測定に適しています。
本試験より空試験の方が、0.1mol/L過塩素酸の滴加量は少ない。(選択肢4) [正しい]
空試験では、実際の試料が存在しないため、滴定に必要な酸の量は試料を含む本試験よりも少ないです。これは試料の存在により酸消費量が増加するためです。
■解説2|
電位差滴定法:
電位差滴定法は、反応の終点を電位差の変化によって検出する方法です。ガラス電極はその高い感度と広い測定範囲により、酸性度の測定に適しています。
空試験と本試験の違い:
空試験(ブランク試験)では、試料を含まない条件下での試薬の消費量を測定します。このデータをもとに、本試験で得られる値から試薬の消費量を補正することで、正確な結果を導きます。試料が存在しないため、空試験の滴加量は本試験よりも少なくなります。
■結論|
正しい選択肢は、3と4です。
■補足|
試料95.67mgを量り取った場合、「約90mg」を量り取ったことにならない。(選択肢1) [誤り]
「約90mg」を量り取るという表現が使用されています。これは、日本薬局方の通則に基づいています。通則39では、「定量に供する試料の採取量に『約』を付けたものは、記載された量の±10%の範囲をいう」とされています。したがって、90mg ±10%の範囲である、81mgから99mgの間の試料を指します。一方で、問題文での試料量は95.67mgとなっています。この試料量は「約90mg」の範囲内に含まれます。具体的には、95.67mgは90mgの上限である99mgよりも小さいため、「約90mg」の定義に合致します。試料量95.67mgを量り取った場合、約90mgを量り取ったとみなすことができます。
参考資料:日本薬局方 通則39 定量に供する試料の採取量。
2. L-アラニンはアセチル化された後、過塩素酸と反応する。(選択肢2) [誤り]
L-アラニンはそのまま過塩素酸で滴定され、アセチル化されるわけではありません。
5. [ア]に入る数値は4.455である。(選択肢5) [誤り]
0.1mol/L過塩素酸1mLに対するL-アラニンの量は、L-アラニンの分子量(89.09)とモル濃度(0.1mol/L)に基づき計算すると8.909mgです。したがって、選択肢5は正しくありません。


■■Copilot powered by GPT4
■参考|
0.1 mol/L過塩素酸を用いた電位差滴定法によるL-アラニンの定量法の原理を説明します。
原理の概要:
電位差滴定法は、試料中の特定の化学物質を定量するために使用される定量分析法の一つです。
この方法では、試料中の特定の化合物が過塩素酸と反応することを利用しています。L-アラニンの場合、アミノ基(-NH2)が過塩素酸と反応します。
反応機構:
L-アラニン中のアミノ基(-NH2)は、過塩素酸と反応して塩化物イオン(Cl-)を生成します。この反応では、過塩素酸はアミノ基から水素イオン(H+)を奪い、塩化物イオンを生成します。
反応の化学式は以下の通りです。
(2S)-2-Aminopropanoic acid+HOCl → (2S)-2-Chloropropanoic acid+H2O
滴定の手順:
滴定の手順は、過塩素酸溶液をL-アラニン試料に滴下し、過剰の過塩素酸を含むようにします。
過塩素酸の滴定は、通常、規定された電位まで電極の電位を変化させることによって行われます。この変化は、反応の進行状況に応じて発生する電位の変化を測定することで監視されます。
滴定結果の解釈:
過塩素酸の滴定が終了すると、反応の完了が示されます。このとき、滴定に使用された過塩素酸の量は、L-アラニン中のアミノ基の量に相当します。
得られた滴定結果から、L-アラニン中のアミノ基の量を計算することができます。
補正:
滴定の際、試料中にL-アラニン以外の他の物質も含まれる可能性があります。そのため、空試験と呼ばれる補正試験を行い、他の物質による滴定結果の影響を補正します。
空試験の結果を元に、滴定結果を補正することで、正確なL-アラニンの量を求めることができます。
以上が、0.1 mol/L過塩素酸を用いた電位差滴定法によるL-アラニンの定量法の原理についての説明です。
参考資料:
日本薬局方 医薬品各条 L-アラニン 純度試験及び定量法の記述。
L-アラニン
純度試験
(1) 溶状 本品1.0 gを水10 mLに溶かすとき,液は無色澄明である.
(2) 塩化物〈1.03〉 本品0.5 gをとり,試験を行う.比較液には0.01 mol/L塩酸0.30 mLを加える(0.021%以下).
(3) 硫酸塩〈1.14〉 本品0.6 gをとり,試験を行う.比較液には0.005 mol/L硫酸0.35 mLを加える(0.028%以下).
(4) アンモニウム〈1.02〉 本品0.25 gをとり,試験を行う.比較液にはアンモニウム標準液5.0 mLを用いる(0.02%以下).
(5) 重金属〈1.07〉 本品1.0 gをとり,第1法により操作し,試験を行う.比較液には鉛標準液1.0 mLを加える(10 ppm以下).
(6) 鉄〈1.10〉 本品1.0 gをとり,第1法により検液を調製し,A法により試験を行う.比較液には鉄標準液1.0 mLを加える(10 ppm以下).
(7) 類縁物質 本品約0.5 gを精密に量り,塩酸0.5 mL及び水に溶かし,正確に100 mLとする.この液10 mLを正確に量り,0.02 mol/L塩酸試液を加えて正確に50 mLとし,試料溶液とする.別にL-アスパラギン酸,L-トレオニン,L-セリン,L-グルタミン酸,グリシン,L-アラニン,Lシスチン,L-バリン,L-メチオニン,L-イソロイシン,L-ロイシン,L-チロシン,L-フェニルアラニン,L-リシン塩酸塩,塩化アンモニウム,L-ヒスチジン及びL-アルギニンをそれぞれ2.5 mmolに対応する量を精密に量り,0.1 mol/L塩酸試液に溶かし,正確に1000 mLとし,標準原液とする.この液5 mLを正確に量り,0.02 mol/L塩酸試液を加えて正確に100 mLとする.この液4 mLを正確に量り,0.02 mol/L塩酸試液を加えて正確に50 mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液20 μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行う.試料溶液及び標準溶液から得たピーク高さから試料溶液1 mLに含まれるアラニン以外のアミノ酸の質量を求め,その質量百分率を算出するとき,アラニン以外の各アミノ酸の量は0.1%以下である.
試験条件
検出器:可視吸光光度計(測定波長:570 nm) カラム:内径4.6 mm,長さ8 cmのステンレス管に3 μmのポリスチレンにスルホン酸基を結合した液体クロマトグラフィー用強酸性イオン交換樹脂(Na型)を充塡する. カラム温度:57℃付近の一定温度 反応槽温度:130℃付近の一定温度 反応時間:約1分 移動相:移動相A,移動相B,移動相C,移動相D及び移動相E
調製後,それぞれにカプリル酸0.1 mLを加える.
移動相の切換え:標準溶液20 μLにつき,上記の条件で操作するとき,アスパラギン酸,トレオニン,セリン,グルタミン酸,グリシン,アラニン,シスチン,バリン,メチオニン,イソロイシン,ロイシン,チロシン,フェニルアラニン,リシン,アンモニア,ヒスチジン,アルギニンの順に溶出し,イソロイシンとロイシンの分離度が1.2以上になるように,移動相A,移動相B,移動相C,移動相D及び移動相Eを順次切り換える.
反応試薬:酢酸リチウム二水和物204 gを水に溶かし,酢酸(100) 123 mL,1-メトキシ-2-プロパノール401 mL及び水を加えて1000 mLとし,10分間窒素を通じ,(Ⅰ)液とする.別に1-メトキシ-2-プロパノール979 mLにニンヒドリン39 gを加え,5分間窒素を通じた後,水素化ホウ素ナトリウム81 mgを加え,30分間窒素を通じ,(Ⅱ)液とする.(Ⅰ)液と(Ⅱ)液を1容量と1容量の混液とする(用時製する).
移動相流量:毎分0.20 mL 反応試薬流量:毎分0.24 mL
定量法 本品を乾燥し,その約90 mgを精密に量り,ギ酸3 mLに溶かし,酢酸(100) 50 mLを加え,0.1 mol/L過塩素酸で滴定〈2.50〉する(電位差滴定法).同様の方法で空試験を行い,補正する.
0.1 mol/L過塩素酸1 mL=8.909 mg C3H7NO2
URL: https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/000788360.pdf


物理|問 107-098 ■正答| 4 5
日本薬局方塩化カルシウム水和物(CaCl2・2H2O:147.01)の定量法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
本品約0.4gを精密に量り、水に溶かし、正確に200mLとする。この液20mLを正確に量り、水40mL及び8mol/L[ア]2mLを加え、更にNN指示薬0.1 g を加えた後、直ちに[イ. 0.02mol/Lエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム液]で滴定する。ただし、滴定の終点は液の赤紫色が青色に変わるときとする。0.02 mol/L エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム液1mL=[ウ]mg CaCl2・2H2O
■選択肢

  1. [ア]に入れるべき溶液は、「アンモニア・塩化アンモニウム緩衝液」である。

  2. 下線部[イ]の溶液は遮光のガラス瓶に保存する。

  3. [ウ]に入れるべき数値は、2.220である。

  4. Ca2+ とエチレンジアミン四酢酸との反応で生じたキレートの錯生成定数は、Ca2+ とNN指示薬との反応で生じたキレートの錯生成定数より大きい。

  5. 本定量法では、試料溶液中にMg2+が共存していても、塩化カルシウム水和物を定量することができる。


物理|問 107-098 


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|キレート滴定法による塩化カルシウム水和物の定量
この問題の論点は、日本薬局方における塩化カルシウム水和物の定量法として用いられるキレート滴定法の原理、操作、反応の選択性について理解しているかを問うものです。
■解説1|
Ca²⁺ とエチレンジアミン四酢酸との反応で生じたキレートの錯生成定数は、Ca²⁺ とNN指示薬との反応で生じたキレートの錯生成定数より大きい。(選択肢4) [正しい]
キレート滴定法では、金属イオンとキレート試薬との反応を利用して定量を行います。滴定の終点を検出するために金属指示薬を用いますが、指示薬が機能するためには、金属イオンとキレート試薬との錯生成定数が、金属イオンと指示薬との錯生成定数よりも大きい必要があります。
本定量法では、試料溶液中にMg²⁺が共存していても、塩化カルシウム水和物を定量することができる。(選択肢5) [正しい]
エチレンジアミン四酢酸(EDTA)は、Ca²⁺とMg²⁺の両方とキレートを形成しますが、この定量法では、高濃度の水酸化カリウム試液を加えることで、Mg²⁺を水酸化マグネシウムとして沈殿させています。そのため、Ca²⁺のみを定量することが可能です。
■解説2|
キレート滴定法は、金属イオンとキレート試薬が安定な錯体を形成することを利用した滴定法です。
塩化カルシウム水和物の定量では、キレート試薬としてEDTAを用い、金属指示薬としてNN指示薬を用います。
滴定の終点において、EDTAがCa²⁺と結合し、NN指示薬からCa²⁺が遊離することで、溶液の色が赤紫色から青色に変化します。
■結論|
正しい選択肢は 4 と 5 です。
■補足|
[ア]に入れるべき溶液は、「アンモニア・塩化アンモニウム緩衝液」である。(選択肢1) [誤り]
正しくは、「8 mol/L水酸化カリウム試液」です。
下線部[イ]の溶液は遮光のガラス瓶に保存する。(選択肢2) [誤り]
EDTA溶液は遮光する必要はありません。
[ウ]に入れるべき数値は、2.220である。(選択肢3) [誤り]
正しくは、参考資料にあるように 2.940 mg です。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点|塩化カルシウム水和物の定量法
この問題の論点は、塩化カルシウム水和物の定量法に関する手順と詳細を正確に理解することです。
■解説1|
Ca²⁺ とエチレンジアミン四酢酸(EDTA)との反応で生じたキレートの錯生成定数は、Ca²⁺ とNN指示薬との反応で生じたキレートの錯生成定数より大きい。(選択肢4) [正しい]
EDTAは非常に強いキレート剤であり、Ca²⁺イオンと非常に強固な錯体を形成します。このため、EDTAがCa²⁺イオンと反応すると、NN指示薬からCa²⁺イオンを奪い取り、溶液の色が変わる(赤紫色から青色に変わる)ため、滴定の終点を示します。
この特性により、EDTAがCa²⁺イオンを強く結合するため、指示薬よりも強い錯生成定数を持つことが定量の正確さを保証します。
本定量法では、試料溶液中にMg²⁺が共存していても、塩化カルシウム水和物を定量することができる。(選択肢5) [正しい]
EDTAはCa²⁺だけでなく、Mg²⁺とも錯体を形成しますが、NN指示薬を用いることで、Ca²⁺イオンの滴定終点を明確に識別できます。
これにより、Mg²⁺が共存していても、EDTAの滴定によりCa²⁺の定量が正確に行われることができます。
■解説2|
EDTAのキレート形成能力は、さまざまな金属イオンと強固な錯体を形成するため、分析化学において非常に広く用いられています。特にCa²⁺との強い錯体形成は、Ca²⁺の定量において高い信頼性を提供します。
NN指示薬は、金属イオンとの結合により色変化を示すため、滴定の終点を視覚的に確認するために使用されます。これにより、滴定の正確な終点を容易に判断することができます。
■結論|
正しい選択肢は、4と5です。
■補足|[ア]に入れるべき溶液は、「アンモニア・塩化アンモニウム緩衝液」である。(選択肢1) [誤り]
正しい答えは「8 mol/L水酸化カリウム試液」です。アンモニア・塩化アンモニウム緩衝液は一般的な緩衝液ですが、この定量法では使用しません。
下線部[イ]の溶液は遮光のガラス瓶に保存する。(選択肢2) [誤り]
EDTA溶液は通常遮光のガラス瓶に保存する必要はなく、通常の条件で保存可能です。
[ウ]に入れるべき数値は、2.220である。(選択肢3) [誤り]
正しい数値は「2.940 mg CaCl2・2H2O」です。EDTAの標定値として、日本薬局方の規定に基づいています。
計算の解説:
0.02 mol/Lエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム液(0.02 M EDTA)1 mLは、0.02 mol/L CaCl2・2H2 1 mLに相当します。

