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薬剤師国家試験対策ノート|論点解説 薬学理論問題 衛生(1) 第106回-第109回 50問 powered by Gemini 1.5 Pro, Google AI Studio & GPT4o, Chat GPT

こんにちは!Mats & BLNtです。

matsunoya_note から、薬剤師国家試験の論点解説をお届けします。
苦手意識がある人も、この機会に、薬学理論問題【衛生】 を一緒に完全攻略しよう!
今回は、薬学理論問題 衛生(1)として、2024年2月に実施された最新の薬剤師国家試験までの4回分、第106回薬剤師国家試験-第109回薬剤師国家試験 薬学理論問題【衛生】50問の論点解説を powered by Gemini 1.5 Pro, Google AI Studio & GPT4o, Chat GPT との対話を基盤にして一挙公開します。
GPT4o, Chat GPT との対話を基盤にした論点解説と Gemini 1.5 Pro との対話を基盤にした論点解説を両方掲載していますので、追加の情報を得られ、また、両者の回答を比較することも可能です。

一般問題【薬学理論問題】は、解法へのアプローチで分類すると、2つにわけられます。
・選択肢の文章のみから、その記述の正誤を判断する問題
・図表の理解から、正答を選択する問題
今回取り上げた問題は、前者です。
必須問題との違いは、問題によって、選択肢を1つ選ぶ場合2つ選ぶ場合がある事、また、1問の中に論点が複数ある事です。
要するに、必須問題がたくさんあるようなものです。
まず、ここから攻略することで、論点理解を深め、知識の幅を増やして、実力アップに挑戦しましょう。

薬剤師国家試験の勉強法は色々ありますが、薬学理論問題を一通り解いてみて、そこから自分に合った勉強法の傾向と対策を立てることは効率的な方法のひとつです。
Matsunoya品質の論点解説でサクッと学べば、それはそれで、薬剤師国家資格取得に向け走り出すきっかけになると思います。

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薬剤師にしかできない仕事がある。

さあ、はじめよう。

薬剤師国家試験対策ノート|論点解説 薬学理論問題 衛生(1) 第106回-第109回 50問
powered by Gemini 1.5 Pro, Google AI Studio & GPT4o, Chat GPT

Here; https://note.com/matsunoya_note/n/n20d1e6ddadaf


薬剤師国家試験対策ノート|論点解説 薬学理論問題 衛生(1) 第106回-第109回 50問 powered by Gemini 1.5 Pro, Google AI Studio & GPT4o, Chat GPT

1. 論点一覧 50問 薬学理論問題【衛生】

問番号は[試験の回]-[問番号]です。問番号順に並んでいます。
まず、論点を確認しましょう。

💡Tips:
Webブラウザ上でショートカットキー[Ctrl+F]を使ってみよう!
例: 問 106-141の論点、問題、論点解説、解説要約に素早くアクセスするには、106-141を選択してからCtrl+Fを押します。

薬剤師国家試験問題 薬学理論問題【衛生】第106回 - 第109回

1. 論点一覧 50問 薬学理論問題【衛生】

論点:
■■Gemini 1.5 Pro
⇒ 改変・校正(Yukiho Takizawa, PhD)
論点リスト
問番号 |論点
問 106-120|健康日本21 / 第二次健康日本21 / 追加・変更
問 106-121|性感染症 / 正しい知識 / 原因 / 感染経路 / 感染症法
問 107-121|疫学調査 / 因果関係を判定する際に用いられる基準
問 107-122|検疫の目的 / 検疫感染症 / 新興感染症
問 106-123|感染症 / 母子感染 / 感染経路 / 予防策
問 107-123|性感染症 / 病原体 / 感染経路
問 109-123|保健統計の分類 / 統計がどのような情報を収集しどのような目的で活用されるか
問 108-124|メタボリックシンドロームの診断基準 / 糖尿病の種類と合併症 / 脂質異常症の診断基準 / 受動喫煙とCOPD
問 109-125|予防接種 / 免疫の種類 / 予防接種の目的 / 予防接種法 / 疾病分類 / 健康被害救済制度
問 107-126|職業性疾病 / 有害要因
問 108-126|労働衛生管理の要素 / 「作業管理」に該当する内容
問 109-126|新生児マススクリーニング / 目的 / 対象となる疾患 / 治療法
問 106-127|エネルギー代謝 / Atwater係数 / 呼吸商 / 基礎代謝 / 推定エネルギー必要量 / 栄養評価 / 重要な指標 / 算出方法
問 107-127|食物繊維の分類 / 消化・吸収 / 摂取基準
問 109-127|ビタミンの種類 / 機能 / 生体内での働き
問 109-128|三大栄養素 / 糖質 / 脂質 / タンパク / 特徴 / 機能 / 代謝 / 体内での役割
問 107-129|食品成分の変化 / メイラード反応 / 腐敗 / 発酵 / 微生物による食品成分の変化とそれに伴う健康への影響
問 108-129|食品中に含まれる発がん物質 / 生成経路 / 発がんメカニズム
問 109-129|食品成分の機能性 / 体内での働き / 健康への影響
問 106-130|食品安全基本法 / 食品衛生法 / 食品表示法 / HACC / 食の安全性確保 / 法制度
問 106-131|化学物質の有害作用 / メカニズム
問 107-131|活性酸素の有害作用 / 生体内の防御機構 / 抗酸化酵素の働き
問 109-131|食中毒 / 細菌・ウイルス / 特徴 / 増殖条件 / 産生する毒素 / 予防法
問 106-132|覚醒剤 / 特徴 / 離脱症状
問 107-132|農薬の作用機序 / 代謝経路 / 毒性発現メカニズム
問 108-132|有害化学物質 / 毒性発現メカニズム
問 106-133|毒性試験 / 種類と目的
問 108-133|毒性試験 / 種類と目的 / 法規制
問 109-133|ヒ素の毒性 / 環境中の存在形態 / 健康への影響 / 国際規制
問 109-134|毒性試験 / 基礎知識 / 応用
問 106-135|発がん物質 / 代謝活性化
問 108-135|日本の化学物質管理の枠組 / 法律 / 化審法 / 化管法
問 106-136|電離放射線 / 人体への影響 / 防御方法
問 108-136|放射性核種の用途 / 人体への影響
問 106-137|化学物質の環境中での動き / 環境動態 / 生物濃縮
問 107-137|in vitro遺伝毒性試験 / 種類と試験方法 / 評価指標
問 108-137|地球環境問題 / 国際的な取り組み / 国際条約
問 109-137|下水処理の方法 / 標準活性汚泥法 / 嫌気・無酸素・好気法
問 106-138|地球環境問題 / 国際条約
問 107-138|天然及び人工放射性核種 / 性質 / 人体に与える影響
問 108-138|水道水質基準 / 基準項目 / 消毒副生成物やカビ臭物質
問 109-138|水質汚濁 / 環境基準の目的 / 根拠法 / 基準項目 / 設定の考え方
問 106-139|大気汚染物質 / 排出規制と環境基準 / 法令
問 107-139|上水道 / 浄水処理の各工程 / 目的 / 使用する薬品 / 働き / 消毒副生成物の抑制対策
問 109-139|大気汚染物質 / 測定方法 / 原理
問 106-140|部屋の容積 / 換気回数 / 1人あたりの必要換気量 / 在室可能な人数 / 計算
問 107-140|大気汚染物質 / 窒素酸化物の発生源 / 環境への影響 / 法規制
問 108-140|室内のCO2濃度 / 換気量 / 計算
問 107-141|室内環境 / 要因 / 人の健康に及ぼす影響
問 109-141|廃棄物の種類 / 排出量 / 処理方法 / リサイクル / 関連する国際条約

2. 試験問題 50問 薬学理論問題【衛生】

薬剤師国家試験問題 薬学理論問題【衛生】第106回 - 第109回

Creator: Yukiho Takizawa, PhD
Tool: Chat GPT powered by GPT4o & Google AI Studio by Gemini 1.5 Pro
Date: 2024/ 05/30

Matsunoya|薬剤師国家試験対策ノート
2. 試験問題 50問 薬学理論問題【衛生】

論点を確認し終わったら、問題を解いてみましょう。
薬剤師国家試験の本番では、薬学理論問題は原則1問2.5分以内に解く必要があります。でも、最初はゆっくりで大丈夫です。よく考えることが大切だからです。時間がかかる問題とかからない問題があります。
落ち着いて一通り解いてみましょう。
2. 試験問題の後に、
3. 論点解説、4. 解説要約があります。
わからなかった問題に関して、論点解説を読み、重点的に復習してみましょう。正解だった問題も、時間があったら、解説を確認するとよいです。

薬剤師国家試験問題 薬学理論問題【衛生】第106回 - 第109回
・正答の選択肢は問題によって異なります。
 1つ選択または2つ選択のどちらかです。


衛生|問 106-120
「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. こころの健康づくりのため、メンタルヘルスに関する措置を受けられる職場の割合が増加することを目標としている。
2. 健康増進法は、健康日本21の推進、健康づくり、生活習慣病の予防に対する施策を講じるために施行された。
3. 栄養・食生活の改善のため、食塩摂取量の減少や野菜・果物摂取量の増加を目標としている。
4. 2013年から開始された健康日本21(第二次)においては、感染性疾患の対策を講じることが追加された。
5. 健康日本21(第二次)では、健康寿命の延伸と健康格差の縮小が目標となっている。

衛生|問 106-121
我が国における性感染症に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルスによって引き起こされる。
2. 定点把握報告の対象となっている性感染症のうち、膣カンジダ症が最も報告数が多い。
3. 淋菌感染症の報告数は、公衆衛生の向上により減少し、平成25年以降は感染の報告がない。
4. B型肝炎は、母子感染に加え、性的接触によっても起こる。
5. 感染症法*では、梅毒への対応として特定職種への就業が制限されている。*感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律

衛生|問 107-121
疫学調査の結果に基づいて因果関係を判定する際の基準に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 関連の一致性とは、対象とする要因と疾病に関して、調査の時期、場所、対象集団などを変えても同様の結果が得られることである。
2. 関連の強固性とは、疫学以外の実験的な研究で得られた知見や理論と疫学調査の結果が矛盾しないことである。
3. 関連の特異性とは、要因の曝露があると相対危険度やオッズ比が統計学的に有意に高くなることである。
4. 関連の時間性とは、疾病の発生以前に要因の曝露があることである。
5. 関連の整合性とは、要因の曝露があれば必ず疾病の発生があり、曝露がなければ疾病の発生がないことである。

衛生|問 107-122
検疫に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。*感染症法:感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律
■選択肢
1. 検疫法は、国内に常在しない感染症の病原体が船舶又は航空機を介して国内に侵入することの防止を目的としている。
2. 検疫感染症の患者は、入国停止、隔離、停留あるいは消毒等の措置がとられる。
3. 新興感染症は、すべて検疫感染症に含まれる。
4. 検疫感染症には、感染症法*に定める一類感染症が含まれる。
5. 検疫感染症には、感染症法*に定める新型インフルエンザ等感染症が含まれる。

衛生|問 106-123
母子感染に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. 風しんウイルスは、主に経胎盤感染で胎児に感染し、先天性風しん症候群を引き起こすことがある。
2. 妊娠の初期に妊婦がトキソプラズマ原虫に感染した場合、経胎盤感染によって胎児に重篤な症状が引き起こされることがある。
3. 先天梅毒は、梅毒トレポネーマを原因菌とし、産道感染を介して新生児に伝播する感染症である。
4. 成人T細胞白血病の原因ウイルスであるヒトT細胞白血病ウイルス-1型(HTLV-1)に妊婦が感染している場合、出生後は人工乳を授乳する。
5. ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の母子感染には、経胎盤感染、産道感染及び母乳感染がある。

衛生|問 107-123
性感染症に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。*感染症法:感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律
■選択肢
1. コンドームの使用や不特定多数との性交渉を避けることによって、感染リスクを低減することができる。
2. 梅毒は、感染症法*で五類感染症に分類され、全数把握が必要である。
3. 我が国における後天性免疫不全症候群の患者数は、異性間よりも同性間の性的接触によるものが多い。
4. 尖圭コンジローマは、ヒト単純ヘルペスウイルスを原因とする。
5. 性器クラミジア感染症は、母子感染により発症することがある。

過去問に類題があります!解説しています。

松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート【衛生】論点:感染症 一覧|matsunoya (note.com)

web上のインフォグラフィクスで性感染症の統計データを確認できます!
matsunoya project 感染症の統計|性感染症
matsunoya project - P3 (google.com)

Matsunoya STORY|性感染症・定点報告 *20枚のスライド(→)

Matsunoya STORY|性感染症・定点報告 *20枚のスライド(→)

衛生|問 109-123
保健統計に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 保健統計は、人口統計と死亡統計に大別される。
2. 人口統計は、人口動態統計と疾病統計に大別される。
3. 人口統計は、集団の健康水準の向上を図る上で重要な情報である。
4. 人口動態統計は、ある一時点における人口の規模や構造などを調査するものである。
5. 人口静態統計の代表的なものは、国勢調査である。

衛生|問 108-124
生活習慣病に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 腹囲が基準値以上であり、血圧、血糖、血清脂質の3つの診断基準項目のうち、2項目以上が該当すると、メタボリックシンドロームと診断される。
2. 現在、我が国では、2型糖尿病患者より1型糖尿病患者が多い。
3. 糖尿病は、虚血性心疾患や脳梗塞のリスクファクターである。
4. 受動喫煙は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)のリスクファクターとはならない。
5. HDL-C(高密度リポタンパク質コレステロール)は、脂質異常症の診断基準項目に含まれない。

衛生|問 109-125
予防接種に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 予防接種で得られる免疫は、人工能動免疫に含まれる。
2. 予防接種によって免疫能を獲得することは、宿主に対する疾病予防である。
3. 予防接種法におけるA類疾病については、接種の努力義務はない。
4. 予防接種法におけるB類疾病の予防接種は、個人予防よりも集団予防を主な目的としている。
5. 予防接種法に定められた予防接種による健康被害は、医薬品副作用被害救済制度により救済される。

衛生|問 107-126
職業性疾病と有害要因に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. 精神障害やメンタルヘルス不調は、強い不安やストレスを感じる心理社会的要因により発症する。
2. レイノー病は、電離放射線の曝露による物理的要因により発症する。
3. けい肺や石綿肺は、粉じんの曝露による化学的要因により発症する。
4. 細菌感染症やウイルス感染症は、病原体との接触による生物的要因により発症する。
5. 頸肩腕症候群は、VDT(visual display terminal)作業による作業態様要因により発症する。

衛生|問 108-126
労働衛生管理に関する記述のうち、作業管理に該当するのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 特殊健康診断を実施する。
2. 作業環境測定を実施する。
3. 局所排気を行う。
4. 健康障害リスクを評価し、作業の手順や方法を最適化する。
5. 作業者が呼吸用保護具を着用する。

衛生|問 109-126
新生児マススクリーニングとその対象疾患に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 対象疾患は、後天性代謝異常症及び内分泌疾患である。
2. 全ての対象疾患のスクリーニングには、タンデムマス法が用いられている。
3. ガラクトース血症の発見率は、この10年間減少し続けている。
4. メープルシロップ尿症の治療には、分岐鎖アミノ酸制限ミルクの食事療法が行われる。
5. クレチン症(先天性甲状腺機能低下症)の治療には、ホルモン補充が行われる。

衛生|問 106-127
エネルギー代謝に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 呼吸商とは、二酸化炭素排出量から酸素消費量を差し引いた値である。
2. Atwater係数は、糖質、脂質、タンパク質の物理的燃焼値、消化吸収率及び未利用エネルギーをもとに設定された値である。
3. 非タンパク質呼吸商は、尿中に排泄される窒素量に窒素係数6.25を乗じて求められる。
4. 基礎代謝基準値は、男女ともに10代で最大となる。
5. 成人の推定エネルギー必要量は、基礎代謝量に身体活動レベルを乗じて求められる。

衛生|問 107-127
食物繊維に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 水溶性のものと不溶性のものがある。
2. ヒトの消化酵素で消化されず、腸内細菌によっても分解されない。
3. セルロースとリグニンは、どちらも多糖である。
4. 天然の食物繊維は植物性食品由来であり、動物性食品由来のものはない。
5. 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」において、食物繊維には目標量が設定されている。

衛生|問 109-127
ビタミンに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. レチノイン酸は、光を感知するロドプシンの構成成分で視覚機能を正常に保つのに必要である。
2. α-トコフェロールは、ヒトでは腸内細菌によって主に供給される。
3. コレカルシフェロールは、紫外線照射により動物の皮膚で7-デヒドロコレステロールから合成される。
4. リボフラビンは生体内で活性化され、糖質や脂質のエネルギー代謝に関与する酵素の補酵素としてはたらく。
5. チアミンは、生体内で補酵素NAD+やNADP+として酸化還元反応に関与する。

衛生|問 109-128
三大栄養素としての糖質、脂質、タンパク質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 単位重量当たりで得られるエネルギーが最も多いのは、糖質である。
2. 糖質はエネルギー源となり、エネルギー貯蔵体にも変換される。
3. 脂質から単位重量当たりに得られるエネルギーは、タンパク質の約4倍である。
4. タンパク質はエネルギー源にはならない。
5. 脂質やタンパク質の代謝物の中には、ホルモンなどの生理活性物質の前駆体になるものがある。

衛生|問 107-129
食品成分の変化に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. メイラード反応とは、還元糖とアミノ酸が酵素的に反応し、シッフ塩基及びa-カルボニル化合物を形成する反応である。
2. チラミンは、アミノ酸脱炭酸酵素によりチロシンから生成され血圧上昇作用を示す。
3. 魚の腐敗臭の原因となるトリメチルアミンは、トリメチルアミンN-オキシドが酸化されることにより生じる。
4. トリプトファンは、脱アミノ反応及び脱炭酸反応によって腐敗臭を有する硫化水素を生じる。
5. 糖質が微生物により分解されて、アルコールや有機酸などの有用な化合物が生成することを発酵という。

衛生|問 108-129
食品中の発がん物質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. サイカシンは、β-グルクロニダーゼにより加水分解されて発がん作用を示す。
2. アフラトキシンB1は、シトクロムP450によりエポキシ化されて発がん作用を示す。
3. Trp-P-1 は、高温での加熱調理により食品中の核酸から生成する。
4. ベンゾ[a]ピレンは、高温での加熱調理により食品中のアミノ酸から生成する。
5. ジメチルニトロソアミンは、酸性下において、亜硝酸とジメチルアミンとの反応により生成する。

衛生|問 109-129
食品成分に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. キトサンは、エビやカニの殻に含まれる成分を原料としたもので、血中コレステロール値を低下させる作用がある。
2. アスタキサンチンは、ブドウの果皮に含まれており、コラーゲンの合成を促す作用がある。
3. 難消化性デキストリンは、コンニャクに含まれており、脂肪の燃焼を促す作用がある。
4. ダイゼインは、ダイズに含まれており、抗酸化作用がある。
5. β-カロテンは、ニンジンやカボチャに含まれており、体内で分解してビタミンEが生成する。

衛生|問 106-130
「食の安全性」を確保するための法制度に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 食品安全基本法において、消費者は食の安全性に積極的役割を果たすことが求められている。
2. 食品衛生法において、食品に触れる器具、容器包装、洗浄剤、及び乳幼児が口にするおもちゃは規制・措置の対象とはならない。
3. HACCPとは、食品製造における最終製品の抜き取り検査による衛生管理の方法である。
4. 食品表示法において、厚生労働大臣により食品に関する表示の基準が定められている。
5. 食品表示法において、食物アレルギーの発症数が多い、あるいは症状が重篤となる7品目を特定原材料と定め、表示を義務付けている。

衛生|問 106-131
化学物質の主な有害作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 塩化ビニルモノマーは、膀胱がんを引き起こす。
2. フェニトロチオンは、近位尿細管細胞に蓄積して腎障害を引き起こす。
3. アスベストは、肺がんや悪性中皮腫の原因となる。
4. ベンジジンは、造血機能障害を引き起こす。
5. シアン化水素は、シトクロムオキシダーゼを阻害して細胞呼吸を停止させる。

衛生|問 107-131
活性酸素に対する生体内の防御因子に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)は、スーパーオキシドアニオンを水に変換する。
2. 銅(Cu)と亜鉛(Zn)を含むCu/Zn-SODは、ミトコンドリアに局在する。
3. カタラーゼは、過酸化水素を酸素と水に変換する酵素で、活性中心にヘム鉄をもつ。
4. グルタチオンペルオキシダーゼは、グルタチオン存在下で過酸化水素を水に還元する反応を触媒する。
5. グルタチオンレダクターゼは、スーパーオキシドアニオンを過酸化水素と酸素に変換する。

衛生|問 109-131
食中毒の原因となる微生物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 黄色ブドウ球菌が産生する毒素は、100℃で30分間加熱しても毒性を失わない。
2. ボツリヌス菌は、低酸素状態ではボツリヌス毒素を産生しない。
3. 腸管出血性大腸菌は、酸に抵抗性を示し、腸管でベロ毒素を産生する。
4. セレウス菌の嘔吐型食中毒の原因となる毒素は、100℃で30分間の加熱で毒性を失う。
5. エルシニア・エンテロコリチカは、4℃の低温条件下では発育できない。

衛生|問 106-132
覚醒剤に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. メタンフェタミンは、アンフェタミンのアミノ基がメチル化されたものである。
2. 摂取を中断しても、摂取時と同様の精神症状が現れるフラッシュバックがみられることがある。
3. 摂取を中断すると、身体依存性が強く現れる。
4. 中枢神経を興奮させ、発汗、悪心、けいれんなどの症状が現れる。
5. 摂取の確認には、尿や毛髪中の未変化体を調べる。

衛生|問 107-132
農薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. フェニトロチオンは、シトクロムP450による酸化的脱硫反応により代謝的活性化を受けてアセチルコリンエステラーゼを阻害する。
2. メソミルは、アセチルコリンエステラーゼの活性中心を可逆的にカルバモイル化する。
3. パラコートは、神経の電位依存性Na+チャネルに作用する。
4. アセタミプリドは、1電子還元されてラジカルを生成し、スーパーオキシドアニオンを生じる。
5. フェノトリンは、ニコチン性アセチルコリン受容体に結合し、神経を興奮させる。

衛生|問 108-132
化学物質の毒性に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 硫化水素は、ミトコンドリアのシトクロムオキシダーゼの阻害により、細胞呼吸を抑制する。
2. DEHP[フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)]は、ヘム合成に関わる酵素を阻害することで、造血機能障害を生じる。
3. 四塩化炭素は、シトクロムP450によって還元的に脱ハロゲン化されて、肝障害を引き起こす。
4. 塩化ビニルモノマーは、アセチルコリンエステラーゼの阻害により、神経毒性を示す。
5. カルバリルは、アコニターゼの阻害により、呼吸器障害を生じる。

衛生|問 106-133
毒性試験に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. 一般毒性試験は、単回投与毒性試験と反復投与毒性試験に大別される。
2. 反復投与毒性試験は、50%致死量(LD50)を求めるのに利用される。
3. 遺伝毒性試験のうち、小核試験では染色体異常を検出する。
4. 催奇形性試験では、被験物質を妊娠中の母動物に投与した時の胎仔の発生及び発育に対する影響を観察する。
5. 発がん性試験では、動物に被験物質を長期にわたって連続投与し、悪性腫瘍の発生の有無を観察する。

衛生|問 108-133
毒性試験に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 食品添加物の指定を申請する際には、単回投与毒性試験を行う必要がある。
2. 反復投与毒性試験の目的は、半数致死量(LD50)を求めることである。
3. 化学物質の毒性試験には、一般毒性試験と特殊毒性試験がある。
4. 食品添加物の指定を申請する際には、アレルゲン性(抗原性)試験を行う必要がある。
5. 発がん性試験では、ラットやマウスに被験化学物質を反復投与して90日間における腫瘍の発生の有無を調べる。

衛生|問 109-133
ヒ素に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 無機ヒ素化合物の毒性は、5価のヒ素の方が、3価のヒ素より強い。
2. アルセノベタインは、無機ヒ素と比べて急性毒性が強い。
3. ヒ素及び無機ヒ素化合物は、国際がん研究機関(IARC)の発がん性分類グループ1(ヒトに対する発がん性が認められる)に分類されている。
4. 無機ヒ素化合物による急性中毒時には、解毒薬として亜硝酸アミルが用いられる。
5. 無機ヒ素化合物は、地殻中に広く分布し、汚染された地下水の飲用による健康被害が世界的に問題となっている。

衛生|問 109-134
化学物質の毒性試験に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 単回投与毒性試験(急性毒性試験)から得られる半数致死量は、毒物及び劇物の分類の判定に利用されている。
2. 反復投与毒性試験(慢性毒性試験)は、特殊毒性試験に含まれる。
3. 微生物を用いる復帰突然変異試験は、非遺伝毒性発がん物質のスクリーニングに用いられている。
4. 食品添加物のアレルゲン性試験(抗原性試験)は、遅延型アレルギーを指標とする試験方法である。
5. 催奇形性試験(発生毒性試験)は、被験物質を交配前の雌性動物に投与して行う。

衛生|問 106-135
発がん物質の代謝活性化に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. o-トルイジンは、シトクロムP450によりヒドロキシルアミン体となり、さらにアセチル化反応により活性化される。
2. サイカシンは、ベンジルアルコール型代謝物のエステルに活性化される。
3. スチレンは、シトクロムP450によりスチレンオキシドに活性化される。
4. ビス(クロロメチル)エーテルは、グルタチオン抱合により活性化される。
5. ナイトロジェンマスタードは、酸化的代謝反応で生じるアルキルジアゾヒドロキシドに活性化される。

衛生|問 108-135
化審法*及び化管法**に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。*化審法: 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律**化管法: 特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律
■選択肢
1. 化審法の対象となる物質は、新規化学物質のみであり、化審法の公布前に製造・輸入されていた既存化学物質は、対象とはならない。
2. 化審法における監視化学物質は、難分解性、低蓄積性であり、ヒト及び生活環境動植物に対して長期毒性を有する物質である。
3. 化審法において、分解性の判定には活性汚泥が用いられる。
4. 化管法において、安全データシート(SDS)制度は、対象となる事業者が対象化学物質の排出・移動量を国に届け出る制度である。
5. 化管法において、PRTR制度の対象物質は、SDS制度の対象物質に指定されている。

衛生|問 106-136
電離放射線の防御に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 防御の3原則である「時間」、「距離」、「遮へい」は、内部被曝の低減を目的としている。
2. α線はX線やγ線に比べて電離作用が強いので、外部被曝の危険性が高い。
3. 32Pから放出されるエネルギーの強いβ-線を遮へいする場合は、鉛板や鉛ブロックを用いる。
4. 安定ヨウ素剤は、甲状腺への131Iの蓄積を防ぐために投与される。
5. 放射性同位体を摂取した後、体内の放射線量が半分になるまでの期間を有効半減期という。

衛生|問 108-136
放射性核種に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. じゃがいもの発芽防止には、60Coから放出されるγ線が利用される。
2. 131I は、甲状腺がんの治療に利用される。
3. 90Sr 及び239Puの集積する器官は主に筋肉である。
4. 実効(有効)半減期は、生物学的半減期と物理学的半減期の差で表される。
5. 222Rn 及び226RAは、人工放射性核種である。

衛生|問 106-137
化学物質の環境内動態に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 生物濃縮の程度を示す指標である濃縮係数は、化学物質の環境中濃度と生体内濃度の差で表される。
2. 1-オクタノール/水分配係数が小さい化学物質ほど、生物濃縮されやすい。
3. 生物濃縮には、直接濃縮と間接濃縮があり、後者は食物連鎖によって引き起こされる。
4. 直鎖型アルキルベンゼンスルホン酸は、分岐型のものに比べ環境中の微生物による分解を受けにくい。
5. DDT(ジクロロジフェニルトリクロロエタン)及びその代謝物は、動物の脂肪組織に残留しやすい。

衛生|問 107-137
In_vitro遺伝毒性試験に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 不定期DNA合成(UDS)試験は、哺乳類細胞を用いて化学物質による突然変異を評価する方法である。
2. マウスリンフォーマTK試験は、哺乳類細胞を用いて化学物質による生殖細胞遺伝毒性を評価する方法である。
3. Ames試験は、細菌を用いて化学物質による復帰突然変異を評価する方法である。
4. コメットアッセイは、哺乳類細胞を用いて化学物質によるDNA鎖の切断を評価する方法である。
5. 小核試験は、細菌を用いて化学物質の染色体異常誘発性を評価する方法である。

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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート【衛生】論点:薬物動態 一覧|matsunoya (note.com)

衛生|問 108-137
地球環境保全の国際的な取組に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. バーゼル条約は、有害廃棄物の国境を超える移動及びその処分の規制に関する条約である。
2. ストックホルム条約は、オゾン層を保護するための国際協力に関する条約である。
3. ワシントン条約は、絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約である。
4. ウィーン条約は、廃棄物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約である。
5. ロンドン条約は、残留性有機汚染物質(POPs)の製造、使用及び輸出入に関する条約である。

衛生|問 109-137
下水処理に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 標準活性汚泥法の曝気槽では、主に嫌気性細菌が有機物質を分解している。
2. 標準活性汚泥法の最終沈殿池では、活性汚泥(フロック)の沈降性が低下することにより、有機物質の除去効率が上がる。
3. 標準活性汚泥法において、最終沈殿池の汚泥の一部は、返送汚泥として曝気槽に戻され再利用されている。
4. 標準活性汚泥法に比べて嫌気・無酸素・好気法は、リン及び窒素の除去効率が高い。
5. 嫌気・無酸素・好気法において、リン蓄積菌は嫌気槽でリンを取り込み、好気槽でリンを放出している。

衛生|問 106-138
地球環境問題とそれに対する国際的な取組の組合せとして、正しいのはどれか。2つ選べ。地球環境問題|国際的な取組
■選択肢
1. オゾン層の破壊|ロンドン条約
2. 地球温暖化|パリ協定
3. 水銀による汚染|水俣条約
4. 海洋汚染|京都議定書
5. 酸性雨|ストックホルム条約

衛生|問 107-138
天然及び人工放射性核種に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 食品から摂取される天然放射性核種の中で、最も量が多いのは40Kである。
2. 40Kは、α線を放出して崩壊する。
3. 体内に取り込まれた人工放射性核種137Csは、生体内で筋肉(全身)に集積する。
4. 物理学的半減期が28.8年である90Srの生物学的半減期を50年とすると、実効半減期は31.2年となる。
5. 226Raなどの天然放射性核種から放出されるα線は、β-線及びγ線と比較して、体内被曝による生体損傷が小さい。

衛生|問 108-138
水道水質基準の基準項目に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. テトラクロロエチレンは、フミン質を含む水道原水の塩素消毒により生成する。
2. ブロモジクロロメタンは、臭化物イオンを含む水道原水の塩素消毒により生成する。
3. ジクロロ酢酸は、水道原水の塩素消毒によりジクロロメタンから生成する。
4. 2-メチルイソボルネオールは、藍藻類や放線菌が産生するカビ臭物質である。
5. 1,4-ジオキサンは、フェノール類を含む水道原水の塩素消毒により生成する悪臭物質である。

衛生|問 109-138
水質汚濁に係る環境基準に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 水質汚濁防止法に基づいて、定められている。
2. 水中の有機物量の指標として、河川では化学的酸素要求量(COD)、湖沼及び海域では生物化学的酸素要求量(BOD)が採用されている。
3. 底層を利用する水生生物の個体群を維持できる場を保全・再生する目的で、湖沼及び海域において底層溶存酸素量の基準値が定められている。
4. 地下水には、「生活環境の保全に関する環境基準」が定められている。
5. 公共用水域には、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩の「生活環境の保全に関する環境基準」が定められている。

衛生|問 106-139
大気汚染物質に関する法規制と環境基準に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
■選択肢
1. 二酸化硫黄と微小粒子状物質には、環境基準が設定されている。
2. ばい煙の発生施設ごとに国が定める一般排出基準が設定されている。
3. 窒素酸化物に対して、有効煙突高さに応じてK値規制が設定されている。
4. 大気中のダイオキシン類に対して、環境基準が設定されている。
5. 自動車交通による大気汚染状況に対応するため、特定地域において自動車からの窒素酸化物と粒子状物質の排出量削減が行われている。

衛生|問 107-139
上水道における浄水処理に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 凝集沈殿とろ過処理の間に行う塩素処理を前塩素処理という。
2. 水中のアンモニウムイオンは、塩素消費量増加の原因となる。
3. 不連続点塩素処理の目的は、トリハロメタンの生成を抑制することである。
4. オゾンによる高度浄水処理では、臭気物質などが酸化分解により除去される。
5. 水中のアルカリ分と硫酸アルミニウムが反応して、水酸化アルミニウムゲルが生成し、沈降性のフロックが形成される。

衛生|問 109-139
一般環境大気測定局及び自動車排出ガス測定局における大気汚染物質の測定法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 一酸化炭素は、照射した赤外線の吸収量に基づいて測定される。
2. 二酸化窒素は、紫外線の照射によって励起した二酸化窒素分子が発する蛍光の強度に基づいて測定される。
3. 光化学オキシダントは、ザルツマン試薬との反応により生じる生成物の吸光度に基づいて測定される。
4. 二酸化硫黄は、エチレンとの反応により生じる近紫外線領域の発光の強度に基づいて測定される。
5. 浮遊粒子状物質は、ろ紙上に粒子を捕集して、b線を照射し、その透過量に基づいて測定される。

衛生|問 106-140
床面積36m2、高さ2.2mの部屋がある。1時間あたり2回の換気が行われる場合、この部屋に在室可能な人数は、最大で何名か。1つ選べ。ただし、1人あたり30m3/hの必要換気量を確保することとする。
■選択肢
1. 2
2. 3
3. 4
4. 5
5. 6

衛生|問 107-140
大気中の窒素酸化物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 大気中の窒素酸化物は水分と反応して、酸性雨の原因となる。
2. サーマルNOxは、化石燃料中の窒素化合物の燃焼に由来する。
3. 大気中の窒素酸化物は、非メタン炭化水素と反応して、光化学オキシダントの原因となる。
4. 大気中へ排出される窒素酸化物は、大気汚染防止法により施設単位の排出基準に基づく規制(K値規制)が行われている。
5. 2010 年度以降における二酸化窒素の大気環境基準の達成率は、一般環境大気測定局(一般局)、自動車排出ガス測定局(自排局)のいずれにおいても約80%で推移している。

衛生|問 108-140
窓を開けて換気を行っている講義室で、大学生が講義を受けている。講義開始時に400ppm(0.04%)であったCO2濃度が徐々に増加し、1,400ppm(0.14%)に達して一定となった。この講義室の換気量(m3/h)として、最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、講義室には大学生と教員を合わせて130名がおり、大学生及び教員の一人あたりのCO2排出量を0.022m3/h、屋外のCO2濃度を400ppm(0.04%)とする。
■選択肢
1. 320
2. 810
3. 1800
4. 2900
5. 8900

