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薬剤師国家試験対策ノート|論点解説 薬学理論問題 薬理(1) 第106回-第109回 44問 powered by Gemini 1.5 Pro, Google AI Studio & GPT4o, Chat GPT

こんにちは!Mats & BLNtです。

matsunoya_note から、薬剤師国家試験の論点解説をお届けします。
苦手意識がある人も、この機会に、薬学理論問題【薬理】 を一緒に完全攻略しよう!
今回は、薬学理論問題 薬理(1)として、2024年2月に実施された最新の薬剤師国家試験までの4回分、第106回薬剤師国家試験-第109回薬剤師国家試験 薬学理論問題【薬理】44問の論点解説を powered by Gemini 1.5 Pro, Google AI Studio & GPT4o, Chat GPT との対話を基盤にして一挙公開します。
GPT4o, Chat GPT との対話を基盤にした論点解説と Gemini 1.5 Pro との対話を基盤にした論点解説を両方掲載していますので、追加の情報を得られ、また、両者の回答を比較することも可能です。

一般問題【薬学理論問題】は、解法へのアプローチで分類すると、2つにわけられます。
・選択肢の文章のみから、その記述の正誤を判断する問題
・図表の理解から、正答を選択する問題
今回取り上げた問題は、前者です。
必須問題との違いは、問題によって、選択肢を1つ選ぶ場合2つ選ぶ場合がある事、また、1問の中に論点が複数ある事です。
要するに、必須問題がたくさんあるようなものです。
まず、ここから攻略することで、論点理解を深め、知識の幅を増やして、実力アップに挑戦しましょう。

薬剤師国家試験の勉強法は色々ありますが、薬学理論問題を一通り解いてみて、そこから自分に合った勉強法の傾向と対策を立てることは効率的な方法のひとつです。
Matsunoya品質の論点解説でサクッと学べば、それはそれで、薬剤師国家資格取得に向け走り出すきっかけになると思います。

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薬剤師にしかできない仕事がある。

さあ、はじめよう。

薬剤師国家試験対策ノート|論点解説 薬学理論問題 薬理(1) 第106回-第109回 44問
powered by Gemini 1.5 Pro, Google AI Studio & GPT4o, Chat GPT
https://note.com/matsunoya_note/n/nab25c16d3aff

Here; https://note.com/matsunoya_note/n/nab25c16d3aff


薬剤師国家試験対策ノート|論点解説 薬学理論問題 薬理(1) 第106回-第109回 44問 powered by Gemini 1.5 Pro, Google AI Studio & GPT4o, Chat GPT

1. 論点一覧 44問 薬学理論問題【薬理】

問番号は[試験の回]-[問番号]です。問番号順に並んでいます。
まず、論点を確認しましょう。
併せて出題された薬物の名前の一覧を今回掲載しました。

💡Tips:
Webブラウザ上でショートカットキー[Ctrl+F]を使ってみよう!
例: 問 107-100の論点、問題、論点解説、解説要約に素早くアクセスするには、107-100を選択してからCtrl+Fを押します。

薬剤師国家試験問題 薬学理論問題【薬理】第106回 - 第109回

Creator: Yukiho Takizawa, PhD
Tool: Chat GPT powered by GPT4o & Google AI Studio by Gemini 1.5 Pro
Date: 2024/ 06/16

Matsunoya|薬剤師国家試験対策ノート
1. 論点一覧 44問 薬学理論問題【薬理】

Here; https://note.com/matsunoya_note/n/nab25c16d3aff

論点:
■■Gemini 1.5 Pro
⇒ 改変・校正(Yukiho Takizawa, PhD)
論点リスト
問番号 |論点
薬理|問 106-151| 細胞膜受容体 / 種類・シグナル伝達経路
薬理|問 107-151| 細胞内情報伝達系 / 種類・活性化機構
薬理|問 108-151| 薬物-受容体相互作用・濃度-反応曲線 / 影響
薬理|問 106-152| 副交感神経系 / 作用薬 / 作用機序・効果
薬理|問 107-152| 薬物依存 / 定義・種類 / 治療薬
薬理|問 108-152| 自律神経系 / 作用薬 / 作用機序・効果
薬理|問 109-152| 末梢性筋弛緩薬 / 作用機序・薬物動態・併用禁忌
薬理|問 107-153| 自律神経系 / 作用薬 / 作用機序・効果
薬理|問 108-153| 統合失調症 / 治療薬 / 作用機序・副作用
薬理|問 109-153| 痛み / 薬物治療 / 作用機序
薬理|問 107-154| 中枢性・末梢性筋弛緩薬 / 作用機序
薬理|問 108-154| 抗てんかん薬 / 作用機序
薬理|問 106-155| 脳血管障害 / 後遺症 / 治療薬 / 作用機序
薬理|問 107-155| 全身麻酔薬・催眠薬 / 作用機序
薬理|問 108-155| 中枢神経系 / 作用薬 / 作用機序・効果
薬理|問 108-156| 抗リウマチ薬 / 分類・作用機序
薬理|問 109-156| 花粉症 / 治療薬 / 作用機序・効果
薬理|問 106-158| 骨粗鬆症 / 治療薬 / 作用機序・特徴
薬理|問 107-158| アレルギー性疾患 / 治療薬 / 作用機序・適用疾患
薬理|問 106-159| 心不全 / 治療薬 / 作用機序
薬理|問 109-159| 心不全/ 治療薬 / ターゲット・効果
薬理|問 109-160| 高血圧 / 治療薬 / 作用機序・副作用
薬理|問 107-161| 泌尿器系薬物 / 作用機序・効果
薬理|問 108-161| 利尿薬 / 種類・作用機序
薬理|問 109-161| 造血 / 因子 / 薬物作用
薬理|問 106-162| 抗血栓薬 / 種類・作用機序
薬理|問 107-162| 胃・十二指腸潰瘍 / 治療薬 / 作用機序
薬理|問 108-162| 制吐薬 / 作用部位・受容体
薬理|問 109-162| 胃・十二指腸潰瘍 / 治療薬 / 作用機序
薬理|問 106-163| 呼吸器系作用薬 / 作用機序
薬理|問 107-163| 2型糖尿病 / 治療薬 / 作用機序
薬理|問 108-163| 肝疾患・膵疾患・胆道疾患 / 治療薬 / 作用機序
薬理|問 109-163| 肝疾患・膵疾患・胆道疾患 / 治療薬 / 作用標的・機序
薬理|問 106-164| 消化器系疾患 / 治療薬 / 作用標的・機序
薬理|問 107-164| 性ホルモン関連薬 / 作用機序・効果
薬理|問 108-164| 糖尿病 / 治療薬 / 作用機序・分類
薬理|問 109-164| 高尿酸血症 / 治療薬 / 作用機序・分類
薬理|問 106-165| 高尿酸血症・痛風 / 治療薬 / 作用機序・特徴
薬理|問 108-165| 内分泌系作用薬 / 作用機序・効果
薬理|問 107-167| 急性白血病 / 治療薬 / 作用機序・分類
薬理|問 108-167| 肺がん / 治療薬 / 作用機序・分類
薬理|問 106-168| 内分泌系作用薬 / 作用機序・効果
薬理|問 106-169| 抗ウイルス薬 / 作用機序・標的分子
薬理|問 109-169| 抗悪性腫瘍薬 / 作用機序・分類


出題された薬物の名前 一覧表

注記:適用範囲は、代表的なものを記載しています。同じ医薬品が複数の疾患に用いられる場合があります。同じ問題で複数の医薬品が出題されている場合があります。

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出題された薬物の名前の一覧|matsunoya_note 薬剤師国家試験対策ノート

2. 試験問題 44問 薬学理論問題【薬理】

薬剤師国家試験問題 薬学理論問題【薬理】第106回 - 第109回

Creator: Yukiho Takizawa, PhD
Tool: Chat GPT powered by GPT4o & Google AI Studio by Gemini 1.5 Pro
Date: 2024/ 06/16

Matsunoya|薬剤師国家試験対策ノート
2. 試験問題 44問 薬学理論問題【薬理】

Here; https://note.com/matsunoya_note/n/nab25c16d3aff

論点を確認し終わったら、問題を解いてみましょう。
薬剤師国家試験の本番では、薬学理論問題は原則1問2.5分以内に解く必要があります。でも、最初はゆっくりで大丈夫です。よく考えることが大切だからです。時間がかかる問題とかからない問題があります。
落ち着いて一通り解いてみましょう。
2. 試験問題の後に、
3. 論点解説、4. 解説要約があります。
わからなかった問題に関して、論点解説を読み、重点的に復習してみましょう。正解だった問題も、時間があったら、解説を確認するとよいです。

薬剤師国家試験問題 薬学理論問題【薬理】第106回 - 第109回
・正答の選択肢は問題によって異なります。
 1つ選択または2つ選択のどちらかです。


💡豆知識: 
一般問題「薬学理論問題」の完全攻略の第一歩は、慣れる事です。
薬理学の問題の場合は、4. 解説要約で事前にポイントの復習をして自分で必要な事柄をまとめてから問題に取り組むのもよいでしょう。
薬理学は、特定のメカニズム(論理的には3ステップくらいの中分類)を理解して、あとはそのメカニズムの分類に入る薬物の名前を覚えるだけの問題が多いです。努力すれば努力しただけ報われる科目と言って良いです。
全問正解を目指せ!

3. 論点解説、4. 解説要約を活用して弱点を克服しましょう。
読書百遍意自ずから通ず📚

薬剤師国家試験問題の原本は厚生労働省のホームページ 薬剤師国家試験のページ |厚生労働省 (mhlw.go.jp) にあります。
薬学理論問題【薬理】は本番の国家試験では第1日目の午後の休憩の後、15:50から始まります。
試験問題の原本(PDF)はこちら 
過去の試験問題及び解答
第106回 000756021.pdf (mhlw.go.jp)
第107回 000915527.pdf (mhlw.go.jp)
第108回 001074630.pdf (mhlw.go.jp)
第109回 001226761.pdf (mhlw.go.jp)

それでは、はじめましょう。


薬理|問 106-151
細胞膜受容体に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. グリシン受容体は、7回膜貫通型で、受容体の刺激によりアデニル酸シクラーゼを抑制する。

  2. ATP P2X受容体は、イオンチャネル内蔵型で、ATPが結合すると細胞内にNa+ とCa2+が流入する。

  3. ニコチン性アセチルコリン受容体は、Gタンパク質共役型で、アセチルコリンが結合すると、イノシトール代謝回転が促進される。

  4. 上皮増殖因子(EGF)受容体は、1回膜貫通型で、活性化されるとチロシン残基の自己リン酸化が起こる。

  5. アンジオテンシンIIAT1受容体は、イオンチャネル内蔵型で、アンジオテンシンが結合すると細胞内にCl-が流入する。


薬理|問 107-151
細胞内情報伝達系に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. ヒスタミンH1受容体が刺激されると、Gsタンパク質を介してアデニル酸シクラーゼが活性化される。

  2. インスリン受容体が刺激されると、インスリン受容体βサブユニットの自己リン酸化が起こる。

  3. インターフェロンα(IFN-α)受容体が刺激されると、JAK(ヤヌスキナーゼ)のチロシンキナーゼが活性化される。

  4. オピオイドμ受容体が刺激されると、Gqタンパク質を介してホスホリパーゼCが活性化される。

  5. 心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)受容体が刺激されると、可溶性グアニル酸シクラーゼが活性化される。


薬理|問 108-151
完全アゴニストの濃度-反応曲線(曲線A)に関連する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、各薬物は同一の受容体にのみ作用し、また、余剰受容体は存在しないものとする。
■選択肢

  1. 部分アゴニストは、完全アゴニストによる最大反応には影響せず、曲線Aを低濃度側に平行移動させる。

  2. 競合的アンタゴニストは、受容体に可逆的に結合し、曲線Aを高濃度側に平行移動させる。

  3. 非競合的アンタゴニストは、完全アゴニストによる最大反応には影響せず、曲線Aを高濃度側に平行移動させる。

  4. 逆アゴニストは、曲線Aを低濃度側に平行移動させる。

  5. 完全アゴニストに化学修飾を加え、内活性は変えずに受容体に対する親和性だけを上げると、その濃度-反応曲線は、曲線Aより低濃度側に位置する。


薬理|問 106-152
副交感神経系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. ジスチグミンは、コリンエステラーゼを阻害して瞳孔括約筋を弛緩させる。

  2. セビメリンは、アセチルコリンM2受容体を刺激して心収縮力を増大させる。

  3. ベタネコールは、アセチルコリンM3受容体を刺激して胃腸蠕動運動を亢進させる。

  4. メペンゾラートは、アセチルコリンM1受容体を選択的に刺激して胃酸分泌を抑制する。

  5. プロピベリンは、アセチルコリンM3受容体とCa2+チャネルを遮断して膀胱排尿筋の収縮を抑制する。


薬理|問 107-152
薬物依存及びその治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 身体依存は、薬物の反復使用により、その効果が減弱し目的の効果を得るために増量しなければならなくなった状態である。

  2. コカインの長期連用は、精神依存を起こすが、身体依存を起こしにくい。

  3. 慢性疼痛下のがん患者に適正に使用されたモルヒネは、精神依存を起こしにくい。

  4. 依存性薬物は、脳内報酬系におけるドパミン作動性神経を抑制する。

  5. ジスルフィラムは、グルタミン酸NMDA受容体を遮断して飲酒欲求を抑制する。


薬理|問 108-152
自律神経系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. シロドシンは、アドレナリンα1A受容体を遮断して、前立腺部の平滑筋収縮を抑制する。

  2. エチレフリンは、アドレナリンβ1受容体を遮断して、心拍出量を減少させる。

  3. リトドリンは、アドレナリンβ2受容体を刺激して、子宮平滑筋を弛緩させる。

  4. グリコピロニウムは、アセチルコリンM3受容体を刺激して、気管支平滑筋を弛緩させる。

  5. セビメリンは、アセチルコリンM3受容体を遮断して、唾液分泌を高める。


薬理|問 109-152
末梢性筋弛緩薬に関連した記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. スキサメトニウムは、アセチルコリンNM受容体に作用して、運動神経終末を持続的に脱分極させる。

  2. スガマデクスは、ロクロニウムによる筋弛緩を回復させる。

  3. ベクロニウムの筋弛緩作用は、ネオスチグミンを併用することで増強される。

  4. ダントロレンは、骨格筋のリアノジン受容体に作用して、筋小胞体からのCa2+遊離を抑制する。

  5. A型ボツリヌス毒素は、電位依存性Na+チャネルを遮断して、運動神経の興奮伝導を抑制する。


薬理|問 107-153
自律神経系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. メチルエフェドリンは、交感神経終末からのノルアドレナリンの遊離を抑制することで、血管平滑筋の収縮を抑制する。

  2. ナフトピジルは、アドレナリンβ2受容体を刺激することで、子宮平滑筋を弛緩させる。

  3. イプラトロピウムは、アセチルコリンM1受容体を刺激することで、気管支平滑筋を弛緩させる。

  4. メペンゾラートは、アセチルコリンM3受容体を遮断することで、下部消化管平滑筋の痙れん性収縮を抑制する。

  5. アコチアミドは、アセチルコリンエステラーゼを阻害することで、低下した消化管運動を改善する。


薬理|問 108-153
統合失調症治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. ハロペリドールは、中脳辺縁系におけるドパミンD2受容体を遮断することで、統合失調症の陽性症状を改善する。

  2. アリピプラゾールは、黒質線条体ドパミン神経系を抑制することで、統合失調症の陰性症状を改善する。

  3. オランザピンは、セロトニン5-HT2A受容体を刺激することで、体重増加を起こす。

  4. ペロスピロンは、セロトニン5-HT1A受容体を遮断することで、抗不安作用を示す。

  5. クロルプロマジンは、ヒスタミンH1受容体及びアドレナリンα1受容体を遮断することで、鎮静作用を示す。


薬理|問 109-153
痛みを伴う疾患に用いられる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. タペンタドールは、下行性疼痛抑制系の神経終末でのセロトニン再取り込みを選択的に阻害して、痛覚情報伝達を抑制する。

  2. プレガバリンは、求心性一次知覚神経の電位依存性Ca2+チャネルを構成するα1サブユニットに結合して、神経伝達物質の遊離を抑制する。

  3. レバロルファンは、オピオイドμ受容体を刺激して、モルヒネの鎮痛効果を増強する。

  4. エレヌマブは、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体に結合してCGRPの作用を阻害することで、片頭痛発作の発症を抑制する。

  5. チザニジンは、アドレナリンα2受容体を刺激して、筋緊張を伴う疼痛を緩和する。


薬理|問 107-154
中枢性及び末梢性筋弛緩薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. エペリゾンは、γ-アミノ酪酸GABAB受容体を遮断して、脊髄における多シナプス反射を抑制する。

  2. チザニジンは、アドレナリンα2受容体を刺激して、脊髄反射を抑制する。

  3. ダントロレンは、神経筋接合部のアセチルコリンNM受容体を刺激して、持続的な脱分極を引き起こす。

  4. ロクロニウムは、神経筋接合部のアセチルコリンNM受容体を競合的に遮断する。

  5. A型ボツリヌス毒素は、筋小胞体のリアノジン受容体に作用して、Ca2+遊離を抑制する。


薬理|問 108-154
抗てんかん薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. ガバペンチンは、γ-アミノ酪酸GABAA受容体に結合して、GABA作動性神経伝達を増強する。

  2. ラモトリギンは、K+チャネルを遮断することで、神経細胞膜を脱分極させて、グルタミン酸などの興奮性神経伝達物質の遊離を抑制する。

  3. ペランパネルは、シナプス後膜に存在するグルタミン酸AMPA受容体を遮断して、グルタミン酸による神経細胞の過剰興奮を抑制する。

  4. カルバマセピンは、電位依存性T型Ca2+チャネルを遮断して、神経細胞における活動電位の発生を抑制する。

  5. レベチラセタムは、シナプス小胞タンパク質2A(SV2A)に結合して、神経伝達物質の遊離を抑制する。


薬理|問 106-155
脳血管障害とその後遺症の治療に用いられる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
■選択肢

  1. バクロフェンは、γ-アミノ酪酸GABAA受容体を刺激することで、脳血管障害に伴う筋痙縮を抑制する。

  2. ファスジルは、Rhoキナーゼを阻害してミオシン軽鎖の脱リン酸化を阻害することで、くも膜下出血術後の脳血管れん縮を抑制する。

  3. オザグレルは、プロスタノイドTP受容体を遮断することで、脳血流量の低下を抑制する。

  4. イフェンプロジルは、アドレナリンα受容体を刺激することで、脳梗塞後遺症に伴うめまいを改善する。

  5. エダラボンは、フリーラジカルを消去して脂質過酸化を抑制することで、脳梗塞急性期において脳保護作用を示す。


薬理|問 107-155
全身麻酔薬及び催眠薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. ゾピクロンは、メラトニンMT1受容体を刺激して、概日リズムを整える。

  2. ミダゾラムは、γ-アミノ酪酸GABAA受容体の活性化を増強して、鎮静作用を示す。

  3. デクスメデトミジンは、オレキシン受容体を遮断して、睡眠・覚醒サイクルを正常化する。

  4. ケタミンは、グルタミン酸NMDA受容体を遮断して、鎮痛作用を示す。

  5. チオペンタールは、オピオイドμ受容体を刺激して、短時間の麻酔作用を示す。


薬理|問 108-155
中枢神経系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. メチルフェニデートは、ノルアドレナリンやドパミンの再取り込みを阻害することで、覚醒作用を示す。

  2. カフェインは、キサンチンオキシダーゼを阻害することで、中枢興奮作用を示す。

  3. フルマゼニルは、γ-アミノ酪酸GABAA受容体のGABA結合部位を遮断することで、呼吸を促進する。

  4. グアンファシンは、アドレナリンα2受容体を遮断することで、攻撃性を抑制する。

  5. アトモキセチンは、ノルアドレナリンの再取り込みを阻害することで、注意欠如を改善する。


薬理|問 108-156
抗リウマチ薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. インフリキシマブは、抗ヒトTNF-α受容体モノクローナル抗体で、TNF-αの作用を抑制する。

  2. アバタセプトは、抗原提示細胞表面のCD80/CD86に結合して、CD28を介した共刺激シグナルを抑制する。

  3. トファシチニブは、ヤヌスキナーゼ(JAK)を阻害して、IL-2受容体の活性化を介した作用を抑制する。

  4. トシリズマブは、抗ヒトIL-1bモノクローナル抗体で、IL-1bの作用を抑制する。

  5. エタネルセプトは、IL-6受容体の細胞外ドメインとヒトIgGのFC鎖との融合タンパク質で、IL-6の作用を抑制する。


薬理|問 109-156
花粉症の治療に用いられる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. レボセチリジンは、知覚神経のヒスタミンH1受容体を遮断し、くしゃみを抑制する。

  2. クロモグリク酸は、ロイコトリエンCysLT1受容体を遮断し、眼のかゆみを軽減する。

  3. ラマトロバンは、プロスタノイドTP受容体及びプロスタノイドDP2受容体(CRTH2受容体)を遮断し、鼻粘膜の炎症を軽減する。

  4. ナファゾリンは、鼻粘膜のアドレナリンα1受容体を遮断することで血管平滑筋を弛緩させ、鼻閉を軽減する。

  5. トラニラストは、ヤヌスキナーゼ(JAK)を阻害することで炎症細胞の活性化を抑制し、結膜の充血を軽減する。


薬理|問 106-158
骨粗しょう症治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. テリパラチドは、遺伝子組換えヒト副甲状腺ホルモン(1-34)製剤であり、間欠投与で破骨細胞による骨吸収を抑制する。

  2. リセドロン酸は、メバロン酸経路のファルネシルピロリン酸合成酵素を阻害することで、破骨細胞による骨吸収を抑制する。

  3. ラロキシフェンは、骨組織のエストロゲン受容体を遮断することで、閉経後の骨代謝回転を改善する。

  4. エルカトニンは、骨芽細胞の副甲状腺ホルモン受容体を刺激することで、骨芽細胞による骨形成を促進する。

  5. デノスマブは、RANKL(NF-κB活性化受容体リガンド)を標的とするヒト型IgG2 モノクローナル抗体で、RANKLによる破骨細胞の形成を抑制する。


薬理|問 107-158
アレルギー性疾患の治療に用いられる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. オザグレルは、Th2サイトカインの産生を抑制して、鎮痒効果を示す。

  2. トラニラストは、ヒスタミンH1受容体を遮断して、アレルギー性鼻炎を改善する。

  3. プランルカストは、ロイコトリエン受容体を遮断して、気管支ぜん息の発作を予防する。

  4. セラトロダストは、トロンボキサンA2(プロスタノイドTP)受容体を遮断して、気道過敏症の亢進を抑制する。

  5. スプラタストは、トロンボキサン合成酵素を阻害して、じん麻疹を改善する。


薬理|問 106-159
心不全治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. メチルジゴキシンは、Na+, K+-ATPaseを阻害して、心筋細胞内Ca2+濃度を上昇させて陽性変力作用を示す。

  2. リシノプリルは、アンジオテンシンIIの分解を阻害して、心筋のリモデリングを抑制する。

  3. コルホルシンダロパートは、サイクリックAMP(cAMP)誘導体で、細胞内でcAMPに変換されて心筋収縮力を増強する。

  4. ピモベンダンは、トロポニンCのCa2+感受性を増大させるとともに、ホスホジエステラーゼⅢを阻害して、強心作用を示す。

  5. カルペリチドは、グアニル酸シクラーゼ内蔵型受容体を遮断して、心臓の前負荷及び後負荷を軽減させる。


薬理|問 109-159
心不全の治療に用いられる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. ジゴキシンは、Na+, K+-ATPaseを活性化し、心筋細胞内Ca2+濃度を上昇させて、強心作用を示す。

  2. ピモベンダンは、サイクリックAMP(CAMP)誘導体で、細胞内でCAMPに変換されて、強心作用を示す。

  3. ビソプロロールは、アドレナリンβ1受容体を遮断し、心臓のリモデリングを抑制する。

  4. カルペリチドは、生体内で活性体となり、ナトリウム利尿ペプチドの分解を阻害して、血管拡張作用と利尿作用を示す。

  5. イバブラジンは、過分極活性化環状ヌクレオチド依存性チャネル(HCNチャネル)を遮断して、心拍数を減少させる。


薬理|問 109-160
高血圧症に用いられる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. メチルドパは、延髄の血管運動中枢及び交感神経終末のアドレナリンα2受容体を遮断することで、交感神経活動を抑制する。

  2. ラベタロールは、アドレナリンα1受容体及びβ1受容体を遮断することで、血圧を低下させる。

  3. テルミサルタンは、傍糸球体細胞のアンジオテンシンIIAT1受容体を遮断することで、レニン分泌を抑制する。

  4. リシノプリルは、アンジオテンシンIIの生成を抑制し、副腎皮質からのアルドステロン分泌を低下させるため、低カリウム血症を引き起こしやすい。

  5. ジルチアゼムは、心臓の電位依存性L型Ca2+チャネルを遮断するため、房室ブロックを誘発しやすい。


薬理|問 107-161
泌尿器に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. ソリフェナシンは、アドレナリンα1A受容体を遮断して、前立腺平滑筋を弛緩させる。

  2. ジスチグミンは、コリンエステラーゼを阻害して、アセチルコリンによる膀胱排尿筋の収縮を増強する。

  3. シロドシンは、アセチルコリンM3受容体を遮断して、膀胱括約筋を収縮させる。

  4. タダラフィルは、ホスホジエステラーゼⅤを活性化して、前立腺平滑筋を弛緩させる。

  5. ミラベグロンは、アドレナリンβ3受容体を刺激して、膀胱排尿筋を弛緩させる。


薬理|問 108-161
利尿薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. トリアムテレンは、遠位尿細管と集合管のNa+チャネルを遮断してNa+の再吸収を抑制することで、管腔へのK+の排出を増加させる。

  2. トルバプタンは、集合管のバソプレシンV2受容体を遮断することで、水の排泄を増加させる。

  3. インダパミドは、ヘンレ係蹄上行脚のNa+-K+-2Cl-共輸送体を阻害することで、Na+の再吸収を抑制する。

  4. エプレレノンは、遠位尿細管と集合管のミネラルコルチコイド受容体(アルドステロン受容体)を遮断することで、Na+の再吸収とK+の排泄を抑制する。

  5. アゾセミドは、遠位尿細管のNa+-Cl-共輸送体を阻害することで、水の再吸収を抑制する。


薬理|問 109-161
造血系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. エルトロンボパグは、赤芽球系前駆細胞のエリスロポエチン受容体を刺激することで、赤血球の産生を促進する。

  2. メコバラミンは、赤芽球内のヘム合成酵素の補酵素として作用することで、ヘムの合成を促進する。

  3. ダプロデュスタットは、低酸素誘導因子(HIF)プロリン水酸化酵素を阻害することで、HIFの分解を抑制してエリスロポエチンの産生を促進する。

  4. フィルグラスチムは、単球系前駆細胞から単球への分化を促進することで、単球からの顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)の放出を増加させる。

  5. 葉酸は、体内でテトラヒドロ葉酸に代謝されて、DNA合成の補酵素として作用し、赤血球の成熟を促進する。


薬理|問 106-162
抗血栓薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. ダルテパリンは、アンチトロンビンと複合体を形成して第Xa因子よりもトロンビンを強く阻害する。

  2. アルガトロバンは、アンチトロンビン非依存的にトロンビンのセリンプロテアーゼ活性を可逆的に阻害する。

  3. ウロキナーゼは、フィブリンに対する親和性が高く、血栓上でプラスミノーゲンをプラスミンに変換する。

  4. トロンボモデュリン アルファは、プロトロンビンに結合してプロテインCを活性化する。

  5. チカグレロルは、ADP結合部位とは異なる部位に結合してADPP2Y12受容体を選択的かつ可逆的に遮断する。


薬理|問 107-162
胃・十二指腸潰瘍治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. ファモチジンは、胃の壁細胞に存在するヒスタミンH2受容体を遮断することで、胃運動促進作用を示す。

  2. ボノプラザンは、K+と競合してH+,K +-ATPaseを可逆的に阻害することで、胃酸分泌抑制作用を示す。

  3. レバミピドは、ドパミンD2受容体を遮断することで、胃運動促進作用を示す。

  4. ミソプロストールは、プロスタノイドEP受容体を刺激することで、胃酸分泌抑制作用と胃粘液分泌促進作用を示す。

  5. ピレンゼピンは、ペプシンに結合することで、その活性を抑制する。


薬理|問 108-162
制吐薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. メトクロプラミドは、化学受容器引き金帯(CTZ)のオピオイドμ受容体を遮断する。

  2. パロノセトロンは、消化管の求心性迷走神経終末やCTZのセロトニン5-HT3受容体を遮断する。

  3. オキセサゼインは、胃粘膜の知覚神経のニコチン性アセチルコリン受容体を遮断する。

  4. プロメタジンは、胃壁細胞のガストリン受容体を遮断する。

  5. アプレピタントは、嘔吐中枢やCTZのタキキニンNK1受容体を遮断する。


薬理|問 109-162
胃・十二指腸潰瘍の治療に用いられる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. スクラルファートは、胃潰瘍部位に結合することで、ペプシンによる自己消化から粘膜組織を保護する。

  2. ラニチジンは、胃の壁細胞に存在するヒスタミンH2受容体を遮断することで、プロトンポンプの活性化を抑制する。

  3. ランソプラゾールは、K+に競合してプロトンポンプを阻害することで、胃酸分泌を抑制する。

  4. ミソプロストールは、プロスタグランジン合成酵素を活性化することで、胃粘膜のプロスタグランジンを増加させる。

  5. オキセサゼインは、ガストリン受容体を遮断することで、胃酸分泌を抑制する。


薬理|問 106-163
呼吸器系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. オキシメテバノールは、アドレナリンβ2受容体を刺激することで、気管支平滑筋を弛緩させる。

  2. カルボシステインは、ムコタンパク質中のジスルフィド(S-S)結合を開裂することで、痰の粘性を低下させる。

  3. ジメモルファンは、延髄の咳中枢を抑制することで、咳反射を抑制する。

  4. ブロムヘキシンは、アンブロキソールの活性代謝産物で、肺サーファクタントの分泌を促進する。

  5. ジプロフィリンは、ホスホジエステラーゼを阻害してサイクリックAMP(cAMP)濃度を増加させることで、気管支平滑筋を弛緩させる。


薬理|問 107-163
2型糖尿病の治療に使用される薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. ミチグリニドは、スルホニル尿素受容体に結合してATP感受性K+チャネルを遮断することで、膵β細胞の細胞膜を脱分極させる。

  2. ピオグリタゾンは、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体γ(PPARγ)を活性化することで、脂肪細胞の分化を促進する。

  3. イプラグリフロジンは、ナトリウム-グルコース共輸送体2(SGLT2)を阻害することで、小腸でのグルコースの吸収を選択的に抑制する。

  4. リナグリプチンは、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体を活性化することで、グルコース濃度依存的にインスリン分泌を促進する。

  5. メトホルミンは、AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)を阻害することで、骨格筋でのグルコーストランスポーター4(GLUT4)の細胞膜への移行を促進する。


薬理|問 108-163
肝疾患、膵疾患及び胆道疾患の治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. デヒドロコール酸は、その抱合体が胆汁の浸透圧を上昇させることで、胆汁中の水分を増加させる。

  2. フロプロピオンは、ムスカリン性アセチルコリン受容体を遮断することで、Oddi 括約筋を弛緩させて、膵液分泌を促進する。

  3. ガベキサートは、外分泌腺から分泌された消化酵素を阻害することで、膵臓の自己消化を抑制する。

  4. ラミブジンは、B型肝炎ウイルス(HBV)のRNA依存性RNAポリメラーゼを阻害することで、HBVの複製を抑制する。

  5. ソホスブビルは、C型肝炎ウイルス(HCV)のNS3/4Aセリンプロテアーゼを阻害することで、HCVの複製を抑制する。


薬理|問 109-163
肝疾患、膵疾患及び胆道疾患の治療に用いられる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. フロプロピオンは、カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)を阻害してノルアドレナリンの代謝を抑制することで、Oddi括約筋を弛緩させる。

  2. ウルソデオキシコール酸は、胆汁酸の増加を伴わずに胆石表面のコレステロールをミセル化することで、コレステロール胆石を溶解する。

  3. カモスタットは、膵外分泌を促進して膵機能を活性化することで、慢性膵炎を改善する。

  4. テノホビルは、NS5A複製複合体を阻害することで、B型肝炎ウイルス(HBV)の複製を抑制する。

  5. ソホスブビルは、NS5BRNA依存性RNAポリメラーゼを阻害することで、C型肝炎ウイルス(HCV)の複製を抑制する。


薬理|問 106-164
消化器系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. ナファモスタットは、外分泌腺から分泌された消化酵素を阻害して、膵臓の自己消化を抑制する。

  2. ウルソデオキシコール酸は、カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)を阻害して、Oddi括約筋を弛緩させ、胆汁分泌を抑制する。

  3. アスナプレビルは、C型肝炎ウイルスのNS5A複製複合体を阻害して、抗ウイルス活性を示す。

  4. ペグインターフェロン アルファ-2aは、免疫細胞を活性化して、ウイルス感染細胞を傷害する作用により、B型及びC型肝炎ウイルスの増殖を抑制する。

  5. エンテカビルは、ウイルスの増殖に必要なNS3/4Aプロテアーゼを阻害して、B型肝炎ウイルスの増殖を抑制する。


薬理|問 107-164
性ホルモン関連薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. フルタミドは、前立腺細胞のアンドロゲン受容体を遮断して、前立腺がんの増大を抑制する。

  2. メテノロンは、エストロゲン受容体を刺激して、再生不良性貧血を改善する。

  3. エキセメスタンは、子宮内膜のエストロゲン受容体を遮断して、子宮内膜がんの増大を抑制する。

  4. デガレリクスは、視床下部のエストロゲン受容体を遮断して、排卵を誘発する。

  5. レトロゾールは、アロマターゼを阻害して、エストロゲン合成を阻害する。


薬理|問 108-164
糖尿病治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. ピオグリタゾンは、AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)を直接活性化することで、肝臓における糖新生を抑制する。

  2. デュラグルチドは、膵臓β細胞のグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体を刺激することで、グルコースによるインスリン分泌を促進する。

  3. ボグリボースは、ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)を阻害することで、ソルビトールの細胞内への蓄積を抑制する。

  4. トレラグリプチンは、尿細管のNa+-グルコース共輸送体2(SGLT2)を阻害することで、尿中のグルコースの再吸収を抑制する。

  5. グリメピリドは、スルホニル尿素(SU)受容体に結合して、ATP感受性K+チャネルを遮断することで、インスリン分泌を促進する。


薬理|問 109-164
高尿酸血症の治療に用いられる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. プロベネシドは、尿細管における尿酸の再吸収及び分泌を阻害する。

  2. トピロキソスタットは、キサンチンオキシダーゼにより代謝され、その産物がキサンチンオキシダーゼを阻害する。

  3. ラスブリカーゼは、アラントインの生合成を阻害して、尿酸の分解を促進する。

  4. ドチヌラドは、尿酸トランスポーター(URAT1)を阻害して、尿酸の再吸収を抑制する。

  5. クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム配合剤は、尿のpHを低下させて、尿路結石の形成を抑制する。


薬理|問 106-165
高尿酸血症及び痛風の治療に用いられる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. トピロキソスタットは、プリン骨格を有し、競合的にキサンチンオキシダーゼを阻害する。

  2. ブコロームは、尿酸排泄促進作用と抗炎症作用を併せもつ。

  3. クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム配合剤は、尿のpHを上昇させることで尿路結石の形成を抑制する。

  4. ベンズブロマロンは、尿細管における尿酸の再吸収と分泌の両方を阻害することで、尿酸排泄を抑制する。

  5. コルヒチンは、尿酸オキシダーゼを活性化することで、尿酸の分解を促進する。


薬理|問 108-165
内分泌系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. クロミフェンは、GnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)受容体を遮断して、排卵を誘発する。

  2. テリパラチドは、副甲状腺ホルモン受容体を遮断して、骨吸収を抑制する。

  3. プロピルチオウラシルは、ペルオキシダーゼを阻害して、甲状腺ホルモンの生成を抑制する。

  4. ブロモクリプチンは、ドパミンD2受容体を遮断して、プロラクチン分泌を抑制する。

  5. メテノロンは、アンドロゲン受容体を刺激して、タンパク質同化作用を示す。


薬理|問 107-167
急性白血病治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. シクロホスファミドは、活性酸素を発生させて、DNAを切断する。

  2. ビンクリスチンは、チュブリンの重合を促進して、微小管を安定化させる。

  3. シタラビンは、細胞内で三リン酸化されて、DNAポリメラーゼを阻害する。

  4. ダウノルビシンは、RNAポリメラーゼを特異的に阻害する。

  5. イマチニブは、Bcr-Ablチロシンキナーゼを阻害する。


薬理|問 108-167
肺がん治療に用いる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. イリノテカンは、フリーラジカルを発生して、DNA鎖を切断する。

  2. エトポシドは、トポイソメラーゼIIを阻害して、切断されたDNA鎖の再結合を阻害する。

  3. ゲフィチニブは、抗programmed Cell death-1(PD-1)抗体で、T細胞による抗腫瘍作用を増強する。

  4. ゲムシタビンは、DNAをアルキル化して、DNAの複製を阻害する。

  5. ドセタキセルは、微小管を安定化して、有糸分裂を阻害する。


薬理|問 106-168
内分泌系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. カベルゴリンは、ドパミンD2受容体を遮断することで、下垂体前葉からのプロラクチンの分泌を抑制する。

  2. プロチレリンは、下垂体前葉に作用することで、甲状腺刺激ホルモン(TSH)の分泌を促進する。

  3. デスモプレシンは、バソプレシンV2受容体を遮断することで、腎集合管における水の再吸収を阻害する。

  4. リオチロニンは、甲状腺のペルオキシダーゼを阻害することで、甲状腺ホルモンの合成を抑制する。

  5. メチラポンは、11β-ヒドロキシラーゼを阻害することで、コルチゾールの産生を抑制する。


薬理|問 106-169
抗ウイルス薬の作用機序に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. エムトリシタビンは、細胞内で三リン酸化体となり、DNA依存性RNAポリメラーゼを阻害する。

  2. ラルテグラビルは、HIVプロテアーゼを阻害する。

  3. リバビリンは、細胞内で三リン酸化体となり、RNA依存性DNAポリメラーゼを阻害する。

  4. ファビピラビルは、細胞内でリボシル三リン酸体となり、RNA依存性RNAポリメラーゼを阻害する。

  5. バロキサビル マルボキシルは、体内で活性体に変換されて、キャップ依存性エンドヌクレアーゼを阻害する。


薬理|問 109-169
抗悪性腫瘍薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. シタラビンは、標的細胞で三リン酸化体となり、DNAポリメラーゼを阻害して、DNA合成を低下させる。

  2. テガフールは、活性代謝産物が活性酸素を発生させて、DNAを酸化的に傷害する。

  3. フルダラビンは、トポイソメラーゼIを阻害して、がん細胞のG2期への移行を抑制する。

  4. ドキソルビシンは、DNAポリメラーゼ及びRNAポリメラーゼを阻害して、DNA及びRNAの合成を低下させる。

  5. アファチニブは、血管内皮細胞増殖因子受容体(VEGFR)チロシンキナーゼを阻害して、血管新生を抑制する。


この後に記載された解説は、薬理学の基本的な概念に基づいており、特定の薬剤の作用機序や臨床応用に関する一般的な情報を提供するものです。もし更に詳細な情報が必要な場合は、専門の文献や資料を参照してください。

薬理の場合、オリジナルの公的な科学的根拠は添付文書です。また、インタビューフォームにはそれより詳しい情報が掲載されている場合があります。
下記から検索できます。
添付文書は、PDFよりはHTMLで見るほうがインデックスが左についているので軽いです。
時間があれば、読み込んでおくと応用力がつきます。(滝沢)

matsunoya_note 薬剤師国家試験対策ノート

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😊 お疲れ様でした。次は、論点解説です。
がんばろう!絶対、完全攻略できます。