  1. CaCl2・2H2Oの分子量は147.01 g/molです。

  2. したがって、0.02 mol/LのCaCl2・2H2O溶液1 Lには、0.02 mol × 147.01 g/mol=2.9402 gのCaCl2・2H2Oが含まれます。

  3. 1 Lは1000 mLであるため、1 mLにはその1000分の1、つまり2.9402 g/1000=2.9402 mgのCaCl2・2H2Oが含まれます。
    これを式で表すと以下のようになります:
    0.02 mol/L×147.01 g/mol=2.9402 g/L
    2.9402 g/L÷1000=2.9402 mg/mL
    以上により、0.02 mol/Lエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム液1 mLは、2.9402 mgのCaCl2・2H2Oに相当します。したがって、正しい数値は「2.940 mg CaCl2・2H2O」です。
    参考資料:
    日本薬局方 医薬品各条 塩化カルシウム水和物 Calcium Chloride Hydrate CaCl2・2H2O:147.01 本品は定量するとき,塩化カルシウム水和物(CaCl2・2H2O) 96.7 ~ 103.3%を含む.
    定量法 本品約0.4 gを精密に量り,水に溶かし,正確に200 mLとする.この液20 mLを正確に量り,水40 mL及び8 mol/L水酸化カリウム試液2 mLを加え,更にNN指示薬0.1 gを加えた後,直ちに0.02 mol/Lエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム液で滴定〈2.50〉する.ただし,滴定の終点は液の赤紫色が青色に変わるときとする. 0.02 mol/Lエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム液 1 mL =2.940 mg CaCl2・2H2O


物理|問 109-098 ■正答| 3 4
日本薬局方ヨードチンキの定量に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
(1)ヨウ素 本品5mLを正確に量り、[ア. ヨウ化カリウム]0.5g、水20mL及び希塩酸1mLを加え、0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム液で滴定する(指示薬:[イ. デンプン試液]2mL)。
0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム液1mL=12.69mgI
(2)ヨウ化カリウム 本品5mLを正確に量り、ヨウ素瓶に入れ、水20mL、塩酸50mL及びクロロホルム5mLを加えて室温に冷却し、[ウ. クロロホルム層の赤紫色]が消えるまで激しく振り混ぜながら、0.05mol/Lヨウ素酸カリウム液で滴定する。クロロホルム層の色が消えた後、5分間放置して再び着色するときは更に滴定を続ける。ここに得た0.05mol/Lヨウ素酸カリウム液の消費量a mLと(1)の滴定に要した0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム液の消費量[エ. b mL]から次の式によってヨウ化カリウム(KI)の量(mg)を求める。
ヨウ化カリウム(KI)の量(mg)=16.60×[オ]
■選択肢

  1. 下線部[ア]の物質を加えるのは、ヨウ素とチオ硫酸ナトリウムの反応を促進させるためである。

  2. 下線部[イ]の溶液は滴定直前に被滴定液に添加する。

  3. 下線部[ウ]はヨウ素の色である。

  4. 本品5mLを量り、上記に従い、0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム液(ファクター1.000)で滴定したとき、下線部[エ]が23.60mLとすると、ヨウ素(I)の含量は6.0w/v%である。

  5. 空欄. [オ]に入れるべき式は(a-b)である。
    ただし、(2)の反応は次のとおりである。
    2I2+KIO3+6HCl→5ICl+KCl+3H2| 2KI +KIO3+6HCl→3ICl+3KCl+3H2O


物理|問 109-098 


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|ヨードチンキの定量
この問題の論点は、日本薬局方におけるヨードチンキの定量法について理解し、ヨウ素とヨウ化カリウムの定量原理、指示薬の役割、および計算方法について理解しているかを問うものです。
■解説1|
下線部[ウ]はヨウ素の色である。(選択肢3) [正しい]
ヨウ素 (I₂) は、水溶液中では褐色、有機溶媒中では紫色を呈します。クロロホルム層の赤紫色は、ヨウ素の色です。
本品5mLを量り、上記に従い、0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム液(ファクター1.000)で滴定したとき、下線部[エ]が23.60mLとすると、ヨウ素(I)の含量は6.0w/v%である。(選択肢4) [正しい]
ヨウ素の含量は、(0.1 mol/L × 23.60 mL × 12.69 mg/mL)/5 mL × 100=6.0 w/v% と計算できます。
■解説2|
ヨードチンキは、ヨウ素とヨウ化カリウムをエタノールに溶解した液剤です。
ヨウ素の定量では、ヨウ素とチオ硫酸ナトリウムとの酸化還元反応を利用します。
ヨウ化カリウムの定量では、ヨウ化カリウムとヨウ素酸カリウムとの酸化還元反応を利用します。
ヨウ素はクロロホルムに溶解すると紫色を呈するため、ヨウ素酸カリウム滴定の終点は、クロロホルム層の紫色が消失する点で判断します。
■結論|
正しい選択肢は 3 と 4 です。
■補足|
下線部[ア]の物質を加えるのは、ヨウ素とチオ硫酸ナトリウムの反応を促進させるためである。(選択肢1) [誤り]
ヨウ化カリウムを加えるのは、ヨウ素を溶解させて三ヨウ化物イオン(I₃⁻)を生成するためです。I₃⁻はI₂よりも水溶性が高く、滴定反応がスムーズに進行します。
下線部[イ]の溶液は滴定直前に被滴定液に添加する。(選択肢2) [誤り]
デンプン試液は、ヨウ素と反応して青紫色を呈する指示薬です。終点付近で添加することで、わずかに残ったヨウ素を検出することができます。
空欄[オ]に入れるべき式は(a-b)である。ただし、(2)の反応は次のとおりである。2I2+KIO3+6HCl→5ICl+KCl+3H2| 2KI +KIO3+6HCl→3ICl+3KCl+3H2O(選択肢5) [誤り]
正しくは、参考資料にあるように (a-b/2) です。ヨウ素の定量で消費されたチオ硫酸ナトリウムの量は、ヨウ化カリウムの定量にも影響を与えるため、その分を補正する必要があります。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点|ヨードチンキの定量法
この問題の論点は、ヨードチンキの定量法に関する手順と詳細を正確に理解することです。
■解説1|
[ウ]はヨウ素の色である。(選択肢3) [正しい]
ヨウ素はクロロホルムに溶けると赤紫色を呈します。これはヨウ素の特性であり、ヨウ化カリウム定量時の反応確認に利用されます。
ヨウ素がクロロホルム層に溶解し、赤紫色を呈することで滴定の終点を判断します。
本品5mLを量り、上記に従い、0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム液(ファクター1.000)で滴定したとき、[エ]が23.60mLとすると、ヨウ素(I)の含量は6.0w/v%である。(選択肢4) [正しい]
ヨウ素の含量は、滴定に要したチオ硫酸ナトリウム液の量から求められます。計算は以下の通りです。
0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム液1 mLは12.69 mgのヨウ素に相当します。
23.60 mLの0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム液を使用した場合、ヨウ素の質量は23.60 mL × 12.69 mg/mL=299.484 mgです。本品5 mLに対して、これを6.0 w/v%とすると、ヨウ素の含量は正確です。
■解説2|
ヨウ素のクロロホルム中での赤紫色は、滴定における視覚的な終点を明確に示します。これにより、ヨウ素の定量が正確に行われます。
チオ硫酸ナトリウム液とヨウ素の反応により、ヨウ素の含量が精密に計算されます。滴定の結果から得られるデータを基に、ヨウ素含量の計算が行われます。
計算の詳細:
23.60 mL × 12.69 mg/mL=299.484 mg
ヨウ素の含量をw/v%で表すには、本品の5 mLに含まれるヨウ素の質量を100 mLあたりに換算します:
299.484 mg/5 mL × 100 mL=5989.68 mg=5.98968 g
5.98968 g=6.0 w/v%
■結論|
正しい選択肢は、3と4です。
■補足|
[ア]の物質を加えるのは、ヨウ素とチオ硫酸ナトリウムの反応を促進させるためである。(選択肢1) [誤り]
ヨウ化カリウムは実際にはヨウ素を水に溶解させるために使用されます。チオ硫酸ナトリウムの反応を促進するためではありません。
[イ]の溶液は滴定直前に被滴定液に添加する。(選択肢2) [誤り]
デンプン試液は、ヨウ素の濃度が十分に低下した段階で加えます。これは滴定の終点をより明確にするためです。
空欄[オ]に入れるべき式は(a-b)である。(選択肢5) [誤り]
正しい式は(a-b/2)です。これは反応式に基づいています。滴定で使用されるヨウ素酸カリウムの量からチオ硫酸ナトリウムの消費量を考慮に入れて計算します。


■■Copilot powered by GPT4
■参考|
以下に、化学反応の仕組みを基礎的な化学反応の原理に基づいて解説します。
ヨウ素の定量法
本品5 mLを正確に量り,ヨウ化カリウム0.5 g,水20 mL及び希塩酸1 mLを加えます。これにより、ヨウ素とヨウ化カリウムが溶液中に分散します。
この溶液に0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム液を滴定します。この反応は、ヨウ素がチオ硫酸ナトリウムと反応して、ヨウ化ナトリウムと硫酸ナトリウムを生成する酸化還元反応です。この反応は以下の化学式で表されます:
2S2O3(2-) + I2 → S4O6(2-) + 2I-
デンプン試液を指示薬として使用します。ヨウ素とデンプンが反応して青色の複合体を形成するため、滴定の終点を視覚的に判断することができます。
ヨウ化カリウムの定量法
本品5 mLを正確に量り,ヨウ素瓶に入れ,水20 mL,塩酸50 mL及びクロロホルム5 mLを加えて室温に冷却します。これにより、ヨウ素とヨウ化カリウムが溶液中に分散します。
この溶液に0.05 mol/Lヨウ素酸カリウム液を滴定します。この反応は、ヨウ素酸カリウムがヨウ化カリウムと反応して、ヨウ素とカリウムイオンを生成する酸化還元反応です。この反応は以下の化学式で表されます:
IO3- + 5I- + 6H+ → 3I2 + 3H2O
クロロホルム層の色が消えた後,5分間放置して再び着色するときは更に滴定を続けます。これは、反応が完全に進行するまでの時間を確保するためです。


引用元: 日本薬局方 医薬品各条 ヨードチンキ
Iodine Tincture
本品は定量するとき,ヨウ素(I:126.90) 5.7 ~ 6.3 w/v%及びヨウ化カリウム(KI:166.00) 3.8 ~ 4.2 w/v%を含む.
定量法
(1) ヨウ素 本品5 mLを正確に量り,ヨウ化カリウム0.5 g,水20 mL及び希塩酸1 mLを加え,0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム液で滴定〈2.50〉する(指示薬:デンプン試液2 mL).
0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム液1 mL=12.69 mg I
(2) ヨウ化カリウム 本品5 mLを正確に量り,ヨウ素瓶に入れ,水20 mL,塩酸50 mL及びクロロホルム5 mLを加えて室温に冷却し,クロロホルム層の赤紫色が消えるまで激しく振り混ぜながら,0.05 mol/Lヨウ素酸カリウム液で滴定〈2.50〉する.クロロホルム層の色が消えた後,5分間放置して再び着色するときは更に滴定〈2.50〉を続ける.
ここに得た0.05 mol/Lヨウ素酸カリウム液の消費量a mLと(1)の滴定に要した0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム液の消費量b mLから次の式によってヨウ化カリウム(KI)の量(mg)を求める.
ヨウ化カリウム(KI)の量(mg)=16.60 ×(a-b/2) 
貯法 容器 気密容器.