衛生|問 107-141
室内環境と健康に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. ヒョウダニの死骸や排泄物は、気管支ぜん息や鼻炎などのアレルギー性疾患の原因となる。
2. 暖房器具の不完全燃焼で生成する一酸化炭素は、一酸化窒素よりもヘモグロビンに対する親和性が高い。
3. レジオネラ属菌が混入したエアロゾルを吸入すると、日和見感染症として肺炎を引き起こすことがある。
4. 総揮発性有機化合物(TVOC)の暫定目標値は、室内空気汚染物質の毒性を基に定められている。
5. 化学物質の室内濃度指針値は、それぞれの化学物質がシックハウス症候群を引き起こす閾値に不確実係数を適用して定められている。

衛生|問 109-141
廃棄物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 産業廃棄物の種類別排出量として最も多いのは、汚泥である。
2. 有害廃棄物の国境を越える移動及びその処理によって生じるヒトの健康被害並びに環境汚染を防止するために、ロンドン条約が制定されている。
3. 循環型社会における廃棄物・リサイクル対策を総合的に推進し、削減対策の優先順位を明確化するために、循環型社会形成推進基本法が制定されている。
4. 海洋汚染の原因となるマイクロプラスチックは、プラスチックゴミの生分解により生じた微小粒子である。
5. 海洋への廃棄物投棄による海洋汚染を防止するための国際的対応として、バーゼル条約が制定されている。

😊 お疲れ様でした。次は、論点解説です。
がんばろう!絶対、完全攻略できます。

3. 論点解説 50問 薬学理論問題【衛生】

薬剤師国家試験問題 薬学理論問題【衛生】第106回 - 第109回

Creator: Yukiho Takizawa, PhD
Tool: Chat GPT powered by GPT4o & Google AI Studio by Gemini 1.5 Pro
Date: 2024/ 05/30

Matsunoya|薬剤師国家試験対策ノート
3. 論点解説 50問 薬学理論問題【衛生】

Here; https://note.com/matsunoya_note/n/n20d1e6ddadaf

Matsunoya|薬剤師国家試験対策ノート

衛生|問 106-120 ■正答|4
「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
■選択肢

  1. こころの健康づくりのため、メンタルヘルスに関する措置を受けられる職場の割合が増加することを目標としている。

  2. 健康増進法は、健康日本21の推進、健康づくり、生活習慣病の予防に対する施策を講じるために施行された。

  3. 栄養・食生活の改善のため、食塩摂取量の減少や野菜・果物摂取量の増加を目標としている。

  4. 2013年から開始された健康日本21(第二次)においては、感染性疾患の対策を講じることが追加された。

  5. 健康日本21(第二次)では、健康寿命の延伸と健康格差の縮小が目標となっている。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点 |健康日本21(第二次)
この問題の論点は、健康日本21(第二次)の具体的な内容を特定することです。
■解説1|
健康日本21(第二次)の主要目標は、健康寿命の延伸と健康格差の縮小です。
健康日本21(第二次)は2013年に開始されましたが、感染性疾患対策は含まれていません。
こころの健康づくり、栄養・食生活の改善、健康増進法の施行などは、健康日本21の重要な要素です。
■解説2|
健康日本21は2000年に開始され、2000年から2012年までの第一期と2013年からの第二期に分かれます。
第一期では主に生活習慣病予防、第二期ではそれに加えて健康寿命の延伸と健康格差の縮小が強調されています。
第二期の計画には感染症対策は含まれておらず、主な焦点は非感染性疾患の予防と健康増進にあります。
■結論 |
選択肢4の「2013年から開始された健康日本21(第二次)においては、感染性疾患の対策を講じることが追加された。」が誤りであるため、正答は選択肢4です。


■■Gemini 1.5 Pro
■論点 |健康日本21の内容
この問題の論点は、健康日本21、特に第二次健康日本21で追加・変更された内容を正しく理解しているかどうかを問うものです。
■解説1|
健康日本21は、厚生労働省が推進する国民の健康増進を目的とした運動です。2000年から開始された第一次に続き、2013年からは第二次健康日本21がスタートしました。第二次では、健康寿命の延伸と健康格差の縮小を目標に掲げ、新たに重点課題として「栄養・食生活」「身体活動・運動」「休養・睡眠・こころの健康づくり」などが設定されました。感染症対策は、健康日本21策定当初から重要課題として位置付けられています。
■解説2|
健康日本21は、時代の変化や国民の健康状態を踏まえ、定期的に見直しが行われています。感染症対策は、常に重要な課題として取り組むべきものであり、第二次健康日本21で新たに追加されたものではありません。
■結論 |
選択肢4の「2013年から開始された健康日本21(第二次)においては、感染性疾患の対策を講じることが追加された。」
という記述は誤りです。 *正答|4です。


衛生|問 106-121 ■正答|1 4
我が国における性感染症に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルスによって引き起こされる。

  2. 定点把握報告の対象となっている性感染症のうち、膣カンジダ症が最も報告数が多い。

  3. 淋菌感染症の報告数は、公衆衛生の向上により減少し、平成25年以降は感染の報告がない。

  4. B型肝炎は、母子感染に加え、性的接触によっても起こる。

  5. 感染症法では、梅毒への対応として特定職種への就業が制限されている。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点 |性感染症
この問題の論点は、日本における性感染症の正確な情報を特定することです。
■解説1|
尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(HPV)によって引き起こされます。これは一般的な性感染症であり、ウイルスによる感染が原因です。
B型肝炎は、主に血液や体液を介して感染し、性的接触もその感染経路の一つです。
■解説2|
膣カンジダ症は一般的な感染症ですが、性感染症としては認識されておらず、定点把握報告の対象には含まれません。定点把握報告の対象となっている性感染症のうち、性器クラミジア感染症が最も報告数が多い。
淋菌感染症は依然として報告されており、公衆衛生の向上にもかかわらず完全に撲滅されていません。淋菌感染症の報告数は、減少傾向にはあるものの依然として報告されています。
梅毒に対する職種の就業制限はありませんが、適切な治療と管理が求められます。
■結論 |
選択肢1の「尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルスによって引き起こされる。」と選択肢4の「B型肝炎は、母子感染に加え、性的接触によっても起こる。」が正しいため、正答は選択肢1と4です。


■■Gemini 1.5 Pro
■論点 |性感染症に関する正しい知識
この問題の論点は、それぞれの性感染症の原因、感染経路、感染症法における対応など、正しい知識を理解しているかどうかを問うものです。
■解説1|
尖圭コンジローマはヒトパピローマウイルス感染によって引き起こされる性感染症です。
定点把握報告の対象となる性感染症の中で最も報告数が多いのは、クラミジア感染症です。
淋菌感染症は減少傾向にあるものの、近年増加傾向にあり、平成25年以降も感染報告はあります。
B型肝炎は、血液、体液を介した感染症であり、性的接触でも感染します。
感染症法では、性感染症を理由とした就業制限は設けられていません。
■解説2|
性感染症は、性行為によって感染する可能性のある病気の総称です。原因となる病原体は、ウイルス、細菌、寄生虫など様々です。感染症法では、性感染症を含む感染症の予防、感染拡大の防止、患者への医療提供などについて定めています。
■結論 |
選択肢1「尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルスによって引き起こされる。」と
選択肢4「B型肝炎は、母子感染に加え、性的接触によっても起こる。」
が正しい記述です。 *正答|1と4です。


衛生|問 107-121 ■正答|1 4
疫学調査の結果に基づいて因果関係を判定する際の基準に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 関連の一致性とは、対象とする要因と疾病に関して、調査の時期、場所、対象集団などを変えても同様の結果が得られることである。

  2. 関連の強固性とは、疫学以外の実験的な研究で得られた知見や理論と疫学調査の結果が矛盾しないことである。

  3. 関連の特異性とは、要因の曝露があると相対危険度やオッズ比が統計学的に有意に高くなることである。

  4. 関連の時間性とは、疾病の発生以前に要因の曝露があることである。

  5. 関連の整合性とは、要因の曝露があれば必ず疾病の発生があり、曝露がなければ疾病の発生がないことである。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点 |疫学調査の因果関係判定基準
この問題の論点は、疫学調査における因果関係を判定するための基準を特定することです。
■解説1|
関連の一致性:調査の時期、場所、対象集団を変えても同じ結果が得られることは、因果関係の強力な証拠となります。
関連の時間性:疾病の発生前に要因への曝露があることは、因果関係を示すための重要な要件です。
■解説2|
関連の強固性は、疫学的調査の結果が他の研究や理論と矛盾しないことを示すものであり、これ自体は因果関係の強さを示すものではありません。
関連の特異性は、特定の要因が特定の疾病を引き起こす場合に使用されますが、一般的には因果関係を示す強力な証拠とはなりにくいです。
関連の整合性は、曝露がある場合に必ず疾病が発生し、曝露がない場合に疾病が発生しないというものですが、これは現実的ではなく、ほとんどの疫学的な因果関係には当てはまりません。
■結論 |
選択肢1と選択肢4が正しいため、正答は選択肢1と4です。


■■Gemini 1.5 Pro
■論点 |因果関係判定基準の理解
この問題の論点は、疫学調査の結果から因果関係を判定する際に用いられる基準とその内容を正しく理解しているかどうかを問うものです。
■解説1|
疫学調査では、因果関係の判定基準として、Hillが提唱した9つの基準(関連の強さ、一致性、特異性、時間性、量・反応関係、妥当性、生物学的勾配、実験による裏付け、類推)が参考にされます。
• 関連の一致性: 様々な状況下(時間、場所、対象集団など)で同様の結果が得られる場合、因果関係を支持する根拠です。
• 関連の時間性: 疾病の発生前に要因への曝露が確認されることは、因果関係を判断する上で非常に重要です。
• 関連の強固性: 疫学以外の研究結果との整合性は、因果関係を支持する材料ですが、強固性を示すものではありません。
• 関連の特異性: 特定の要因への曝露が特定の疾病のみを引き起こす場合、因果関係はより明確になりますが、多くの要因は複数の疾病に関与するため、特異性は必須条件ではありません。
• 関連の整合性: 要因への曝露があれば必ず疾病が発生するとは限らず、他の要因や個体差も影響するため、整合性は因果関係の絶対条件ではありません。
■解説2|
疫学調査の結果から因果関係を証明することは困難ですが、Hillの基準を参考に、複数の証拠を総合的に判断することが重要です。
■結論 |
選択肢1「関連の一致性とは、対象とする要因と疾病に関して、調査の時期、場所、対象集団などを変えても同様の結果が得られることである。」と
選択肢4「関連の時間性とは、疾病の発生以前に要因の曝露があることである。」
が正しい記述です。 *正答|1と4です。


衛生|問 107-122 ■正答|3
検疫に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。*感染症法:感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律
■選択肢

  1. 検疫法は、国内に常在しない感染症の病原体が船舶又は航空機を介して国内に侵入することの防止を目的としている。

  2. 検疫感染症の患者は、入国停止、隔離、停留あるいは消毒等の措置がとられる。

  3. 新興感染症は、すべて検疫感染症に含まれる。

  4. 検疫感染症には、感染症法*に定める一類感染症が含まれる。

  5. 検疫感染症には、感染症法*に定める新型インフルエンザ等感染症が含まれる。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点 |検疫感染症の範囲
この問題の論点は、検疫においてどの感染症が対象となるかを特定することです。
■解説1|
検疫法の目的は、国内に常在しない感染症の侵入を防ぐことです。
検疫感染症の患者には入国停止、隔離、停留、消毒などの措置が取られます。
感染症法には、一類感染症や新型インフルエンザ等感染症が含まれています。
■解説2|
新興感染症はすべて検疫感染症に含まれるわけではありません。新興感染症の一部は検疫の対象となりますが、すべてではありません。
一類感染症と新型インフルエンザ等感染症は、国内でも重大な影響を及ぼす可能性があるため、検疫感染症として扱われることが多いです。
■結論 |
選択肢3の「新興感染症は、すべて検疫感染症に含まれる。」が誤りであるため、正答は選択肢3です。


■■Gemini 1.5 Pro
■論点 |検疫と検疫感染症の理解
この問題の論点は、検疫の目的、検疫感染症の内容、新興感染症との関係について正しく理解しているかどうかを問うものです。
■解説1|
検疫法は、国内に常在しない感染症の病原体が海外から侵入することを防ぐことを目的としています。検疫感染症は、検疫法に基づいて定められており、その病原体が国内に侵入した場合、国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあるものとされています。
• 検疫感染症には、感染症法で定める一類感染症や新型インフルエンザ等感染症、MARS、LASなど、国内に侵入した場合の対策を特に強化する必要があるものが含まれます。
• 新興感染症は、近年になってヒトへの感染が確認された、または国際的に公衆衛生上の問題となる可能性がでてきた感染症を指します。 新興感染症は未知の病原体である場合も多く、すべてが検疫感染症に指定されているわけではありません。
■解説2|
検疫感染症は、世界における感染症の発生状況や病原体の性状、我が国への侵入の可能性やまん延のリスクなどを総合的に判断して、厚生労働省令で定められています。
■結論 |
選択肢3「新興感染症は、すべて検疫感染症に含まれる。」
という記述は誤りです。 *正答|3です。


衛生|問 106-123 ■正答|3
母子感染に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
■選択肢

  1. 風しんウイルスは、主に経胎盤感染で胎児に感染し、先天性風しん症候群を引き起こすことがある。

  2. 妊娠の初期に妊婦がトキソプラズマ原虫に感染した場合、経胎盤感染によって胎児に重篤な症状が引き起こされることがある。

  3. 先天梅毒は、梅毒トレポネーマを原因菌とし、産道感染を介して新生児に伝播する感染症である。

  4. 成人T細胞白血病の原因ウイルスであるヒトT細胞白血病ウイルス-1型(HTLV-1)に妊婦が感染している場合、出生後は人工乳を授乳する。

  5. ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の母子感染には、経胎盤感染、産道感染及び母乳感染がある。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点 |母子感染
この問題の論点は、母子感染の具体的なメカニズムと影響を特定することです。
■解説1|
風しんウイルスは経胎盤感染を通じて胎児に感染し、先天性風しん症候群を引き起こす可能性があります。
トキソプラズマ原虫も経胎盤感染を通じて胎児に重篤な症状を引き起こす可能性があります。
HIVは経胎盤感染、産道感染、および母乳感染を通じて母子感染することが知られています。
■解説2|
先天梅毒は、梅毒トレポネーマを原因とする感染症であり、経胎盤感染が主な感染経路です。産道感染は一般的ではありません。
成人T細胞白血病ウイルス-1型(HTLV-1)の母子感染を防ぐためには、人工乳を使用することが推奨されます。
■結論 |
選択肢3の「先天梅毒は、梅毒トレポネーマを原因菌とし、産道感染を介して新生児に伝播する感染症である。」が誤りであるため、正答は選択肢3です。


■■Gemini 1.5 Pro
■論点 |母子感染の経路と予防の理解
この問題の論点は、様々な感染症における母子感染の主な経路と、それぞれの感染症における予防策を正しく理解しているかどうかを問うものです。
■解説1|
母子感染は、妊娠中から出産後にかけて、母親から子どもに病原体が感染することです。感染経路は、経胎盤感染、産道感染、母乳感染などがあります。
• 風疹ウイルスやトキソプラズマ原虫は、主に経胎盤感染で胎児に感染し、先天性異常を引き起こすことがあります。
• HTLV-1 は、母乳を介して感染するリスクが高いため、妊婦が感染している場合は、出生後人工乳を授乳します。
• HIV は、経胎盤感染、産道感染、母乳感染のいずれの経路でも感染する可能性があります。
• 梅毒トレポネーマは、妊娠中に経胎盤感染を起こすことがあります。
■解説2|
母子感染のリスクを減らすためには、妊娠前に風疹やトキソプラズマの抗体検査を受け、必要があればワクチン接種を受けること、妊婦は生肉や土壌との接触を避けること、性感染症の予防に努めることなどが重要です。
■結論 |
選択肢3「先天梅毒は、梅毒トレポネーマを原因菌とし、産道感染を介して新生児に伝播する感染症である。」
という記述は誤りです。 *正答|3です。


衛生|問 107-123 ■正答|4
性感染症に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。*感染症法:感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律
■選択肢

  1. コンドームの使用や不特定多数との性交渉を避けることによって、感染リスクを低減することができる。

  2. 梅毒は、感染症法*で五類感染症に分類され、全数把握が必要である。

  3. 我が国における後天性免疫不全症候群の患者数は、異性間よりも同性間の性的接触によるものが多い。

  4. 尖圭コンジローマは、ヒト単純ヘルペスウイルスを原因とする。

  5. 性器クラミジア感染症は、母子感染により発症することがある。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点 |性感染症
この問題の論点は、性感染症の具体的な原因と対策を特定することです。
■解説1|
コンドームの使用や不特定多数との性交渉を避けることは、性感染症の感染リスクを低減する有効な手段です。
梅毒は感染症法で五類感染症に分類され、全数把握が必要です。これは、病原体の広がりを防ぐために重要です。
我が国における後天性免疫不全症候群(AIDS)の患者数は、同性間の性的接触による感染が異性間よりも多いという報告があります。
■解説2|
尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(HPV)によって引き起こされます。ヒト単純ヘルペスウイルスは、単純ヘルペス(HSV)によるものであり、尖圭コンジローマの原因ではありません。
性器クラミジア感染症は、母子感染によっても発症することがあります。これは、出生時に産道を通過する際に感染することがあるためです。
■結論 |
選択肢4の「尖圭コンジローマは、ヒト単純ヘルペスウイルスを原因とする。」が誤りであるため、正答は選択肢4です。


■■Gemini 1.5 Pro
■論点 |性感染症の原因と感染経路の理解
この問題の論点は、代表的な性感染症の原因となる病原体と感染経路を正しく理解しているかどうかを問うものです。
■解説1|
尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染によって引き起こされる性感染症です。ヒト単純ヘルペスウイルス(HSV)は、性器ヘルペスの原因です。
■解説2|
性感染症は、性行為によって感染する可能性のある病気の総称です。原因となる病原体は、ウイルス、細菌、寄生虫など様々です。予防には、コンドームの正しい使用や不特定多数との性交渉を避けることが重要です。
■結論 |
選択肢4「尖圭コンジローマは、ヒト単純ヘルペスウイルスを原因とする。」
という記述は誤りです。 *正答|4です。


衛生|問 109-123 ■正答|3 5
保健統計に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 保健統計は、人口統計と死亡統計に大別される。

  2. 人口統計は、人口動態統計と疾病統計に大別される。

  3. 人口統計は、集団の健康水準の向上を図る上で重要な情報である。

  4. 人口動態統計は、ある一時点における人口の規模や構造などを調査するものである。

  5. 人口静態統計の代表的なものは、国勢調査である。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点 |保健統計
この問題の論点は、保健統計の分類とその重要性を特定することです。
■解説1|
保健統計は、集団の健康状態やその変化を把握するために重要な情報を提供します。
人口統計は、集団の健康水準の向上を図る上で重要な情報を提供します。これには、出生率、死亡率、結婚率、離婚率などのデータが含まれます。
■解説2|
人口動態統計は、出生、死亡、結婚、離婚など、人口の変動に関する統計です。一時点での人口規模や構造を調査するものではありません。
人口静態統計は、国勢調査など、特定の時点での人口の規模や構造を把握するための統計です。国勢調査は、人口静態統計の代表的なものです。
■結論 |
選択肢3の「人口統計は、集団の健康水準の向上を図る上で重要な情報である。」および選択肢5の「人口静態統計の代表的なものは、国勢調査である。」が正しいため、正答は選択肢3と5です。


■■Gemini 1.5 Pro
この問題の論点は、保健統計の分類と、それぞれの統計がどのような情報を収集し、どのような目的で活用されるのかを正しく理解しているかどうかを問うものです。
■解説1|
• 保健統計: 人々の健康状態や医療に関する統計を指します。人口統計、人口動態統計、疾病統計などに分類されます。
• 人口統計: ある時点における人口の規模、分布、構成などを明らかにする統計です。国勢調査が代表例です。
• 人口動態統計: 出生、死亡、婚姻、離婚、移動などの人口の動的な変化を捉える統計です。
• 疾病統計: 病気の罹患率、死亡率、医療機関の利用状況などを把握する統計です。
人口統計は、集団の健康水準や医療ニーズを把握するために重要な情報です。
■解説2|
保健統計は、健康政策の立案や評価、医療資源の配分、健康増進のための施策などに活用されます。
■結論 |
選択肢3「人口統計は、集団の健康水準の向上を図る上で重要な情報である。」と
選択肢5「人口静態統計の代表的なものは、国勢調査である。」
が正しい記述です。 *正答|3と5です。


衛生|問 108-124 ■正答|1 3
生活習慣病に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 腹囲が基準値以上であり、血圧、血糖、血清脂質の3つの診断基準項目のうち、2項目以上が該当すると、メタボリックシンドロームと診断される。

  2. 現在、我が国では、2型糖尿病患者より1型糖尿病患者が多い。

  3. 糖尿病は、虚血性心疾患や脳梗塞のリスクファクターである。

  4. 受動喫煙は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)のリスクファクターとはならない。

  5. HDL-C(高密度リポタンパク質コレステロール)は、脂質異常症の診断基準項目に含まれない。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点 |生活習慣病
この問題の論点は、生活習慣病の診断基準とリスクファクターを特定することです。
■解説1|
選択肢1の内容は、メタボリックシンドロームの診断基準として正しい。腹囲が基準値以上であり、血圧、血糖、血清脂質の3つのうち2項目以上が該当することで診断されます。
選択肢3の内容も正しく、糖尿病は虚血性心疾患や脳梗塞のリスクファクターであることが広く認識されています。
■解説2|
選択肢2は誤りです。2型糖尿病は我が国において1型糖尿病よりも圧倒的に多いです。
選択肢4は誤りです。受動喫煙は慢性閉塞性肺疾患(COPD)のリスクファクターであることが明確に示されています。
選択肢5は誤りです。HDL-C(高密度リポタンパク質コレステロール)は脂質異常症の診断基準項目に含まれます。
■結論 |
選択肢1と選択肢3が正しいため、正答は選択肢1と選択肢3です。


■■Gemini 1.5 Pro
■論点 |生活習慣病の定義とリスクファクターの理解
この問題の論点は、メタボリックシンドロームの診断基準、糖尿病の種類と合併症、脂質異常症の診断基準、受動喫煙とCOPDの関係など、生活習慣病に関する正しい知識を理解しているかどうかを問うものです。
■解説1|
• メタボリックシンドローム: 内臓脂肪の蓄積に加えて、血圧、血糖、血清脂質のいずれか2つ以上に異常がある状態です。虚血性心疾患や脳血管障害などの動脈硬化性疾患のリスクを高めます。
• 糖尿病: インスリンの作用不足によって慢性的な高血糖状態となる病気です。1型糖尿病と2型糖尿病に分類され、日本では2型糖尿病患者が圧倒的に多いです。糖尿病は、虚血性心疾患や脳梗塞などのリスクファクターです。
• 脂質異常症: 血液中の脂質、特にLDLコレステロール(悪玉コレステロール)やトリグリセリド(中性脂肪)が多すぎる、またはHDLコレステロール(善玉コレステロール)が少なすぎる状態です。
• 受動喫煙: 自らは喫煙していなくても、他人の喫煙によってタバコの煙を吸わされることです。受動喫煙は、COPD、肺がん、虚血性心疾患、脳卒中などのリスクファクターです。
■解説2|
生活習慣病は、食習慣、運動習慣、喫煙習慣、飲酒習慣などの生活習慣が深く関与して発症する病気の総称です。生活習慣を改善することで、予防や改善が期待できます。
■結論 |
選択肢1「腹囲が基準値以上であり、血圧、血糖、血清脂質の3つの診断基準項目のうち、2項目以上が該当すると、メタボリックシンドロームと診断される。」と
選択肢3「糖尿病は、虚血性心疾患や脳梗塞のリスクファクターである。」
が正しい記述です。 *正答|1と3です。


衛生|問 109-125 ■正答|1 2
予防接種に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 予防接種で得られる免疫は、人工能動免疫に含まれる。

  2. 予防接種によって免疫能を獲得することは、宿主に対する疾病予防である。

  3. 予防接種法におけるA類疾病については、接種の努力義務はない。

  4. 予防接種法におけるB類疾病の予防接種は、個人予防よりも集団予防を主な目的としている。

  5. 予防接種法に定められた予防接種による健康被害は、医薬品副作用被害救済制度により救済される。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点 |予防接種
この問題の論点は、予防接種による免疫獲得のメカニズムと法律に基づく予防接種の分類を特定することです。
■解説1|
選択肢1の内容は正しいです。予防接種で得られる免疫は人工能動免疫に含まれます。これは、ワクチン接種によって体内で抗体を生成するためです。
選択肢2の内容も正しいです。予防接種によって免疫能を獲得することは、宿主に対する疾病予防として機能します。
■解説2|
選択肢3は誤りです。予防接種法におけるA類疾病については、接種の努力義務が課されています。
選択肢4は誤りです。予防接種法におけるB類疾病の予防接種は、個人予防を主な目的としています。
選択肢5は誤りです。予防接種法に定められた予防接種による健康被害は、医薬品副作用被害救済制度ではなく、予防接種健康被害救済制度により救済されます。
■結論 |
選択肢1と選択肢2が正しいため、正答は選択肢1と選択肢2です。


■■Gemini 1.5 Pro
■論点 |予防接種の分類と目的、健康被害救済制度の理解
この問題の論点は、予防接種で得られる免疫の種類、予防接種の目的、予防接種法における疾病分類、健康被害救済制度について正しく理解しているかどうかを問うものです。
■解説1|
• 予防接種: 病原体の一部や弱毒化した病原体を接種することで、人工的に免疫を獲得する方法です。人工能動免疫に分類されます。
• 宿主に対する疾病予防: 予防接種によって免疫能を獲得することは、病原体に対する抵抗力を高め、発症を予防したり、重症化を防いだりする効果があります。
• 予防接種法における疾病分類: 予防接種法では、感染症の危険性やまん延状況に応じて、A類疾病(結核など)とB類疾病(ジフテリア、麻しん、風しん、日本脳炎など)に分類されています。A類疾病は、患者を発見した場合の届出義務や感染拡大防止のための措置が定められていますが、接種の努力義務はありません。B類疾病は、予防接種法に基づいて定期接種が実施されています。
• 健康被害救済制度: 予防接種による健康被害は、予防接種法に基づく健康被害救済制度によって救済されます。医薬品副作用被害救済制度の対象ではありません。
■解説2|
予防接種は、自分自身の感染症予防だけでなく、集団全体の感染症の流行を防ぐ効果(集団免疫)も期待できます。
■結論 |
選択肢1「予防接種で得られる免疫は、人工能動免疫に含まれる。」と
選択肢2「予防接種によって免疫能を獲得することは、宿主に対する疾病予防である。」
が正しい記述です。 *正答|1と2です。


衛生|問 107-126 ■正答|2
職業性疾病と有害要因に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
■選択肢

  1. 精神障害やメンタルヘルス不調は、強い不安やストレスを感じる心理社会的要因により発症する。

  2. レイノー病は、電離放射線の曝露による物理的要因により発症する。

  3. けい肺や石綿肺は、粉じんの曝露による化学的要因により発症する。

  4. 細菌感染症やウイルス感染症は、病原体との接触による生物的要因により発症する。

  5. 頸肩腕症候群は、VDT(visual display terminal)作業による作業態様要因により発症する。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点 |職業性疾病と有害要因
この問題の論点は、職業性疾病とその有害要因を特定することです。
■解説1|
精神障害やメンタルヘルス不調は、強い不安やストレスを感じる心理社会的要因によって発症します。
けい肺や石綿肺は、粉じんの曝露による化学的要因で発症します。
細菌感染症やウイルス感染症は、病原体との接触による生物的要因で発症します。
頸肩腕症候群は、VDT作業などの特定の作業態様による物理的要因で発症します。
■解説2|
レイノー病は、電離放射線の曝露によるものではなく、主に振動工具の使用による血管障害が原因で発症します。電離放射線の曝露による影響とは関係がありません。
■結論 |
選択肢2の「レイノー病は、電離放射線の曝露による物理的要因により発症する。」が誤りであるため、正答は選択肢2です。


■■Gemini 1.5 Pro
■論点 |職業性疾病の原因と有害要因の理解
この問題の論点は、様々な職業性疾病の原因となる有害要因を正しく理解しているかどうかを問うものです。
■解説1|
レイノー病は、寒冷刺激や精神的ストレスによって手指の血管が収縮し、血行不良を起こす病気です。電離放射線は、レイノー病の原因とは考えられていません。
■解説2|
職業性疾病は、業務に起因して発生した病気の総称です。有害要因としては、物理的要因(騒音、振動、高温、低温、電離放射線など)、化学的要因(粉じん、溶剤、金属など)、生物的要因(細菌、ウイルス、真菌など)、心理社会的要因(強い不安、ストレスなど)、人間工学的要因(同一姿勢、反復動作など)などがあります。
■結論 |
選択肢2「レイノー病は、電離放射線の曝露による物理的要因により発症する。」
という記述は誤りです。 *正答|2です。


衛生|問 108-126 ■正答|4 5
労働衛生管理に関する記述のうち、作業管理に該当するのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 特殊健康診断を実施する。

  2. 作業環境測定を実施する。

  3. 局所排気を行う。

  4. 健康障害リスクを評価し、作業の手順や方法を最適化する。

  5. 作業者が呼吸用保護具を着用する。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点 |労働衛生管理 / 作業管理
この問題の論点は、労働衛生管理における「作業管理」の具体的な内容を特定することです。
■解説1|
労働衛生管理は、作業環境管理、作業管理、健康管理の三つの要素から成り立っています。この問題では、特に作業管理に該当する事項を選ぶ必要があります。
選択肢4:「健康障害リスクを評価し、作業の手順や方法を最適化する」は、労働者の健康を守るために作業の手順や方法を見直し、最適化することを目的としています。これは典型的な作業管理の一環です。
選択肢5:「作業者が呼吸用保護具を着用する」は、有害な環境から労働者を保護するために個人防護具を使用することを指しており、これも作業管理に含まれます。
■解説2|
作業管理の具体例として以下が挙げられます:
健康障害リスクの評価:作業内容や環境における健康リスクを評価し、その結果に基づいて作業手順を見直すこと。
最適化:リスク評価の結果を元に、安全で効率的な作業手順や方法を導入すること。
個人防護具の使用:労働者が有害物質や危険な環境にさらされる場合、適切な防護具(例えば呼吸用保護具)を着用させること。これは直接作業に関連する対策です。
一方、他の選択肢は以下の通りです:
選択肢1:「特殊健康診断を実施する」は、労働者の健康状態を定期的にチェックすることを指し、これは健康管理の一部です。
選択肢2:「作業環境測定を実施する」は、作業環境の有害物質や危険因子の濃度を測定することを指し、これは作業環境管理に該当します。
選択肢3:「局所排気を行う」は、有害物質を効果的に除去するための設備対策であり、作業環境管理に該当します。
■結論 |
選択肢4と5が正解です。これらはどちらも作業管理に該当し、労働者の健康と安全を直接管理するための対策を示しています。他の選択肢は健康管理や作業環境管理に関するものです。


■■Gemini 1.5 Pro
■論点 |労働衛生管理における作業管理の理解
この問題の論点は、労働衛生管理の要素の中でも、特に「作業管理」に該当する内容を正しく理解しているかどうかを問うものです。
■解説1|
• 労働衛生管理: 労働者の健康を保持増進し、快適な作業環境を確保するための計画的な活動です。作業環境管理、作業管理、健康管理の3つに分類されます。
• 作業環境管理: 作業環境における有害要因を測定し、その濃度を基準値以下に抑制することによって、労働者の健康を保護します。
• 作業管理: 作業方法や作業手順を改善することで、有害要因へのばく露機会を減らし、労働者の健康リスクを低減します。
• 健康管理: 労働者の健康状態を把握し、健康障害を予防・早期発見するための活動です。
選択肢4と5は、作業方法や手順、保護具の着用など、作業そのものに焦点を当てた対策であり、作業管理に該当します。
■解説2|
作業管理は、作業環境管理と健康管理を効果的に機能させるための重要な要素です。
■結論 |
選択肢4「健康障害リスクを評価し、作業の手順や方法を最適化する。」と
選択肢5「作業者が呼吸用保護具を着用する。」が作業管理に該当します。 *正答|4と5です。


衛生|問 109-126 ■正答|4 5
新生児マススクリーニングとその対象疾患に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 対象疾患は、後天性代謝異常症及び内分泌疾患である。

  2. 全ての対象疾患のスクリーニングには、タンデムマス法が用いられている。

  3. ガラクトース血症の発見率は、この10年間減少し続けている。

  4. メープルシロップ尿症の治療には、分岐鎖アミノ酸制限ミルクの食事療法が行われる。

  5. クレチン症(先天性甲状腺機能低下症)の治療には、ホルモン補充が行われる。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点 |新生児マススクリーニング
この問題の論点は、新生児マススクリーニングの対象疾患とその治療法を特定することです。
■解説1|
選択肢4は正しいです。メープルシロップ尿症の治療には、分岐鎖アミノ酸(BCAA)制限ミルクの食事療法が行われます。
選択肢5も正しいです。クレチン症(先天性甲状腺機能低下症)の治療には、ホルモン補充が行われます。
■解説2|
選択肢1は誤りです。新生児マススクリーニングの対象疾患は、先天性代謝異常症及び内分泌疾患であり、後天性ではありません。
選択肢2は誤りです。全ての対象疾患のスクリーニングにタンデムマス法が用いられているわけではありません。タンデムマス法は主に代謝異常症のスクリーニングに使用されます。
選択肢3は誤りです。ガラクトース血症の発見率については、この10年間で一定もしくは増加しているという報告もあります。
■結論 |
選択肢4と選択肢5が正しいため、正答は選択肢4と選択肢5です。


■■Gemini 1.5 Pro
■論点 |新生児マススクリーニングの対象疾患と治療法の理解
この問題の論点は、新生児マススクリーニングの目的、対象となる疾患とその治療法を正しく理解しているかどうかを問うものです。
■解説1|
• 新生児マススクリーニング: 出生直後の赤ちゃん全員を対象に、先天性代謝異常症や内分泌疾患など、早期発見・早期治療が必要な病気を発見するための検査です。
• メープルシロップ尿症: 分岐鎖α-ケト酸脱水素酵素複合体の欠損により、分岐鎖アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン)を代謝できない病気です。早期発見し、分岐鎖アミノ酸制限ミルクによる食事療法を行うことで、神経障害の発症を予防することができます。
• クレチン症(先天性甲状腺機能低下症): 甲状腺ホルモンが不足することで、発育障害や知的障害などを引き起こす病気です。早期発見し、甲状腺ホルモンの補充療法を行うことで、正常な発達を促すことができます。
■解説2|
新生児マススクリーニングは、早期発見・早期治療によって、重篤な後遺症を予防することを目的としています。
■結論 |
選択肢4「メープルシロップ尿症の治療には、分岐鎖アミノ酸制限ミルクの食事療法が行われる。」と
選択肢5「クレチン症(先天性甲状腺機能低下症)の治療には、ホルモン補充が行われる。」
が正しい記述です。 *正答|4と5です。