3. 論点解説 44問 薬学理論問題【薬理】

薬剤師国家試験問題 薬学理論問題【薬理】第106回 - 第109回

Creator: Yukiho Takizawa, PhD
Tool: Chat GPT powered by GPT4o & Google AI Studio by Gemini 1.5 Pro
Date: 2024/ 06/16

Matsunoya|薬剤師国家試験対策ノート
3. 論点解説 44問 薬学理論問題【薬理】

Here; https://note.com/matsunoya_note/n/nab25c16d3aff

Matsunoya|薬剤師国家試験対策ノート


薬理|問 106-151 ■正答| 2 4
細胞膜受容体に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. グリシン受容体は、7回膜貫通型で、受容体の刺激によりアデニル酸シクラーゼを抑制する。

  2. ATP P2X受容体は、イオンチャネル内蔵型で、ATPが結合すると細胞内にNa+ とCa2+が流入する。

  3. ニコチン性アセチルコリン受容体は、Gタンパク質共役型で、アセチルコリンが結合すると、イノシトール代謝回転が促進される。

  4. 上皮増殖因子(EGF)受容体は、1回膜貫通型で、活性化されるとチロシン残基の自己リン酸化が起こる。

  5. アンジオテンシンIIAT1受容体は、イオンチャネル内蔵型で、アンジオテンシンが結合すると細胞内にCl-が流入する。


薬理|問 106-151


■■Gemini 1.5 Pro


■論点|細胞膜受容体の種類とシグナル伝達経路
この問題の論点は、細胞膜受容体の種類、特にイオンチャネル内蔵型受容体、Gタンパク質共役型受容体、1回膜貫通型受容体の特徴と、それぞれの受容体に結合したリガンドによるシグナル伝達経路を理解しているかどうかを問うものです。


■解説1|
ATP P2X受容体は、イオンチャネル内蔵型で、ATPが結合すると細胞内にNa+ とCa2+が流入する。(選択肢2) [正しい]
ATP P2X受容体は、細胞膜に存在するイオンチャネル内蔵型受容体で、ATPが結合すると、イオンチャネルが開き、細胞内にNa+とCa2+が流入します。このイオン流入は、細胞内カルシウム濃度の上昇や細胞の脱分極を引き起こし、様々な細胞機能を調節します。
上皮増殖因子(EGF)受容体は、1回膜貫通型で、活性化されるとチロシン残基の自己リン酸化が起こる。(選択肢4) [正しい]
EGF受容体は、細胞膜に存在する1回膜貫通型受容体で、EGFが結合すると受容体が二量体化し、チロシンキナーゼ活性を活性化します。活性化されたEGF受容体は、自身を含む様々なタンパク質のチロシン残基をリン酸化し、細胞増殖や分化、生存などのシグナル伝達経路を活性化します。
■解説2|
イオンチャネル内蔵型受容体は、リガンドが結合すると直接イオンチャネルが開き、イオンの透過性を変化させます。ATP P2X受容体以外にも、ニコチン性アセチルコリン受容体、グルタミン酸受容体などがイオンチャネル内蔵型受容体の例として挙げられます。
Gタンパク質共役型受容体は、リガンドが結合するとGタンパク質を活性化し、第二メッセンジャーを介してシグナル伝達を伝えます。ニコチン性アセチルコリン受容体は、Gタンパク質共役型ではなく、イオンチャネル内蔵型受容体です。
1回膜貫通型受容体は、受容体自体がチロシンキナーゼ活性を持ち、リガンドが結合すると、自身を含むタンパク質をリン酸化します。EGF受容体以外にも、インスリン受容体、神経成長因子(NGF)受容体などが1回膜貫通型受容体の例として挙げられます。


■結論|
正しい選択肢は、2と4です。


■補足|
グリシン受容体は、7回膜貫通型で、受容体の刺激によりアデニル酸シクラーゼを抑制する。(選択肢1) [誤り]
グリシン受容体は、神経伝達物質グリシンが結合するイオンチャネル内蔵型受容体で、Cl-イオンチャネルとして機能し、神経の抑制効果を示します。アデニル酸シクラーゼはGタンパク質共役型受容体のシグナル伝達経路に含まれる酵素で、グリシン受容体には関係しません。
ニコチン性アセチルコリン受容体は、Gタンパク質共役型で、アセチルコリンが結合すると、イノシトール代謝回転が促進される。(選択肢3) [誤り]
ニコチン性アセチルコリン受容体は、Gタンパク質共役型ではなく、イオンチャネル内蔵型受容体で、アセチルコリンが結合すると、Na+とCa2+イオンの流入によって神経を興奮させる効果を示します。イノシトール代謝回転は、Gタンパク質共役型受容体に結合したリガンドによって活性化されるシグナル伝達経路の一つで、ニコチン性アセチルコリン受容体には関係しません。
アンジオテンシンIIAT1受容体は、イオンチャネル内蔵型で、アンジオテンシンが結合すると細胞内にCl-が流入する。(選択肢5) [誤り]
アンジオテンシンIIAT1受容体は、Gタンパク質共役型受容体で、アンジオテンシンIIが結合すると、細胞内シグナル伝達経路を活性化し、血管収縮や血圧上昇など様々な生理作用を誘発します。イオンチャネル内蔵型受容体ではなく、Cl-イオンの流入は起こりません。


薬理|問 106-151


■■GPT4o


■論点|細胞膜受容体の構造と機能
この問題の論点は、細胞膜受容体の構造およびその機能に関する記述の正確さを特定することです。


■解説1|
ATP P2X受容体は、イオンチャネル内蔵型で、ATPが結合すると細胞内にNa+とCa2+が流入する。(選択肢2) [正しい]
ATP P2X受容体はリガンド作動性イオンチャネルで、主に神経系および免疫系に存在します。
ATPが結合するとチャネルが開き、Na+およびCa2+が細胞内に流入し、細胞内のシグナル伝達を引き起こします。
上皮増殖因子(EGF)受容体は、1回膜貫通型で、活性化されるとチロシン残基の自己リン酸化が起こる。(選択肢4) [正しい]
EGF受容体は受容体型チロシンキナーゼに属し、単一の膜貫通領域を持ちます。
EGFが結合すると受容体のチロシン残基が自己リン酸化され、その後のシグナル伝達カスケードを開始します。
■解説2|
ATP P2X受容体は、ATPが結合するとすぐに開口し、瞬時にイオンの流入を引き起こすため、迅速なシグナル伝達に関与します。これにより、神経伝達や免疫応答において重要な役割を果たします。
EGF受容体は、成長因子が結合することで自己リン酸化し、細胞増殖や分化、移動などのプロセスを制御する複雑なシグナル伝達ネットワークを活性化します。この機能は、がんの発生や進行にも関連しています。


■結論|
正しい選択肢は、2と4です。


■補足|
グリシン受容体は、7回膜貫通型で、受容体の刺激によりアデニル酸シクラーゼを抑制する。(選択肢1) [誤り]
グリシン受容体はリガンド作動性のCl^-チャネルであり、7回膜貫通型ではなく、アデニル酸シクラーゼを抑制しません。
ニコチン性アセチルコリン受容体は、Gタンパク質共役型で、アセチルコリンが結合すると、イノシトール代謝回転が促進される。(選択肢3) [誤り]
ニコチン性アセチルコリン受容体はリガンド作動性イオンチャネルであり、Gタンパク質共役型ではなく、Na+とK+の流入を促進します。
アンジオテンシンIIAT1受容体は、イオンチャネル内蔵型で、アンジオテンシンが結合すると細胞内にCl^-が流入する。(選択肢5) [誤り]
アンジオテンシンIIAT1受容体はGタンパク質共役型受容体であり、イオンチャネル内蔵型ではなく、主にCa2+シグナル伝達を介して機能します。


薬理|問 107-151 ■正答| 2 3
細胞内情報伝達系に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. ヒスタミンH1受容体が刺激されると、Gsタンパク質を介してアデニル酸シクラーゼが活性化される。

  2. インスリン受容体が刺激されると、インスリン受容体βサブユニットの自己リン酸化が起こる。

  3. インターフェロンα(IFN-α)受容体が刺激されると、JAK(ヤヌスキナーゼ)のチロシンキナーゼが活性化される。

  4. オピオイドμ受容体が刺激されると、Gqタンパク質を介してホスホリパーゼCが活性化される。

  5. 心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)受容体が刺激されると、可溶性グアニル酸シクラーゼが活性化される。


薬理|問 107-151


■■Gemini 1.5 Pro


■論点|細胞内情報伝達系の種類と活性化機構
この問題の論点は、細胞膜受容体刺激による細胞内情報伝達系の種類と活性化機構、特にGタンパク質共役型受容体、チロシンキナーゼ型受容体、JAK-STAT経路に関与する分子メカニズムを理解しているかどうかを問うものです。


■解説1|
インスリン受容体が刺激されると、インスリン受容体βサブユニットの自己リン酸化が起こる。(選択肢2) [正しい]
インスリン受容体は、細胞膜に存在するチロシンキナーゼ型受容体で、αサブユニットとβサブユニットからなる二量体を形成しています。インスリンがαサブユニットに結合すると、βサブユニットのチロシンキナーゼが活性化され、βサブユニット自身のチロシン残基をリン酸化します。この自己リン酸化は、下流のシグナル伝達分子との結合を促し、糖の取り込みや代謝に関わる様々な細胞応答を引き起こします。
インターフェロンα(IFN-α)受容体が刺激されると、JAK(ヤヌスキナーゼ)のチロシンキナーゼが活性化される。(選択肢3) [正しい]
インターフェロンα受容体は、細胞膜に存在する受容体で、JAKと呼ばれるチロシンキナーゼと会合しています。IFN-αが受容体に結合すると、受容体が二量体化し、JAKが活性化されます。活性化されたJAKは、受容体自身やSTATと呼ばれる転写因子をリン酸化し、STATの核内移行と遺伝子発現を誘導します。これは、抗ウイルス作用や免疫調節作用など、IFN-αの様々な生理作用に関与します。
■解説2|
Gタンパク質共役型受容体は、リガンドの結合によりGタンパク質を活性化し、アデニル酸シクラーゼやホスホリパーゼCなどのエフェクター酵素を介して細胞内シグナル伝達を伝えます。ヒスタミンH1受容体はGqタンパク質共役型受容体、オピオイドμ受容体はGi/oタンパク質共役型受容体であり、それぞれ異なるエフェクター酵素を活性化します。
チロシンキナーゼ型受容体は、受容体自身がチロシンキナーゼ活性を持ち、リガンドの結合により自己リン酸化や下流シグナル伝達分子のリン酸化を介してシグナル伝達を伝えます。インスリン受容体以外にも、上皮増殖因子(EGF)受容体や血小板由来増殖因子(PDGF)受容体などがチロシンキナーゼ型受容体です。
JAK-STAT経路は、サイトカイン受容体などを介して活性化されるシグナル伝達経路の一つで、JAKと呼ばれるチロシンキナーゼとSTATと呼ばれる転写因子が関与します。IFN-α受容体以外にも、インターロイキン-2(IL-2)受容体や成長ホルモン受容体などがJAK-STAT経路を介してシグナル伝達を行います。


■結論|
正しい選択肢は、2と3です。


■補足|
ヒスタミンH1受容体が刺激されると、Gsタンパク質を介してアデニル酸シクラーゼが活性化される。(選択肢1) [誤り]
ヒスタミンH1受容体は、Gqタンパク質共役型受容体であり、Gqタンパク質を介してホスホリパーゼCを活性化します。ホスホリパーゼCは、イノシトールリン脂質を分解し、セカンドメッセンジャーであるジアシルグリセロール(DAG)とイノシトール三リン酸(IP3)を産生します。
オピオイドμ受容体が刺激されると、Gqタンパク質を介してホスホリパーゼCが活性化される。(選択肢4) [誤り]
オピオイドμ受容体は、Gi/oタンパク質共役型受容体であり、Gi/oタンパク質を介してアデニル酸シクラーゼを抑制します。その結果、細胞内cAMP濃度が低下し、様々な細胞応答が抑制されます。
心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)受容体が刺激されると、可溶性グアニル酸シクラーゼが活性化される。(選択肢5) [誤り]
ANP受容体は、グアニル酸シクラーゼと結合した受容体で、ANPの結合によりグアニル酸シクラーゼが活性化されます。活性化されたグアニル酸シクラーゼは、GTPからcGMPを産生し、cGMP依存性プロテインキナーゼ(PKG)を活性化することで、血管拡張や利尿作用などを発揮します。


薬理|問 107-151


■■GPT4o


■論点|細胞内情報伝達系のメカニズム
この問題の論点は、細胞内情報伝達系における各受容体の作用機序およびシグナル伝達経路の正確さを特定することです。


■解説1|
インスリン受容体が刺激されると、インスリン受容体βサブユニットの自己リン酸化が起こる。(選択肢2) [正しい]
インスリン受容体は受容体型チロシンキナーゼに分類されます。
インスリンが結合すると、受容体のβサブユニットが自己リン酸化され、下流のシグナル伝達経路(PI3K/Akt経路やMAPK経路など)が活性化されます。
インターフェロンα(IFN-α)受容体が刺激されると、JAK(ヤヌスキナーゼ)のチロシンキナーゼが活性化される。(選択肢3) [正しい]
IFN-α受容体は、JAK-STAT経路に関連する細胞表面受容体です。
インターフェロンが受容体に結合すると、JAKキナーゼが活性化され、受容体のチロシン残基がリン酸化されます。これによりSTATタンパク質がリクルートされ、リン酸化されて核内に移行し、遺伝子転写を調節します。
■解説2|
インスリン受容体の活性化は、糖取り込みや代謝を制御するために重要であり、特に糖尿病の治療において重要なターゲットとなります。
インターフェロンαのシグナル伝達は、抗ウイルス応答および免疫調節に関与し、特にウイルス感染症や一部のがん治療に利用されています。


■結論|
正しい選択肢は、2と3です。


■補足|
ヒスタミンH1受容体が刺激されると、Gsタンパク質を介してアデニル酸シクラーゼが活性化される。(選択肢1) [誤り]
ヒスタミンH1受容体はGqタンパク質共役受容体であり、ホスホリパーゼC(PLC)を活性化し、イノシトール三リン酸(IP3)とジアシルグリセロール(DAG)の生成を引き起こします。
オピオイドμ受容体が刺激されると、Gqタンパク質を介してホスホリパーゼCが活性化される。(選択肢4) [誤り]
オピオイドμ受容体はGiタンパク質共役受容体であり、アデニル酸シクラーゼの抑制やK+チャネルの開口を介して作用します。
心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)受容体が刺激されると、可溶性グアニル酸シクラーゼが活性化される。(選択肢5) [誤り]
ANP受容体は膜結合型グアニル酸シクラーゼを活性化し、細胞内のcGMPレベルを増加させます。可溶性グアニル酸シクラーゼは主に一酸化窒素(NO)によって活性化されます。


薬理|問 108-151 ■正答| 2 5
完全アゴニストの濃度-反応曲線(曲線A)に関連する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、各薬物は同一の受容体にのみ作用し、また、余剰受容体は存在しないものとする。
■選択肢

  1. 部分アゴニストは、完全アゴニストによる最大反応には影響せず、曲線Aを低濃度側に平行移動させる。

  2. 競合的アンタゴニストは、受容体に可逆的に結合し、曲線Aを高濃度側に平行移動させる。

  3. 非競合的アンタゴニストは、完全アゴニストによる最大反応には影響せず、曲線Aを高濃度側に平行移動させる。

  4. 逆アゴニストは、曲線Aを低濃度側に平行移動させる。

  5. 完全アゴニストに化学修飾を加え、内活性は変えずに受容体に対する親和性だけを上げると、その濃度-反応曲線は、曲線Aより低濃度側に位置する。


薬理|問 108-151


■■Gemini 1.5 Pro


■論点|薬物-受容体相互作用と濃度-反応曲線への影響
この問題の論点は、完全アゴニスト、部分アゴニスト、競合的アンタゴニスト、非競合的アンタゴニスト、逆アゴニストといった薬物の種類と、それぞれの薬物が受容体との結合にどのような影響を与え、濃度-反応曲線をどのように変化させるかを理解しているかどうかを問うものです。


■解説1|
競合的アンタゴニストは、受容体に可逆的に結合し、曲線Aを高濃度側に平行移動させる。(選択肢2) [正しい]
競合的アンタゴニストは、アゴニストと同じ結合部位に結合するため、アゴニストと受容体の結合を競合的に阻害します。この阻害は、アゴニストの濃度を上げることで乗り越えることができます。そのため、競合的アンタゴニスト存在下では、アゴニストの濃度-反応曲線は高濃度側に平行移動します。最大反応は変化しません。
完全アゴニストに化学修飾を加え、内活性は変えずに受容体に対する親和性だけを上げると、その濃度-反応曲線は、曲線Aより低濃度側に位置する。(選択肢5) [正しい]
受容体に対する親和性が高い薬物は、より低い濃度で受容体に結合することができます。内活性は変わらないため、最大反応は変化しませんが、濃度-反応曲線は低濃度側に移動します。これは、より低い濃度で同等の効果を示すことを意味します。
■解説2|
アゴニストは、受容体に結合して活性化し、生物学的反応を引き起こす薬物です。完全アゴニストは、受容体を最大限に活性化することができます。部分アゴニストは、完全アゴニストほど効果的に受容体を活性化することができず、最大反応は完全アゴニストよりも小さくなります。
アンタゴニストは、受容体に結合しますが活性化せず、アゴニストの作用を阻害する薬物です。競合的アンタゴニストは、アゴニストと同じ結合部位に可逆的に結合します。非競合的アンタゴニストは、アゴニストとは異なる結合部位(アロステリック部位)に結合するか、受容体に不可逆的に結合します。
逆アゴニストは、受容体の構成的活性を抑制する薬物です。構成的活性とは、リガンドが結合していない状態でも受容体が持つわずかな活性のことです。


■結論|
正しい選択肢は、2と5です。


■補足|
部分アゴニストは、完全アゴニストによる最大反応には影響せず、曲線Aを低濃度側に平行移動させる。(選択肢1) [誤り]
部分アゴニストは、完全アゴニストによる最大反応を低下させます。これは、部分アゴニストが完全アゴニストほど効果的に受容体を活性化できないためです。濃度-反応曲線は、最大反応が低下した状態で低濃度側に移動します。
非競合的アンタゴニストは、完全アゴニストによる最大反応には影響せず、曲線Aを高濃度側に平行移動させる。(選択肢3) [誤り]
非競合的アンタゴニストは、完全アゴニストによる最大反応を低下させます。これは、非競合的アンタゴニストがアゴニストの結合とは無関係に受容体の活性化を阻害するためです。濃度-反応曲線は、最大反応が低下した状態で、高濃度側への移動またはS字型の変化を示します。
逆アゴニストは、曲線Aを低濃度側に平行移動させる。(選択肢4) [誤り]
逆アゴニストは、アゴニストの濃度-反応曲線を変化させるのではなく、基底レベルの反応を低下させます。これは、逆アゴニストが受容体の構成的活性を抑制するためです。


薬理|問 108-151


■■GPT4o


■論点|完全アゴニストの濃度-反応曲線に対する他の薬物の影響
この問題の論点は、完全アゴニストの濃度-反応曲線に対する部分アゴニスト、競合的アンタゴニスト、非競合的アンタゴニスト、逆アゴニスト、および化学修飾による親和性の変化の影響を理解することです。


■解説1|
競合的アンタゴニストは、受容体に可逆的に結合し、曲線Aを高濃度側に平行移動させる。(選択肢2) [正しい]
競合的アンタゴニストはアゴニストと同じ結合部位に結合し、受容体の活性化を妨げます。
これにより、アゴニストの作用を打ち消すために必要なアゴニストの濃度が増加し、濃度-反応曲線が右方(高濃度側)に移動します。
完全アゴニストに化学修飾を加え、内活性は変えずに受容体に対する親和性だけを上げると、その濃度-反応曲線は、曲線Aより低濃度側に位置する。(選択肢5) [正しい]
親和性が上がると、受容体に結合するために必要なアゴニストの濃度が低下します。
これにより、濃度-反応曲線が左方(低濃度側)に移動します。
■解説2|
競合的アンタゴニストの作用は、アゴニスト濃度の増加によって打ち消すことができます。このため、濃度-反応曲線は最大反応を変えずに平行移動します。
化学修飾によりアゴニストの親和性が上がると、同じ効果を得るための濃度が低くなるため、曲線が低濃度側にシフトします。


■結論|
正しい選択肢は、2と5です。


■補足|
部分アゴニストは、完全アゴニストによる最大反応には影響せず、曲線Aを低濃度側に平行移動させる。(選択肢1) [誤り]
部分アゴニストは、完全アゴニストの最大反応を減少させることがあり、濃度-反応曲線を平行に移動させません。
非競合的アンタゴニストは、完全アゴニストによる最大反応には影響せず、曲線Aを高濃度側に平行移動させる。(選択肢3) [誤り]
非競合的アンタゴニストは受容体に不可逆的に結合し、最大反応自体を低下させます。
逆アゴニストは、曲線Aを低濃度側に平行移動させる。(選択肢4) [誤り]
逆アゴニストは受容体の基礎活性を抑制し、通常、曲線を右方にシフトさせることはありません。


薬理|問 106-152 ■正答| 3 5
副交感神経系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. ジスチグミンは、コリンエステラーゼを阻害して瞳孔括約筋を弛緩させる。

  2. セビメリンは、アセチルコリンM2受容体を刺激して心収縮力を増大させる。

  3. ベタネコールは、アセチルコリンM3受容体を刺激して胃腸蠕動運動を亢進させる。

  4. メペンゾラートは、アセチルコリンM1受容体を選択的に刺激して胃酸分泌を抑制する。

  5. プロピベリンは、アセチルコリンM3受容体とCa2+チャネルを遮断して膀胱排尿筋の収縮を抑制する。


薬理|問 106-152


■■Gemini 1.5 Pro


■論点|副交感神経系に作用する薬物の作用機序と効果
この問題の論点は、副交感神経系に作用する薬物の種類と、それぞれの薬物がどの受容体(ムスカリン受容体、ニコチン受容体)に作用し、どのような効果を示すかを理解しているかどうかを問うものです。


■解説1|
ベタネコールは、アセチルコリンM3受容体を刺激して胃腸蠕動運動を亢進させる。(選択肢3) [正しい]
ベタネコールは、ムスカリン受容体作動薬であり、特に消化管平滑筋に存在するM3受容体に作用します。M3受容体刺激により、消化管平滑筋の収縮力が増強し、胃腸蠕動運動が亢進します。
プロピベリンは、アセチルコリンM3受容体とCa2+チャネルを遮断して膀胱排尿筋の収縮を抑制する。(選択肢5) [正しい]
プロピベリンは、抗コリン薬とCa2+拮抗薬の両方の作用を持つ薬物です。M3受容体を遮断することでアセチルコリンによる膀胱平滑筋の収縮を抑制し、Ca2+チャネルを遮断することで膀胱平滑筋へのCa2+流入を抑制します。その結果、膀胱排尿筋の収縮が抑制され、尿意切迫感や頻尿などの過活動膀胱の症状を改善します。
■解説2|
副交感神経系は、アセチルコリンを神経伝達物質として用います。アセチルコリンは、ムスカリン受容体とニコチン受容体の2種類の受容体に作用します。
ムスカリン受容体は、Gタンパク質共役型受容体であり、消化管、気道、膀胱などの平滑筋や、心臓、腺などに分布しています。ムスカリン受容体には、M1~M5のサブタイプが存在し、それぞれ異なる細胞内情報伝達経路を介して様々な生理作用を調節しています。
ニコチン受容体は、イオンチャネル型受容体であり、神経筋接合部や自律神経節などに分布しています。ニコチン受容体が活性化されると、Na+やK+などのイオンが細胞内外を行き来し、神経興奮や筋収縮などが引き起こされます。


■結論|
正しい選択肢は、3と5です。


■補足|
ジスチグミンは、コリンエステラーゼを阻害して瞳孔括約筋を弛緩させる。(選択肢1) [誤り]
ジスチグミンは、コリンエステラーゼ阻害薬であり、アセチルコリンの分解を阻害することで、間接的にムスカリン受容体を刺激します。瞳孔括約筋にはM3受容体が存在し、ジスチグミンはM3受容体を刺激することで瞳孔括約筋を収縮させ、瞳孔を縮小させます。
セビメリンは、アセチルコリンM2受容体を刺激して心収縮力を増大させる。(選択肢2) [誤り]
セビメリンは、ムスカリン受容体作動薬ですが、M2受容体よりもM3受容体に対して選択性が高いです。心臓にはM2受容体が多く存在し、M2受容体刺激は心拍数を減少させ、心収縮力を抑制します。
メペンゾラートは、アセチルコリンM1受容体を選択的に刺激して胃酸分泌を抑制する。(選択肢4) [誤り]
メペンゾラートは、ムスカリン受容体拮抗薬であり、M1受容体を遮断することで胃酸分泌を抑制します。M1受容体は、胃壁細胞に存在し、ヒスタミンH2受容体やガストリン受容体と共に胃酸分泌を促進します。


薬理|問 106-152


■■GPT4o


■論点|副交感神経系に作用する薬物の作用機序
この問題の論点は、副交感神経系に作用する薬物の具体的な受容体との相互作用およびその生理的影響を理解することです。


■解説1|
ベタネコールは、アセチルコリンM3受容体を刺激して胃腸蠕動運動を亢進させる。(選択肢3) [正しい]
ベタネコールはムスカリン性アゴニストであり、特にM3受容体に作用します。
M3受容体の刺激により、平滑筋の収縮が促進され、胃腸の蠕動運動が亢進します。
プロピベリンは、アセチルコリンM3受容体とCa2+チャネルを遮断して膀胱排尿筋の収縮を抑制する。(選択肢5) [正しい]
プロピベリンは、ムスカリン性アセチルコリン受容体(特にM3受容体)とカルシウムチャネルの両方を遮断します。
これにより、膀胱排尿筋の収縮が抑制され、過活動膀胱の症状が軽減されます。
■解説2|
ベタネコールは、ムスカリン性受容体アゴニストとして、消化管運動を促進し、排尿障害の治療にも使用されることがあります。
プロピベリンの二重作用により、膀胱平滑筋の緊張を効果的に抑制し、尿意切迫や頻尿などの症状を改善します。


■結論|
正しい選択肢は、3と5です。


■補足|
ジスチグミンは、コリンエステラーゼを阻害して瞳孔括約筋を弛緩させる。(選択肢1) [誤り]
ジスチグミンはコリンエステラーゼ阻害薬であり、アセチルコリンの分解を阻害し、結果として瞳孔括約筋を収縮させます。
セビメリンは、アセチルコリンM2受容体を刺激して心収縮力を増大させる。(選択肢2) [誤り]
セビメリンはムスカリン性受容体アゴニストですが、M2受容体の刺激は心拍数の減少と収縮力の低下を引き起こします。
メペンゾラートは、アセチルコリンM1受容体を選択的に刺激して胃酸分泌を抑制する。(選択肢4) [誤り]
メペンゾラートはアセチルコリン受容体拮抗薬であり、M1受容体を遮断することで胃酸分泌を抑制します。刺激するのではありません。


薬理|問 107-152 ■正答| 2 3
薬物依存及びその治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. 身体依存は、薬物の反復使用により、その効果が減弱し目的の効果を得るために増量しなければならなくなった状態である。

  2. コカインの長期連用は、精神依存を起こすが、身体依存を起こしにくい。

  3. 慢性疼痛下のがん患者に適正に使用されたモルヒネは、精神依存を起こしにくい。

  4. 依存性薬物は、脳内報酬系におけるドパミン作動性神経を抑制する。

  5. ジスルフィラムは、グルタミン酸NMDA受容体を遮断して飲酒欲求を抑制する。


薬理|問 107-152


■■Gemini 1.5 Pro


■論点|薬物依存の定義、種類、治療薬
この問題の論点は、薬物依存の定義、精神依存と身体依存の違い、薬物依存を引き起こしやすい薬物と起こしにくい薬物、薬物依存の治療薬の作用機序を理解しているかどうかを問うものです。


■解説1|
コカインの長期連用は、精神依存を起こすが、身体依存を起こしにくい。(選択肢2) [正しい]
コカインは、中枢神経系を興奮させる薬物であり、強力な精神依存を引き起こします。コカインの長期連用中止により、強い不安感、抑うつ、疲労感、睡眠障害などの離脱症状が現れますが、一般的に生命を脅かすような重篤な身体的離脱症状は起こりにくいとされています。
慢性疼痛下のがん患者に適正に使用されたモルヒネは、精神依存を起こしにくい。(選択肢3) [正しい]
モルヒネは、オピオイド鎮痛薬であり、適切に使用されれば、がんによる激しい疼痛を効果的に緩和することができます。慢性疼痛下のがん患者においては、身体的依存や耐性が生じることがありますが、精神依存は起こりにくいとされています。適切な投与量の調整や患者の状態のモニタリングが重要です。
■解説2|
薬物依存には、精神依存と身体依存の2種類があります。精神依存とは、薬物使用によって快快感や高揚感、リラックス効果などが得られ、その状態を維持するために薬物を繰り返し欲求する状態を指します。身体依存とは、薬物の反復使用により身体が薬物の存在に適応し、薬物がないと離脱症状が出現する状態を指します。
薬物依存は、脳内の報酬系、特に腹側被蓋野から側坐核に投射するドパミン作動性神経系が活性化されることで生じます。薬物依存を引き起こしやすい薬物として、コカイン、アンフェタミン、ヘロイン、モルヒネなどのオピオイド、アルコール、ニコチンなどが挙げられます。


■結論|
正しい選択肢は、2と3です。


■補足|
身体依存は、薬物の反復使用により、その効果が減弱し目的の効果を得るために増量しなければならなくなった状態である。(選択肢1) [誤り]
これは、薬物依存ではなく、薬物耐性の説明です。薬物耐性とは、薬物の反復使用により、同じ効果を得るために必要な薬物の量が増加することです。
依存性薬物は、脳内報酬系におけるドパミン作動性神経を抑制する。(選択肢4) [誤り]
依存性薬物は、ドパミン作動性神経を活性化することで、快感を生じさせ、精神依存を引き起こします。
ジスルフィラムは、グルタミン酸NMDA受容体を遮断して飲酒欲求を抑制する。(選択肢5) [誤り]
ジスルフィラムは、アルコール代謝酵素であるアルデヒド脱水素酵素を阻害することで、アセトアルデヒドの血中濃度を上昇させ、激しい悪心、嘔吐、顔面紅潮、動悸などの不快な症状を引き起こし、飲酒を抑制します。グルタミン酸NMDA受容体とは関係ありません。


薬理|問 107-152


■■GPT4o


■論点|薬物依存と治療薬の作用機序
この問題の論点は、薬物依存の種類とその治療薬の作用機序に関する正しい知識を特定することです。


■解説1|
コカインの長期連用は、精神依存を起こすが、身体依存を起こしにくい。(選択肢2) [正しい]
コカインは、ドパミン再取り込み阻害による強力な精神依存を引き起こします。
しかし、身体依存(薬物中止時の身体的禁断症状)は比較的少ないとされています。
慢性疼痛下のがん患者に適正に使用されたモルヒネは、精神依存を起こしにくい。(選択肢3) [正しい]
モルヒネは強力なオピオイドであり、長期使用により身体依存が形成されることがあります。
しかし、がん患者に適切に管理された医療用モルヒネの使用では、精神依存が起こりにくいとされています。
■解説2|
コカインの作用は主に中枢神経系の報酬系を刺激し、強い精神依存を引き起こします。身体的な禁断症状はアルコールやオピオイドほど顕著ではありません。
モルヒネは慢性疼痛患者において、痛みの管理を目的とした使用では、精神依存を形成しにくいとされています。これは、薬物の投与方法と管理が適切であることが前提です。


■結論|
正しい選択肢は、2と3です。


■補足|
身体依存は、薬物の反復使用により、その効果が減弱し目的の効果を得るために増量しなければならなくなった状態である。(選択肢1) [誤り]
この記述は耐性についての説明であり、身体依存は薬物中止時の身体的禁断症状を指します。
依存性薬物は、脳内報酬系におけるドパミン作動性神経を抑制する。(選択肢4) [誤り]
依存性薬物は、脳内報酬系のドパミン作動性神経を活性化し、快感を引き起こします。
ジスルフィラムは、グルタミン酸NMDA受容体を遮断して飲酒欲求を抑制する。(選択肢5) [誤り]
ジスルフィラムは、アルコール代謝を阻害し、アセトアルデヒドの蓄積による不快感を引き起こすことで飲酒を抑制します。


薬理|問 108-152 ■正答| 1 3
自律神経系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. シロドシンは、アドレナリンα1A受容体を遮断して、前立腺部の平滑筋収縮を抑制する。

  2. エチレフリンは、アドレナリンβ1受容体を遮断して、心拍出量を減少させる。

  3. リトドリンは、アドレナリンβ2受容体を刺激して、子宮平滑筋を弛緩させる。

  4. グリコピロニウムは、アセチルコリンM3受容体を刺激して、気管支平滑筋を弛緩させる。

  5. セビメリンは、アセチルコリンM3受容体を遮断して、唾液分泌を高める。


薬理|問 108-152


■■Gemini 1.5 Pro


■論点|自律神経系に作用する薬物の作用機序と効果
この問題は、自律神経系、特にアドレナリン受容体(α1、β1、β2)とアセチルコリン受容体(M3)に作用する薬物の選択性、作用機序、効果を理解しているかどうかを問うものです。


■解説1|
シロドシンは、アドレナリンα1A受容体を遮断して、前立腺部の平滑筋収縮を抑制する。(選択肢1) [正しい]
シロドシンは、α1アドレナリン受容体拮抗薬であり、特に前立腺に分布するα1A受容体に対して高い選択性を示します。α1A受容体は、前立腺平滑筋の収縮に関与しており、シロドシンはこの受容体を遮断することで、前立腺平滑筋を弛緩させ、尿道抵抗を減少させることで排尿困難を改善します。
リトドリンは、アドレナリンβ2受容体を刺激して、子宮平滑筋を弛緩させる。(選択肢3) [正しい]
リトドリンは、β2アドレナリン受容体作動薬です。β2受容体は、子宮平滑筋に存在し、その刺激は子宮収縮を抑制する方向に働きます。リトドリンは、この作用により子宮収縮を抑制し、早産期の陣痛抑制に使用されます。
■解説2|
自律神経系は、交感神経系と副交感神経系から成り立ち、それぞれ異なる神経伝達物質と受容体を介して、様々な臓器の機能を調節しています。交感神経系は、主にストレス反応や緊急事態への対応に関与し、アドレナリンやノルアドレナリンを神経伝達物質として用います。一方、副交感神経系は、リラックス状態や休息時の身体の機能を調節し、アセチルコリンを神経伝達物質として用います。


■結論|
正しい選択肢は、1と3です。


■補足|
エチレフリンは、アドレナリンβ1受容体を遮断して、心拍出量を減少させる。(選択肢2) [誤り]
エチレフリンは、アドレナリンα1受容体作動薬であり、β1受容体を遮断しません。α1受容体刺激は血管収縮を引き起こし、結果として血圧を上昇させます。
グリコピロニウムは、アセチルコリンM3受容体を刺激して、気管支平滑筋を弛緩させる。(選択肢4) [誤り]
グリコピロニウムは、ムスカリン受容体拮抗薬であり、M3受容体を刺激するのではなく、遮断します。M3受容体遮断により、気管支平滑筋は弛緩し、気道抵抗が減少します。
セビメリンは、アセチルコリンM3受容体を遮断して、唾液分泌を高める。(選択肢5) [誤り]
セビメリンは、ムスカリン受容体作動薬であり、M3受容体を遮断するのではなく、刺激します。M3受容体は、唾液腺にも存在し、その刺激により唾液分泌が促進されます。


薬理|問 108-152


■■GPT4o


■論点|自律神経系に作用する薬物の受容体特異性と作用機序
この問題の論点は、自律神経系に作用する薬物の受容体特異性とそれによる生理的効果を理解することです。


■解説1|
シロドシンは、アドレナリンα1A受容体を遮断して、前立腺部の平滑筋収縮を抑制する。(選択肢1) [正しい]
シロドシンは選択的α1Aアドレナリン受容体拮抗薬であり、前立腺や尿道の平滑筋を弛緩させます。
これにより、排尿障害の症状が改善されます。
リトドリンは、アドレナリンβ2受容体を刺激して、子宮平滑筋を弛緩させる。(選択肢3) [正しい]
リトドリンはβ2アドレナリン受容体アゴニストであり、子宮平滑筋の弛緩を引き起こします。
これにより、早産の予防や治療に用いられます。
■解説2|
シロドシンは前立腺肥大症の治療に用いられ、尿路の平滑筋を弛緩させることで排尿困難を緩和します。
リトドリンのβ2アドレナリン受容体刺激作用により、子宮の収縮が抑制され、早産の予防や治療に効果を発揮します。


■結論|
正しい選択肢は、1と3です。


■補足|
エチレフリンは、アドレナリンβ1受容体を遮断して、心拍出量を減少させる。(選択肢2) [誤り]
エチレフリンは実際にはアドレナリンβ1受容体アゴニストであり、心拍出量を増加させます。
グリコピロニウムは、アセチルコリンM3受容体を刺激して、気管支平滑筋を弛緩させる。(選択肢4) [誤り]
グリコピロニウムはムスカリン受容体拮抗薬であり、M3受容体を遮断して気管支平滑筋の弛緩を引き起こします。
セビメリンは、アセチルコリンM3受容体を遮断して、唾液分泌を高める。(選択肢5) [誤り]
セビメリンは実際にはムスカリン受容体アゴニストであり、唾液分泌を促進します。


薬理|問 109-152 ■正答| 2 4
末梢性筋弛緩薬に関連した記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. スキサメトニウムは、アセチルコリンNM受容体に作用して、運動神経終末を持続的に脱分極させる。

  2. スガマデクスは、ロクロニウムによる筋弛緩を回復させる。

  3. ベクロニウムの筋弛緩作用は、ネオスチグミンを併用することで増強される。

  4. ダントロレンは、骨格筋のリアノジン受容体に作用して、筋小胞体からのCa2+遊離を抑制する。

  5. A型ボツリヌス毒素は、電位依存性Na+チャネルを遮断して、運動神経の興奮伝導を抑制する。


薬理|問 109-152


■■GPT4o


■論点|末梢性筋弛緩薬の作用機序と解毒薬
この問題の論点は、末梢性筋弛緩薬の作用機序およびその解毒薬の効果に関する知識を特定することです。


■解説1|
スガマデクスは、ロクロニウムによる筋弛緩を回復させる。(選択肢2) [正しい]
スガマデクスは選択的筋弛緩回復薬で、ロクロニウムおよびベクロニウムと結合し、それらの筋弛緩作用を迅速に逆転させます。
ダントロレンは、骨格筋のリアノジン受容体に作用して、筋小胞体からのCa2+遊離を抑制する。(選択肢4) [正しい]
ダントロレンはリアノジン受容体に結合し、筋小胞体からのCa2+放出を抑制することで筋弛緩を引き起こします。
■解説2|
スガマデクスの主な作用は、筋弛緩薬であるロクロニウムおよびベクロニウムと特異的に結合することで、それらの作用を速やかに逆転させることです。これにより、手術後の筋弛緩状態を迅速に解除することが可能です。
ダントロレンはリアノジン受容体に作用し、筋小胞体からのカルシウムイオン放出を抑制することで、筋収縮を抑制します。これは、特に悪性高熱症の治療において重要です。


■結論|
正しい選択肢は、2と4です。


■補足|
スキサメトニウムは、アセチルコリンNM受容体に作用して、運動神経終末を持続的に脱分極させる。(選択肢1) [誤り]
スキサメトニウムは持続的に脱分極させるが、持続的な脱分極はむしろ脱感作を引き起こし、筋弛緩を維持します。
ベクロニウムの筋弛緩作用は、ネオスチグミンを併用することで増強される。(選択肢3) [誤り]
ネオスチグミンはアセチルコリンエステラーゼ阻害薬であり、筋弛緩作用を逆転させるため、ベクロニウムの効果を減弱させます。
A型ボツリヌス毒素は、電位依存性Na+チャネルを遮断して、運動神経の興奮伝導を抑制する。(選択肢5) [誤り]
A型ボツリヌス毒素はシナプス小胞のアセチルコリン放出を阻害することで筋弛緩を引き起こします。電位依存性Na+チャネルには直接作用しません。