物理|問 107-099 ■正答| 2
固定相としてオクタデシルシリル(ODS)化シリカゲル、移動相としてアセトニトリルと水の混合液を用いて、ベンゼン、トルエン及びエチルベンゼンの分離を液体クロマトグラフィーにより行った。この分離に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
■選択肢

  1. エチルベンゼン、トルエン、ベンゼンの順で溶出する。

  2. 理論段高さの値が小さいカラムに変更することにより、各成分間の分離度が向上する。

  3. 移動相の流速と各成分間の分離係数は比例する。

  4. 移動相中のアセトニトリルの割合を大きくすることにより、各成分間の分離度が向上する。

  5. 固定相にシリカゲル、移動相にn-ヘキサン-アセトン混液を用いても、溶出順は変わらない。


物理|問 107-099 


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|逆相液体クロマトグラフィーにおける分離の原理
この問題の論点は、逆相液体クロマトグラフィーにおいて、固定相、移動相、分離度、理論段高さなどの要素がどのように化合物の分離に影響するかを理解しているかを問うものです。
■解説1|
理論段高さの値が小さいカラムに変更することにより、各成分間の分離度が向上する。(選択肢2) [正しい]
理論段高さは、カラムの分離効率を表す指標であり、値が小さいほど分離効率が高いことを示します。理論段高さが小さいカラムを使用することで、ピークの拡散が抑制され、分離度が向上します。
■解説2|
逆相液体クロマトグラフィーでは、固定相として疎水性の物質(ODSシリカゲルなど)を、移動相として親水性の溶媒(水、メタノール、アセトニトリルなど)を用います。
分離は、分析対象物質と固定相、移動相との親和性の違いによって行われます。
疎水性の高い物質ほど固定相に強く保持され、溶出が遅くなります。
理論段高さは、カラムの単位長さあたりの分離効率を表し、値が小さいほどカラムの分離性能が高いことを示します。
分離度は、2つのピークがどれだけ分離されているかを表す指標であり、分離度が高いほど分離が良好であることを示します。
■結論|
正しい選択肢は 2 です。
■補足|
エチルベンゼン、トルエン、ベンゼンの順で溶出する。(選択肢1) [誤り]
逆相液体クロマトグラフィーでは、疎水性の高い物質ほど固定相に強く保持され、溶出が遅くなります。ベンゼン、トルエン、エチルベンゼンの順に疎水性が高くなるため、溶出順序は逆になります。
移動相の流速と各成分間の分離係数は比例する。(選択肢3) [誤り]
移動相の流速が速すぎると分離が悪化し、遅すぎると分析時間が長くなります。分離係数は、物質の固定相と移動相への分配のしやすさを表す指標であり、流速とは直接的な関係はありません。
移動相中のアセトニトリルの割合を大きくすることにより、各成分間の分離度が向上する。(選択肢4) [誤り]
移動相中のアセトニトリルの割合を大きくすると、溶出力が高くなり、すべての成分の溶出が早くなるため、分離が悪化する可能性があります。
固定相にシリカゲル、移動相にn-ヘキサン-アセトン混液を用いても、溶出順は変わらない。(選択肢5) [誤り]
シリカゲルを固定相、n-ヘキサン-アセトン混液を移動相とするのは、順相クロマトグラフィーであり、逆相クロマトグラフィーとは溶出順序が逆になります。
参考資料: 

https://www.cerij.or.jp/service/09_chromatography/technical_report/technical_report_21.pdf

参考資料:  https://www.cerij.or.jp/service/09_chromatography/technical_report/technical_report_21.pdf

■■GPT4 or GPT3.5
■論点|液体クロマトグラフィーの分離特性
この問題の論点は、液体クロマトグラフィーによるベンゼン、トルエン、エチルベンゼンの分離特性を理解することです。
■解説1|
理論段高さの値が小さいカラムに変更することにより、各成分間の分離度が向上する。(選択肢2) [正しい]
理論段高さ(H)は、カラムの性能を示す指標で、値が小さいほどカラムの分離能が高いことを意味します。
理論段高さが小さいカラムを使用すると、成分のピーク幅が狭くなり、分離度が向上します。
分離度(Rs)は、ピークの分離を示す指標であり、Hが小さいほどRsが大きくなり、各成分の分離が良くなります。
■解説2|
液体クロマトグラフィーでは、理論段高さ(HETP:Height Equivalent ta Theoretical Plate)の値が小さいほど、成分の分離能が高くなります。これは、カラム内の理論段数が増えることで、成分間の相互作用が増え、ピークが鋭くなるためです。
分離度(Rs)は、二つのピークの間の距離とピーク幅の関係を表し、Rsが大きいほど分離が良好です。Hが小さいカラムでは、ピーク幅が狭くなるため、Rsが向上します。
■結論|
正しい選択肢は、2です。
■補足|
エチルベンゼン、トルエン、ベンゼンの順で溶出する。(選択肢1) [誤り]
エチルベンゼン、トルエン、ベンゼンは逆相クロマトグラフィー(ODS)では逆の順で溶出します。すなわち、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼンの順です。
移動相の流速と各成分間の分離係数は比例する。(選択肢3) [誤り]
移動相の流速が速すぎると、分離が不十分になり、分離係数は向上しません。最適な流速が必要です。
移動相中のアセトニトリルの割合を大きくすることにより、各成分間の分離度が向上する。(選択肢4) [誤り]
アセトニトリルの割合を増やすと、通常は溶出が早まり、逆に分離度が低下することが多いです。
固定相にシリカゲル、移動相にn-ヘキサン-アセトン混液を用いても、溶出順は変わらない。(選択肢5) [誤り]
固定相と移動相を変えると、溶出順も変わる可能性があります。シリカゲルは極性固定相であり、溶出順は変わるでしょう。


物理|問 109-099 ■正答| 4 5
光の性質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 光が臨界角より小さい入射角で入射すると、すべての光は境界面で全反射する。

  2. ある媒質から真空中に入射する光の屈折率を絶対屈折率という。

  3. 自然光を偏光板に通すと、特定の方向に振動面をもつ楕円偏光を取り出せる。

  4. 光が物質に当たったときに四方八方へ進行方向が散らばる現象を散乱という。

  5. 2つの光は位相が一致すると干渉して強め合う。


物理|問 109-099 


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|光の性質
この問題の論点は、光の反射、屈折、偏光、散乱、干渉といった様々な現象と、関連する用語の定義を理解しているかを問うものです。
■解説1|
光が物質に当たったときに四方八方へ進行方向が散らばる現象を散乱という。(選択肢4) [正しい]
光の散乱とは、光が物質と相互作用することで、様々な方向に光が散らばる現象です。空が青いのは、太陽光が大気中の分子によって散乱されるためです。
2つの光は位相が一致すると干渉して強め合う。(選択肢5) [正しい]
光の干渉とは、複数の光波が重なり合うことで、互いに強め合ったり弱め合ったりする現象です。位相が一致する場合は強め合い、位相が逆位相になる場合は弱め合います。
■解説2|
光は、波動としての性質と粒子としての性質を併せ持っています。
反射、屈折、偏光、散乱、干渉といった現象は、光の波動性を示す例です。
光の散乱は、光の波長よりも小さい粒子によるレイリー散乱と、光の波長よりも大きい粒子によるミー散乱に分けられます。
光の干渉は、ヤングの実験や薄膜干渉などで観察されます。
■結論|
正しい選択肢は 4 と 5 です。
■補足|
光が臨界角より小さい入射角で入射すると、すべての光は境界面で全反射する。(選択肢1) [誤り]
光が臨界角より大きい入射角で入射する場合に全反射が起こります。
ある媒質から真空中に入射する光の屈折率を絶対屈折率という。(選択肢2) [誤り]
真空からある媒質に入射する光の屈折率を絶対屈折率といいます。
自然光を偏光板に通すと、特定の方向に振動面をもつ楕円偏光を取り出せる。(選択肢3) [誤り]
自然光を偏光板に通すと、特定の方向に振動面をもつ直線偏光を取り出せます。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点|光の性質とその現象
この問題の論点は、光の性質に関する基本的な概念と現象を理解することです。
■解説1|
光が物質に当たったときに四方八方へ進行方向が散らばる現象を散乱という。(選択肢4) [正しい]
光が物質に当たると、その進行方向が変わり、様々な方向に散らばる現象を散乱と呼びます。
散乱の例としては、青空の青色は大気中の分子による光の散乱によるものです。
2つの光は位相が一致すると干渉して強め合う。(選択肢5) [正しい]
光の干渉は、波の性質に基づいており、位相が一致すると干渉して強め合います。これを「建設的干渉」と言います。
建設的干渉の結果、光の強度が増加します。
■解説2|
散乱現象は、光が物質の不均一性に当たると、その方向が変わるために起こります。レイリー散乱、ミー散乱、コモン散乱などがあり、光の波長や粒子のサイズに依存します。
光の干渉は、波の重ね合わせによって起こります。光の波の位相が一致する場合、波が強め合い、逆に位相がずれる場合は弱め合います(「破壊的干渉」)。
■結論|
正しい選択肢は、4と5です。
■補足|
光が臨界角より小さい入射角で入射すると、すべての光は境界面で全反射する。(選択肢1) [誤り]
全反射は、光が臨界角以上で入射した場合に起こります。臨界角未満では、光は屈折します。
ある媒質から真空中に入射する光の屈折率を絶対屈折率という。(選択肢2) [誤り]
絶対屈折率は、真空に対する媒質の屈折率です。真空中に入射する屈折率ではありません。
自然光を偏光板に通すと、特定の方向に振動面をもつ楕円偏光を取り出せる。(選択肢3) [誤り]
自然光を偏光板に通すと、特定の方向に振動する直線偏光が得られます。楕円偏光は通常、直線偏光や円偏光が組み合わさった場合に生じます。


物理|問 107-100 ■正答| 4 5
キャピラリー電気泳動は、微量の試料の分析に極めて有用であり、臨床検査における血清タンパク質の分析にも用いられている。溶融シリカ毛細管を用いたキャピラリー電気泳動に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. pH7の緩衝液を用いると、電気浸透流は陰極から陽極の方向に向かう。

  2. キャピラリーゾーン電気泳動ではpH7の緩衝液を用いると、陽イオン性物質と中性物質は同時に泳動される。

  3. キャピラリーゲル電気泳動でタンパク質を分離すると、分子サイズの大きい順に検出される。

  4. キャピラリー等電点電気泳動では、緩衝液に両性電解質(ポリアミノカルボン酸など)を溶解して分離を行う。

  5. ミセル動電クロマトグラフィーでは、中性物質の相互分離が可能である。


松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問107-100【物理】論点:キャピラリー電気泳動法|matsunoya (note.com)
https://note.com/matsunoya_note/n/n50d5fedd60b1

まず、上記の論点解説で「キャピラリー電気泳動の基礎理論」を学んでください。図と式を多用して21枚のスライドを用いて、わかりやすく解説しています。
また、全画面表示でアニメーション付きのプレゼンテーションで学ぶこともできます。21 Slides of GIF animation from Facebook / Yukiho.Takizawa 

解説しています。 matsunoya_note #note から、薬剤師国家試験の論点解説をお届けします。 今回は、第107回薬剤師国家試験 一般問題のうちの薬学理論問題【物理】問100...

Posted by 滝沢幸穂 on Tuesday, June 11, 2024

■■Gemini 1.5 Pro
■論点|キャピラリー電気泳動法の原理と種類
この問題の論点は、キャピラリー電気泳動法の基本的な原理と、キャピラリーゾーン電気泳動、キャピラリーゲル電気泳動、キャピラリー等電点電気泳動、ミセル動電クロマトグラフィーといった様々な分離モードの特徴を理解しているかを問うものです。
■解説1|
キャピラリー等電点電気泳動では、緩衝液に両性電解質(ポリアミノカルボン酸など)を溶解して分離を行う。(選択肢4) [正しい]
キャピラリー等電点電気泳動では、単一の成分からなるのではなく、等電点が少しずつ異なる多数の成分を含む両性担体(キャリアアンフォライト; carrier ampholyte)を用いてpH勾配を形成し、タンパク質などの両性電解質試料を等電点の違いに基づいて分離する方法と、市販のプレキャストゲル(Immobiline™ DryStrip Gel)などを用いた様々なpIの側鎖を持つアクリルアミド誘導体を用いてゲル作製と同時にpH勾配を形成する手法(IPG法: Immobilized pH gradient)とがあります。
ミセル動電クロマトグラフィーでは、中性物質の相互分離が可能である。(選択肢5) [正しい]
ミセル動電クロマトグラフィーでは、移動相に界面活性剤を添加することでミセルを形成させ、中性物質をミセルとの相互作用の差に基づいて分離します。
■解説2|
キャピラリー電気泳動法は、高電圧を印加した細い溶融シリカキャピラリー(fused silica capillary; 内径 < 数10μm)内での電気泳動を利用して、イオン性物質や荷電粒子を分離する分析手法です。
キャピラリーゾーン電気泳動では、均一な緩衝液を満たしたキャピラリーを用いて、試料成分を主に電荷とサイズに基づいて分離します。
キャピラリーゲル電気泳動では、キャピラリー内にゲルを充填することで、試料成分を主にサイズに基づいて分離します。
キャピラリー等電点電気泳動では、両性電解質を含むpH勾配を形成したキャピラリーを用いて、試料成分を等電点の違いに基づいて分離します。
ミセル動電クロマトグラフィーでは、移動相に界面活性剤を添加してミセルを形成させ、中性物質をミセルとの相互作用の差に基づいて分離します。
■結論|
正しい選択肢は 4 と 5 です。
■補足|
pH7の緩衝液を用いると、電気浸透流は陰極から陽極の方向に向かう。(選択肢1) [誤り]
溶融シリカキャピラリー内壁は負に帯電するため、電気浸透流は陽極から陰極の方向に向かいます。
キャピラリーゾーン電気泳動ではpH7の緩衝液を用いると、陽イオン性物質と中性物質は同時に泳動される。(選択肢2) [誤り]
陽イオン性物質は見かけのイオン移動速度Uapp = Uep + Ueoで移動し、中性物質は電気浸透流の影響を受けて主に電気浸透流の速度 Ueoで陰極方向に移動するため、同時に泳動されません。イオンが検出器に到達する時間 tm (s)と, 無電荷の粒子が検出器に到達する時間 t0 (s)との関係は、以下の式で表されます。
イオンの移動度 μep = (LLD/V) (tm^(-1) - t0^(-1)) …式
キャピラリーゲル電気泳動でタンパク質を分離すると、分子サイズの大きい順に検出される。(選択肢3) [誤り]
キャピラリーゲル電気泳動では、分子サイズの小さい物質ほどゲルの網目構造を通り抜けやすいため、分子サイズの小さい順に検出されます。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点|キャピラリー電気泳動の特性と応用
この問題の論点は、キャピラリー電気泳動の各種技法とその特徴を理解することです。
■解説1|
キャピラリー等電点電気泳動では、緩衝液に両性電解質(ポリアミノカルボン酸など)を溶解して分離を行う。(選択肢4) [正しい]
キャピラリー等電点電気泳動(CIEF)は、溶液中のpH勾配を利用してタンパク質などを等電点に基づいて分離します。この際、両性電解質(アンフォライト)がpH勾配を形成するために用いられます。
ミセル動電クロマトグラフィーでは、中性物質の相互分離が可能である。(選択肢5) [正しい]
ミセル動電クロマトグラフィー(MEKC)は、界面活性剤を用いることで、中性物質をミセル相に取り込むことができ、これにより中性物質の分離が可能になります。
■解説2|
キャピラリー等電点電気泳動(CIEF)は、等電点に基づいてタンパク質などを分離するための手法です。分離は、等電点を境に帯電がゼロとなるpHにおいて行われます。
ミセル動電クロマトグラフィー(MEKC)では、界面活性剤がミセルを形成し、このミセルが移動相として機能することで中性物質の分離が可能です。これにより、電荷を持たない中性分子も分離できます。
■結論|
正しい選択肢は、4と5です。
■補足|
pH7の緩衝液を用いると、電気浸透流は陰極から陽極の方向に向かう。(選択肢1) [誤り]
一般に、pH7の緩衝液では電気浸透流(EOF)は陽極から陰極方向に向かいます。これは、溶融シリカ毛細管の内壁が負に帯電しているためです。
キャピラリーゾーン電気泳動ではpH7の緩衝液を用いると、陽イオン性物質と中性物質は同時に泳動される。(選択肢2) [誤り]
pH7では、中性物質は電気浸透流(電気浸透流速度 Ueo)によって移動し、それに対して、陽イオン性物質は陰極に向かって見かけの移動速度 Uapp = Uep + Ueoで移動します。ここで、Uep: イオンの移動速度。このため、必ずしも同時に泳動されません。
キャピラリーゲル電気泳動でタンパク質を分離すると、分子サイズの大きい順に検出される。(選択肢3) [誤り]
キャピラリーゲル電気泳動では、一般に分子サイズが小さいものが先に検出されます。分子サイズが大きいものほど移動が遅くなります。