衛生|問 106-127 ■正答|2 5
エネルギー代謝に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 呼吸商とは、二酸化炭素排出量から酸素消費量を差し引いた値である。

  2. Atwater係数は、糖質、脂質、タンパク質の物理的燃焼値、消化吸収率及び未利用エネルギーをもとに設定された値である。

  3. 非タンパク質呼吸商は、尿中に排泄される窒素量に窒素係数6.25を乗じて求められる。

  4. 基礎代謝基準値は、男女ともに10代で最大となる。

  5. 成人の推定エネルギー必要量は、基礎代謝量に身体活動レベルを乗じて求められる。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点 |エネルギー代謝
この問題の論点は、エネルギー代謝の計算方法とその関連知識を特定することです。
■解説1|
選択肢2は正しいです。Atwater係数は、糖質、脂質、タンパク質の物理的燃焼値、消化吸収率及び未利用エネルギーを基に設定された値です。
選択肢5も正しいです。成人の推定エネルギー必要量は、基礎代謝量に身体活動レベルを乗じて求められます。
■解説2|
選択肢1は誤りです。呼吸商とは、二酸化炭素排出量を酸素消費量で割った値です。
選択肢3は誤りです。非タンパク質呼吸商は、呼吸商からタンパク質の寄与を除いたものを指し、窒素排泄量から求めるものではありません。
選択肢4は誤りです。基礎代謝基準値は、男女ともに10代で最大となるわけではなく、通常は思春期以降、徐々に低下します。
■結論 |
選択肢2と選択肢5が正しいため、正答は選択肢2と選択肢5です。
■補足 |
基礎代謝量とその年齢との関係について:
• 基礎代謝量(BMR)は、覚醒している状態で必要な最小限のエネルギーのことを指します。
• 人間の24時間あたりの総エネルギー消費量は、基礎代謝量・身体活動量・食事誘発性熱産生の3つに大きく分けられます。
• 基礎代謝量は全体のおよそ60%を占めています。
• 基礎代謝量は、体格、年齢、性別だけでなく運動習慣やホルモンなどさまざまな因子の影響を受けます。
• 年齢が高いほど基礎代謝量は低くなります。その主な理由として筋肉などの除脂肪量の低下が挙げられます。
• 基礎代謝量のピークは男性では15~17歳、女性では12~14歳であることがわかります。
• 自分の基礎代謝に適切な生活習慣を心がけることが大切です。
基礎代謝量は、生命を維持するために必要な最低限のエネルギーであり、性別や年齢、体格などに左右されます。一般的には、女性よりも男性のほうが基礎代謝量は大きくなり、若くて筋肉質なほど代謝が良いとされています。その他、季節や月経周期も基礎代謝量の変動に関わる因子です。過度のダイエットなどで、摂取エネルギーが基礎代謝量を下回ると、体調に影響をおよぼすことがあります。


■■Gemini 1.5 Pro
■論点 |エネルギー代謝と栄養評価の指標の理解
この問題の論点は、エネルギー代謝、Atwater係数、呼吸商、基礎代謝、推定エネルギー必要量など、栄養評価における重要な指標とその算出方法を正しく理解しているかどうかを問うものです。
■解説1|
• 呼吸商: 一定時間内に体内で消費された酸素量に対する、同時間内に排出された二酸化炭素量の割合を示します。
• Atwater係数: 食品中に含まれる栄養素(糖質、脂質、タンパク質)が、体内で実際に利用される際のエネルギー量を算出するための係数です。物理的燃焼値、消化吸収率、未利用エネルギーを考慮して設定されています。
• 基礎代謝量: 生命維持に必要な最小限のエネルギー代謝量です。10代で最大となり、その後は年齢とともに徐々に減少します。
• 推定エネルギー必要量: 基礎代謝量に身体活動レベル、生活活動強度、年齢、性別などを考慮して算出されます。
■解説2|
エネルギー代謝は、生命活動の維持に不可欠なプロセスです。栄養評価では、これらの指標を用いて、個人のエネルギー必要量を推定し、適切な栄養摂取を指導します。
■結論 |
選択肢2「Atwater係数は、糖質、脂質、タンパク質の物理的燃焼値、消化吸収率及び未利用エネルギーをもとに設定された値である。」と
選択肢5「成人の推定エネルギー必要量は、基礎代謝量に身体活動レベルを乗じて求められる。」
が正しい記述です。 *正答|2と5です。


衛生|問 107-127 ■正答|1 5
食物繊維に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 水溶性のものと不溶性のものがある。

  2. ヒトの消化酵素で消化されず、腸内細菌によっても分解されない。

  3. セルロースとリグニンは、どちらも多糖である。

  4. 天然の食物繊維は植物性食品由来であり、動物性食品由来のものはない。

  5. 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」において、食物繊維には目標量が設定されている。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点 |食物繊維
この問題の論点は、食物繊維の種類とその栄養基準について特定することです。
■解説1|
選択肢1は正しいです。食物繊維には、水溶性と不溶性のものがあり、これらは腸内での働きや健康効果に違いがあります。
選択肢5も正しいです。「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、食物繊維の目標量が設定されています。
■解説2|
選択肢2は誤りです。食物繊維はヒトの消化酵素では消化されませんが、一部は腸内細菌によって分解されます。
選択肢3は誤りです。セルロースは多糖ですが、リグニンはフェノール類を基にした複雑な化合物であり、多糖ではありません。
選択肢4は誤りです。天然の食物繊維は主に植物性食品由来ですが、キチンなど一部動物性由来のものも存在します。
■結論 |
選択肢1と選択肢5が正しいため、正答は選択肢1と選択肢5です。


■■Gemini 1.5 Pro
■論点 |食物繊維の特性と摂取基準の理解
この問題の論点は、食物繊維の分類、消化・吸収、摂取基準など、食物繊維に関する正しい知識を理解しているかどうかを問うものです。
■解説1|
• 食物繊維: ヒトの消化酵素では消化されない、食物中の難消化性成分の総称です。水溶性と不溶性に分類され、それぞれ異なる生理作用があります。
• 食物繊維の分解: ヒトの消化酵素では消化されませんが、腸内細菌によってある程度分解されます。
• 食物繊維の摂取基準: 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、食物繊維の目標量(目安量)が設定されています。食物繊維の摂取は、便秘の予防、血糖値の上昇抑制、血中コレステロール値の低下などの効果が期待されます。
■解説2|
食物繊維は、健康な食生活に欠かせない栄養素です。不足すると、便秘、大腸がん、糖尿病、脂質異常症などのリスクが高まる可能性があります。
■結論 |
選択肢1「水溶性のものと不溶性のものがある。」と
選択肢5「「日本人の食事摂取基準(2020年版)」において、食物繊維には目標量が設定されている。」
が正しい記述です。 *正答|1と5です。


衛生|問 109-127 ■正答|3 4
ビタミンに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. レチノイン酸は、光を感知するロドプシンの構成成分で視覚機能を正常に保つのに必要である。

  2. α-トコフェロールは、ヒトでは腸内細菌によって主に供給される。

  3. コレカルシフェロールは、紫外線照射により動物の皮膚で7-デヒドロコレステロールから合成される。

  4. リボフラビンは生体内で活性化され、糖質や脂質のエネルギー代謝に関与する酵素の補酵素としてはたらく。

  5. チアミンは、生体内で補酵素NAD+やNADP+として酸化還元反応に関与する。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点 |ビタミンの機能と供給源
この問題の論点は、ビタミンの機能と供給源について特定することです。
■解説1|
選択肢3は正しいです。コレカルシフェロール(ビタミンD3)は、紫外線照射によって皮膚内の7-デヒドロコレステロールから合成されます。
選択肢4も正しいです。リボフラビン(ビタミンB2)は、生体内で活性型の補酵素となり、エネルギー代謝に関与する酵素の補酵素として働きます。
■解説2|
選択肢1は誤りです。視覚機能を正常に保つのに必要なのはレチノールやその誘導体であり、レチノイン酸は主に細胞の分化や成長に関与します。
選択肢2は誤りです。α-トコフェロール(ビタミンE)は主に食物から摂取され、腸内細菌によって供給されるものではありません。
選択肢5は誤りです。チアミン(ビタミンB1)は補酵素TPP(チアミンピロリン酸)として糖代謝に関与し、NAD+やNADP+の補酵素とは異なります。
■結論 |
選択肢3と選択肢4が正しいため、正答は選択肢3と選択肢4です。


■■Gemini 1.5 Pro
■論点 |ビタミンの種類と機能の理解
この問題の論点は、様々なビタミンの種類とその機能、生体内での働きを正しく理解しているかどうかを問うものです。
■解説1|
• ビタミンA(レチノール): 夜盲症の予防や視力維持、皮膚や粘膜の健康維持に働きます。レチノールは、体内でレチナールやレチノイン酸に変換されます。レチナールは、ロドプシンの構成成分です。
• ビタミンD(コレカルシフェロール): 腸管からのカルシウム吸収を促進し、骨の形成や成長を助けます。コレカルシフェロールは、紫外線照射により動物の皮膚で7-デヒドロコレステロールから合成されます。
• ビタミンB2(リボフラビン): 糖質、脂質、タンパク質の代謝に関与し、エネルギー産生を助けます。リボフラビンは、体内で活性化され、FMN(フラビンモノヌクレオチド)やFAD(フラビンアデニンジヌクレオチド)となり、様々な酵素の補酵素として機能します。
■解説2|
ビタミンは、微量で体内の代謝機能を調節する重要な栄養素です。不足すると、様々な欠乏症を引き起こします。
■結論 |
選択肢3「コレカルシフェロールは、紫外線照射により動物の皮膚で7-デヒドロコレステロールから合成される。」と
選択肢4「リボフラビンは生体内で活性化され、糖質や脂質のエネルギー代謝に関与する酵素の補酵素としてはたらく。」
が正しい記述です。 *正答|3と4です。


衛生|問 109-128 ■正答|2 5
三大栄養素としての糖質、脂質、タンパク質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 単位重量当たりで得られるエネルギーが最も多いのは、糖質である。

  2. 糖質はエネルギー源となり、エネルギー貯蔵体にも変換される。

  3. 脂質から単位重量当たりに得られるエネルギーは、タンパク質の約4倍である。

  4. タンパク質はエネルギー源にはならない。

  5. 脂質やタンパク質の代謝物の中には、ホルモンなどの生理活性物質の前駆体になるものがある。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点 |三大栄養素の機能とエネルギー供給
この問題の論点は、三大栄養素の役割とエネルギー供給能力について特定することです。
■解説1|
選択肢2は正しいです。糖質はエネルギー源となるだけでなく、グリコーゲンとして体内に貯蔵されます。
選択肢5も正しいです。脂質やタンパク質の代謝物は、ホルモンやその他の生理活性物質の前駆体となります。
■解説2|
選択肢1は誤りです。単位重量当たりで得られるエネルギーが最も多いのは脂質です。糖質は4kcal/g、脂質は9kcal/gです。
選択肢3は誤りです。脂質から得られるエネルギーはタンパク質の約2.25倍です(脂質は9kcal/g、タンパク質は4kcal/g)。
選択肢4は誤りです。タンパク質もエネルギー源として利用されますが、主に体の構成成分として使用されます。
■結論 |
選択肢2と選択肢5が正しいため、正答は選択肢2と選択肢5です。


■■Gemini 1.5 Pro
■論点 |三大栄養素の機能と代謝の理解
この問題の論点は、三大栄養素(糖質、脂質、タンパク質)のそれぞれの特徴、機能、代謝、体内での役割を正しく理解しているかどうかを問うものです。
■解説1|
• 糖質: 体内でブドウ糖に分解され、エネルギー源として利用されます。余剰分はグリコーゲンとして肝臓や筋肉に貯蔵されたり、脂肪酸に変換されて脂肪組織に蓄えられます。
• 脂質: 単位重量当たりのエネルギー量が最も高く、効率的なエネルギー源です。また、細胞膜の構成成分やホルモンの原料など、様々な機能を担っています。
• タンパク質: 体を作るために必須の栄養素であり、筋肉、臓器、皮膚、ホルモン、酵素などを構成しています。エネルギー源としても利用されますが、他の栄養素と比較すると効率は劣ります。脂質やタンパク質の代謝物の中には、ホルモンや神経伝達物質などの生理活性物質の前駆体となるものがあります。
■解説2|
三大栄養素は、健康な体作りや生命活動の維持に欠かせない栄養素です。それぞれの栄養素のバランスを考慮した食生活が重要です。
■結論 |
選択肢2「糖質はエネルギー源となり、エネルギー貯蔵体にも変換される。」と
選択肢5「脂質やタンパク質の代謝物の中には、ホルモンなどの生理活性物質の前駆体になるものがある。」
が正しい記述です。 *正答|2と5です。


衛生|問 107-129 ■正答|2 5
食品成分の変化に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. メイラード反応とは、還元糖とアミノ酸が酵素的に反応し、シッフ塩基及びα-カルボニル化合物を形成する反応である。

  2. チラミンは、アミノ酸脱炭酸酵素によりチロシンから生成され血圧上昇作用を示す。

  3. 魚の腐敗臭の原因となるトリメチルアミンは、トリメチルアミンN-オキシドが酸化されることにより生じる。

  4. トリプトファンは、脱アミノ反応及び脱炭酸反応によって腐敗臭を有する硫化水素を生じる。

  5. 糖質が微生物により分解されて、アルコールや有機酸などの有用な化合物が生成することを発酵という。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点 |食品成分の変化
この問題の論点は、食品成分の変化に関する正しい記述を特定することです。
■解説1|
選択肢2は正しいです。チラミンはアミノ酸脱炭酸酵素によってチロシンから生成され、血圧上昇作用を示すことが知られています。
選択肢5も正しいです。糖質が微生物によって分解される過程を発酵と呼び、アルコールや有機酸などが生成されます。
■解説2|
選択肢1は誤りです。メイラード反応は酵素的ではなく、還元糖とアミノ化合物の非酵素的反応によって生じる食品の焼成や加熱処理による茶色の生成物です。
選択肢3は誤りです。トリメチルアミンは魚の腐敗臭の原因であり、トリメチルアミンN-オキシドが酸化されることによって生じるのではありません。
選択肢4は誤りです。トリプトファンは腐敗臭を有する硫化水素を生じる反応の原因ではありません。
■結論 |
選択肢2と選択肢5が正しいため、正答は選択肢2と選択肢5です。


■■Gemini 1.5 Pro
■論点 |食品成分の変化と食品衛生の理解
この問題の論点は、食品成分の変化(メイラード反応、腐敗、発酵など)に関する知識、特に微生物による食品成分の変化とそれに伴う健康への影響を正しく理解しているかどうかを問うものです。
■解説1|
• メイラード反応: 還元糖とアミノ酸が加熱によって非酵素的に反応し、褐変物質(メラノイジン)を生成する反応です。食品の色、香り、風味を良くする効果がありますが、発がん性物質(アクリルアミドなど)が生成されることもあります。
• チラミン: チロシンがアミノ酸脱炭酸酵素によって脱炭酸されて生成されるアミンです。チラミンは、血管収縮作用があり、多量に摂取すると頭痛や血圧上昇を引き起こすことがあります。
• トリメチルアミン: 魚介類の腐敗によって生成されるアミンであり、腐敗臭の原因です。トリメチルアミンは、トリメチルアミンオキシドが還元されて生成されます。
• トリプトファン: 必須アミノ酸の一つですが、腐敗によってインドールやスカトールなどの悪臭物質を生成します。これらの物質は、腐敗臭の原因です。
• 発酵: 微生物が糖類を分解して、乳酸、アルコール、酢酸などの有機酸を生成する反応です。発酵食品は、保存性が高く、風味や栄養価が向上するものがあります。
■解説2|
食品成分の変化は、食品の品質や安全性に大きな影響を与えます。食品を安全に保つためには、適切な保管、調理、加工を行うことが重要です。
■結論 |
選択肢2「チラミンは、アミノ酸脱炭酸酵素によりチロシンから生成され血圧上昇作用を示す。」と
選択肢5「糖質が微生物により分解されて、アルコールや有機酸などの有用な化合物が生成することを発酵という。」
が正しい記述です。 *正答|2と5です。


衛生|問 108-129 ■正答|2 5
食品中の発がん物質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. サイカシンは、β-グルクロニダーゼにより加水分解されて発がん作用を示す。

  2. アフラトキシンB1は、シトクロムP450によりエポキシ化されて発がん作用を示す。

  3. Trp-P-1 は、高温での加熱調理により食品中の核酸から生成する。

  4. ベンゾ[a]ピレンは、高温での加熱調理により食品中のアミノ酸から生成する。

  5. ジメチルニトロソアミンは、酸性下において、亜硝酸とジメチルアミンとの反応により生成する。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点 |食品中の発がん物質の生成メカニズム
この問題の論点は、食品中に含まれる発がん物質がどのように生成され、どのように発がん作用を示すかを特定することです。
■解説1|
サイカシン:
サイカシンは摂取後、体内でβ-グルコシダーゼという酵素によって加水分解されます。これは消化管内の細菌によっても行われます。
β-グルクロニダーゼによる加水分解ではないので誤りです。
アフラトキシンB1:
アフラトキシンB1は、カビによって生成される強力な発がん物質です。
体内でシトクロムP450酵素によってエポキシ化され、DNAと結合して突然変異を引き起こすことで発がん作用を示します。
Trp-P-1:
Trp-P-1は、食品中のアミノ酸(特にトリプトファン)とクレアチンまたはクレアチニンが、高温(150℃以上)で調理される際に生成されます。
核酸から生成されることはないので誤りです。
ベンゾ[a]ピレン:
ベンゾ[a]ピレンは、ポリサイクリック芳香族炭化水素(PAH)の一種で、主に有機物が不完全燃焼する際に生成されます。
高温調理(焼き物、揚げ物など)で生成されることはありますが、アミノ酸から生成されるわけではありません。
ジメチルニトロソアミン:
ジメチルニトロソアミンは、酸性環境下で亜硝酸とジメチルアミンが反応することで生成されます。
これは特に塩漬け食品や加工肉製品などで発生しやすく、発がん性があることが知られています。
■解説2|
アフラトキシンB1とシトクロムP450の関係は、多くの研究で確認されています。エポキシ化されたアフラトキシンB1は、DNAアダクトを形成し、突然変異を引き起こすことで発がんを促進します。
ジメチルニトロソアミンは、特に胃内の酸性環境で亜硝酸塩とアミンが反応して生成されます。このため、加工食品の製造過程や保存条件が発がんリスクに影響を与えることがあります。
■結論 |
正答は2と5です。アフラトキシンB1はシトクロムP450によりエポキシ化されて発がん作用を示し、ジメチルニトロソアミンは酸性環境で亜硝酸とジメチルアミンの反応によって生成されます。
サイカシンについての記述はβ-グルコシダーゼではなくβ-グルクロニダーゼにより加水分解されると誤解されており、Trp-P-1の生成については核酸からではなく、アミノ酸とクレアチン/クレアチニンから生成されることが正しいです。
■補足 |
以下に、化合物別に箇条書きでまとめた情報を提供します。
サイカシン(cycasin)
• 特定のシダ類やソテツ類に含まれる植物由来の配糖体
• 摂取後、体内でβ-グルコシダーゼという酵素によって加水分解される
• 加水分解により、メチルアゾキシメタノール(MAM)が生成される
• MAMは肝臓などの臓器に到達し、代謝されてメチルカルバニオン(CH3^+)という強力なアルキル化剤を生成する
• このアルキル化剤はDNAと反応し、DNAのアルキル化を引き起こす
• DNAのアルキル化は、DNAの構造に損傷を与え、突然変異を引き起こす
• 突然変異が蓄積し、細胞が制御不能に増殖することで癌が形成される
• 動物実験では、サイカシンやその代謝産物であるMAMを投与された動物は、肝臓や腸、脳などの臓器に腫瘍を形成することが確認されている
• サイカシンのヒトへの直接的な発がん性については、動物実験ほどの確定的な証拠はないが、サイカシンを含む植物を長期間にわたって摂取することは、潜在的な発がんリスクを伴う可能性がある
Trp-P-1(2-アミノ-1-メチル-6-フェニルイミダゾ[4,5-b]ピリジン)
• ヘテロサイクリックアミン(HCA)の一種であり、発がん性を持つ化合物
• 主に高温調理された食品、特に肉や魚の焼き物や揚げ物に含まれている
• 食品中のアミノ酸(特にトリプトファン)とクレアチンまたはクレアチニンが、高温(150℃以上)で調理される際に生成される
• 体内で直接発がん性を示すわけではなく、まず肝臓のシトクロムP450(特にCYP1A2)によって代謝活性化される
• シトクロムP450による代謝でN-ヒドロキシル化され、N-ヒドロキシ-Trp-P-1が生成される
• N-ヒドロキシ-Trp-P-1はさらに活性化され、エステル化などの過程を経て、DNAと結合しやすい形態となる
• 活性化された代謝物はDNAに共有結合し、DNAアダクト(付加体)を形成する
• DNAアダクトの形成は、DNAの複製や転写を妨げ、突然変異を引き起こす
• 特に重要な遺伝子(例えば、がん抑制遺伝子やプロトオンコジーン)に突然変異が起こると、細胞の制御が失われ、がん細胞の増殖が促進されることがある
• ヘテロサイクリックアミン(HCA)の発がん性は、多くの動物実験で証明されており、国際がん研究機関(IARC)はこれらの化合物を発がん性物質に分類している
• Trp-P-1もその一部として認識されており、特に食事中の摂取量や調理方法が発がんリスクに影響を与えることが示されている


■■Gemini 1.5 Pro
■論点 |食品中の発がん物質とその生成経路の理解
この問題の論点は、食品中に含まれる代表的な発がん物質とその生成経路、発がんメカニズムについて正しく理解しているかどうかを問うものです。
■解説1|
• アフラトキシンB1: カビ毒の一種で、肝臓がんのリスクを高めることが知られています。アフラトキシンB1は、体内でシトクロムP450によって代謝され、エポキシ化されることで強い発がん性を示します。
• ジメチルニトロソアミン: 魚介類や肉類に含まれるジメチルアミンと、食品添加物として使用される亜硝酸塩が、酸性条件下で反応して生成されるニトロソアミンです。胃がんのリスクを高めることが知られています。
■解説2|
食品中の発がん物質は、その生成を抑制したり、摂取量を減らしたりすることで、発がんリスクを低減することができます。
■結論 |
選択肢2「アフラトキシンB1は、シトクロムP450によりエポキシ化されて発がん作用を示す。」と
選択肢5「ジメチルニトロソアミンは、酸性下において、亜硝酸とジメチルアミンとの反応により生成する。」
が正しい記述です。 *正答|2と5です。


衛生|問 109-129 ■正答|1 4
食品成分に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. キトサンは、エビやカニの殻に含まれる成分を原料としたもので、血中コレステロール値を低下させる作用がある。

  2. アスタキサンチンは、ブドウの果皮に含まれており、コラーゲンの合成を促す作用がある。

  3. 難消化性デキストリンは、コンニャクに含まれており、脂肪の燃焼を促す作用がある。

  4. ダイゼインは、ダイズに含まれており、抗酸化作用がある。

  5. β-カロテンは、ニンジンやカボチャに含まれており、体内で分解してビタミンEが生成する。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点 |食品成分の機能
この問題の論点は、各食品成分の特性や機能に関する正しい記述を選ぶことです。
■解説1|
選択肢1は正しいです。キトサンはエビやカニの殻から抽出され、コレステロールを低下させる効果があります。
選択肢4も正しいです。ダイゼインは大豆に含まれ、抗酸化作用があります。
■解説2|
選択肢2は誤りです。アスタキサンチンはブドウの果皮ではなく、主に魚や養殖エビに含まれるカロテノイドです。
選択肢3も誤りです。難消化性デキストリンはコンニャク芋から作られる食物繊維であり、脂肪の燃焼を促す作用はありません。
選択肢5も誤りです。β-カロテンは体内で分解してビタミンAに変換され、ビタミンEの生成とは関係がありません。
■結論 |
正答は選択肢1と選択肢4です。


■■Gemini 1.5 Pro
■論点 |食品成分の機能性と栄養学的意義の理解
この問題の論点は、様々な食品成分の機能性、体内での働き、健康への影響を正しく理解しているかどうかを問うものです。
■解説1|
• キトサン: エビやカニの殻に含まれるキチンを原料とする食物繊維の一種です。コレステロールの吸収を抑え、血中コレステロール値を低下させる作用があります。
• アスタキサンチン: サケやエビ、カニなどの甲殻類に含まれる赤い色素成分です。強い抗酸化作用があり、動脈硬化やがん、眼精疲労などの予防効果が期待されています。
• 難消化性デキストリン: トウモロコシのでんぷんを原料とする食物繊維の一種です。食後の血糖値の上昇を抑えたり、整腸作用があります。
• ダイゼイン: 大豆イソフラボンの一種で、抗酸化作用、骨粗鬆症予防作用、更年期障害の軽減作用などがあります。
• β-カロテン: 緑黄色野菜などに含まれるカロテノイドの一種です。体内でビタミンAに変換され、視力維持や皮膚・粘膜の健康維持に働きます。
■解説2|
食品成分の中には、健康の維持・増進に役立つ機能性を持つものが多くあります。しかし、特定の食品成分だけを過剰に摂取するのではなく、バランスの取れた食事を心がけることが大切です。
■結論 |
選択肢1「キトサンは、エビやカニの殻に含まれる成分を原料としたもので、血中コレステロール値を低下させる作用がある。」と
選択肢4「ダイゼインは、ダイズに含まれており、抗酸化作用がある。」
が正しい記述です。 *正答|1と4です。


衛生|問 106-130 ■正答|1 5
「食の安全性」を確保するための法制度に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 食品安全基本法において、消費者は食の安全性に積極的役割を果たすことが求められている。

  2. 食品衛生法において、食品に触れる器具、容器包装、洗浄剤、及び乳幼児が口にするおもちゃは規制・措置の対象とはならない。

  3. HACCPとは、食品製造における最終製品の抜き取り検査による衛生管理の方法である。

  4. 食品表示法において、厚生労働大臣により食品に関する表示の基準が定められている。

  5. 食品表示法において、食物アレルギーの発症数が多い、あるいは症状が重篤となる7品目を特定原材料と定め、表示を義務付けている。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点 |食の安全性の法制度
この問題の論点は、食の安全性を確保するための法制度に関する理解です。
■解説1|
選択肢1は正しいです。食品安全基本法では、消費者が食の安全性に関して積極的な役割を果たすことが求められています。
選択肢5も正しいです。食品表示法では、食物アレルギーのリスクが高い特定原材料7品目について、表示が義務付けられています。
■解説2|
選択肢2は誤りです。食品衛生法では、食品に触れる器具や洗浄剤なども規制・措置の対象となります。
選択肢3も誤りです。HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Points)は、食品製造過程全体におけるリスク評価と管理の方法であり、最終製品の抜き取り検査ではありません。
選択肢4も誤りです。食品表示法では、表示の基準は厚生労働大臣ではなく、消費者庁によって定められます。
■結論 |
正答は選択肢1と選択肢5です。


■■Gemini 1.5 Pro
■論点 |食の安全性を確保するための法制度の理解
この問題の論点は、食品安全基本法、食品衛生法、食品表示法、HACCPなどの食の安全性を確保するための法制度の内容を正しく理解しているかどうかを問うものです。
■解説1|
• 食品安全基本法: 食の安全性の確保に関する基本的な理念を定め、国、地方公共団体、事業者、消費者の責務を明確にすることで、食の安全性の確保を図ることを目的とした法律です。消費者は、食の安全に関する知識と理解を深め、積極的に食品の選択や食生活の改善に取り組むことが求められています。
• 食品衛生法: 食品の安全性確保のために、食品の製造、加工、調理、販売などに関する衛生基準を定めた法律です。食品に触れる器具、容器包装、洗浄剤なども規制対象となっています。
• HACCP: 食品の製造工程における危害要因を分析し、それを継続的に管理することで、製品の安全性を確保する衛生管理手法です。最終製品の抜き取り検査ではなく、製造工程全体を管理することが重要です。
• 食品表示法: 消費者が食品を適切に選択できるよう、食品の品質、成分、原産地などを表示することを義務付けた法律です。食物アレルギーの原因となる特定原材料や、栄養成分表示基準などが定められています。
■解説2|
食の安全性を確保するためには、様々な法制度に基づいた対策が重要です。
■結論 |
選択肢1「食品安全基本法において、消費者は食の安全性に積極的役割を果たすことが求められている。」と
選択肢5「食品表示法において、食物アレルギーの発症数が多い、あるいは症状が重篤となる7品目を特定原材料と定め、表示を義務付けている。」
が正しい記述です。 *正答|1と5です。


衛生|問 106-131 ■正答|3 5
化学物質の主な有害作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 塩化ビニルモノマーは、膀胱がんを引き起こす。

  2. フェニトロチオンは、近位尿細管細胞に蓄積して腎障害を引き起こす。

  3. アスベストは、肺がんや悪性中皮腫の原因となる。

  4. ベンジジンは、造血機能障害を引き起こす。

  5. シアン化水素は、シトクロムオキシダーゼを阻害して細胞呼吸を停止させる。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点 |化学物質の有害作用
この問題の論点は、化学物質の有害作用に関する記述の中から正しいものを選ぶことです。
■解説1|
3. アスベストは、肺がんや悪性中皮腫の原因となる。
アスベストは、肺がんや悪性中皮腫などの呼吸器系の疾患を引き起こすことが知られています。その有害作用は、アスベスト繊維が細胞内に侵入し、炎症反応を引き起こし、DNAの損傷や遺伝子変異を誘発することによるものです。
5. シアン化水素は、シトクロムオキシダーゼを阻害して細胞呼吸を停止させる。
シアン化水素は、シトクロムオキシダーゼを阻害することで、細胞呼吸を停止させるため、急性毒性を持つ化学物質の一つです。この作用により、シアン化水素中毒による呼吸不全が生じることがあります。
■解説2|
3. アスベストに関する補足説明:
アスベストは、その強靭さや耐熱性から建築材料や断熱材として広く使用されてきました。しかし、アスベストを含む微細な繊維が空気中に漂い、吸入されると、肺や胸膜に損傷を与えることがあります。その結果、肺がんや悪性中皮腫の発生率が増加するリスクが高まります。さらに、アスベストの繊維は環境中で長期間残存し、土壌や水中に放出されると生態系に悪影響を与える可能性があります。
5. シアン化水素に関する補足説明:
シアン化水素は、強力な毒性を持つ化学物質であり、急性中毒を引き起こす可能性があります。シアン化水素は、シトクロムオキシダーゼという酵素を阻害することで、細胞内での酸化的リン酸化反応を妨げ、細胞呼吸を停止させます。この結果、酸素の利用が妨げられ、急速に発生する細胞死が生じます。
■結論 |
問題の論点は、化学物質の有害作用に関する正しい記述を選ぶことでした。正しい選択肢は、「アスベストは、肺がんや悪性中皮腫の原因となる」と「シアン化水素は、シトクロムオキシダーゼを阻害して細胞呼吸を停止させる」です。これらの化学物質は、それぞれ肺がんや悪性中皮腫の原因となるアスベスト、そしてシトクロムオキシダーゼを阻害して細胞呼吸を停止させるシアン化水素という特性によって、健康への有害作用を引き起こします。
■補足 |
化学物質の有害作用:
塩化ビニルモノマー(VCM)
• 物理的特性: 無色のガスで、特有の甘い臭気を持つ。沸点は-13.4℃であり、容易に気化する。
• 用途: ポリ塩化ビニル (PVC) の製造原料として主に使用される。
• 有害作用: 発がん性(特に肝臓の血管肉腫)、神経毒性(中枢神経系と末梢神経系への影響)、肝臓への影響(肝硬変、肝酵素の異常)。
• 科学的根拠: 疫学研究、動物実験、機構研究。
• 規制と管理: 職業安全衛生規制、環境規制。
フェニトロチオン
• 生理学的メカニズム: アセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害、神経過剰興奮。
• 毒性: 急性毒性(頭痛、めまい、吐き気、嘔吐、筋肉のけいれん、呼吸困難)、慢性毒性(神経系への影響、肝臓や腎臓の機能障害、生殖器系の異常)、発がん性(ラットやマウスにおける発がん性が示唆されているが、ヒトにおける発がん性については、まだ明確な結論は出ていない)。
• 環境への影響: 生態系への影響、残留性。
• 安全対策と規制: 個人防護具(PPE)の使用、規制。
ベンジジン
• 発がん性: 発がんメカニズム(DNAの損傷)、ヒトへの影響(職業的曝露による健康被害)。
• 毒性: 急性毒性(頭痛、めまい、吐き気、嘔吐、腹痛)、慢性毒性(肝臓や腎臓の機能障害、造血系への影響、神経系への影響)。
• 環境への影響: 生態系への影響、バイオアキュムレーション。
• 規制と安全対策: 規制、個人防護具(PPE)の使用。
アスベスト
• 発がん性: 発がんメカニズム(DNAの損傷)、ヒトへの影響(職業的曝露による健康被害)。
• 呼吸器系への影響: ぜん息や肺線維症。
• 環境への影響: 生態系への影響。
• 規制と安全対策: 規制、個人防護具(PPE)の使用。


■■Gemini 1.5 Pro
■論点 |化学物質の有害作用の理解
この問題の論点は、代表的な化学物質の有害作用とそのメカニズムについて正しく理解しているかどうかを問うものです。
■解説1|
• 塩化ビニルモノマー: ポリ塩化ビニルの原料となる物質です。肝臓がんのリスクを高めることが知られています。
• フェニトロチオン: 有機リン系殺虫剤の一種です。アセチルコリンエステラーゼを阻害することで、神経毒性を示します。
• アスベスト: 繊維状の鉱物です。吸入することで、肺がんや悪性中皮腫のリスクを高めます。
• ベンジジン: 染料の原料などに使用される物質です。膀胱がんのリスクを高めることが知られています。
• シアン化水素: 青酸とも呼ばれる猛毒物質です。シトクロムオキシダーゼを阻害することで細胞呼吸を阻害し、細胞死を引き起こします。
■解説2|
化学物質の有害作用は、その物質の性質、曝露量、曝露時間、曝露経路などによって異なります。
■結論 |
選択肢3「アスベストは、肺がんや悪性中皮腫の原因となる。」と
選択肢5「シアン化水素は、シトクロムオキシダーゼを阻害して細胞呼吸を停止させる。」
が正しい記述です。 *正答|3と5です。