薬理|問 109-152


■■Gemini 1.5 Pro


■論点|末梢性筋弛緩薬の作用機序、薬物動態、併用禁忌
この問題は、脱分極性筋弛緩薬と非脱分極性筋弛緩薬の分類、作用機序、拮抗薬、併用禁忌、作用機序が異なるボツリヌス毒素との違いを理解しているかどうかを問うものです。


■解説1|
スガマデクスは、ロクロニウムによる筋弛緩を回復させる。(選択肢2) [正しい]
スガマデクスは、選択的な非脱分極性筋弛緩薬拮抗薬です。ロクロニウムやベクロニウムなどのアミノステロイド系非脱分極性筋弛緩薬と高い親和性で結合し、これらの薬物を神経筋接合部から解離させることで、筋弛緩作用を速やかに回復させます。
ダントロレンは、骨格筋のリアノジン受容体に作用して、筋小胞体からのCa2+遊離を抑制する。(選択肢4) [正しい]
ダントロレンは、骨格筋筋小胞体のリアノジン受容体に作用し、Ca2+の放出を阻害することで筋収縮を抑制します。他の末梢性筋弛緩薬とは異なり、中枢神経系に作用せず、直接骨格筋に作用するのが特徴です。悪性高熱症の治療薬として用いられます。
■解説2|
末梢性筋弛緩薬は、神経筋接合部においてアセチルコリンの作用を阻害することで骨格筋を弛緩させる薬物です。大きく分けて、脱分極性筋弛緩薬と非脱分極性筋弛緩薬の2種類があります。
脱分極性筋弛緩薬は、アセチルコリンと同様にニコチン性アセチルコリン受容体を活性化しますが、その作用が持続するため、筋細胞膜を脱分極させたままにし、興奮伝達を遮断します。
非脱分極性筋弛緩薬は、競合的にニコチン性アセチルコリン受容体に結合することで、アセチルコリンの結合を阻害し、筋細胞膜の脱分極を抑制します。


■結論|
正しい選択肢は、2と4です。


■補足|
スキサメトニウムは、アセチルコリンNM受容体に作用して、運動神経終末を持続的に脱分極させる。(選択肢1) [誤り]
スキサメトニウムは、運動神経終末ではなく、運動終板にあるニコチン性アセチルコリン受容体を持続的に脱分極させることで筋弛緩を引き起こします。
ベクロニウムの筋弛緩作用は、ネオスチグミンを併用することで増強される。(選択肢3) [誤り]
ネオスチグミンは、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬であり、神経筋接合部におけるアセチルコリンの濃度を上昇させることで、非脱分極性筋弛緩薬の筋弛緩作用を拮抗します。
A型ボツリヌス毒素は、電位依存性Na+チャネルを遮断して、運動神経の興奮伝導を抑制する。(選択肢5) [誤り]
A型ボツリヌス毒素は、運動神経終末からのアセチルコリンの放出を阻害することで、筋弛緩を引き起こします。ボツリヌス毒素は、神経伝達物質の放出に関与するSNAREタンパク質を分解することで、アセチルコリンの放出を阻害します。


薬理|問 107-153 ■正答| 4 5
自律神経系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. メチルエフェドリンは、交感神経終末からのノルアドレナリンの遊離を抑制することで、血管平滑筋の収縮を抑制する。

  2. ナフトピジルは、アドレナリンβ2受容体を刺激することで、子宮平滑筋を弛緩させる。

  3. イプラトロピウムは、アセチルコリンM1受容体を刺激することで、気管支平滑筋を弛緩させる。

  4. メペンゾラートは、アセチルコリンM3受容体を遮断することで、下部消化管平滑筋の痙れん性収縮を抑制する。

  5. アコチアミドは、アセチルコリンエステラーゼを阻害することで、低下した消化管運動を改善する。


薬理|問 107-153


■■Gemini 1.5 Pro


■論点|自律神経系に作用する薬物の作用機序と効果
この問題は、交感神経系と副交感神経系それぞれに作用する薬物の種類、作用機序、効果、およびそれらの薬物が標的とする受容体(アドレナリン受容体、ムスカリン受容体)への選択性を理解しているかどうかを問うものです。


■解説1|
メペンゾラートは、アセチルコリンM3受容体を遮断することで、下部消化管平滑筋の痙攣性収縮を抑制する。(選択肢4) [正しい]
メペンゾラートは、ムスカリン受容体拮抗薬であり、消化管平滑筋に存在するM3受容体を遮断することで、アセチルコリンによる消化管運動亢進作用を抑制します。そのため、下部消化管平滑筋の痙攣性収縮を抑制し、過敏性腸症候群に伴う腹痛や下痢などの症状を改善します。
アコチアミドは、アセチルコリンエステラーゼを阻害することで、低下した消化管運動を改善する。(選択肢5) [正しい]
アコチアミドは、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬です。アセチルコリンエステラーゼは、神経伝達物質であるアセチルコリンを分解する酵素です。アコチアミドは、この酵素を阻害することで、神経筋接合部や消化管などにおけるアセチルコリンの濃度を上昇させ、消化管運動を促進します。
■解説2|
自律神経系は、交感神経系と副交感神経系からなり、互いに拮抗的に作用することで、体内環境の恒常性を維持しています。交感神経は、主にストレス反応や緊急事態への対応に関与し、心拍数や血圧の上昇、気管支の拡張、消化管運動の抑制などを引き起こします。副交感神経は、リラックス状態や休息時の身体の機能を調節し、心拍数の低下、血圧の低下、気管支の収縮、消化管運動の促進などを引き起こします。


■結論|
正しい選択肢は、4と5です。


■補足|
メチルエフェドリンは、交感神経終末からのノルアドレナリンの遊離を抑制することで、血管平滑筋の収縮を抑制する。(選択肢1) [誤り]
メチルエフェドリンは、間接作用型アドレナリン作動薬であり、交感神経終末からのノルアドレナリンの遊離を促進することで、血管平滑筋の収縮を引き起こします。
ナフトピジルは、アドレナリンβ2受容体を刺激することで、子宮平滑筋を弛緩させる。(選択肢2) [誤り]
ナフトピジルは、α1アドレナリン受容体遮断薬であり、前立腺平滑筋を弛緩させることで、排尿困難を改善します。子宮平滑筋を弛緩させる作用はありません。
イプラトロピウムは、アセチルコリンM1受容体を刺激することで、気管支平滑筋を弛緩させる。(選択肢3) [誤り]
イプラトロピウムは、ムスカリン受容体拮抗薬であり、気管支平滑筋に存在するM3受容体を遮断することで、気管支平滑筋を弛緩させます。M1受容体を刺激する作用はありません。


薬理|問 107-153


■■GPT4o


■論点|自律神経系に作用する薬物の作用機序とその影響
この問題の論点は、自律神経系に作用する薬物の作用機序とその生理的影響に関する正しい知識を特定することです。


■解説1|
メペンゾラートは、アセチルコリンM3受容体を遮断することで、下部消化管平滑筋の痙れん性収縮を抑制する。(選択肢4) [正しい]
メペンゾラートはムスカリン受容体拮抗薬で、特にM3受容体を遮断することで消化管の過剰な収縮を抑制します。
アコチアミドは、アセチルコリンエステラーゼを阻害することで、低下した消化管運動を改善する。(選択肢5) [正しい]
アコチアミドはアセチルコリンエステラーゼ阻害薬であり、アセチルコリンの分解を抑制し、その結果消化管運動を促進します。
■解説2|
メペンゾラートの主な作用は、アセチルコリンM3受容体を遮断し、消化管の平滑筋収縮を抑制することです。これにより、過敏性腸症候群や消化管の痙攣を和らげます。
アコチアミドは、アセチルコリンエステラーゼを阻害することで、神経伝達物質であるアセチルコリンの効果を延長し、低下した消化管運動を改善します。これにより、消化不良や胃の運動障害の治療に用いられます。


■結論|
正しい選択肢は、4と5です。


■補足|
メチルエフェドリンは、交感神経終末からのノルアドレナリンの遊離を抑制することで、血管平滑筋の収縮を抑制する。(選択肢1) [誤り]
メチルエフェドリンは実際には交感神経刺激薬であり、ノルアドレナリンの遊離を促進し、血管収縮を引き起こします。
ナフトピジルは、アドレナリンβ2受容体を刺激することで、子宮平滑筋を弛緩させる。(選択肢2) [誤り]
ナフトピジルはα1アドレナリン受容体拮抗薬であり、β2受容体には作用しません。
イプラトロピウムは、アセチルコリンM1受容体を刺激することで、気管支平滑筋を弛緩させる。(選択肢3) [誤り]
イプラトロピウムはムスカリン受容体拮抗薬であり、M1受容体を遮断することで気管支平滑筋の弛緩を引き起こします。


薬理|問 108-153 ■正答| 1 5
統合失調症治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. ハロペリドールは、中脳辺縁系におけるドパミンD2受容体を遮断することで、統合失調症の陽性症状を改善する。

  2. アリピプラゾールは、黒質線条体ドパミン神経系を抑制することで、統合失調症の陰性症状を改善する。

  3. オランザピンは、セロトニン5-HT2A受容体を刺激することで、体重増加を起こす。

  4. ペロスピロンは、セロトニン5-HT1A受容体を遮断することで、抗不安作用を示す。

  5. クロルプロマジンは、ヒスタミンH1受容体及びアドレナリンα1受容体を遮断することで、鎮静作用を示す。


薬理|問 108-153


■■Gemini 1.5 Pro


■論点|統合失調症治療薬の作用機序と副作用
この問題は、統合失調症治療薬である抗精神病薬の作用機序、特にドパミンD2受容体との関連性、および抗精神病薬の副作用とそれに関与する受容体を理解しているかどうかを問うものです。


■解説1|
ハロペリドールは、中脳辺縁系におけるドパミンD2受容体を遮断することで、統合失調症の陽性症状を改善する。(選択肢1) [正しい]
ハロペリドールは、定型抗精神病薬であり、ドパミンD2受容体に対して強い遮断作用を示します。統合失調症の陽性症状(幻覚、妄想、思考障害など)は、中脳辺縁系におけるドパミン神経系の過活動が関与していると考えられており、ハロペリドールはD2受容体を遮断することで、これらの症状を改善します。
クロルプロマジンは、ヒスタミンH1受容体及びアドレナリンα1受容体を遮断することで、鎮静作用を示す。(選択肢5) [正しい]
クロルプロマジンは、定型抗精神病薬であり、ドパミンD2受容体遮断作用に加えて、ヒスタミンH1受容体やアドレナリンα1受容体など、他の神経伝達物質受容体に対しても遮断作用を示します。ヒスタミンH1受容体遮断作用は、鎮静作用や眠気をもたらします。
■解説2|
統合失調症の治療には、抗精神病薬が用いられます。抗精神病薬は、ドパミンD2受容体を遮断することで効果を発揮すると考えられています。ドパミンD2受容体の遮断は、統合失調症の陽性症状を改善しますが、一方で、錐体外路系におけるドパミン神経系の抑制を介して、パーキンソン症候群様の症状(振戦、筋硬直、動作緩慢など)などの錐体外路症状を引き起こす可能性があります。


■結論|
正しい選択肢は、1と5です。


■補足|
アリピプラゾールは、黒質線条体ドパミン神経系を抑制することで、統合失調症の陰性症状を改善する。(選択肢2) [誤り]
アリピプラゾールは、ドパミンD2受容体に対して部分作動薬として作用します。つまり、ドパミン過剰の状態ではD2受容体を遮断し、ドパミン不足の状態ではD2受容体を活性化する作用があります。アリピプラゾールは、陽性症状と陰性症状の両方に効果を示すとされています。
オランザピンは、セロトニン5-HT2A受容体を刺激することで、体重増加を起こす。(選択肢3) [誤り]
オランザピンは、セロトニン5-HT2A受容体を遮断することで、体重増加などの代謝性副作用を抑制すると考えられています。
ペロスピロンは、セロトニン5-HT1A受容体を遮断することで、抗不安作用を示す。(選択肢4) [誤り]
ペロスピロンは、セロトニン5-HT1A受容体に対して部分作動薬として作用し、抗不安作用や抗うつ作用を示します。


薬理|問 108-153


■■GPT4o


■論点|統合失調症治療薬の作用機序と副作用
この問題の論点は、統合失調症治療薬の作用機序およびその副作用に関する知識を特定することです。


■解説1|
ハロペリドールは、中脳辺縁系におけるドパミンD2受容体を遮断することで、統合失調症の陽性症状を改善する。(選択肢1) [正しい]
ハロペリドールは第一世代抗精神病薬であり、ドパミンD2受容体を強力に遮断することで、幻覚や妄想などの陽性症状を軽減します。
クロルプロマジンは、ヒスタミンH1受容体及びアドレナリンα1受容体を遮断することで、鎮静作用を示す。(選択肢5) [正しい]
クロルプロマジンは、第一世代抗精神病薬であり、ヒスタミンH1受容体およびアドレナリンα1受容体を遮断することで、鎮静作用や抗不安作用をもたらします。
■解説2|
ハロペリドールの主な作用は、中脳辺縁系のドパミンD2受容体を遮断することにより、陽性症状を軽減します。これにより、患者の精神的な興奮状態や幻覚・妄想が緩和されます。
クロルプロマジンは、ヒスタミンH1受容体およびアドレナリンα1受容体を遮断することで、鎮静作用を示し、患者の不安や興奮を和らげます。


■結論|
正しい選択肢は、1と5です。


■補足|
アリピプラゾールは、黒質線条体ドパミン神経系を抑制することで、統合失調症の陰性症状を改善する。(選択肢2) [誤り]
アリピプラゾールは部分作動薬であり、ドパミンD2受容体に対して部分的に作動します。陰性症状の改善には、むしろセロトニン受容体への作用が関与しています。
オランザピンは、セロトニン5-HT2A受容体を刺激することで、体重増加を起こす。(選択肢3) [誤り]
オランザピンはセロトニン5-HT2A受容体を遮断することにより、体重増加や代謝性副作用を引き起こします。
ペロスピロンは、セロトニン5-HT1A受容体を遮断することで、抗不安作用を示す。(選択肢4) [誤り]
ペロスピロンは、セロトニン5-HT1A受容体の部分作動薬であり、抗不安作用を示しますが、遮断作用によるものではありません。


薬理|問 109-153 ■正答| 4 5
痛みを伴う疾患に用いられる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. タペンタドールは、下行性疼痛抑制系の神経終末でのセロトニン再取り込みを選択的に阻害して、痛覚情報伝達を抑制する。

  2. プレガバリンは、求心性一次知覚神経の電位依存性Ca2+チャネルを構成するα1サブユニットに結合して、神経伝達物質の遊離を抑制する。

  3. レバロルファンは、オピオイドμ受容体を刺激して、モルヒネの鎮痛効果を増強する。

  4. エレヌマブは、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体に結合してCGRPの作用を阻害することで、片頭痛発作の発症を抑制する。

  5. チザニジンは、アドレナリンα2受容体を刺激して、筋緊張を伴う疼痛を緩和する。


薬理|問 109-153


■■Gemini 1.5 Pro


■論点|痛みに対する薬物治療の作用機序
この問題は、様々な鎮痛薬の作用機序、特にオピオイド、抗てんかん薬、CGRP受容体拮抗薬、α2受容体作動薬がどのように痛みの伝達や知覚に影響を与えるかを理解しているかどうかを問うものです。


■解説1|
エレヌマブは、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体に結合してCGRPの作用を阻害することで、片頭痛発作の発症を抑制する。(選択肢4) [正しい]
エレヌマブは、CGRP受容体に対するモノクローナル抗体であり、CGRPがその受容体に結合するのを阻害します。CGRPは、血管拡張作用と神経系の興奮作用を持つペプチドであり、片頭痛の発症に重要な役割を果たすと考えられています。エレヌマブは、CGRPの作用を阻害することで、片頭痛の予防薬として効果を発揮します。
チザニジンは、アドレナリンα2受容体を刺激して、筋緊張を伴う疼痛を緩和する。(選択肢5) [正しい]
チザニジンは、α2アドレナリン受容体作動薬です。α2受容体は、脊髄後角に存在し、その刺激は神経伝達物質の放出を抑制することで、疼痛伝達を抑制します。チザニジンは、筋緊張を軽減することで、筋性痙攣や痙縮に伴う疼痛を緩和します。
■解説2|
痛みは、組織損傷や炎症などによって生じる不快な感覚体験であり、その伝達には、末梢神経系と中枢神経系が関与しています。痛みの治療には、様々な作用機序を持つ薬物が用いられます。オピオイド鎮痛薬は、オピオイド受容体に作用して、疼痛閾値を上昇させ、痛みの情動的な側面を抑制することで、鎮痛効果を発揮します。抗てんかん薬の中には、神経細胞の興奮を抑制することで、神経障害性疼痛に効果を示すものがあります。


■結論|
正しい選択肢は、4と5です。


■補足|
タペンタドールは、下行性疼痛抑制系の神経終末でのセロトニン再取り込みを選択的に阻害して、痛覚情報伝達を抑制する。(選択肢1) [誤り]
タペンタドールは、オピオイド受容体作動作用とノルアドレナリン再取り込み阻害作用の両方を持ち合わせており、これらの作用により鎮痛効果を発揮します。セロトニン再取り込み阻害作用は、主な作用機序ではありません。
プレガバリンは、求心性一次知覚神経の電位依存性Ca2+チャネルを構成するα1サブユニットに結合して、神経伝達物質の遊離を抑制する。(選択肢2) [誤り]
プレガバリンは、電位依存性カルシウムチャネルのα2δサブユニットに結合することで、神経伝達物質の遊離を抑制し、鎮痛効果や抗てんかん効果を発揮します。α1サブユニットへの結合は、主な作用機序ではありません。
レバロルファンは、オピオイドμ受容体を刺激して、モルヒネの鎮痛効果を増強する。(選択肢3) [誤り]
レバロルファンは、オピオイドκ受容体作動薬であり、オピオイドμ受容体に対しては拮抗作用を示します。そのため、モルヒネの鎮痛効果を減弱させる可能性があります。


薬理|問 109-153


■■GPT4o


■論点|痛みを伴う疾患に用いられる薬物の作用機序
この問題の論点は、痛みを伴う疾患に用いられる薬物の作用機序に関する知識を特定することです。


■解説1|
エレヌマブは、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体に結合してCGRPの作用を阻害することで、片頭痛発作の発症を抑制する。(選択肢4) [正しい]
エレヌマブはCGRP受容体拮抗薬であり、CGRPの作用を阻害することで、片頭痛の発症を抑制します。
チザニジンは、アドレナリンα2受容体を刺激して、筋緊張を伴う疼痛を緩和する。(選択肢5) [正しい]
チザニジンはアドレナリンα2受容体作動薬であり、筋緊張を低下させることで疼痛を緩和します。
■解説2|
エレヌマブは、片頭痛の予防に用いられる薬物で、CGRP受容体を阻害することにより、片頭痛の発症を抑制します。CGRPは片頭痛の発症に関与するペプチドであり、その作用を遮断することで予防効果を発揮します。
チザニジンは、アドレナリンα2受容体作動薬として筋弛緩作用を示し、特に筋緊張が原因となる疼痛の緩和に有効です。


■結論|
正しい選択肢は、4と5です。


■補足|
タペンタドールは、下行性疼痛抑制系の神経終末でのセロトニン再取り込みを選択的に阻害して、痛覚情報伝達を抑制する。(選択肢1) [誤り]
タペンタドールは、ノルアドレナリン再取り込み阻害とオピオイドμ受容体作動の二重作用を持つ鎮痛薬です。
プレガバリンは、求心性一次知覚神経の電位依存性Ca2+チャネルを構成するα1サブユニットに結合して、神経伝達物質の遊離を抑制する。(選択肢2) [誤り]
プレガバリンは、電位依存性Ca2+チャネルのα2δサブユニットに結合して、神経伝達物質の遊離を抑制します。
レバロルファンは、オピオイドμ受容体を刺激して、モルヒネの鎮痛効果を増強する。(選択肢3) [誤り]
レバロルファンは、オピオイド受容体拮抗薬であり、むしろモルヒネの作用を減弱させます。


薬理|問 107-154 ■正答| 2 4
中枢性及び末梢性筋弛緩薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. エペリゾンは、γ-アミノ酪酸GABAB受容体を遮断して、脊髄における多シナプス反射を抑制する。

  2. チザニジンは、アドレナリンα2受容体を刺激して、脊髄反射を抑制する。

  3. ダントロレンは、神経筋接合部のアセチルコリンNM受容体を刺激して、持続的な脱分極を引き起こす。

  4. ロクロニウムは、神経筋接合部のアセチルコリンNM受容体を競合的に遮断する。

  5. A型ボツリヌス毒素は、筋小胞体のリアノジン受容体に作用して、Ca2+遊離を抑制する。


薬理|問 107-154


■■Gemini 1.5 Pro


■論点|中枢性及び末梢性筋弛緩薬の作用機序
この問題は、筋弛緩薬の分類(中枢性 vs 末梢性)と、それぞれの代表的な薬物の作用機序を理解しているかどうかを問うものです。具体的には、それぞれの薬物が、脊髄反射、神経筋接合部、筋小胞体といった筋収縮に関わる部位のどこに作用するのかを理解している必要があります。


■解説1|
チザニジンは、アドレナリンα2受容体を刺激して、脊髄反射を抑制する。(選択肢2) [正しい]
チザニジンは、中枢神経系に作用する筋弛緩薬であり、脊髄においてα2アドレナリン受容体を刺激することで作用を発揮します。α2受容体刺激は、興奮性神経伝達物質の遊離を抑制し、脊髄反射を抑制することで、筋緊張を緩和します。
ロクロニウムは、神経筋接合部のアセチルコリンNM受容体を競合的に遮断する。(選択肢4) [正しい]
ロクロニウムは、非脱分極性筋弛緩薬に分類される末梢性筋弛緩薬です。神経筋接合部において、アセチルコリンがニコチン性アセチルコリン受容体(NM受容体)に結合するのを競合的に阻害することで、神経からの興奮伝達を遮断し、筋弛緩を引き起こします。
■解説2|
筋弛緩薬は、大きく中枢性筋弛緩薬と末梢性筋弛緩薬に分類されます。中枢性筋弛緩薬は、脳や脊髄といった中枢神経系に作用して、筋緊張を抑制する薬物です。一方、末梢性筋弛緩薬は、神経筋接合部に作用して、神経から筋肉への興奮伝達を遮断することで、筋弛緩を引き起こします。


■結論|
正しい選択肢は、2と4です。


■補足|
エペリゾンは、γ-アミノ酪酸GABAB受容体を遮断して、脊髄における多シナプス反射を抑制する。(選択肢1) [誤り]
エペリゾンの正確な作用機序は不明ですが、脊髄レベルでの興奮抑制と、脳幹網様体賦活系への作用が示唆されています。GABAB受容体を遮断する作用は知られていません。
ダントロレンは、神経筋接合部のアセチルコリンNM受容体を刺激して、持続的な脱分極を引き起こす。(選択肢3) [誤り]
ダントロレンは、骨格筋細胞内の筋小胞体に存在するリアノジン受容体に作用し、カルシウムイオンの放出を阻害することで筋収縮を抑制します。神経筋接合部には作用しません。
A型ボツリヌス毒素は、筋小胞体のリアノジン受容体に作用して、Ca2+遊離を抑制する。(選択肢5) [誤り]
A型ボツリヌス毒素は、神経筋接合部のシナプス前終末に作用し、アセチルコリンの放出を阻害することで筋弛緩を引き起こします。筋小胞体には作用しません。


薬理|問 107-154


■■GPT4o


■論点|中枢性および末梢性筋弛緩薬の作用機序
この問題の論点は、中枢性および末梢性筋弛緩薬の作用機序に関する知識を特定することです。


■解説1|
チザニジンは、アドレナリンα2受容体を刺激して、脊髄反射を抑制する。(選択肢2) [正しい]
チザニジンは、アドレナリンα2受容体の作動薬として作用し、脊髄反射を抑制することで筋弛緩作用を示します。
ロクロニウムは、神経筋接合部のアセチルコリンNM受容体を競合的に遮断する。(選択肢4) [正しい]
ロクロニウムは、神経筋接合部のアセチルコリンNM受容体を競合的に遮断することにより、筋弛緩作用を示します。
■解説2|
チザニジンは、中枢性筋弛緩薬として、脊髄反射の抑制を通じて筋緊張を低下させます。これは、α2受容体への刺激による作用です。
ロクロニウムは、末梢性筋弛緩薬として、神経筋接合部のアセチルコリンNM受容体を競合的に遮断することで、神経から筋への伝達を阻害し、筋弛緩を引き起こします。


■結論|
正しい選択肢は、2と4です。


■補足|
エペリゾンは、γ-アミノ酪酸GABAB受容体を遮断して、脊髄における多シナプス反射を抑制する。(選択肢1) [誤り]
エペリゾンは、GABAB受容体を遮断するのではなく、主に多シナプス反射を抑制することで筋弛緩作用を示します。
ダントロレンは、神経筋接合部のアセチルコリンNM受容体を刺激して、持続的な脱分極を引き起こす。(選択肢3) [誤り]
ダントロレンは、筋小胞体のリアノジン受容体に作用して、Ca2+の遊離を抑制します。
A型ボツリヌス毒素は、筋小胞体のリアノジン受容体に作用して、Ca2+遊離を抑制する。(選択肢5) [誤り]
A型ボツリヌス毒素は、シナプス前膜でアセチルコリンの放出を抑制することで筋弛緩作用を示します。


薬理|問 108-154 ■正答| 3 5
抗てんかん薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. ガバペンチンは、γ-アミノ酪酸GABAA受容体に結合して、GABA作動性神経伝達を増強する。

  2. ラモトリギンは、K+チャネルを遮断することで、神経細胞膜を脱分極させて、グルタミン酸などの興奮性神経伝達物質の遊離を抑制する。

  3. ペランパネルは、シナプス後膜に存在するグルタミン酸AMPA受容体を遮断して、グルタミン酸による神経細胞の過剰興奮を抑制する。

  4. カルバマセピンは、電位依存性T型Ca2+チャネルを遮断して、神経細胞における活動電位の発生を抑制する。

  5. レベチラセタムは、シナプス小胞タンパク質2A(SV2A)に結合して、神経伝達物質の遊離を抑制する。


薬理|問 108-154


■■Gemini 1.5 Pro


■論点|様々な抗てんかん薬の作用機序
この問題は、様々な抗てんかん薬が、神経伝達物質(GABA、グルタミン酸)、イオンチャネル(K+チャネル、Ca2+チャネル)、シナプス小胞タンパク質といったてんかん発作に関わる標的に対してどのように作用するかを理解しているかどうかを問うものです。


■解説1|
ペランパネルは、シナプス後膜に存在するグルタミン酸AMPA受容体を遮断して、グルタミン酸による神経細胞の過剰興奮を抑制する。(選択肢3) [正しい]
ペランパネルは、グルタミン酸作動性神経伝達を抑制することで、抗てんかん作用を示します。具体的には、神経細胞の興奮に関与する主要なグルタミン酸受容体であるAMPA受容体に選択的に結合し、その作用を阻害することで、神経興奮を抑制します。
レベチラセタムは、シナプス小胞タンパク質2A(SV2A)に結合して、神経伝達物質の遊離を抑制する。(選択肢5) [正しい]
レベチラセタムは、他の抗てんかん薬とは異なるユニークな作用機序を持ちます。シナプス小胞に存在するSV2Aというタンパク質に結合することで、グルタミン酸などの神経伝達物質の遊離を抑制し、神経興奮を抑制すると考えられています。
■解説2|
てんかんは、脳内の神経細胞の過剰な興奮によって引き起こされる発作を特徴とする神経疾患です。抗てんかん薬は、神経細胞の興奮を抑制することで、てんかん発作の発症を抑制します。抗てんかん薬には、様々な作用機序を持つ薬物が存在し、主な作用機序としては、GABA作動性神経伝達の増強、グルタミン酸作動性神経伝達の抑制、イオンチャネルの阻害などが挙げられます。


■結論|
正しい選択肢は、3と5です。


■補足|
ガバペンチンは、γ-アミノ酪酸GABAA受容体に結合して、GABA作動性神経伝達を増強する。(選択肢1) [誤り]
ガバペンチンの正確な作用機序は完全には解明されていませんが、電位依存性カルシウムチャネルのα2δサブユニットに結合することで、神経伝達物質の遊離を抑制すると考えられています。GABAA受容体への直接的な結合は示唆されていません。
ラモトリギンは、K+チャネルを遮断することで、神経細胞膜を脱分極させて、グルタミン酸などの興奮性神経伝達物質の遊離を抑制する。(選択肢2) [誤り]
ラモトリギンは、電位依存性ナトリウムチャネルを阻害することで、神経細胞の興奮伝達を抑制します。K+チャネルへの作用は、主な作用機序ではありません。
カルバマセピンは、電位依存性T型Ca2+チャネルを遮断して、神経細胞における活動電位の発生を抑制する。(選択肢4) [誤り]
カルバマセピンは、電位依存性ナトリウムチャネルを阻害することで、神経細胞の興奮伝達を抑制します。T型Ca2+チャネルへの選択性は高くありません。


薬理|問 108-154


■■GPT4o


■論点|抗てんかん薬の作用機序
この問題の論点は、抗てんかん薬の作用機序に関する知識を特定することです。


■解説1|
ペランパネルは、シナプス後膜に存在するグルタミン酸AMPA受容体を遮断して、グルタミン酸による神経細胞の過剰興奮を抑制する。(選択肢3) [正しい]
ペランパネルは、AMPA受容体アンタゴニストとして作用し、グルタミン酸による神経興奮を抑制します。
レベチラセタムは、シナプス小胞タンパク質2A(SV2A)に結合して、神経伝達物質の遊離を抑制する。(選択肢5) [正しい]
レベチラセタムは、SV2Aに結合することで、神経伝達物質の放出を調節し、抗てんかん効果を発揮します。
■解説2|
ペランパネルは、AMPA受容体を遮断することで、グルタミン酸の興奮性作用を減少させ、てんかん発作を抑制します。
レベチラセタムは、SV2Aに結合することで、シナプス小胞からの神経伝達物質の放出を抑制し、てんかん発作を予防します。


■結論|
正しい選択肢は、3と5です。


■補足|
ガバペンチンは、γ-アミノ酪酸GABAA受容体に結合して、GABA作動性神経伝達を増強する。(選択肢1) [誤り]
ガバペンチンは、GABAA受容体には結合せず、電位依存性Ca2+チャネルのα2δサブユニットに結合します。
ラモトリギンは、K+チャネルを遮断することで、神経細胞膜を脱分極させて、グルタミン酸などの興奮性神経伝達物質の遊離を抑制する。(選択肢2) [誤り]
ラモトリギンは、電位依存性Na+チャネルを遮断することで、興奮性神経伝達物質の遊離を抑制します。
カルバマセピンは、電位依存性T型Ca2+チャネルを遮断して、神経細胞における活動電位の発生を抑制する。(選択肢4) [誤り]
カルバマセピンは、電位依存性Na+チャネルを遮断することで、活動電位の発生を抑制します。


薬理|問 106-155 ■正答| 5
脳血管障害とその後遺症の治療に用いられる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
■選択肢

  1. バクロフェンは、γ-アミノ酪酸GABAA受容体を刺激することで、脳血管障害に伴う筋痙縮を抑制する。

  2. ファスジルは、Rhoキナーゼを阻害してミオシン軽鎖の脱リン酸化を阻害することで、くも膜下出血術後の脳血管れん縮を抑制する。

  3. オザグレルは、プロスタノイドTP受容体を遮断することで、脳血流量の低下を抑制する。

  4. イフェンプロジルは、アドレナリンα受容体を刺激することで、脳梗塞後遺症に伴うめまいを改善する。

  5. エダラボンは、フリーラジカルを消去して脂質過酸化を抑制することで、脳梗塞急性期において脳保護作用を示す。


薬理|問 106-155


■■Gemini 1.5 Pro


■論点|脳血管障害とその後遺症に対する治療薬の作用機序
この問題は、脳血管障害の治療薬として用いられる薬物が、どのようなメカニズムで脳組織の保護や後遺症の改善に寄与するかを理解しているかどうかを問うものです。具体的には、それぞれの薬物が、神経伝達物質受容体、細胞内シグナル伝達経路、フリーラジカルなどにどのように作用するかを理解する必要があります。


■解説1|
エダラボンは、フリーラジカルを消去して脂質過酸化を抑制することで、脳梗塞急性期において脳保護作用を示す。(選択肢5) [正しい]
エダラボンは、脳梗塞急性期に発生するフリーラジカルを消去することで、神経細胞の脂質過酸化やアポトーシスを抑制し、脳組織を保護します。フリーラジカルは、脳梗塞発生時に増加し、神経細胞に損傷を与えることが知られています。エダラボンはこのフリーラジカルを捕捉・消去することで、脳梗塞による神経細胞死を抑制し、その後の神経症状の悪化を防ぐ効果があるとされています。
■解説2|
脳血管障害は、脳の血管が詰まったり破れたりすることで、脳組織への血液供給が途絶え、神経細胞が障害される疾患です。脳梗塞やくも膜下出血などが代表的な疾患です。脳血管障害の治療は、その原因や病態、症状に応じて、様々な薬物や治療法が選択されます。


■結論|
正しい選択肢は、5です。


■補足|
バクロフェンは、γ-アミノ酪酸GABAA受容体を刺激することで、脳血管障害に伴う筋痙縮を抑制する。(選択肢1) [誤り]
バクロフェンは、GABAB受容体作動薬であり、脊髄レベルでのシナプス伝達を抑制することで、筋痙縮を抑制します。GABAA受容体には作用しません。
ファスジルは、Rhoキナーゼを阻害してミオシン軽鎖の脱リン酸化を阻害することで、くも膜下出血術後の脳血管れん縮を抑制する。(選択肢2) [誤り]
ファスジルは、Rhoキナーゼを阻害することで、ミオシン軽鎖のリン酸化を抑制し、平滑筋を弛緩させます。ミオシン軽鎖の脱リン酸化を阻害するわけではありません。
オザグレルは、プロスタノイドTP受容体を遮断することで、脳血流量の低下を抑制する。(選択肢3) [誤り]
オザグレルは、血小板のトロンボキサンA2受容体を遮断することで、血小板凝集を抑制し、脳血栓塞栓症の再発予防に用いられます。脳血流量の低下を直接抑制するわけではありません。
イフェンプロジルは、アドレナリンα受容体を刺激することで、脳梗塞後遺症に伴うめまいを改善する。(選択肢4) [誤り]
イフェンプロジルは、脳血管拡張作用、神経保護作用、代謝賦活作用などを持ち、脳梗塞後遺症に伴うめまい、耳鳴り、頭痛などを改善するとされていますが、その詳細な作用機序は完全には解明されていません。アドレナリンα受容体を刺激する作用はありません。


薬理|問 106-155


■■GPT4o


■論点|脳血管障害とその後遺症の治療薬の作用機序
この問題の論点は、脳血管障害およびその後遺症の治療に用いられる薬物の作用機序に関する知識を特定することです。


■解説|
エダラボンは、フリーラジカルを消去して脂質過酸化を抑制することで、脳梗塞急性期において脳保護作用を示す。(選択肢5) [正しい]
エダラボンは、強力なフリーラジカル捕捉作用を持ち、脳梗塞急性期における脳細胞の障害を軽減するために使用されます。


■結論|
正しい選択肢は、5です。


■補足|
バクロフェンは、γ-アミノ酪酸GABAA受容体を刺激することで、脳血管障害に伴う筋痙縮を抑制する。(選択肢1) [誤り]
バクロフェンは、GABAB受容体のアゴニストとして作用し、筋痙縮を抑制します。
ファスジルは、Rhoキナーゼを阻害してミオシン軽鎖の脱リン酸化を阻害することで、くも膜下出血術後の脳血管れん縮を抑制する。(選択肢2) [誤り]
ファスジルは、Rhoキナーゼ阻害によってミオシン軽鎖のリン酸化を抑制します。
オザグレルは、プロスタノイドTP受容体を遮断することで、脳血流量の低下を抑制する。(選択肢3) [誤り]
オザグレルは、トロンボキサンA2合成酵素を阻害します。
イフェンプロジルは、アドレナリンα受容体を刺激することで、脳梗塞後遺症に伴うめまいを改善する。(選択肢4) [誤り]
イフェンプロジルは、α受容体遮断薬として作用します。


薬理|問 107-155 ■正答| 2 4
全身麻酔薬及び催眠薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. ゾピクロンは、メラトニンMT1受容体を刺激して、概日リズムを整える。

  2. ミダゾラムは、γ-アミノ酪酸GABAA受容体の活性化を増強して、鎮静作用を示す。

  3. デクスメデトミジンは、オレキシン受容体を遮断して、睡眠・覚醒サイクルを正常化する。

  4. ケタミンは、グルタミン酸NMDA受容体を遮断して、鎮痛作用を示す。

  5. チオペンタールは、オピオイドμ受容体を刺激して、短時間の麻酔作用を示す。


薬理|問 107-155


■■Gemini 1.5 Pro


■論点|全身麻酔薬と催眠薬の作用機序
この問題は、全身麻酔薬と催眠薬が、中枢神経系のどの受容体や神経伝達物質に作用することで、鎮静、催眠、麻酔といった効果を発揮するかを理解しているかどうかを問うものです。


■解説1|
ミダゾラムは、γ-アミノ酪酸GABAA受容体の活性化を増強して、鎮静作用を示す。(選択肢2) [正しい]
ミダゾラムは、ベンゾジアゼピン系に分類される薬剤であり、GABAA受容体に結合してその機能を増強します。GABAA受容体は、抑制性神経伝達物質であるGABAの作用を仲介する受容体であり、ミダゾラムはGABAA受容体の活性化を増強することで、神経細胞の興奮を抑制し、鎮静作用、催眠作用、抗不安作用などを示します。
ケタミンは、グルタミン酸NMDA受容体を遮断して、鎮痛作用を示す。(選択肢4) [正しい]
ケタミンは、NMDA受容体拮抗薬であり、グルタミン酸がNMDA受容体に結合するのを阻害します。NMDA受容体は、神経細胞の興奮伝達に関与するグルタミン酸受容体の一種であり、ケタミンはNMDA受容体を遮断することで、鎮痛作用、麻酔作用、幻覚作用などを示します。
■解説2|
全身麻酔薬は、意識、運動、感覚、反射を抑制し、手術などの侵襲的な処置を可能にする薬物です。催眠薬は、睡眠を誘発または維持するために用いられる薬物です。これらの薬物は、中枢神経系に作用し、様々な神経伝達物質や受容体に影響を与えることで、その効果を発揮します。


■結論|
正しい選択肢は、2と4です。


■補足|
ゾピクロンは、メラトニンMT1受容体を刺激して、概日リズムを整える。(選択肢1) [誤り]
ゾピクロンは、GABAA受容体に結合しその機能を増強することで、催眠作用を示します。メラトニンMT1受容体への作用は報告されていません。
デクスメデトミジンは、オレキシン受容体を遮断して、睡眠・覚醒サイクルを正常化する。(選択肢3) [誤り]
デクスメデトミジンは、α2アドレナリン受容体作動薬であり、鎮静作用や鎮痛作用を示します。オレキシン受容体への作用は報告されていません。
チオペンタールは、オピオイドμ受容体を刺激して、短時間の麻酔作用を示す。(選択肢5) [誤り]
チオペンタールは、バルビツール酸系に分類される薬剤であり、GABAA受容体に結合しその機能を増強することで、麻酔作用を示します。オピオイドμ受容体への作用は報告されていません。


薬理|問 107-155


■■GPT4o


■論点|全身麻酔薬および催眠薬の作用機序
この問題の論点は、全身麻酔薬および催眠薬の作用機序に関する知識を特定することです。


■解説|
ミダゾラムは、γ-アミノ酪酸GABAA受容体の活性化を増強して、鎮静作用を示す。(選択肢2) [正しい]
ミダゾラムは、GABAA受容体のアゴニストとして作用し、中枢神経系の抑制を増強することで鎮静作用を示します。
ケタミンは、グルタミン酸NMDA受容体を遮断して、鎮痛作用を示す。(選択肢4) [正しい]
ケタミンは、NMDA受容体アンタゴニストとして作用し、強力な鎮痛効果を発揮します。