物理|問 109-100 ■正答| 3 5
ガスクロマトグラフィーに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 電子捕獲検出器は、主にC-H結合を有する有機化合物の検出に用いられる。

  2. 定量には内標準法が用いられるが、絶対検量線法は用いられない。

  3. 難揮発性物質の誘導体化の1つにトリメチルシリル化がある。

  4. カラム恒温槽の温度をある温度から一定速度で上昇させると、上昇させない場合と比較して分離時間が長くなる。

  5. 電子イオン化及び化学イオン化はガスクロマトグラフィー/質量分析法のイオン化法に用いられる。


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|ガスクロマトグラフィーの原理と特徴
この問題の論点は、ガスクロマトグラフィーの分離原理、検出法、誘導体化、温度プログラミング、ガスクロマトグラフィー/質量分析法(GC/MS)について理解しているかを問うものです。
■解説1|
難揮発性物質の誘導体化の1つにトリメチルシリル化がある。(選択肢3) [正しい]
トリメチルシリル化は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基などの極性官能基をトリメチルシリル基に置き換えることで、化合物の揮発性を高め、ガスクロマトグラフィーでの分析を可能にする誘導体化法の一つです。
電子イオン化及び化学イオン化はガスクロマトグラフィー/質量分析法のイオン化法に用いられる。(選択肢5) [正しい]
電子イオン化(EI)と化学イオン化(CI)は、GC/MSで一般的に用いられるイオン化法です。EIはハードイオン化法であり、フラグメントイオンが多く生成されるため、構造解析に有用です。CIはソフトイオン化法であり、分子イオンピークが強く観測されるため、分子量測定に適しています。
■解説2|
ガスクロマトグラフィーは、気体移動相と液体または固体固定相を用いて、試料成分を沸点や極性の違いに基づいて分離する分析手法です。
ガスクロマトグラフィーでは、様々な検出器が使用されます。例えば、水素炎イオン化検出器(FID)は多くの有機化合物に感度があり、電子捕獲検出器(ECD)はハロゲン化合物やニトロ化合物などの電子親和性の高い化合物に選択的に感度を示します。
難揮発性物質をガスクロマトグラフィーで分析するためには、誘導体化によって揮発性を高める必要があります。
温度プログラミングは、カラム温度を時間とともに変化させることで、沸点の異なる成分を効率的に分離する方法です。
■結論|
正しい選択肢は 3 と 5 です。
■補足|
電子捕獲検出器は、主にC-H結合を有する有機化合物の検出に用いられる。(選択肢1) [誤り]
電子捕獲検出器は、ハロゲン化合物やニトロ化合物などの電子親和性の高い化合物に選択的に感度を示します。
定量には内標準法が用いられるが、絶対検量線法は用いられない。(選択肢2) [誤り]
ガスクロマトグラフィーの定量には、内標準法だけでなく、絶対検量線法も用いられます。
カラム恒温槽の温度をある温度から一定速度で上昇させると、上昇させない場合と比較して分離時間が長くなる。(選択肢4) [誤り]
カラム温度を上昇させると、化合物の溶出速度が速くなるため、分離時間は短くなります。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点|ガスクロマトグラフィーの検出法と応用技術
この問題の論点は、ガスクロマトグラフィーの検出器、定量法、誘導体化方法、及びイオン化法を理解することです。
■解説1|
難揮発性物質の誘導体化の1つにトリメチルシリル化がある。(選択肢3) [正しい]
トリメチルシリル化(TMS化)は、ガスクロマトグラフィーで分析しやすくするために、難揮発性物質を揮発性誘導体に変える一般的な方法です。これは、物質の官能基をトリメチルシリル基で置換することにより行われます。
電子イオン化及び化学イオン化はガスクロマトグラフィー/質量分析法のイオン化法に用いられる。(選択肢5) [正しい]
電子イオン化(EI)と化学イオン化(CI)は、ガスクロマトグラフィーと質量分析(GC/MS)の組み合わせにおいて広く用いられるイオン化法です。EIは、電子を衝突させて分子をイオン化し、CIは試薬ガスを用いて分子をイオン化します。
■解説2|
ガスクロマトグラフィー(GC)での定量には、内標準法と絶対検量線法の両方が用いられます。内標準法は、試料と共に内標準物質を添加して定量する方法です。絶対検量線法は、既知濃度の標準物質から検量線を作成し、それに基づいて試料の濃度を定量する方法です。
カラム恒温槽の温度を一定速度で上昇させると、成分の溶出が早まり、分離時間が短くなる傾向があります。これは、成分の揮発性が高まり、より早くカラムから出てくるためです。
■結論|
正しい選択肢は、3と5です。
■補足|
電子捕獲検出器は、主にC-H結合を有する有機化合物の検出に用いられる。(選択肢1) [誤り]
電子捕獲検出器(ECD)は、主にハロゲンを含む化合物や高電気陰性度の化合物の検出に用いられます。C-H結合の有機化合物には適していません。
定量には内標準法が用いられるが、絶対検量線法は用いられない。(選択肢2) [誤り]
ガスクロマトグラフィーでは、内標準法と絶対検量線法の両方が定量に用いられます。
カラム恒温槽の温度をある温度から一定速度で上昇させると、上昇させない場合と
比較して分離時間が長くなる。(選択肢4) [誤り]
カラム恒温槽の温度を一定速度で上昇させる(温度プログラミング)と、成分の溶出が早まり、分離時間が短くなる傾向があります。


化学|問 107-105 ■正答| 3
日本薬局方に収載されている次の確認試験に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
「本品1mLにヨウ素試液2mL及びA試液2mLを加えて振り混ぜるとき、淡黄色の沈殿を生じる。」
■選択肢

  1. ヨウ素は求電子剤として働く。

  2. イソプロパノールはこの確認試験で陽性となる。

  3. 化合物の構造に含まれるホルミル基の検出に用いられる。

  4. Aは水酸化ナトリウムである。

  5. 淡黄色の沈殿はヨードホルムである。


化学|問 107-105 


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|ヨードホルム反応
この問題の論点は、ヨードホルム反応の反応機構、反応条件、陽性となる化合物の構造的特徴を理解しているかを問うものです。
■解説1|
化合物の構造に含まれるホルミル基の検出に用いられる。(選択肢3) [誤り]
ヨードホルム反応は、メチルケトン構造 (-COCH₃) または酸化されてメチルケトン構造を生じる構造 (CH₃CH(OH)-) を持つ化合物を検出するために用いられます。ホルミル基 (-CHO) はヨードホルム反応を示しません。
■解説2|
ヨードホルム反応は、メチルケトン構造を持つ化合物に、ヨウ素と塩基を作用させると、黄色のヨードホルム (CHI₃) の沈殿を生じる反応です。
反応機構としては、まず塩基性条件下でメチルケトンがエノール化し、ヨウ素が求電子的に作用してα位の水素がヨウ素に置換されます。この反応が3回繰り返された後、水酸化物イオンが求核攻撃し、ヨードホルムが脱離します。
■結論|
誤っている選択肢は 3 です。
■補足|
ヨウ素は求電子剤として働く。(選択肢1) [正しい]
ヨウ素はハロゲンであり、電子密度が低い炭素を求核攻撃する求電子剤として働きます。
イソプロパノールはこの確認試験で陽性となる。(選択肢2) [正しい]
イソプロパノールは酸化されるとアセトンとなり、メチルケトン構造を持つためヨードホルム反応で陽性です。
Aは水酸化ナトリウムである。(選択肢4) [正しい]
ヨードホルム反応では、塩基として水酸化ナトリウムなどの強塩基が用いられます。
淡黄色の沈殿はヨードホルムである。(選択肢5) [正しい]
ヨードホルム反応で生成するヨードホルムは、特徴的な淡黄色の沈殿を形成します。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点|日本薬局方の確認試験の記述の誤りの特定
この問題の論点は、日本薬局方に収載されている確認試験に関する記述の正誤を特定することです。
■解説1|
化合物の構造に含まれるホルミル基の検出に用いられる。(選択肢3) [誤り]
本確認試験はホルミル基(アルデヒド基)ではなく、メチルケトン基(-COCH3)や二次アルコール基を持つ化合物の検出に用いられます。
具体的には、この試験はメチルケトンや二次アルコールがヨードホルム試験で陽性となることを利用しています。
■解説2|
ヨードホルム試験は、メチルケトン(例:アセトン)や二次アルコール(例:イソプロパノール)が、ヨウ素と水酸化ナトリウムの存在下で反応し、ヨードホルム(CHI3)という淡黄色の沈殿を生成する反応を利用しています。
したがって、ホルミル基の検出ではなく、特定の構造を持つ化合物の検出に使用されるのが正確な記述です。
■結論|
正しい選択肢は、3です。
■補足|
ヨウ素は求電子剤として働く。(選択肢1) [正しい]
ヨウ素は試験中で求電子剤として作用し、反応性の中心として機能します。
イソプロパノールはこの確認試験で陽性となる。(選択肢2) [正しい]
イソプロパノールは二次アルコールであり、この試験で陽性を示します。
Aは水酸化ナトリウムである。(選択肢4) [正しい]
Aはヨードホルム試験で使用される試薬であり、水酸化ナトリウムが適切です。
淡黄色の沈殿はヨードホルムである。(選択肢5) [正しい]
淡黄色の沈殿はヨードホルム(CHI3)です。


化学|問 107-108 ■正答| 2
日本薬局方収載センナに関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
■選択肢

  1. マメ科植物Cassia angustifolia VahlまたはCassia acutifolia Delile の小葉を基原とする生薬である。

  2. 確認試験としてマグネシウム-塩酸反応が用いられる。

  3. 純度試験として残留農薬(総BHC及び総DDT)の量が規定されている。

  4. 瀉下作用を示す活性本体は、腸内細菌により生成したアントロン類である。

  5. 妊婦や妊娠している可能性のある女性に使用する場合には流早産の危険性があるため注意を要する。


化学|問 107-108 


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|センナの基原、確認試験、純度試験、薬理作用、使用上の注意
この問題の論点は、日本薬局方収載生薬「センナ」の基原植物、確認試験、純度試験、薬理作用、使用上の注意について理解しているかを問うものです。
■解説1|
確認試験としてマグネシウム-塩酸反応が用いられる。(選択肢2) [誤り]
日本薬局方において、センナの確認試験として記載されているのは、アンモニア試液による呈色反応と、薄層クロマトグラフィーによるセンノシドの確認です。マグネシウム-塩酸反応は、フラボノイド系化合物の確認試験として用いられます。
■解説2|
センナは、マメ科植物 Cassia angustifolia Vahl または Cassia acutifolia Delile の小葉を基原とする生薬です。
主な成分としてセンノシドA、センノシドBなどのアントラキノン配糖体を含み、瀉下作用を示します。
確認試験として、アンモニア試液による呈色反応と、薄層クロマトグラフィーによるセンノシドの確認が規定されています。
純度試験として、葉軸や果実などの異物の混入、残留農薬の量が規定されています。
妊婦や妊娠の可能性のある女性への使用は禁忌とされています。
■結論|
誤っている選択肢は 2 です。
■補足|
マメ科植物Cassia angustifolia VahlまたはCassia acutifolia Delile の小葉を基原とする生薬である。(選択肢1) [正しい]
純度試験として残留農薬(総BHC及び総DDT)の量が規定されている。(選択肢3) [正しい]
瀉下作用を示す活性本体は、腸内細菌により生成したアントロン類である。(選択肢4) [正しい]
センノシドは、腸内細菌によって代謝され、瀉下作用を示すアントロン類に変換されます。
妊婦や妊娠している可能性のある女性に使用する場合には流早産の危険性があるため注意を要する。(選択肢5) [正しい]
センナは子宮収縮作用を持つため、妊婦への使用は禁忌とされています。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点|日本薬局方収載センナの確認試験に関する誤記
この問題の論点は、日本薬局方に収載されているセンナに関する記述の正誤を特定することです。
■解説1|
確認試験としてマグネシウム-塩酸反応が用いられる。(選択肢2) [誤り]
日本薬局方のセンナに関する確認試験では、マグネシウム-塩酸反応は使用されません。
実際には、ジエチルエーテルやアンモニア試液を用いる確認試験が記載されています。
■解説2|
日本薬局方では、センナの確認試験として「ジエチルエーテルとアンモニア試液を用いた試験」や「薄層クロマトグラフィーによる試験」が規定されています。
マグネシウム-塩酸反応は、他の化合物(例えば、フラボノイド)の確認試験で用いられることがありますが、センナの確認試験には含まれていません。
■結論|
正しい選択肢は、2です。
■補足|