衛生|問 107-131 ■正答|3 4
活性酸素に対する生体内の防御因子に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)は、スーパーオキシドアニオンを水に変換する。

  2. 銅(Cu)と亜鉛(Zn)を含むCu/Zn-SODは、ミトコンドリアに局在する。

  3. カタラーゼは、過酸化水素を酸素と水に変換する酵素で、活性中心にヘム鉄をもつ。

  4. グルタチオンペルオキシダーゼは、グルタチオン存在下で過酸化水素を水に還元する反応を触媒する。

  5. グルタチオンレダクターゼは、スーパーオキシドアニオンを過酸化水素と酸素に変換する。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点 |活性酸素に対する生体内の防御因子
この問題の論点は、活性酸素に対する生体内の防御因子についての理解です。
■解説1|
スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)
SODはスーパーオキシドアニオンを水に変換する酵素ではありません。SODはスーパーオキシドを酸素と過酸化水素に変換しますが、水に変換するわけではありません。
■解説2|
2. グルタチオンペルオキシダーゼ
グルタチオンペルオキシダーゼは、グルタチオン存在下で過酸化水素を水に還元する反応を触媒します。過酸化水素は活性酸素種の一種であり、グルタチオンペルオキシダーゼはこれを無害な水に変換する役割を果たします。この記述は正しいです。
■結論 |
スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)はスーパーオキシドを水に変換するのではなく、グルタチオンペルオキシダーゼはグルタチオン存在下で過酸化水素を水に還元する反応を触媒します。
■補足 |
各化学物質の特性と機能について:
スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)
• 細胞内でのスーパーオキシド(O2-)の解毒化に重要な役割を果たす酵素。
• スーパーオキシドを酸素と過酸化水素に変換し、その活性を中和。
• Cu/Zn-SODは細胞質およびミトコンドリアに局在するSODの一種。
Cu/Zn-SOD
• カッパ(銅)と亜鉛(ジンク)のイオンを必要とし、これらの金属イオンはSODの酵素活性に必須。
• 細胞内のスーパーオキシドの解毒に特に関与し、細胞質とミトコンドリアの両方で重要な役割を果たす。
グルタチオンレダクターゼ
• グルタチオン(GSH)の還元を触媒し、酸化ストレスから細胞を保護する重要な酵素。
• GSHを酸化されたグルタチオン(GSSG)に還元することで、GSHの再生を促進。
• 細胞内の酸化還元状態を維持し、細胞の機能や生存に不可欠。
カタラーゼ
• 水素過酸化物(H2O2)を無害な水と酸素に分解する酵素。
• H2O2を効率的に分解することで、細胞を酸化ストレスから保護。
• 細胞内の酸化還元バランスを維持するために重要。
グルタチオンペルオキシダーゼ
• グルタチオン(GSH)を用いて過酸化脂質やその他の過酸化物を分解する酵素。
• GSHを酸化されたグルタチオン(GSSG)に変換し、その過程で過酸化脂質を無害な物質に変換。
• 細胞は過酸化脂質から保護され、細胞膜や細胞内構造の損傷を防ぐことができる。


■■Gemini 1.5 Pro
■論点 |活性酸素と生体防御機構の理解
この問題の論点は、活性酸素の有害作用と、それに対抗する生体内の防御機構、特に抗酸化酵素の働きについて正しく理解しているかどうかを問うものです。
■解説1|
• 活性酸素: 反応性の高い酸素種の総称です。細胞内の代謝過程で発生し、過剰になると細胞を傷つけ、老化やがん、動脈硬化などの原因となることがあります。
• スーパーオキシドジスムターゼ(SOD): スーパーオキシドアニオンを過酸化水素と酸素に分解する酵素です。
• カタラーゼ: 過酸化水素を水と酸素に分解する酵素です。活性中心にヘム鉄を持ちます。
• グルタチオンペルオキシダーゼ: 過酸化水素を水に還元する酵素です。この反応には、グルタチオンが還元剤として必要です。
• グルタチオンレダクターゼ: 酸化型グルタチオンを還元型グルタチオンに変換する酵素です。グルタチオンペルオキシダーゼと協調して、過酸化水素の消去に関与します。
■解説2|
生体内では、活性酸素の発生と消去がバランスを保つことで、健康が維持されています。
■結論 |
選択肢3「カタラーゼは、過酸化水素を酸素と水に変換する酵素で、活性中心にヘム鉄をもつ。」と
選択肢4「グルタチオンペルオキシダーゼは、グルタチオン存在下で過酸化水素を水に還元する反応を触媒する。」
が正しい記述です。 *正答|3と4です。


衛生|問 109-131 ■正答|1 3
食中毒の原因となる微生物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 黄色ブドウ球菌が産生する毒素は、100℃で30分間加熱しても毒性を失わない。

  2. ボツリヌス菌は、低酸素状態ではボツリヌス毒素を産生しない。

  3. 腸管出血性大腸菌は、酸に抵抗性を示し、腸管でベロ毒素を産生する。

  4. セレウス菌の嘔吐型食中毒の原因となる毒素は、100℃で30分間の加熱で毒性を失う。

  5. エルシニア・エンテロコリチカは、4℃の低温条件下では発育できない。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点 |食中毒の原因となる微生物とその特性
この問題の論点は、食中毒の原因となる微生物とその特性を特定することです。
■解説1|
黄色ブドウ球菌は、食物中毒の一般的な原因であり、その毒素は熱に非常に耐性があります。100℃で30分間加熱しても毒性を失わないという選択肢は正しいです。
腸管出血性大腸菌(EHEC)は、酸に抵抗性を示し、腸管でベロ毒素を産生します。この毒素は、人間の腸内で細胞に結合し、細胞のタンパク質合成を阻害します。これにより、腸内での水と電解質の再吸収が阻害され、下痢を引き起こします。
■解説2|
ボツリヌス菌は、厳密な嫌気性菌であり、低酸素状態で最もよく成長します。低酸素状態ではボツリヌス毒素を産生しないという選択肢は誤りです。
セレウス菌の嘔吐型食中毒の原因となる毒素は、100℃で30分間の加熱で毒性を失うという選択肢は誤りです。セレウス菌の毒素は熱に耐性があります。
エルシニア・エンテロコリチカは、4℃の低温条件下でも発育できます。4℃の低温条件下では発育できないという選択肢は誤りです。
■結論 |
選択肢1と3が正答です。これらは、食中毒の原因となる微生物とその特性について正確に説明しています。選択肢2、4、5は、それぞれの微生物の特性を誤って説明しているため、不正確です。この問題は、食中毒の原因となる微生物とその特性についての理解を試すものであり、公衆衛生の観点から重要です。食中毒の予防と対策には、これらの微生物の特性についての正確な知識が必要です。
■補足 |
各細菌とその毒素の特性について:
黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)
• エンテロトキシン: 腸管内で増殖し、食品中に放出される。加熱に耐性があり、食品の調理や保存によって破壊されにくい。消費後数時間以内に吐き気、嘔吐、下痢などの症状を引き起こす。
• エンテロトキシン様毒素: 病原体が生育する生物膜上で産生され、皮膚感染症や外傷部位での症状を引き起こす。皮膚感染症の際には、炎症、膿瘍形成、そして局所的な痛みが見られることがあります。
• ヘモリジン: 赤血球を破壊する能力を持ち、感染巣の周囲での組織破壊や炎症を促進する。これにより、感染巣の拡大や症状の悪化が引き起こされる可能性があります。
ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)
• 神経毒性: ニューロンのシナプス前終端に存在する神経伝達物質の放出を妨げることで作用する。筋肉の収縮が抑制され、麻痺が引き起こされる。
• ボツリヌス症の症状: 筋肉の弱さや麻痺、視覚障害、嚥下障害、呼吸困難などが含まれる。これらの症状は重篤であり、呼吸筋の麻痺によって生命を脅かすことがあります。
• 熱に不安定: 一般的に加熱によって不活化されることが知られているが、毒素が食品中で形成された後に加熱されても、その存在は依然として危険である。
• 抗毒素治療: ボツリヌス毒素と結合して中和し、症状の進行を防ぐ。早期に投与されることで、症状の進行を抑え、回復の可能性を高めることができる。


■■Gemini 1.5 Pro
■論点 |食中毒の原因菌の特徴と予防法の理解
この問題の論点は、代表的な食中毒の原因となる細菌やウイルス、その特徴、増殖条件、産生する毒素、予防法などを正しく理解しているかどうかを問うものです。
■解説1|
• 黄色ブドウ球菌: 耐熱性の毒素(エンテロトキシン)を産生します。この毒素は、100℃、30分の加熱でも失活しません。
• ボツリヌス菌: 嫌気性菌であり、酸素のない環境で増殖し、ボツリヌス毒素を産生します。
• 腸管出血性大腸菌: 酸に比較的強く、少量の菌数でも食中毒を引き起こすことがあります。腸管内でベロ毒素を産生し、出血性の下痢などを引き起こします。
• セレウス菌: 土壌や水、空気中に広く分布する細菌です。セレウス菌が産生する嘔吐毒は耐熱性が高く、100℃、2時間の加熱にも耐えることができます。一方、下痢毒は熱に弱く、60℃、5分で失活します。
• エルシニア・エンテロコリチカ: 低温でも増殖することができ、4℃でも発育が可能です。食中毒の予防には、食品の低温保存が重要ですが、エルシニア・エンテロコリチカの場合は、低温保存だけでは十分な効果が期待できません。
■解説2|
食中毒を予防するためには、食品の適切な加熱、冷却、衛生的な取り扱いなどが重要です。
■結論 |
選択肢1「黄色ブドウ球菌が産生する毒素は、100℃で30分間加熱しても毒性を失わない。」と
選択肢3「腸管出血性大腸菌は、酸に抵抗性を示し、腸管でベロ毒素を産生する。」
が正しい記述です。 *正答|1と3です。


衛生|問 106-132 ■正答|3
覚醒剤に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
■選択肢

  1. メタンフェタミンは、アンフェタミンのアミノ基がメチル化されたものである。

  2. 摂取を中断しても、摂取時と同様の精神症状が現れるフラッシュバックがみられることがある。

  3. 摂取を中断すると、身体依存性が強く現れる。

  4. 中枢神経を興奮させ、発汗、悪心、けいれんなどの症状が現れる。

  5. 摂取の確認には、尿や毛髪中の未変化体を調べる。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点 |覚醒剤 / 特徴 / 離脱症状
この問題の論点は、覚醒剤の特徴とその離脱症状に関する誤解を特定することです。
■解説1|
覚醒剤に関する記述の中で、正しくないのは以下の説明です。
3. 摂取を中断すると、身体依存性が強く現れる。
覚醒剤は精神的な依存性が強いことが知られていますが、身体依存性は比較的低いです。覚醒剤の摂取を中断した場合には、身体的な離脱症状が強く現れるというのは間違いです。
■解説2|
覚醒剤の離脱症状には、精神的な症状が主体であり、身体的な依存性は比較的低いことが知られています。離脱症状には、強い欲求、疲労感、睡眠障害、抑うつなどが含まれます。しかし、これらの症状は覚醒剤の使用を中止してからしばらくすると自然に改善されます。身体的な症状は、例えばオピオイドの離脱症状のように現れにくいです。
■結論 |
覚醒剤の離脱症状には、精神的な症状が主体であり、身体的な依存性は比較的低いため、摂取を中断すると身体依存性が強く現れるというのは間違いです。


■■Gemini 1.5 Pro
*制限があり解答しない。


衛生|問 107-132 ■正答|1 2
農薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. フェニトロチオンは、シトクロムP450による酸化的脱硫反応により代謝的活性化を受けてアセチルコリンエステラーゼを阻害する。

  2. メソミルは、アセチルコリンエステラーゼの活性中心を可逆的にカルバモイル化する。

  3. パラコートは、神経の電位依存性Na+チャネルに作用する。

  4. アセタミプリドは、1電子還元されてラジカルを生成し、スーパーオキシドアニオンを生じる。

  5. フェノトリンは、ニコチン性アセチルコリン受容体に結合し、神経を興奮させる。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点 |農薬 / 代謝 / 作用機序
この問題の論点は、農薬の代謝および作用機序を特定することです。
■解説1|
フェニトロチオン:
フェニトロチオンは有機リン系農薬であり、シトクロムP450による酸化的脱硫反応によって代謝的に活性化されます。
活性化された形態はアセチルコリンエステラーゼを阻害し、これにより神経伝達が阻害されます。
メソミル:
メソミルはカルバメート系農薬で、アセチルコリンエステラーゼの活性中心を可逆的にカルバモイル化します。
この作用は可逆的であり、時間の経過とともに酵素活性が回復します。
■解説2|
フェニトロチオンの代謝と作用機序:
フェニトロチオンは代謝されることでオキソン体となり、これは非常に強力なアセチルコリンエステラーゼ阻害剤です。
アセチルコリンエステラーゼの阻害により、アセチルコリンがシナプス間隙に蓄積し、神経伝達が過剰になります。
メソミルの作用と解毒:
メソミルのカルバモイル化はアセチルコリンエステラーゼ阻害の主要なメカニズムです。
このプロセスは可逆的であり、農薬が分解されると酵素活性が回復します。
■結論 |
フェニトロチオン(選択肢1)とメソミル(選択肢2)は、いずれも正しい記述です。これらの農薬はそれぞれ異なるメカニズムでアセチルコリンエステラーゼを阻害します。
■補足 |
パラコート:
パラコートは除草剤であり、その主要な作用は活性酸素種(特にスーパーオキシド)の生成による植物細胞の破壊です。神経の電位依存性Na+チャネルには作用しません。
アセタミプリド:
アセタミプリドはネオニコチノイド系殺虫剤であり、ニコチン性アセチルコリン受容体に結合して作用します。ラジカル生成やスーパーオキシドアニオンの生産とは関係ありません。
フェノトリン:
フェノトリンはピレスロイド系殺虫剤で、ナトリウムチャネルに作用して神経の興奮を引き起こしますが、ニコチン性アセチルコリン受容体には結合しません。


■■Gemini 1.5 Pro
■論点 |農薬の作用機序と代謝の理解
この問題の論点は、主要な農薬の作用機序、代謝経路、毒性発現メカニズムについて正しく理解しているかどうかを問うものです。単に名称と作用対象を結びつけるだけでなく、詳細なメカニズムまで理解しておくことが重要です。
■解説1|
• フェニトロチオン: 有機リン系殺虫剤の一種です。生物体内では、シトクロムP450酵素群によってP=S結合がP=O結合へと代謝的に活性化され、強力なアセチルコリンエステラーゼ阻害作用を示します。この阻害作用により、神経伝達物質であるアセチルコリンが分解されずに蓄積し、神経系の異常興奮を引き起こします。
• メソミル: カルバメート系殺虫剤の一種です。アセチルコリンエステラーゼの活性中心にあるセリン残基の水酸基に結合し、カルバモイル化することで酵素活性を阻害します。この阻害作用は、有機リン系殺虫剤と同様にアセチルコリンの分解を抑制し、神経伝達を攪乱することで毒性を示します。ただし、メソミルによるカルバモイル化は可逆的であり、有機リン系殺虫剤と比較して毒性が弱く、持続時間も短いという特徴があります。
• パラコート: 接触型の除草剤です。植物の葉緑体に取り込まれると、光合成の電子伝達系を阻害し、活性酸素を発生させることで植物を枯死させます。ヒトに対する急性毒性は比較的低いですが、誤飲すると肺に損傷を与え、呼吸不全を引き起こすことがあります。
• アセタミプリド: ネオニコチノイド系殺虫剤の一種です。昆虫の中枢神経系にあるニコチン性アセチルコリン受容体に選択的に結合し、神経伝達を阻害することで殺虫効果を示します。哺乳動物に対する毒性は比較的低いとされています。
• フェノトリン: ピレスロイド系殺虫剤の一種です。昆虫の神経細胞膜にある電位依存性ナトリウムチャネルに作用し、神経細胞を過剰に興奮させることで殺虫効果を示します。哺乳動物に対する毒性は比較的低いですが、アレルギー症状を引き起こすことがあります。
■解説2|
衛生問題では、農薬の毒性発現メカニズムや代謝経路を深く理解することが重要です。特に、シトクロムP450による代謝活性化やアセチルコリンエステラーゼの阻害機構は、多くの農薬で共通して見られるため、しっかりと理解しておく必要があります。
■結論 |
選択肢1「フェニトロチオンは、シトクロムP450による酸化的脱硫反応により代謝的活性化を受けてアセチルコリンエステラーゼを阻害する。」と
選択肢2「メソミルは、アセチルコリンエステラーゼの活性中心を可逆的にカルバモイル化する。」
が正しい記述です。 *正答|1と2です。


衛生|問 108-132 ■正答|1 3
化学物質の毒性に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 硫化水素は、ミトコンドリアのシトクロムオキシダーゼの阻害により、細胞呼吸を抑制する。

  2. DEHP[フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)]は、ヘム合成に関わる酵素を阻害することで、造血機能障害を生じる。

  3. 四塩化炭素は、シトクロムP450によって還元的に脱ハロゲン化されて、肝障害を引き起こす。

  4. 塩化ビニルモノマーは、アセチルコリンエステラーゼの阻害により、神経毒性を示す。

  5. カルバリルは、アコニターゼの阻害により、呼吸器障害を生じる。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点 |化学物質の毒性のメカニズム
この問題の論点は、化学物質の毒性のメカニズムを特定することです。
■解説1|
硫化水素は、ミトコンドリア内のシトクロムオキシダーゼ(シトクロムcオキシダーゼ)を阻害することで、細胞呼吸を抑制し、細胞のエネルギー産生を妨げます。この作用により、急性中毒が生じ、致死的な結果を招くことがあります。
四塩化炭素は、肝臓のシトクロムP450酵素系によって代謝される際に、トリクロロメチルラジカルなどの活性中間体を生成し、これが肝細胞膜脂質を過酸化させて肝障害を引き起こします。この過程には還元的脱ハロゲン化が関与しています。
■解説2|
硫化水素によるシトクロムオキシダーゼの阻害は、細胞呼吸チェーンの末端酵素であるこの酵素の活性部位に硫化物イオンが結合することにより起こります。これにより、酸素の消費が阻害され、細胞レベルでのエネルギー産生が停止します。
四塩化炭素の代謝において生成されるトリクロロメチルラジカルは、非常に反応性が高く、脂質二重層やタンパク質と反応して細胞膜を損傷します。この結果、肝細胞の崩壊と炎症が引き起こされ、急性肝不全を引き起こすことがあります。
■結論|
硫化水素(選択肢1)と四塩化炭素(選択肢3)は正しい記述であり、化学物質の毒性メカニズムに関する知識に基づいて正答と判断できる。
■補足 |
DEHPは、主に内分泌かく乱物質として知られており、直接的にヘム合成酵素を阻害するという証拠はありません。
塩化ビニルモノマーは、肝血管肉腫などの発がん性物質として知られていますが、アセチルコリンエステラーゼの阻害による神経毒性は示されていません。
カルバリルは、カルバメート系の殺虫剤であり、アセチルコリンエステラーゼを可逆的に阻害します。アコニターゼを阻害することによる呼吸器障害という記述は誤りです。


■■Gemini 1.5 Pro
■論点 |化学物質の毒性発現メカニズムの理解
この問題は、代表的な有害化学物質の毒性発現メカニズムを理解しているかを問うものです。具体的には、それぞれの化学物質が標的とする分子や細胞内器官、そしてそれが引き起こす生理学的変化を理解している必要があります。
■解説1|
• 硫化水素: 腐敗臭を持つ無色の気体です。ミトコンドリアの電子伝達系にあるシトクロムcオキシダーゼ(複合体IV)に結合し、その活性を阻害することで細胞呼吸を阻害します。高濃度の曝露は、呼吸麻痺を引き起こし、死に至る危険性があります。
• DEHP (フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)): プラスチックを柔軟にするための可塑剤として広く使用されています。内分泌かく乱物質として知られており、生殖毒性、発達毒性、肝毒性などが報告されています。DEHPは、ヘム合成を阻害するメカニズムは知られていません。
• 四塩化炭素: かつては洗浄剤や消化剤として広く使用されていましたが、その毒性のため、現在では使用が制限されています。肝臓でシトクロムP450によって代謝され、トリクロロメチルラジカル(・CCl3)などの活性代謝物を生成します。これらの活性代謝物は、肝細胞に損傷を与え、脂肪肝、肝硬変、肝臓がんを引き起こす可能性があります。
• 塩化ビニルモノマー: ポリ塩化ビニルの原料となる物質です。肝臓で代謝され、エポキシドなどの反応性代謝物を生成します。これらの代謝物は、DNAと反応し、遺伝子変異を引き起こすことで、肝臓がんのリスクを高める可能性があります。
• カルバリル: カルバメート系殺虫剤の一種です。昆虫のアセチルコリンエステラーゼを阻害することで、神経伝達を攪乱し、殺虫効果を示します。ヒトに対する毒性は比較的低いとされていますが、高濃度曝露では、アセチルコリンの蓄積による中毒症状を引き起こすことがあります。
■解説2|
各化学物質の詳細な毒性発現メカニズムを理解し、人体への影響を分子・細胞レベルで説明できるようになることが求められます。
■結論 |
選択肢1「硫化水素は、ミトコンドリアのシトクロムオキシダーゼの阻害により、細胞呼吸を抑制する。」と
選択肢3「四塩化炭素は、シトクロムP450によって還元的に脱ハロゲン化されて、肝障害を引き起こす。」
が正しい記述です。 *正答|1と3です。


衛生|問 106-133 ■正答|2
毒性試験に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
■選択肢

  1. 一般毒性試験は、単回投与毒性試験と反復投与毒性試験に大別される。

  2. 反復投与毒性試験は、50%致死量(LD50)を求めるのに利用される。

  3. 遺伝毒性試験のうち、小核試験では染色体異常を検出する。

  4. 催奇形性試験では、被験物質を妊娠中の母動物に投与した時の胎仔の発生及び発育に対する影響を観察する。

  5. 発がん性試験では、動物に被験物質を長期にわたって連続投与し、悪性腫瘍の発生の有無を観察する。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点 |毒性試験 / 種類・目的
この問題の論点は、毒性試験の種類とその目的に関する正確な理解です。
■解説1|
毒性試験に関する記述の中で、誤っているのは次の1つです。
2. 反復投与毒性試験は、50%致死量(LD50)を求めるのに利用される。
■解説2|
2. 反復投与毒性試験は、単回投与毒性試験とは異なり、ある化学物質を一定期間にわたって繰り返し投与してその毒性を評価する試験です。そのため、50%致死量(LD50)を求めるための試験ではありません。一般的には、この試験によって慢性的な影響や生体への蓄積効果を評価します。
■結論 |
毒性試験に関する記述の中で、反復投与毒性試験が50%致死量(LD50)を求めるための試験ではないことが示されています。反復投与毒性試験は、ある化学物質の慢性的な毒性や生体への蓄積効果を評価するために行われます。


■■Gemini 1.5 Pro
■論点 |毒性試験の種類と目的の理解
この問題は、代表的な毒性試験の種類とそれぞれの目的を理解しているかどうかを問うています。特に、各試験で何が評価され、どのような指標を用いるのかを理解することが重要です。
■解説1|
• 一般毒性試験: 被験物質を投与した際に、動物にどのような毒性反応が現れるかを評価する試験です。単回投与毒性試験と反復投与毒性試験に大別されます。
単回投与毒性試験: 被験物質を1回投与し、短期間(通常は14日間) 観察を行う試験です。主に、被験物質の急性毒性を評価し、50%致死量(LD50)などを算出します。
反復投与毒性試験: 被験物質を繰り返し投与し、長期間(通常は28日以上) 観察を行う試験です。主に、被験物質の慢性毒性を評価します。
• 遺伝毒性試験: 被験物質がDNAや遺伝子に影響を与える可能性を評価する試験です。遺伝子突然変異、染色体異常などを指標に評価します。代表的な試験には、Ames試験、染色体異常試験、小核試験などがあります。
• 催奇形性試験: 被験物質を妊娠中の母動物に投与し、胎児への影響を評価する試験です。胎児の死亡、奇形、発育遅延などを指標に評価します。
• 発がん性試験: 被験物質を動物に長期間投与し、がんの発生率を評価する試験です。通常、ラットやマウスを用い、2年以上という長期間にわたる投与と観察を行います。
■解説2|
反復投与毒性試験では、主に被験物質の慢性毒性を評価します。慢性毒性とは、物質に長期間または反復して曝露された場合に現れる毒性のことです。この試験では、体重変化、摂餌量変化、血液学的検査、血液生化学的検査、臓器重量測定、病理組織学的検査などの指標を用いて、被験物質の慢性毒性を評価します。
■結論 |
選択肢2「反復投与毒性試験は、50%致死量(LD50)を求めるのに利用される。」
という記述は誤りです。 *正答|2です。


衛生|問 108-133 ■正答|3 4
毒性試験に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 食品添加物の指定を申請する際には、単回投与毒性試験を行う必要がある。

  2. 反復投与毒性試験の目的は、半数致死量(LD50)を求めることである。

  3. 化学物質の毒性試験には、一般毒性試験と特殊毒性試験がある。

  4. 食品添加物の指定を申請する際には、アレルゲン性(抗原性)試験を行う必要がある。

  5. 発がん性試験では、ラットやマウスに被験化学物質を反復投与して90日間における腫瘍の発生の有無を調べる。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点 |毒性試験の種類と目的
この問題の論点は、毒性試験の種類とその目的を特定することです。
■解説1|
3. 化学物質の毒性試験には一般毒性試験と特殊毒性試験があります。一般毒性試験には急性毒性試験や亜急性毒性試験が含まれ、特殊毒性試験には発がん性試験、変異原性試験、アレルゲン性試験などが含まれます。これらの試験は化学物質のリスク評価に重要な役割を果たします。
4. 食品添加物の指定を申請する際には、アレルゲン性(抗原性)試験が必要です。これは食品添加物が免疫系に影響を及ぼし、アレルギー反応を引き起こす可能性を評価するためです。
■解説2|
3. 一般毒性試験は、化学物質の基本的な毒性を評価するための試験であり、特殊毒性試験は特定の毒性作用(例:発がん性、催奇形性など)を評価するための試験です。これにより、化学物質の総合的な安全性が評価されます。
4. アレルゲン性試験では、食品添加物がアレルギー反応を引き起こす可能性を評価します。この試験は、免疫系に対する影響を調べるために、動物試験や試験管内試験が用いられます。
■結論|
化学物質の毒性試験には一般毒性試験と特殊毒性試験があり(選択肢3)、食品添加物の指定を申請する際にはアレルゲン性試験を行う必要があります(選択肢4)。これらの記述は毒性試験に関する正しい知識に基づいています。
■補足 |
食品添加物の指定を申請する際には、通常、単回投与毒性試験だけでなく、亜急性毒性試験、慢性毒性試験などの多くの毒性試験が必要です。
反復投与毒性試験は、化学物質の長期的な影響を評価するための試験であり、半数致死量(LD50)を求める目的ではありません。LD50は急性毒性試験で求められます。
発がん性試験では、通常ラットやマウスに2年間の長期にわたって被験化学物質を投与し、腫瘍の発生の有無を調べます。90日間の試験は通常、亜急性毒性試験の期間です。


■■Gemini 1.5 Pro
■論点 |毒性試験の種類と目的、適用法規の理解
この問題は、毒性試験の種類と目的、さらにそれが適用される法規制について正しく理解しているかを問うものです。単に試験の内容を知るだけでなく、その背景にある法規制やリスク評価の概念まで理解することが重要です。
■解説1|
• 一般毒性試験と特殊毒性試験: 毒性試験は、被験物質の毒性を評価する上で非常に重要です。一般毒性試験は、前述の通り、単回投与毒性試験と反復投与毒性試験に分けられます。特殊毒性試験は、特定の臓器や器官に対する毒性、発がん性、遺伝毒性、生殖発生毒性など、より詳細な毒性評価を行うための試験です。
• 食品添加物の安全性試験: 食品添加物の安全性試験は、食品衛生法に基づいて実施されます。食品添加物の指定申請には、様々な試験データの提出が必要であり、その中には一般毒性試験(単回投与、反復投与)、遺伝毒性試験、発がん性試験に加えて、アレルゲン性試験(抗原性試験)も含まれます。
■解説2|
• 食品添加物のアレルゲン性試験: 食品添加物のアレルゲン性試験は、食品を摂取した際に、アレルギー反応を引き起こす可能性(抗原性)を評価する試験です。近年、食物アレルギーは増加傾向にあり、食品の安全性確保の観点から重要な試験となっています。
• 発がん性試験: 発がん性試験では、ラットやマウスに被験化学物質を通常2年間という長期間にわたって反復投与し、腫瘍の発生の有無を調べます。90日間という短期間では、発がん性を評価することはできません。
■結論 |
選択肢3「化学物質の毒性試験には、一般毒性試験と特殊毒性試験がある。」と
選択肢4「食品添加物の指定を申請する際には、アレルゲン性(抗原性)試験を行う必要がある。」
が正しい記述です。 *正答|3と4です。


衛生|問 109-133 ■正答|3 5
ヒ素に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 無機ヒ素化合物の毒性は、5価のヒ素の方が、3価のヒ素より強い。

  2. アルセノベタインは、無機ヒ素と比べて急性毒性が強い。

  3. ヒ素及び無機ヒ素化合物は、国際がん研究機関(IARC)の発がん性分類グループ1(ヒトに対する発がん性が認められる)に分類されている。

  4. 無機ヒ素化合物による急性中毒時には、解毒薬として亜硝酸アミルが用いられる。

  5. 無機ヒ素化合物は、地殻中に広く分布し、汚染された地下水の飲用による健康被害が世界的に問題となっている。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点 |ヒ素の毒性と環境中の影響
この問題の論点は、ヒ素の毒性と環境中の影響について正しく理解することです。
■解説1|
3. ヒ素及び無機ヒ素化合物は、国際がん研究機関(IARC)の発がん性分類でグループ1に分類されています。これは、ヒトに対する発がん性が明確に認められていることを意味します。長期間のヒ素曝露は、皮膚がん、肺がん、膀胱がんなどのリスクを増加させます。
5. 無機ヒ素化合物は地殻中に広く分布しており、特に汚染された地下水を飲用することで健康被害を引き起こすことが世界的に問題となっています。バングラデシュやインドなどの地域では、飲料水中のヒ素汚染が深刻な健康問題となっています。
■解説2|
3. IARCグループ1は、疫学的研究と動物実験の双方において十分な証拠があり、ヒトに対する発がん性が確認された物質が分類されます。ヒ素及び無機ヒ素化合物は、長期曝露による慢性的な健康リスクが高いとされています。
5. 地下水中のヒ素汚染は、自然由来のものと人為的な活動によるものがあります。自然由来のヒ素汚染は、地質学的な特性によるものが多く、人々がこれを飲用することで慢性中毒が発生します。世界保健機関(WHO)は、飲料水中のヒ素濃度のガイドラインを0.01 mg/Lと定め、各国に対策を求めています。
■結論|
ヒ素及び無機ヒ素化合物はIARCの発がん性分類グループ1に分類されている(選択肢3)ことと、無機ヒ素化合物が地殻中に広く分布し、汚染された地下水の飲用による健康被害が世界的に問題となっている(選択肢5)ことが正しい記述です。
■補足 |
無機ヒ素化合物の毒性は、一般に3価のヒ素(As³⁺)の方が5価のヒ素(As⁵⁺)よりも強いです。
アルセノベタインは、一般に毒性が低い有機ヒ素化合物であり、無機ヒ素と比べて急性毒性は弱いです。
無機ヒ素化合物による急性中毒時の解毒には、通常は亜硫酸アミルではなく、ジメルカプロール(BAL)などが使用されます。


■■Gemini 1.5 Pro
■論点 |ヒ素の毒性、環境汚染、健康への影響の理解
この問題は、ヒ素の毒性、環境中の存在形態、健康への影響、国際的な規制について正しく理解しているかを問うものです。特に、ヒ素の価数による毒性の違いや、環境汚染による健康被害は重要なトピックです。
■解説1|
• ヒ素の毒性: ヒ素の毒性は、その化学形態に大きく依存します。一般的に、3価のヒ素は5価のヒ素よりも毒性が強いとされています。
• アルセノベタイン: 魚介類に多く含まれる有機ヒ素化合物です。ヒトに対する毒性は非常に低く、ほとんど代謝されずに体外に排出されます。
• IARCの発がん性分類: ヒ素および無機ヒ素化合物は、IARCの発がん性分類において、グループ1(ヒトに対する発がん性が認められる)に分類されています。長期間、高濃度のヒ素に曝露されると、皮膚がん、肺がん、膀胱がん、腎臓がんなどのリスクが増加することが知られています。
• ヒ素中毒の治療: 無機ヒ素化合物による急性中毒時には、解毒剤としてdimercaprol (BAL)やsuccimer (DMSA)などが用いられます。
• ヒ素による環境汚染: 無機ヒ素化合物は、地殻中に広く分布しており、火山活動や鉱山の開発などによって環境中に放出されます。また、過去には農薬や木材防腐剤としてヒ素化合物が使用されており、その影響で土壌や地下水が汚染されている地域もみられます。ヒ素で汚染された地下水を飲料水として使用することで、慢性的なヒ素中毒を引き起こす可能性があります。
■解説2|
バングラデシュやインド西ベンガル州など、地下水のヒ素汚染が深刻な地域では、皮膚の色素沈着異常、皮膚がん、肺がん、膀胱がん、などの健康被害が多数報告されています。WHOは、飲料水中のヒ素濃度ガイドライン値を0.01 mg/Lとしていますが、汚染地域では、この値を大幅に超えるヒ素が検出されることがあります。
■結論 |
選択肢3「ヒ素及び無機ヒ素化合物は、国際がん研究機関(IARC)の発がん性分類グループ1(ヒトに対する発がん性が認められる)に分類されている。」と
選択肢5「無機ヒ素化合物は、地殻中に広く分布し、汚染された地下水の飲用による健康被害が世界的に問題となっている。」
が正しい記述です。 *正答|3と5です。


衛生|問 109-134 ■正答|1 4
化学物質の毒性試験に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 単回投与毒性試験(急性毒性試験)から得られる半数致死量は、毒物及び劇物の分類の判定に利用されている。