■結論|
正しい選択肢は、2と4です。


■補足|
ゾピクロンは、メラトニンMT1受容体を刺激して、概日リズムを整える。(選択肢1) [誤り]
ゾピクロンは、GABAA受容体に作用する催眠薬です。
デクスメデトミジンは、オレキシン受容体を遮断して、睡眠・覚醒サイクルを正常化する。(選択肢3) [誤り]
デクスメデトミジンは、α2アドレナリン受容体のアゴニストとして作用します。
チオペンタールは、オピオイドμ受容体を刺激して、短時間の麻酔作用を示す。(選択肢5) [誤り]
チオペンタールは、バルビツール酸系の麻酔薬で、GABAA受容体を活性化します。


薬理|問 108-155 ■正答| 1 5
中枢神経系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. メチルフェニデートは、ノルアドレナリンやドパミンの再取り込みを阻害することで、覚醒作用を示す。

  2. カフェインは、キサンチンオキシダーゼを阻害することで、中枢興奮作用を示す。

  3. フルマゼニルは、γ-アミノ酪酸GABAA受容体のGABA結合部位を遮断することで、呼吸を促進する。

  4. グアンファシンは、アドレナリンα2受容体を遮断することで、攻撃性を抑制する。

  5. アトモキセチンは、ノルアドレナリンの再取り込みを阻害することで、注意欠如を改善する。


薬理|問 108-155


■■Gemini 1.5 Pro


■論点|中枢神経系作用薬の作用機序と効果
この問題は、様々な中枢神経系作用薬が、神経伝達物質(ノルアドレナリン、ドパミン、GABA)やその受容体(α2アドレナリン受容体、GABAA受容体)にどのように作用することで、覚醒、中枢興奮、呼吸促進、攻撃性抑制、注意欠如改善といった効果を発揮するかを理解しているかどうかを問うものです。


■解説1|
メチルフェニデートは、ノルアドレナリンやドパミンの再取り込みを阻害することで、覚醒作用を示す。(選択肢1) [正しい]
メチルフェニデートは、中枢神経刺激薬であり、注意欠陥・多動性障害 (ADHD) の治療薬として用いられます。シナプス前細胞におけるノルアドレナリン、ドパミンの再取り込みを阻害することで、シナプス間隙のノルアドレナリン、ドパミン濃度を上昇させます。その結果、覚醒レベルの向上、注意集中力の改善などの効果を示します。
アトモキセチンは、ノルアドレナリンの再取り込みを阻害することで、注意欠如を改善する。(選択肢5) [正しい]
アトモキセチンもADHDの治療薬として用いられますが、メチルフェニデートとは異なり、選択的にノルアドレナリンの再取り込みを阻害します。シナプス前細胞への選択性が高いため、ドパミン作動性神経系への影響が少なく、依存形成などの副作用が少ないと考えられています。
■解説2|
中枢神経系は、神経伝達物質と呼ばれる化学物質を用いて情報を伝達しています。神経伝達物質は、神経細胞から放出され、他の神経細胞や効果器細胞に存在する受容体に結合することで、その作用を発揮します。


■結論|
正しい選択肢は、1と5です。


■補足|
カフェインは、キサンチンオキシダーゼを阻害することで、中枢興奮作用を示す。(選択肢2) [誤り]
カフェインは、アデノシン受容体拮抗作用を介して中枢神経系を興奮させます。キサンチンオキシダーゼは、プリン体の代謝に関与する酵素であり、カフェインの作用とは関連がありません。
フルマゼニルは、γ-アミノ酪酸GABAA受容体のGABA結合部位を遮断することで、呼吸を促進する。(選択肢3) [誤り]
フルマゼニルは、GABAA受容体拮抗薬であり、ベンゾジアゼピン系薬剤やゾピクロンなどの過剰投与による意識障害や呼吸抑制の改善に用いられます。GABAA受容体のGABA結合部位を遮断することで、ベンゾジアゼピン系薬剤などの作用を阻害します。
グアンファシンは、アドレナリンα2受容体を遮断することで、攻撃性を抑制する。(選択肢4) [誤り]
グアンファシンは、α2アドレナリン受容体作動薬であり、中枢神経系における交感神経活性を抑制することで、血圧降下作用や抗不安作用などを示します。攻撃性を抑制する効果は、α2アドレナリン受容体刺激作用ではなく、他の作用機序によると考えられています。


薬理|問 108-155


■■GPT4o


■論点|中枢神経系に作用する薬物の作用機序


■解説|
メチルフェニデートは、ノルアドレナリンやドパミンの再取り込みを阻害することで、覚醒作用を示す。(選択肢1) [正しい]
メチルフェニデートは中枢神経刺激薬であり、注意欠陥・多動性障害(ADHD)やナルコレプシーの治療に使用されます。ノルアドレナリンおよびドパミンの再取り込みを阻害することで、そのシナプス間隙における濃度を増加させ、覚醒効果を示します。
アトモキセチンは、ノルアドレナリンの再取り込みを阻害することで、注意欠如を改善する。(選択肢5) [正しい]
アトモキセチンは、選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害薬で、ADHDの治療に用いられます。ノルアドレナリンの再取り込みを阻害することで、注意力を改善します。


■結論|
正しい選択肢は、1と5です。


■補足|
カフェインは、キサンチンオキシダーゼを阻害することで、中枢興奮作用を示す。(選択肢2) [誤り]
カフェインの中枢興奮作用は、アデノシン受容体を遮断することによるものです。
フルマゼニルは、γ-アミノ酪酸GABAA受容体のGABA結合部位を遮断することで、呼吸を促進する。(選択肢3) [誤り]
フルマゼニルは、GABAA受容体に対するベンゾジアゼピン拮抗薬であり、ベンゾジアゼピン過剰による中枢抑制を逆転させます。
グアンファシンは、アドレナリンα2受容体を遮断することで、攻撃性を抑制する。(選択肢4) [誤り]
グアンファシンは、α2受容体アゴニストとして作用し、ADHDの治療に用いられます。


薬理|問 108-156 ■正答| 2 3
抗リウマチ薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. インフリキシマブは、抗ヒトTNF-α受容体モノクローナル抗体で、TNF-αの作用を抑制する。

  2. アバタセプトは、抗原提示細胞表面のCD80/CD86に結合して、CD28を介した共刺激シグナルを抑制する。

  3. トファシチニブは、ヤヌスキナーゼ(JAK)を阻害して、IL-2受容体の活性化を介した作用を抑制する。

  4. トシリズマブは、抗ヒトIL-1bモノクローナル抗体で、IL-1bの作用を抑制する。

  5. エタネルセプトは、IL-6受容体の細胞外ドメインとヒトIgGのFC鎖との融合タンパク質で、IL-6の作用を抑制する。


薬理|問 108-156


■■Gemini 1.5 Pro


■論点|抗リウマチ薬の分類と作用機序
この問題は、様々な抗リウマチ薬が、免疫反応のどの段階を標的としているかを理解しているかどうかを問うものです。特に、サイトカイン(TNF-α、IL-1β、IL-6)や細胞表面分子(CD80/CD86)を標的とする生物学的製剤や、細胞内シグナル伝達分子(JAK)を阻害する分子標的薬の作用機序を理解する必要があります。


■解説1|
アバタセプトは、抗原提示細胞表面のCD80/CD86に結合して、CD28を介した共刺激シグナルを抑制する。(選択肢2) [正しい]
アバタセプトは、T細胞上のCD28と抗原提示細胞上のCD80/CD86との結合を阻害することで、T細胞の活性化を抑制する生物学的製剤です。T細胞の活性化には、抗原提示細胞からの抗原提示に加えて、共刺激シグナルと呼ばれるシグナルが必要です。アバタセプトは、この共刺激シグナルを阻害することで、T細胞の活性化を抑制し、免疫反応を抑えます。
トファシチニブは、ヤヌスキナーゼ(JAK)を阻害して、IL-2受容体の活性化を介した作用を抑制する。(選択肢3) [正しい]
トファシチニブは、JAKと呼ばれる細胞内シグナル伝達分子を阻害する分子標的薬です。JAKは、サイトカイン受容体に結合し、その下流のシグナル伝達経路を活性化します。トファシチニブは、JAKを阻害することで、IL-2などの炎症性サイトカインのシグナル伝達を抑制し、免疫反応を抑えます。
■解説2|
関節リウマチは、免疫系の異常によって関節に炎症が起こり、関節の痛みや腫れ、運動制限などを引き起こす自己免疫疾患です。抗リウマチ薬は、免疫反応を抑制することで、関節の炎症を抑え、関節破壊の進行を遅らせます。従来から用いられている抗リウマチ薬には、メトトレキサートなどの抗リウマチ薬やステロイド薬などがあります。近年では、生物学的製剤や分子標的薬など、新たな作用機序を持つ抗リウマチ薬が開発され、関節リウマチの治療成績は大きく向上しています。


■結論|
正しい選択肢は、2と3です。


■補足|
インフリキシマブは、抗ヒトTNF-α受容体モノクローナル抗体で、TNF-αの作用を抑制する。(選択肢1) [誤り]
インフリキシマブは、TNF-αに対するモノクローナル抗体であり、TNF-αに結合してその作用を阻害します。TNF-α受容体に結合するわけではありません。
トシリズマブは、抗ヒトIL-1bモノクローナル抗体で、IL-1bの作用を抑制する。(選択肢4) [誤り]
トシリズマブは、IL-6受容体に対するモノクローナル抗体であり、IL-6に結合してその作用を阻害します。IL-1βに対するモノクローナル抗体ではありません。
エタネルセプトは、IL-6受容体の細胞外ドメインとヒトIgGのFC鎖との融合タンパク質で、IL-6の作用を抑制する。(選択肢5) [誤り]
エタネルセプトは、TNF-αに対するデコイ受容体であり、TNF-αに結合してその作用を阻害します。IL-6受容体との融合タンパク質ではありません。


薬理|問 108-156


■■GPT4o


■論点|抗リウマチ薬の作用機序


■解説|
アバタセプトは、抗原提示細胞表面のCD80/CD86に結合して、CD28を介した共刺激シグナルを抑制する。(選択肢2) [正しい]
アバタセプトは、T細胞活性化を阻害することで免疫応答を抑制し、関節リウマチの治療に使用されます。
トファシチニブは、ヤヌスキナーゼ(JAK)を阻害して、IL-2受容体の活性化を介した作用を抑制する。(選択肢3) [正しい]
トファシチニブは、JAK阻害薬であり、JAK-STAT経路を阻害することで免疫細胞の活性化を抑制します。


■結論|
正しい選択肢は、2と3です。


■補足|
インフリキシマブは、抗ヒトTNF-α受容体モノクローナル抗体で、TNF-αの作用を抑制する。(選択肢1) [誤り]
インフリキシマブは、抗TNF-αモノクローナル抗体で、TNF-α自体を中和することで作用します。
トシリズマブは、抗ヒトIL-1bモノクローナル抗体で、IL-1bの作用を抑制する。(選択肢4) [誤り]
トシリズマブは、IL-6受容体に対するモノクローナル抗体です。
エタネルセプトは、IL-6受容体の細胞外ドメインとヒトIgGのFC鎖との融合タンパク質で、IL-6の作用を抑制する。(選択肢5) [誤り]
エタネルセプトは、TNF受容体の融合タンパク質であり、TNF-αの作用を阻害します。


薬理|問 109-156 ■正答| 1 3
花粉症の治療に用いられる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. レボセチリジンは、知覚神経のヒスタミンH1受容体を遮断し、くしゃみを抑制する。

  2. クロモグリク酸は、ロイコトリエンCysLT1受容体を遮断し、眼のかゆみを軽減する。

  3. ラマトロバンは、プロスタノイドTP受容体及びプロスタノイドDP2受容体(CRTH2受容体)を遮断し、鼻粘膜の炎症を軽減する。

  4. ナファゾリンは、鼻粘膜のアドレナリンα1受容体を遮断することで血管平滑筋を弛緩させ、鼻閉を軽減する。

  5. トラニラストは、ヤヌスキナーゼ(JAK)を阻害することで炎症細胞の活性化を抑制し、結膜の充血を軽減する。


薬理|問 109-156


■■Gemini 1.5 Pro


■論点|花粉症治療薬の作用機序と効果
この問題は、花粉症の治療に用いられる薬物が、アレルギー反応のどの段階を標的としているかを理解しているかどうかを問うものです。具体的には、ヒスタミン、ロイコトリエン、プロスタグランジンといったアレルギー反応に関与するメディエーターや、その受容体(H1受容体、CysLT1受容体、TP受容体、DP2受容体)を阻害する薬物、あるいは細胞内シグナル伝達に関与するJAKを阻害する薬物の作用機序を理解する必要があります。


■解説1|
レボセチリジンは、知覚神経のヒスタミンH1受容体を遮断し、くしゃみを抑制する。(選択肢1) [正しい]
レボセチリジンは、第二世代の抗ヒスタミン薬であり、ヒスタミンH1受容体に選択的に結合し、その作用を阻害します。花粉などのアレルゲンが体内に入ると、マスト細胞からヒスタミンが遊離され、ヒスタミンH1受容体に結合することで、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどのアレルギー症状を引き起こします。レボセチリジンは、ヒスタミンH1受容体を遮断することで、これらのアレルギー症状を抑制します。
ラマトロバンは、プロスタノイドTP受容体及びプロスタノイドDP2受容体(CRTH2受容体)を遮断し、鼻粘膜の炎症を軽減する。(選択肢3) [正しい]
ラマトロバンは、プロスタグランジン受容体拮抗薬であり、特にTP受容体とDP2受容体を遮断することで効果を発揮します。プロスタグランジンD2は、アレルギー反応に関与する重要なメディエーターであり、DP2受容体を活性化することで、鼻づまりや鼻水を悪化させます。ラマトロバンは、DP2受容体を遮断することで、これらの症状を改善します。また、TP受容体遮断作用により、鼻粘膜の血管透過性を抑制し、鼻汁の分泌を抑制します。
■解説2|
花粉症は、花粉などのアレルゲンが原因となって起こるアレルギー性鼻炎です。花粉症の治療には、アレルゲン回避療法、薬物療法、免疫療法などがあります。薬物療法では、抗ヒスタミン薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、ステロイド薬などが用いられます。


■結論|
正しい選択肢は、1と3です。


■補足|
クロモグリク酸は、ロイコトリエンCysLT1受容体を遮断し、眼のかゆみを軽減する。(選択肢2) [誤り]
クロモグリク酸は、マスト細胞安定化薬であり、マスト細胞からのヒスタミンなどのメディエーター遊離を抑制することで、アレルギー症状を予防します。ロイコトリエンCysLT1受容体を遮断する作用はありません。
ナファゾリンは、鼻粘膜のアドレナリンα1受容体を遮断することで血管平滑筋を弛緩させ、鼻閉を軽減する。(選択肢4) [誤り]
ナファゾリンは、α1アドレナリン受容体作動薬であり、鼻粘膜の血管を収縮させることで、鼻閉を軽減します。α1アドレナリン受容体を遮断するわけではありません。
トラニラストは、ヤヌスキナーゼ(JAK)を阻害することで炎症細胞の活性化を抑制し、結膜の充血を軽減する。(選択肢5) [誤り]
トラニラストは、ケミカルメディエーター遊離抑制薬であり、マスト細胞や好塩基球からのヒスタミンなどのメディエーター遊離を抑制するとともに、ロイコトリエンやプロスタグランジンなどの産生も抑制することで、アレルギー反応を抑制します。JAKを阻害する作用はありません。


薬理|問 109-156


■■GPT4o


■論点|花粉症の治療薬の作用機序


■解説|
レボセチリジンは、知覚神経のヒスタミンH1受容体を遮断し、くしゃみを抑制する。(選択肢1) [正しい]
レボセチリジンは、第2世代抗ヒスタミン薬で、H1受容体を遮断することにより、アレルギー症状を軽減します。特にくしゃみや鼻汁に対して効果的です。
ラマトロバンは、プロスタノイドTP受容体及びプロスタノイドDP2受容体(CRTH2受容体)を遮断し、鼻粘膜の炎症を軽減する。(選択肢3) [正しい]
ラマトロバンは、鼻粘膜の炎症を引き起こすプロスタノイド受容体を遮断することで、アレルギー性鼻炎の症状を軽減します。


■結論|
正しい選択肢は、1と3です。


■補足|
クロモグリク酸は、ロイコトリエンCysLT1受容体を遮断し、眼のかゆみを軽減する。(選択肢2) [誤り]
クロモグリク酸は、肥満細胞安定化剤であり、ロイコトリエン受容体遮断作用はありません。
ナファゾリンは、鼻粘膜のアドレナリンα1受容体を遮断することで血管平滑筋を弛緩させ、鼻閉を軽減する。(選択肢4) [誤り]
ナファゾリンは、α1受容体作動薬であり、血管収縮作用により鼻閉を軽減します。
トラニラストは、ヤヌスキナーゼ(JAK)を阻害することで炎症細胞の活性化を抑制し、結膜の充血を軽減する。(選択肢5) [誤り]
トラニラストは、抗アレルギー薬であり、JAK阻害作用はありません。


薬理|問 106-158 ■正答| 2 5
骨粗しょう症治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. テリパラチドは、遺伝子組換えヒト副甲状腺ホルモン(1-34)製剤であり、間欠投与で破骨細胞による骨吸収を抑制する。

  2. リセドロン酸は、メバロン酸経路のファルネシルピロリン酸合成酵素を阻害することで、破骨細胞による骨吸収を抑制する。

  3. ラロキシフェンは、骨組織のエストロゲン受容体を遮断することで、閉経後の骨代謝回転を改善する。

  4. エルカトニンは、骨芽細胞の副甲状腺ホルモン受容体を刺激することで、骨芽細胞による骨形成を促進する。

  5. デノスマブは、RANKL(NF-κB活性化受容体リガンド)を標的とするヒト型IgG2 モノクローナル抗体で、RANKLによる破骨細胞の形成を抑制する。


薬理|問 106-158


■■Gemini 1.5 Pro


■論点|骨粗鬆症治療薬の作用機序と特徴
この問題は、様々な骨粗鬆症治療薬が、骨代謝(骨吸収と骨形成)のどちらに作用するか、またその分子メカニズムを理解しているかどうかを問うものです。特に、破骨細胞の形成・活性化に関わるRANKLや、骨芽細胞の活性化に関わる副甲状腺ホルモンの作用機序を理解しているかが重要となります。


■解説1|
リセドロン酸は、メバロン酸経路のファルネシルピロリン酸合成酵素を阻害することで、破骨細胞による骨吸収を抑制する。(選択肢2) [正しい]
リセドロン酸は、ビスホスホネート系薬剤に分類される骨粗鬆症治療薬です。破骨細胞内に取り込まれた後、メバロン酸経路の酵素であるファルネシルピロリン酸合成酵素を阻害します。この酵素は、破骨細胞の細胞膜に必須なタンパク質のプレニル化に関与しており、その阻害は破骨細胞の機能を阻害し、骨吸収を抑制します。
デノスマブは、RANKL(NF-κB活性化受容体リガンド)を標的とするヒト型IgG2 モノクローナル抗体で、RANKLによる破骨細胞の形成を抑制する。(選択肢5) [正しい]
デノスマブは、RANKLに対するモノクローナル抗体です。RANKLは、破骨細胞前駆細胞に発現するRANK受容体に結合することで、破骨細胞への分化を促進します。デノスマブは、RANKLに結合することで、RANK受容体への結合を阻害し、破骨細胞の形成を抑制することで骨吸収を抑制します。
■解説2|
骨粗鬆症は、骨密度が減少し、骨の微細構造が破壊されることで、骨がもろくなり、骨折しやすくなる疾患です。骨粗鬆症の治療は、骨吸収を抑制することで骨量を維持・増加させることを目的とします。


■結論|
正しい選択肢は、2と5です。


■補足|
テリパラチドは、遺伝子組換えヒト副甲状腺ホルモン(1-34)製剤であり、間欠投与で破骨細胞による骨吸収を抑制する。(選択肢1) [誤り]
テリパラチドは、遺伝子組換えヒト副甲状腺ホルモン製剤ですが、間欠投与により骨形成を促進します。これは、副甲状腺ホルモンが連続投与では骨吸収を促進する一方、間欠投与では骨形成を促進するという二相性作用を持つためです。
ラロキシフェンは、骨組織のエストロゲン受容体を遮断することで、閉経後の骨代謝回転を改善する。(選択肢3) [誤り]
ラロキシフェンは、選択的エストロゲン受容体調節薬 (SERM) と呼ばれる薬剤であり、骨組織においてはエストロゲン受容体に結合し、エストロゲン様作用を示すことで骨吸収を抑制します。エストロゲン受容体を遮断するわけではありません。
エルカトニンは、骨芽細胞の副甲状腺ホルモン受容体を刺激することで、骨芽細胞による骨形成を促進する。(選択肢4) [誤り]
エルカトニンは、カルシトニン製剤であり、破骨細胞に存在するカルシトニン受容体に結合することで、破骨細胞の形成と活性を抑制し、骨吸収を抑制します。骨芽細胞の副甲状腺ホルモン受容体には作用しません。


薬理|問 106-158


■■GPT4o


■論点|骨粗しょう症治療薬の作用機序


■解説|
リセドロン酸は、メバロン酸経路のファルネシルピロリン酸合成酵素を阻害することで、破骨細胞による骨吸収を抑制する。(選択肢2) [正しい]
リセドロン酸は、ビスホスホネート系薬であり、ファルネシルピロリン酸合成酵素を阻害することで破骨細胞の活動を抑制します。
デノスマブは、RANKL(NF-κB活性化受容体リガンド)を標的とするヒト型IgG2 モノクローナル抗体で、RANKLによる破骨細胞の形成を抑制する。(選択肢5) [正しい]
デノスマブは、RANKLに対するモノクローナル抗体であり、破骨細胞の形成および機能を抑制します。


■結論|
正しい選択肢は、2と5です。


■補足|
テリパラチドは、遺伝子組換えヒト副甲状腺ホルモン(1-34)製剤であり、間欠投与で破骨細胞による骨吸収を抑制する。(選択肢1) [誤り]
テリパラチドは、骨形成を促進するために使用され、骨吸収を直接抑制するわけではありません。
ラロキシフェンは、骨組織のエストロゲン受容体を遮断することで、閉経後の骨代謝回転を改善する。(選択肢3) [誤り]
ラロキシフェンは、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)であり、エストロゲン受容体を活性化します。
エルカトニンは、骨芽細胞の副甲状腺ホルモン受容体を刺激することで、骨芽細胞による骨形成を促進する。(選択肢4) [誤り]
エルカトニンは、カルシトニン製剤であり、骨吸収を抑制する作用があります。


薬理|問 107-158 ■正答| 3 4
アレルギー性疾患の治療に用いられる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. オザグレルは、Th2サイトカインの産生を抑制して、鎮痒効果を示す。

  2. トラニラストは、ヒスタミンH1受容体を遮断して、アレルギー性鼻炎を改善する。

  3. プランルカストは、ロイコトリエン受容体を遮断して、気管支ぜん息の発作を予防する。

  4. セラトロダストは、トロンボキサンA2(プロスタノイドTP)受容体を遮断して、気道過敏症の亢進を抑制する。

  5. スプラタストは、トロンボキサン合成酵素を阻害して、じん麻疹を改善する。


薬理|問 107-158


■■Gemini 1.5 Pro


■論点|アレルギー性疾患治療薬の作用機序と適用疾患
この問題は、アレルギー反応に関わる様々なメディエーター(ヒスタミン、ロイコトリエン、トロンボキサンA2など)とその受容体(H1受容体、ロイコトリエン受容体、TP受容体など)を標的とした薬物療法について、それぞれの薬物の作用機序と適用疾患を理解しているかどうかを問うものです。


■解説1|
プランルカストは、ロイコトリエン受容体を遮断して、気管支喘息の発作を予防する。(選択肢3) [正しい]
プランルカストは、ロイコトリエン受容体拮抗薬と呼ばれる薬剤であり、気管支平滑筋に存在するロイコトリエン受容体に結合することで、ロイコトリエンの作用を阻害します。ロイコトリエンは、気管支平滑筋の収縮や粘液分泌亢進を引き起こし、気管支喘息の症状を悪化させるメディエーターです。プランルカストは、ロイコトリエンの作用を阻害することで、気管支喘息の発作を予防します。
セラトロダストは、トロンボキサンA2(プロスタノイドTP)受容体を遮断して、気道過敏症の亢進を抑制する。(選択肢4) [正しい]
セラトロダストは、トロンボキサンA2受容体拮抗薬と呼ばれる薬剤であり、気道に存在するTP受容体に結合することで、トロンボキサンA2の作用を阻害します。トロンボキサンA2は、気管支平滑筋の収縮や気道炎症を引き起こし、気道過敏症を亢進させるメディエーターです。セラトロダストは、トロンボキサンA2の作用を阻害することで、気道過敏症の亢進を抑制します。
■解説2|
アレルギー性疾患は、免疫反応が過剰に起こることで、くしゃみ、鼻水、皮膚の発疹、呼吸困難などの症状を引き起こす疾患です。アレルギー反応には、ヒスタミン、ロイコトリエン、プロスタグランジンD2などの化学伝達物質が関与しており、これらのメディエーターを阻害することで、アレルギー症状を抑制することができます。


■結論|
正しい選択肢は、3と4です。


■補足|
オザグレルは、Th2サイトカインの産生を抑制して、鎮痒効果を示す。(選択肢1) [誤り]
オザグレルは、血小板のトロンボキサンA2受容体を遮断することで、血小板凝集を抑制し、脳血栓塞栓症や狭心症の治療に用いられます。Th2サイトカインの産生抑制作用や鎮痒効果は知られていません。
トラニラストは、ヒスタミンH1受容体を遮断して、アレルギー性鼻炎を改善する。(選択肢2) [誤り]
トラニラストは、ケミカルメディエーター遊離抑制薬であり、マスト細胞や好塩基球からのヒスタミンなどのメディエーター遊離を抑制します。また、ロイコトリエンやプロスタグランジンの産生も抑制することで、抗アレルギー作用を示します。ヒスタミンH1受容体を直接遮断するわけではありません。
スプラタストは、トロンボキサン合成酵素を阻害して、じん麻疹を改善する。(選択肢5) [誤り]
スプラタストは、Th2サイトカインの産生を抑制し、IgEの産生を抑制することで、アレルギー反応を抑制します。トロンボキサン合成酵素を阻害する作用はありません。


薬理|問 107-158


■■GPT4o


■論点|アレルギー性疾患治療薬の作用機序
この問題の論点は、アレルギー性疾患の治療に用いられる薬物の作用機序に関する知識を特定することです。


■解説1|
プランルカストは、ロイコトリエン受容体を遮断して、気管支ぜん息の発作を予防する。(選択肢3) [正しい]
プランルカストは、ロイコトリエン受容体アンタゴニストとして作用し、ロイコトリエンによる気管支収縮を防ぎ、気管支ぜん息の発作を予防します。
セラトロダストは、トロンボキサンA2(プロスタノイドTP)受容体を遮断して、気道過敏症の亢進を抑制する。(選択肢4) [正しい]
セラトロダストは、トロンボキサンA2受容体アンタゴニストとして作用し、気道の過敏性を低下させ、喘息の症状を改善します。
■解説2|
プランルカストは、ロイコトリエンD4(LTD4)受容体を特異的に遮断することで、気道平滑筋の収縮や気道炎症を抑えます。
セラトロダストは、トロンボキサンA2が結合するプロスタノイドTP受容体を阻害することで、気道の収縮や炎症を軽減し、喘息やアレルギー性疾患の症状を和らげます。


■結論|
正しい選択肢は、3と4です。


■補足|
オザグレルは、Th2サイトカインの産生を抑制して、鎮痒効果を示す。(選択肢1) [誤り]
オザグレルは、トロンボキサンA2合成酵素阻害薬であり、Th2サイトカインの産生抑制や鎮痒効果は直接的な作用ではありません。
トラニラストは、ヒスタミンH1受容体を遮断して、アレルギー性鼻炎を改善する。(選択肢2) [誤り]
トラニラストは、肥満細胞の脱顆粒を抑制し、ケミカルメディエーターの放出を防ぐことでアレルギー症状を抑えますが、ヒスタミンH1受容体遮断作用はありません。
スプラタストは、トロンボキサン合成酵素を阻害して、じん麻疹を改善する。(選択肢5) [誤り]
スプラタストは、Th2サイトカインの産生を抑制し、アレルギー反応を抑える薬であり、トロンボキサン合成酵素阻害作用はありません。


薬理|問 106-159 ■正答| 1 4
心不全治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. メチルジゴキシンは、Na+, K+-ATPaseを阻害して、心筋細胞内Ca2+濃度を上昇させて陽性変力作用を示す。

  2. リシノプリルは、アンジオテンシンIIの分解を阻害して、心筋のリモデリングを抑制する。

  3. コルホルシンダロパートは、サイクリックAMP(cAMP)誘導体で、細胞内でcAMPに変換されて心筋収縮力を増強する。

  4. ピモベンダンは、トロポニンCのCa2+感受性を増大させるとともに、ホスホジエステラーゼⅢを阻害して、強心作用を示す。

  5. カルペリチドは、グアニル酸シクラーゼ内蔵型受容体を遮断して、心臓の前負荷及び後負荷を軽減させる。


薬理|問 106-159


■■Gemini 1.5 Pro


■論点|心不全治療薬の作用機序
この問題は、様々な心不全治療薬が、心筋細胞、血管、神経系などに作用することで、どのように心臓のポンプ機能を改善するかを理解しているかどうかを問うものです。特に、強心作用、血管拡張作用、神経体液性因子(アンジオテンシンIIなど)の作用抑制といった観点から、それぞれの薬物の作用機序を理解する必要があります。


■解説1|
メチルジゴキシンは、Na+, K+-ATPaseを阻害して、心筋細胞内Ca2+濃度を上昇させて陽性変力作用を示す。(選択肢1) [正しい]
メチルジゴキシンは、ジギタリス製剤に分類される強心薬です。心筋細胞膜にあるNa+, K+-ATPaseを阻害することで、細胞内のナトリウムイオン濃度を上昇させます。その結果、Na+/Ca2+交換系の活性が低下し、細胞内のカルシウムイオン濃度が上昇します。カルシウムイオンは、心筋収縮の開始と維持に重要な役割を果たしており、その濃度上昇は心筋収縮力を増強させる陽性変力作用をもたらします。
ピモベンダンは、トロポニンCのCa2+感受性を増大させるとともに、ホスホジエステラーゼⅢを阻害して、強心作用を示す。(選択肢4) [正しい]
ピモベンダンは、非グリコシド系・非カテコールアミン系の強心薬であり、心筋細胞内に作用します。ピモベンダンは、心筋の収縮タンパク質であるトロポニンCに対するカルシウムイオンの感受性を高めることで、心筋収縮力を増強します。また、ホスホジエステラーゼⅢを阻害することで、細胞内cAMPの分解を抑制し、cAMP依存性プロテインキナーゼAを活性化することで、心筋収縮力を増強するとともに、血管平滑筋を弛緩させることで、心臓の負担を軽減します。
■解説2|
心不全は、心臓のポンプ機能が低下することで、全身に十分な血液を送り出すことができなくなる状態です。心不全の治療は、その原因や重症度に応じて、食事療法、運動療法、薬物療法などを組み合わせます。薬物療法では、強心薬、血管拡張薬、利尿薬などが用いられます。


■結論|
正しい選択肢は、1と4です。


■補足|
リシノプリルは、アンジオテンシンIIの分解を阻害して、心筋のリモデリングを抑制する。(選択肢2) [誤り]
リシノプリルは、アンジオテンシン変換酵素 (ACE) 阻害薬に分類され、アンジオテンシンIからアンジオテンシンIIへの変換を阻害することで、アンジオテンシンIIの作用を抑制します。アンジオテンシンIIは強力な血管収縮作用と心筋リモデリング促進作用を持つため、リシノプリルは血管を拡張し、心臓にかかる負担を軽減することで、心不全の症状を改善します。アンジオテンシンIIの分解を阻害するわけではありません。
コルホルシンダロパートは、サイクリックAMP(cAMP)誘導体で、細胞内でcAMPに変換されて心筋収縮力を増強する。(選択肢3) [誤り]
コルホルシンダロパートは、ドパミン前駆体であり、パーキンソン病の治療に用いられます。心筋収縮力を増強する作用はありません。
カルペリチドは、グアニル酸シクラーゼ内蔵型受容体を遮断して、心臓の前負荷及び後負荷を軽減させる。(選択肢5) [誤り]
カルペリチドは、ヒト心房性ナトリウム利尿ペプチド (hANP) 製剤であり、グアニル酸シクラーゼ内蔵型受容体を刺激することで、細胞内cGMP濃度を上昇させ、血管拡張作用、利尿作用などを示します。グアニル酸シクラーゼ内蔵型受容体を遮断するわけではありません。


薬理|問 106-159


■■GPT4o


■論点|心不全治療薬の作用機序
この問題の論点は、心不全治療薬の作用機序に関する知識を特定することです。


■解説1|
メチルジゴキシンは、Na+, K+-ATPaseを阻害して、心筋細胞内Ca2+濃度を上昇させて陽性変力作用を示す。(選択肢1) [正しい]
メチルジゴキシンは、心筋細胞膜のNa+, K+-ATPaseを阻害し、細胞内のナトリウム濃度を上昇させ、これによりナトリウム-カルシウム交換機構を介して細胞内のカルシウム濃度が上昇し、心筋収縮力を強化します。
ピモベンダンは、トロポニンCのCa2+感受性を増大させるとともに、ホスホジエステラーゼⅢを阻害して、強心作用を示す。(選択肢4) [正しい]
ピモベンダンは、トロポニンCのCa2+感受性を増大させることで、心筋収縮力を直接強化し、同時にホスホジエステラーゼⅢを阻害してcAMP濃度を増加させ、さらに心筋収縮力を強化します。
■解説2|
メチルジゴキシンは、心不全治療において重要な陽性変力薬であり、心筋の収縮力を高めることで心拍出量を増加させます。これは、心筋細胞内のCa2+濃度を増加させることによって達成されます。
ピモベンダンは、心不全治療において使用される薬であり、Ca2+感受性増強とホスホジエステラーゼⅢ阻害という二重の作用機序を持つため、強力な強心作用を示します。


■結論|
正しい選択肢は、1と4です。


■補足|
リシノプリルは、アンジオテンシンIIの分解を阻害して、心筋のリモデリングを抑制する。(選択肢2) [誤り]
リシノプリルは、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬であり、アンジオテンシンIIの生成を抑制して心筋のリモデリングを抑制します。
コルホルシンダロパートは、サイクリックAMP(cAMP)誘導体で、細胞内でcAMPに変換されて心筋収縮力を増強する。(選択肢3) [誤り]
コルホルシンダロパートは、アデニル酸シクラーゼを直接活性化し、cAMPの産生を増加させる薬ですが、cAMP誘導体ではありません。
カルペリチドは、グアニル酸シクラーゼ内蔵型受容体を遮断して、心臓の前負荷及び後負荷を軽減させる。(選択肢5) [誤り]
カルペリチドは、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)アナログであり、グアニル酸シクラーゼ受容体を活性化して血管拡張作用を示し、前負荷及び後負荷を軽減しますが、受容体を遮断する作用はありません。


薬理|問 109-159 ■正答| 3 5
心不全の治療に用いられる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. ジゴキシンは、Na+, K+-ATPaseを活性化し、心筋細胞内Ca2+濃度を上昇させて、強心作用を示す。

  2. ピモベンダンは、サイクリックAMP(CAMP)誘導体で、細胞内でCAMPに変換されて、強心作用を示す。

  3. ビソプロロールは、アドレナリンβ1受容体を遮断し、心臓のリモデリングを抑制する。

  4. カルペリチドは、生体内で活性体となり、ナトリウム利尿ペプチドの分解を阻害して、血管拡張作用と利尿作用を示す。

  5. イバブラジンは、過分極活性化環状ヌクレオチド依存性チャネル(HCNチャネル)を遮断して、心拍数を減少させる。


薬理|問 109-159


■■Gemini 1.5 Pro


■論点|心不全治療における薬物作用のターゲットと効果
この問題は、心不全治療薬が、心筋細胞、血管、神経系などのどの部分を標的とし、どのような作用機序で効果を発揮するかを理解しているかどうかを問うものです。特に、イオンチャネル、受容体、酵素といった分子レベルでの作用点を理解しているかが重要となります。


■解説1|
ビソプロロールは、アドレナリンβ1受容体を遮断し、心臓のリモデリングを抑制する。(選択肢3) [正しい]
ビソプロロールは、β1受容体遮断薬に分類される薬剤です。心筋細胞に存在するβ1受容体に作用し、アドレナリンやノルアドレナリンがβ1受容体に結合するのを阻害します。これにより、心拍数や心筋収縮力が抑制され、心臓の仕事量が減少します。その結果、心臓の酸素消費量が減少し、心臓の負担が軽減されます。また、長期的には、心臓のリモデリング(肥大や線維化)を抑制する効果もあります。
イバブラジンは、過分極活性化環状ヌクレオチド依存性チャネル(HCNチャネル)を遮断して、心拍数を減少させる。(選択肢5) [正しい]
イバブラジンは、洞房結節に存在するHCNチャネルを阻害することで、心拍数の調節に関与する電流(If電流)を抑制し、心拍数を減少させます。心臓への酸素供給量は心拍数に影響されるため、イバブラジンは心拍数を減少させることで、心臓の酸素需要を抑制し、心不全の症状を改善します。
■解説2|
心不全は、心臓のポンプ機能が低下し、全身に必要な血液を送り出せなくなる状態です。様々な原因で起こりますが、いずれの場合も心臓にかかる負担を軽減し、心臓の機能を維持・改善することが重要となります。


■結論|
正しい選択肢は、3と5です。


■補足|
ジゴキシンは、Na+, K+-ATPaseを活性化し、心筋細胞内Ca2+濃度を上昇させて、強心作用を示す。(選択肢1) [誤り]
ジゴキシンは、Na+, K+-ATPaseを阻害することで、細胞内のナトリウムイオン濃度を上昇させ、その結果としてカルシウムイオン濃度を上昇させます。Na+, K+-ATPaseを活性化するわけではありません。
ピモベンダンは、サイクリックAMP(CAMP)誘導体で、細胞内でCAMPに変換されて、強心作用を示す。(選択肢2) [誤り]
ピモベンダンは、CAMP誘導体ではありません。トロポニンCのカルシウムイオン感受性を増強するとともに、ホスホジエステラーゼⅢを阻害することで、強心作用を示します。
カルペリチドは、生体内で活性体となり、ナトリウム利尿ペプチドの分解を阻害して、血管拡張作用と利尿作用を示す。(選択肢4) [誤り]
カルペリチドは、ヒト心房性ナトリウム利尿ペプチド (hANP) 製剤であり、生体内で変換されることなく、そのままグアニル酸シクラーゼ内蔵型受容体に作用します。ナトリウム利尿ペプチドの分解を阻害するわけではありません。


薬理|問 109-159


■■GPT4o


■論点|心不全治療薬の作用機序
この問題の論点は、心不全治療薬の作用機序に関する知識を特定することです。


■解説1|
ビソプロロールは、アドレナリンβ1受容体を遮断し、心臓のリモデリングを抑制する。(選択肢3) [正しい]
ビソプロロールは、選択的なアドレナリンβ1受容体遮断薬であり、心拍数と心筋収縮力を低下させることで心臓の負荷を軽減し、長期的には心臓のリモデリングを抑制します。
イバブラジンは、過分極活性化環状ヌクレオチド依存性チャネル(HCNチャネル)を遮断して、心拍数を減少させる。(選択肢5) [正しい]
イバブラジンは、HCNチャネルを選択的に遮断することにより、洞結節でのペースメーカー電流を抑制し、心拍数を減少させます。これにより心臓の酸素消費を低減し、心不全患者の症状を改善します。
■解説2|
ビソプロロールは、心不全治療において重要なβ遮断薬であり、心拍数と収縮力の低下により心臓のエネルギー需要を減少させ、長期的には心筋のリモデリングを防ぎます。これにより、心機能の改善と生命予後の改善が期待されます。
イバブラジンは、心拍数を特異的に減少させる薬物であり、特にβ遮断薬が適応しないか効果が不十分な場合に使用されます。心拍数の低下は心臓の負担を軽減し、心不全患者の予後を改善します。