  1. マメ科植物Cassia angustifolia VahlまたはCassia acutifolia Delile の小葉を基原とする生薬である。(選択肢1) [正しい]
    センナはこれらの植物の小葉を基原としています。

  2. 純度試験として残留農薬(総BHC及び総DDT)の量が規定されている。(選択肢3) [正しい]
    総BHC及び総DDTの量は、それぞれ0.2 ppm以下に規定されています。

  3. 瀉下作用を示す活性本体は、腸内細菌により生成したアントロン類である。(選択肢4) [正しい]
    瀉下作用はセンノシドが腸内細菌によってアントロン類に代謝されることで生じます。

  4. 妊婦や妊娠している可能性のある女性に使用する場合には流早産の危険性があるため注意を要する。(選択肢5) [正しい]
    センナは妊婦や妊娠の可能性がある女性には注意が必要とされています。


■■Copilot powered by GPT4
■参考|
フラボノイドは、マグネシウムと塩酸の反応により呈色する特性を持っています²。この反応は、フラボノイドの存在を確認するための一般的な方法として広く用いられています。
具体的な手順は以下の通りです²:
フラボノイドを含む試料(例えば、生薬の粉末)をメタノールに溶解します。
溶液を水浴で加温します。
加温後、溶液をろ過します。
ろ液にリボン状のマグネシウムと塩酸を加えて放置します。
放置すると、液体は赤紫色を呈します。
この反応は、フラボノイドの化学的な構造に由来します。フラボノイドは、特定の化学的な構造(フェノール性ヒドロキシ基)を持つ化合物で、この構造がマグネシウムと塩酸と反応すると特定の色(この場合は赤紫色)を呈します²。
この反応は、日本薬局方による生薬の確認試験においても用いられています²。例えば、チンピという生薬は、フラボノイドの一種であるヘスペリジンを含んでおり、このマグネシウム・塩酸反応によりその存在を確認することができます²。
ソース: Copilot との会話、 2024/6/6
一 問 一 答 - J-STAGE.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/faruawpsj/59/9/59_862/_pdf/-char/ja.
柑橘類 フラボノイ ド色素の化学 中 林 敏 郎* - J-STAGE.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nskkk1962/9/1/9_1_28/_pdf/-char/ja.
Masao Shimizu: Solubilization of Flavonoids. X. A New Method
https://www.jstage.jst.go.jp/article/yakushi1947/72/3/72_3_338/_pdf/-char/ja.
ほぼすべてのフラボノイドを検出する技術を開発 -植物の機能
https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2017-05-08.
undefined.
https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/000788459.pdf.


日本薬局方の生薬等の純度試験で「総BHCの量及び総DDTの量〈5.01〉 各々0.2 ppm以下」が規定されているのは、これらの物質が農薬として広く使用されていた歴史があり、その結果として生薬に残留する可能性があるからです⁶。BHCとDDTはともに有機塩素系農薬で、環境中に長期間残存し、生物に蓄積する性質があります⁶。そのため、これらの農薬の残留が健康に影響を及ぼす可能性があるため、その量を制限する必要があります⁶。
また、これらの生薬が特にBHCとDDTの規定を設けている理由は、それぞれの生薬が栽培、収穫、加工の過程でこれらの農薬に曝露する可能性が高いと考えられるからです⁶。例えば、一部の生薬は農薬を多く使用する作物から得られるか、または農薬の使用が一般的な地域で栽培されるため、これらの生薬にはBHCとDDTの残留が見られる可能性があります⁶。
一方、他の生薬でBHCとDDTの限度が規定されていない理由は、それらの生薬がこれらの農薬に曝露する可能性が低いか、またはこれらの農薬の影響が少ないと考えられるからです⁶。しかし、これはあくまで一般的な傾向であり、具体的な生薬については個々の状況によります⁶。
ソース: Copilot との会話、 2024/6/6
o,p' p,p' p,p' D p,p' 14 - 滋賀県ホームページ.
https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/2032123.pdf.
「日本薬局方」ホームページ|厚生労働省 - mhlw.go.jp.
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000066530.html.
第十八改正日本薬局方 | 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構.
https://www.pmda.go.jp/rs-std-jp/standards-development/jp/0192.html.
日本薬局方(局方)及び日本薬局方外生薬規格(局外生規)について.
https://www.nihs.go.jp/kanren/iyaku/20220920-dpp.pdf.
東京都健康安全研究センター 研究年報 第58号(2007).
https://www.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/files/archive/issue/kenkyunenpo/nenpo58/01-18.pdf.
残留農薬への取組み|日本漢方生薬製剤協会.
https://www.nikkankyo.org/serv/serv5.htm.


■参考| *著者注釈:
日本薬局方の生薬等の確認試験で「マグネシウムと塩酸の反応により呈色する特性」を利用した確認試験を実施している生薬としては、例えば、エイジツ、キジツ、苦味チンキ、ジュウヤク、チンピがあります。覚えておくとよいでしょう。


エイジツ Rose Fruit ROSAE FRUCTUS 営実
ノイバラRosa multiflora Thunberg (Rosaceae)の偽果又は真果
確認試験:
本品の粉末1 gにメタノール20 mLを加えて2分間穏やかに煮沸した後,ろ過し,ろ液5 mLにリボン状のマグネシウム0.1 g及び塩酸0.5 mLを加えて放置するとき,液は淡赤色~赤色を呈する.


エイジツ末 Powdered Rose Fruit ROSAE FRUCTUS PULVERATUS 営実末
「エイジツ」を粉末としたもの
確認試験:
本品1 gにメタノール20 mLを加えて2分間穏やかに煮沸した後,ろ過し,ろ液5 mLにリボン状のマグネシウム0.1 g及び塩酸0.5 mLを加えて放置するとき,液は淡赤色~赤色を呈する.以下省略


キジツ Immature Orange AURANTII FRUCTUS IMMATURUS 枳実
ダイダイCitrus aurantium Linné var. daidai Makino,Citrus aurantium Linné又はナツミカンCitrus natsudaidai Hayata (Rutaceae)の未熟果実をそのまま又は半分に横切したもの
確認試験:
本品の粉末0.5 gにメタノール10 mLを加えて2分間穏やかに煮沸した後,ろ過する.ろ液5 mLにリボン状のマグネシウム0.1 g及び塩酸1 mLを加えて放置するとき,液は赤紫色を呈する.以下省略


苦味チンキ Bitter Tincture TINCTURA AMARA
トウヒ,粗末 センブリ,粗末 サンショウ,粗末 70 vol%エタノール 50 g 5 g 5 g 適量 全量 1000 mL 以上をとり,チンキ剤の製法により製する.ただし,70 vol%エタノールの代わりに「エタノール」,及び「精製水」又は「精製水(容器入り)」適量を用いて製することができる.
確認試験:
(1) 本品1 mLにメタノール5 mLを加えてリボン状のマグネシウム0.1 g及び塩酸1 mLを加えて放置するとき,液は赤紫色を呈する.以下省略


ジュウヤク Houttuynia Herb HOUTTUYNIAE HERBA 十薬
ドクダミHouttuynia cordata Thunberg (Saururaceae)の花期の地上部
確認試験:
本品の粉末2 gに酢酸エチル20 mLを加え,還流冷却器を付けて15分間加熱した後,ろ過する.ろ液を蒸発乾固し,残留物に水10 mLを加えて水浴上で2分間加熱し,冷後,ろ過する.ろ液を分液漏斗にとり,酢酸エチル20 mLを加えてよく振り混ぜた後,酢酸エチル液15 mLを分取し,水浴上で蒸発乾固する.残留物をメタノール5 mLに溶かし,リボン状のマグネシウム0.1 g及び塩酸1 mLを加えて放置するとき,液は淡赤色~赤色を呈する.


チンピ Citrus Unshiu Peel CITRI UNSHIU PERICARPIUM 陳皮
ウンシュウミカンCitrus unshiu Marcowicz又はCitrus reticulata Blanco (Rutaceae)の成熟した果皮
確認試験:
本品の粉末0.5 gにメタノール10 mLを加えて水浴上で2分間加温した後,ろ過する.ろ液5 mLにリボン状のマグネシウム0.1 g及び塩酸1 mLを加えて放置するとき,液は赤紫色を呈する.


日本薬局方の生薬等の純度試験で「総BHCの量及び総DDTの量〈5.01〉 各々0.2 ppm以下」が規定されている生薬としては、例えば、以下の生薬があります。覚えておくとよいでしょう。
オウギ Astragalus Root ASTRAGALI RADIX 黄耆
オンジ Polygala Root POLYGALAE RADIX 遠志
オンジ末 Powdered Polygala Root POLYGALAE RADIX PULVERATA 遠志末
カンゾウ Glycyrrhiza GLYCYRRHIZAE RADIX 甘草
カンゾウ末 Powdered Glycyrrhiza GLYCYRRHIZAE RADIX PULVERATA 甘草末
ケイヒ Cinnamon Bark CINNAMOMI CORTEX 桂皮
ケイヒ末 Powdered Cinnamon Bark CINNAMOMI CORTEX PULVERATUS 桂皮末
コウジン Red Ginseng GINSENG RADIX RUBRA 紅参
サンシュユ Cornus Fruit CORNI FRUCTUS 山茱萸
シャカンゾウ Prepared Glycyrrhiza GLYCYRRHIZAE RADIX PRAEPARATA 炙甘草
センナ Senna Leaf SENNAE FOLIUM
センナ末 Powdered Senna Leaf SENNAE FOLIUM PULVERATUM
ソヨウ Perilla Herb PERILLAE HERBA 紫蘇葉 蘇葉
タイソウ Jujube ZIZIPHI FRUCTUS 大棗
チンピ Citrus Unshiu Peel CITRI UNSHIU PERICARPIUM 陳皮
ニンジン Ginseng GINSENG RADIX 人参
ニンジン末 Powdered Ginseng GINSENG RADIX PULVERATA 人参末
ビワヨウ Loquat Leaf ERIOBOTRYAE FOLIUM 枇杷葉
ボタンピ Moutan Bark MOUTAN CORTEX 牡丹皮
ボタンピ末 Powdered Moutan Bark MOUTAN CORTEX PULVERATUS 牡丹皮末


化学|問 109-109 ■正答| 4
28歳女性。日頃からストレスによる疲労感やイライラを強く感じていて、最近になって胃痛や嘔吐、食欲不振に悩まされるようになった。今回、一般用医薬品を希望して来局したため、症状から六君子湯(ハンゲ、チンピ、ニンジン、ビャクジュツ又はソウジュツ、ショウキョウ、カンゾウ、タイソウ、ブクリョウから構成される)を薦めた。これらの症状に対して六君子湯が有効と考えた主たる根拠として誤っているのはどれか。1つ選べ。
■選択肢

  1. ハンゲには嘔吐を改善するはたらきがある。

  2. チンピには胃の調子を改善するはたらきがある。

  3. ニンジンには疲労感を改善するはたらきがある。

  4. ビャクジュツ又はソウジュツにはイライラを改善するはたらきがある。

  5. ショウキョウには食欲不振を改善するはたらきがある。


化学|問 109-109 


*著者注釈:
レギュラトリーサイエンスの見地からは、それぞれの個別の生薬の作用は、患者の症状に対して漢方薬である六君子湯が有効と考える主たる根拠として扱うことはできないです。医薬品の添付文書またはインタビューフォームの有効性に関する記述に、各生薬の薬効を根拠とした記述がないからです。
各生薬の薬効を科学的根拠とした記述がない理由は、厚生労働省に承認申請を出した時点で、それぞれの個別の生薬の薬効を六君子湯の有効性の科学的根拠とすることができなかったからです。
六君子湯の有効性に関しては、主に、市販後の六君子湯の臨床試験における患者への全身性の有効性の根拠となる指標のデータがエビデンスとして用いられます。
生薬学の知識を問う問題であるのなら、六君子湯を持ち出す必要はなく、各生薬が単体で用いられた際のオーソライズされた適用法もしくは非臨床試験の薬効薬理、病態と治療を論点とすべきです。
薬剤師の適性を問う国家資格試験の科目としての化学の問題には適していないように思われます。