  2. 反復投与毒性試験(慢性毒性試験)は、特殊毒性試験に含まれる。

  3. 微生物を用いる復帰突然変異試験は、非遺伝毒性発がん物質のスクリーニングに用いられている。

  4. 食品添加物のアレルゲン性試験(抗原性試験)は、遅延型アレルギーを指標とする試験方法である。

  5. 催奇形性試験(発生毒性試験)は、被験物質を交配前の雌性動物に投与して行う。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点 |化学物質の毒性試験の種類と方法
この問題の論点は、化学物質の毒性試験の種類とその方法について正しく理解することです。
■解説1|
単回投与毒性試験(急性毒性試験)から得られる半数致死量(LD50)は、化学物質の急性毒性の指標として広く使用されています。特に毒物及び劇物の分類の判定に利用され、急性毒性の強さに基づいて分類が決定されます。
食品添加物のアレルゲン性試験(抗原性試験)は、遅延型アレルギー(IV型アレルギー)を指標として実施されます。この試験は、化学物質が免疫系に与える影響を評価するために行われ、皮膚感作試験などの方法が用いられます。
■解説2|
LD50は、化学物質の急性毒性を評価するための基本的な指標であり、特定の用量で試験動物の半数が死亡する量を示します。このデータは、毒性の強さを比較するための標準的な指標として用いられます。
遅延型アレルギーは、化学物質がT細胞を介して引き起こすアレルギー反応で、通常48〜72時間後に発症します。この試験方法には、モルモット最大化試験(GPMT)や局所リンパ節試験(LLNA)が含まれます。
■結論|
単回投与毒性試験から得られる半数致死量(LD50)が毒物及び劇物の分類の判定に利用されている(選択肢1)ことと、食品添加物のアレルゲン性試験が遅延型アレルギーを指標とする試験方法である(選択肢4)ことが正しい記述です。
■補足 |
反復投与毒性試験は、長期間の毒性を評価するための一般毒性試験に含まれますが、特殊毒性試験には分類されません。
微生物を用いる復帰突然変異試験(Ames試験)は、遺伝毒性発がん物質のスクリーニングに用いられます。非遺伝毒性発がん物質には適用されません。
催奇形性試験(発生毒性試験)は、通常、交配後の妊娠動物に被験物質を投与して胎児の奇形発生を評価します。交配前の雌性動物に投与することは一般的ではありません。


■■Gemini 1.5 Pro
■論点 |毒性試験の分類と目的、適用法規の理解
この問題では、毒性試験に関する基礎知識とその応用について問われています。特に、各試験がどのような目的で実施され、どのような情報を提供するのかを理解することが重要です。
■解説1|
• 単回投与毒性試験: 被験物質を1回投与して、短期間における毒性を評価する試験です。この試験から得られるLD50(半数致死量)は、毒物及び劇物の指定基準の一つとして、毒物及び劇物取締法で使用されています。
• 反復投与毒性試験: 被験物質を繰り返し投与して、長期間における毒性を評価する試験です。この試験は、一般毒性試験に分類されます。
• 復帰突然変異試験: 被験物質が変異原性を持つ物質であるかどうかを調べる試験です。一般的には、サルモネラ菌などの細菌を用いて行います。
• アレルゲン性試験: 被験物質がアレルギー反応を引き起こす可能性を評価する試験です。食品添加物の安全性試験では、遅延型アレルギー反応を指標とした試験方法が用いられています。
• 催奇形性試験: 被験物質を妊娠中の母動物に投与し、胎児に対する影響を評価する試験です。被験物質は、妊娠中の特定の時期に投与されます。交配前の雌性動物に投与しても、胎児に対する影響を評価することはできません。
■解説2|
毒性試験の結果は、ヒトに対するリスク評価に用いられます。リスク評価とは、ある物質への曝露によって、ヒトの健康に悪影響が生じる可能性やその程度を科学的に判断することです。
■結論 |
選択肢1「単回投与毒性試験(急性毒性試験)から得られる半数致死量は、毒物及び劇物の分類の判定に利用されている。」と
選択肢4「食品添加物のアレルゲン性試験(抗原性試験)は、遅延型アレルギーを指標とする試験方法である。」
が正しい記述です。 *正答|1と4です。


衛生|問 106-135 ■正答|1 3
発がん物質の代謝活性化に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. o-トルイジンは、シトクロムP450によりヒドロキシルアミン体となり、さらにアセチル化反応により活性化される。

  2. サイカシンは、ベンジルアルコール型代謝物のエステルに活性化される。

  3. スチレンは、シトクロムP450によりスチレンオキシドに活性化される。

  4. ビス(クロロメチル)エーテルは、グルタチオン抱合により活性化される。

  5. ナイトロジェンマスタードは、酸化的代謝反応で生じるアルキルジアゾヒドロキシドに活性化される。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点 |発がん物質の代謝活性化
この問題の論点は、発がん物質の代謝活性化を特定することです。
■解説1|
o-トルイジンは、シトクロムP450によってヒドロキシルアミン体に代謝され、その後アセチル化されてDNAと反応する化合物に活性化されます。
スチレンは、シトクロムP450による代謝でスチレンオキシドに変換されます。スチレンオキシドはDNAと反応し、遺伝子変異を引き起こすことがあります。
■解説2|
o-トルイジンの代謝経路:
シトクロムP450によりヒドロキシルアミン体に変換された後、さらにアセチル化されて発がん性を持つ化合物に活性化されます。このプロセスは膀胱がんの発症に関連しています。
スチレンの代謝経路:
スチレンはシトクロムP450によってスチレンオキシドに変換されます。スチレンオキシドはエポキシド類であり、DNAと反応して突然変異を引き起こすことがあります。これにより発がん性が認められます。
■結論 |
o-トルイジン(選択肢1)とスチレン(選択肢3)は、正しい記述です。これらの化合物はシトクロムP450による代謝で活性化され、発がん性を示す代謝物を生成します。
■補足 |
サイカシンは、実際にはβ-グルコシダーゼによりメチルカビノールを生成し、それが発がん性を持つ代謝物に変わります。ベンジルアルコール型代謝物ではありません。
ビス(クロロメチル)エーテルは、直接DNAと反応することで発がん性を持ちますが、グルタチオン抱合による活性化は一般的ではありません。
ナイトロジェンマスタードは、アルキル化剤として直接DNAを損傷させる作用を持ち、酸化的代謝反応でアルキルジアゾヒドロキシドには変換されません。


■■Gemini 1.5 Pro
■論点 |発がん物質の代謝活性化の理解
この問題では、発がん物質の代謝活性化のメカニズムを理解しているか問われています。代謝活性化とは、体内で代謝される過程で、より反応性が高く、毒性の強い物質に変換される現象です。
■解説1|
• o-トルイジン: かつて染料やゴムの製造に使用されていた化学物質です。シトクロムP450によって代謝され、ヒドロキシルアミン体となり、さらにアセチル化反応を受けることで、反応性の高いN-アセトキシル化体を生成します。この代謝産物が、DNAと反応することで発がん性を示すと考えられています。
• サイカシン: ソテツなどの植物に含まれる配糖体です。腸内細菌のβ-グルコシダーゼによって加水分解され、発がん性物質であるメチルアゾキシメタノール(MAM)を生成します。
• スチレン: ポリスチレンなどの合成樹脂の原料となる物質です。シトクロムP450によって代謝され、スチレンオキシドに変換されます。スチレンオキシドは、DNAと反応することで、遺伝子変異を引き起こし、発がん性を示すと考えられています。
• ビス(クロロメチル)エーテル: かつては化学兵器として使用されていた物質です。体内で加水分解され、反応性の高いカルボカチオンを生成し、DNAと反応することで発がん性を示します。
• ナイトロジェンマスタード: 抗がん剤として使用されています。体内で環化反応を起こし、発がん性のあるエチレンイミニウムイオンを生成します。
■解説2|
多くの発がん物質は、それ自身がDNAと反応するわけではありません。体内で代謝酵素によって代謝され、より反応性の高い物質に変換されることで、DNAと反応し、発がん性を示すようになります。
■結論 |
選択肢1「o-トルイジンは、シトクロムP450によりヒドロキシルアミン体となり、さらにアセチル化反応により活性化される。」と
選択肢3「スチレンは、シトクロムP450によりスチレンオキシドに活性化される。」
が正しい記述です。 *正答|1と3です。


衛生|問 108-135 ■正答|3 5
化審法*及び化管法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。*化審法: 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律化管法: 特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律
■選択肢

  1. 化審法の対象となる物質は、新規化学物質のみであり、化審法の公布前に製造・輸入されていた既存化学物質は、対象とはならない。

  2. 化審法における監視化学物質は、難分解性、低蓄積性であり、ヒト及び生活環境動植物に対して長期毒性を有する物質である。

  3. 化審法において、分解性の判定には活性汚泥が用いられる。

  4. 化管法において、安全データシート(SDS)制度は、対象となる事業者が対象化学物質の排出・移動量を国に届け出る制度である。

  5. 化管法において、PRTR制度の対象物質は、SDS制度の対象物質に指定されている。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点 |化学物質の規制と管理制度の理解
この問題の論点は、化学物質の規制と管理制度について正しく理解することです。
■解説1|
3. 化審法において、化学物質の分解性の判定には活性汚泥が用いられます。これは、活性汚泥が微生物の集合体であり、化学物質の分解試験においてその活性を利用するためです。分解性の判定は、化学物質が環境中でどの程度分解されるかを評価するための重要なステップです。
5. 化管法におけるPRTR制度(Pollutant Release and Transfer Register制度)は、対象物質の環境への排出量及び移動量を把握し、これを公表することで、事業者に対して管理の改善を促すものです。PRTR制度の対象物質は、SDS制度の対象物質にも指定されています。
■解説2|
3. 活性汚泥試験は、国際的にも広く用いられる標準的な方法であり、微生物の分解活性を測定することで化学物質の環境中での分解性を評価します。この試験はOECD試験ガイドライン301Cに基づいて行われます。
5. PRTR制度は、環境中への化学物質の排出や事業所外への移動を把握し、これを公表することで環境リスクの低減を図る制度です。SDS制度は、化学物質の取扱情報を提供するものであり、両制度の対象物質が重なることは法的要請に基づいています。
■結論|
化審法において分解性の判定に活性汚泥が用いられる(選択肢3)ことと、化管法においてPRTR制度の対象物質がSDS制度の対象物質に指定されている(選択肢5)ことが正しい記述です。
■補足 |
化審法の対象は新規化学物質のみならず、既存化学物質も評価対象に含まれます。
化審法における監視化学物質は、難分解性であり、かつ高蓄積性である物質で、ヒトおよび環境に対して長期毒性を持つ可能性のある物質です。
安全データシート(SDS)制度は、事業者が化学物質の安全情報を提供するものであり、排出・移動量を国に届け出る制度ではありません。その役割はPRTR制度です。


■■Gemini 1.5 Pro
■論点 |化学物質管理に関する法規制の理解
この問題は、日本の化学物質管理の枠組みを支える二つの主要な法律、化審法と化管法について、それぞれの目的、対象物質、規制内容を理解しているか問うものです。
■解説1|
• 化審法: 正式名称は「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」です。新規化学物質の製造や輸入の前に、事前に安全性に関する審査を行い、人への健康影響や環境への影響を未然に防止することを目的としています。化審法では、新規化学物質だけでなく、既存化学物質についても安全性評価を実施し、必要に応じて規制措置を講じています。
• 監視化学物質: 難分解性で、環境中に蓄積する性質があり、かつヒトや生態系に対して長期的な毒性を有するおそれがある化学物質です。
• 分解性試験: 化審法では、新規化学物質の分解性を評価するために、OECDの試験ガイドラインなどに基づいた分解性試験が実施されます。分解性試験には、活性汚泥を用いた試験などが含まれます。活性汚泥とは、下水処理などで用いられる微生物の集合体であり、化学物質の分解能力を評価するために利用されます。
• 化管法: 正式名称は「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」です。環境汚染を防止するため、事業者による化学物質の排出量や移動量の把握、管理の改善、情報公開などを推進することを目的としています。
• PRTR制度: Pollutant Release and Transfer Registerの略で、特定の化学物質を一定量以上、環境中に排出・移動させる事業者に対して、その種類、量などを届け出ることを義務付けた制度です。排出・移動量の情報は、毎年公表されます。
• SDS制度: Safety Data Sheetの略で、化学物質の危険性や安全な取り扱い方法などを記載した書類です。化管法では、対象となる化学物質を他の事業者に譲渡または提供する際に、SDSを交付することが義務付けられています。
■解説2|
化管法と化審法は、それぞれ異なる目的と対象を持つ法律ですが、両者を連携させることで、より効果的な化学物質管理が図られています。
■結論 |
選択肢3「化審法において、分解性の判定には活性汚泥が用いられる。」と
選択肢5「化管法において、PRTR制度の対象物質は、SDS制度の対象物質に指定されている。」
が正しい記述です。 *正答|3と5です。


衛生|問 106-136 ■正答|4 5
電離放射線の防御に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 防御の3原則である「時間」、「距離」、「遮へい」は、内部被曝の低減を目的としている。

  2. α線はX線やγ線に比べて電離作用が強いので、外部被曝の危険性が高い。

  3. 32Pから放出されるエネルギーの強いβ-線を遮へいする場合は、鉛板や鉛ブロックを用いる。

  4. 安定ヨウ素剤は、甲状腺への131Iの蓄積を防ぐために投与される。

  5. 放射性同位体を摂取した後、体内の放射線量が半分になるまでの期間を有効半減期という。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点 |電離放射線の防御
この問題の論点は、電離放射線の防御方法および関連する知識を特定することです。
■解説1|
4. 安定ヨウ素剤は、甲状腺に集積する放射性ヨウ素(131I)を防ぐために投与される。これは、放射性ヨウ素の吸収を競合的に阻害し、甲状腺が被曝するのを防ぐ方法である。
5. 有効半減期とは、放射性同位体が体内に取り込まれた後、体内の放射線量が物理的半減期と生物学的半減期の両方の影響を受けて半分になるまでの時間のことである。
■解説2|
4. 事故や放射線治療において、放射性ヨウ素が体内に取り込まれると甲状腺に集まりやすい。安定ヨウ素剤を事前に摂取することで、甲状腺が放射性ヨウ素を取り込むのを防ぐ。
5. 有効半減期は、放射性物質が体外に排出される速度(生物学的半減期)と放射性崩壊の速度(物理的半減期)の両方を考慮したものである。これにより、体内における放射線の減少速度が決まる。
■結論|
安定ヨウ素剤の投与(選択肢4)および有効半減期の定義(選択肢5)は正しい記述である。これらの選択肢は電離放射線の防御に関する知識に基づいて正答と判断できる。
■補足 |
防御の3原則である「時間」、「距離」、「遮へい」は主に外部被曝の低減を目的としている。内部被曝の低減には別のアプローチが必要である。
α線は電離作用が強いが、透過力が非常に低く、皮膚を通過できないため、外部被曝の危険性は低い。主に内部被曝時に危険となる。
β-線は軽い素材(アクリル板など)で遮へいするのが適切であり、鉛のような重金属は不要。鉛は主にX線やγ線の遮へいに使用される。


■■Gemini 1.5 Pro
■論点 |電離放射線の人体影響と防御に関する知識の理解
この問題では、電離放射線の人体への影響とその防御方法に関する基礎知識を理解しているか問われています。特に、放射線の種類と性質、外部被ばくと内部被ばくの違い、防御の3原則、安定ヨウ素剤の作用機序、有効半減期などを理解することが重要です。
■解説1|
• 電離放射線の防護: 電離放射線から身を守るための基本的な考え方は、「正当化」、「最適化」、「線量制限」の3つです。
• 防御の3原則: 電離放射線による被ばくを減らすための基本的な原則として、「時間」、「距離」、「遮蔽」の3つがあります。
時間: 放射線源の近くにいる時間を短くすることで、被ばく量を減らすことができます。
距離: 放射線源からの距離を遠くすることで、被ばく量を減らすことができます。距離の2乗に反比例して被ばく量は減少します。
遮蔽: 放射線源と自分の間に遮蔽物を置くことで、被ばく量を減らすことができます。遮蔽物の種類は、放射線の種類やエネルギーによって異なります。
• α線: 電離作用が強く、物質を透過する力が弱い放射線です。そのため、外部被ばくよりも、α線を出す放射性物質を体内に取り込む内部被ばくの方が危険性が高いです。
• β線: α線よりも電離作用は弱く、物質を透過する力が強い放射線です。β線を遮蔽するには、アルミニウム板やプラスチック板などが有効です。32Pは、β線を放出する放射性同位体であり、トレーサー実験などで広く利用されています。
• 安定ヨウ素剤: 放射性ヨウ素(131I)の体内への取り込みを阻害するために使用されます。安定ヨウ素剤を服用することで、甲状腺が安定ヨウ素で飽和し、放射性ヨウ素の取り込みが抑制されます。
• 有効半減期: 放射性物質が体内に取り込まれた後、体内の放射線量が半分になるまでの期間です。物理学的半減期と生物学的半減期を考慮して算出されます。
■解説2|
電離放射線は、原子を電離させることができるエネルギーの高い放射線です。電離放射線には、α線、β線、γ線、X線、中性子線などがあります。電離放射線は、細胞のDNAに損傷を与え、がんや遺伝的影響を引き起こす可能性があります。
■結論 |
選択肢4「安定ヨウ素剤は、甲状腺への131Iの蓄積を防ぐために投与される。」と
選択肢5「放射性同位体を摂取した後、体内の放射線量が半分になるまでの期間を有効半減期という。」
が正しい記述です。 *正答|4と5です。


衛生|問 108-136 ■正答|1 2
放射性核種に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. じゃがいもの発芽防止には、60Coから放出されるγ線が利用される。

  2. 131I は、甲状腺がんの治療に利用される。

  3. 90Sr 及び239Puの集積する器官は主に筋肉である。

  4. 実効(有効)半減期は、生物学的半減期と物理学的半減期の差で表される。

  5. 222Rn 及び226RA|は、人工放射性核種である。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点 |放射性核種の利用と特性
この問題の論点は、放射性核種の利用方法およびその特性について特定することです。
■解説1|
じゃがいもの発芽防止には、60Co(コバルト60)から放出されるγ線が利用される。コバルト60は、強力なγ線を放出する放射性同位体であり、食品の保存や滅菌などにも利用される。
131I(ヨウ素131)は、甲状腺がんの治療に利用される。ヨウ素131はβ線とγ線を放出し、甲状腺細胞に取り込まれて治療効果を発揮する。
■解説2|
60Coのγ線は、発芽抑制効果が高く、低線量で長期間の効果が得られるため、食品保存に有効である。食品の照射は国際的にも広く行われている。
131Iは、甲状腺がんや過剰な甲状腺機能を抑えるために使用される。甲状腺はヨウ素を選択的に取り込む性質があるため、放射性ヨウ素を用いた治療が有効である。
■結論|
じゃがいもの発芽防止に60Coのγ線が利用される(選択肢1)および131Iが甲状腺がんの治療に利用される(選択肢2)は正しい記述である。これらの選択肢は放射性核種の利用と特性に関する知識に基づいて正答と判断できる。
■補足 |
90Sr(ストロンチウム90)及び239Pu(プルトニウム239)は、主に骨に集積する。特に90Srはカルシウムに類似した化学的性質を持つため、骨に取り込まれやすい。
実効(有効)半減期は、生物学的半減期と物理学的半減期の「和」で表される。具体的には、両者の影響を同時に考慮した時間である。
222Rn(ラドン)及び226Ra(ラジウム)は、天然の放射性核種である。これらは自然界に存在し、特に222Rnはウラン系列の崩壊生成物として知られている。


■■Gemini 1.5 Pro
■論点 |放射性核種の利用と人体影響の理解
この問題は、放射性核種の様々な用途と、人体への影響について正しく理解しているかを問うものです。特に、医療分野や食品照射における利用、体内への蓄積と影響、物理学的半減期と生物学的半減期の概念を理解していることが重要です。
■解説1|
• 60Co: コバルトの放射性同位体です。γ線を放出し、その透過力の強さから、医療分野ではがん治療(放射線治療)や医療機器の滅菌などに利用されています。また、食品照射として、じゃがいもの発芽防止にも利用されています。これは、γ線がじゃがいもの細胞分裂を阻害することで、発芽を抑制する効果を利用したものです。
• 131I: ヨウ素の放射性同位体です。甲状腺ホルモンの合成に利用されるヨウ素の性質を利用して、甲状腺機能亢進症の治療や甲状腺がんの治療に利用されます。131Iは甲状腺に集積し、β線とγ線を放出することで、甲状腺の機能を抑制したり、がん細胞を破壊したりします。
• 90Sr: ストロンチウムの放射性同位体です。β線を放出し、骨に蓄積しやすい性質があります。これは、ストロンチウムがカルシウムと化学的性質が似ているため、骨にカルシウムの代わりに取り込まれるためです。体内に入ると、骨髄に影響を与え、白血病などのリスクを高める可能性があります。
• 239Pu: プルトニウムの放射性同位体です。α線を放出し、肺や骨に蓄積しやすい性質があります。α線は電離作用が強く、細胞に大きな損傷を与える可能性があります。体内に入ると、肺がんや骨肉腫などのリスクを高める可能性があります。
• 実効半減期: 放射性核種が体内に取り込まれた後、体内の放射線量が半分になるまでの時間です。物理学的半減期(放射性核種が物理的に崩壊して半分になるまでの時間)と生物学的半減期(生物の代謝によって体外に排出されることで半分になるまでの時間)の両方を考慮して算出されます。実効半減期(Te)は、以下の式で表されます。
Te = (Tp x Tb) / (Tp + Tb) (Tp: 物理学的半減期, Tb: 生物学的半減期)
• 222Rn: ラドン222は、ウラン238の崩壊系列に属する放射性核種です。自然界に広く存在し、特に花崗岩などの岩石や土壌中に多く含まれています。無色無臭の気体で、呼吸によって肺に取り込まれます。ラドンとその娘核種から放出されるα線が肺がんのリスクを高めることが知られています。
• 226Ra: ラジウム226もウラン238の崩壊系列に属する放射性核種で、自然界に存在します。α線とγ線を放出し、骨に蓄積しやすい性質があります。骨に蓄積したラジウム226から放出される放射線が骨髄に損傷を与え、白血病などのリスクを高める可能性があります。
■解説2|
放射性核種は、医療分野、工業分野、農業分野など、様々な分野で利用されています。しかし、放射線は人体に有害な影響を与える可能性があるため、その利用には厳格な管理と安全対策が必要です。放射線による人体への影響は、放射線の種類、エネルギー、被ばく量、被ばく時間、被ばく部位などによって異なります。
■結論 |
選択肢1「じゃがいもの発芽防止には、60Coから放出されるγ線が利用される。」と
選択肢2「131I は、甲状腺がんの治療に利用される。」
が正しい記述です。 *正答|1と2です。


衛生|問 106-137 ■正答|3 5
化学物質の環境内動態に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 生物濃縮の程度を示す指標である濃縮係数は、化学物質の環境中濃度と生体内濃度の差で表される。

  2. 1-オクタノール/水分配係数が小さい化学物質ほど、生物濃縮されやすい。

  3. 生物濃縮には、直接濃縮と間接濃縮があり、後者は食物連鎖によって引き起こされる。

  4. 直鎖型アルキルベンゼンスルホン酸は、分岐型のものに比べ環境中の微生物による分解を受けにくい。

  5. DDT(ジクロロジフェニルトリクロロエタン)及びその代謝物は、動物の脂肪組織に残留しやすい。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点 |化学物質の環境内動態と生物濃縮のメカニズム
この問題の論点は、化学物質の環境内動態と生物濃縮のメカニズムを特定することです。
■解説1|
3. 生物濃縮には、直接濃縮と間接濃縮があります。直接濃縮は生物が環境中の化学物質を直接取り込む過程であり、間接濃縮は食物連鎖を通じて化学物質が濃縮される過程です。後者は特に上位捕食者において顕著です。
5. DDTおよびその代謝物は脂溶性が高く、動物の脂肪組織に蓄積しやすいです。このため、DDTは環境中で長期間にわたり残留し、生物濃縮の原因となります。
■解説2|
3. 直接濃縮は水や空気などの媒体から生物が化学物質を直接取り込む現象で、間接濃縮は食物連鎖を通じて化学物質が次第に高濃度になる現象です。これにより、食物連鎖の上位に位置する生物ほど高濃度の化学物質を蓄積します。
5. DDTはその高い脂溶性から、体内の脂肪組織に蓄積されやすく、分解されにくいため、長期間にわたり生物の体内に残留します。この特性が環境中での持続性と生物濃縮を引き起こします。
■結論|
生物濃縮のメカニズムとして直接濃縮と間接濃縮がある(選択肢3)およびDDTが動物の脂肪組織に残留しやすい(選択肢5)は正しい記述であり、化学物質の環境内動態と生物濃縮のメカニズムに関する知識に基づいて正答と判断できます。
■補足 |
濃縮係数は、環境中の化学物質の濃度と生体内の化学物質の濃度の比で表されます。環境中の濃度と生体内の濃度の「差」ではありません。
1-オクタノール/水分配係数が大きい化学物質ほど脂溶性が高く、生物濃縮されやすいです。
直鎖型アルキルベンゼンスルホン酸は、分岐型のものに比べて微生物による分解を受けやすいです。分岐型は難分解性が高いため、環境中での残留性が高くなります。


■■Gemini 1.5 Pro
■論点 |化学物質の環境動態と生物濃縮の理解
この問題は、化学物質の環境中での動き(環境動態)と、生物濃縮のメカニズムについて理解しているかを問うものです。特に、生物濃縮に関わる重要な指標や、化学物質の性質と生物濃縮の関係、食物連鎖における生物濃縮、残留性有機汚染物質(POPs)の特性などを理解していることが重要です。
■解説1|
• 生物濃縮: 環境中の化学物質が生体内に取り込まれ、食物連鎖を通して上位の生物へと移行していく過程で、生体内濃度が高くなっていく現象を指します。
• 濃縮係数: 生物濃縮の程度を示す指標であり、生物体内濃度を環境中濃度で割った値で表されます。濃縮係数が大きいほど、生物濃縮の程度が大きいことを示します。
• 1-オクタノール/水分配係数: 化学物質の脂溶性と水溶性のバランスを示す指標です。1-オクタノール/水分配係数が大きい化学物質ほど、脂溶性が高く、生物濃縮されやすい傾向があります。
• 直接濃縮: 生物が、周囲の環境(水や土壌など)から直接、化学物質を取り込むことです。
• 間接濃縮: 生物が、食物を通して化学物質を取り込むことです。食物連鎖の上位に行くほど、間接濃縮によって生体内の化学物質濃度が高くなる傾向があります。
• 直鎖型アルキルベンゼンスルホン酸: 界面活性剤の一種です。分岐型のものに比べて、微生物による分解を受けやすい性質があります。
• DDT: 有機塩素系殺虫剤です。脂溶性が高く、生物濃縮されやすい性質があります。また、環境中で分解されにくいため、残留性有機汚染物質(POPs)として、国際的に規制されています。DDTは、食物連鎖を通して上位の生物へと移行し、鳥類の卵殻を薄くするなどの影響が報告されています。
■解説2|
生物濃縮は、環境中の化学物質が、食物連鎖を通して上位の生物へと移行していく過程で、生体内の濃度が高くなっていく現象です。生物濃縮は、化学物質の性質(脂溶性、分解性など)や生物の種、食物連鎖の位置などによって、その程度が異なります。
■結論 |
選択肢3「生物濃縮には、直接濃縮と間接濃縮があり、後者は食物連鎖によって引き起こされる。」と
選択肢5「DDT(ジクロロジフェニルトリクロロエタン)及びその代謝物は、動物の脂肪組織に残留しやすい。」
が正しい記述です。 *正答|3と5です。


衛生|問 107-137 ■正答|3 4
In_vitro遺伝毒性試験に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 不定期DNA合成(UDS)試験は、哺乳類細胞を用いて化学物質による突然変異を評価する方法である。

  2. マウスリンフォーマTK試験は、哺乳類細胞を用いて化学物質による生殖細胞遺伝毒性を評価する方法である。

  3. Ames試験は、細菌を用いて化学物質による復帰突然変異を評価する方法である。

  4. コメットアッセイは、哺乳類細胞を用いて化学物質によるDNA鎖の切断を評価する方法である。

  5. 小核試験は、細菌を用いて化学物質の染色体異常誘発性を評価する方法である。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点 |In_vitro遺伝毒性試験の手法と評価対象
この問題の論点は、In_vitro遺伝毒性試験の手法と評価対象を特定することです。
■解説1|
3. Ames試験は、細菌(サルモネラ菌など)を用いて化学物質が突然変異を引き起こす能力(復帰突然変異)を評価する方法です。この試験は、細菌株の遺伝子が特定のアミノ酸を合成できるようになるかどうかを確認することで、突然変異誘発性を検出します。
4. コメットアッセイは、哺乳類細胞を用いて化学物質がDNA鎖の切断を引き起こすかどうかを評価する方法です。この試験では、細胞のゲル電気泳動を行い、DNA損傷の程度を評価します。
■解説2|
3. Ames試験は、細菌の遺伝子を特定の変異型にしておき、試験化学物質によってこれが元の状態に戻る(復帰突然変異)頻度を測定することで、遺伝毒性を評価します。特に、発がん性のスクリーニング試験として広く用いられています。
4. コメットアッセイでは、細胞をアルカリまたは中性条件で電気泳動し、DNA損傷がある場合、DNAが「コメット」状に引き延ばされることで評価します。これにより、化学物質がDNAを損傷するかどうかを迅速に確認できます。
■結論|
Ames試験(選択肢3)とコメットアッセイ(選択肢4)は、In_vitro遺伝毒性試験として正しい記述であり、遺伝毒性評価の手法に関する知識に基づいて正答と判断できます。
■補足 |
不定期DNA合成(UDS)試験は、哺乳類細胞を用いて化学物質によるDNA修復を評価する方法ですが、突然変異の直接評価方法ではありません。
マウスリンフォーマTK試験は、哺乳類細胞を用いて体細胞の突然変異を評価する方法であり、生殖細胞遺伝毒性の評価には使用されません。
小核試験は、哺乳類細胞を用いて染色体異常や微小核の形成を評価する方法です。細菌を用いる試験ではありません。


■■Gemini 1.5 Pro
■論点 |in vitr遺伝毒性試験の種類と特徴の理解
この問題は、in vitro遺伝毒性試験の種類とそれぞれの試験方法、評価指標を理解しているかを問うものです。特に、それぞれの試験がどのような遺伝毒性を検出できるのか、どのような特徴を持つのかを理解することが重要です。
■解説1|
• In vitr遺伝毒性試験: 試験管内(in vitro)で、細胞や微生物を用いて化学物質の遺伝毒性を評価する試験です。
• 不定期DNA合成(UDS)試験: 化学物質によってDNAが損傷を受けた際に起こるDNA修復合成を測定する試験です。哺乳類培養細胞を用いて行われます。
• マウスリンフォーマTK試験: マウスリンパ腫細胞を用いて、化学物質による遺伝子突然変異を検出する試験です。
• Ames試験: サルモネラ菌などの細菌を用いて、化学物質による復帰突然変異を検出する試験です。復帰突然変異とは、突然変異によって失われた遺伝子機能が、再び獲得される変異のことです。Ames試験は、変異原性物質をスクリーニングする簡便な方法として広く用いられています。
• コメットアッセイ: 単細胞ゲル電気泳動法とも呼ばれます。化学物質によってDNAが損傷を受けると、DNA鎖が切断されます。コメットアッセイでは、このDNA鎖の切断を検出します。哺乳類培養細胞などを用いて行われ、DNAの損傷程度を定量的に評価することができます。
• 小核試験: 化学物質によって染色体が切断または損傷を受けると、細胞分裂の際に、核とは別に小さな核(小核)が形成されます。小核試験は、この小核の数を指標として、染色体異常誘発性を評価します。哺乳類培養細胞や動物個体を用いて行われます。
■解説2|
In vitr遺伝毒性試験は、化学物質の遺伝毒性を評価するための重要なツールです。これらの試験は、医薬品、食品添加物、農薬などの安全性評価に広く利用されています。
■結論 |
選択肢3「Ames試験は、細菌を用いて化学物質による復帰突然変異を評価する方法である。」と
選択肢4「コメットアッセイは、哺乳類細胞を用いて化学物質によるDNA鎖の切断を評価する方法である。」
が正しい記述です。 *正答|3と4です。


衛生|問 108-137 ■正答|1 3
地球環境保全の国際的な取組に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. バーゼル条約は、有害廃棄物の国境を超える移動及びその処分の規制に関する条約である。

  2. ストックホルム条約は、オゾン層を保護するための国際協力に関する条約である。

  3. ワシントン条約は、絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約である。

  4. ウィーン条約は、廃棄物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約である。

  5. ロンドン条約は、残留性有機汚染物質(POPs)の製造、使用及び輸出入に関する条約である。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点 |地球環境保全の国際的取組の内容
この問題の論点は、地球環境保全に関する国際的な取組や条約の内容を特定することです。
■解説1|
バーゼル条約は、有害廃棄物の国境を超える移動とその処分を規制することを目的とした条約である。この条約は、環境と人間の健康を守るために、有害廃棄物の管理を国際的に調整する枠組みを提供している。
ワシントン条約(CITES)は、絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引を規制するための条約である。この条約は、絶滅の危機に瀕している動植物を保護するために、取引を厳しく管理している。
■解説2|
バーゼル条約は、1989年に採択され、1992年に発効した。有害廃棄物の輸出入をコントロールし、不法な廃棄物の越境移動を防ぐことを目的としている。条約に加盟している国々は、適切な廃棄物処理の確保に努めている。
ワシントン条約(CITES)は、1973年に採択され、1975年に発効した。野生動植物の取引が生態系に与える影響を最小限に抑えるため、加盟国は取引規制を実施し、絶滅の危機に瀕する種を保護している。
■結論|
バーゼル条約(選択肢1)とワシントン条約(選択肢3)は正しい記述であり、地球環境保全に関する国際的な取組に関する知識に基づいて正答と判断できます。
■補足 |
ストックホルム条約は、残留性有機汚染物質(POPs)の製造、使用、及び輸出入を規制する条約であり、オゾン層保護に関する条約ではない。オゾン層保護に関する条約はモントリオール議定書である。
ウィーン条約は、オゾン層の保護に関する国際的な協力を目的とした条約であり、海洋汚染防止に関する条約ではない。
ロンドン条約(正式名称:ロンドン海洋投棄防止条約)は、廃棄物の海洋投棄を規制する条約であり、POPsの製造、使用、及び輸出入に関する条約ではない。


■■Gemini 1.5 Pro
■論点 |地球環境保全のための国際条約の理解
この問題では、地球環境問題に対する国際的な取り組みを理解しているか、具体的には主要な国際条約の内容を把握しているか、問われています。それぞれの条約がどのような問題を対象とし、どのような規制を設けているか理解することが重要です。
■解説1|
• バーゼル条約: 正式名称は「有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約」です。有害廃棄物の越境移動による環境汚染や健康被害を防止するために、輸出入の規制や適正な処理を義務付けています。
• ストックホルム条約: 正式名称は「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約」です。DDTやPCBなど、環境中で分解されにくく、生物蓄積性が高く、長距離移動する性質を持つ残留性有機汚染物質(POPs)の製造、使用、輸出入を規制しています。
• ワシントン条約: 正式名称は「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」です。絶滅のおそれのある野生動植物の国際取引を規制することで、種の保全を図っています。
• ウィーン条約: 正式名称は「オゾン層の保護に関するウィーン条約」です。オゾン層を破壊する物質の排出を削減し、オゾン層を保護することを目的としています。
• ロンドン条約: 正式名称は「廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約」です。船舶などからの廃棄物の海洋投棄を規制することで、海洋汚染を防止することを目的としています。
■解説2|
地球環境問題は、一国だけでは解決できない課題です。国際的な協力体制を構築し、共通のルールに基づいて取り組むことが重要です。
■結論 |
選択肢1「バーゼル条約は、有害廃棄物の国境を超える移動及びその処分の規制に関する条約である。」と
選択肢3「ワシントン条約は、絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約である。」
が正しい記述です。 *正答|1と3です。