■結論|
正しい選択肢は、3と5です。


■補足|
ジゴキシンは、Na+, K+-ATPaseを活性化し、心筋細胞内Ca2+濃度を上昇させて、強心作用を示す。(選択肢1) [誤り]
ジゴキシンは、Na+, K+-ATPaseを阻害して細胞内のナトリウム濃度を増加させ、その結果、ナトリウム-カルシウム交換体を介して細胞内カルシウム濃度を上昇させ、強心作用を示します。
ピモベンダンは、サイクリックAMP(CAMP)誘導体で、細胞内でCAMPに変換されて、強心作用を示す。(選択肢2) [誤り]
ピモベンダンは、cAMP誘導体ではなく、トロポニンCのCa2+感受性を増大させ、ホスホジエステラーゼⅢを阻害することで、強心作用を示します。
カルペリチドは、生体内で活性体となり、ナトリウム利尿ペプチドの分解を阻害して、血管拡張作用と利尿作用を示す。(選択肢4) [誤り]
カルペリチドは、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)のアナログであり、グアニル酸シクラーゼ受容体を活性化して血管拡張と利尿作用を示しますが、ANPの分解を阻害するわけではありません。


薬理|問 109-160 ■正答| 2 5
高血圧症に用いられる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. メチルドパは、延髄の血管運動中枢及び交感神経終末のアドレナリンα2受容体を遮断することで、交感神経活動を抑制する。

  2. ラベタロールは、アドレナリンα1受容体及びβ1受容体を遮断することで、血圧を低下させる。

  3. テルミサルタンは、傍糸球体細胞のアンジオテンシンIIAT1受容体を遮断することで、レニン分泌を抑制する。

  4. リシノプリルは、アンジオテンシンIIの生成を抑制し、副腎皮質からのアルドステロン分泌を低下させるため、低カリウム血症を引き起こしやすい。

  5. ジルチアゼムは、心臓の電位依存性L型Ca2+チャネルを遮断するため、房室ブロックを誘発しやすい。


薬理|問 109-160


■■Gemini 1.5 Pro


■論点|高血圧治療薬の作用機序と副作用
この問題は、様々な高血圧治療薬が、神経系、血管、腎臓などに作用することで、どのように血圧を低下させるのか、また、その作用機序に基づいた副作用を理解しているかどうかを問うものです。


■解説1|
ラベタロールは、アドレナリンα1受容体及びβ1受容体を遮断することで、血圧を低下させる。(選択肢2) [正しい]
ラベタロールは、α1受容体遮断作用とβ1受容体遮断作用を併せ持つ薬剤です。α1受容体遮断作用により末梢血管が拡張し、末梢血管抵抗が低下することで血圧が低下します。β1受容体遮断作用により、心拍数と心筋収縮力が抑制され、心拍出量が減少することで血圧が低下します。
ジルチアゼムは、心臓の電位依存性L型Ca2+チャネルを遮断するため、房室ブロックを誘発しやすい。(選択肢5) [正しい]
ジルチアゼムは、カルシウム拮抗薬に分類され、心臓の電位依存性L型Ca2+チャネルを遮断することで、心筋収縮を抑制し、心拍数を減少させます。また、血管平滑筋にも作用し、血管拡張作用を示します。これらの作用により、血圧を低下させます。ただし、房室結節においてもCa2+チャネルを遮断するため、房室伝導を抑制し、房室ブロックを誘発する可能性があります。
■解説2|
高血圧は、動脈硬化の危険因子であり、放置すると脳卒中や心筋梗塞などのリスクを高めます。高血圧の治療は、食事療法や運動療法などの生活習慣の改善が基本となりますが、薬物療法が必要となる場合もあります。薬物療法では、作用機序の異なる複数の薬剤を適切に組み合わせることで、効果を高め、副作用を抑制します。


■結論|
正しい選択肢は、2と5です。


■補足|
メチルドパは、延髄の血管運動中枢及び交感神経終末のアドレナリンα2受容体を遮断することで、交感神経活動を抑制する。(選択肢1) [誤り]
メチルドパは、中枢神経系に作用し、α2アドレナリン受容体を刺激することで、交感神経活動を抑制します。α2アドレナリン受容体を遮断するわけではありません。
テルミサルタンは、傍糸球体細胞のアンジオテンシンIIAT1受容体を遮断することで、レニン分泌を抑制する。(選択肢3) [誤り]
テルミサルタンは、アンジオテンシンII受容体拮抗薬 (ARB) に分類され、アンジオテンシンIIがアンジオテンシンII タイプ1受容体(AT1受容体)に結合するのを阻害します。レニン分泌を直接抑制するわけではありません。
リシノプリルは、アンジオテンシンIIの生成を抑制し、副腎皮質からのアルドステロン分泌を低下させるため、低カリウム血症を引き起こしやすい。(選択肢4) [誤り]
リシノプリルは、アンジオテンシン変換酵素 (ACE) 阻害薬であり、アンジオテンシンIIの生成を抑制することで、アルドステロンの分泌を抑制します。アルドステロンは、腎臓でのカリウムの排泄を促進するため、リシノプリルは高カリウム血症を引き起こす可能性があります。低カリウム血症を引き起こしやすいわけではありません。


薬理|問 109-160


■■GPT4o


■論点|高血圧治療薬の作用機序
この問題の論点は、高血圧治療薬の作用機序に関する知識を特定することです。


■解説1|
ラベタロールは、アドレナリンα1受容体及びβ1受容体を遮断することで、血圧を低下させる。(選択肢2) [正しい]
ラベタロールは、α1受容体とβ1受容体の両方を遮断する複合受容体遮断薬です。α1受容体の遮断により血管拡張が促され、β1受容体の遮断により心拍数と心収縮力が低下し、結果として血圧が低下します。
ジルチアゼムは、心臓の電位依存性L型Ca2+チャネルを遮断するため、房室ブロックを誘発しやすい。(選択肢5) [正しい]
ジルチアゼムは、カルシウム拮抗薬として作用し、心臓のL型カルシウムチャネルを遮断します。これにより、心筋の収縮力が減少し、心拍数も低下しますが、同時に房室伝導を抑制するため、房室ブロックを引き起こしやすくなります。
■解説2|
ラベタロールは、非選択的β遮断薬であると同時にα1受容体遮断薬でもあり、血圧を効果的に低下させることができます。これにより、心拍出量と末梢血管抵抗の両方を減少させる作用を持ちます。
ジルチアゼムは、カルシウムチャネル遮断薬として、心筋細胞と血管平滑筋細胞のカルシウムチャネルを遮断します。これにより、心筋の収縮力を減少させ、心拍数を低下させ、結果として房室伝導を遅延させることがあります。


■結論|
正しい選択肢は、2と5です。


■補足|
メチルドパは、延髄の血管運動中枢及び交感神経終末のアドレナリンα2受容体を遮断することで、交感神経活動を抑制する。(選択肢1) [誤り]
メチルドパは、実際には中枢神経系でα2受容体を刺激することで、交感神経の活動を抑制します。遮断ではなく、刺激によって血圧を低下させます。
テルミサルタンは、傍糸球体細胞のアンジオテンシンIIAT1受容体を遮断することで、レニン分泌を抑制する。(選択肢3) [誤り]
テルミサルタンは、アンジオテンシンII受容体(AT1受容体)を遮断しますが、これは主に血管平滑筋と副腎での作用であり、傍糸球体細胞でのレニン分泌を直接抑制する作用はありません。
リシノプリルは、アンジオテンシンIIの生成を抑制し、副腎皮質からのアルドステロン分泌を低下させるため、低カリウム血症を引き起こしやすい。(選択肢4) [誤り]
リシノプリルは、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬として、アンジオテンシンIIの生成を抑制し、副腎からのアルドステロン分泌を減少させます。しかし、低カリウム血症ではなく、高カリウム血症を引き起こしやすいです。


薬理|問 107-161 ■正答| 2 5
泌尿器に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. ソリフェナシンは、アドレナリンα1A受容体を遮断して、前立腺平滑筋を弛緩させる。

  2. ジスチグミンは、コリンエステラーゼを阻害して、アセチルコリンによる膀胱排尿筋の収縮を増強する。

  3. シロドシンは、アセチルコリンM3受容体を遮断して、膀胱括約筋を収縮させる。

  4. タダラフィルは、ホスホジエステラーゼⅤを活性化して、前立腺平滑筋を弛緩させる。

  5. ミラベグロンは、アドレナリンβ3受容体を刺激して、膀胱排尿筋を弛緩させる。


薬理|問 107-161


■■Gemini 1.5 Pro


■論点|泌尿器系薬物の作用機序と効果
この問題は、排尿障害や過活動膀胱といった疾患の治療に用いられる薬物が、自律神経系(交感神経、副交感神経)、酵素、受容体などに作用することで、どのように膀胱平滑筋や尿道平滑筋の緊張を調節するかを理解しているかどうかを問うものです。


■解説1|
ジスチグミンは、コリンエステラーゼを阻害して、アセチルコリンによる膀胱排尿筋の収縮を増強する。(選択肢2) [正しい]
ジスチグミンは、コリンエステラーゼ阻害薬に分類されます。コリンエステラーゼは、神経伝達物質であるアセチルコリンを分解する酵素です。ジスチグミンは、コリンエステラーゼを阻害することで、神経筋接合部や膀胱などの神経節におけるアセチルコリンの濃度を上昇させます。その結果、膀胱排尿筋の収縮力が高まり、排尿が促進されます。
ミラベグロンは、アドレナリンβ3受容体を刺激して、膀胱排尿筋を弛緩させる。(選択肢5) [正しい]
ミラベグロンは、β3アドレナリン受容体作動薬に分類されます。膀胱排尿筋に存在するβ3アドレナリン受容体を刺激することで、膀胱を弛緩させ、尿をためやすくします。これにより、過活動膀胱に伴う頻尿や尿失禁などの症状を改善します。
■解説2|
排尿は、自律神経系、膀胱、尿道などの協調的な働きによって制御されています。膀胱の蓄尿と排尿は、交感神経と副交感神経のバランスによって調節されています。


■結論|
正しい選択肢は、2と5です。


■補足|
ソリフェナシンは、アドレナリンα1A受容体を遮断して、前立腺平滑筋を弛緩させる。(選択肢1) [誤り]
ソリフェナシンは、抗コリン薬に分類され、アセチルコリンM3受容体を遮断することで、膀胱排尿筋の収縮を抑制し、過活動膀胱の症状を改善します。アドレナリンα1A受容体には作用しません。
シロドシンは、アセチルコリンM3受容体を遮断して、膀胱括約筋を収縮させる。(選択肢3) [誤り]
シロドシンは、α1アドレナリン受容体遮断薬に分類され、前立腺平滑筋に存在するα1A受容体を遮断することで、前立腺平滑筋を弛緩させます。アセチルコリンM3受容体には作用しません。
タダラフィルは、ホスホジエステラーゼⅤを活性化して、前立腺平滑筋を弛緩させる。(選択肢4) [誤り]
タダラフィルは、ホスホジエステラーゼⅤを阻害することで、サイクリックGMP (cGMP) を分解する酵素の活性を阻害し、血管平滑筋を弛緩させます。前立腺平滑筋に対しても同様の作用を示し、勃起不全の治療に用いられます。ホスホジエステラーゼⅤを活性化するわけではありません。


薬理|問 107-161


■■GPT4o


■論点|泌尿器に作用する薬物の作用機序
この問題の論点は、泌尿器に作用する薬物の作用機序に関する知識を特定することです。


■解説1|
ジスチグミンは、コリンエステラーゼを阻害して、アセチルコリンによる膀胱排尿筋の収縮を増強する。(選択肢2) [正しい]
ジスチグミンは、コリンエステラーゼ阻害薬であり、アセチルコリンの分解を抑制します。これにより、膀胱排尿筋のアセチルコリン濃度が上昇し、排尿筋の収縮が強化されます。
ミラベグロンは、アドレナリンβ3受容体を刺激して、膀胱排尿筋を弛緩させる。(選択肢5) [正しい]
ミラベグロンは、β3受容体アゴニストであり、膀胱排尿筋に存在するアドレナリンβ3受容体を刺激します。これにより、排尿筋の弛緩を促進し、過活動膀胱の症状を緩和します。
■解説2|
ジスチグミンは、重症筋無力症の治療にも用いられ、コリンエステラーゼ阻害作用によりアセチルコリンの効果を増強するため、膀胱排尿筋の収縮力を高めます。
ミラベグロンは、過活動膀胱の治療薬として広く使用されており、β3受容体の刺激により膀胱の弛緩を促進し、頻尿や尿意切迫感を軽減します。


■結論|
正しい選択肢は、2と5です。


■補足|
ソリフェナシンは、アドレナリンα1A受容体を遮断して、前立腺平滑筋を弛緩させる。(選択肢1) [誤り]
ソリフェナシンは、ムスカリンM3受容体拮抗薬であり、膀胱の収縮を抑制しますが、アドレナリンα1A受容体を遮断する作用はありません。
シロドシンは、アセチルコリンM3受容体を遮断して、膀胱括約筋を収縮させる。(選択肢3) [誤り]
シロドシンは、アドレナリンα1A受容体遮断薬であり、前立腺および尿道平滑筋を弛緩させます。アセチルコリンM3受容体を遮断する作用はありません。
タダラフィルは、ホスホジエステラーゼⅤを活性化して、前立腺平滑筋を弛緩させる。(選択肢4) [誤り]
タダラフィルは、ホスホジエステラーゼⅤ阻害薬であり、cGMPの分解を抑制することで血管平滑筋の弛緩を促しますが、ホスホジエステラーゼⅤを活性化することはありません。


薬理|問 108-161 ■正答| 2 4
利尿薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. トリアムテレンは、遠位尿細管と集合管のNa+チャネルを遮断してNa+の再吸収を抑制することで、管腔へのK+の排出を増加させる。

  2. トルバプタンは、集合管のバソプレシンV2受容体を遮断することで、水の排泄を増加させる。

  3. インダパミドは、ヘンレ係蹄上行脚のNa+-K+-2Cl-共輸送体を阻害することで、Na+の再吸収を抑制する。

  4. エプレレノンは、遠位尿細管と集合管のミネラルコルチコイド受容体(アルドステロン受容体)を遮断することで、Na+の再吸収とK+の排泄を抑制する。

  5. アゾセミドは、遠位尿細管のNa+-Cl-共輸送体を阻害することで、水の再吸収を抑制する。


薬理|問 108-161


■■Gemini 1.5 Pro


■論点|利尿薬の種類と作用機序
この問題は、様々な利尿薬が、腎臓のネフロンのどの部位に作用し、どのようなメカニズムで利尿作用を発揮するかを理解しているかどうかを問うものです。特に、それぞれの薬物が標的とする輸送体や受容体を理解しているかが重要となります。


■解説1|
トルバプタンは、集合管のバソプレシンV2受容体を遮断することで、水の排泄を増加させる。(選択肢2) [正しい]
トルバプタンは、バソプレシンV2受容体拮抗薬に分類される利尿薬です。バソプレシンは、腎臓の集合管に作用し、V2受容体を介して水チャネルであるアクアポリン2の発現と細胞膜への挿入を促進します。その結果、水が再吸収されやすくなり、尿量が減少します。トルバプタンは、V2受容体を遮断することでバソプレシンの作用を阻害し、水の再吸収を抑制することで、尿量を増加させます。
エプレレノンは、遠位尿細管と集合管のミネラルコルチコイド受容体(アルドステロン受容体)を遮断することで、Na+の再吸収とK+の排泄を抑制する。(選択肢4) [正しい]
エプレレノンは、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬に分類される利尿薬です。アルドステロンは、腎臓の遠位尿細管と集合管に作用し、ミネラルコルチコイド受容体を介してナトリウムイオンの再吸収とカリウムイオンの排泄を促進します。エプレレノンは、ミネラルコルチコイド受容体を遮断することでアルドステロンの作用を阻害し、ナトリウムイオンの再吸収とカリウムイオンの排泄を抑制します。
■解説2|
利尿薬は、腎臓でのナトリウムイオンと水の再吸収を阻害することで、尿量を増加させる薬物です。心不全、高血圧、腎臓病、浮腫などの治療に用いられます。


■結論|
正しい選択肢は、2と4です。


■補足|
トリアムテレンは、遠位尿細管と集合管のNa+チャネルを遮断してNa+の再吸収を抑制することで、管腔へのK+の排出を増加させる。(選択肢1) [誤り]
トリアムテレンは、カリウム保持性利尿薬に分類され、遠位尿細管と集合管のナトリウムチャネルを遮断することで、ナトリウムイオンの再吸収を抑制し、カリウムイオンの排泄を抑制します。カリウムイオンの排出を増加させるわけではありません。
インダパミドは、ヘンレ係蹄上行脚のNa+-K+-2Cl-共輸送体を阻害することで、Na+の再吸収を抑制する。(選択肢3) [誤り]
インダパミドは、サイアザイド系利尿薬に分類され、遠位尿細管皮質部にあるナトリウム-クロライド共輸送体を阻害することで、ナトリウムイオンの再吸収を抑制します。ヘンレ係蹄上行脚のNa+-K+-2Cl-共輸送体には作用しません。
アゾセミドは、遠位尿細管のNa+-Cl-共輸送体を阻害することで、水の再吸収を抑制する。(選択肢5) [誤り]
アゾセミドは、ループ利尿薬に分類され、ヘンレ係蹄上行脚のNa+-K+-2Cl-共輸送体を阻害することで、ナトリウムイオンの再吸収を抑制し、水の再吸収を抑制します。遠位尿細管のNa+-Cl-共輸送体には作用しません。


薬理|問 108-161


■■GPT4o


■論点|利尿薬の作用機序
この問題の論点は、利尿薬の作用機序に関する知識を特定することです。


■解説1|
トルバプタンは、集合管のバソプレシンV2受容体を遮断することで、水の排泄を増加させる。(選択肢2) [正しい]
トルバプタンは、バソプレシンV2受容体アンタゴニストであり、バソプレシンの作用を阻害します。これにより、集合管での水の再吸収が減少し、水の排泄が増加します。
エプレレノンは、遠位尿細管と集合管のミネラルコルチコイド受容体(アルドステロン受容体)を遮断することで、Na+の再吸収とK+の排泄を抑制する。(選択肢4) [正しい]
エプレレノンは、ミネラルコルチコイド受容体アンタゴニストであり、アルドステロンの作用を阻害します。これにより、Na+の再吸収とK+の排泄が抑制されます。
■解説2|
トルバプタンは、特に多尿症や心不全による水分貯留の治療に用いられ、水の排泄を増加させることで症状を改善します。バソプレシンV2受容体の遮断により、水の再吸収が減少し、尿量が増加します。
エプレレノンは、高血圧や心不全の治療に用いられ、Na+の再吸収とK+の排泄を抑制することで、血圧を低下させる効果があります。ミネラルコルチコイド受容体の遮断により、アルドステロンの作用が抑制され、体内の水分と電解質のバランスを改善します。


■結論|
正しい選択肢は、2と4です。


■補足|
トリアムテレンは、遠位尿細管と集合管のNa+チャネルを遮断してNa+の再吸収を抑制することで、管腔へのK+の排出を増加させる。(選択肢1) [誤り]
トリアムテレンは、Na+チャネルを遮断してNa+の再吸収を抑制しますが、K+の排出は増加せず、むしろK+の保持を促進します。
インダパミドは、ヘンレ係蹄上行脚のNa+-K+-2Cl-共輸送体を阻害することで、Na+の再吸収を抑制する。(選択肢3) [誤り]
インダパミドは、サイアザイド系利尿薬であり、遠位尿細管のNa+-Cl-共輸送体を阻害します。ヘンレ係蹄上行脚のNa+-K+-2Cl-共輸送体を阻害するのはループ利尿薬です。
アゾセミドは、遠位尿細管のNa+-Cl-共輸送体を阻害することで、水の再吸収を抑制する。(選択肢5) [誤り]
アゾセミドは、ループ利尿薬であり、ヘンレ係蹄上行脚のNa+-K+-2Cl-共輸送体を阻害します。遠位尿細管のNa+-Cl-共輸送体を阻害するのはサイアザイド系利尿薬です。


薬理|問 109-161 ■正答| 3 5
造血系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. エルトロンボパグは、赤芽球系前駆細胞のエリスロポエチン受容体を刺激することで、赤血球の産生を促進する。

  2. メコバラミンは、赤芽球内のヘム合成酵素の補酵素として作用することで、ヘムの合成を促進する。

  3. ダプロデュスタットは、低酸素誘導因子(HIF)プロリン水酸化酵素を阻害することで、HIFの分解を抑制してエリスロポエチンの産生を促進する。

  4. フィルグラスチムは、単球系前駆細胞から単球への分化を促進することで、単球からの顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)の放出を増加させる。

  5. 葉酸は、体内でテトラヒドロ葉酸に代謝されて、DNA合成の補酵素として作用し、赤血球の成熟を促進する。


薬理|問 109-161


■■Gemini 1.5 Pro


■論点|造血に関わる因子と薬物作用
この問題は、赤血球や白血球の産生を促進する薬物が、造血のどの過程、どの因子に作用しているかを理解しているかどうかを問うものです。特に、エリスロポエチン、G-CSF、ヘム、テトラヒドロ葉酸といった造血に重要な因子と、それらの産生・作用に関わる薬物の作用機序を理解しているかが重要となります。


■解説1|
ダプロデュスタットは、低酸素誘導因子(HIF)プロリン水酸化酵素を阻害することで、HIFの分解を抑制してエリスロポエチンの産生を促進する。(選択肢3) [正しい]
ダプロデュスタットは、低酸素誘導因子(HIF)プロリン水酸化酵素阻害薬に分類されます。HIFは、細胞が低酸素状態に曝露されると活性化し、エリスロポエチンなどの遺伝子の転写を促進する転写因子です。HIFプロリン水酸化酵素は、HIFを水酸化し、分解へと導く酵素です。ダプロデュスタットは、この酵素を阻害することでHIFの分解を抑制し、エリスロポエチンの産生を促進します。エリスロポエチンは、骨髄における赤血球の産生を促進するホルモンです。
葉酸は、体内でテトラヒドロ葉酸に代謝されて、DNA合成の補酵素として作用し、赤血球の成熟を促進する。(選択肢5) [正しい]
葉酸は、ビタミンB群の一種であり、体内でテトラヒドロ葉酸に代謝されます。テトラヒドロ葉酸は、プリン体やピリミジン体の生合成に関与する補酵素であり、DNAの合成に必須です。赤血球は、細胞分裂とDNA合成を繰り返して成熟するため、葉酸は赤血球の成熟に必須の栄養素です。
■解説2|
血液細胞は、骨髄において造血幹細胞から分化・成熟します。赤血球は、酸素を運搬する役割を担い、白血球は、生体防御に関与します。様々な原因で、赤血球や白血球の数が減少することがあり、貧血や免疫不全などの原因となります。


■結論|
正しい選択肢は、3と5です。


■補足|
エルトロンボパグは、赤芽球系前駆細胞のエリスロポエチン受容体を刺激することで、赤血球の産生を促進する。(選択肢1) [誤り]
エルトロンボパグは、トロンボポエチン受容体作動薬であり、巨核球の増殖と分化を促進することで、血小板の産生を促進します。赤血球の産生には影響しません。
メコバラミンは、赤芽球内のヘム合成酵素の補酵素として作用することで、ヘムの合成を促進する。(選択肢2) [誤り]
メコバラミンは、ビタミンB12の一種であり、メチオニン合成酵素やメチルマロニルCoAムターゼの補酵素として作用します。ヘムの合成には直接関与しません。
フィルグラスチムは、単球系前駆細胞から単球への分化を促進することで、単球からの顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)の放出を増加させる。(選択肢4) [誤り]
フィルグラスチムは、遺伝子組換えヒト顆粒球コロニー刺激因子 (G-CSF) 製剤であり、G-CSF受容体に結合することで、好中球の増殖と分化を促進します。単球からのG-CSFの放出を増加させるわけではありません。


薬理|問 109-161


■■GPT4o


■論点|造血系に作用する薬物の作用機序
この問題の論点は、造血系に作用する薬物の作用機序に関する知識を特定することです。


■解説1|
ダプロデュスタットは、低酸素誘導因子(HIF)プロリン水酸化酵素を阻害することで、HIFの分解を抑制してエリスロポエチンの産生を促進する。(選択肢3) [正しい]
ダプロデュスタットは、HIFプロリン水酸化酵素阻害剤であり、HIFの安定化を促進します。これにより、エリスロポエチンの産生が増加し、赤血球の生成が促進されます。
葉酸は、体内でテトラヒドロ葉酸に代謝されて、DNA合成の補酵素として作用し、赤血球の成熟を促進する。(選択肢5) [正しい]
葉酸は、テトラヒドロ葉酸に変換され、DNA合成に必要な補酵素として機能します。これにより、赤血球の成熟と生成が促進されます。
■解説2|
ダプロデュスタットの作用は、慢性腎臓病患者においてエリスロポエチンの産生を増加させ、貧血の治療に寄与します。HIFの安定化は、低酸素状態でのエリスロポエチンの発現を模倣します。
葉酸は、特に葉酸欠乏による貧血の治療に有効であり、DNAの合成と修復に必須の役割を果たします。テトラヒドロ葉酸は、核酸の生成に必要なメチル基供与体として機能します。


■結論|
正しい選択肢は、3と5です。


■補足|
エルトロンボパグは、赤芽球系前駆細胞のエリスロポエチン受容体を刺激することで、赤血球の産生を促進する。(選択肢1) [誤り]
エルトロンボパグは、トロンボポエチン受容体アゴニストであり、血小板の産生を促進しますが、エリスロポエチン受容体には作用しません。
メコバラミンは、赤芽球内のヘム合成酵素の補酵素として作用することで、ヘムの合成を促進する。(選択肢2) [誤り]
メコバラミンはビタミンB12の一形態であり、核酸合成の補酵素として作用しますが、ヘム合成酵素の補酵素ではありません。
フィルグラスチムは、単球系前駆細胞から単球への分化を促進することで、単球からの顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)の放出を増加させる。(選択肢4) [誤り]
フィルグラスチムは、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)そのものであり、好中球の生成と成熟を直接促進します。単球系前駆細胞や単球の分化には関与しません。


薬理|問 106-162 ■正答| 2 5
抗血栓薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. ダルテパリンは、アンチトロンビンと複合体を形成して第Xa因子よりもトロンビンを強く阻害する。

  2. アルガトロバンは、アンチトロンビン非依存的にトロンビンのセリンプロテアーゼ活性を可逆的に阻害する。

  3. ウロキナーゼは、フィブリンに対する親和性が高く、血栓上でプラスミノーゲンをプラスミンに変換する。

  4. トロンボモデュリン アルファは、プロトロンビンに結合してプロテインCを活性化する。

  5. チカグレロルは、ADP結合部位とは異なる部位に結合してADPP2Y12受容体を選択的かつ可逆的に遮断する。


薬理|問 106-162


■■Gemini 1.5 Pro


■論点|抗血栓薬の種類と作用機序
この問題は、血栓形成に関わる様々な因子(トロンビン、第Xa因子、プラスミン、プロテインCなど)とその作用を阻害する薬物について、それぞれの薬物の作用機序を理解しているかどうかを問うものです。特に、ヘパリン系抗凝固薬、トロンビン阻害薬、ウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベーター、抗血小板薬といった分類と、それぞれの代表的な薬物の作用機序を理解しているかが重要となります。


■解説1|
アルガトロバンは、アンチトロンビン非依存的にトロンビンのセリンプロテアーゼ活性を可逆的に阻害する。(選択肢2) [正しい]
アルガトロバンは、合成トロンビン阻害薬に分類されます。トロンビンは、血液凝固系において中心的な役割を果たす酵素であり、フィブリノゲンをフィブリンに変換して血栓を形成します。アルガトロバンは、トロンビンの活性部位に直接結合し、その酵素活性を阻害することで、血栓形成を抑制します。
チカグレロルは、ADP結合部位とは異なる部位に結合してADPP2Y12受容体を選択的かつ可逆的に遮断する。(選択肢5) [正しい]
チカグレロルは、ADP受容体拮抗薬に分類される抗血小板薬です。ADPは、血小板の活性化と凝集を引き起こす物質であり、血栓形成に関与します。ADP受容体の中でも、P2Y12受容体は、血小板の凝集反応の持続に重要な役割を果たします。チカグレロルは、P2Y12受容体を可逆的に遮断することで、ADPによる血小板の活性化と凝集を抑制し、血栓形成を抑制します。
■解説2|
血栓は、血管内で血液が凝固して固まったものです。血栓形成は、血管の損傷、血流の停滞、血液凝固能の亢進などが原因で起こります。血栓は、心臓や脳などの重要な臓器の血管を詰まらせることで、心筋梗塞や脳梗塞などの重篤な疾患を引き起こす可能性があります。


■結論|
正しい選択肢は、2と5です。


■補足|
ダルテパリンは、アンチトロンビンと複合体を形成して第Xa因子よりもトロンビンを強く阻害する。(選択肢1) [誤り]
ダルテパリンは、低分子ヘパリンに分類される抗凝固薬です。アンチトロンビンと結合してその活性を増強することで、第Xa因子とトロンビンの両方を阻害しますが、第Xa因子に対する阻害作用の方が強いです。
ウロキナーゼは、フィブリンに対する親和性が高く、血栓上でプラスミノーゲンをプラスミンに変換する。(選択肢3) [誤り]
ウロキナーゼは、ウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベーターに分類される血栓溶解薬です。プラスミノーゲンに作用して、プラスミンに変換します。プラスミンは、フィブリンを分解する酵素であり、血栓を溶解する作用があります。
トロンボモデュリン アルファは、プロトロンビンに結合してプロテインCを活性化する。(選択肢4) [誤り]
トロンボモデュリン アルファは、組換えヒトトロンボモデュリン製剤であり、血液凝固因子であるトロンビンに結合することで、プロテインCを活性化します。プロテインCは、活性化されると、血液凝固因子である第Va因子と第VIIIa因子を分解し、血液凝固を抑制します。プロトロンビンに結合するわけではありません。


薬理|問 106-162


■■GPT4o


■論点|抗血栓薬の作用機序
この問題の論点は、抗血栓薬の作用機序に関する知識を特定することです。


■解説1|
アルガトロバンは、アンチトロンビン非依存的にトロンビンのセリンプロテアーゼ活性を可逆的に阻害する。(選択肢2) [正しい]
アルガトロバンは直接トロンビン阻害薬であり、アンチトロンビンの存在に依存せず、トロンビンに結合してその活性を阻害します。これにより、フィブリンの生成を抑制し、血栓形成を防ぎます。
チカグレロルは、ADP結合部位とは異なる部位に結合してADP P2Y12受容体を選択的かつ可逆的に遮断する。(選択肢5) [正しい]
チカグレロルは、P2Y12受容体阻害薬であり、ADPの結合部位とは異なる部位に結合することで、血小板の活性化を抑制します。これにより、血小板凝集を防ぎ、血栓形成を抑制します。
■解説2|
アルガトロバンは、ヘパリン誘発性血小板減少症(HIT)の治療に用いられることが多く、トロンビンの活性を阻害することで抗凝固効果を発揮します。
チカグレロルは、急性冠症候群の治療において、アスピリンと併用されることが多く、血小板凝集を抑制することで、血栓形成のリスクを低減します。


■結論|
正しい選択肢は、2と5です。


■補足|
ダルテパリンは、アンチトロンビンと複合体を形成して第Xa因子よりもトロンビンを強く阻害する。(選択肢1) [誤り]
ダルテパリンは低分子ヘパリンであり、アンチトロンビンと複合体を形成して第Xa因子の阻害を主に行います。トロンビン阻害作用は比較的弱いです。
ウロキナーゼは、フィブリンに対する親和性が高く、血栓上でプラスミノーゲンをプラスミンに変換する。(選択肢3) [誤り]
ウロキナーゼは、フィブリンに対する親和性が低く、全身性にプラスミノーゲンをプラスミンに変換します。
トロンボモデュリン アルファは、プロトロンビンに結合してプロテインCを活性化する。(選択肢4) [誤り]
トロンボモデュリンは、トロンビンと結合してトロンビン・トロンボモデュリン複合体を形成し、この複合体がプロテインCを活性化しますが、プロトロンビンには直接関与しません。


薬理|問 107-162 ■正答| 2 4
胃・十二指腸潰瘍治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. ファモチジンは、胃の壁細胞に存在するヒスタミンH2受容体を遮断することで、胃運動促進作用を示す。

  2. ボノプラザンは、K+と競合してH+,K +-ATPaseを可逆的に阻害することで、胃酸分泌抑制作用を示す。

  3. レバミピドは、ドパミンD2受容体を遮断することで、胃運動促進作用を示す。

  4. ミソプロストールは、プロスタノイドEP受容体を刺激することで、胃酸分泌抑制作用と胃粘液分泌促進作用を示す。

  5. ピレンゼピンは、ペプシンに結合することで、その活性を抑制する。


薬理|問 107-162


■■Gemini 1.5 Pro


■論点|胃・十二指腸潰瘍治療薬の作用機序
この問題は、胃酸分泌抑制や胃粘膜保護などに関わる様々な薬物が、胃のどの細胞に作用し、どのようなメカニズムで効果を発揮するかを理解しているかどうかを問うものです。特に、それぞれの薬物が標的とする受容体や酵素、あるいは細胞機能を理解しているかが重要となります。


■解説1|
ボノプラザンは、K+と競合してH+,K+-ATPaseを可逆的に阻害することで、胃酸分泌抑制作用を示す。(選択肢2) [正しい]
ボノプラザンは、カリウムイオン競合型アシッドブロッカー (P-CAB) と呼ばれる薬剤です。胃壁細胞のプロトンポンプであるH+, K+-ATPaseに結合し、その活性を阻害することで、胃酸分泌を強力に抑制します。
ミソプロストールは、プロスタノイドEP受容体を刺激することで、胃酸分泌抑制作用と胃粘液分泌促進作用を示す。(選択肢4) [正しい]
ミソプロストールは、プロスタグランジンE1 (PGE1) 製剤です。胃粘膜細胞に存在するEP受容体に作用し、胃酸分泌を抑制するとともに、胃粘液や重炭酸イオンの分泌を促進することで、胃粘膜を保護する作用を示します。
■解説2|
胃・十二指腸潰瘍は、胃酸やペプシンなどの攻撃因子と、胃粘膜の防御因子とのバランスが崩れ、胃や十二指腸の粘膜が損傷されることで起こります。治療には、胃酸分泌抑制薬、粘膜保護薬、除菌薬などが用いられます。


■結論|
正しい選択肢は、2と4です。


■補足|
ファモチジンは、胃の壁細胞に存在するヒスタミンH2受容体を遮断することで、胃運動促進作用を示す。(選択肢1) [誤り]
ファモチジンは、H2受容体拮抗薬に分類され、胃壁細胞に存在するヒスタミンH2受容体を遮断することで、胃酸分泌を抑制します。胃運動促進作用は示しません。
レバミピドは、ドパミンD2受容体を遮断することで、胃運動促進作用を示す。(選択肢3) [誤り]
レバミピドは、胃粘膜保護薬に分類され、胃粘液の分泌を促進するとともに、胃粘膜への血流を増やすことで、胃粘膜を保護する作用を示します。ドパミンD2受容体には作用しません。
ピレンゼピンは、ペプシンに結合することで、その活性を抑制する。(選択肢5) [誤り]
ピレンゼピンは、選択的M1ムスカリン受容体拮抗薬に分類され、胃酸分泌を抑制するとともに、胃運動を抑制する作用を示します。ペプシンに直接結合するわけではありません。


薬理|問 107-162


■■GPT4o


■論点|胃・十二指腸潰瘍治療薬の作用機序
この問題の論点は、胃・十二指腸潰瘍治療薬の作用機序に関する知識を特定することです。


■解説1|
ボノプラザンは、K+と競合してH+, K+-ATPaseを可逆的に阻害することで、胃酸分泌抑制作用を示す。(選択肢2) [正しい]
ボノプラザンはカリウムイオン競合型酸分泌抑制薬(P-CAB)であり、H+, K+-ATPase(プロトンポンプ)を可逆的に阻害することによって、強力な胃酸分泌抑制作用を発揮します。
ミソプロストールは、プロスタノイドEP受容体を刺激することで、胃酸分泌抑制作用と胃粘液分泌促進作用を示す。(選択肢4) [正しい]
ミソプロストールはプロスタグランジンE1(PGE1)のアナログであり、胃のEP受容体に作用して胃酸分泌を抑制し、同時に胃粘液や重炭酸の分泌を促進します。
■解説2|
ボノプラザンは、従来のプロトンポンプ阻害薬(PPI)とは異なり、K+と競合することでH+, K+-ATPaseを阻害し、胃酸分泌を長時間にわたって効果的に抑制します。
ミソプロストールは、NSAIDsによる胃粘膜障害を予防するために用いられることが多く、胃酸分泌抑制と粘膜保護の両方の作用を持っています。


■結論|
正しい選択肢は、2と4です。


■補足|
ファモチジンは、胃の壁細胞に存在するヒスタミンH2受容体を遮断することで、胃運動促進作用を示す。(選択肢1) [誤り]
ファモチジンはヒスタミンH2受容体拮抗薬であり、胃酸分泌を抑制しますが、胃運動促進作用はありません。
レバミピドは、ドパミンD2受容体を遮断することで、胃運動促進作用を示す。(選択肢3) [誤り]
レバミピドは、胃粘膜保護作用を有し、フリーラジカルの除去や粘膜血流の改善を通じて粘膜の修復を促進しますが、ドパミンD2受容体の遮断や胃運動促進作用は持ちません。
ピレンゼピンは、ペプシンに結合することで、その活性を抑制する。(選択肢5) [誤り]
ピレンゼピンは、ムスカリンM1受容体拮抗薬であり、アセチルコリンによる胃酸分泌を抑制します。ペプシンの活性を抑制する作用はありません。


薬理|問 108-162 ■正答| 2 5
制吐薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. メトクロプラミドは、化学受容器引き金帯(CTZ)のオピオイドμ受容体を遮断する。

  2. パロノセトロンは、消化管の求心性迷走神経終末やCTZのセロトニン5-HT3受容体を遮断する。

  3. オキセサゼインは、胃粘膜の知覚神経のニコチン性アセチルコリン受容体を遮断する。

  4. プロメタジンは、胃壁細胞のガストリン受容体を遮断する。

  5. アプレピタントは、嘔吐中枢やCTZのタキキニンNK1受容体を遮断する。


薬理|問 108-162


■■Gemini 1.5 Pro


■論点|制吐薬の作用部位と受容体
この問題は、嘔吐を引き起こす神経伝達経路と、各制吐薬がどの部位のどの受容体に作用することで嘔吐を抑制するかを理解しているかどうかを問うものです。特に、嘔吐中枢、化学受容器引き金帯 (CTZ)、消化管といった嘔吐に関わる部位と、セロトニン5-HT3受容体、NK1受容体、ドパミンD2受容体といった受容体との関係性を理解しているかが重要となります。


■解説1|
パロノセトロンは、消化管の求心性迷走神経終末やCTZのセロトニン5-HT3受容体を遮断する。(選択肢2) [正しい]
パロノセトロンは、セロトニン5-HT3受容体拮抗薬と呼ばれる薬剤で、消化管からのセロトニンによる嘔吐反射を抑制します。抗がん剤などの化学療法による嘔吐は、消化管に存在するセロトニン5-HT3受容体が活性化されることで引き起こされます。パロノセトロンは、この受容体を遮断することで、嘔吐中枢への興奮伝達を抑制し、悪心や嘔吐を抑制します。
アプレピタントは、嘔吐中枢やCTZのタキキニンNK1受容体を遮断する。(選択肢5) [正しい]
アプレピタントは、NK1受容体拮抗薬と呼ばれる薬剤です。サブスタンスPなどのタキキニンが嘔吐中枢やCTZに作用するのを阻害することで、嘔吐反射を抑制します。特に、抗がん剤などの化学療法によって引き起こされる遅延性の悪心・嘔吐に効果があります。
■解説2|
嘔吐は、様々な原因によって引き起こされる生体防御反応の一つです。嘔吐は、延髄にある嘔吐中枢が刺激されることで起こりますが、嘔吐中枢は、消化管、内耳、脳などからの様々な刺激によって活性化されます。