■■Gemini 1.5 Pro
■論点|六君子湯の構成生薬の作用
この問題の論点は、六君子湯を構成する生薬の作用を理解し、患者の症状に適した漢方薬を選択できるかどうかを問うものです。
■解説1|
ビャクジュツ又はソウジュツにはイライラを改善するはたらきがある。(選択肢4)
ビャクジュツとソウジュツは、どちらも健胃・整腸作用を期待して用いられる生薬ですが、イライラを改善する効果は一般的に認められていません。
■解説2|
六君子湯は、体力中等度以下で、胃腸が弱く、食欲不振、吐き気、胃もたれ、疲労倦怠感などを訴える場合に用いられる漢方薬です。
ハンゲは、嘔吐を鎮め、胃内停水を改善する作用があります。
チンピは、芳香性健胃作用、消化管機能調整作用があります。
ニンジンは、消化吸収を促進し、疲労倦怠感を改善する作用があります。
ビャクジュツとソウジュツは、どちらも健胃・整腸作用がありますが、ビャクジュツは利水作用、ソウジュツは行気作用が強いとされています。
ショウキョウは、芳香性健胃作用、消化管機能調整作用があります。
カンゾウは、消化管機能調整作用、炎症抑制、鎮痛作用があります。
タイソウとブクリョウは、利水作用があり、水滞による胃腸症状を改善します。
■結論|
誤っている選択肢は 4 です。
■補足|
ハンゲには嘔吐を改善するはたらきがある。(選択肢1) [正しい]
チンピには胃の調子を改善するはたらきがある。(選択肢2) [正しい]
ニンジンには疲労感を改善するはたらきがある。(選択肢3) [正しい]
ショウキョウには食欲不振を改善するはたらきがある。(選択肢5) [正しい]


■■GPT4 or GPT3.5
■論点|六君子湯の構成生薬の薬効に関する誤記
この問題の論点は、六君子湯を構成する生薬の薬効が、特定の症状に対して正しいかどうかを特定することです。
■解説1|
ビャクジュツ又はソウジュツにはイライラを改善するはたらきがある。(選択肢4)
ビャクジュツとソウジュツは、主に胃腸の働きを改善し、水分代謝を正常化する効果があります。
イライラの改善に直接関与することは報告されていません。
■解説2|
ハンゲには嘔吐を改善するはたらきがあります。これは、吐き気を鎮め、胃の働きを助ける作用があるためです。
チンピには、胃の調子を整え、消化を助ける作用があります。胃の不快感や消化不良を改善する効果があります。
ニンジンは、元気をつけ、疲労感を軽減する作用があります。滋養強壮効果が期待できます。
ショウキョウは、胃を温め、食欲不振を改善する効果があります。
■結論|
正しい選択肢は、4です。
■補足|
ハンゲには嘔吐を改善するはたらきがある。(選択肢1) [正しい]
正しい記述です。ハンゲは嘔吐の改善に有効です。
チンピには胃の調子を改善するはたらきがある。(選択肢2) [正しい]
チンピは胃の調子を整えます。
ニンジンには疲労感を改善するはたらきがある。(選択肢3) [正しい]
ニンジンは滋養強壮効果があります。
ショウキョウには食欲不振を改善するはたらきがある。(選択肢5) [正しい]
ショウキョウは食欲不振を改善します。


■■Copilot powered by GPT4
■参考|
ビャクジュツとソウジュツは、伝統的な東洋医学で広く使用されている生薬で、それぞれ異なる薬効があります。
ビャクジュツ:
ビャクジュツは、オケラまたはオオバナオケラの根茎から得られます。主な成分にはセスキテルペノイドのatractylon、atractylenolide I, II, IIIなどが含まれています。これらの成分は、ビャクジュツの薬効に寄与していると考えられています。
ビャクジュツは、主に消化管内の水分代謝の異常を改善し、胃液の分泌を促進することで、健胃、整腸、利尿、止瀉の効果を期待する薬方に配合されます。
ソウジュツ:
ソウジュツは、ホソバオケラまたはシナオケラの根茎から得られます。主な成分には、atractylodin(アトラクチロジン)、hinesol(ヒネソール)、β-eudesmol(β-オイデスモール)、atractylon(アトラクチロン)などが含まれています。
ソウジュツは、胃もたれによる消火不良や食欲不振を改善する健胃・整腸作用と、発汗・利尿を促し、むくみ、めまい、二日酔い、関節痛などを改善する水毒(体内の水の巡りが悪く、不要な水分が溜まっている状態)の改善効果があります。
最近の研究では、ソウジュツの水抽出物が、雷公藤の主成分であるトリプトリドの毒性を回避し、抗炎症作用を促進する可能性が示されています。これは、ソウジュツが抗炎症作用を有することを示しており、さらなる研究が期待されます。
ソース: Copilot との会話、 2024/6/4
ビャクジュツ/新常用和漢薬集 | 公益社団法人東京生薬協会.
https://www.tokyo-shoyaku.com/wakan.php?id=205.
ミセル動電クロマトグラフィーによる生薬分析 2 ―ビャクジュ
https://www.jstage.jst.go.jp/article/yakushi/123/6/123_6_453/_pdf/-char/ja.
生薬解説【ソウジュツ】 基本情報と学術トピックス | 研究実績
https://kenbiyakuto.com/journal/生薬解説【ソウジュツ】   基本情報から学術/.
漢方生薬蒼朮の抗炎症作用に関する研究 国立情報学研究所
https://kanazawa-u.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=38145&item_no=1&attribute_id=31&file_no=1.
蒼朮の化学成分に基づく地理的変異の鑑別
CiNii Research.
https://cir.nii.ac.jp/crid/1390282680741591168.
神戸薬科大学薬用植物園レター 2022. 9. 5 < Medicinal
https://www.kobepharma-u.ac.jp/botanical-gardens/news/docs/2022-9Vol.25.pdf.
白朮(びゃくじゅつ)の効能「利水作用」について | 漢方薬を
https://kampo-do.jp/byakujutsu-risui/.
undefined. http://hdl.handle.net/2297/45291.

😊 お疲れ様でした。次は、解説要約です。
がんばろう!絶対、完全攻略できます。


4. 解説要約 30問 薬学理論問題【物理】・【化学】

各問題の論点と解説の要約を以下にまとめます。復習しましょう。

薬剤師国家試験問題 薬学理論問題【物理】・【化学】第106回 - 第109回

Creator: Yukiho Takizawa, PhD
Tool: Chat GPT powered by GPT4o & Google AI Studio by Gemini 1.5 Pro
Date: 2024/ 06/10

Matsunoya|薬剤師国家試験対策ノート
4. 解説要約 30問 薬学理論問題【物理】・【化学】

Here; https://note.com/matsunoya_note/n/n8bfea5ba5e10

Matsunoya|薬剤師国家試験対策ノート


■ 各問題の論点と解説の要約


物理|問 106-091 
論点|1 mol/L水酸化ナトリウム液の調製及び標定


ポイント|
1 mol/L水酸化ナトリウム溶液の調製では、水酸化ナトリウムを水に溶解後、水酸化バリウム八水和物飽和溶液を加えて炭酸イオンを除去し、ろ過して標定する。沈殿として生成されるのは炭酸バリウムである。
標定には標準試薬としてアミド硫酸を用いる。アミド硫酸はデシケーターで乾燥後、精密に秤量する。標準試薬の質量は「精密」に秤量する必要がある。
容量分析用標準液のファクターは、0.970~1.030の範囲にあるように調製する。
滴定にはビュレットを使用する。


物理|問 107-091
論点|分子軌道法に基づく基底状態の分子の電子配置


ポイント|
分子軌道法では、電子は分子全体に広がる軌道に属する。
結合次数は、(結合性軌道の電子数 - 反結合性軌道の電子数) / 2 で計算される。
一つの軌道には、パウリの排他律に従い、スピンの異なる電子が最大2個まで入る。同じ軌道に入る電子は、スピン量子数が異なる必要がある。
電子はエネルギー準位の低い軌道から優先的に占有する。


物理|問 108-091 
論点|放射線と物質の相互作用


ポイント|
放射線は、エネルギーを持つ粒子線である粒子放射線と、波としての性質を持つ電磁波放射線に分類される。
γ線は物質と相互作用する際に、光電効果、コンプトン効果、電子対生成などの現象を起こし、エネルギーを失う。
α線はβ線と比較して質量が大きく電荷も大きいため、物質との相互作用が強く、直線的な飛跡を描く。
β線の透過放射線量は、吸収体の厚さに対して指数関数的に減少する。
電離作用の強さは、α線 > β-線 > γ線の順である。


物理|問 109-091 
論点|分子間相互作用


ポイント|
クーロン力は、電荷を持つ粒子間に働く力で、距離の2乗に反比例する。
疎水性相互作用は、水分子との相互作用を避けるために、疎水性の分子同士が集まる傾向を指す。
分散力は、無極性分子間に働く引力の一種である。
界面活性剤のミセル形成は、疎水性相互作用と親水基のイオン結合の組み合わせによって起こる。
核酸塩基対は、水素結合によって形成される。


物理|問 107-092 
論点|放射線と放射壊変


ポイント|
放射能は、放射性核種の原子核が単位時間に壊変する数を表し、その単位はベクレル(Bq)である。
β-壊変では、原子核から電子とニュートリノが放出されるが、これらの粒子はエネルギーを分配するため、電子のエネルギーは一定ではなく、連続的なスペクトルを示す。
放射壊変は、1次反応速度式に従う。
X線とγ線はどちらも電磁波だが、発生機構によって区別される。X線は原子核外の電子のエネルギー遷移、γ線は原子核のエネルギー準位の遷移によって発生する。
γ転移により放射されるγ線のエネルギーは、壊変する原子核種によって異なる。


物理|問 108-092 
論点|エントロピーの定義と性質


ポイント|
外界(周囲)のエントロピー変化を温度で割ったものは、系のギブズエネルギー変化ではなく、外界が系に及ぼす影響の指標となる。
系のギブズエネルギー変化は、エンタルピー変化とエントロピー変化の組み合わせで決まる。ギブズエネルギーは、定温定圧条件下での系の自発性を判断する指標となる熱力学量である。
エントロピーは、系の乱雑さ、無秩序さを定量的に表す状態量である。
熱力学第二法則によれば、断熱系では自発的に進行する変化は、系のエントロピーが増大する方向に進む。
エントロピー変化ΔSは、可逆的に出入りする熱をqrev、そのときの温度をTとすると、ΔS=qrev/Tで与えられる。
熱力学第三法則では、絶対零度において完全結晶のエントロピーはゼロとなる。


物理|問 109-092 
論点|状態関数の定義と性質


ポイント|
示量性状態関数は系の大きさ(物質量)に比例する性質を持ち、部分系の値の和が全体の値と等しくなる。
体積は系の大きさ(物質量)に比例するため、示量性状態関数である。
状態関数は、系の状態だけで一意的に決まり、変化の経路には依存しない。一方、経路関数は、変化の経路によって値が変わる。
示量性状態関数は系の大きさに比例する状態関数であり、示強性状態関数は系の大きさによらない状態関数である。
状態関数の変化量は始状態と終状態だけで決まり、経路には依存しない。
示強性状態関数は物質量に依存しない。
エントロピーは系の大きさに比例するため、示量性状態関数である。


物理|問 107-093 
論点|状態関数と経路関数の区別


ポイント|
経路関数は、系の変化の経路によってその値が変化する関数であり、熱や仕事が該当する。熱と仕事は、系の変化の経路によってその値が変化する。
状態関数の変化量は、始状態と終状態だけで決まり、過程(可逆・不可逆)には依存しない。
状態関数は、系の状態だけで一意的に決まる関数であり、内部エネルギー、エンタルピー、エントロピー、ギブズエネルギーなどが該当する。
温度は系の大きさによらないため、示強性状態関数である。
エンタルピーは系の大きさに比例するため、示量性状態関数である。
熱力学第一法則は、エネルギー保存則を表しており、内部エネルギーが状態関数であることを示している。


物理|問 108-093 
論点|酸化還元反応と化学電池の基礎


ポイント|
標準起電力は、反応に関与する物質がすべて標準状態にある場合の起電力である。
濃淡電池では、同じ電極を用いているため、標準電極電位が等しくなり、標準起電力は0Vとなる。
化学電池では、外部回路を介して電子の移動が起こり、カソードでは還元反応、アノードでは酸化反応が起こる。
酸化還元反応は、原子やイオン間での電子の授受によって起こる反応である。
電子を失う反応を酸化反応、電子を得る反応を還元反応という。
化学電池は、酸化還元反応を利用して化学エネルギーを電気エネルギーに変換する装置である。
電子を受け取るのは酸化剤、電子を与えるのが還元剤である。
コハク酸は電子を失って酸化され、FADは電子を得て還元されているため、コハク酸は還元剤、FADは酸化剤である。
Henderson‒Hasselbalchの式は、酸解離平衡におけるpHと酸と塩基の濃度比の関係を表す式であり、酸化還元反応の起電力には適用できない。ネルンストの式を用いることで、反応の進行度合いを考慮した起電力を計算できる。


物理|問 109-093 
論点|薄層クロマトグラフィーによる類縁物質の限度試験


ポイント|
類縁物質の混入許容量は、試料溶液と標準溶液の濃度比から計算できる。
最終的に標準溶液は試料溶液の 1/1000 倍の濃度になる。
薄層クロマトグラフィーの結果から、試料溶液中の類縁物質の量は標準溶液の量を超えないため、類縁物質の許容量は最大で試料の 0.1% と計算される。
薄層クロマトグラフィーでは、試料溶液と標準溶液のスポットの濃淡を比較することで、類縁物質の量を相対的に評価する。
試料溶液のスポットが標準溶液のスポットより濃くない場合、類縁物質の量は標準溶液以下、すなわち試料の 0.1% 以下であると言える。