衛生|問 109-137 ■正答|3 4
下水処理に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 標準活性汚泥法の曝気槽では、主に嫌気性細菌が有機物質を分解している。

  2. 標準活性汚泥法の最終沈殿池では、活性汚泥(フロック)の沈降性が低下することにより、有機物質の除去効率が上がる。

  3. 標準活性汚泥法において、最終沈殿池の汚泥の一部は、返送汚泥として曝気槽に戻され再利用されている。

  4. 標準活性汚泥法に比べて嫌気・無酸素・好気法は、リン及び窒素の除去効率が高い。

  5. 嫌気・無酸素・好気法において、リン蓄積菌は嫌気槽でリンを取り込み、好気槽でリンを放出している。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点 |下水処理技術のメカニズムと効果
この問題の論点は、下水処理技術のメカニズムとその効果を特定することです。
■解説1|
3. 標準活性汚泥法において、最終沈殿池で分離された汚泥の一部は、返送汚泥として曝気槽に戻され、活性汚泥(微生物群)を維持するために再利用されます。これにより、微生物の濃度を高め、有機物質の分解効率を向上させます。
4. 嫌気・無酸素・好気法(A2O法など)は、標準活性汚泥法に比べてリン及び窒素の除去効率が高いです。これは、特定の環境条件下で微生物がリンや窒素を取り込み、代謝するプロセスを利用しているためです。
■解説2|
3. 返送汚泥は、曝気槽に戻されることで微生物の活動を持続させる役割を果たし、下水中の有機物や栄養塩類の分解を促進します。このプロセスは、活性汚泥法の基本的なメカニズムです。
4. 嫌気・無酸素・好気法は、嫌気状態、無酸素状態、好気状態の3つの環境を順次利用することで、窒素とリンの効果的な除去を実現しています。これにより、下水中の栄養塩類が削減され、 eutrophication(富栄養化)の防止に寄与します。
■結論|
標準活性汚泥法において返送汚泥が曝気槽に戻されている(選択肢3)および嫌気・無酸素・好気法がリンと窒素の除去効率が高い(選択肢4)は正しい記述であり、下水処理技術のメカニズムと効果に関する知識に基づいて正答と判断できます。
■補足 |
標準活性汚泥法の曝気槽では、主に好気性細菌が有機物質を分解しています。嫌気性細菌は嫌気状態で働きます。
最終沈殿池では、活性汚泥の沈降性が低下すると有機物質の除去効率が下がります。高い沈降性が有機物質の効果的な除去に重要です。
嫌気・無酸素・好気法において、リン蓄積菌は嫌気槽でリンを放出し、好気槽でリンを取り込んで蓄積します。


■■Gemini 1.5 Pro
■論点 |下水処理のメカニズムと処理方法の理解
この問題は、下水処理の主要な方法である標準活性汚泥法と嫌気・無酸素・好気法について、それぞれのメカニズムと特徴を理解しているかを問うものです。特に、微生物の働き、汚泥の役割、リンや窒素の除去方法などを理解することが重要です。
■解説1|
• 標準活性汚泥法: 下水処理で最も広く用いられている方法です。活性汚泥と呼ばれる微生物の塊(フロック)を利用して、下水中の有機物を分解し、浄化します。
曝気槽: 活性汚泥に酸素を供給し、有機物の分解を促進する槽です。主に好気性細菌が活発に活動し、有機物を分解します。
最終沈殿池: 処理水と活性汚泥を分離する槽です。活性汚泥は沈降し、処理水は上澄みとして排出されます。
返送汚泥: 最終沈殿池で沈殿した活性汚泥の一部は、曝気槽に戻され、再利用されます。これは、曝気槽内の微生物濃度を維持し、処理効率を高めるためです。
• 嫌気・無酸素・好気法: 標準活性汚泥法に比べて、リンや窒素の除去効率が高い方法です。嫌気槽、無酸素槽、好気槽を組み合わせることで、リンや窒素を除去する微生物を効率的に活性化します。
リン蓄積菌: 嫌気・無酸素・好気法で重要な役割を果たす微生物です。嫌気槽で有機物を分解し、その際にリンを細胞内に蓄積します。好気槽では、蓄積したリンを放出しながら、有機物を分解します。
■解説2|
下水処理は、生活排水や工場排水などを浄化し、河川や海などの公共用水域の水質汚染を防止するために重要な役割を果たしています。
■結論 |
選択肢3「標準活性汚泥法において、最終沈殿池の汚泥の一部は、返送汚泥として曝気槽に戻され再利用されている。」と
選択肢4「標準活性汚泥法に比べて嫌気・無酸素・好気法は、リン及び窒素の除去効率が高い。」
が正しい記述です。 *正答|3と4です。


衛生|問 106-138 ■正答|2 3
地球環境問題とそれに対する国際的な取組の組合せとして、正しいのはどれか。2つ選べ。地球環境問題|国際的な取組
■選択肢

  1. オゾン層の破壊|ロンドン条約

  2. 地球温暖化|パリ協定

  3. 水銀による汚染|水俣条約

  4. 海洋汚染|京都議定書

  5. 酸性雨|ストックホルム条約


■■GPT4 or GPT3.5
■論点 |地球環境問題とそれに対する国際的な取組の関係
この問題の論点は、地球環境問題とそれに対応する国際的な取組の正しい組合せを特定することです。
■解説1|
2. 地球温暖化に関する国際的な取組としてパリ協定があります。パリ協定は、2015年に採択され、気候変動対策として世界各国が温室効果ガスの排出削減目標を設定し、地球の平均気温の上昇を2℃未満に抑えることを目指しています。
3. 水銀による汚染に関する国際的な取組として水俣条約(正式には「水銀に関する水俣条約」)があります。この条約は、水銀の採掘、貿易、使用、排出を規制し、水銀汚染の防止を目的としています。
■解説2|
2. パリ協定は、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の下で締結され、すべての参加国が自主的に削減目標を設定し、その達成に向けた行動をとることを求めています。これにより、温室効果ガスの排出削減と気候変動の緩和が促進されます。
3. 水俣条約は、2013年に採択され、2017年に発効しました。この条約は、特に開発途上国における水銀の使用と排出を削減するための技術支援や能力強化を含む包括的な枠組みを提供しています。
■結論|
地球温暖化に対する国際的な取組であるパリ協定(選択肢2)および水銀による汚染に対する国際的な取組である水俣条約(選択肢3)は正しい組合せであり、地球環境問題とそれに対する国際的な取組の関係に関する知識に基づいて正答と判断できます。
■補足 |
オゾン層の破壊に対する国際的な取組は、モントリオール議定書です。ロンドン条約は主に廃棄物の海洋投棄規制に関する条約です。
海洋汚染に関する国際的な取組はロンドン条約です。京都議定書は地球温暖化対策の一環として、先進国に温室効果ガスの削減義務を課した条約です。
酸性雨に対する国際的な取組は、主に「長距離越境大気汚染条約」(CLRTAP)です。ストックホルム条約は残留性有機汚染物質(POPs)の規制に関する条約です。


■■Gemini 1.5 Pro
■論点 |地球環境問題と国際的な取り組みの理解
この問題は、主要な地球環境問題と、それらに対処するための国際的な条約を正しく結びつけられるかを問うものです。それぞれの条約の目的、内容、締結された背景などを理解しておくことが重要です。
■解説1|
• オゾン層の破壊: かつて、冷蔵庫やスプレーなどに使用されていたフロンなどの物質が、オゾン層を破壊することが問題となりました。これを受け、1985年に「オゾン層の保護に関するウィーン条約」が採択され、1987年にはオゾン層破壊物質の生産と消費を規制する「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」が採択されました。
• 地球温暖化: 人間の活動によって排出される温室効果ガスが、地球の気温を上昇させていることが問題となっています。これに対処するため、1997年に「気候変動に関する国際連合枠組条約に関する京都議定書」(京都議定書)が採択され、先進国に温室効果ガスの排出削減を義務付けました。その後、2015年に「パリ協定」が採択され、すべての国が温室効果ガスの排出削減目標を設定し、取り組みを進めていくことになりました。
• 水銀による汚染: 水銀は、神経系に悪影響を及ぼす有害な物質です。水銀を含む製品の製造、使用、廃棄によって、環境中に水銀が放出され、食物連鎖を通して生物濃縮されることが問題となっています。これに対処するため、2013年に「水銀に関する水俣条約」が採択され、水銀を含む製品の製造や輸出入を規制するなど、水銀汚染の防止対策が強化されました。
• 海洋汚染: 海洋へのプラスチックゴミの流出、油流出事故、船舶からの廃棄物投棄などが、海洋汚染を引き起こしています。海洋汚染は、海洋生物に悪影響を及ぼすだけでなく、漁業や観光など、人間の活動にも影響を与えます。1972年に採択された「廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約」(ロンドン条約)は、船舶などからの廃棄物の海洋投棄を規制しています。
• 酸性雨: 石炭火力発電所や工場などから排出される硫黄酸化物や窒素酸化物が、大気中で反応し、硫酸や硝酸となって降ってくる現象です。酸性雨は、森林を枯らしたり、湖沼を酸性化したり、建造物を腐食させたりするなど、様々な影響を及ぼします。酸性雨の発生源となる物質の排出を削減するために、国際的な取り組みが進められています。
■解説2|
地球環境問題の解決には、国際的な協力が不可欠です。それぞれの条約は、問題解決に向けて各国が協力していくための枠組みとなっています。
■結論 |
選択肢2「地球温暖化|パリ協定」と
選択肢3「水銀による汚染|水俣条約」
が正しい組合せです。 *正答|2と3です。


衛生|問 107-138 ■正答|1 3
天然及び人工放射性核種に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 食品から摂取される天然放射性核種の中で、最も量が多いのは40Kである。

  2. 40Kは、α線を放出して崩壊する。

  3. 体内に取り込まれた人工放射性核種137Csは、生体内で筋肉(全身)に集積する。

  4. 物理学的半減期が28.8年である90Srの生物学的半減期を50年とすると、実効半減期は31.2年となる。

  5. 226Raなどの天然放射性核種から放出されるα線は、β-線及びγ線と比較して、体内被曝による生体損傷が小さい。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点 |天然及び人工放射性核種の性質と体内動態
この問題の論点は、天然及び人工放射性核種の性質と体内動態に関する知識を特定することです。
■解説1|
食品中に含まれる天然放射性核種の中で、最も量が多いのは40K(カリウム40)です。40Kは自然界に広く存在し、主にカリウムを含む食品に含まれています。
137Cs(セシウム137)は、人工放射性核種であり、体内に取り込まれると生体内で主に筋肉に集積します。これは、カリウムと類似の生理的挙動を示すためです。
■解説2|
40Kは、自然界に存在する放射性同位体で、β-崩壊および電子捕獲により崩壊します。食品から摂取される放射性核種の中で最も量が多く、日常的に摂取されています。
137Csは、核分裂生成物の一つで、体内に取り込まれるとナトリウムおよびカリウムと同様の挙動を示し、特に筋肉に集積しやすい性質があります。これにより、全身に影響を与える可能性があります。
■結論|
食品中に含まれる天然放射性核種として最も量が多い40K(選択肢1)および人工放射性核種137Csが体内で筋肉に集積する(選択肢3)は正しい記述であり、放射性核種の性質と体内動態に関する知識に基づいて正答と判断できます。
■補足 |
40Kはβ-崩壊および電子捕獲を行いますが、α線は放出しません。
実効半減期は、物理学的半減期と生物学的半減期の調和平均で計算されますが、選択肢の計算結果は誤っています。正しい実効半減期は(28.8×50)/(28.8+50) ≈ 18.6年です。
α線はβ-線やγ線に比べてエネルギーが高く、組織に対する損傷が大きいです。体内被曝による生体損傷はα線の方が大きいです。


■■Gemini 1.5 Pro
■論点 |天然及び人工放射性核種の性質と人体影響の理解
この問題は、天然及び人工放射性核種の性質と、それらが人体に与える影響について、正しい知識を理解しているかを問うものです。特に、食品中の放射性核種、放射線の種類と生体への影響、物理学的半減期と生物学的半減期の概念、実効半減期の計算方法などを理解することが重要です。
■解説1|
• 40K: カリウムの放射性同位体です。自然界に広く存在し、食品にも含まれています。食品から摂取される天然放射性核種のうち、最も量が多いのは40Kです。40Kはβ線を放出して崩壊し、カリウム40の崩壊熱は地球内部の熱源の一つとなっています。
• 137Cs: セシウムの放射性同位体です。原子力発電所の事故などで環境中に放出されます。体内に入ると、筋肉(全身)に比較的均等に分布します。137Csはβ線とγ線を放出し、長期間にわたって被ばくすると、がんのリスクを高める可能性があります。
• 90Sr: ストロンチウムの放射性同位体です。骨に蓄積しやすい性質があります。これは、ストロンチウムがカルシウムと化学的性質が似ているため、骨にカルシウムの代わりに取り込まれるためです。90Srはβ線を放出し、骨髄に影響を与え、白血病などのリスクを高める可能性があります。
• 実効半減期: 放射性核種が体内に取り込まれた後、体内の放射線量が半分になるまでの時間です。物理学的半減期(放射性核種が物理的に崩壊して半分になるまでの時間)と生物学的半減期(生物の代謝によって体外に排出されることで半分になるまでの時間)の両方を考慮して算出されます。実効半減期(Te)は、以下の式で表されます。
Te = (Tp x Tb) / (Tp + Tb) (Tp: 物理学的半減期, Tb: 生物学的半減期)
• α線: 電離作用が強く、物質を透過する力が弱い放射線です。そのため、外部被ばくよりも、α線を出す放射性物質を体内に取り込む内部被ばくの方が危険性が高いです。α線は、細胞のDNAに大きな損傷を与える可能性があり、発がんリスクを高めます。
■解説2|
放射線の人体への影響は、放射線の種類、エネルギー、被ばく量、被ばく時間、被ばく部位などによって異なります。α線は、β線やγ線と比べて電離作用が強く、細胞に大きな損傷を与える可能性があります。そのため、体内被ばくの場合、α線による影響は、β線やγ線による影響よりも大きくなる傾向があります。
■結論 |
選択肢1「食品から摂取される天然放射性核種の中で、最も量が多いのは40Kである。」と
選択肢3「体内に取り込まれた人工放射性核種137Csは、生体内で筋肉(全身)に集積する。」
が正しい記述です。 *正答|1と3です。


衛生|問 108-138 ■正答|2 4
水道水質基準の基準項目に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. テトラクロロエチレンは、フミン質を含む水道原水の塩素消毒により生成する。

  2. ブロモジクロロメタンは、臭化物イオンを含む水道原水の塩素消毒により生成する。

  3. ジクロロ酢酸は、水道原水の塩素消毒によりジクロロメタンから生成する。

  4. 2-メチルイソボルネオールは、藍藻類や放線菌が産生するカビ臭物質である。

  5. 1,4-ジオキサンは、フェノール類を含む水道原水の塩素消毒により生成する悪臭物質である。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点 |水道水質基準項目の理解
この問題の論点は、水道水質基準項目における特定物質の生成メカニズムやその起源に関する知識を特定することです。
■解説1|
2. ブロモジクロロメタンは、水道水の塩素消毒過程で臭化物イオンが存在する場合に生成される副生成物の一つです。これは消毒副生成物の一種であり、トリハロメタン類に分類されます。
4. 2-メチルイソボルネオールは、藍藻類(シアノバクテリア)や放線菌が産生する揮発性の有機化合物で、水道水にカビ臭を与えることで知られています。
■解説2|
2. ブロモジクロロメタン(CHBrCl₂)は、臭化物イオン(Br⁻)を含む水が塩素消毒を受けた際に生成されます。トリハロメタン類は発がん性が指摘されており、その生成量を抑えることが水道水管理において重要です。
4. 2-メチルイソボルネオール(2-MIB)は、藍藻や放線菌が代謝産物として生成する物質であり、非常に低濃度でも強いカビ臭を引き起こします。この物質の存在は水の味や匂いを悪化させるため、水質管理において注視されています。
■結論|
ブロモジクロロメタン(選択肢2)と2-メチルイソボルネオール(選択肢4)は、正しい記述であり、水道水質基準項目に関する知識に基づいて正答と判断できます。
■補足 |
テトラクロロエチレンは、一般的に工業用溶剤として使用される化合物であり、水道水の消毒過程で生成されるものではありません。
ジクロロ酢酸は塩素消毒の副生成物の一つですが、ジクロロメタンから直接生成されるわけではありません。
1,4-ジオキサンは、主に工業プロセスで生成される汚染物質であり、塩素消毒による生成物ではありません。


■■Gemini 1.5 Pro
■論点 |水道水質基準と水質汚染物質の理解
この問題は、水道水質基準とその基準項目、特に消毒副生成物やカビ臭物質について理解しているかを問うものです。水道水の安全性を確保するために、どのような物質が規制対象となっているのか、それらの物質がどのように生成されるのかを理解することが重要です。
■解説1|
• 水道水質基準: 水道水の安全性を確保するため、厚生労働省によって定められた水質基準です。健康に影響を及ぼす可能性のある物質について、基準値が設定されています。
• 消毒副生成物: 水道水の消毒に塩素が用いられる際に、水中の有機物と反応して生成される物質です。トリハロメタン (THM) やハロ酢酸 (HAA) などがあります。これらの物質は、発がん性や催奇形性などが懸念されています。
テトラクロロエチレン: ドライクリーニング溶剤などに使用される有機塩素系化合物です。水道水中のテトラクロロエチレンは、主に工業排水などからの混入が原因です。
ブロモジクロロメタン: トリハロメタンの一種です。水道原水に含まれる臭化物イオンと塩素が反応することで生成されます。
ジクロロ酢酸: ハロ酢酸の一種です。水道原水に含まれる有機物と塩素が反応することで生成されます。
• カビ臭物質: 藍藻類や放線菌などの微生物が産生する物質です。水道水にカビ臭の原因となる代表的な物質は、2-MIB (2-メチルイソボルネオール) とジェオスミンです。これらの物質は、健康に直接的な影響は少ないですが、水道水の風味を損ない、水道水の飲用をためらわせる原因です。
• 1,4-ジオキサン: 工業用途で広く使われる有機溶媒です。発がん性が指摘されており、環境基準が設定されています。水道水中の1,4-ジオキサンは、主に工業排水などからの混入が原因です。
■解説2|
水道水の安全性を確保するためには、水質基準を遵守し、適切な水処理を行うことが重要です。また、水道水質に影響を与える可能性のある物質の排出を抑制することも重要です。
■結論 |
選択肢2「ブロモジクロロメタンは、臭化物イオンを含む水道原水の塩素消毒により生成する。」と
選択肢4「2-メチルイソボルネオールは、藍藻類や放線菌が産生するカビ臭物質である。」
が正しい記述です。 *正答|2と4です。


衛生|問 109-138 ■正答|3 5
水質汚濁に係る環境基準に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 水質汚濁防止法に基づいて、定められている。

  2. 水中の有機物量の指標として、河川では化学的酸素要求量(COD)、湖沼及び海域では生物化学的酸素要求量(BOD)が採用されている。

  3. 底層を利用する水生生物の個体群を維持できる場を保全・再生する目的で、湖沼及び海域において底層溶存酸素量の基準値が定められている。

  4. 地下水には、「生活環境の保全に関する環境基準」が定められている。

  5. 公共用水域には、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩の「生活環境の保全に関する環境基準」が定められている。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点 |水質汚濁に係る環境基準の理解
この問題の論点は、水質汚濁防止のための環境基準の内容とその適用範囲を特定することです。
■解説1|
3. 湖沼及び海域において、底層の溶存酸素量の基準値は、水生生物の生息環境を維持・再生するために定められています。底層の酸素不足は生物の生息に悪影響を与えるため、これを防ぐ基準が設けられています。
5. 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩は、公共用水域の「生活環境の保全に関する環境基準」に含まれており、水質保全のために規制されています。
■解説2|
3. 底層溶存酸素量(DO)の基準値は、水生生物の生息環境の悪化を防ぐために重要です。特に湖沼や海域の底層では、酸素不足が発生しやすく、それが生態系に悪影響を与える可能性があるため、基準値が設けられています。
5. 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(LAS)は、合成洗剤などに含まれる界面活性剤であり、水質汚濁の原因となるため、公共用水域での基準が設定されています。これにより水質保全が図られています。
■結論|
底層溶存酸素量の基準(選択肢3)と直鎖アルキルベンゼンスルホン酸の基準(選択肢5)は正しい記述であり、水質汚濁防止に関する環境基準の知識に基づいて正答と判断できます。
■補足 |
水質汚濁防止法は、工場や事業場からの排水規制を行うものであり、環境基準は環境基本法に基づいて定められています。
一般的には、河川ではBOD、湖沼や海域ではCODが有機物量の指標として採用されています。
地下水については、「生活環境の保全に関する環境基準」が定められていませんが、特定の物質についての基準は設けられています。


■■Gemini 1.5 Pro
■論点 |水質汚濁に係る環境基準の理解
この問題は、水質汚濁に係る環境基準の目的、根拠法、基準項目、設定の考え方などを理解しているかを問うものです。特に、公共用水域における水質の保全、水生生物の保護、人の健康の保護といった観点から、どのような基準が設定されているかを理解することが重要です。
■解説1|
• 水質汚濁に係る環境基準: 水質汚濁を防止し、人の健康を保護するとともに、生活環境を保全するために、維持されることが望ましい水質の基準です。「水質汚濁防止法」に基づいて定められています。
• 環境基準: 大きく分けて、「人の健康の保護に関する環境基準」と「生活環境の保全に関する環境基準」の二つがあります。
• COD (化学的酸素要求量): 水中の有機物を酸化剤で酸化する際に消費される酸素量を表す指標です。CODが高いほど、水中の有機物量が多いことを示します。
• BOD (生物化学的酸素要求量): 水中の有機物を好気性微生物が分解する際に消費される酸素量を表す指標です。BODが高いほど、水中の有機物量が多く、水質汚濁が進んでいることを示します。
• 底層溶存酸素量: 湖沼や海域の底層における溶存酸素量です。底層溶存酸素量が低いと、底層に生息する水生生物の生存が脅かされます。底層を利用する水生生物の個体群を維持できる場を保全・再生するために、底層溶存酸素量の基準値が定められています。
• 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(LAS): 界面活性剤の一種です。公共用水域に排出されると、水生生物に悪影響を及ぼす可能性があるため、「生活環境の保全に関する環境基準」が設定されています。
■解説2|
水質汚濁に係る環境基準は、水域の種類、利用目的、水質汚濁の状況などを考慮して設定されます。これらの基準を遵守することで、水環境の保全と人の健康の保護を図ることが目的です。
■結論 |
選択肢3「底層を利用する水生生物の個体群を維持できる場を保全・再生する目的で、湖沼及び海域において底層溶存酸素量の基準値が定められている。」と
選択肢5「公共用水域には、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩の「生活環境の保全に関する環境基準」が定められている。」
が正しい記述です。 *正答|3と5です。


衛生|問 106-139 ■正答|3
大気汚染物質に関する法規制と環境基準に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
■選択肢

  1. 二酸化硫黄と微小粒子状物質には、環境基準が設定されている。

  2. ばい煙の発生施設ごとに国が定める一般排出基準が設定されている。

  3. 窒素酸化物に対して、有効煙突高さに応じてK値規制が設定されている。

  4. 大気中のダイオキシン類に対して、環境基準が設定されている。

  5. 自動車交通による大気汚染状況に対応するため、特定地域において自動車からの窒素酸化物と粒子状物質の排出量削減が行われている。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点 |大気汚染物質に関する法規制と環境基準の理解
この問題の論点は、大気汚染物質に関する法規制と環境基準について正しく理解することです。
■解説1|
3. 窒素酸化物に対して、有効煙突高さに応じてK値規制が設定されている。この記述は誤りです。窒素酸化物の規制においてK値規制は存在せず、有効煙突高さに応じた規制も設けられていません。窒素酸化物の排出規制は、排出基準や総量規制などに基づいています。
■解説2|
二酸化硫黄と微小粒子状物質には環境基準が設定されています。環境基準は、人の健康保護や生活環境保全のために設定されるものであり、これらの物質についても基準が定められています。
ばい煙の発生施設ごとに国が定める一般排出基準が設定されています。これは、大気汚染防止法に基づいて、ばい煙発生施設からの排出を規制するための基準です。
大気中のダイオキシン類に対しても環境基準が設定されています。ダイオキシン類は強い毒性を持つため、その濃度を低減することが求められています。
自動車交通による大気汚染状況に対応するため、特定地域において自動車からの窒素酸化物と粒子状物質の排出量削減が行われています。これは、環境保全の一環として実施される地域的な取り組みです。
■結論|
選択肢3の「窒素酸化物に対して、有効煙突高さに応じてK値規制が設定されている」が誤りです。他の選択肢はすべて正しい記述です。
■補足 |
環境基準や法規制は、特定の大気汚染物質の排出を管理するために設けられています。特に、窒素酸化物や二酸化硫黄、微小粒子状物質、ダイオキシン類などは、健康や環境への影響が大きいため、厳しい規制が設けられています。正確な知識を持ち、適切な対策を講じることが重要です。


■■Gemini 1.5 Pro
■論点 |大気汚染防止法と大気環境基準の理解
この問題は、大気汚染物質の排出規制と環境基準に関する法令、特に大気汚染防止法における規制の仕組みと、大気環境基準の設定の考え方について、正しく理解しているかを問うものです。
■解説1|
• 大気汚染防止法: 大気汚染を防止するため、工場や事業場からの大気汚染物質の排出を規制する法律です。工場・事業場などからのばい煙、粉じん、有害物質などの排出を規制する「固定発生源規制」と、自動車などからの排出を規制する「移動発生源規制」があります。
• 環境基準: 大気汚染物質について、人の健康を保護し、生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準です。大気汚染防止法に基づいて設定されます。環境基準は、行政が目指すべき目標値であり、法的拘束力はありません。しかし、環境基準の達成状況を踏まえ、排出規制などの対策が強化されます。
• 二酸化硫黄: 主に、火力発電所や工場などから排出される大気汚染物質です。呼吸器系に影響を与え、酸性雨の原因物質の一つでもあります。環境基準が設定されており、大気汚染防止法に基づき、排出規制が行われています。
• ばい煙: 燃料の燃焼に伴い発生する煤煙です。大気汚染防止法では、ばい煙発生施設ごとに排出基準が設定されており、施設の規模や種類に応じて、より厳しい基準が適用されます。
• 窒素酸化物: 自動車の排気ガスや工場・事業場などから排出される大気汚染物質です。呼吸器系に影響を与え、光化学スモッグの原因物質の一つでもあります。大気汚染防止法では、窒素酸化物の排出量に応じて課税する「窒素酸化物総量規制」が導入されています。「K値規制」は、過去に工場・事業場からのばい煙の排出を規制するために導入された制度でしたが、現在では廃止されています。
• ダイオキシン類: ごみ焼却施設などから排出される、極めて毒性の強い物質です。環境基準が設定されており、大気汚染防止法に基づき、排出規制が行われています。ダイオキシン類は、環境中で分解されにくく、生物蓄積性が高いため、厳しい排出規制が必要です。
• 自動車排出ガス規制: 自動車交通による大気汚染を防止するため、自動車からの窒素酸化物や粒子状物質などの排出量を規制する制度です。近年では、ハイブリッド車や電気自動車などの普及促進、ディーゼル車の排出ガス規制強化など、様々な対策が進められています。
■解説2|
大気汚染防止法は、大気汚染物質の排出を抑制し、大気の質を改善するために重要な役割を果たしています。環境基準は、大気汚染防止法の目標値であり、環境基準の達成に向けて、排出規制などの対策が強化されます。
■結論 |
選択肢3「窒素酸化物に対して、有効煙突高さに応じてK値規制が設定されている。」
という記述は誤りです。 *正答|3です。


衛生|問 107-139 ■正答|4 5
上水道における浄水処理に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 凝集沈殿とろ過処理の間に行う塩素処理を前塩素処理という。

  2. 水中のアンモニウムイオンは、塩素消費量増加の原因となる。

  3. 不連続点塩素処理の目的は、トリハロメタンの生成を抑制することである。

  4. オゾンによる高度浄水処理では、臭気物質などが酸化分解により除去される。

  5. 水中のアルカリ分と硫酸アルミニウムが反応して、水酸化アルミニウムゲルが生成し、沈降性のフロックが形成される。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点 |上水道における浄水処理の方法とその効果
この問題の論点は、上水道における浄水処理の方法とその効果を正しく理解することです。
■解説1|
4. オゾンによる高度浄水処理では、臭気物質などが酸化分解により除去される。オゾンは強力な酸化剤であり、水中の有機物や臭気物質を酸化分解する能力があります。これにより、浄水の品質を向上させることができます。
5. 水中のアルカリ分と硫酸アルミニウムが反応して、水酸化アルミニウムゲルが生成し、沈降性のフロックが形成される。これは凝集沈殿法における基本的なメカニズムであり、水中の懸濁物質を効率的に除去するための重要な工程です。
■解説2|
4. オゾンは、有機物や細菌、ウイルスを酸化分解する能力が高く、一般的な塩素処理よりも高い浄化効果が期待できます。また、オゾン処理によって生成される副生成物が少ないことも利点です。
5. 硫酸アルミニウム(アルミニウム硫酸塩)は凝集剤として広く使用されており、水中のアルカリ分(主に炭酸水素塩など)と反応して水酸化アルミニウムゲルを形成します。このゲルはフロック(凝集塊)となり、懸濁物質を捕捉して沈降させることで、水を浄化します。
■結論|
オゾンによる高度浄水処理では臭気物質などが酸化分解により除去される(選択肢4)、および水中のアルカリ分と硫酸アルミニウムが反応して水酸化アルミニウムゲルが生成し、沈降性のフロックが形成される(選択肢5)が正しい記述です。
■補足 |
凝集沈殿とろ過処理の間に行う塩素処理は前塩素処理と呼ばれますが、これは水質や施設の運用方法により異なるため、一概に正しいとは言えません。
水中のアンモニウムイオンは塩素消費量の増加原因となりますが、この記述は全体的な選択肢の正確性を評価するための補足情報として考慮されます。
不連続点塩素処理の目的は主に消毒効果を高めることであり、トリハロメタンの生成抑制が主要な目的ではありません。不連続点塩素処理は、塩素添加量を段階的に調整することで、残留塩素の管理を行います。


■■Gemini 1.5 Pro
■論点 |上水道における浄水処理の理解
この問題は、上水道における浄水処理の各工程とその目的、使用する薬品とその働き、消毒副生成物の抑制対策などを理解しているかを問うものです。安全な飲料水を供給するために行われる浄水処理の技術について、詳細な知識が求められます。
■解説1|
• 浄水処理: 河川や湖沼などの原水を、飲料水として適した水質に処理する過程です。
• 前塩素処理: 浄水処理の初期段階で行われる塩素処理です。原水中の藻類や細菌などを殺菌し、後段の処理を円滑に行うことを目的としています。
• 凝集沈殿: 硫酸アルミニウムなどの凝集剤を添加し、水中の微細な粒子を凝集させて沈殿させる処理です。水中の濁度や色度を除去する効果があります。
• ろ過: 砂や活性炭などのろ過材を用いて、水中の残留物を除去する処理です。凝集沈殿で除去できなかった微細な粒子や微生物などを除去します。
• 塩素処理: 浄水処理の最終段階で行われる塩素処理です。残留塩素を保持することで、配水管内での細菌の増殖を抑制し、水道水の安全性を確保します。
• アンモニウムイオン: 水中のアンモニウムイオンは、塩素と反応してクロラミンを生成します。クロラミンは、塩素よりも殺菌力が弱いため、塩素消費量が増加します。
• 不連続点塩素処理: 塩素処理を複数回に分けて行うことで、トリハロメタンなどの消毒副生成物の生成を抑制する方法です。
• オゾン処理: オゾンは強力な酸化力を持つため、臭気物質や色度成分、微生物などを分解することができます。オゾン処理は、高度浄水処理として導入されることが多く、トリハロメタンなどの消毒副生成物の生成を抑制する効果も期待できます。
■解説2|
浄水処理は、安全な飲料水を供給するために欠かせないプロセスです。水質基準に適合した水を供給するため、適切な浄水処理技術を選択し、管理することが重要です。
■結論 |
選択肢4「オゾンによる高度浄水処理では、臭気物質などが酸化分解により除去される。」と
選択肢5「水中のアルカリ分と硫酸アルミニウムが反応して、水酸化アルミニウムゲルが生成し、沈降性のフロックが形成される。」
が正しい記述です。 *正答|4と5です。


衛生|問 109-139 ■正答|1 5
一般環境大気測定局及び自動車排出ガス測定局における大気汚染物質の測定法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 一酸化炭素は、照射した赤外線の吸収量に基づいて測定される。

  2. 二酸化窒素は、紫外線の照射によって励起した二酸化窒素分子が発する蛍光の強度に基づいて測定される。

  3. 光化学オキシダントは、ザルツマン試薬との反応により生じる生成物の吸光度に基づいて測定される。

  4. 二酸化硫黄は、エチレンとの反応により生じる近紫外線領域の発光の強度に基づいて測定される。

  5. 浮遊粒子状物質は、ろ紙上に粒子を捕集して、b線を照射し、その透過量に基づいて測定される。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点 |大気汚染物質の測定法
この問題の論点は、大気汚染物質の測定法を正しく理解し、その技術的な原理を把握することです。
■解説1|
一酸化炭素は、照射した赤外線の吸収量に基づいて測定される。これは非分散型赤外線吸収法(NDIR法)による測定法であり、一酸化炭素分子が特定の波長の赤外線を吸収する性質を利用しています。
浮遊粒子状物質は、ろ紙上に粒子を捕集して、β線を照射し、その透過量に基づいて測定される。この方法はβ線吸収法と呼ばれ、ろ紙に捕集された粒子の量を正確に測定するために使用されます。
■解説2|
非分散型赤外線吸収法(NDIR法)は、一酸化炭素分子が特定の波長の赤外線を吸収する特性を利用して濃度を測定します。赤外線を通過させた後の吸収量を測定することで、一酸化炭素の濃度を定量化します。
β線吸収法は、ろ紙に捕集された粒子がβ線をどの程度吸収するかを測定する方法です。粒子が多いほどβ線の透過量が減少するため、この減少量から浮遊粒子状物質の質量濃度を計算します。
■結論|
一酸化炭素の測定法としての赤外線吸収量に基づく測定法(選択肢1)および浮遊粒子状物質のβ線透過量に基づく測定法(選択肢5)は正しい記述です。
■補足 |
二酸化窒素の測定には、一般的に化学発光法が用いられ、蛍光法は使用されません。
光化学オキシダントは、一般的には紫外線吸収法を用いて測定されます。ザルツマン試薬は二酸化窒素の測定に用いられることが多いです。
二酸化硫黄の測定には、紫外線蛍光法が一般的に用いられ、エチレンとの反応は測定法として適切ではありません。