■結論|
正しい選択肢は、2と5です。


■補足|
メトクロプラミドは、化学受容器引き金帯(CTZ)のオピオイドμ受容体を遮断する。(選択肢1) [誤り]
メトクロプラミドは、ドパミンD2受容体拮抗作用とセロトニン5-HT4受容体作動作用を併せ持つ薬剤であり、消化管の運動を促進することで、悪心や嘔吐を抑制します。CTZやオピオイドμ受容体には直接作用しません。
オキセサゼインは、胃粘膜の知覚神経のニコチン性アセチルコリン受容体を遮断する。(選択肢3) [誤り]
オキセサゼインは、胃粘膜保護薬であり、胃粘膜に直接作用することで、保護効果とびらん治癒効果を示します。ニコチン性アセチルコリン受容体には作用しません。
プロメタジンは、胃壁細胞のガストリン受容体を遮断する。(選択肢4) [誤り]
プロメタジンは、ヒスタミンH1受容体拮抗作用と抗コリン作用を持つ薬剤であり、嘔吐中枢やCTZに作用することで、悪心や嘔吐を抑制します。胃壁細胞のガストリン受容体には作用しません。


薬理|問 108-162


■■GPT4o


■論点|制吐薬の作用機序
この問題の論点は、制吐薬の作用機序に関する知識を特定することです。


■解説1|
パロノセトロンは、消化管の求心性迷走神経終末やCTZのセロトニン5-HT3受容体を遮断する。(選択肢2) [正しい]
パロノセトロンは、セロトニン5-HT3受容体拮抗薬であり、消化管および化学受容器引き金帯(CTZ)の5-HT3受容体を遮断することによって制吐効果を発揮します。
アプレピタントは、嘔吐中枢やCTZのタキキニンNK1受容体を遮断する。(選択肢5) [正しい]
アプレピタントは、タキキニンNK1受容体拮抗薬であり、嘔吐中枢およびCTZに存在するNK1受容体を遮断することで、制吐作用を示します。
■解説2|
パロノセトロンは、化学療法による急性および遅延性の悪心・嘔吐を予防するために使用される5-HT3受容体拮抗薬で、長時間作用型の薬物です。
アプレピタントは、NK1受容体に結合し、サブスタンスPの作用を抑制することで、特に遅発性の悪心・嘔吐を防止するのに効果的です。


■結論|
正しい選択肢は、2と5です。


■補足|
メトクロプラミドは、化学受容器引き金帯(CTZ)のオピオイドμ受容体を遮断する。(選択肢1) [誤り]
メトクロプラミドは、ドパミンD2受容体拮抗薬であり、CTZのドパミン受容体を遮断することによって制吐作用を示します。オピオイドμ受容体への作用はありません。
オキセサゼインは、胃粘膜の知覚神経のニコチン性アセチルコリン受容体を遮断する。(選択肢3) [誤り]
オキセサゼインは局所麻酔薬であり、胃粘膜の知覚神経のNa+チャネルを遮断することで、痛みや不快感を軽減します。ニコチン性アセチルコリン受容体には作用しません。
プロメタジンは、胃壁細胞のガストリン受容体を遮断する。(選択肢4) [誤り]
プロメタジンはヒスタミンH1受容体拮抗薬であり、制吐効果を示しますが、ガストリン受容体を遮断する作用はありません。


薬理|問 109-162 ■正答| 1 2
胃・十二指腸潰瘍の治療に用いられる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. スクラルファートは、胃潰瘍部位に結合することで、ペプシンによる自己消化から粘膜組織を保護する。

  2. ラニチジンは、胃の壁細胞に存在するヒスタミンH2受容体を遮断することで、プロトンポンプの活性化を抑制する。

  3. ランソプラゾールは、K+に競合してプロトンポンプを阻害することで、胃酸分泌を抑制する。

  4. ミソプロストールは、プロスタグランジン合成酵素を活性化することで、胃粘膜のプロスタグランジンを増加させる。

  5. オキセサゼインは、ガストリン受容体を遮断することで、胃酸分泌を抑制する。


薬理|問 109-162


■■Gemini 1.5 Pro


■論点|胃・十二指腸潰瘍治療薬の作用機序
この問題は、胃・十二指腸潰瘍の治療に用いられる薬物が、胃酸分泌、胃粘膜保護、ペプシン活性などのどの段階に作用するかを理解しているかどうかを問うものです。特に、それぞれの薬物が標的とする受容体や酵素、あるいは薬物自身の物理化学的特性を理解しているかが重要となります。


■解説1|
スクラルファートは、胃潰瘍部位に結合することで、ペプシンによる自己消化から粘膜組織を保護する。(選択肢1) [正しい]
スクラルファートは、胃粘膜保護薬に分類されます。スクラルファートは、胃酸存在下で、潰瘍部位に選択的に結合し、粘膜を物理的に保護する被膜を形成します。これにより、ペプシンや胃酸による消化から粘膜組織を保護し、潰瘍の治癒を促進します。
ラニチジンは、胃の壁細胞に存在するヒスタミンH2受容体を遮断することで、プロトンポンプの活性化を抑制する。(選択肢2) [正しい]
ラニチジンは、H2受容体拮抗薬に分類されます。胃壁細胞に存在するヒスタミンH2受容体を遮断することで、ヒスタミンによる胃酸分泌刺激を抑制します。H2受容体の遮断は、結果としてプロトンポンプ (H+, K+-ATPase) の活性化を抑制し、胃酸分泌を低下させます。
■解説2|
胃・十二指腸潰瘍は、胃酸やペプシンによる攻撃因子と、胃粘膜の防御因子とのバランスが崩れることで、胃や十二指腸の粘膜が損傷されることで起こります。


■結論|
正しい選択肢は、1と2です。


■補足|
ランソプラゾールは、K+に競合してプロトンポンプを阻害することで、胃酸分泌を抑制する。(選択肢3) [誤り]
ランソプラゾールは、プロトンポンプ阻害薬 (PPI) に分類されます。プロトンポンプ (H+, K+-ATPase) に直接結合し、その活性を阻害することで、胃酸分泌を強力に抑制します。K+に競合するわけではありません。
ミソプロストールは、プロスタグランジン合成酵素を活性化することで、胃粘膜のプロスタグランジンを増加させる。(選択肢4) [誤り]
ミソプロストールは、プロスタグランジンE1 (PGE1) 製剤であり、プロスタグランジン合成酵素を活性化するわけではありません。PGE1は、胃粘膜細胞に存在するEP受容体に作用し、胃酸分泌を抑制するとともに、胃粘液や重炭酸イオンの分泌を促進することで、胃粘膜を保護する作用を示します。
オキセサゼインは、ガストリン受容体を遮断することで、胃酸分泌を抑制する。(選択肢5) [誤り]
オキセサゼインは、胃粘膜保護薬であり、胃粘膜に直接作用することで、保護効果とびらん治癒効果を示します。ガストリン受容体には作用しません。


薬理|問 109-162


■■GPT4o


■論点|胃・十二指腸潰瘍治療薬の作用機序
この問題の論点は、胃・十二指腸潰瘍治療薬の作用機序に関する知識を特定することです。


■解説1|
スクラルファートは、胃潰瘍部位に結合することで、ペプシンによる自己消化から粘膜組織を保護する。(選択肢1) [正しい]
スクラルファートは、潰瘍部位に付着し、保護バリアを形成します。
ペプシンによる蛋白分解を防ぐことで、粘膜の自己消化を防止します。
ラニチジンは、胃の壁細胞に存在するヒスタミンH2受容体を遮断することで、プロトンポンプの活性化を抑制する。(選択肢2) [正しい]
ラニチジンは、H2受容体を競合的に遮断し、ヒスタミンが受容体に結合するのを防ぎます。
これにより、プロトンポンプの活性化が抑制され、胃酸分泌が減少します。
■解説2|
スクラルファートは、アルミニウム塩を含む複合体であり、酸性環境下で粘膜に強固に結合し、物理的バリアを提供します。また、ペプシンを直接阻害する作用も持ち、潰瘍の治癒を促進します。
ラニチジンは、H2受容体アンタゴニストとして、胃酸分泌を制御する役割を果たし、胃壁の酸性度を低下させることで、潰瘍の治癒環境を改善します。H2受容体遮断によって、ヒスタミンが壁細胞に結合するのを防ぎ、酸の生成を減少させます。


■結論|
正しい選択肢は、1と2です。


■補足|
ランソプラゾールは、K+に競合してプロトンポンプを阻害することで、胃酸分泌を抑制する。(選択肢3) [誤り]
ランソプラゾールはプロトンポンプ阻害薬(PPI)であり、K+/H+ATPアーゼに不可逆的に結合して胃酸分泌を抑制しますが、K+と競合するわけではありません。
ミソプロストールは、プロスタグランジン合成酵素を活性化することで、胃粘膜のプロスタグランジンを増加させる。(選択肢4) [誤り]
ミソプロストールはプロスタグランジンE1(PGE1)のアナログであり、プロスタグランジン合成酵素を活性化するのではなく、直接プロスタグランジン受容体に作用して胃粘膜を保護します。
オキセサゼインは、ガストリン受容体を遮断することで、胃酸分泌を抑制する。(選択肢5) [誤り]
オキセサゼインは局所麻酔薬であり、胃酸分泌の制御においてガストリン受容体を遮断する作用はありません。局所麻酔としての役割を果たします。


薬理|問 106-163 ■正答| 3 5
呼吸器系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. オキシメテバノールは、アドレナリンb2受容体を刺激することで、気管支平滑筋を弛緩させる。

  2. カルボシステインは、ムコタンパク質中のジスルフィド(S-S)結合を開裂することで、痰の粘性を低下させる。

  3. ジメモルファンは、延髄の咳中枢を抑制することで、咳反射を抑制する。

  4. ブロムヘキシンは、アンブロキソールの活性代謝産物で、肺サーファクタントの分泌を促進する。

  5. ジプロフィリンは、ホスホジエステラーゼを阻害してサイクリックAMP(cAMP)濃度を増加させることで、気管支平滑筋を弛緩させる。


薬理|問 106-163


■■Gemini 1.5 Pro


■論点|呼吸器系作用薬の作用機序
この問題は、咳、痰、気管支喘息などの呼吸器症状を改善する薬物が、それぞれ呼吸器系のどの部位に作用し、どのようなメカニズムで効果を発揮するかを理解しているかどうかを問うものです。


■解説1|
ジメモルファンは、延髄の咳中枢を抑制することで、咳反射を抑制する。(選択肢3) [正しい]
ジメモルファンは、非麻薬性鎮咳薬に分類されます。延髄にある咳中枢に作用し、咳反射を抑制することで、咳を鎮めます。咳中枢は、気道などの刺激によって活性化され、咳反射を引き起こします。ジメモルファンは、咳中枢の興奮を抑えることで、咳を鎮めます。
ジプロフィリンは、ホスホジエステラーゼを阻害してサイクリックAMP(cAMP)濃度を増加させることで、気管支平滑筋を弛緩させる。(選択肢5) [正しい]
ジプロフィリンは、キサンチン誘導体に分類される気管支拡張薬です。細胞内のホスホジエステラーゼを阻害することで、cAMPの分解を抑制し、cAMP濃度を上昇させます。cAMPは、気管支平滑筋の弛緩に関与する重要なセカンドメッセンジャーであり、その濃度上昇は気管支拡張作用をもたらします。
■解説2|
呼吸器系は、空気中の酸素を取り込み、二酸化炭素を排出する役割を担っています。気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患 (COPD) などの呼吸器疾患では、気道が狭くなり、呼吸困難などの症状が現れます。


■結論|
正しい選択肢は、3と5です。


■補足|
オキシメテバノールは、アドレナリンβ2受容体を刺激することで、気管支平滑筋を弛緩させる。(選択肢1) [誤り]
オキシメテバノールは、オピオイド受容体作動薬に分類される鎮咳薬です。延髄の咳中枢に作用し、咳反射を抑制することで、咳を鎮めます。アドレナリンβ2受容体には作用しません。
カルボシステインは、ムコタンパク質中のジスルフィド(S-S)結合を開裂することで、痰の粘性を低下させる。(選択肢2) [誤り]
カルボシステインは、気道粘液調整薬に分類されます。気道粘膜の分泌細胞に作用し、ムコタンパク質のジスルフィド結合を切断するのではなく、シアル酸の含有量を増加させることで、痰の粘性を低下させ、排出しやすくします。
ブロムヘキシンは、アンブロキソールの活性代謝産物で、肺サーファクタントの分泌を促進する。(選択肢4) [誤り]
アンブロキソールは、ブロムヘキシンの活性代謝産物であり、気道粘液調整薬に分類されます。気道粘液の粘性を低下させ、線毛運動を活性化することで、痰の排泄を促進します。肺サーファクタントの分泌を促進する作用は、主な作用機序ではありません。


薬理|問 106-163


■■GPT4o


■論点|呼吸器系に作用する薬物の作用機序
この問題の論点は、呼吸器系に作用する薬物の作用機序に関する知識を特定することです。


■解説1|
ジメモルファンは、延髄の咳中枢を抑制することで、咳反射を抑制する。(選択肢3) [正しい]
ジメモルファンは、中枢性鎮咳薬であり、延髄の咳中枢を直接抑制します。
これにより、咳反射が抑制され、咳の頻度と強度が減少します。
ジプロフィリンは、ホスホジエステラーゼを阻害してサイクリックAMP(cAMP)濃度を増加させることで、気管支平滑筋を弛緩させる。(選択肢5) [正しい]
ジプロフィリンは、ホスホジエステラーゼ(PDE)阻害薬であり、cAMPの分解を抑制します。
cAMPの濃度が上昇することで、気管支平滑筋が弛緩し、気管支拡張が促進されます。
■解説2|
ジメモルファンは、非麻薬性鎮咳薬であり、モルフィン類似構造を持つが、依存性が少なく安全性が高いとされています。咳中枢を抑制することにより、効果的に咳を抑えることができます。
ジプロフィリンは、テオフィリンの誘導体であり、PDEを阻害することによりcAMPの濃度を増加させます。cAMPは、気管支平滑筋の弛緩を促進し、気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療に用いられます。


■結論|
正しい選択肢は、3と5です。


■補足|
オキシメテバノールは、アドレナリンβ2受容体を刺激することで、気管支平滑筋を弛緩させる。(選択肢1) [誤り]
オキシメテバノールは鎮咳薬であり、β2受容体刺激作用はありません。
カルボシステインは、ムコタンパク質中のジスルフィド(S-S)結合を開裂することで、痰の粘性を低下させる。(選択肢2) [誤り]
カルボシステインは、ムコタンパク質の構造を修飾して粘液の性状を変えるが、ジスルフィド結合を開裂する作用はありません。ムコリティック作用によって痰の粘度を低下させます。
ブロムヘキシンは、アンブロキソールの活性代謝産物で、肺サーファクタントの分泌を促進する。(選択肢4) [誤り]
ブロムヘキシン自体が肺サーファクタントの分泌を促進し、痰の排出を助ける作用を持ちますが、アンブロキソールの活性代謝産物ではありません。アンブロキソールはブロムヘキシンの代謝産物です。


薬理|問 107-163 ■正答| 1 2
2型糖尿病の治療に使用される薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. ミチグリニドは、スルホニル尿素受容体に結合してATP感受性K+チャネルを遮断することで、膵β細胞の細胞膜を脱分極させる。

  2. ピオグリタゾンは、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体γ(PPARγ)を活性化することで、脂肪細胞の分化を促進する。

  3. イプラグリフロジンは、ナトリウム-グルコース共輸送体2(SGLT2)を阻害することで、小腸でのグルコースの吸収を選択的に抑制する。

  4. リナグリプチンは、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体を活性化することで、グルコース濃度依存的にインスリン分泌を促進する。

  5. メトホルミンは、AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)を阻害することで、骨格筋でのグルコーストランスポーター4(GLUT4)の細胞膜への移行を促進する。


薬理|問 107-163


■■Gemini 1.5 Pro


■論点|2型糖尿病治療薬の作用機序
この問題は、2型糖尿病の治療に用いられる薬物が、それぞれ膵臓、肝臓、筋肉、脂肪組織、小腸などのどの臓器に作用し、どのようなメカニズムで血糖降下作用を発揮するかを理解しているかどうかを問うものです。


■解説1|
ミチグリニドは、スルホニル尿素受容体に結合してATP感受性K+チャネルを遮断することで、膵β細胞の細胞膜を脱分極させる。(選択肢1) [正しい]
ミチグリニドは、速効型インスリン分泌促進薬に分類される経口血糖降下薬です。膵β細胞の細胞膜に存在するスルホニル尿素受容体に結合することで、ATP感受性K+チャネルを遮断し、細胞膜を脱分極させます。その結果、電位依存性カルシウムチャネルが開口し、細胞内へのカルシウムイオンの流入が増加することで、インスリン分泌が促進されます。
ピオグリタゾンは、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体γ(PPARγ)を活性化することで、脂肪細胞の分化を促進する。(選択肢2) [正しい]
ピオグリタゾンは、チアゾリジン誘導体に分類されるインスリン抵抗性改善薬です。脂肪細胞に多く発現するPPARγを活性化することで、脂肪細胞の分化を促進し、脂肪組織におけるインスリン感受性を高めます。また、肝臓や骨格筋においてもインスリン感受性を高める効果があります。
■解説2|
2型糖尿病は、インスリン分泌低下とインスリン抵抗性を特徴とする代謝疾患です。治療は、食事療法、運動療法が基本となりますが、薬物療法が必要となる場合もあります。


■結論|
正しい選択肢は、1と2です。


■補足|
イプラグリフロジンは、ナトリウム-グルコース共輸送体2(SGLT2)を阻害することで、小腸でのグルコースの吸収を選択的に抑制する。(選択肢3) [誤り]
イプラグリフロジンは、SGLT2阻害薬に分類される経口血糖降下薬ですが、腎臓の近位尿細管に存在するSGLT2を阻害することで、尿糖排泄を促進し、血糖値を低下させます。小腸でのグルコース吸収を抑制するわけではありません。
リナグリプチンは、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体を活性化することで、グルコース濃度依存的にインスリン分泌を促進する。(選択肢4) [誤り]
リナグリプチンは、ジペプチジルペプチダーゼ-4 (DPP-4) 阻害薬に分類される経口血糖降下薬です。DPP-4は、GLP-1を分解する酵素であり、リナグリプチンはDPP-4を阻害することで、GLP-1の分解を抑制し、GLP-1の作用を増強します。GLP-1は、膵β細胞に作用し、グルコース濃度依存的にインスリン分泌を促進するホルモンです。
メトホルミンは、AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)を阻害することで、骨格筋でのグルコーストランスポーター4(GLUT4)の細胞膜への移行を促進する。(選択肢5) [誤り]
メトホルミンは、ビグアナイド薬に分類される経口血糖降下薬ですが、AMPKを活性化することで、肝臓での糖新生を抑制し、骨格筋でのグルコース取り込みを促進します。AMPKを阻害するわけではありません。


薬理|問 107-163


■■GPT4o


■論点|2型糖尿病治療薬の作用機序
この問題の論点は、2型糖尿病治療薬の作用機序に関する知識を特定することです。


■解説1|
ミチグリニドは、スルホニル尿素受容体に結合してATP感受性K+チャネルを遮断することで、膵β細胞の細胞膜を脱分極させる。(選択肢1) [正しい]
ミチグリニドは、速効性のインスリン分泌促進薬であり、スルホニル尿素受容体に結合します。
ATP感受性K+チャネルを遮断することで、細胞膜を脱分極させ、カルシウムイオンの流入を促し、インスリンの分泌を促進します。
ピオグリタゾンは、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体γ(PPARγ)を活性化することで、脂肪細胞の分化を促進する。(選択肢2) [正しい]
ピオグリタゾンは、チアゾリジンジオン系の薬物で、PPARγのアゴニストです。
PPARγの活性化により、脂肪細胞の分化と脂質の取り込みを促進し、インスリン感受性を改善します。
■解説2|
ミチグリニドは、非スルホニル尿素系インスリン分泌促進薬として、食事摂取に応じた速やかなインスリン分泌を促進するため、食後高血糖の管理に適しています。また、スルホニル尿素受容体に結合し、ATP感受性K+チャネルを遮断することで、β細胞の脱分極を引き起こします。
ピオグリタゾンは、PPARγのアゴニストであり、脂肪細胞の分化を促進し、体内の脂肪分布を改善します。これにより、インスリン感受性が向上し、血糖コントロールが改善されます。


■結論|
正しい選択肢は、1と2です。


■補足|
イプラグリフロジンは、ナトリウム-グルコース共輸送体2(SGLT2)を阻害することで、小腸でのグルコースの吸収を選択的に抑制する。(選択肢3) [誤り]
イプラグリフロジンはSGLT2阻害薬であり、腎臓でのグルコースの再吸収を抑制し、尿中への排泄を促進します。
リナグリプチンは、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体を活性化することで、グルコース濃度依存的にインスリン分泌を促進する。(選択肢4) [誤り]
リナグリプチンは、DPP-4阻害薬であり、GLP-1を分解する酵素DPP-4を阻害することで、GLP-1の濃度を高め、インスリン分泌を促進します。
メトホルミンは、AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)を阻害することで、骨格筋でのグルコーストランスポーター4(GLUT4)の細胞膜への移行を促進する。(選択肢5) [誤り]
メトホルミンは、AMPKを活性化することで、肝臓での糖新生を抑制し、骨格筋でのGLUT4の細胞膜への移行を促進します。


薬理|問 108-163 ■正答| 1 3
肝疾患、膵疾患及び胆道疾患の治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. デヒドロコール酸は、その抱合体が胆汁の浸透圧を上昇させることで、胆汁中の水分を増加させる。

  2. フロプロピオンは、ムスカリン性アセチルコリン受容体を遮断することで、Oddi 括約筋を弛緩させて、膵液分泌を促進する。

  3. ガベキサートは、外分泌腺から分泌された消化酵素を阻害することで、膵臓の自己消化を抑制する。

  4. ラミブジンは、B型肝炎ウイルス(HBV)のRNA依存性RNAポリメラーゼを阻害することで、HBVの複製を抑制する。

  5. ソホスブビルは、C型肝炎ウイルス(HCV)のNS3/4Aセリンプロテアーゼを阻害することで、HCVの複製を抑制する。


薬理|問 108-163


■■Gemini 1.5 Pro


■論点|肝疾患、膵疾患、胆道疾患治療薬の作用機序
この問題は、肝臓、膵臓、胆道の疾患に用いられる薬物が、それぞれの臓器の機能や病態にどのように作用するかを理解しているかどうかを問うものです。特に、胆汁酸の作用、膵酵素の働き、ウイルス性肝炎の治療薬の標的分子などを理解しているかが重要となります。


■解説1|
デヒドロコール酸は、その抱合体が胆汁の浸透圧を上昇させることで、胆汁中の水分を増加させる。(選択肢1) [正しい]
デヒドロコール酸は、胆汁酸製剤に分類されます。胆汁酸は、肝臓でコレステロールから合成され、胆汁中に分泌されます。胆汁酸は、脂肪の消化吸収を助ける働きがありますが、デヒドロコール酸は、胆汁の浸透圧を上昇させることで、胆汁中の水分を増加させ、胆汁の流れを良くする作用があります。胆石症の治療や胆道閉鎖の予防などに用いられます。
ガベキサートは、外分泌腺から分泌された消化酵素を阻害することで、膵臓の自己消化を抑制する。(選択肢3) [正しい]
ガベキサートは、プロテアーゼ阻害薬に分類されます。膵臓から分泌される消化酵素であるトリプシン、キモトリプシン、エラスターゼなどを阻害することで、急性膵炎における膵臓の自己消化を抑制します。急性膵炎は、膵酵素が膵臓内で活性化され、膵臓自身を消化してしまうことで起こる炎症性疾患です。
■解説2|
肝臓は、代謝、解毒、胆汁産生など、様々な機能を担う重要な臓器です。膵臓は、消化酵素やインスリンなどのホルモンを分泌する臓器です。胆道は、肝臓から分泌された胆汁を十二指腸に運ぶ管です。


■結論|
正しい選択肢は、1と3です。


■補足|
フロプロピオンは、ムスカリン性アセチルコリン受容体を遮断することで、Oddi括約筋を弛緩させて、膵液分泌を促進する。(選択肢2) [誤り]
フロプロピオンは、ムスカリン受容体作動薬であり、消化管運動を促進する作用があります。Oddi括約筋を弛緩させる作用はありません。
ラミブジンは、B型肝炎ウイルス(HBV)のRNA依存性RNAポリメラーゼを阻害することで、HBVの複製を抑制する。(選択肢4) [誤り]
ラミブジンは、HBVのDNAポリメラーゼを阻害することで、HBVの複製を抑制します。RNA依存性RNAポリメラーゼには作用しません。
ソホスブビルは、C型肝炎ウイルス(HCV)のNS3/4Aセリンプロテアーゼを阻害することで、HCVの複製を抑制する。(選択肢5) [誤り]
ソホスブビルは、HCVのNS5B RNA依存性RNAポリメラーゼを阻害することで、HCVの複製を抑制します。NS3/4Aセリンプロテアーゼには作用しません。


薬理|問 108-163


■■GPT4o


■論点|肝疾患、膵疾患及び胆道疾患治療薬の作用機序
この問題の論点は、肝疾患、膵疾患および胆道疾患の治療薬の作用機序に関する知識を特定することです。


■解説1|
デヒドロコール酸は、その抱合体が胆汁の浸透圧を上昇させることで、胆汁中の水分を増加させる。(選択肢1) [正しい]
デヒドロコール酸は胆汁分泌促進薬であり、胆汁の浸透圧を上昇させて胆汁中の水分量を増加させる作用があります。
ガベキサートは、外分泌腺から分泌された消化酵素を阻害することで、膵臓の自己消化を抑制する。(選択肢3) [正しい]
ガベキサートは、タンパク質分解酵素阻害薬であり、トリプシン、キモトリプシン、プラスミンなどの酵素を阻害して、膵臓の自己消化を防ぎます。
■解説2|
デヒドロコール酸は、胆汁の分泌を促進し、胆汁の流れを改善することにより、胆石の形成を予防します。その抱合体は胆汁の浸透圧を高めるため、水分の分泌が促進されます。
ガベキサートは、急性膵炎や慢性膵炎の治療に使用され、膵臓から分泌される消化酵素を阻害することで、自己消化を抑制します。この作用により、膵臓の炎症や損傷を軽減します。


■結論|
正しい選択肢は、1と3です。


■補足|
フロプロピオンは、ムスカリン性アセチルコリン受容体を遮断することで、Oddi括約筋を弛緩させて、膵液分泌を促進する。(選択肢2) [誤り]
フロプロピオンは、非特異的にアセチルコリン受容体を遮断し、Oddi括約筋を弛緩させるが、膵液分泌の直接的な促進作用はありません。
ラミブジンは、B型肝炎ウイルス(HBV)のRNA依存性RNAポリメラーゼを阻害することで、HBVの複製を抑制する。(選択肢4) [誤り]
ラミブジンは、HBVの逆転写酵素を阻害することで、ウイルスDNAの合成を阻害し、ウイルス複製を抑制します。
ソホスブビルは、C型肝炎ウイルス(HCV)のNS3/4Aセリンプロテアーゼを阻害することで、HCVの複製を抑制する。(選択肢5) [誤り]
ソホスブビルは、HCVのNS5B RNA依存性RNAポリメラーゼを阻害する薬剤であり、NS3/4Aセリンプロテアーゼを阻害するのはボセプレビルなどの薬剤です。


薬理|問 109-163 ■正答| 1 5
肝疾患、膵疾患及び胆道疾患の治療に用いられる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. フロプロピオンは、カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)を阻害してノルアドレナリンの代謝を抑制することで、Oddi括約筋を弛緩させる。

  2. ウルソデオキシコール酸は、胆汁酸の増加を伴わずに胆石表面のコレステロールをミセル化することで、コレステロール胆石を溶解する。

  3. カモスタットは、膵外分泌を促進して膵機能を活性化することで、慢性膵炎を改善する。

  4. テノホビルは、NS5A複製複合体を阻害することで、B型肝炎ウイルス(HBV)の複製を抑制する。

  5. ソホスブビルは、NS5BRNA依存性RNAポリメラーゼを阻害することで、C型肝炎ウイルス(HCV)の複製を抑制する。


薬理|問 109-163


■■Gemini 1.5 Pro


■論点|肝疾患、膵疾患、胆道疾患治療薬の作用標的と機序
この問題は、肝臓、膵臓、胆道の疾患に用いられる薬物が、それぞれの臓器の機能や病態にどのように作用するかを理解しているかどうかを問うものです。 特に、各薬剤の作用標的(受容体、酵素、細胞など)と、その作用機序(阻害、活性化、促進など)を理解しているかが重要となります。


■解説1|
フロプロピオンは、カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)を阻害してノルアドレナリンの代謝を抑制することで、Oddi括約筋を弛緩させる。(選択肢1) [正しい]
フロプロピオンは、COMT阻害薬です。COMTは、カテコールアミンであるノルアドレナリンやドパミンを代謝する酵素です。フロプロピオンはCOMTを阻害することで、ノルアドレナリンの代謝を抑制し、Oddi括約筋を弛緩させます。Oddi括約筋は、胆汁や膵液の十二指腸への流出を調節する筋肉であり、その弛緩は胆道疾患や膵疾患の治療に有効です。
ソホスブビルは、NS5BRNA依存性RNAポリメラーゼを阻害することで、C型肝炎ウイルス(HCV)の複製を抑制する。(選択肢5) [正しい]
ソホスブビルは、HCVの複製に必要な酵素であるNS5B RNA依存性RNAポリメラーゼを選択的に阻害する、直接作用型抗ウイルス薬(DAA)です。この阻害によりHCVのRNA複製が阻害され、ウイルスの増殖が抑制されます。ソホスブビルは、他のDAAと併用することで、C型肝炎の治癒率を大幅に向上させました。
■解説2|
肝臓、膵臓、胆道は、消化吸収や代謝に重要な役割を果たす臓器であり、これらの臓器の疾患は様々な症状を引き起こします。薬物療法は、これらの疾患の治療において重要な役割を果たします。


■結論|
正しい選択肢は、1と5です。


■補足|
ウルソデオキシコール酸は、胆汁酸の増加を伴わずに胆石表面のコレステロールをミセル化することで、コレステロール胆石を溶解する。(選択肢2) [誤り]
ウルソデオキシコール酸は、親水性の胆汁酸であり、コレステロール胆石の溶解に用いられますが、その作用機序は、胆汁中のコレステロールに対する溶解度を高めることで、胆石の形成を抑制することです。胆石表面のコレステロールをミセル化するわけではありません。
カモスタットは、膵外分泌を促進して膵機能を活性化することで、慢性膵炎を改善する。(選択肢3) [誤り]
カモスタットは、セリンプロテアーゼ阻害薬であり、膵酵素の活性を阻害することで、膵臓の炎症を抑制します。膵外分泌を促進する作用はありません。
テノホビルは、NS5A複製複合体を阻害することで、B型肝炎ウイルス(HBV)の複製を抑制する。(選択肢4) [誤り]
テノホビルは、HBVの逆転写酵素を阻害することで、HBVの複製を抑制するヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬 (NRTI) です。NS5A複製複合体を阻害するわけではありません。


薬理|問 109-163


■■GPT4o


■論点|肝疾患、膵疾患及び胆道疾患治療薬の作用機序
この問題の論点は、肝疾患、膵疾患および胆道疾患の治療薬の作用機序に関する知識を特定することです。


■解説1|
フロプロピオンは、カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)を阻害してノルアドレナリンの代謝を抑制することで、Oddi括約筋を弛緩させる。(選択肢1) [正しい]
フロプロピオンは、COMT阻害薬であり、ノルアドレナリンの代謝を抑制し、その結果としてOddi括約筋の弛緩を引き起こします。
ソホスブビルは、NS5B RNA依存性RNAポリメラーゼを阻害することで、C型肝炎ウイルス(HCV)の複製を抑制する。(選択肢5) [正しい]
ソホスブビルは、HCVのNS5B RNA依存性RNAポリメラーゼを選択的に阻害し、ウイルスRNAの合成を妨げることでウイルスの複製を抑制します。
■解説2|
フロプロピオンは、COMTを阻害することで、ノルアドレナリンの分解を抑制し、結果としてOddi括約筋の緊張を緩和します。これは、胆道の流れを改善し、膵液の分泌を促進する効果を持ちます。
ソホスブビルは、C型肝炎治療薬であり、NS5B RNA依存性RNAポリメラーゼを直接阻害することで、ウイルスの複製を効果的に抑制します。このメカニズムは、C型肝炎ウイルスの複製サイクルにおいて重要な役割を果たします。


■結論|
正しい選択肢は、1と5です。


■補足|
ウルソデオキシコール酸は、胆汁酸の増加を伴わずに胆石表面のコレステロールをミセル化することで、コレステロール胆石を溶解する。(選択肢2) [誤り]
ウルソデオキシコール酸は、実際には胆汁酸の組成を変えることでコレステロールの溶解を促進しますが、選択肢の記述には誤りがあります。
カモスタットは、膵外分泌を促進して膵機能を活性化することで、慢性膵炎を改善する。(選択肢3) [誤り]
カモスタットは、セリンプロテアーゼ阻害薬であり、膵臓の自己消化を防ぐことで膵炎の進行を抑制しますが、膵外分泌を促進するわけではありません。
テノホビルは、NS5A複製複合体を阻害することで、B型肝炎ウイルス(HBV)の複製を抑制する。(選択肢4) [誤り]
テノホビルは、HBVの逆転写酵素を阻害する薬剤であり、NS5A複製複合体ではなく、HBVの逆転写過程を阻害することでウイルス複製を抑制します。


薬理|問 106-164 ■正答| 1 4
消化器系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. ナファモスタットは、外分泌腺から分泌された消化酵素を阻害して、膵臓の自己消化を抑制する。

  2. ウルソデオキシコール酸は、カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)を阻害して、Oddi括約筋を弛緩させ、胆汁分泌を抑制する。

  3. アスナプレビルは、C型肝炎ウイルスのNS5A複製複合体を阻害して、抗ウイルス活性を示す。

  4. ペグインターフェロン アルファ-2は、免疫細胞を活性化して、ウイルス感染細胞を傷害する作用により、B型及びC型肝炎ウイルスの増殖を抑制する。

  5. エンテカビルは、ウイルスの増殖に必要なNS3/4Aプロテアーゼを阻害して、B型肝炎ウイルスの増殖を抑制する。


薬理|問 106-164


■■Gemini 1.5 Pro


■論点|消化器系疾患治療薬の作用標的と機序
この問題は、消化器系疾患に用いられる薬物が、どのような標的に対してどのような作用機序で効果を発揮するかを理解しているかどうかを問うものです。特に、膵炎治療薬、胆石症治療薬、ウイルス性肝炎治療薬のそれぞれについて、作用標的(酵素、受容体、ウイルス因子など)と作用機序(阻害、活性化、溶解など)を理解しているかが重要となります。


■解説1|
ナファモスタットは、外分泌腺から分泌された消化酵素を阻害して、膵臓の自己消化を抑制する。(選択肢1) [正しい]
ナファモスタットは、セリンプロテアーゼ阻害薬です。膵臓から分泌される消化酵素(トリプシン、キモトリプシン、エラスターゼなど)はセリンプロテアーゼであり、ナファモスタットはこれらの酵素活性を阻害することで、急性膵炎における膵臓の自己消化を抑制します。
ペグインターフェロン アルファ-2は、免疫細胞を活性化して、ウイルス感染細胞を傷害する作用により、B型及びC型肝炎ウイルスの増殖を抑制する。(選択肢4) [正しい]
ペグインターフェロン アルファ-2は、インターフェロン製剤です。インターフェロンは、ウイルス感染時に生体内で産生されるサイトカインであり、抗ウイルス作用、免疫調節作用などを示します。ペグインターフェロン アルファ-2は、免疫細胞を活性化し、ウイルス感染細胞を攻撃・破壊することで、B型肝炎ウイルス (HBV) やC型肝炎ウイルス (HCV) の増殖を抑制します。
■解説2|
消化器系は、食物の消化吸収を担う器官系であり、肝臓、膵臓、胆道なども含まれます。消化器系疾患には、様々な原因によるものがあり、薬物療法は重要な治療法の一つです。


■結論|
正しい選択肢は、1と4です。


■補足|
ウルソデオキシコール酸は、カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)を阻害して、Oddi括約筋を弛緩させ、胆汁分泌を抑制する。(選択肢2) [誤り]
ウルソデオキシコール酸は、胆汁酸製剤であり、胆汁酸の分泌を促進することでコレステロール胆石を溶解します。COMT阻害作用やOddi括約筋弛緩作用、胆汁分泌抑制作用はありません。
アスナプレビルは、C型肝炎ウイルスのNS5A複製複合体を阻害して、抗ウイルス活性を示す。(選択肢3) [正しい]
アスナプレビルは、HCVのNS5A複製複合体を阻害する直接作用型抗ウイルス薬 (DAA) です。NS5Aは、HCVの複製に必須なタンパク質であり、アスナプレビルはこのタンパク質の機能を阻害することで、HCVの増殖を抑制します。
エンテカビルは、ウイルスの増殖に必要なNS3/4Aプロテアーゼを阻害して、B型肝炎ウイルスの増殖を抑制する。(選択肢5) [誤り]
エンテカビルは、HBVのDNAポリメラーゼを阻害するヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬 (NRTI) です。NS3/4AプロテアーゼはHCVのタンパク質であり、HBVには存在しません。


薬理|問 106-164


■■GPT4o


■論点|消化器系に作用する薬物の作用機序
この問題の論点は、消化器系に作用する薬物の作用機序に関する知識を特定することです。


■解説1|
ナファモスタットは、外分泌腺から分泌された消化酵素を阻害して、膵臓の自己消化を抑制する。(選択肢1) [正しい]
ナファモスタットは、セリンプロテアーゼ阻害薬であり、トリプシンなどの消化酵素を阻害することで膵臓の自己消化を抑制します。
ペグインターフェロン アルファ-2は、免疫細胞を活性化して、ウイルス感染細胞を傷害する作用により、B型及びC型肝炎ウイルスの増殖を抑制する。(選択肢4) [正しい]
ペグインターフェロン アルファ-2は、インターフェロン製剤であり、免疫系を強化してウイルス感染細胞を排除し、ウイルスの増殖を抑制します。
■解説2|
ナファモスタットは、セリンプロテアーゼ阻害作用により、膵臓で生成される消化酵素を無効化し、急性膵炎の治療に利用されます。これにより、膵臓の自己消化とそれによる炎症を抑制します。
ペグインターフェロン アルファ-2は、インターフェロンの一種で、抗ウイルス効果を発揮します。これは、免疫応答を強化し、ウイルス感染細胞を攻撃するNK細胞やT細胞の活性を高めることによって実現されます。


■結論|
正しい選択肢は、1と4です。


■補足|
ウルソデオキシコール酸は、カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)を阻害して、Oddi括約筋を弛緩させ、胆汁分泌を抑制する。(選択肢2) [誤り]
ウルソデオキシコール酸は、胆汁酸の一種であり、COMT阻害やOddi括約筋の弛緩には関与せず、主に胆汁の流れを改善し、胆石の溶解を促進する作用があります。
アスナプレビルは、C型肝炎ウイルスのNS5A複製複合体を阻害して、抗ウイルス活性を示す。(選択肢3) [誤り]
アスナプレビルは、実際にはNS3/4Aプロテアーゼ阻害薬であり、NS5A複製複合体の阻害には関与しません。
エンテカビルは、ウイルスの増殖に必要なNS3/4Aプロテアーゼを阻害して、B型肝炎ウイルスの増殖を抑制する。(選択肢5) [誤り]
エンテカビルは、B型肝炎ウイルスの逆転写酵素を阻害するヌクレオシド系抗ウイルス薬であり、NS3/4Aプロテアーゼの阻害には関与しません。


薬理|問 107-164 ■正答| 1 5
性ホルモン関連薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. フルタミドは、前立腺細胞のアンドロゲン受容体を遮断して、前立腺がんの増大を抑制する。