物理|問 106-094 
論点|日本薬局方におけるヒドロコルチゾンコハク酸エステルの定量法


ポイント|
日本薬局方のヒドロコルチゾンコハク酸エステルの定量法では、内標準法を用いており、試料中の目的成分の量を試料と標準品のピーク面積比から算出する。
逆相液体クロマトグラフィーでは、一般的に移動相の有機溶媒の割合を増やすと、化合物の保持時間が短くなる傾向がある。
内標準法では、試料と標準品に既知量の内部標準物質を加え、目的成分と内部標準物質のピーク面積比を測定することで、試料中の目的成分の正確な定量を行う。
ヒドロコルチゾンコハク酸エステルは、逆相液体クロマトグラフィーにおいて、移動相の極性を変化させることで保持時間を調整することができる。
アセトニトリルは、水よりも溶出力の強い有機溶媒であるため、移動相中のアセトニトリルの割合を増やすと、ヒドロコルチゾンコハク酸エステルの保持時間が短くなる。
日本薬局方の通則によれば、「約」を付けたものは、記載された量の±10%の範囲を意味する。
紫外吸光光度計の光源には、紫外線領域の測定には重水素ランプが、可視光領域の測定にはタングステンランプが用いられる。測定波長が254 nmであることから、この場合の光源は重水素ランプである。
分離度は、クロマトグラフィーにおいて、2つのピークがどれだけ分離されているかを表す指標である。


物理|問 108-094 
論点|反応速度の温度依存性とアレニウスの式


ポイント|
アレニウスプロットの傾きは -Ea/R であり、傾きが等しい場合は活性化エネルギーも同じ値になる。
アレニウスプロットの傾きの絶対値が大きいほど活性化エネルギーが大きく、温度変化による反応速度の変化も大きくなる。
アレニウスの式は、反応速度定数 k が温度 T と活性化エネルギー Ea を用いて表される式である。
アレニウスプロットは、アレニウスの式を変形して、縦軸に ln k、横軸に 1/T をとったグラフである。
アレニウスプロットの傾きと切片から、それぞれ活性化エネルギーと頻度因子を求めることができる。
アレニウスの式は、温度と反応速度定数の関係を表す式である。平衡定数との関係は、ファントホッフの式で表される。
0次反応を含め、多くの反応にアレニウスの式は適用できる。
アレニウスプロットは右下がりの直線になる。


物理|問 109-094 
論点|溶解度積とpHの関係


ポイント|
M(OH)₂の溶解度積と水のイオン積から、M²⁺の濃度が1.0×10⁻⁸ mol/LとなるpHを求めると、pH = 5.15となるため、沈殿が生成し始めるpHに最も近い値は5である。
M(OH)₂の溶解度積は Ksp = [M²⁺][OH⁻]² = 2.0×10⁻²⁰ (mol/L)³ で表される。
問題文より [M²⁺] = 0.01 mol/L なので、[OH⁻] = √(Ksp/[M²⁺]) = √(2.0×10⁻²⁰ / 0.01) = 1.4×10⁻⁹ mol/L と計算される。
水のイオン積 Kw = [H⁺][OH⁻] = 1.0×10⁻¹⁴ (mol/L)² を用いて、[H⁺] = Kw / [OH⁻] = 1.0×10⁻¹⁴ / 1.4×10⁻⁹ = 7.1×10⁻⁶ mol/L と計算される。
pH = -log[H⁺] = -log(7.1×10⁻⁶) = 5.15 より、pHが5.15以上になるとM(OH)₂が沈殿し始める。
pHが3の場合は、[OH⁻]がKsp/[M²⁺]よりも小さいため、沈殿は生成しない。
pHが7, 9, 11の場合は、既に多くのM(OH)₂が沈殿しており、沈殿が生成し始めるpHとしては高すぎる。


物理|問 108-095 
論点|緩衝液の調製とpH計算


ポイント|
目的の pH である 9.0 とアンモニアの pKb = 4.7 を Henderson-Hasselbalch の式に代入すると、塩化アンモニウムとアンモニアのモル比が求められる。そのモル比とそれぞれの溶液の濃度から、必要なアンモニア水溶液の体積を計算できる。
アンモニアの pKb = 4.7 から、共役酸であるアンモニウムイオンの pKa = 14 - pKb = 9.3 を求めることができる。
Henderson-Hasselbalch の式 (pH = pKa + log([共役塩基]/[弱酸])) を用いると、アンモニアと塩化アンモニウムのモル濃度比は 1:2 となる。
塩化アンモニウムの初濃度は 0.20 mol/L で、体積が 100 mL なので、モル数(NH₄⁺) = 0.20 mol/L × 0.1 L = 0.02 mol と計算される。
塩基と酸のモル濃度比は 1:2 なので、モル数(NH₃) = 0.02 mol × (1/2) = 0.01 mol と計算される。
0.18 mol/L のアンモニア水溶液を用いるので、必要な液量 V (L)は 0.18 (mol/L) × V (L) = 0.01 (mol) より、 V = 0.01 (mol) / 0.18 (mol/L) = 0.0556 (L) = 55.6 (mL) と計算される。


物理|問 107-096 
論点|分配係数と抽出率の関係


ポイント|
弱酸HAは、水溶液中で解離平衡の状態にあり、分配係数を求めるには、有機溶媒中と緩衝液中のHAの分子形の濃度を求める必要がある。
抽出率、有機溶媒と水溶液の体積比、およびHenderson-Hasselbalchの式を用いることで、分配係数を計算できる。
pKa=5.3, 緩衝液のpH=5.0であり、Henderson-Hasselbalchの式を用いると、[A⁻]/[HA] = 10^(-0.3) = 1/2 となり、緩衝液中のHAは、A⁻とHAが1:2の比で存在していることが分かる。
最初の弱酸化合物の量をDとすると、D=([A⁻]+[HA])×200 mL と表せ、抽出後の緩衝液中の弱酸化合物の量D'は、D'=0.25×Dとなる。
[A⁻]:[HA]=1:2より、緩衝液中の分子形のHAの濃度 [HA]wは、[HA]w = (2/3) × 0.25 × D / 200 mL と表せる。
有機溶媒中の分子形のHAの濃度 [HA]oは、[HA]o = 0.75 × D / 100 mL と表せる。
分配係数KDは、有機溶媒中の分子形のHAの濃度と、緩衝液中の分子形のHAの濃度との比で表され、KD = [HA]o/[HA]w = (0.75 × D / 100 mL) / ((2/3) × 0.25 × D / 200 mL) = 9 と計算される。


物理|問 108-096 
論点|吸光度と透過率の関係、および溶液の混合による吸光度の変化


ポイント|
透過率Tと吸光度Aの関係は、A = -logT で表される。
ランバート・ベールの法則より、吸光度は濃度に比例する。
水溶液IとIIを等量ずつ混合すると、それぞれの溶質の濃度は元の1/2になり、吸光度も1/2になる。
混合溶液の吸光度は、それぞれの溶液の吸光度の和となる。
水溶液Iの吸光度 A₁ = -log(50/100) = -log(1/2) = log2 = 0.3 であり、水溶液IIの吸光度 A₂ = -log(20/100) = -log(1/5) = log5 = log(10/2) = log10 - log2 = 1 - 0.3 = 0.7 と計算される。
混合溶液の吸光度 A = 0.3 / 2 + 0.7 / 2 = 0.5 と計算される。


物理|問 109-096 
論点|熱容量の定義と性質


ポイント|
モル熱容量は、物質 1 mol の温度を 1 K (または 1 ℃) 上昇させるのに必要な熱量である。
理想気体では、定圧変化においては体積変化に伴う仕事をする必要があるため、同じ温度上昇を得るためには、定容変化の場合よりも多くの熱量を必要とするため、Cv,m < Cp,m である。
熱容量は、ある物質の温度を 1 K (または 1 ℃) 上昇させるのに必要な熱量である。
モル熱容量は、物質 1 mol あたりの熱容量である。
定圧熱容量 (Cp) は、圧力一定の条件下で測定される熱容量である。
定容熱容量 (Cv) は、体積一定の条件下で測定される熱容量である。
理想気体では、Cp,m - Cv,m = R という関係が成り立つ。
熱容量の単位は、J・K⁻¹ もしくは cal・K⁻¹である。
Cv は、Cv = (∂U/∂T)v で表される。dH/dT は定圧熱容量 Cp を表す。
理想気体の Cv,m は、単原子分子では (3/2)R、二原子分子では (5/2)R となる。


物理|問 106-097 
論点|分子量測定法


ポイント|
凝固点降下度は溶液の質量モル濃度に比例する。
1.0%グルコース水溶液と1.0%タンパク質水溶液では、タンパク質の方が分子量が大きく質量モル濃度が1/100となるため、凝固点降下度も1/100となる。
蒸気圧降下も凝固点降下や浸透圧と同様に、溶液中の溶質の粒子数によってのみ決まる束一的性質の一つである。
1.0%グルコース水溶液の凝固点降下度は、ΔT = Kf × m より、1.86 × (10 g / 180 g/mol ) / 0.1 kg = 0.103 K となる。
溶液の束一的性質には、凝固点降下、沸点上昇、蒸気圧降下、浸透圧の4つがある。
これらの現象は、溶液中の溶質粒子によってのみ決まり、溶質の種類や化学的性質には依存しない。
浸透圧(Π)は、Π=cRTで表される。
1.0% (w/v) タンパク質水溶液は、1.0 g / 100 mL = 0.01 g/mL の濃度である。
分子量 18,000 に対するモル濃度 c は、0.01 (g/mL) / 18,000 ( g/mol ) = 5.56 × 10⁻⁷ mol/mL = 5.56 × 10⁻⁴ mol/L となる。
絶対温度 T は 300 K、気体定数 R は 8.314 J・K⁻¹・mol⁻¹ なので、浸透圧 Π は、Π = (5.56 × 10⁻⁴ mol/L) × (8.314 J・K⁻¹・mol⁻¹) × (300 K) = 1.39 J/L = 1.39 Pa と計算される。
水溶液の比重を1と近似すると、浸透圧は約 1.39 Pa となる。


物理|問 107-097 
論点|ハロゲン化物の定性分析


ポイント|
臭化物イオンを含む溶液に硝酸銀試液を加えると淡黄色の臭化銀AgBrが沈殿する。この沈殿は希硝酸に溶けないが、アンモニア水を加えると錯イオンを形成して溶解し、この溶液を酸性にすることで再びAgBrが生成し、白濁する。
臭化物イオンを含む溶液に塩素試液を加えると臭素Br₂が生成する。この溶液にフェノールを加えると、臭素がフェノールに置換反応を起こし、白色の2,4,6-トリブロモフェノールが生成する。
ハロゲン化物イオンを含む溶液に硝酸銀試液を加えると、それぞれハロゲン化銀の沈殿を生じる。AgClは白色、AgBrは淡黄色、AgIは黄色の沈殿を生じる。
それぞれのハロゲン化物イオンは酸化されやすさが異なるため、塩素や臭素を酸化剤として加えることで識別することも可能である。
AgClの沈殿は白色である。
下線部ウの沈殿はAgIであり、黄色の沈殿を生じる。
下線部エの反応は塩化銀とアンモニアによる錯イオン形成反応である。


物理|問 108-097 
論点|アミノ酸分析における液体クロマトグラフィー


ポイント|
570 nm の可視光領域の測定には、一般的にタングステンランプが用いられる。
アミノ酸分析では陽イオン交換カラムを用いたポストカラム誘導体化法が用いられ、移動相AからEになるにつれて、酸性のリン酸の濃度が減少し、pHが大きくなるように設計されている。
可視吸光光度計は、試料溶液を通過した光の強度を測定することで、溶液中の分析対象物質の濃度を測定する。
アミノ酸分析に用いられる液体クロマトグラフィーでは、一般的に、ポストカラム誘導体化法であるニンヒドリン法が用いられる。
ポストカラム誘導体化法では、カラムでアミノ酸を分離した後、誘導体化試薬であるニンヒドリンと反応させ、発色させて検出する。
固定相には強酸性陽イオン交換樹脂が用いられる。
プレカラム誘導体化法ではアミノ酸から誘導体化試薬によって誘導体化された化合物を分離するために逆相カラムが用いられるが、問題文に示されたカラム(ポリスチレンにスルホン酸基を結合した液体クロマトグラフィー用強酸性イオン交換樹脂(Na型)を充塡)は、アミノ基とカルボキシル基の両方を構造中に有する両性イオンであるアミノ酸そのものを分離するため、ポストカラム誘導体化法に用いられる強酸性陽イオン交換樹脂である。また、ニンヒドリンは一般にポストカラム誘導体化法に用いられる代表的な試薬である。一方、代表的なプレカラム誘導体化試薬としては、o-フタルアルデヒド、イソチオシアン酸フェニル(フェニルイソチオシアネート:PITC)、フルオレサミン、ダンシルクロライドなどが挙げられる。
アラニンとプロリンでは、ニンヒドリンとの反応で生成する呈色物質の色が異なる。アラニンは570 nmで紫色に呈色し、プロリンは440 nmで黄色に呈色する。


物理|問 108-098 
論点|アミノ酸の定量分析


ポイント|
電位差滴定法では、指示電極と参照電極を用いて滴定終点を求め、酸塩基滴定において、指示電極には一般的にガラス電極が用いられる。
空試験は、試料を用いずに滴定操作を行うことで、試薬や溶媒中の不純物による影響を補正するために実施するため、本試験では試料中のL-アラニンも過塩素酸と反応することから、空試験よりも滴定量が多くなる。
電位差滴定法は、滴定の過程における電位差の変化を測定することで、滴定終点を求める方法である。
L-アラニンの定量では、試料をギ酸と酢酸に溶解した後、過塩素酸で滴定する。
この滴定反応は、L-アラニンのアミノ基と過塩素酸との間の酸塩基反応である。
空試験を行うことで、試薬や溶媒中の不純物による影響を補正し、より正確な測定結果を得ることができる。
日本薬局方では、「約」を付けたものは、記載された量の±10%の範囲を意味するため、95.67mgを量り取った場合でも「約90mg」を量り取ったことになる。
L-アラニンはアセチル化されずに、そのまま過塩素酸と反応する。
L-アラニン(分子量 89.09)と過塩素酸は1:1で反応するため、0.1 mol/L 過塩素酸 1mL と反応する L-アラニンの質量は 8.909 mg となる。