■■Gemini 1.5 Pro
■論点 |大気汚染物質の測定方法の理解
この問題は、代表的な大気汚染物質の測定方法について、その原理を理解しているかを問うものです。特に、どのような物理化学的な性質を利用して測定するのか、それぞれの測定方法の特徴を理解しておくことが重要です。
■解説1|
• 一酸化炭素: 赤外線吸収法で測定します。一酸化炭素は、特定の波長の赤外線を吸収する性質があります。この性質を利用し、試料空気中に赤外線を照射し、その吸収量を測定することで、一酸化炭素濃度を測定します。
• 二酸化窒素: 化学発光法で測定します。一酸化窒素とオゾンを反応させると、励起状態の二酸化窒素が生成され、基底状態に戻る際に光を放出します。この光の強度を測定することで、二酸化窒素濃度を測定します。
• 光化学オキシダント: 紫外線吸収法で測定します。光化学オキシダントは、オゾンを主成分とする酸化性物質の総称で、紫外線を吸収する性質があります。この性質を利用し、試料空気に紫外線を照射し、その吸収量を測定することで、光化学オキシダント濃度を測定します。
• 二酸化硫黄: 紫外線蛍光法で測定します。二酸化硫黄に紫外線を照射すると、励起状態の二酸化硫黄が生成され、基底状態に戻る際に蛍光を放出します。この蛍光の強度を測定することで、二酸化硫黄濃度を測定します。
• 浮遊粒子状物質: β線吸収法で測定します。ろ紙上に粒子を捕集し、β線を照射します。β線の透過量は、ろ紙上に捕集された粒子状物質の量に比例するため、β線の透過量を測定することで、浮遊粒子状物質の質量濃度を測定します。
■解説2|
大気汚染物質の測定方法は、測定対象物質の性質や測定精度、測定コストなどを考慮して選択されます。
■結論 |
選択肢1「一酸化炭素は、照射した赤外線の吸収量に基づいて測定される。」と
選択肢5「浮遊粒子状物質は、ろ紙上に粒子を捕集して、β線を照射し、その透過量に基づいて測定される。」
が正しい記述です。 *正答|1と5です。


衛生|問 106-140 ■正答|4
床面積36m2、高さ2.2mの部屋がある。1時間あたり2回の換気が行われる場合、この部屋に在室可能な人数は、最大で何名か。1つ選べ。ただし、1人あたり30m3/hの必要換気量を確保することとする。
■選択肢

  1. 2

  2. 3

  3. 4

  4. 5

  5. 6


■■GPT4 or GPT3.5
■論点 |換気量と在室可能人数の計算
この問題の論点は、部屋の容積と換気回数に基づいて、必要換気量を満たす在室可能人数を計算することです。
■解説1|
部屋の容積を計算します。床面積36m²に高さ2.2mを掛けると、部屋の容積は36m² × 2.2m = 79.2m³です。
1時間あたり2回の換気が行われる場合、1時間あたりの換気量は79.2m³ × 2回 = 158.4m³です。
1人あたり30m³/hの必要換気量を確保する必要があるため、在室可能な人数を求めます。158.4m³ ÷ 30m³/h = 5.28人です。
■解説2|
容積と換気回数から計算した1時間あたりの換気量158.4m³は、1人あたり30m³/hの換気量を必要とする5人に対して十分であることが分かります。
5.28人という計算結果ですが、実際の人数は小数点以下を切り捨てるため、最大で5人が在室可能です。
■結論|
床面積36m²、高さ2.2mの部屋において、1時間あたり2回の換気が行われる場合、在室可能な人数は最大で5人(選択肢4)です。
■補足 |
選択肢1. 2人、選択肢2. 3人、選択肢3. 4人、選択肢5. 6人は、必要換気量を満たす人数の範囲内に含まれていないため、不適切です。


■■Gemini 1.5 Pro
■論点 |必要換気量の計算と換気回数の理解
この問題は、部屋の容積、換気回数、1人あたりの必要換気量から、部屋に在室可能な人数を計算できるかを問うものです。換気量の概念と計算方法を理解し、適切な換気計画を立てる能力が求められます。
■解説1|
• 換気: 室内の空気を入れ替えることです。室内の汚染物質(二酸化炭素、臭気、化学物質など)を除去し、快適な室内環境を維持するために重要です。
• 換気量: 1時間あたりに換気される空気の量です。単位はm3/hで表されます。
• 換気回数: 1時間あたりに部屋の空気が何回入れ替わるかを示す指標です。
• 必要換気量: 室内の人数や活動量、室内の用途などに応じて必要な換気量です。
計算手順
部屋の容積: 床面積 × 高さ = 36 m2 × 2.2 m = 79.2 m3
1時間あたりの総換気量: 部屋の容積 × 換気回数 = 79.2 m3 × 2 回/h = 158.4 m3/h
在室可能な人数: 1時間あたりの総換気量 ÷ 1人あたりの必要換気量 = 158.4 m3/h ÷ 30 m3/h/人 = 5.28 人
■解説2|
換気不足は、室内の空気質を悪化させ、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。適切な換気計画を立てることは、快適な室内環境を維持し、健康を守る上で重要です。
■結論 |
計算結果より、在室可能な人数は最大で5人です。 *正答|4です。


衛生|問 107-140 ■正答|1 3
大気中の窒素酸化物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 大気中の窒素酸化物は水分と反応して、酸性雨の原因となる。

  2. サーマルNOxは、化石燃料中の窒素化合物の燃焼に由来する。

  3. 大気中の窒素酸化物は、非メタン炭化水素と反応して、光化学オキシダントの原因となる。

  4. 大気中へ排出される窒素酸化物は、大気汚染防止法により施設単位の排出基準に基づく規制(K値規制)が行われている。

  5. 2010 年度以降における二酸化窒素の大気環境基準の達成率は、一般環境大気測定局(一般局)、自動車排出ガス測定局(自排局)のいずれにおいても約80%で推移している。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点 |大気中の窒素酸化物の性質と規制
この問題の論点は、大気中の窒素酸化物の反応性とその規制に関する理解を特定することです。
■解説1|
大気中の窒素酸化物(NOx)は、水分と反応して硝酸(HNO3)などを生成し、酸性雨の原因となる。これはNOxの主要な環境影響の一つである。
大気中の窒素酸化物は、非メタン炭化水素(NMHC)と反応して光化学オキシダント(光化学スモッグの原因物質)を生成する。この反応は太陽光の紫外線によって促進される。
■解説2|
窒素酸化物が水分と反応することで酸性雨を生成するメカニズムは、NOxが大気中の水と反応して硝酸(HNO3)を生成し、これが雨とともに地表に降り注ぐためである。
光化学オキシダントは、NOxとNMHCが光化学反応を起こすことで生成される。特にNO2が光分解されて生成される原子状酸素(O)が、O2と反応してオゾン(O3)を生成し、これが光化学オキシダントの主成分となる。
■結論|
大気中の窒素酸化物が水分と反応して酸性雨の原因となる(選択肢1)ことと、非メタン炭化水素と反応して光化学オキシダントの原因となる(選択肢3)ことが正しい記述です。
■補足|
サーマルNOxは、燃料中の窒素化合物の燃焼ではなく、燃焼時の高温で空気中の窒素と酸素が反応して生成されるNOxである。
大気汚染防止法における施設単位の排出基準(K値規制)は正しいが、これは正答とする選択肢に比べて直接的な影響を示す記述ではないため、適切ではない。
大気中へ排出される窒素酸化物(NOx)は、一般的に施設単位の排出基準に基づく規制が行われます。この規制は、大気汚染の抑制や環境保護のために設けられています。
K値規制は、日本の大気汚染防止法において、工場や発電所などの施設が大気中へ排出するNOxの量を制限するための規制方式の一つです。K値とは、施設ごとに設定される1時間当たりのNOx排出量の基準値のことを指します。この基準値は、工場や発電所の種類や規模、設備の種類などを考慮して決定されます。
施設は、設備の種類や操業条件に応じてK値を満たすように努めなければなりません。これにより、大気中へのNOxの過剰な排出を防ぎ、大気汚染の抑制を図ることが目指されています。
NOxの規制にはK値規制以外にも様々な手法がありますが、施設単位の排出基準は、大気環境の保護において重要な役割を果たしています。これにより、産業活動と環境保全の両立を図りながら、大気汚染の低減が目指されています。
大気汚染物質の測定:
微小粒子状物質(PM2.5)
環境基準達成率は、一般局で100%、自排局で100%。
一般局の年平均値は8.3μg/m3、自排局は8.8μg/m3。
過去数年間で緩やかな改善が続いている。
光化学オキシダント(Ox)
環境基準達成率は、一般局で0.2%、自排局で0%。
達成状況は低く、注意報発令レベルの超過が多い地域では改善傾向が見られる。
注意報の発令数や被害の報告数が減少している。
その他の大気汚染物質
二酸化窒素(NO2)、浮遊粒子状物質(SPM)、一酸化炭素(CO)は全ての局で環境基準を達成している。
二酸化硫黄(SO2)の環境基準未達成は火山噴火の影響によるもの。


■■Gemini 1.5 Pro
■論点 |窒素酸化物の発生源と環境影響の理解
この問題は、大気汚染物質である窒素酸化物の発生源、環境への影響、法規制などを正しく理解しているかを問うものです。特に、酸性雨や光化学スモッグとの関連、排出源対策、大気環境基準の達成状況などを理解することが重要です。
■解説1|
• 窒素酸化物: 一酸化窒素 (NO) や二酸化窒素 (NO2) などの窒素と酸素の化合物の総称です。
• 酸性雨: 大気中の窒素酸化物や硫黄酸化物が、雨水に溶け込み、酸性化した雨のことです。酸性雨は、森林を枯らしたり、湖沼を酸性化したり、建造物を腐食させたりするなど、様々な影響を及ぼします。
• サーマルNOx: 高温の燃焼過程で、空気中の窒素と酸素が反応して生成される窒素酸化物です。火力発電所や工場など、高温で燃料を燃焼させる施設から排出されます。
• 光化学オキシダント: 窒素酸化物や揮発性有機化合物 (VOC) が、太陽光線を受けて光化学反応を起こし、生成される酸化性物質の総称です。光化学オキシダントは、目や呼吸器を刺激し、植物にも悪影響を及ぼします。
• 窒素酸化物総量規制: 大気汚染防止法に基づき、工場や事業場などからの窒素酸化物の排出量を削減するために導入された制度です。排出量に応じて課税することで、排出削減を促しています。
• K値規制: かつて、工場・事業場などからのばい煙の排出を規制するために導入された制度でしたが、現在では廃止されています。
• 大気環境基準: 大気汚染物質について、人の健康を保護し、生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準です。大気汚染防止法に基づいて設定されます。二酸化窒素については、環境基準の達成率は向上していますが、依然として一部地域で達成されていない状況です。
■解説2|
窒素酸化物は、酸性雨や光化学スモッグの原因物質となるため、その排出を削減することが重要です。大気汚染防止法に基づく排出規制や、自動車の排出ガス規制など、様々な対策が進められています。
■結論 |
選択肢1「大気中の窒素酸化物は水分と反応して、酸性雨の原因となる。」と
選択肢3「大気中の窒素酸化物は、非メタン炭化水素と反応して、光化学オキシダントの原因となる。」
が正しい記述です。 *正答|1と3です。


衛生|問 108-140 ■正答|4
窓を開けて換気を行っている講義室で、大学生が講義を受けている。講義開始時に400ppm(0.04%)であったCO2濃度が徐々に増加し、1,400ppm(0.14%)に達して一定となった。この講義室の換気量(m3/h)として、最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、講義室には大学生と教員を合わせて130名がおり、大学生及び教員の一人あたりのCO2排出量を0.022m3/h、屋外のCO2濃度を400ppm(0.04%)とする。
■選択肢

  1. 320

  2. 810

  3. 1800

  4. 2900

  5. 8900


■■GPT4 or GPT3.5
■論点 |換気量の計算
この問題の論点は、講義室の換気量をCO2排出量と濃度差を基に計算することです。
■解説1|
大学講義室のCO2排出量は、講義に参加している全員のCO2排出量の合計で求めます。
学生と教員の合計人数は130名。
一人あたりのCO2排出量は0.022m³/h。
合計のCO2排出量は 130名 × 0.022m³/h = 2.86m³/h。
換気量は、CO2排出量を室内外のCO2濃度差で割って求めます。
室内のCO2濃度は1,400ppm(0.14%)。
屋外のCO2濃度は400ppm(0.04%)。
濃度差は 0.14% - 0.04% = 0.10% = 0.001。
換気量の計算:
換気量 = CO2排出量 / 濃度差。
換気量 = 2.86m³/h ÷ 0.001 = 2860m³/h。
■解説2|
換気量の重要性:
換気量は室内の空気質を保つために重要であり、特に二酸化炭素濃度の管理が重要です。
適切な換気により、室内環境の健康リスクを低減し、快適な学習環境を提供します。
CO2濃度と健康影響:
高いCO2濃度は頭痛、めまい、集中力の低下などの健康問題を引き起こす可能性があります。
WHOやASHRAE(米国暖房冷凍空調学会)は、室内のCO2濃度を1000ppm以下に維持することを推奨しています。
■結論|
2.86m³/hのCO2排出量と0.001の濃度差に基づいて計算された換気量は2860m³/hであり、最も近い選択肢は「4. 2900」です。
*正解にたどり着けなかったが、Copilot powered by GPT4は正解だったので、Copilot powered by GPT4の回答を参考資料として与えたところ、正解の回答を作成した。


■■Gemini 1.5 Pro
*正解にたどり着けない。


衛生|問 107-141 ■正答|1 3
室内環境と健康に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. ヒョウダニの死骸や排泄物は、気管支ぜん息や鼻炎などのアレルギー性疾患の原因となる。

  2. 暖房器具の不完全燃焼で生成する一酸化炭素は、一酸化窒素よりもヘモグロビンに対する親和性が高い。

  3. レジオネラ属菌が混入したエアロゾルを吸入すると、日和見感染症として肺炎を引き起こすことがある。

  4. 総揮発性有機化合物(TVOC)の暫定目標値は、室内空気汚染物質の毒性を基に定められている。

  5. 化学物質の室内濃度指針値は、それぞれの化学物質がシックハウス症候群を引き起こす閾値に不確実係数を適用して定められている。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点 |室内環境における健康影響と対応策
この問題の論点は、室内環境における健康影響の原因とそれに対する対策を特定することです。
■解説1|
ヒョウダニの死骸や排泄物は、アレルゲンとして働き、気管支ぜん息やアレルギー性鼻炎などのアレルギー反応を引き起こすことが知られています。これらのアレルギー疾患の主要な原因物質です。
レジオネラ属菌は、水中で繁殖しやすく、空調システムやシャワーヘッドなどのエアロゾルを通じて吸入されることがあります。この菌は免疫力が低下した人に肺炎(レジオネラ肺炎)を引き起こすことがあり、日和見感染症の一例です。
■解説2|
ヒョウダニは、室内の湿気や温度条件に応じて増殖しやすく、その死骸や排泄物が空気中に浮遊し、吸入することでアレルギー反応を引き起こします。定期的な掃除や除湿が予防策となります。
レジオネラ属菌による感染は、特に高齢者や免疫抑制状態にある人々で重篤な症状を引き起こすことがあります。空調システムの定期的な清掃と適切な消毒が重要な予防策です。
■結論|
ヒョウダニの死骸や排泄物(選択肢1)とレジオネラ属菌(選択肢3)に関する記述は正しいものであり、室内環境と健康に関連する知識に基づいて正答と判断できます。
■補足 |
一酸化炭素(CO)はヘモグロビンと強く結合しますが、一酸化窒素(NO)に対する親和性と比較するのは適切ではありません。COの親和性が問題となります。
揮発性有機化合物(TVOC)の暫定目標値は、実際には個々の揮発性有機化合物の合計濃度を指し、各物質の毒性を基にしているわけではありません。
室内濃度指針値は、化学物質がシックハウス症候群を引き起こす濃度を基に設定されていますが、不確実係数を考慮することはありますが、それが主な設定基準ではありません。


■■Gemini 1.5 Pro
■論点 |室内環境と健康影響の理解
この問題は、室内環境における様々な要因が人の健康に及ぼす影響について、正しく理解しているかを問うものです。特に、アレルギーの原因物質、一酸化炭素中毒、レジオネラ症、シックハウス症候群、室内空気汚染など、室内環境に潜む健康リスクとその対策について理解することが重要です。
■解説1|
• ヒョウダニ: ダニの一種で、 house dust mite と呼ばれます。畳や布団、カーペットなどに生息し、その死骸や糞がアレルギーの原因物質です。ヒョウダニは、高温多湿の環境を好み、梅雨時から夏にかけて増殖します。ヒョウダニによるアレルギー疾患を予防するには、こまめな掃除や換気、布団乾燥機の使用、防ダニシートの使用などが有効です。
• 一酸化炭素: 無色無臭の気体で、燃料の不完全燃焼によって発生します。一酸化炭素は、ヘモグロビンと強く結合し、酸素の運搬を阻害することで、一酸化炭素中毒を引き起こします。一酸化炭素中毒は、頭痛、めまい、吐き気、意識障害などの症状を引き起こし、重症化すると死に至ることもあります。
• レジオネラ属菌: 水中に生息する細菌です。レジオネラ属菌は、エアロゾル(空気中に浮遊する微小な水滴)として空気中に飛散し、それを吸い込むことで、レジオネラ症を引き起こすことがあります。レジオネラ症は、肺炎の一種で、発熱、咳、呼吸困難などの症状を引き起こします。
• 総揮発性有機化合物 (TVOC): 常温で揮発しやすい有機化合物の総称です。建材や家具、塗料、接着剤などから放出され、シックハウス症候群の原因物質の一つです。TVOCの暫定目標値は、健康影響よりも、悪臭防止の観点から設定されています。
• シックハウス症候群: 住宅の高気密化や化学物質を含む建材の使用などによって、室内空気が汚染され、様々な健康被害が生じることを指します。主な症状は、目や鼻、喉の刺激、頭痛、めまい、吐き気、倦怠感などです。
■解説2|
室内環境は、人の健康に大きく影響します。室内の空気質が悪化すると、アレルギー疾患、感染症、シックハウス症候群などのリスクが高まります。こまめな掃除や換気、適切な湿度管理、化学物質を含む製品の使用を控えることなど、室内環境を改善するための対策を行うことが重要です。
■結論 |
選択肢1「ヒョウダニの死骸や排泄物は、気管支ぜん息や鼻炎などのアレルギー性疾患の原因となる。」と
選択肢3「レジオネラ属菌が混入したエアロゾルを吸入すると、日和見感染症として肺炎を引き起こすことがある。」
が正しい記述です。 *正答|1と3です。


衛生|問 109-141 ■正答|1 3
廃棄物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 産業廃棄物の種類別排出量として最も多いのは、汚泥である。

  2. 有害廃棄物の国境を越える移動及びその処理によって生じるヒトの健康被害並びに環境汚染を防止するために、ロンドン条約が制定されている。

  3. 循環型社会における廃棄物・リサイクル対策を総合的に推進し、削減対策の優先順位を明確化するために、循環型社会形成推進基本法が制定されている。

  4. 海洋汚染の原因となるマイクロプラスチックは、プラスチックゴミの生分解により生じた微小粒子である。

  5. 海洋への廃棄物投棄による海洋汚染を防止するための国際的対応として、バーゼル条約が制定されている。


■■GPT4 or GPT3.5
■論点 |廃棄物管理と関連する法律および条約
この問題の論点は、廃棄物管理に関する知識および関連する法律や国際条約を特定することです。
■解説1|
産業廃棄物の種類別排出量として最も多いのは汚泥です。汚泥は、工場や事業所などから排出される廃棄物の中でも特に多く、産業廃棄物全体の中で重要な割合を占めています。
循環型社会形成推進基本法は、廃棄物やリサイクル対策を総合的に推進し、3R(リデュース、リユース、リサイクル)を促進するために制定された法律です。この法律により、廃棄物の発生抑制、再利用、再資源化の優先順位が明確化されています。
■解説2|
日本の産業廃棄物の中で汚泥は最も多く排出される廃棄物です。これには、下水処理場や工場から排出される汚泥が含まれます。汚泥の適切な処理は環境保護の観点から重要です。
循環型社会形成推進基本法は、持続可能な社会の実現を目指しており、廃棄物の発生を抑制することを最優先としています。これにより、資源の有効利用と環境負荷の低減が図られています。
■結論|
産業廃棄物の中で汚泥が最も多い(選択肢1)と、循環型社会形成推進基本法の内容(選択肢3)は正しい記述であり、廃棄物管理に関する知識に基づいて正答と判断できます。
■補足 |
ロンドン条約は有害廃棄物の海洋投棄を規制する条約であり、国境を越える移動に関するものではありません。有害廃棄物の国境を越える移動に関する条約はバーゼル条約です。
マイクロプラスチックは主にプラスチック製品の破砕や紫外線による劣化などによって生じるものであり、生分解によって生成されるものではありません。
バーゼル条約は、有害廃棄物の国境を越える移動およびその処分を規制するための国際条約であり、海洋汚染を防止するためのものではありません。


■■Gemini 1.5 Pro
■論点 |廃棄物処理とリサイクル、国際条約の理解
この問題は、廃棄物の種類、排出量、処理方法、リサイクル、関連する国際条約など、廃棄物問題に関する幅広い知識を問うものです。特に、循環型社会形成に向けた取り組み、海洋プラスチック問題、有害廃棄物の越境移動問題などを理解することが重要です。
■解説1|
• 産業廃棄物: 事業活動に伴って生じる廃棄物のことを指します。建設廃棄物、汚泥、廃油、廃プラスチック、金属くずなど、様々な種類があります。環境省の統計によると、産業廃棄物の種類別排出量として最も多いのは、汚泥です。
• ロンドン条約: 正式名称は「廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約」です。船舶などからの廃棄物の海洋投棄を規制することで、海洋汚染を防止することを目的としています。有害廃棄物の越境移動を規制する条約は、バーゼル条約です。
• 循環型社会形成推進基本法: 循環型社会の形成を推進するための基本的な理念、目標、施策などを定めた法律です。廃棄物の発生抑制、再使用、リサイクルなどを推進し、廃棄物の最終処分量を削減することを目指しています。
• マイクロプラスチック: 5mm以下の微小なプラスチック粒子のことです。プラスチックゴミが、紫外線や波の力などによって細かく砕かれて生成されます。マイクロプラスチックは、海洋生物に誤飲されるなど、生態系への影響が懸念されています。生分解は、微生物の働きによって物質が分解される現象を指し、プラスチックの生分解は、非常に長い時間がかかります。
• バーゼル条約: 正式名称は「有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約」です。有害廃棄物の越境移動による環境汚染や健康被害を防止するために、輸出入の規制や適正な処理を義務付けています。
■解説2|
廃棄物問題は、環境問題の中でも特に重要な課題の一つです。廃棄物の発生抑制、リサイクル、適正処理などを推進し、環境負荷を低減することが求められています。
■結論 |
選択肢1「産業廃棄物の種類別排出量として最も多いのは、汚泥である。」と
選択肢3「循環型社会における廃棄物・リサイクル対策を総合的に推進し、削減対策の優先順位を明確化するために、循環型社会形成推進基本法が制定されている。」
が正しい記述です。 *正答|1と3です。

😊 お疲れ様でした。次は、解説要約です。
がんばろう!絶対、完全攻略できます。


4. 解説要約 50問 薬学理論問題【衛生】

各問題の論点と解説の要約を以下にまとめます。復習しましょう。

薬剤師国家試験問題 薬学理論問題【衛生】第106回 - 第109回

Creator: Yukiho Takizawa, PhD
Tool: Chat GPT powered by GPT4o & Google AI Studio by Gemini 1.5 Pro
Date: 2024/ 05/30

Matsunoya|薬剤師国家試験対策ノート
4. 解説要約 50問 薬学理論問題【衛生】

Here; https://note.com/matsunoya_note/n/n20d1e6ddadaf

Matsunoya|薬剤師国家試験対策ノート

衛生|問 106-120|
論点|健康日本21、特に第二次健康日本21で追加・変更された内容
解説(要約)|
健康日本21は、厚生労働省が推進する国民の健康増進を目的とした運動。
第二次健康日本21では、健康寿命の延伸と健康格差の縮小を目標とし、重点課題として「栄養・食生活」「身体活動・運動」「休養・睡眠・こころの健康づくり」などが設定。
感染症対策は、健康日本21策定当初から重要課題として位置付けられており、第二次で新たに追加されたものではない。
結果(要約)|感染症対策は第二次健康日本21で新たに追加されたものではなく、当初から重要課題として位置付けられているため、選択肢4は誤り。


衛生|問 106-121|
論点|性感染症に関する正しい知識(原因、感染経路、感染症法における対応など)
解説(要約)|
尖圭コンジローマはヒトパピローマウイルス感染によって引き起こされる。
定点把握報告の対象となる性感染症の中で最も報告数が多いのは、クラミジア感染症である。
淋菌感染症は減少傾向にあるものの、近年増加傾向にあり、平成25年以降も感染報告は存在する。
B型肝炎は、血液、体液を介した感染症であり、性的接触でも感染する。
感染症法では、性感染症を理由とした就業制限は設けられていない。
結果(要約)|尖圭コンジローマはヒトパピローマウイルス、B型肝炎は性的接触でも感染するため、選択肢1と4が正しい。


衛生|問 107-121|
論点|疫学調査の結果から因果関係を判定する際に用いられる基準
解説(要約)|
疫学調査では、因果関係の判定基準として、Hillが提唱した9つの基準(関連の強さ、一致性、特異性、時間性、量・反応関係、妥当性、生物学的勾配、実験による裏付け、類推)が参考にされる。
関連の一致性:様々な状況下(時間、場所、対象集団など)で同様の結果が得られる場合、因果関係を支持する根拠となる。
関連の時間性:疾病の発生前に要因への曝露が確認されることは、因果関係を判断する上で非常に重要である。
関連の強固性、特異性、整合性は因果関係を支持する材料にはなるものの、必須条件ではない。
結果(要約)|選択肢1(関連の一致性)と選択肢4(関連の時間性)が正しい記述。


衛生|問 107-122|
論点|検疫の目的、検疫感染症の内容、新興感染症との関係
解説(要約)|
検疫法は、国内に常在しない感染症の病原体が海外から侵入することを防ぐことを目的としている。
検疫感染症は、検疫法に基づいて定められており、国内に侵入した場合、国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあるものとされている。
検疫感染症には、一類感染症や新型インフルエンザ等感染症、MARS、LASなどが含まれる。
新興感染症は、近年ヒトへの感染が確認された、または国際的に公衆衛生上の問題となる可能性がでてきた感染症を指す。
新興感染症は未知の病原体である場合も多く、すべてが検疫感染症に指定されているわけではない。
結果(要約)|新興感染症はすべてが検疫感染症に指定されているわけではないため、選択肢3は誤り。


衛生|問 106-123|
論点|様々な感染症における母子感染の主な経路と予防策
解説(要約)|
母子感染は、妊娠中から出産後にかけて、母親から子どもに病原体が感染すること。感染経路は、経胎盤感染、産道感染、母乳感染などがある。
風疹ウイルスやトキソプラズマ原虫は、主に経胎盤感染で胎児に感染し、先天性異常を引き起こすことがある。
HTLV-1 は、母乳を介して感染するリスクが高いため、妊婦が感染している場合は、出生後人工乳を授乳する。
HIV は、経胎盤感染、産道感染、母乳感染のいずれの経路でも感染する可能性がある。
梅毒トレポネーマは、妊娠中に経胎盤感染を起こすことがある。
結果(要約)|先天梅毒は、主に経胎盤感染によって新生児に感染するため、選択肢3は誤り。


衛生|問 107-123|
論点|代表的な性感染症の原因となる病原体と感染経路
解説(要約)|
尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染によって引き起こされる性感染症。
ヒト単純ヘルペスウイルス(HSV)は、性器ヘルペスの原因となる。
結果(要約)|尖圭コンジローマの原因はヒトパピローマウイルスであり、ヒト単純ヘルペスウイルスではないため、選択肢4は誤り。


衛生|問 109-123|
論点|保健統計の分類と、それぞれの統計がどのような情報を収集し、どのような目的で活用されるか
解説(要約)|
保健統計:人々の健康状態や医療に関する統計。人口統計、人口動態統計、疾病統計などに分類。
人口統計:ある時点における人口の規模、分布、構成などを明らかにする統計。国勢調査が代表例。
人口動態統計:出生、死亡、婚姻、離婚、移動などの人口の動的な変化を捉える統計。
疾病統計:病気の罹患率、死亡率、医療機関の利用状況などを把握する統計。
人口統計は、集団の健康水準や医療ニーズを把握するために重要な情報。
結果(要約)|選択肢3(人口統計の重要性)と選択肢5(人口静態統計の代表例は国勢調査)が正しい記述。


衛生|問 108-124|
論点|メタボリックシンドロームの診断基準、糖尿病の種類と合併症、脂質異常症の診断基準、受動喫煙とCOPDの関係など
解説(要約)|
メタボリックシンドローム:内臓脂肪の蓄積に加えて、血圧、血糖、血清脂質のいずれか2つ以上に異常がある状態。虚血性心疾患や脳血管障害などの動脈硬化性疾患のリスクを高める。
糖尿病:インスリンの作用不足によって慢性的な高血糖状態となる病気。日本では2型糖尿病患者が圧倒的に多い。糖尿病は、虚血性心疾患や脳梗塞などのリスクファクター。
脂質異常症:血液中の脂質、特にLDLコレステロールやトリグリセリドが多すぎる、またはHDLコレステロールが少なすぎる状態。
受動喫煙:自らは喫煙していなくても、他人の喫煙によってタバコの煙を吸わされること。受動喫煙は、COPD、肺がん、虚血性心疾患、脳卒中などのリスクファクター。
結果(要約)|選択肢1(メタボリックシンドロームの診断基準)と選択肢3(糖尿病のリスク)が正しい記述。


衛生|問 109-125|
論点|予防接種で得られる免疫の種類、予防接種の目的、予防接種法における疾病分類、健康被害救済制度
解説(要約)|
予防接種:病原体の一部や弱毒化した病原体を接種することで、人工的に免疫を獲得する方法。人工能動免疫に分類される。
予防接種によって免疫能を獲得することは、病原体に対する抵抗力を高め、発症を予防したり、重症化を防いだりする効果がある(宿主に対する疾病予防)。
予防接種法では、感染症の危険性やまん延状況に応じて、A類疾病とB類疾病に分類されている。A類疾病は、接種の努力義務はない。B類疾病は、定期接種が実施されている。
予防接種による健康被害は、予防接種法に基づく健康被害救済制度によって救済される。
結果(要約)|選択肢1(予防接種で得られる免疫は人工能動免疫)と選択肢2(予防接種による宿主に対する疾病予防)が正しい記述。


衛生|問 107-126|
論点|様々な職業性疾病の原因となる有害要因
解説(要約)|
レイノー病は、寒冷刺激や精神的ストレスによって手指の血管が収縮し、血行不良を起こす病気。電離放射線は原因とは考えられていない。
結果(要約)|レイノー病は電離放射線によって発症するわけではないため、選択肢2は誤り。


衛生|問 108-126|
論点|労働衛生管理の要素の中でも、特に「作業管理」に該当する内容
解説(要約)|
労働衛生管理:労働者の健康を保持増進し、快適な作業環境を確保するための計画的な活動。作業環境管理、作業管理、健康管理の3つに分類される。
作業管理:作業方法や作業手順を改善することで、有害要因へのばく露機会を減らし、労働者の健康リスクを低減する。
結果(要約)|選択肢4(作業手順や方法の最適化)と選択肢5(呼吸用保護具の着用)が作業管理に該当する。


衛生|問 109-126|
論点|新生児マススクリーニングの目的、対象となる疾患とその治療法
解説(要約)|
新生児マススクリーニング:出生直後の赤ちゃん全員を対象に、先天性代謝異常症や内分泌疾患など、早期発見・早期治療が必要な病気を発見するための検査。
メープルシロップ尿症:分岐鎖α-ケト酸脱水素酵素複合体の欠損により、分岐鎖アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン)を代謝できない病気。分岐鎖アミノ酸制限ミルクによる食事療法を行うことで、神経障害の発症を予防できる。
クレチン症(先天性甲状腺機能低下症): 甲状腺ホルモンが不足することで、発育障害や知的障害などを引き起こす病気。甲状腺ホルモンの補充療法を行うことで、正常な発達を促すことができる。
結果(要約)|選択肢4(メープルシロップ尿症の治療)と選択肢5(クレチン症の治療)が正しい記述。


衛生|問 106-127|
論点|エネルギー代謝、Atwater係数、呼吸商、基礎代謝、推定エネルギー必要量など、栄養評価における重要な指標とその算出方法
解説(要約)|
Atwater係数:食品中に含まれる栄養素(糖質、脂質、タンパク質)が、体内で実際に利用される際のエネルギー量を算出するための係数。物理的燃焼値、消化吸収率、未利用エネルギーを考慮して設定されている。
推定エネルギー必要量:基礎代謝量に身体活動レベル、生活活動強度、年齢、性別などを考慮して算出される。
結果(要約)|選択肢2(Atwater係数)と選択肢5(推定エネルギー必要量)が正しい記述。


衛生|問 107-127|
論点|食物繊維の分類、消化・吸収、摂取基準
解説(要約)|
食物繊維:ヒトの消化酵素では消化されない、食物中の難消化性成分の総称。水溶性と不溶性に分類。
食物繊維はヒトの消化酵素では消化されないが、腸内細菌によってある程度分解される。
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、食物繊維の目標量(目安量)が設定されている。
結果(要約)|選択肢1(水溶性と不溶性の食物繊維)と選択肢5(食物繊維の目標量)が正しい記述。