  2. メテノロンは、エストロゲン受容体を刺激して、再生不良性貧血を改善する。

  3. エキセメスタンは、子宮内膜のエストロゲン受容体を遮断して、子宮内膜がんの増大を抑制する。

  4. デガレリクスは、視床下部のエストロゲン受容体を遮断して、排卵を誘発する。

  5. レトロゾールは、アロマターゼを阻害して、エストロゲン合成を阻害する。


薬理|問 107-164


■■Gemini 1.5 Pro


■論点|性ホルモン関連薬の作用機序と効果
この問題は、性ホルモン関連薬が、男性ホルモン(アンドロゲン)や女性ホルモン(エストロゲン)の作用をどのように調節するかを理解しているかどうかを問うものです。特に、各薬剤が標的とする受容体(アンドロゲン受容体、エストロゲン受容体)、あるいは酵素(アロマターゼ)を理解しているかが重要となります。


■解説1|
フルタミドは、前立腺細胞のアンドロゲン受容体を遮断して、前立腺がんの増大を抑制する。(選択肢1) [正しい]
フルタミドは、抗アンドロゲン薬と呼ばれる薬剤です。前立腺がん細胞に発現しているアンドロゲン受容体に結合することで、アンドロゲンであるテストステロンやジヒドロテストステロンの作用を阻害します。前立腺がん細胞の増殖は、アンドロゲンによって促進されるため、フルタミドは、アンドロゲンの作用を阻害することで、前立腺がんの増大を抑制します。
レトロゾールは、アロマターゼを阻害して、エストロゲン合成を阻害する。(選択肢5) [正しい]
レトロゾールは、アロマターゼ阻害薬と呼ばれる薬剤です。アロマターゼは、アンドロゲンからエストロゲンを合成する酵素です。レトロゾールは、アロマターゼの活性を阻害することで、エストロゲンの合成を抑制します。閉経後乳がんの多くは、エストロゲンによって増殖が促進されるため、レトロゾールは、エストロゲンの合成を阻害することで、閉経後乳がんの増殖を抑制します。
■解説2|
性ホルモンは、生殖機能の調節だけでなく、骨代謝、脂質代謝、精神機能など、様々な生理機能に関与しています。性ホルモン関連薬は、性ホルモンの作用を調節することで、様々な疾患の治療に用いられます。


■結論|
正しい選択肢は、1と5です。


■補足|
メテノロンは、エストロゲン受容体を刺激して、再生不良性貧血を改善する。(選択肢2) [誤り]
メテノロンは、アナボリックステロイドと呼ばれる薬剤であり、アンドロゲン受容体を刺激することで、タンパク質合成を促進します。再生不良性貧血の治療には、骨髄機能を改善する薬剤が用いられます。
エキセメスタンは、子宮内膜のエストロゲン受容体を遮断して、子宮内膜がんの増大を抑制する。(選択肢3) [誤り]
エキセメスタンは、アロマターゼ阻害薬であり、エストロゲン合成を阻害することで、閉経後乳がんの増殖を抑制します。子宮内膜がんの治療には、手術、放射線療法、化学療法などが用いられます。
デガレリクスは、視床下部のエストロゲン受容体を遮断して、排卵を誘発する。(選択肢4) [誤り]
デガレリクスは、性腺刺激ホルモン放出ホルモン (GnRH) 作動薬であり、GnRH受容体を刺激することで、性腺刺激ホルモンの分泌を抑制します。排卵誘発には、GnRHアンタゴニストやヒト絨毛性ゴナドトロピン (hCG) 製剤などが用いられます。


薬理|問 107-164


■■GPT4o


■論点|性ホルモン関連薬の作用機序
この問題の論点は、性ホルモン関連薬の作用機序に関する知識を特定することです。


■解説1|
フルタミドは、前立腺細胞のアンドロゲン受容体を遮断して、前立腺がんの増大を抑制する。(選択肢1) [正しい]
フルタミドは、アンドロゲン受容体拮抗薬であり、アンドロゲン(男性ホルモン)の作用を阻害することにより、前立腺がんの増殖を抑制します。
レトロゾールは、アロマターゼを阻害して、エストロゲン合成を阻害する。(選択肢5) [正しい]
レトロゾールは、アロマターゼ阻害薬であり、アロマターゼ酵素を阻害することでアンドロゲンからエストロゲンへの変換を防ぎ、エストロゲンの合成を抑制します。
■解説2|
フルタミドの作用は、アンドロゲン受容体を競合的に阻害することにより、アンドロゲンの細胞内シグナル伝達を阻止し、前立腺細胞の増殖を抑えることです。これは、前立腺がん治療において、ホルモン療法の一環として使用されます。
レトロゾールは、閉経後の乳がん治療において使用されるアロマターゼ阻害薬であり、エストロゲンの生成を減少させることにより、エストロゲン依存性の腫瘍の増殖を抑制します。


■結論|
正しい選択肢は、1と5です。


■補足|
メテノロンは、エストロゲン受容体を刺激して、再生不良性貧血を改善する。(選択肢2) [誤り]
メテノロンは、アンドロゲン(男性ホルモン)受容体を刺激するアナボリックステロイドであり、エストロゲン受容体には作用しません。
エキセメスタンは、子宮内膜のエストロゲン受容体を遮断して、子宮内膜がんの増大を抑制する。(選択肢3) [誤り]
エキセメスタンは、アロマターゼ阻害薬であり、エストロゲン受容体を遮断するわけではなく、エストロゲン合成を阻害します。
デガレリクスは、視床下部のエストロゲン受容体を遮断して、排卵を誘発する。(選択肢4) [誤り]
デガレリクスは、GnRH受容体アンタゴニストであり、エストロゲン受容体には作用せず、視床下部-下垂体-性腺軸の抑制を通じてホルモンの分泌を調整します。


薬理|問 108-164 ■正答| 2 5
糖尿病治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. ピオグリタゾンは、AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)を直接活性化することで、肝臓における糖新生を抑制する。

  2. デュラグルチドは、膵臓β細胞のグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体を刺激することで、グルコースによるインスリン分泌を促進する。

  3. ボグリボースは、ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)を阻害することで、ソルビトールの細胞内への蓄積を抑制する。

  4. トレラグリプチンは、尿細管のNa+-グルコース共輸送体2(SGLT2)を阻害することで、尿中のグルコースの再吸収を抑制する。

  5. グリメピリドは、スルホニル尿素(SU)受容体に結合して、ATP感受性K+チャネルを遮断することで、インスリン分泌を促進する。


薬理|問 108-164


■■Gemini 1.5 Pro


■論点|糖尿病治療薬の作用機序と分類
この問題は、様々な種類の糖尿病治療薬が、どの臓器や細胞に作用し、どのようなメカニズムで血糖値を低下させるのかを理解しているかどうかを問うものです。特に、インスリン分泌促進薬、インスリン抵抗性改善薬、α-グルコシダーゼ阻害薬、DPP-4阻害薬、SGLT2阻害薬といった分類と、それぞれの代表的な薬物の作用機序を理解しているかが重要となります。


■解説1|
デュラグルチドは、膵臓β細胞のグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体を刺激することで、グルコースによるインスリン分泌を促進する。(選択肢2) [正しい]
デュラグルチドは、GLP-1受容体作動薬に分類される注射薬です。GLP-1は、小腸から分泌されるホルモンであり、膵β細胞のGLP-1受容体に結合することで、グルコース濃度依存的にインスリン分泌を促進し、グルカゴン分泌を抑制します。デュラグルチドは、GLP-1と同様の作用を示すことで、血糖値を低下させます。
グリメピリドは、スルホニル尿素(SU)受容体に結合して、ATP感受性K+チャネルを遮断することで、インスリン分泌を促進する。(選択肢5) [正しい]
グリメピリドは、スルホニル尿素薬 (SU薬) に分類される経口血糖降下薬です。膵β細胞の細胞膜に存在するSU受容体に結合することで、ATP感受性K+チャネルを遮断し、細胞膜を脱分極させます。その結果、電位依存性カルシウムチャネルが開口し、細胞内へのカルシウムイオンの流入が増加することで、インスリン分泌が促進されます。
■解説2|
糖尿病は、インスリンの作用不足によって慢性的な高血糖状態となる疾患です。大きく1型糖尿病と2型糖尿病に分類されます。1型糖尿病は、自己免疫反応などによって膵β細胞が破壊され、インスリンがほとんど分泌されなくなる疾患です。2型糖尿病は、遺伝的要因や生活習慣などが原因で、インスリン分泌低下とインスリン抵抗性が起こる疾患です。


■結論|
正しい選択肢は、2と5です。


■補足|
ピオグリタゾンは、AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)を直接活性化することで、肝臓における糖新生を抑制する。(選択肢1) [誤り]
ピオグリタゾンは、チアゾリジン誘導体に分類されるインスリン抵抗性改善薬です。脂肪細胞に多く発現するペルオキシソーム増殖剤応答性受容体γ (PPARγ) を活性化することで、脂肪細胞の分化を促進し、脂肪組織におけるインスリン感受性を高めます。AMPKを直接活性化するわけではありません。
ボグリボースは、ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)を阻害することで、ソルビトールの細胞内への蓄積を抑制する。(選択肢3) [誤り]
ボグリボースは、α-グルコシダーゼ阻害薬に分類される経口血糖降下薬です。小腸におけるα-グルコシダーゼを阻害することで、糖質の分解と吸収を遅らせ、食後高血糖を抑制します。ソルビトールの細胞内への蓄積を抑制するわけではありません。
トレラグリプチンは、尿細管のNa+-グルコース共輸送体2(SGLT2)を阻害することで、尿中のグルコースの再吸収を抑制する。(選択肢4) [誤り]
トレラグリプチンは、DPP-4阻害薬に分類される経口血糖降下薬です。DPP-4を阻害することで、GLP-1の分解を抑制し、GLP-1の作用を増強します。SGLT2を阻害するわけではありません。


薬理|問 108-164


■■GPT4o


■論点|糖尿病治療薬の作用機序
この問題の論点は、糖尿病治療薬の作用機序に関する知識を特定することです。


■解説1|
デュラグルチドは、膵臓β細胞のグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体を刺激することで、グルコースによるインスリン分泌を促進する。(選択肢2) [正しい]
デュラグルチドはGLP-1アナログであり、GLP-1受容体を刺激することでインスリン分泌を促進し、血糖値の低下を助けます。
グリメピリドは、スルホニル尿素(SU)受容体に結合して、ATP感受性K+チャネルを遮断することで、インスリン分泌を促進する。(選択肢5) [正しい]
グリメピリドはスルホニル尿素薬であり、膵β細胞のSU受容体に結合し、ATP感受性K+チャネルを閉じることで細胞膜を脱分極させ、インスリン分泌を刺激します。
■解説2|
デュラグルチドは、GLP-1受容体を刺激することで、食事による血糖上昇後のインスリン分泌を増加させる作用があります。また、胃内容排出を遅延させることで食後血糖の上昇を抑えます。
グリメピリドは、SU薬の中でも強力なインスリン分泌促進効果を持ち、低血糖のリスクがあるため、使用には注意が必要です。


■結論|
正しい選択肢は、2と5です。


■補足|
ピオグリタゾンは、AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)を直接活性化することで、肝臓における糖新生を抑制する。(選択肢1) [誤り]
ピオグリタゾンは、AMPKを直接活性化するわけではなく、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体γ(PPARγ)を活性化することでインスリン感受性を改善します。
ボグリボースは、ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)を阻害することで、ソルビトールの細胞内への蓄積を抑制する。(選択肢3) [誤り]
ボグリボースはα-グルコシダーゼ阻害薬であり、DPP-4を阻害しません。小腸での炭水化物の分解を遅延させることで、食後血糖上昇を抑えます。
トレラグリプチンは、尿細管のNa+-グルコース共輸送体2(SGLT2)を阻害することで、尿中のグルコースの再吸収を抑制する。(選択肢4) [誤り]
トレラグリプチンはDPP-4阻害薬であり、SGLT2を阻害するわけではありません。SGLT2阻害薬は、グルコースの再吸収を抑制して血糖を低下させますが、トレラグリプチンの作用機序とは異なります。


薬理|問 109-164 ■正答| 1 4
高尿酸血症の治療に用いられる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. プロベネシドは、尿細管における尿酸の再吸収及び分泌を阻害する。

  2. トピロキソスタットは、キサンチンオキシダーゼにより代謝され、その産物がキサンチンオキシダーゼを阻害する。

  3. ラスブリカーゼは、アラントインの生合成を阻害して、尿酸の分解を促進する。

  4. ドチヌラドは、尿酸トランスポーター(URAT1)を阻害して、尿酸の再吸収を抑制する。

  5. クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム配合剤は、尿のpHを低下させて、尿路結石の形成を抑制する。


薬理|問 109-164


■■Gemini 1.5 Pro


■論点|高尿酸血症治療薬の作用機序と分類
この問題は、高尿酸血症の治療に用いられる薬物が、尿酸の産生抑制、尿酸の排泄促進といった、どのメカニズムで血清尿酸値を低下させるのかを理解しているかどうかを問うものです。特に、尿酸産生阻害薬、尿酸排泄促進薬といった分類と、それぞれの代表的な薬物の作用機序を理解しているかが重要となります。


■解説1|
プロベネシドは、尿細管における尿酸の再吸収及び分泌を阻害する。(選択肢1) [正しい]
プロベネシドは、尿酸排泄促進薬に分類されます。腎臓の尿細管において、尿酸の再吸収を阻害すると同時に、尿酸の分泌を促進することで、尿中への尿酸排泄を促進し、血清尿酸値を低下させます。
ドチヌラドは、尿酸トランスポーター(URAT1)を阻害して、尿酸の再吸収を抑制する。(選択肢4) [正しい]
ドチヌラドも尿酸排泄促進薬に分類されます。腎臓の近位尿細管に存在する尿酸トランスポーター1 (URAT1) を阻害することで、尿酸の再吸収を抑制し、尿中への尿酸排泄を促進します。
■解説2|
高尿酸血症は、血液中の尿酸値が高い状態です。尿酸は、プリン体の代謝産物であり、通常は腎臓から尿中に排泄されます。しかし、尿酸の産生過剰や排泄低下が起こると、血清尿酸値が上昇し、高尿酸血症となります。高尿酸血症は、痛風発作の原因となるだけでなく、腎臓病や心血管疾患のリスク因子となることが知られています。


■結論|
正しい選択肢は、1と4です。


■補足|
トピロキソスタットは、キサンチンオキシダーゼにより代謝され、その産物がキサンチンオキシダーゼを阻害する。(選択肢2) [誤り]
トピロキソスタットは、キサンチンオキシダーゼ阻害薬に分類され、キサンチンオキシダーゼを直接阻害することで、尿酸の産生を抑制します。代謝産物がキサンチンオキシダーゼを阻害するわけではありません。
ラスブリカーゼは、アラントインの生合成を阻害して、尿酸の分解を促進する。(選択肢3) [誤り]
ラスブリカーゼは、尿酸酸化酵素であり、尿酸をアラントインに分解する酵素です。アラントインは、尿酸よりも水溶性が高く、腎臓から排泄されやすいため、ラスブリカーゼは、尿酸を分解することで、血清尿酸値を低下させます。アラントインの生合成を阻害するわけではありません。
クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム配合剤は、尿のpHを低下させて、尿路結石の形成を抑制する。(選択肢5) [誤り]
クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム配合剤は、尿のpHを上昇させることで、尿酸の溶解度を高め、尿路結石の形成を抑制します。尿のpHを低下させるわけではありません。


薬理|問 109-164


■■GPT4o


■論点|高尿酸血症の治療薬の作用機序
この問題の論点は、高尿酸血症の治療薬の作用機序に関する知識を特定することです。


■解説1|
プロベネシドは、尿細管における尿酸の再吸収及び分泌を阻害する。(選択肢1) [正しい]
プロベネシドは尿細管での尿酸の再吸収を抑制することで、尿中への尿酸排泄を増加させます。その結果、血清尿酸値が低下します。
ドチヌラドは、尿酸トランスポーター(URAT1)を阻害して、尿酸の再吸収を抑制する。(選択肢4) [正しい]
ドチヌラドはURAT1阻害薬であり、腎臓での尿酸の再吸収を阻害することで、尿酸の排泄を促進し、血清尿酸値を低下させます。
■解説2|
プロベネシドは、主に近位尿細管での尿酸の再吸収を阻害し、尿中排泄を増加させることで、血中尿酸濃度を低下させます。また、尿細管での分泌も抑制するため、全体的な尿酸の代謝バランスに影響を与えます。
ドチヌラドは、URAT1を選択的に阻害し、特に尿酸の再吸収を減少させることにより、尿酸排泄を増加させます。この作用は、高尿酸血症や痛風の治療に有効です。


■結論|
正しい選択肢は、1と4です。


■補足|
トピロキソスタットは、キサンチンオキシダーゼにより代謝され、その産物がキサンチンオキシダーゼを阻害する。(選択肢2) [誤り]
トピロキソスタットは、キサンチンオキシダーゼ阻害薬であり、直接的にキサンチンオキシダーゼを阻害しますが、その代謝産物が作用するわけではありません。
ラスブリカーゼは、アラントインの生合成を阻害して、尿酸の分解を促進する。(選択肢3) [誤り]
ラスブリカーゼは尿酸をアラントインに変換する酵素であり、尿酸の分解を促進します。アラントインはより水溶性が高く、体外に排出されやすくなります。
クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム配合剤は、尿のpHを低下させて、尿路結石の形成を抑制する。(選択肢5) [誤り]
クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム配合剤は尿のpHを上昇させ、アルカリ化することで尿路結石の形成を抑制します。


薬理|問 106-165 ■正答| 2 3
高尿酸血症及び痛風の治療に用いられる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. トピロキソスタットは、プリン骨格を有し、競合的にキサンチンオキシダーゼを阻害する。

  2. ブコロームは、尿酸排泄促進作用と抗炎症作用を併せもつ。

  3. クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム配合剤は、尿のpHを上昇させることで尿路結石の形成を抑制する。

  4. ベンズブロマロンは、尿細管における尿酸の再吸収と分泌の両方を阻害することで、尿酸排泄を抑制する。

  5. コルヒチンは、尿酸オキシダーゼを活性化することで、尿酸の分解を促進する。


薬理|問 106-165


■■Gemini 1.5 Pro


■論点|高尿酸血症・痛風治療薬の作用機序と特徴
この問題は、高尿酸血症や痛風の治療に用いられる薬物が、尿酸の産生、排泄、炎症反応のどの段階に作用するかを理解しているかどうかを問うものです。特に、それぞれの薬物の作用機序と、痛風発作の急性期治療薬と高尿酸血症の長期管理薬の違いを理解しているかが重要となります。


■解説1|
ブコロームは、尿酸排泄促進作用と抗炎症作用を併せもつ。(選択肢2) [正しい]
ブコロームは、尿酸排泄促進薬ですが、抗炎症作用も併せ持つという特徴があります。腎臓の尿細管における尿酸の再吸収を阻害することで、尿中への尿酸排泄を促進し、血清尿酸値を低下させます。同時に、抗炎症作用により、痛風発作に伴う関節の痛みや炎症を抑制します。
クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム配合剤は、尿のpHを上昇させることで尿路結石の形成を抑制する。(選択肢3) [正しい]
クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム配合剤は、尿をアルカリ化することで、尿酸の溶解度を高め、尿路結石の形成を抑制します。尿酸は、酸性尿中で溶解度が低く、結晶化しやすいため、尿をアルカリ化することで、尿酸の結晶化を防ぎ、結石の形成を抑制します。
■解説2|
高尿酸血症は、血液中の尿酸値が高い状態であり、痛風発作の主な原因となります。痛風は、関節に尿酸結晶が析出することで、激しい痛みや炎症を引き起こす疾患です。


■結論|
正しい選択肢は、2と3です。


■補足|
トピロキソスタットは、プリン骨格を有し、競合的にキサンチンオキシダーゼを阻害する。(選択肢1) [誤り]
トピロキソスタットは、キサンチンオキシダーゼ阻害薬ですが、プリン骨格を有しているわけではありません。キサンチンオキシダーゼの活性部位に結合し、その活性を阻害することで、尿酸の産生を抑制します。
ベンズブロマロンは、尿細管における尿酸の再吸収と分泌の両方を阻害することで、尿酸排泄を抑制する。(選択肢4) [誤り]
ベンズブロマロンは、尿酸排泄促進薬であり、腎臓の尿細管における尿酸の再吸収を阻害することで、尿中への尿酸排泄を促進します。尿酸の分泌を阻害するわけではありません。
コルヒチンは、尿酸オキシダーゼを活性化することで、尿酸の分解を促進する。(選択肢5) [誤り]
コルヒチンは、痛風発作の急性期治療薬として用いられる抗炎症薬であり、微小管の重合を阻害することで、白血球の遊走や炎症性メディエーターの放出を抑制し、炎症を抑えます。尿酸オキシダーゼを活性化するわけではありません。


薬理|問 106-165


■■GPT4o


■論点|高尿酸血症及び痛風の治療薬の作用機序
この問題の論点は、高尿酸血症及び痛風の治療薬の作用機序に関する知識を特定することです。


■解説1|
ブコロームは、尿酸排泄促進作用と抗炎症作用を併せもつ。(選択肢2) [正しい]
ブコロームは、尿酸の排泄を促進する尿酸排泄促進薬であるとともに、抗炎症作用を持っています。これは高尿酸血症および痛風発作の治療に有用です。
クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム配合剤は、尿のpHを上昇させることで尿路結石の形成を抑制する。(選択肢3) [正しい]
クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム配合剤は、尿をアルカリ化することで、尿酸の溶解度を高め、尿路結石の形成を抑制します。
■解説2|
ブコロームは、尿酸排泄促進作用を持つことで血中尿酸値を低下させ、また抗炎症作用を併せ持つことで痛風発作時の炎症を軽減します。これにより、痛風発作の頻度と重症度を減少させます。
クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム配合剤は、尿のpHを上昇させることで尿酸がより溶解しやすくなり、尿路結石の予防に役立ちます。これにより、痛風患者における尿路結石のリスクを低減します。


■結論|
正しい選択肢は、2と3です。


■補足|
トピロキソスタットは、プリン骨格を有し、競合的にキサンチンオキシダーゼを阻害する。(選択肢1) [誤り]
トピロキソスタットは非プリン骨格のキサンチンオキシダーゼ阻害薬であり、競合的ではなく非競合的にキサンチンオキシダーゼを阻害します。
ベンズブロマロンは、尿細管における尿酸の再吸収と分泌の両方を阻害することで、尿酸排泄を抑制する。(選択肢4) [誤り]
ベンズブロマロンは、尿細管における尿酸の再吸収を阻害して、尿酸排泄を促進する薬です。分泌の抑制はしません。
コルヒチンは、尿酸オキシダーゼを活性化することで、尿酸の分解を促進する。(選択肢5) [誤り]
コルヒチンは白血球の活動を抑制し、抗炎症作用を持つことで痛風発作を予防・緩和しますが、尿酸オキシダーゼの活性化や尿酸の分解促進作用はありません。


薬理|問 108-165 ■正答| 3 5
内分泌系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. クロミフェンは、GnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)受容体を遮断して、排卵を誘発する。

  2. テリパラチドは、副甲状腺ホルモン受容体を遮断して、骨吸収を抑制する。

  3. プロピルチオウラシルは、ペルオキシダーゼを阻害して、甲状腺ホルモンの生成を抑制する。

  4. ブロモクリプチンは、ドパミンD2受容体を遮断して、プロラクチン分泌を抑制する。

  5. メテノロンは、アンドロゲン受容体を刺激して、タンパク質同化作用を示す。


薬理|問 108-165


■■Gemini 1.5 Pro


■論点|内分泌系作用薬の作用機序と効果
この問題は、内分泌系に作用する薬物が、ホルモンの合成、分泌、作用のどの段階を標的とし、どのようなメカニズムで効果を発揮するかを理解しているかどうかを問うものです。特に、それぞれの薬物が標的とする受容体や酵素、あるいはホルモン分泌を調節する機構を理解しているかが重要となります。


■解説1|
プロピルチオウラシルは、ペルオキシダーゼを阻害して、甲状腺ホルモンの生成を抑制する。(選択肢3) [正しい]
プロピルチオウラシルは、抗甲状腺薬に分類されます。甲状腺ホルモンの合成に必要な酵素であるペルオキシダーゼを阻害することで、甲状腺ホルモンの生成を抑制し、甲状腺機能亢進症の症状を改善します。
メテノロンは、アンドロゲン受容体を刺激して、タンパク質同化作用を示す。(選択肢5) [正しい]
メテノロンは、アナボリックステロイドと呼ばれる薬剤です。男性ホルモン(アンドロゲン)の一種であり、アンドロゲン受容体に結合して活性化することで、タンパク質合成を促進します。タンパク質同化作用は、筋肉の増強や骨格の発達に作用しますが、副作用として、男性化や肝障害などが知られています。
■解説2|
内分泌系は、ホルモンを分泌することで、生体の様々な機能を調節する器官系です。ホルモンは、血液を介して標的臓器に運ばれ、特定の受容体に結合することで、その作用を発揮します。


■結論|
正しい選択肢は、3と5です。


■補足|
クロミフェンは、GnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)受容体を遮断して、排卵を誘発する。(選択肢1) [誤り]
クロミフェンは、選択的エストロゲン受容体調節薬 (SERM) に分類され、視床下部のエストロゲン受容体に結合し、エストロゲンによるネガティブフィードバックを阻害することで、性腺刺激ホルモンの分泌を促進し、排卵を誘発します。GnRH受容体を遮断するわけではありません。
テリパラチドは、副甲状腺ホルモン受容体を遮断して、骨吸収を抑制する。(選択肢2) [誤り]
テリパラチドは、副甲状腺ホルモン製剤であり、副甲状腺ホルモン受容体を活性化することで、骨形成を促進します。骨吸収を抑制する薬剤としては、ビスホスホネート系薬剤やデノスマブなどが用いられます。
ブロモクリプチンは、ドパミンD2受容体を遮断して、プロラクチン分泌を抑制する。(選択肢4) [誤り]
ブロモクリプチンは、ドパミンD2受容体作動薬であり、下垂体においてプロラクチンの分泌を抑制します。ドパミンD2受容体を遮断するわけではありません。


薬理|問 108-165


■■GPT4o


■論点|内分泌系に作用する薬物の機序
この問題の論点は、内分泌系に作用する薬物の作用機序とその正確さを特定することです。


■解説1|
プロピルチオウラシルは、ペルオキシダーゼを阻害して、甲状腺ホルモンの生成を抑制する。(選択肢3) [正しい]
プロピルチオウラシルは抗甲状腺薬であり、甲状腺ホルモンの合成に必要な酵素であるペルオキシダーゼを阻害します。
これにより、チロキシン (T4) およびトリヨードチロニン (T3) の生成が抑制され、甲状腺機能亢進症の治療に用いられます。
メテノロンは、アンドロゲン受容体を刺激して、タンパク質同化作用を示す。(選択肢5) [正しい]
メテノロンはアナボリックステロイドであり、アンドロゲン受容体に結合してタンパク質合成を促進します。
これにより、筋肉量の増加や骨密度の改善が期待され、特に筋肉の減少を伴う疾患の治療に使用されます。
■解説2|
プロピルチオウラシルは、甲状腺ペルオキシダーゼを阻害することでヨウ素の有機化(チロシン残基へのヨウ素の付加)を阻害し、甲状腺ホルモンの合成を直接的に抑制します。さらに、T4からT3への変換も阻害するため、甲状腺機能亢進症の症状を迅速に改善します。
メテノロンは、アンドロゲン受容体を刺激して、筋肉および骨の成長を促進するアナボリックステロイドの一種です。これは、タンパク質の合成を増加させることで筋肉量を増やし、骨密度を高める効果があるため、特に筋萎縮症や骨粗鬆症などの治療に役立ちます。


■結論|
正しい選択肢は、3と5です。


■補足|
クロミフェンは、GnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)受容体を遮断して、排卵を誘発する。(選択肢1) [誤り]
クロミフェンは実際にはエストロゲン受容体拮抗薬であり、視床下部のエストロゲン受容体を遮断することでGnRHの分泌を増加させ、結果的に排卵を促進します。
テリパラチドは、副甲状腺ホルモン受容体を遮断して、骨吸収を抑制する。(選択肢2) [誤り]
テリパラチドは、副甲状腺ホルモン (PTH) のアナログであり、PTH受容体を刺激して骨形成を促進します。持続的なPTH作用が骨吸収を促進する一方、間欠的な投与により骨形成が促進されます。
ブロモクリプチンは、ドパミンD2受容体を遮断して、プロラクチン分泌を抑制する。(選択肢4) [誤り]
ブロモクリプチンは実際にはドパミンD2受容体作動薬であり、ドパミンの作用を模倣してプロラクチン分泌を抑制します。これは高プロラクチン血症の治療に使用されます。


薬理|問 107-167 ■正答| 3 5
急性白血病治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. シクロホスファミドは、活性酸素を発生させて、DNAを切断する。

  2. ビンクリスチンは、チュブリンの重合を促進して、微小管を安定化させる。

  3. シタラビンは、細胞内で三リン酸化されて、DNAポリメラーゼを阻害する。

  4. ダウノルビシンは、RNAポリメラーゼを特異的に阻害する。

  5. イマチニブは、Bcr-Ablチロシンキナーゼを阻害する。


薬理|問 107-167


■■Gemini 1.5 Pro


■論点|急性白血病治療薬の作用機序と分類
この問題は、急性白血病の治療に用いられる薬物が、それぞれ細胞周期のどの段階、あるいは細胞内のどの分子を標的として、どのように白血病細胞の増殖を抑制するかを理解しているかどうかを問うものです。


■解説1|
シタラビンは、細胞内で三リン酸化されて、DNAポリメラーゼを阻害する。(選択肢3) [正しい]
シタラビンは、代謝拮抗薬に分類される抗がん剤です。細胞内に取り込まれた後、三リン酸化されて活性代謝物となり、DNAポリメラーゼに作用してDNA合成を阻害することで、細胞周期のS期で細胞増殖を抑制します。
イマチニブは、Bcr-Ablチロシンキナーゼを阻害する。(選択肢5) [正しい]
イマチニブは、分子標的薬に分類される抗がん剤です。慢性骨髄性白血病 (CML) の原因となるBCR-ABL融合遺伝子によって産生されるBCR-ABLチロシンキナーゼを特異的に阻害することで、CML細胞の増殖を抑制します。
■解説2|
急性白血病は、造血幹細胞ががん化し、骨髄で異常な白血病細胞が過剰に増殖する疾患です。白血病細胞は、正常な血液細胞の産生を阻害するため、貧血、感染症、出血傾向などの症状を引き起こします。


■結論|
正しい選択肢は、3と5です。


■補足|
シクロホスファミドは、活性酸素を発生させて、DNAを切断する。(選択肢1) [誤り]
シクロホスファミドは、アルキル化薬に分類される抗がん剤です。DNAにアルキル基を付加することで、DNA鎖を切断したり、DNAの複製を阻害したりすることで、細胞増殖を抑制します。活性酸素を発生させるわけではありません。
ビンクリスチンは、チュブリンの重合を促進して、微小管を安定化させる。(選択肢2) [誤り]
ビンクリスチンは、微小管阻害薬に分類される抗がん剤です。チュブリンの重合を阻害することで、微小管の形成を阻害し、細胞分裂を阻害します。微小管を安定化させるわけではありません。
ダウノルビシンは、RNAポリメラーゼを特異的に阻害する。(選択肢4) [誤り]
ダウノルビシンは、アントラサイクリン系に分類される抗がん剤です。DNAにインターカレートし、トポイソメラーゼIIを阻害することで、DNA複製を阻害します。RNAポリメラーゼを特異的に阻害するわけではありません。


薬理|問 107-167


■■GPT4o


■論点|急性白血病治療薬の作用機序
この問題の論点は、急性白血病治療薬の具体的な作用機序とその正確さを特定することです。


■解説1|
シタラビンは、細胞内で三リン酸化されて、DNAポリメラーゼを阻害する。(選択肢3) [正しい]
シタラビン(シタラビン塩酸塩)は、ピリミジンアナログであり、細胞内で三リン酸シタラビンに変換されます。
この活性代謝物がDNAポリメラーゼに競合的に結合し、DNA合成を阻害することで抗腫瘍効果を発揮します。
イマチニブは、Bcr-Ablチロシンキナーゼを阻害する。(選択肢5) [正しい]
イマチニブは、Bcr-Abl融合タンパク質を標的とするチロシンキナーゼ阻害薬です。
この融合タンパク質は慢性骨髄性白血病 (CML) および急性リンパ性白血病 (ALL) の発生に関与しており、イマチニブはその活性を阻害することで腫瘍細胞の増殖を抑制します。
■解説2|
シタラビンは、特にS期にある急性骨髄性白血病 (AML) 細胞に対して高い効果を示します。細胞内に取り込まれた後、デオキシシチジンキナーゼにより三リン酸化され、DNAポリメラーゼ阻害とDNA鎖の伸長停止を引き起こします。
イマチニブは、Bcr-AblチロシンキナーゼのATP結合部位に競合的に結合し、その活性を阻害します。これにより、異常なシグナル伝達を抑制し、腫瘍細胞のアポトーシスを誘導します。また、イマチニブは他のいくつかのチロシンキナーゼ(c-KitやPDGFRなど)にも作用し、多様な抗腫瘍効果を持ちます。


■結論|
正しい選択肢は、3と5です。


■補足|
シクロホスファミドは、活性酸素を発生させて、DNAを切断する。(選択肢1) [誤り]
シクロホスファミドはアルキル化剤であり、活性化されてDNAにアルキル基を付加し、DNAの二重鎖を交差結合させることで抗腫瘍効果を発揮しますが、活性酸素を発生させるわけではありません。
ビンクリスチンは、チュブリンの重合を促進して、微小管を安定化させる。(選択肢2) [誤り]
ビンクリスチンは実際にはチュブリン重合を阻害し、微小管の形成を妨げることで細胞分裂を阻害します。微小管の安定化はタキサン類の作用機序です。
ダウノルビシンは、RNAポリメラーゼを特異的に阻害する。(選択肢4) [誤り]
ダウノルビシンはアントラサイクリン系抗がん剤であり、DNAインターカレーションおよびトポイソメラーゼIIの阻害を通じて抗腫瘍効果を示しますが、RNAポリメラーゼの特異的な阻害は行いません。


薬理|問 108-167 ■正答| 2 5
肺がん治療に用いる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. イリノテカンは、フリーラジカルを発生して、DNA鎖を切断する。

  2. エトポシドは、トポイソメラーゼIIを阻害して、切断されたDNA鎖の再結合を阻害する。

  3. ゲフィチニブは、抗programmed Cell death-1(PD-1)抗体で、T細胞による抗腫瘍作用を増強する。

  4. ゲムシタビンは、DNAをアルキル化して、DNAの複製を阻害する。

  5. ドセタキセルは、微小管を安定化して、有糸分裂を阻害する。


薬理|問 108-167


■■Gemini 1.5 Pro


■論点|肺がん治療薬の作用機序と分類
この問題は、肺がんの治療に用いられる薬物が、それぞれ細胞周期のどの段階、あるいは細胞内のどの分子を標的として、どのようにがん細胞の増殖を抑制するかを理解しているかどうかを問うものです。特に、抗がん剤の分類 (アルキル化薬、代謝拮抗薬、トポイソメラーゼ阻害薬、微小管阻害薬、分子標的薬など) と、それぞれの代表的な薬物の作用機序を理解しているかが重要となります。


■解説1|
エトポシドは、トポイソメラーゼIIを阻害して、切断されたDNA鎖の再結合を阻害する。(選択肢2) [正しい]
エトポシドは、トポイソメラーゼII阻害薬に分類される抗がん剤です。トポイソメラーゼIIは、DNAの複製や転写の際にDNA鎖を一時的に切断し、再結合する酵素です。エトポシドは、トポイソメラーゼIIに結合し、DNA鎖の再結合を阻害することで、DNA損傷を引き起こし、がん細胞を死滅させます。
ドセタキセルは、微小管を安定化して、有糸分裂を阻害する。(選択肢5) [正しい]
ドセタキセルは、タキサン系に分類される微小管阻害薬です。チュブリンに結合し、微小管の脱重合を阻害することで、微小管を安定化させます。微小管は、細胞分裂時に染色体を娘細胞に分配する際に重要な役割を果たしており、ドセタキセルは、微小管の機能を阻害することで、細胞分裂を阻害し、がん細胞の増殖を抑制します。
■解説2|
肺がんは、肺に発生する悪性腫瘍です。治療法としては、手術、放射線療法、化学療法、免疫療法などがあります。化学療法では、がん細胞の増殖を抑えるために、抗がん剤が用いられます。


■結論|
正しい選択肢は、2と5です。


■補足|
イリノテカンは、フリーラジカルを発生して、DNA鎖を切断する。(選択肢1) [誤り]
イリノテカンは、トポイソメラーゼI阻害薬に分類される抗がん剤です。トポイソメラーゼIは、DNAの複製や転写の際にDNA鎖を一時的に切断し、再結合する酵素です。イリノテカンは、トポイソメラーゼIに結合し、DNA鎖の再結合を阻害することで、DNA損傷を引き起こし、がん細胞を死滅させます。フリーラジカルを発生させるわけではありません。
ゲフィチニブは、抗programmeD Cell death-1(PD-1)抗体で、T細胞による抗腫瘍作用を増強する。(選択肢3) [誤り]
ゲフィチニブは、上皮成長因子受容体 (EGFR) チロシンキナーゼ阻害薬に分類される分子標的薬です。EGFRは、細胞の増殖や生存に関与する受容体であり、ゲフィチニブは、EGFRチロシンキナーゼを阻害することで、がん細胞の増殖を抑制します。抗PD-1抗体ではありません。
ゲムシタビンは、DNAをアルキル化して、DNAの複製を阻害する。(選択肢4) [誤り]
ゲムシタビンは、代謝拮抗薬に分類される抗がん剤です。細胞内に取り込まれた後、代謝されて活性代謝物となり、DNAに取り込まれることで、DNA合成を阻害し、がん細胞の増殖を抑制します。DNAをアルキル化するわけではありません。


薬理|問 108-167


■■GPT4o


■論点|肺がん治療薬の作用機序
この問題の論点は、肺がん治療薬の具体的な作用機序とその正確さを特定することです。


■解説1|
エトポシドは、トポイソメラーゼIIを阻害して、切断されたDNA鎖の再結合を阻害する。(選択肢2) [正しい]
エトポシドは、トポイソメラーゼII阻害薬であり、DNA二重鎖の切断および再結合を調節するこの酵素の働きを阻害します。
その結果、DNAの切断が修復されず、細胞分裂が停止し、アポトーシスを引き起こします。
ドセタキセルは、微小管を安定化して、有糸分裂を阻害する。(選択肢5) [正しい]
ドセタキセルはタキサン類の抗がん剤であり、微小管に結合してその安定化を促進します。
これにより微小管の脱重合が阻害され、有糸分裂が停止し、細胞死が誘導されます。
■解説2|
エトポシドは、トポイソメラーゼIIの働きを阻害することで、DNA二重鎖の切断を引き起こし、それが修復されないまま残るため、細胞周期が停止し、細胞死が引き起こされます。特にS期およびG2期の細胞に対して効果的です。
ドセタキセルは、微小管の安定化により細胞分裂の中期で停止させることで細胞増殖を抑制します。これにより、分裂中の細胞がアポトーシスに陥り、腫瘍の成長が抑制されます。ドセタキセルは広く肺がんを含むさまざまな固形腫瘍に対して使用されます。


■結論|
正しい選択肢は、2と5です。


■補足|
イリノテカンは、フリーラジカルを発生して、DNA鎖を切断する。(選択肢1) [誤り]
イリノテカンはトポイソメラーゼI阻害薬であり、フリーラジカルを発生させるわけではなく、DNA鎖の切断と再結合を妨げることで抗腫瘍効果を発揮します。
ゲフィチニブは、抗Programmed Cell Death-1(PD-1)抗体で、T細胞による抗腫瘍作用を増強する。(選択肢3) [誤り]
ゲフィチニブは、EGFR(上皮成長因子受容体)チロシンキナーゼ阻害薬であり、PD-1抗体ではありません。EGFRを阻害することで、がん細胞の増殖を抑制します。
ゲムシタビンは、DNAをアルキル化して、DNAの複製を阻害する。(選択肢4) [誤り]
ゲムシタビンは、ピリミジンアナログであり、DNAに取り込まれてDNA合成を阻害しますが、アルキル化剤ではありません。主にS期に作用してDNA鎖の伸長を阻害します。