物理|問 107-098 
論点|キレート滴定法による塩化カルシウム水和物の定量


ポイント|
キレート滴定法では、金属イオンとキレート試薬との反応を利用して定量を行い、滴定の終点を検出するために金属指示薬を用いる。指示薬が機能するためには、金属イオンとキレート試薬との錯生成定数が、金属イオンと指示薬との錯生成定数よりも大きい必要がある。
エチレンジアミン四酢酸(EDTA)は、Ca²⁺とMg²⁺の両方とキレートを形成するが、この定量法では、高濃度の水酸化カリウム試液を加えることで、Mg²⁺を水酸化マグネシウムとして沈殿させているため、Ca²⁺のみを定量することが可能である。
キレート滴定法は、金属イオンとキレート試薬が安定な錯体を形成することを利用した滴定法である。
塩化カルシウム水和物の定量では、キレート試薬としてEDTAを用い、金属指示薬としてNN指示薬を用いる。
滴定の終点において、EDTAがCa²⁺と結合し、NN指示薬からCa²⁺が遊離することで、溶液の色が赤紫色から青色に変化する。
正しくは、「8 mol/L水酸化カリウム試液」である。
EDTA溶液は遮光する必要はない。
正しくは、参考資料にあるように 2.940 mg である。


物理|問 109-098 
論点|ヨードチンキの定量


ポイント|
ヨウ素 (I₂) は、水溶液中では褐色、有機溶媒中では紫色を呈する。クロロホルム層の赤紫色は、ヨウ素の色である。
ヨウ素の含量は、(0.1 mol/L × 23.60 mL × 12.69 mg/mL) / 5 mL × 100 = 6.0 w/v% と計算される。
ヨードチンキは、ヨウ素とヨウ化カリウムをエタノールに溶解した液剤である。
ヨウ素の定量では、ヨウ素とチオ硫酸ナトリウムとの酸化還元反応を利用する。
ヨウ化カリウムの定量では、ヨウ化カリウムとヨウ素酸カリウムとの酸化還元反応を利用する。
ヨウ素はクロロホルムに溶解すると紫色を呈するため、ヨウ素酸カリウム滴定の終点は、クロロホルム層の紫色が消失する点で判断する。
ヨウ化カリウムを加えるのは、ヨウ素を溶解させて三ヨウ化物イオン(I₃⁻)を生成するためである。I₃⁻はI₂よりも水溶性が高く、滴定反応がスムーズに進行する。
デンプン試液は、ヨウ素と反応して青紫色を呈する指示薬である。終点付近で添加することで、わずかに残ったヨウ素を検出することができる。
ヨウ素の定量で消費されたチオ硫酸ナトリウムの量は、ヨウ化カリウムの定量にも影響を与えるため、(a - b/2 )の式を用いて補正する必要がある。


物理|問 107-099 
論点|逆相液体クロマトグラフィーにおける分離の原理


ポイント|
理論段高さは、カラムの分離効率を表す指標であり、値が小さいほど分離効率が高い。理論段高さが小さいカラムを使用することで、ピークの拡散が抑制され、分離度が向上する。
逆相液体クロマトグラフィーでは、固定相として疎水性の物質を、移動相として親水性の溶媒を用いる。
分離は、分析対象物質と固定相、移動相との親和性の違いによって行われる。
疎水性の高い物質ほど固定相に強く保持され、溶出が遅くなる。
理論段高さは、カラムの単位長さあたりの分離効率を表し、値が小さいほどカラムの分離性能が高い。
分離度は、2つのピークがどれだけ分離されているかを表す指標であり、分離度が高いほど分離が良好である。
逆相液体クロマトグラフィーでは、疎水性の高い物質ほど固定相に強く保持され、溶出が遅くなる。ベンゼン、トルエン、エチルベンゼンの順に疎水性が高くなるため、溶出順序は逆になる。
移動相の流速が速すぎると分離が悪化し、遅すぎると分析時間が長くなる。分離係数は、物質の固定相と移動相への分配のしやすさを表す指標であり、流速とは直接的な関係はない。
移動相中のアセトニトリルの割合を大きくすると、溶出力が高くなり、すべての成分の溶出が早くなるため、分離が悪化する可能性がある。
シリカゲルを固定相、n-ヘキサン-アセトン混液を移動相とするのは、順相クロマトグラフィーであり、逆相クロマトグラフィーとは溶出順序が逆になる。


物理|問 109-099 
論点|光の性質


ポイント|
光の散乱とは、光が物質と相互作用することで、様々な方向に光が散らばる現象である。
光の干渉とは、複数の光波が重なり合うことで、互いに強め合ったり弱め合ったりする現象である。位相が一致する場合は強め合い、位相が逆位相になる場合は弱め合う。
光は、波動としての性質と粒子としての性質を併せ持っている。
反射、屈折、偏光、散乱、干渉といった現象は、光の波動性を示す例である。
光の散乱は、光の波長よりも小さい粒子によるレイリー散乱と、光の波長よりも大きい粒子によるミー散乱に分けられる。
光の干渉は、ヤングの実験や薄膜干渉などで観察される。
光が臨界角より大きい入射角で入射する場合に全反射が起こる。
真空からある媒質に入射する光の屈折率を絶対屈折率という。
自然光を偏光板に通すと、特定の方向に振動面をもつ直線偏光を取り出せる。


物理|問 107-100 
論点|キャピラリー電気泳動法の原理と種類


ポイント|
キャピラリー等電点電気泳動:
両性電解質を含むキャリアアンフォライトを用いてpH勾配を形成
タンパク質などの両性電解質試料を等電点の違いに基づいて分離
ミセル動電クロマトグラフィー:
移動相に界面活性剤を添加することでミセルを形成
中性物質をミセルとの相互作用の差に基づいて分離
キャピラリー電気泳動法:
高電圧を印加した細いキャピラリー内での電気泳動を利用
イオン性物質や荷電粒子を分離する分析手法
キャピラリーゾーン電気泳動:
均一な緩衝液を満たしたキャピラリーを用いる
試料成分を主に電荷とサイズに基づいて分離
キャピラリーゲル電気泳動:
キャピラリー内にゲルを充填
試料成分を主にサイズに基づいて分離
分子サイズの小さい物質ほどゲルの網目構造を通り抜けやすい
分子サイズの小さい順に検出される
キャピラリー等電点電気泳動:
両性電解質を含むpH勾配を形成したキャピラリーを用いる
試料成分を等電点の違いに基づいて分離
溶融シリカキャピラリー:
内壁は負に帯電する
電気浸透流は陽極から陰極の方向に向かう
陽イオン性物質は陽極方向に、中性物質は電気浸透流の影響を受けて陰極方向に移動
同時に泳動されることはない


物理|問 109-100 
論点|ガスクロマトグラフィーの原理と特徴


ポイント|
トリメチルシリル化は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基などの極性官能基をトリメチルシリル基に置き換えることで、化合物の揮発性を高め、ガスクロマトグラフィーでの分析を可能にする誘導体化法の一つである。
電子イオン化(EI)と化学イオン化(CI)は、GC/MSで一般的に用いられるイオン化法である。EIはハードイオン化法であり、フラグメントイオンが多く生成されるため、構造解析に有用である。CIはソフトイオン化法であり、分子イオンピークが強く観測されるため、分子量測定に適している。
ガスクロマトグラフィーは、気体移動相と液体または固体固定相を用いて、試料成分を沸点や極性の違いに基づいて分離する分析手法である。
ガスクロマトグラフィーでは、様々な検出器が使用される。例えば、水素炎イオン化検出器(FID)は多くの有機化合物に感度があり、電子捕獲検出器(ECD)はハロゲン化合物やニトロ化合物などの電子親和性の高い化合物に選択的に感度を示す。
難揮発性物質をガスクロマトグラフィーで分析するためには、誘導体化によって揮発性を高める必要がある。
温度プログラミングは、カラム温度を時間とともに変化させることで、沸点の異なる成分を効率的に分離する方法である。
電子捕獲検出器は、ハロゲン化合物やニトロ化合物などの電子親和性の高い化合物に選択的に感度を示す。
ガスクロマトグラフィーの定量には、内標準法だけでなく、絶対検量線法も用いられる。
カラム温度を上昇させると、化合物の溶出速度が速くなるため、分離時間は短くなる。


化学|問 107-105 
論点|ヨードホルム反応


ポイント|
ヨードホルム反応は、メチルケトン構造 (-COCH₃) または酸化されてメチルケトン構造を生じる構造 (CH₃CH(OH)-) を持つ化合物を検出するために用いられ、ホルミル基 (-CHO) はヨードホルム反応を示さない。
ヨードホルム反応は、メチルケトン構造を持つ化合物に、ヨウ素と塩基を作用させると、黄色のヨードホルム (CHI₃) の沈殿を生じる反応である。
ヨウ素はハロゲンであり、電子密度が低い炭素を求核攻撃する求電子剤として働く。
イソプロパノールは酸化されるとアセトンとなり、メチルケトン構造を持つためヨードホルム反応で陽性となる。
ヨードホルム反応では、塩基として水酸化ナトリウムなどの強塩基が用いられる。
ヨードホルム反応で生成するヨードホルムは、特徴的な淡黄色の沈殿を形成する。


化学|問 107-108 
論点|センナの基原、確認試験、純度試験、薬理作用、使用上の注意


ポイント|
日本薬局方において、センナの確認試験として記載されているのは、アンモニア試液による呈色反応と、薄層クロマトグラフィーによるセンノシドの確認である。マグネシウム-塩酸反応は、フラボノイド系化合物の確認試験として用いられる。
センナは、マメ科植物 Cassia angustifolia Vahl または Cassia acutifolia Delile の小葉を基原とする生薬である。
主な成分としてセンノシドA、センノシドBなどのアントラキノン配糖体を含み、瀉下作用を示す。
妊婦や妊娠の可能性のある女性への使用は禁忌とされている。


化学|問 109-109 
論点|六君子湯の構成生薬の作用


ポイント|
ビャクジュツとソウジュツは、どちらも健胃・整腸作用を期待して用いられる生薬だが、イライラを改善する効果は一般的に認められていない。
六君子湯は、体力中等度以下で、胃腸が弱く、食欲不振、吐き気、胃もたれ、疲労倦怠感などを訴える場合に用いられる漢方薬である。
ハンゲは、嘔吐を鎮め、胃内停水を改善する作用がある。
チンピは、芳香性健胃作用、消化管機能調整作用がある。
ニンジンは、消化吸収を促進し、疲労倦怠感を改善する作用がある。
ビャクジュツとソウジュツは、どちらも健胃・整腸作用があるが、ビャクジュツは利水作用、ソウジュツは行気作用が強いとされている。
ショウキョウは、芳香性健胃作用、消化管機能調整作用がある。
カンゾウは、消化管機能調整作用、炎症抑制、鎮痛作用がある。
タイソウとブクリョウは、利水作用があり、水滞による胃腸症状を改善する。


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参考資料|

厚生労働省ホームページ / 薬剤師国家試験のページ
薬剤師国家試験のページ |厚生労働省 (mhlw.go.jp)

過去の試験問題及び解答|

第109回(令和6年2月17日、2月18日実施)
第108回(令和5年2月18日、2月19日実施)
第107回(令和4年2月19日、2月20日実施)
第106回(令和3年2月20日、2月21日実施)
第105回(令和2年2月22日、23日実施)
第104回(平成31年2月23、2月24日実施)
第103回(平成30年2月24、2月25日実施)
第102回(平成29年2月25、2月26日実施)
第101回(平成28年2月27、2月28日実施)
第100回(平成27年2月28、3月1日実施)
第99回(平成26年3月1、2日実施)
第98回(平成25年3月2、3日実施)
第97回(平成24年3月3、4日実施)

過去の薬剤師国家試験の結果|

第109回(令和6年2月17日、18日実施)[PDF形式:2,589KB][2.6MB]
第108回(令和5年2月18日、19日実施)[PDF形式:471KB][471KB]
第107回(令和4年2月19日、20日実施)[PDF形式:803KB][803KB]
第106回(令和3年2月20日、21日実施)[PDF形式:871KB][871KB]
第105回(令和2年2月22日、23日実施)[PDF形式:371KB][371KB]
第104回(平成31年2月23、2月24日実施)[PDF形式:620KB][620KB]
第103回(平成30年2月24、2月25日実施)[PDF形式:457KB]
第102回(平成29年2月25、2月26日実施)[PDF形式:564KB]
第101回(平成28年2月27、2月28日実施)[PDF形式:796KB]
第100回(平成27年2月28、3月1日実施)[PDF形式:2,005KB]
第99回(平成26年3月1、2日実施)[PDF形式:1,116KB]
第98回(平成25年3月2、3日実施)[PDF形式:634KB]
第97回(平成24年3月3、4日実施)[PDF形式:285KB]

いかがでしたか?前回の4年前の集計と比較して、文章での解説を省略して、グラフだけで見せるアプローチにしてみました。
薬学生の皆さんは、ぜひ、グラフから分析と考察に挑戦してみてください。

今日はこの辺で、
それではまた
お会いしましょう。

Your best friend
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