衛生|問 109-127|
論点|様々なビタミンの種類とその機能、生体内での働き
解説(要約)|
ビタミンA(レチノール):夜盲症の予防や視力維持、皮膚や粘膜の健康維持に働く。体内でレチナールやレチノイン酸に変換される。レチナールは、ロドプシンの構成成分。
ビタミンD(コレカルシフェロール):腸管からのカルシウム吸収を促進し、骨の形成や成長を助ける。紫外線照射により動物の皮膚で7-デヒドロコレステロールから合成される。
ビタミンB2(リボフラビン):糖質、脂質、タンパク質の代謝に関与し、エネルギー産生を助ける。体内で活性化され、FMNやFADとなり、様々な酵素の補酵素として機能する。
結果(要約)|選択肢3(コレカルシフェロールの合成)と選択肢4(リボフラビンの働き)が正しい記述。


衛生|問 109-128|
論点|三大栄養素(糖質、脂質、タンパク質)のそれぞれの特徴、機能、代謝、体内での役割
解説(要約)|
糖質:体内でブドウ糖に分解され、エネルギー源として利用される。余剰分はグリコーゲンとして貯蔵されたり、脂肪酸に変換されて脂肪組織に蓄えられる。
脂質:単位重量当たりのエネルギー量が最も高く、効率的なエネルギー源。細胞膜の構成成分やホルモンの原料など、様々な機能を担っている。
タンパク質:筋肉、臓器、皮膚、ホルモン、酵素などを構成する必須栄養素。エネルギー源としても利用される。脂質やタンパク質の代謝物の中には、ホルモンや神経伝達物質などの生理活性物質の前駆体となるものがある。
結果(要約)|選択肢2(糖質の役割)と選択肢5(脂質とタンパク質の代謝物)が正しい記述。


衛生|問 107-129|
論点|食品成分の変化(メイラード反応、腐敗、発酵など)に関する知識、特に微生物による食品成分の変化とそれに伴う健康への影響
解説(要約)|
メイラード反応:還元糖とアミノ酸が加熱によって非酵素的に反応し、褐変物質(メラノイジン)を生成する反応。
チラミン:チロシンがアミノ酸脱炭酸酵素によって脱炭酸されて生成されるアミン。血管収縮作用があり、多量に摂取すると頭痛や血圧上昇を引き起こすことがある。
トリメチルアミン:魚介類の腐敗によって生成されるアミン。トリメチルアミンオキシドが還元されて生成される。
トリプトファン:腐敗によってインドールやスカトールなどの悪臭物質を生成する。
発酵:微生物が糖類を分解して、乳酸、アルコール、酢酸などの有機酸を生成する反応。
結果(要約)|選択肢2(チラミンの生成と作用)と選択肢5(発酵の定義)が正しい記述。


衛生|問 108-129|
論点|食品中に含まれる代表的な発がん物質とその生成経路、発がんメカニズム
解説(要約)|
アフラトキシンB1:カビ毒の一種。体内でシトクロムP450によって代謝され、エポキシ化されることで強い発がん性を示す。
ジメチルニトロソアミン:魚介類や肉類に含まれるジメチルアミンと、食品添加物として使用される亜硝酸塩が、酸性条件下で反応して生成されるニトロソアミン。
結果(要約)|選択肢2(アフラトキシンB1の代謝活性化)と選択肢5(ジメチルニトロソアミンの生成)が正しい記述。


衛生|問 109-129|
論点|様々な食品成分の機能性、体内での働き、健康への影響
解説(要約)|
キトサン:エビやカニの殻に含まれるキチンを原料とする食物繊維の一種。コレステロールの吸収を抑え、血中コレステロール値を低下させる作用。
アスタキサンチン:サケやエビ、カニなどの甲殻類に含まれる赤い色素成分。強い抗酸化作用。
難消化性デキストリン:トウモロコシのでんぷんを原料とする食物繊維の一種。食後の血糖値の上昇を抑えたり、整腸作用。
ダイゼイン:大豆イソフラボンの一種。抗酸化作用、骨粗鬆症予防作用、更年期障害の軽減作用など。
β-カロテン:緑黄色野菜などに含まれるカロテノイドの一種。体内でビタミンAに変換され、視力維持や皮膚・粘膜の健康維持に働く。
結果(要約)|選択肢1(キトサンの作用)と選択肢4(ダイゼインの作用)が正しい記述。


衛生|問 106-130|
論点|食品安全基本法、食品衛生法、食品表示法、HACCPなどの食の安全性を確保するための法制度の内容
解説(要約)|
食品安全基本法:食の安全性の確保に関する基本的な理念を定め、国、地方公共団体、事業者、消費者の責務を明確にすることで、食の安全性の確保を図ることを目的とした法律。消費者は、食の安全に関する知識と理解を深め、積極的に食品の選択や食生活の改善に取り組むことが求められている。
食品衛生法:食品の安全性確保のために、食品の製造、加工、調理、販売などに関する衛生基準を定めた法律。食品に触れる器具、容器包装、洗浄剤なども規制対象。
HACCP:食品の製造工程における危害要因を分析し、それを継続的に管理することで、製品の安全性を確保する衛生管理手法。
食品表示法:消費者が食品を適切に選択できるよう、食品の品質、成分、原産地などを表示することを義務付けた法律。食物アレルギーの原因となる特定原材料や、栄養成分表示基準などが定められている。
結果(要約)|選択肢1(食品安全基本法における消費者の役割)と選択肢5(食品表示法における特定原材料の表示義務)が正しい記述。


衛生|問 106-131|
論点|代表的な化学物質の有害作用とそのメカニズム
解説(要約)|
塩化ビニルモノマー:ポリ塩化ビニルの原料となる物質。肝臓がんのリスクを高める。
フェニトロチオン:有機リン系殺虫剤の一種。アセチルコリンエステラーゼを阻害することで、神経毒性を示す。
アスベスト:繊維状の鉱物。吸入することで、肺がんや悪性中皮腫のリスクを高める。
ベンジジン:染料の原料などに使用される物質。膀胱がんのリスクを高める。
シアン化水素:青酸とも呼ばれる猛毒物質。シトクロムオキシダーゼを阻害することで細胞呼吸を阻害し、細胞死を引き起こす。
結果(要約)|選択肢3(アスベスト)と選択肢5(シアン化水素)が正しい記述。


衛生|問 107-131|
論点|活性酸素の有害作用と、それに対抗する生体内の防御機構、特に抗酸化酵素の働き
解説(要約)|
活性酸素:反応性の高い酸素種の総称。細胞内の代謝過程で発生し、過剰になると細胞を傷つけ、老化やがん、動脈硬化などの原因となる。
スーパーオキシドジスムターゼ(SOD):スーパーオキシドアニオンを過酸化水素と酸素に分解する酵素。
カタラーゼ:過酸化水素を水と酸素に分解する酵素。活性中心にヘム鉄を持つ。
グルタチオンペルオキシダーゼ:過酸化水素を水に還元する酵素。この反応には、グルタチオンが還元剤として必要。
グルタチオンレダクターゼ:酸化型グルタチオンを還元型グルタチオンに変換する酵素。グルタチオンペルオキシダーゼと協調して、過酸化水素の消去に関与する。
結果(要約)|選択肢3(カタラーゼの働き)と選択肢4(グルタチオンペルオキシダーゼの働き)が正しい記述。


衛生|問 109-131|
論点|代表的な食中毒の原因となる細菌やウイルス、その特徴、増殖条件、産生する毒素、予防法など
解説(要約)|
黄色ブドウ球菌:耐熱性の毒素(エンテロトキシン)を産生する。100℃、30分の加熱でも失活しない。
ボツリヌス菌:嫌気性菌。酸素のない環境で増殖し、ボツリヌス毒素を産生する。
腸管出血性大腸菌:酸に比較的強く、少量の菌数でも食中毒を引き起こすことがある。腸管内でベロ毒素を産生し、出血性の下痢などを引き起こす。O157などの病原性大腸菌が有名。
セレウス菌:土壌や水、空気中に広く分布する細菌。嘔吐毒は耐熱性が高い。下痢毒は熱に弱い。
エルシニア・エンテロコリチカ:低温でも増殖することができる。4℃でも発育が可能。
結果(要約)|選択肢1(黄色ブドウ球菌の産生する毒素の耐熱性)と選択肢3(腸管出血性大腸菌の特徴)が正しい記述。


衛生|問 106-132|
論点|覚醒剤 / 特徴 / 離脱症状
解説(要約)|
覚醒剤の離脱症状には、精神的な症状が主体であり、身体的な依存性は比較的低い。
メタンフェタミンは、アンフェタミンのアミノ基がメチル化されたもの。
摂取を中断しても、摂取時と同様の精神症状が現れるフラッシュバックがみられることがある。
中枢神経を興奮させ、発汗、悪心、けいれんなどの症状が現れる。
摂取の確認には、尿や毛髪中の未変化体を調べる。
結果(要約)|覚醒剤の摂取を中断すると身体依存性が強く現れるというのは間違い。


衛生|問 107-132|
論点|主要な農薬の作用機序、代謝経路、毒性発現メカニズム
解説(要約)|
フェニトロチオン(有機リン系殺虫剤):シトクロムP450酵素群によって代謝的に活性化され、強力なアセチルコリンエステラーゼ阻害作用を示す。
メソミル(カルバメート系殺虫剤):アセチルコリンエステラーゼの活性中心を可逆的にカルバモイル化することで酵素活性を阻害する。
パラコート(接触型除草剤):植物の葉緑体に取り込まれ、光合成の電子伝達系を阻害し、活性酸素を発生させる。
アセタミプリド(ネオニコチノイド系殺虫剤):昆虫の中枢神経系にあるニコチン性アセチルコリン受容体に選択的に結合し、神経伝達を阻害する。
フェノトリン(ピレスロイド系殺虫剤):昆虫の神経細胞膜にある電位依存性ナトリウムチャネルに作用し、神経細胞を過剰に興奮させる。
結果(要約)|選択肢1(フェニトロチオン)と選択肢2(メソミル)が正しい記述。


衛生|問 108-132|
論点|代表的な有害化学物質の毒性発現メカニズム
解説(要約)|
硫化水素:ミトコンドリアの電子伝達系にあるシトクロムcオキシダーゼ(複合体IV)に結合し、その活性を阻害することで細胞呼吸を阻害する。
DEHP (フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)):可塑剤として広く使用されている。内分泌かく乱物質として知られており、生殖毒性、発達毒性、肝毒性などが報告されている。
四塩化炭素:肝臓でシトクロムP450によって代謝され、トリクロロメチルラジカル(・CCl3)などの活性代謝物を生成する。これらの活性代謝物は、肝細胞に損傷を与え、脂肪肝、肝硬変、肝臓がんを引き起こす可能性がある。
塩化ビニルモノマー:ポリ塩化ビニルの原料。肝臓で代謝され、エポキシドなどの反応性代謝物を生成する。これらの代謝物は、DNAと反応し、遺伝子変異を引き起こすことで、肝臓がんのリスクを高める可能性がある。
カルバリル:カルバメート系殺虫剤。昆虫のアセチルコリンエステラーゼを阻害する。
結果(要約)|選択肢1(硫化水素)と選択肢3(四塩化炭素)が正しい記述。


衛生|問 106-133|
論点|代表的な毒性試験の種類とそれぞれの目的
解説(要約)|
一般毒性試験:被験物質を投与した際に、動物にどのような毒性反応が現れるかを評価する試験。単回投与毒性試験と反復投与毒性試験に大別される。
単回投与毒性試験:被験物質を1回投与し、短期間観察を行う試験。主に被験物質の急性毒性を評価し、50%致死量(LD50)などを算出する。
反復投与毒性試験:被験物質を繰り返し投与し、長期間観察を行う試験。主に被験物質の慢性毒性を評価する。
遺伝毒性試験:被験物質がDNAや遺伝子に影響を与える可能性を評価する試験。
催奇形性試験:被験物質を妊娠中の母動物に投与し、胎児への影響を評価する試験。
発がん性試験:被験物質を動物に長期間投与し、がんの発生率を評価する試験。
結果(要約)|反復投与毒性試験は慢性毒性の評価に用いられるため、選択肢2は誤り。


衛生|問 108-133|
論点|毒性試験の種類と目的、適用される法規制
解説(要約)|
一般毒性試験:単回投与毒性試験と反復投与毒性試験に分けられる。
特殊毒性試験:特定の臓器や器官に対する毒性、発がん性、遺伝毒性、生殖発生毒性など、より詳細な毒性評価を行うための試験。
食品添加物の安全性試験:食品衛生法に基づいて実施される。食品添加物の指定申請には、様々な試験データの提出が必要であり、その中には一般毒性試験(単回投与、反復投与)、遺伝毒性試験、発がん性試験に加えて、アレルゲン性試験(抗原性試験)も含まれる。
結果(要約)|選択肢3(毒性試験の種類)と選択肢4(食品添加物の安全性試験)が正しい記述。


衛生|問 109-133|
論点|ヒ素の毒性、環境中の存在形態、健康への影響、国際的な規制
解説(要約)|
ヒ素の毒性:化学形態に大きく依存する。一般的に、3価のヒ素は5価のヒ素よりも毒性が強い。
アルセノベタイン:魚介類に多く含まれる有機ヒ素化合物。ヒトに対する毒性は非常に低く、ほとんど代謝されずに体外に排出される。
IARCの発がん性分類:ヒ素および無機ヒ素化合物は、グループ1(ヒトに対する発がん性が認められる)に分類されている。
ヒ素中毒の治療:無機ヒ素化合物による急性中毒時には、解毒剤としてdimercaprol (BAL)やsuccimer (DMSA)などが用いられる。
ヒ素による環境汚染:無機ヒ素化合物は、地殻中に広く分布しており、火山活動や鉱山の開発などによって環境中に放出される。
結果(要約)|選択肢3(IARCの発がん性分類)と選択肢5(ヒ素による環境汚染)が正しい記述。


衛生|問 109-134|
論点|毒性試験に関する基礎知識とその応用
解説(要約)|
単回投与毒性試験:被験物質を1回投与して、短期間における毒性を評価する試験。この試験から得られるLD50(半数致死量)は、毒物及び劇物の指定基準の一つとして、毒物及び劇物取締法で使用されている。
反復投与毒性試験:被験物質を繰り返し投与して、長期間における毒性を評価する試験。この試験は、一般毒性試験に分類される。
復帰突然変異試験:被験物質が変異原性を持つ物質であるかどうかを調べる試験。
アレルゲン性試験:被験物質がアレルギー反応を引き起こす可能性を評価する試験。食品添加物の安全性試験では、遅延型アレルギー反応を指標とした試験方法が用いられている。
催奇形性試験:被験物質を妊娠中の母動物に投与し、胎児に対する影響を評価する試験。
結果(要約)|選択肢1(単回投与毒性試験)と選択肢4(アレルゲン性試験)が正しい記述。


衛生|問 106-135|
論点|発がん物質の代謝活性化のメカニズム
解説(要約)|
トルイジン:シトクロムP450によって代謝され、ヒドロキシルアミン体となり、さらにアセチル化反応を受けることで、反応性の高いN-アセトキシル化体を生成する。
サイカシン:ソテツなどの植物に含まれる配糖体。腸内細菌のβ-グルコシダーゼによって加水分解され、発がん性物質であるメチルアゾキシメタノール(MAM)を生成する。
スチレン:ポリスチレンなどの合成樹脂の原料となる物質。シトクロムP450によって代謝され、スチレンオキシドに変換される。
ビス(クロロメチル)エーテル:体内で加水分解され、反応性の高いカルボカチオンを生成する。
ナイトロジェンマスタード:抗がん剤として使用されている。体内で環化反応を起こし、発がん性のあるエチレンイミニウムイオンを生成する。
結果(要約)|選択肢1(o-トルイジン)と選択肢3(スチレン)が正しい記述。


衛生|問 108-135|
論点|日本の化学物質管理の枠組みを支える二つの主要な法律、化審法と化管法
解説(要約)|
化審法:新規化学物質の製造や輸入の前に、事前に安全性に関する審査を行い、人への健康影響や環境への影響を未然に防止することを目的とする。
監視化学物質:難分解性で、環境中に蓄積する性質があり、かつヒトや生態系に対して長期的な毒性を有するおそれがある化学物質。
分解性試験:化審法では、新規化学物質の分解性を評価するために、OECDの試験ガイドラインなどに基づいた分解性試験が実施される。分解性試験には、活性汚泥を用いた試験などが含まれる。
化管法:環境汚染を防止するため、事業者による化学物質の排出量や移動量の把握、管理の改善、情報公開などを推進することを目的とする。
PRTR制度:特定の化学物質を一定量以上、環境中に排出・移動させる事業者に対して、その種類、量などを届け出ることを義務付けた制度。
SDS制度:化学物質の危険性や安全な取り扱い方法などを記載した書類。
結果(要約)|選択肢3(化審法における分解性試験)と選択肢5(化管法におけるPRTR制度)が正しい記述。


衛生|問 106-136|
論点|電離放射線の人体への影響とその防御方法
解説(要約)|
電離放射線の防護:電離放射線から身を守るための基本的な考え方は、「正当化」、「最適化」、「線量制限」の3つ。
防御の3原則:電離放射線による被ばくを減らすための基本的な原則。「時間」、「距離」、「遮蔽」。
α線:電離作用が強く、物質を透過する力が弱い放射線。外部被ばくよりも、内部被ばくの方が危険性が高い。
β線:α線よりも電離作用は弱く、物質を透過する力が強い放射線。β線を遮蔽するには、アルミニウム板やプラスチック板などが有効。
安定ヨウ素剤:放射性ヨウ素(131I)の体内への取り込みを阻害するために使用される。
有効半減期:放射性物質が体内に取り込まれた後、体内の放射線量が半分になるまでの期間。物理学的半減期と生物学的半減期を考慮して算出される。
結果(要約)|選択肢4(安定ヨウ素剤)と選択肢5(有効半減期)が正しい記述。


衛生|問 108-136|
論点|放射性核種の様々な用途と、人体への影響
解説(要約)|
60Co:コバルトの放射性同位体。γ線を放出。医療分野ではがん治療や医療機器の滅菌などに利用。食品照射として、じゃがいもの発芽防止にも利用。
131I:ヨウ素の放射性同位体。甲状腺機能亢進症の治療や甲状腺がんの治療に利用される。
90Sr:ストロンチウムの放射性同位体。β線を放出し、骨に蓄積しやすい。
239Pu:プルトニウムの放射性同位体。α線を放出し、肺や骨に蓄積しやすい。
実効半減期:放射性核種が体内に取り込まれた後、体内の放射線量が半分になるまでの時間。物理学的半減期と生物学的半減期の両方を考慮して算出。
222Rn:ラドン222は、ウラン238の崩壊系列に属する放射性核種。自然界に広く存在し、特に花崗岩などの岩石や土壌中に多く含まれる。
226Ra:ラジウム226もウラン238の崩壊系列に属する放射性核種で、自然界に存在する。
結果(要約)|選択肢1(60Coの利用)と選択肢2(131Iの利用)が正しい記述。


衛生|問 106-137|
論点|化学物質の環境中での動き(環境動態)と、生物濃縮のメカニズム
解説(要約)|
生物濃縮:環境中の化学物質が生体内に取り込まれ、食物連鎖を通して上位の生物へと移行していく過程で、生体内濃度が高くなっていく現象。
濃縮係数:生物濃縮の程度を示す指標。生物体内濃度を環境中濃度で割った値で表される。
オクタノール/水分配係数:化学物質の脂溶性と水溶性のバランスを示す指標。1-オクタノール/水分配係数が大きい化学物質ほど、脂溶性が高く、生物濃縮されやすい傾向がある。
直接濃縮:生物が、周囲の環境から直接、化学物質を取り込むこと。
間接濃縮:生物が、食物を通して化学物質を取り込むこと。
直鎖型アルキルベンゼンスルホン酸:界面活性剤の一種。分岐型のものに比べて、微生物による分解を受けやすい性質がある。
DDT:有機塩素系殺虫剤。脂溶性が高く、生物濃縮されやすい性質がある。
結果(要約)|選択肢3(生物濃縮)と選択肢5(DDT)が正しい記述。


衛生|問 107-137|
論点|in vitro遺伝毒性試験の種類とそれぞれの試験方法、評価指標
解説(要約)|
In vitro 遺伝毒性試験:試験管内(in vitro)で、細胞や微生物を用いて化学物質の遺伝毒性を評価する試験。
不定期DNA合成(UDS)試験:化学物質によってDNAが損傷を受けた際に起こるDNA修復合成を測定する試験。
マウスリンフォーマTK試験:マウスリンパ腫細胞を用いて、化学物質による遺伝子突然変異を検出する試験。
Ames試験:サルモネラ菌などの細菌を用いて、化学物質による復帰突然変異を検出する試験。
コメットアッセイ:単細胞ゲル電気泳動法とも呼ばれる。化学物質によってDNAが損傷を受けると、DNA鎖が切断される。コメットアッセイでは、このDNA鎖の切断を検出する。
小核試験:化学物質によって染色体が切断または損傷を受けると、細胞分裂の際に、核とは別に小さな核(小核)が形成される。
結果(要約)|選択肢3(Ames試験)と選択肢4(コメットアッセイ)が正しい記述。


衛生|問 108-137|
論点|地球環境問題に対する国際的な取り組み、主要な国際条約の内容
解説(要約)|
バーゼル条約:有害廃棄物の越境移動による環境汚染や健康被害を防止するため、輸出入の規制や適正な処理を義務付ける。
ストックホルム条約:環境中で分解されにくく、生物蓄積性が高く、長距離移動する性質を持つ残留性有機汚染物質(POPs)の製造、使用、輸出入を規制。
ワシントン条約:絶滅のおそれのある野生動植物の国際取引を規制することで、種の保全を図る。
ウィーン条約:オゾン層を破壊する物質の排出を削減し、オゾン層を保護することを目的とする。
ロンドン条約:船舶などからの廃棄物の海洋投棄を規制することで、海洋汚染を防止することを目的とする。
結果(要約)|選択肢1(バーゼル条約)と選択肢3(ワシントン条約)が正しい記述。


衛生|問 109-137|
論点|下水処理の主要な方法である標準活性汚泥法と嫌気・無酸素・好気法
解説(要約)|
標準活性汚泥法:下水処理で最も広く用いられている方法。活性汚泥と呼ばれる微生物の塊(フロック)を利用して、下水中の有機物を分解し、浄化。
曝気槽:活性汚泥に酸素を供給し、有機物の分解を促進する槽。主に好気性細菌が活発に活動し、有機物を分解。
最終沈殿池:処理水と活性汚泥を分離する槽。
返送汚泥:最終沈殿池で沈殿した活性汚泥の一部は、曝気槽に戻され、再利用される。
嫌気・無酸素・好気法:標準活性汚泥法に比べて、リンや窒素の除去効率が高い方法。
リン蓄積菌:嫌気・無酸素・好気法で重要な役割を果たす微生物。嫌気槽で有機物を分解し、その際にリンを細胞内に蓄積する。好気槽では、蓄積したリンを放出しながら、有機物を分解する。
結果(要約)|選択肢3(標準活性汚泥法)と選択肢4(嫌気・無酸素・好気法)が正しい記述。


衛生|問 106-138|
論点|主要な地球環境問題と、それらに対処するための国際的な条約
解説(要約)|
オゾン層の破壊:フロンなどの物質がオゾン層を破壊することが問題となり、ウィーン条約、モントリオール議定書が採択。
地球温暖化:温室効果ガスによる地球温暖化に対処するため、京都議定書、パリ協定が採択。
水銀による汚染:水銀を含む製品の製造、使用、廃棄による環境汚染に対処するため、水俣条約が採択。
海洋汚染:プラスチックゴミの流出、油流出事故、船舶からの廃棄物投棄などによる海洋汚染に対処するため、ロンドン条約が採択。
酸性雨:石炭火力発電所や工場などから排出される硫黄酸化物や窒素酸化物が原因で発生。酸性雨の発生源となる物質の排出を削減するために、国際的な取り組みが進められている。
結果(要約)|選択肢2(地球温暖化 - パリ協定)と選択肢3(水銀による汚染 - 水俣条約)が正しい組合せ。


衛生|問 107-138|
論点|天然及び人工放射性核種の性質と、それらが人体に与える影響
解説(要約)|
40K:カリウムの放射性同位体。自然界に広く存在し、食品にも含まれている。食品から摂取される天然放射性核種のうち、最も量が多い。
137Cs:セシウムの放射性同位体。原子力発電所の事故などで環境中に放出される。体内に入ると、筋肉(全身)に比較的均等に分布する。
90Sr:ストロンチウムの放射性同位体。骨に蓄積しやすい性質がある。
実効半減期:放射性核種が体内に取り込まれた後、体内の放射線量が半分になるまでの時間。物理学的半減期と生物学的半減期の両方を考慮して算出される。
α線:電離作用が強く、物質を透過する力が弱い放射線。外部被ばくよりも、内部被ばくの方が危険性が高い。
結果(要約)|選択肢1(40K)と選択肢3(137Cs)が正しい記述。


衛生|問 108-138|
論点|水道水質基準とその基準項目、特に消毒副生成物やカビ臭物質
解説(要約)|
水道水質基準:水道水の安全性を確保するため、厚生労働省によって定められた水質基準。
消毒副生成物:水道水の消毒に塩素が用いられる際に、水中の有機物と反応して生成される物質。
テトラクロロエチレン:ドライクリーニング溶剤などに使用される有機塩素系化合物。
ブロモジクロロメタン:トリハロメタンの一種。水道原水に含まれる臭化物イオンと塩素が反応することで生成される。
ジクロロ酢酸:ハロ酢酸の一種。水道原水に含まれる有機物と塩素が反応することで生成される。
カビ臭物質:藍藻類や放線菌などの微生物が産生する物質。
1,4-ジオキサン:工業用途で広く使われる有機溶媒。
結果(要約)|選択肢2(ブロモジクロロメタン)と選択肢4(2-メチルイソボルネオール)が正しい記述。


衛生|問 109-138|
論点|水質汚濁に係る環境基準の目的、根拠法、基準項目、設定の考え方
解説(要約)|
水質汚濁に係る環境基準:水質汚濁を防止し、人の健康を保護するとともに、生活環境を保全するために、維持されることが望ましい水質の基準。「水質汚濁防止法」に基づいて定められている。
環境基準:大きく分けて、「人の健康の保護に関する環境基準」と「生活環境の保全に関する環境基準」の二つがある。
COD (化学的酸素要求量):水中の有機物を酸化剤で酸化する際に消費される酸素量を表す指標。
BOD (生物化学的酸素要求量):水中の有機物を好気性微生物が分解する際に消費される酸素量を表す指標。
底層溶存酸素量:湖沼や海域の底層における溶存酸素量。
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(LAS):界面活性剤の一種。
結果(要約)|選択肢3(底層溶存酸素量)と選択肢5(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸)が正しい記述。


衛生|問 106-139|
論点|大気汚染物質の排出規制と環境基準に関する法令
解説(要約)|
大気汚染防止法:大気汚染を防止するため、工場や事業場からの大気汚染物質の排出を規制する法律。
環境基準:大気汚染物質について、人の健康を保護し、生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準。
二酸化硫黄:主に、火力発電所や工場などから排出される大気汚染物質。
ばい煙:燃料の燃焼に伴い発生する煤煙。
窒素酸化物:自動車の排気ガスや工場・事業場などから排出される大気汚染物質。
ダイオキシン類:ごみ焼却施設などから排出される、極めて毒性の強い物質。
自動車排出ガス規制:自動車交通による大気汚染を防止するため、自動車からの窒素酸化物や粒子状物質などの排出量を規制する制度。
結果(要約)|K値規制は廃止されているため、選択肢3は誤り。


衛生|問 107-139|
論点|上水道における浄水処理の各工程とその目的、使用する薬品とその働き、消毒副生成物の抑制対策
解説(要約)|
浄水処理:河川や湖沼などの原水を、飲料水として適した水質に処理する過程。
前塩素処理:浄水処理の初期段階で行われる塩素処理。
凝集沈殿:硫酸アルミニウムなどの凝集剤を添加し、水中の微細な粒子を凝集させて沈殿させる処理。
ろ過:砂や活性炭などのろ過材を用いて、水中の残留物を除去する処理。
塩素処理:浄水処理の最終段階で行われる塩素処理。
アンモニウムイオン:水中のアンモニウムイオンは、塩素と反応してクロラミンを生成する。
不連続点塩素処理:塩素処理を複数回に分けて行うことで、トリハロメタンなどの消毒副生成物の生成を抑制する方法。
オゾン処理:オゾンは強力な酸化力を持つため、臭気物質や色度成分、微生物などを分解することができる。
結果(要約)|選択肢4(オゾン処理)と選択肢5(凝集沈殿)が正しい記述。


衛生|問 109-139|
論点|代表的な大気汚染物質の測定方法とその原理
解説(要約)|
一酸化炭素:赤外線吸収法で測定。
二酸化窒素:化学発光法で測定。
光化学オキシダント:紫外線吸収法で測定。
二酸化硫黄:紫外線蛍光法で測定。
浮遊粒子状物質:β線吸収法で測定。
結果(要約)|選択肢1(一酸化炭素)と選択肢5(浮遊粒子状物質)が正しい記述。


衛生|問 106-140|
論点|部屋の容積、換気回数、1人あたりの必要換気量から、部屋に在室可能な人数を計算
解説(要約)|
換気:室内の空気を入れ替えること。
換気量:1時間あたりに換気される空気の量。
換気回数:1時間あたりに部屋の空気が何回入れ替わるかを示す指標。
必要換気量:室内の人数や活動量、室内の用途などに応じて必要な換気量。
結果(要約)|計算の結果、部屋に在室可能な人数は最大で5人。


衛生|問 107-140|
論点|大気汚染物質である窒素酸化物の発生源、環境への影響、法規制
解説(要約)|
窒素酸化物:一酸化窒素 (NO) や二酸化窒素 (NO2) などの窒素と酸素の化合物の総称。
酸性雨:大気中の窒素酸化物や硫黄酸化物が、雨水に溶け込み、酸性化した雨のこと。
サーマルNOx:高温の燃焼過程で、空気中の窒素と酸素が反応して生成される窒素酸化物。
光化学オキシダント:窒素酸化物や揮発性有機化合物 (VOC) が、太陽光線を受けて光化学反応を起こし、生成される酸化性物質の総称。
窒素酸化物総量規制:大気汚染防止法に基づき、工場や事業場などからの窒素酸化物の排出量を削減するために導入された制度。
K値規制:過去に工場・事業場などからのばい煙の排出を規制するために導入された制度だったが、現在では廃止。
大気環境基準:大気汚染物質について、人の健康を保護し、生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準。
結果(要約)|選択肢1(酸性雨)と選択肢3(光化学オキシダント)が正しい記述。


衛生|問 108-140|
論点|室内のCO2濃度変化から換気量を計算
解説(要約)|
換気:室内の空気を入れ替えること。
換気量:1時間あたりに換気される空気の量。
CO2濃度:室内の二酸化炭素濃度。CO2濃度は、換気量の指標としてよく用いられる。
結果(要約)|計算の結果、この講義室の換気量は約2900 m3/h。


衛生|問 107-141|
論点|室内環境における様々な要因が人の健康に及ぼす影響
解説(要約)|
ヒョウダニ:ダニの一種。畳や布団、カーペットなどに生息し、その死骸や糞がアレルギーの原因物質となる。
一酸化炭素:無色無臭の気体。燃料の不完全燃焼によって発生する。一酸化炭素は、ヘモグロビンと強く結合し、酸素の運搬を阻害することで、一酸化炭素中毒を引き起こす。
レジオネラ属菌:水中に生息する細菌。エアロゾルとして空気中に飛散し、それを吸い込むことで、レジオネラ症を引き起こすことがある。
総揮発性有機化合物 (TVOC):常温で揮発しやすい有機化合物の総称。
シックハウス症候群:住宅の高気密化や化学物質を含む建材の使用などによって、室内空気が汚染され、様々な健康被害が生じること。
結果(要約)|選択肢1(ヒョウダニ)と選択肢3(レジオネラ属菌)が正しい記述。


衛生|問 109-141|
論点|廃棄物の種類、排出量、処理方法、リサイクル、関連する国際条約
解説(要約)|
産業廃棄物:事業活動に伴って生じる廃棄物のこと。
ロンドン条約:船舶などからの廃棄物の海洋投棄を規制することで、海洋汚染を防止することを目的とする条約。
循環型社会形成推進基本法:循環型社会の形成を推進するための基本的な理念、目標、施策などを定めた法律。
マイクロプラスチック:5mm以下の微小なプラスチック粒子。プラスチックゴミが、紫外線や波の力などによって細かく砕かれて生成される。
バーゼル条約:有害廃棄物の越境移動による環境汚染や健康被害を防止するために、輸出入の規制や適正な処理を義務付けている条約。
結果(要約)|選択肢1(産業廃棄物の排出量)と選択肢3(循環型社会形成推進基本法)が正しい記述。


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参考資料|

厚生労働省ホームページ / 薬剤師国家試験のページ
薬剤師国家試験のページ |厚生労働省 (mhlw.go.jp)

過去の試験問題及び解答|

第109回(令和6年2月17日、2月18日実施)
第108回(令和5年2月18日、2月19日実施)
第107回(令和4年2月19日、2月20日実施)
第106回(令和3年2月20日、2月21日実施)
第105回(令和2年2月22日、23日実施)
第104回(平成31年2月23、2月24日実施)
第103回(平成30年2月24、2月25日実施)
第102回(平成29年2月25、2月26日実施)
第101回(平成28年2月27、2月28日実施)
第100回(平成27年2月28、3月1日実施)
第99回(平成26年3月1、2日実施)
第98回(平成25年3月2、3日実施)
第97回(平成24年3月3、4日実施)

過去の薬剤師国家試験の結果|

第109回(令和6年2月17日、18日実施)[PDF形式:2,589KB][2.6MB]
第108回(令和5年2月18日、19日実施)[PDF形式:471KB][471KB]
第107回(令和4年2月19日、20日実施)[PDF形式:803KB][803KB]
第106回(令和3年2月20日、21日実施)[PDF形式:871KB][871KB]
第105回(令和2年2月22日、23日実施)[PDF形式:371KB][371KB]
第104回(平成31年2月23、2月24日実施)[PDF形式:620KB][620KB]
第103回(平成30年2月24、2月25日実施)[PDF形式:457KB]
第102回(平成29年2月25、2月26日実施)[PDF形式:564KB]
第101回(平成28年2月27、2月28日実施)[PDF形式:796KB]
第100回(平成27年2月28、3月1日実施)[PDF形式:2,005KB]
第99回(平成26年3月1、2日実施)[PDF形式:1,116KB]
第98回(平成25年3月2、3日実施)[PDF形式:634KB]
第97回(平成24年3月3、4日実施)[PDF形式:285KB]

いかがでしたか?前回の4年前の集計と比較して、文章での解説を省略して、グラフだけで見せるアプローチにしてみました。
薬学生の皆さんは、ぜひ、グラフから分析と考察に挑戦してみてください。

今日はこの辺で、
それではまた
お会いしましょう。

Your best friend
Mats & BLNt

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