薬理|問 106-168 ■正答| 2 5
内分泌系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. カベルゴリンは、ドパミンD2受容体を遮断することで、下垂体前葉からのプロラクチンの分泌を抑制する。

  2. プロチレリンは、下垂体前葉に作用することで、甲状腺刺激ホルモン(TSH)の分泌を促進する。

  3. デスモプレシンは、バソプレシンV2受容体を遮断することで、腎集合管における水の再吸収を阻害する。

  4. リオチロニンは、甲状腺のペルオキシダーゼを阻害することで、甲状腺ホルモンの合成を抑制する。

  5. メチラポンは、11β-ヒドロキシラーゼを阻害することで、コルチゾールの産生を抑制する。


薬理|問 106-168


■■Gemini 1.5 Pro


■論点|内分泌系作用薬の作用機序と効果
この問題は、内分泌系に作用する薬物が、ホルモンの合成、分泌、作用のどの段階を標的とし、どのようなメカニズムで効果を発揮するかを理解しているかどうかを問うものです。特に、それぞれの薬物が標的とする受容体や酵素、あるいはホルモン分泌を調節する機構を理解しているかが重要となります。


■解説1|
プロチレリンは、下垂体前葉に作用することで、甲状腺刺激ホルモン(TSH)の分泌を促進する。(選択肢2) [正しい]
プロチレリンは、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン (TRH) 製剤です。視床下部から分泌されるTRHは、下垂体前葉のTRH受容体に結合することで、TSHの分泌を促進します。プロチレリンは、TRHと同様の作用を示すことで、甲状腺機能低下症の診断や治療に用いられます。
メチラポンは、11β-ヒドロキシラーゼを阻害することで、コルチゾールの産生を抑制する。(選択肢5) [正しい]
メチラポンは、副腎皮質ホルモン合成阻害薬に分類されます。副腎皮質において、コルチゾールの合成に必要な酵素である11β-ヒドロキシラーゼを阻害することで、コルチゾールの産生を抑制します。クッシング症候群の診断や治療に用いられます。
■解説2|
内分泌系は、ホルモンを分泌することで、生体の様々な機能を調節する器官系です。ホルモンは、血液を介して標的臓器に運ばれ、特定の受容体に結合することで、その作用を発揮します。内分泌系に作用する薬物は、ホルモンの合成、分泌、作用を調節することで、様々な疾患の治療に用いられます。


■結論|
正しい選択肢は、2と5です。


■補足|
カベルゴリンは、ドパミンD2受容体を遮断することで、下垂体前葉からのプロラクチンの分泌を抑制する。(選択肢1) [誤り]
カベルゴリンは、ドパミンD2受容体作動薬であり、下垂体前葉においてドパミンD2受容体を刺激することで、プロラクチンの分泌を抑制します。ドパミンD2受容体を遮断するわけではありません。
デスモプレシンは、バソプレシンV2受容体を遮断することで、腎集合管における水の再吸収を阻害する。(選択肢3) [誤り]
デスモプレシンは、バソプレシンV2受容体作動薬であり、腎集合管におけるバソプレシンV2受容体を刺激することで、水の再吸収を促進します。バソプレシンV2受容体を遮断するわけではありません。
リオチロニンは、甲状腺のペルオキシダーゼを阻害することで、甲状腺ホルモンの合成を抑制する。(選択肢4) [誤り]
リオチロニンは、甲状腺ホルモン製剤であり、甲状腺ホルモンの作用を示します。甲状腺ホルモンの合成を抑制する薬剤としては、抗甲状腺薬が用いられます。


薬理|問 106-168


■■GPT4o


■論点|内分泌系に作用する薬物の機序
この問題の論点は、内分泌系に作用する薬物の具体的な作用機序とその正確さを特定することです。


■解説1|
プロチレリンは、下垂体前葉に作用することで、甲状腺刺激ホルモン(TSH)の分泌を促進する。(選択肢2) [正しい]
プロチレリンはTRH(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)として知られ、視床下部から分泌されるホルモンです。
下垂体前葉に作用してTSHの分泌を促進し、その結果、甲状腺からの甲状腺ホルモン(T3、T4)の分泌を刺激します。
メチラポンは、11β-ヒドロキシラーゼを阻害することで、コルチゾールの産生を抑制する。(選択肢5) [正しい]
メチラポンは、ステロイド合成の最後の段階において、11β-ヒドロキシラーゼを阻害します。
これによりコルチゾールおよびアルドステロンの生成が抑制され、副腎皮質機能検査やクッシング症候群の診断に使用されます。
■解説2|
プロチレリンは、TRHとして知られ、視床下部から分泌されるホルモンで、下垂体前葉のTRH受容体に結合し、TSHの分泌を促進します。これは、甲状腺機能を評価するための診断薬としても使用されます。
メチラポンは、11β-ヒドロキシラーゼを阻害することでコルチゾールの合成を妨げ、副腎皮質からのステロイドホルモンの生成を調節します。これは、クッシング症候群の診断および治療において重要な役割を果たします。


■結論|
正しい選択肢は、2と5です。


■補足|
カベルゴリンは、ドパミンD2受容体を遮断することで、下垂体前葉からのプロラクチンの分泌を抑制する。(選択肢1) [誤り]
カベルゴリンはドパミンD2受容体作動薬であり、これによりプロラクチンの分泌を抑制します。遮断ではなく、刺激することで効果を発揮します。
デスモプレシンは、バソプレシンV2受容体を遮断することで、腎集合管における水の再吸収を阻害する。(選択肢3) [誤り]
デスモプレシンはバソプレシンV2受容体作動薬であり、腎集合管における水の再吸収を促進します。夜尿症や尿崩症の治療に使用されます。
リオチロニンは、甲状腺のペルオキシダーゼを阻害することで、甲状腺ホルモンの合成を抑制する。(選択肢4) [誤り]
リオチロニンは実際には活性型甲状腺ホルモン(T3)であり、ペルオキシダーゼを阻害するのではなく、直接甲状腺ホルモンとして作用します。


薬理|問 106-169 ■正答| 4 5
抗ウイルス薬の作用機序に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. エムトリシタビンは、細胞内で三リン酸化体となり、DNA依存性RNAポリメラーゼを阻害する。

  2. ラルテグラビルは、HIVプロテアーゼを阻害する。

  3. リバビリンは、細胞内で三リン酸化体となり、RNA依存性DNAポリメラーゼを阻害する。

  4. ファビピラビルは、細胞内でリボシル三リン酸体となり、RNA依存性RNAポリメラーゼを阻害する。

  5. バロキサビル マルボキシルは、体内で活性体に変換されて、キャップ依存性エンドヌクレアーゼを阻害する。


薬理|問 106-169


■■Gemini 1.5 Pro


■論点|抗ウイルス薬の作用機序と標的分子
この問題は、様々な抗ウイルス薬が、ウイルスのどの段階(侵入、複製、放出など)あるいはウイルスのどの分子(ポリメラーゼ、プロテアーゼ、エンドヌクレアーゼなど)を標的として、どのようにウイルスの増殖を抑制するかを理解しているかどうかを問うものです。


■解説1|
ファビピラビルは、細胞内でリボシル三リン酸体となり、RNA依存性RNAポリメラーゼを阻害する。(選択肢4) [正しい]
ファビピラビルは、RNAウイルスに効果を示す抗ウイルス薬です。細胞内で代謝されてリボシル三リン酸体となり、RNA依存性RNAポリメラーゼに取り込まれることで、ウイルスのRNA合成を阻害します。ファビピラビルは、インフルエンザウイルスなどに効果を示します。
バロキサビル マルボキシルは、体内で活性体に変換されて、キャップ依存性エンドヌクレアーゼを阻害する。(選択肢5) [正しい]
バロキサビル マルボキシルは、インフルエンザウイルスに効果を示す抗ウイルス薬です。体内で加水分解されて活性体となり、インフルエンザウイルスのキャップ依存性エンドヌクレアーゼを阻害します。キャップ依存性エンドヌクレアーゼは、ウイルスmRNAの合成に必要な酵素であり、その阻害はウイルスの増殖を抑制します。
■解説2|
ウイルスは、宿主細胞に感染し、宿主細胞の機能を利用して自己複製を行います。抗ウイルス薬は、ウイルスの増殖サイクルの様々な段階を阻害することで、ウイルスの増殖を抑制し、感染症の治療に用いられます。


■結論|
正しい選択肢は、4と5です。


■補足|
エムトリシタビンは、細胞内で三リン酸化体となり、DNA依存性RNAポリメラーゼを阻害する。(選択肢1) [誤り]
エムトリシタビンは、HIVの逆転写酵素を阻害するヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬 (NRTI) です。細胞内で三リン酸化体となり、逆転写酵素に取り込まれることで、ウイルスのDNA合成を阻害します。DNA依存性RNAポリメラーゼは、宿主細胞の酵素であり、エムトリシタビンは阻害しません。
ラルテグラビルは、HIVプロテアーゼを阻害する。(選択肢2) [誤り]
ラルテグラビルは、HIVインテグラーゼを阻害するインテグラーゼ阻害薬です。HIVインテグラーゼは、ウイルスのDNAを宿主細胞のDNAに組み込むために必要な酵素であり、その阻害はウイルスの増殖を抑制します。
リバビリンは、細胞内で三リン酸化体となり、RNA依存性DNAポリメラーゼを阻害する。(選択肢3) [誤り]
リバビリンは、広範囲のRNAウイルスやDNAウイルスに効果を示す抗ウイルス薬ですが、その作用機序は完全には解明されていません。細胞内で三リン酸化体となり、ウイルスのRNAポリメラーゼやイノシン一リン酸脱水素酵素 (IMPDH) を阻害するなどの作用が考えられています。RNA依存性DNAポリメラーゼは、レトロウイルスの酵素であり、リバビリンは阻害しません。


薬理|問 106-169


■■GPT4o


■論点|抗ウイルス薬の作用機序
この問題の論点は、抗ウイルス薬の具体的な作用機序とその正確さを特定することです。


■解説1|
ファビピラビルは、細胞内でリボシル三リン酸体となり、RNA依存性RNAポリメラーゼを阻害する。(選択肢4) [正しい]
ファビピラビルは、ウイルスのRNA依存性RNAポリメラーゼを標的とする抗ウイルス薬です。
細胞内でリボシル三リン酸体に変換され、ウイルスRNAの複製を阻害します。これは特にインフルエンザウイルスに対して効果を発揮します。
バロキサビル マルボキシルは、体内で活性体に変換されて、キャップ依存性エンドヌクレアーゼを阻害する。(選択肢5) [正しい]
バロキサビル マルボキシルは、インフルエンザウイルスのキャップ依存性エンドヌクレアーゼを阻害する抗ウイルス薬です。
体内で活性化されると、ウイルスのmRNAのキャッピングプロセスを阻害し、ウイルスの複製を抑制します。
■解説2|
ファビピラビルは、RNAウイルスの複製に必須なRNA依存性RNAポリメラーゼを阻害することで、ウイルスの増殖を抑制します。これは、新型インフルエンザやその他のRNAウイルス感染症に対して有効です。
バロキサビル マルボキシルは、プロドラッグとして投与され、体内で活性化されると、ウイルスのキャップ依存性エンドヌクレアーゼを阻害します。これにより、ウイルスのmRNAの合成が阻害され、ウイルスの増殖が抑制されます。特にインフルエンザウイルスに対して効果を示します。


■結論|
正しい選択肢は、4と5です。


■補足|
エムトリシタビンは、細胞内で三リン酸化体となり、DNA依存性RNAポリメラーゼを阻害する。(選択肢1) [誤り]
エムトリシタビンは逆転写酵素阻害薬であり、HIVの逆転写酵素を阻害します。DNA依存性RNAポリメラーゼを阻害するわけではありません。
ラルテグラビルは、HIVプロテアーゼを阻害する。(選択肢2) [誤り]
ラルテグラビルはインテグラーゼ阻害薬であり、HIVのインテグラーゼ酵素を阻害してウイルスDNAの宿主DNAへの統合を防ぎます。プロテアーゼを阻害するわけではありません。
リバビリンは、細胞内で三リン酸化体となり、RNA依存性DNAポリメラーゼを阻害する。(選択肢3) [誤り]
リバビリンはRNA依存性RNAポリメラーゼを阻害し、ウイルスRNAの複製を抑制します。DNAポリメラーゼを阻害するわけではありません。


薬理|問 109-169 ■正答| 1 4
抗悪性腫瘍薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
■選択肢

  1. シタラビンは、標的細胞で三リン酸化体となり、DNAポリメラーゼを阻害して、DNA合成を低下させる。

  2. テガフールは、活性代謝産物が活性酸素を発生させて、DNAを酸化的に傷害する。

  3. フルダラビンは、トポイソメラーゼIを阻害して、がん細胞のG2期への移行を抑制する。

  4. ドキソルビシンは、DNAポリメラーゼ及びRNAポリメラーゼを阻害して、DNA及びRNAの合成を低下させる。

  5. アファチニブは、血管内皮細胞増殖因子受容体(VEGFR)チロシンキナーゼを阻害して、血管新生を抑制する。


薬理|問 109-169


■■Gemini 1.5 Pro


■論点|抗悪性腫瘍薬の作用機序と分類
この問題は、抗悪性腫瘍薬(抗がん剤)が、細胞周期のどの段階、あるいは細胞内のどの分子を標的として、どのようにがん細胞の増殖を抑制するかを理解しているかどうかを問うものです。特に、抗がん剤の分類(アルキル化薬、代謝拮抗薬、トポイソメラーゼ阻害薬、抗腫瘍性抗生物質、分子標的薬など)と、それぞれの代表的な薬物の作用機序を理解しているかが重要となります。


■解説1|
シタラビンは、標的細胞で三リン酸化体となり、DNAポリメラーゼを阻害して、DNA合成を低下させる。(選択肢1) [正しい]
シタラビンは、代謝拮抗薬に分類される抗がん剤です。細胞内に取り込まれた後、三リン酸化されて活性代謝物となり、DNAポリメラーゼを阻害します。DNAポリメラーゼは、DNA複製に必要な酵素であり、その阻害はDNA合成を抑制し、がん細胞の増殖を阻害します。シタラビンは、主にS期(DNA合成期)で細胞周期を停止させます。
ドキソルビシンは、DNAポリメラーゼ及びRNAポリメラーゼを阻害して、DNA及びRNAの合成を低下させる。(選択肢4) [正しい]
ドキソルビシンは、アントラサイクリン系に分類される抗腫瘍性抗生物質です。DNAにインターカレート(DNA塩基対間に挿入)することで、DNAポリメラーゼやRNAポリメラーゼなどの酵素の働きを阻害し、DNAやRNAの合成を阻害します。また、トポイソメラーゼIIを阻害する作用も持ち、DNA鎖の切断を引き起こすことで、がん細胞を死滅させます。
■解説2|
抗悪性腫瘍薬は、がん細胞の増殖を抑制または死滅させる薬物です。正常細胞にも影響を与えますが、がん細胞は正常細胞よりも増殖が速いため、抗がん剤の影響を受けやすいという特徴があります。


■結論|
正しい選択肢は、1と4です。


■補足|
テガフールは、活性代謝産物が活性酸素を発生させて、DNAを酸化的に傷害する。(選択肢2) [誤り]
テガフールは、フッ化ピリミジン系に分類される代謝拮抗薬です。代謝されてフルオロウラシルとなり、チミジル酸シンターゼを阻害することで、DNA合成を阻害します。活性酸素を発生させるわけではありません。
フルダラビンは、トポイソメラーゼIを阻害して、がん細胞のG2期への移行を抑制する。(選択肢3) [誤り]
フルダラビンは、プリンアナログに分類される代謝拮抗薬です。DNAポリメラーゼやDNAプライマーゼを阻害することで、DNA合成を阻害します。トポイソメラーゼIを阻害するわけではありません。
アファチニブは、血管内皮細胞増殖因子受容体(VEGFR)チロシンキナーゼを阻害して、血管新生を抑制する。(選択肢5) [誤り]
アファチニブは、上皮成長因子受容体 (EGFR) チロシンキナーゼ阻害薬に分類される分子標的薬です。EGFRのチロシンキナーゼ活性を阻害することで、がん細胞の増殖シグナル伝達を阻害します。VEGFRチロシンキナーゼを阻害するわけではありません。


薬理|問 109-169


■■GPT4o


■論点|抗悪性腫瘍薬の作用機序
この問題の論点は、抗悪性腫瘍薬の具体的な作用機序とその正確さを特定することです。


■解説1|
シタラビンは、標的細胞で三リン酸化体となり、DNAポリメラーゼを阻害して、DNA合成を低下させる。(選択肢1) [正しい]
シタラビン(アラシチン)は、細胞内で活性化されてシタラビン三リン酸(Ara-CTP)となります。
Ara-CTPは、DNAポリメラーゼに競合的に結合し、DNA鎖の伸長を阻害します。これによりDNA合成が低下し、主に急性白血病の治療に用いられます。
ドキソルビシンは、DNAポリメラーゼ及びRNAポリメラーゼを阻害して、DNA及びRNAの合成を低下させる。(選択肢4) [正しい]
ドキソルビシンはアントラサイクリン系抗がん剤であり、インターカレーションによってDNAに結合し、トポイソメラーゼIIを阻害します。
これにより、DNAポリメラーゼとRNAポリメラーゼの働きを阻害し、DNAおよびRNAの合成を抑制します。
■解説2|
シタラビンは、急性骨髄性白血病(AML)の治療に特に有効です。Ara-CTPとしてDNAポリメラーゼに結合することでDNA合成を停止させ、がん細胞の増殖を阻害します。
ドキソルビシンは、広範な抗腫瘍活性を持つ薬剤であり、DNAの二重らせん構造にインターカレートし、トポイソメラーゼIIの働きを妨げることで、DNAおよびRNAの合成を阻害します。これにより、細胞周期の進行が停止し、アポトーシスを誘導します。


■結論|
正しい選択肢は、1と4です。


■補足|
テガフールは、活性代謝産物が活性酸素を発生させて、DNAを酸化的に傷害する。(選択肢2) [誤り]
テガフールはフルオロウラシル(5-FU)のプロドラッグであり、活性酸素を発生させるわけではなく、5-FUに変換されてDNA合成を阻害します。
フルダラビンは、トポイソメラーゼIを阻害して、がん細胞のG2期への移行を抑制する。(選択肢3) [誤り]
フルダラビンはプリンアナログであり、主にDNA合成を阻害しますが、トポイソメラーゼIを阻害するわけではありません。
アファチニブは、血管内皮細胞増殖因子受容体(VEGFR)チロシンキナーゼを阻害して、血管新生を抑制する。(選択肢5) [誤り]
アファチニブは、EGFR(上皮成長因子受容体)およびHER2(ヒト上皮成長因子受容体2)のチロシンキナーゼ阻害剤であり、VEGFRチロシンキナーゼを阻害するわけではありません。



😊 お疲れ様でした。次は、解説要約です。
がんばろう!絶対、完全攻略できます。


4. 解説要約 44問 薬学理論問題【薬理】

各問題の論点と解説の要約を以下にまとめます。復習しましょう。

薬剤師国家試験問題 薬学理論問題【薬理】第106回 - 第109回

Creator: Yukiho Takizawa, PhD
Tool: Chat GPT powered by GPT4o & Google AI Studio by Gemini 1.5 Pro
Date: 2024/ 06/16

Matsunoya|薬剤師国家試験対策ノート
4. 解説要約 44問 薬学理論問題【薬理】

Here; https://note.com/matsunoya_note/n/nab25c16d3aff


■ 各問題の論点と解説の要約


科目| 薬理|問 106-151
論点| 細胞膜受容体の種類とシグナル伝達経路


ポイント|
細胞膜受容体は、イオンチャネル内蔵型受容体、Gタンパク質共役型受容体、1回膜貫通型受容体などに分類される。
イオンチャネル内蔵型受容体は、リガンドが結合するとイオンチャネルが開き、特定のイオンを細胞内に流入させる。ATP P2X受容体は、ATPが結合するとNa+とCa2+を流入させる。
Gタンパク質共役型受容体は、リガンドが結合するとGタンパク質を活性化し、セカンドメッセンジャーを介してシグナルを伝達する。
1回膜貫通型受容体は、受容体自身がチロシンキナーゼ活性を持ち、リガンドが結合すると自己リン酸化が起こる。上皮増殖因子(EGF)受容体は、EGFが結合するとチロシン残基の自己リン酸化が起こる。
グリシン受容体はイオンチャネル内蔵型、ニコチン性アセチルコリン受容体はイオンチャネル内蔵型、アンジオテンシンII AT1受容体はGタンパク質共役型である。


科目| 薬理|問 107-151
論点| 細胞内情報伝達系の種類と活性化機構


ポイント|
インスリン受容体はチロシンキナーゼ型受容体であり、インスリンが結合するとβサブユニットの自己リン酸化が起こり、下流のシグナル伝達経路を活性化する。
インターフェロンα(IFN-α)受容体は、JAK(ヤヌスキナーゼ)と呼ばれるチロシンキナーゼと会合しており、IFN-αが結合するとJAKが活性化され、STATと呼ばれる転写因子をリン酸化し、遺伝子発現を誘導する。
ヒスタミンH1受容体はGqタンパク質共役型受容体であり、Gsタンパク質を介してアデニル酸シクラーゼを活性化するわけではない。
オピオイドμ受容体はGi/oタンパク質共役型受容体であり、Gqタンパク質を介してホスホリパーゼCを活性化するわけではない。
心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)受容体は、グアニル酸シクラーゼと結合した受容体であり、ANPの結合によりグアニル酸シクラーゼが活性化され、cGMPを産生することで血管拡張や利尿作用などを発揮する。


科目| 薬理|問 108-151
論点| 薬物-受容体相互作用と濃度-反応曲線への影響


ポイント|
競合的アンタゴニストは、アゴニストと同じ結合部位に結合し、アゴニストの作用を競合的に阻害する。その結果、アゴニストの濃度-反応曲線は高濃度側に平行移動するが、最大反応は変化しない。
薬物の受容体に対する親和性が高いほど、より低い濃度で受容体に結合し効果を示す。内活性は最大反応に影響する。内活性を変えずに親和性のみを上げると、濃度-反応曲線は低濃度側に移動するが、最大反応は変化しない。
部分アゴニストは、完全アゴニストに比べて内活性が低いため、完全アゴニストの最大反応を低下させる。
非競合的アンタゴニストは、アゴニストとは異なる結合部位に結合するか、受容体に不可逆的に結合することで、アゴニストの最大反応を低下させる。
逆アゴニストは、受容体の構成的活性を抑制するため、基底レベルの反応を低下させるが、アゴニストの濃度-反応曲線自体には影響を与えない。


科目| 薬理|問 106-152
論点| 副交感神経系に作用する薬物の作用機序と効果


ポイント|
ベタネコールは、ムスカリン受容体作動薬であり、消化管平滑筋に存在するM3受容体を刺激することで、胃腸蠕動運動を亢進させる。
プロピベリンは、抗コリン薬とCa2+拮抗薬の両方の作用を持ち、M3受容体遮断とCa2+チャネル遮断により膀胱排尿筋の収縮を抑制し、過活動膀胱の症状を改善する。
ジスチグミンは、コリンエステラーゼ阻害薬であり、アセチルコリンの分解を阻害することで間接的にムスカリン受容体を刺激し、瞳孔括約筋を収縮させる。
セビメリンは、ムスカリン受容体作動薬だが、M2受容体よりもM3受容体への選択性が高く、心臓に多く存在するM2受容体刺激は心拍数を減少させ、心収縮力を抑制する。
メペンゾラートは、ムスカリン受容体拮抗薬であり、M1受容体を遮断することで胃酸分泌を抑制する。


科目| 薬理|問 107-152
論点| 薬物依存の定義、種類、治療薬


ポイント|
コカインは、中枢神経系を興奮させる薬物で、強力な精神依存を引き起こすが、身体依存は起こしにくい。
慢性疼痛下のがん患者において、モルヒネは適切に使用されれば精神依存を起こしにくい。
薬物依存には、精神依存と身体依存の2種類がある。
精神依存:薬物使用によって得られる快感などを維持するために、薬物を繰り返し欲求する状態。
身体依存:薬物の反復使用により身体が薬物の存在に適応し、薬物がないと離脱症状が出現する状態。
薬物依存は、脳内報酬系、特にドパミン作動性神経系の活性化によって生じる。
薬物耐性とは、薬物の反復使用により、同じ効果を得るために必要な薬物の量が増加することである。
依存性薬物は、脳内報酬系におけるドパミン作動性神経を活性化することで、快感を生じさせ、精神依存を引き起こす。
ジスルフィラムは、アルコール代謝酵素であるアルデヒド脱水素酵素を阻害することで、アセトアルデヒドの血中濃度を上昇させ、不快な症状を引き起こし、飲酒を抑制する。


科目| 薬理|問 108-152
論点| 自律神経系に作用する薬物の作用機序と効果


ポイント|
シロドシンは、α1アドレナリン受容体拮抗薬であり、前立腺に分布するα1A受容体を遮断することで、前立腺平滑筋を弛緩させ、排尿困難を改善する。
リトドリンは、β2アドレナリン受容体作動薬であり、子宮平滑筋に存在するβ2受容体を刺激することで子宮収縮を抑制し、早産の陣痛抑制に用いられる。
自律神経系は、交感神経系と副交感神経系から成り、それぞれ異なる神経伝達物質と受容体を介して様々な臓器の機能を調節する。
エチレフリンは、α1アドレナリン受容体作動薬であり、血管収縮を引き起こし、結果として血圧を上昇させる。
グリコピロニウムは、ムスカリン受容体拮抗薬であり、M3受容体を遮断することで、気管支平滑筋を弛緩させる。
セビメリンは、ムスカリン受容体作動薬であり、M3受容体を刺激することで、唾液分泌を促進する。


科目| 薬理|問 109-152
論点| 末梢性筋弛緩薬の作用機序、薬物動態、併用禁忌


ポイント|
スガマデクスは、ロクロニウムやベクロニウムなどのアミノステロイド系非脱分極性筋弛緩薬と高い親和性で結合し、筋弛緩作用を速やかに回復させる。
ダントロレンは、骨格筋筋小胞体のリアノジン受容体に作用し、Ca2+の放出を阻害することで筋収縮を抑制し、悪性高熱症の治療薬として用いられる。
末梢性筋弛緩薬は、神経筋接合部においてアセチルコリンの作用を阻害することで骨格筋を弛緩させる薬物である。
脱分極性筋弛緩薬は、アセチルコリンと同様にニコチン性アセチルコリン受容体を活性化させるが、その作用が持続するため、筋細胞膜を脱分極させたままにし、興奮伝達を遮断する。
非脱分極性筋弛緩薬は、競合的にニコチン性アセチルコリン受容体に結合することで、アセチルコリンの結合を阻害し、筋細胞膜の脱分極を抑制する。
スキサメトニウムは、運動終板のニコチン性アセチルコリン受容体を持続的に脱分極させることで筋弛緩を引き起こす。
ネオスチグミンは、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬であり、神経筋接合部におけるアセチルコリンの濃度を上昇させることで、非脱分極性筋弛緩薬の筋弛緩作用を拮抗する。
A型ボツリヌス毒素は、運動神経終末からのアセチルコリンの放出を阻害することで、筋弛緩を引き起こす。


科目| 薬理|問 107-153
論点| 自律神経系に作用する薬物の作用機序と効果


ポイント|
メペンゾラートは、ムスカリン受容体拮抗薬であり、消化管平滑筋のM3受容体を遮断することで、アセチルコリンによる消化管運動亢進作用を抑制し、過敏性腸症候群の症状を改善する。
アコチアミドは、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬であり、アセチルコリンエステラーゼを阻害することで、神経筋接合部や消化管などにおけるアセチルコリン濃度を上昇させ、消化管運動を促進する。
自律神経系は、交感神経系と副交感神経系からなり、互いに拮抗的に作用することで体内環境の恒常性を維持している。
メチルエフェドリンは、間接作用型アドレナリン作動薬であり、交感神経終末からのノルアドレナリン遊離を促進することで血管平滑筋の収縮を引き起こす。
ナフトピジルは、α1アドレナリン受容体遮断薬であり、前立腺平滑筋を弛緩させることで排尿困難を改善する。
イプラトロピウムは、ムスカリン受容体拮抗薬であり、気管支平滑筋のM3受容体を遮断することで、気管支平滑筋を弛緩させる。


科目| 薬理|問 108-153
論点| 統合失調症治療薬の作用機序と副作用


ポイント|
ハロペリドールは、定型抗精神病薬であり、中脳辺縁系におけるドパミンD2受容体を遮断することで、統合失調症の陽性症状を改善する。
クロルプロマジンは、定型抗精神病薬であり、ドパミンD2受容体遮断作用に加え、ヒスタミンH1受容体やアドレナリンα1受容体遮断作用も持ち、鎮静作用を示す。
統合失調症の治療には、抗精神病薬が用いられ、ドパミンD2受容体を遮断することで効果を発揮すると考えられている。
ドパミンD2受容体の遮断は、統合失調症の陽性症状を改善する一方で、錐体外路症状を引き起こす可能性がある。
アリピプラゾールは、ドパミンD2受容体に対して部分作動薬として作用し、陽性症状と陰性症状の両方に効果を示すとされている。
オランザピンは、セロトニン5-HT2A受容体を遮断することで、体重増加などの代謝性副作用を抑制すると考えられている。
ペロスピロンは、セロトニン5-HT1A受容体に対して部分作動薬として作用し、抗不安作用や抗うつ作用を示す。


科目| 薬理|問 109-153
論点| 痛みに対する薬物治療の作用機序


ポイント|
エレヌマブは、CGRP受容体に対するモノクローナル抗体であり、CGRPがその受容体に結合するのを阻害することで、片頭痛の予防薬として効果を発揮する。
チザニジンは、α2アドレナリン受容体作動薬であり、脊髄後角に存在するα2受容体を刺激することで神経伝達物質の放出を抑制し、疼痛伝達を抑制することで、筋緊張を伴う疼痛を緩和する。
痛みは、組織損傷や炎症などによって生じる不快な感覚体験であり、末梢神経系と中枢神経系が関与する。
痛みの治療には、様々な作用機序を持つ薬物が用いられる。
オピオイド鎮痛薬は、オピオイド受容体に作用して、疼痛閾値を上昇させ、痛みの情動的な側面を抑制することで鎮痛効果を発揮する。
抗てんかん薬の中には、神経細胞の興奮を抑制することで、神経障害性疼痛に効果を示すものがある。
タペンタドールは、オピオイド受容体作動作用とノルアドレナリン再取り込み阻害作用の両方を持ち合わせており、セロトニン再取り込み阻害作用は主な作用機序ではない。
プレガバリンは、電位依存性カルシウムチャネルのα2δサブユニットに結合することで、神経伝達物質の遊離を抑制し、鎮痛効果や抗てんかん効果を発揮する。
レバロルファンは、オピオイドκ受容体作動薬であり、オピオイドμ受容体に対しては拮抗作用を示すため、モルヒネの鎮痛効果を減弱させる可能性がある。


科目| 薬理|問 107-154
論点| 中枢性及び末梢性筋弛緩薬の作用機序


ポイント|
チザニジンは、中枢性筋弛緩薬であり、脊髄のα2アドレナリン受容体を刺激することで興奮性神経伝達物質の遊離を抑制し、脊髄反射を抑制することで筋緊張を緩和する。
ロクロニウムは、非脱分極性筋弛緩薬に分類される末梢性筋弛緩薬であり、神経筋接合部においてアセチルコリンがニコチン性アセチルコリン受容体に結合するのを競合的に阻害することで、筋弛緩を引き起こす。
筋弛緩薬は、中枢性筋弛緩薬と末梢性筋弛緩薬に分類される。
中枢性筋弛緩薬:脳や脊髄といった中枢神経系に作用して筋緊張を抑制する薬物。
末梢性筋弛緩薬:神経筋接合部に作用して、神経から筋肉への興奮伝達を遮断することで筋弛緩を引き起こす薬物。
エペリゾンの正確な作用機序は不明だが、脊髄レベルでの興奮抑制と脳幹網様体賦活系への作用が示唆されている。
ダントロレンは、骨格筋細胞内の筋小胞体に存在するリアノジン受容体に作用し、カルシウムイオンの放出を阻害することで筋収縮を抑制する。
A型ボツリヌス毒素は、神経筋接合部のシナプス前終末に作用し、アセチルコリンの放出を阻害することで筋弛緩を引き起こす。


科目| 薬理|問 108-154
論点| 様々な抗てんかん薬の作用機序


ポイント|
ペランパネルは、AMPA受容体を遮断することでグルタミン酸作動性神経伝達を抑制し、抗てんかん作用を示す。
レベチラセタムは、シナプス小胞タンパク質SV2Aに結合することで、神経伝達物質の遊離を抑制し、神経興奮を抑制すると考えられている。
てんかんは、脳内の神経細胞の過剰な興奮によって引き起こされる発作を特徴とする神経疾患である。
抗てんかん薬は、神経細胞の興奮を抑制することで、てんかん発作の発症を抑制する。
抗てんかん薬の主な作用機序としては、GABA作動性神経伝達の増強、グルタミン酸作動性神経伝達の抑制、イオンチャネルの阻害などが挙げられる。
ガバペンチンの正確な作用機序は完全には解明されていないが、電位依存性カルシウムチャネルのα2δサブユニットに結合することで、神経伝達物質の遊離を抑制すると考えられている。
ラモトリギンは、電位依存性ナトリウムチャネルを阻害することで、神経細胞の興奮伝達を抑制する。
カルバマセピンは、電位依存性ナトリウムチャネルを阻害することで、神経細胞の興奮伝達を抑制する。T型Ca2+チャネルへの選択性は高くありません。


科目| 薬理|問 106-155
論点| 脳血管障害とその後遺症に対する治療薬の作用機序


ポイント|
エダラボンは、脳梗塞急性期に発生するフリーラジカルを消去することで、神経細胞の脂質過酸化やアポトーシスを抑制し、脳組織を保護する。
脳血管障害は、脳の血管が詰まったり破れたりすることで、脳組織への血液供給が途絶え、神経細胞が障害される疾患である。
脳梗塞やくも膜下出血などが代表的な疾患である。
脳血管障害の治療は、その原因や病態、症状に応じて、様々な薬物や治療法が選択される。
バクロフェンは、GABAB受容体作動薬であり、脊髄レベルでのシナプス伝達を抑制することで、筋痙縮を抑制する。
ファスジルは、Rhoキナーゼを阻害することで、ミオシン軽鎖のリン酸化を抑制し、平滑筋を弛緩させる。
オザグレルは、血小板のトロンボキサンA2受容体を遮断することで、血小板凝集を抑制し、脳血栓塞栓症の再発予防に用いられる。
イフェンプロジルは、脳血管拡張作用、神経保護作用、代謝賦活作用などを持ち、脳梗塞後遺症に伴うめまい、耳鳴り、頭痛などを改善するとされているが、詳細な作用機序は完全には解明されていない。


科目| 薬理|問 107-155
論点| 全身麻酔薬と催眠薬の作用機序


ポイント|
ミダゾラムは、ベンゾジアゼピン系薬剤であり、GABAA受容体に結合してその機能を増強することで、神経細胞の興奮を抑制し、鎮静作用、催眠作用、抗不安作用などを示す。
ケタミンは、NMDA受容体拮抗薬であり、NMDA受容体を遮断することで、鎮痛作用、麻酔作用、幻覚作用などを示す。
全身麻酔薬は、意識、運動、感覚、反射を抑制し、手術などの侵襲的な処置を可能にする薬物である。
催眠薬は、睡眠を誘発または維持するために用いられる薬物である。
全身麻酔薬と催眠薬は、中枢神経系に作用し、様々な神経伝達物質や受容体に影響を与えることで、効果を発揮する。
ゾピクロンは、GABAA受容体に結合し、その機能を増強することで、催眠作用を示す。
デクスメデトミジンは、α2アドレナリン受容体作動薬であり、鎮静作用や鎮痛作用を示す。
チオペンタールは、バルビツール酸系薬剤であり、GABAA受容体に結合し、その機能を増強することで、麻酔作用を示す。


科目| 薬理|問 108-155
論点| 中枢神経系作用薬の作用機序と効果


ポイント|
メチルフェニデートは、中枢神経刺激薬であり、シナプス前細胞におけるノルアドレナリン、ドパミンの再取り込みを阻害することで覚醒作用を示し、ADHDの治療薬として用いられる。
アトモキセチンは、ADHDの治療薬として用いられ、選択的にノルアドレナリンの再取り込みを阻害することで注意欠如を改善する。ドパミン作動性神経系への影響が少なく、依存形成などの副作用が少ないと考えられている。
中枢神経系は、神経伝達物質と呼ばれる化学物質を用いて情報を伝達する。
神経伝達物質は、神経細胞から放出され、他の神経細胞や効果器細胞に存在する受容体に結合することで、その作用を発揮する。
カフェインは、アデノシン受容体拮抗作用を介して中枢神経系を興奮させる。
フルマゼニルは、GABAA受容体拮抗薬であり、ベンゾジアゼピン系薬剤やゾピクロンなどの過剰投与による意識障害や呼吸抑制の改善に用いられる。
グアンファシンは、α2アドレナリン受容体作動薬であり、中枢神経系における交感神経活性を抑制することで、血圧降下作用や抗不安作用などを示す。


科目| 薬理|問 108-156
論点| 抗リウマチ薬の分類と作用機序


ポイント|
アバタセプトは、T細胞上のCD28と抗原提示細胞上のCD80/CD86との結合を阻害することでT細胞の活性化を抑制する生物学的製剤である。
トファシチニブは、JAKを阻害することで、IL-2などの炎症性サイトカインのシグナル伝達を抑制し、免疫反応を抑える分子標的薬である。
関節リウマチは、免疫系の異常によって関節に炎症が起こる自己免疫疾患である。
抗リウマチ薬は、免疫反応を抑制することで関節の炎症を抑え、関節破壊の進行を遅らせる。
インフリキシマブは、TNF-αに対するモノクローナル抗体であり、TNF-αに結合してその作用を阻害する。
トシリズマブは、IL-6受容体に対するモノクローナル抗体であり、IL-6に結合してその作用を阻害する。
エタネルセプトは、TNF-αに対するデコイ受容体であり、TNF-αに結合してその作用を阻害する。


科目| 薬理|問 109-156
論点| 花粉症治療薬の作用機序と効果


ポイント|
レボセチリジンは、第二世代の抗ヒスタミン薬であり、ヒスタミンH1受容体を遮断することで、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどのアレルギー症状を抑制する。
ラマトロバンは、プロスタグランジン受容体拮抗薬であり、TP受容体とDP2受容体を遮断することで、鼻づまりや鼻水を改善する。
花粉症は、花粉などのアレルゲンが原因となって起こるアレルギー性鼻炎である。
花粉症の治療には、アレルゲン回避療法、薬物療法、免疫療法などがある。
薬物療法では、抗ヒスタミン薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、ステロイド薬などが用いられる。
クロモグリク酸は、マスト細胞安定化薬であり、マスト細胞からのヒスタミンなどのメディエーター遊離を抑制することで、アレルギー症状を予防する。
ナファゾリンは、α1アドレナリン受容体作動薬であり、鼻粘膜の血管を収縮させることで、鼻閉を軽減する。
トラニラストは、ケミカルメディエーター遊離抑制薬であり、マスト細胞や好塩基球からのヒスタミンなどのメディエーター遊離を抑制するとともに、ロイコトリエンやプロスタグランジンなどの産生も抑制することで、アレルギー反応を抑制する。


科目| 薬理|問 106-158
論点| 骨粗鬆症治療薬の作用機序と特徴


ポイント|
リセドロン酸は、ビスホスホネート系薬剤であり、破骨細胞内に取り込まれた後、メバロン酸経路の酵素であるファルネシルピロリン酸合成酵素を阻害することで、骨吸収を抑制する。
デノスマブは、RANKLに対するモノクローナル抗体であり、RANKLに結合することで、RANK受容体への結合を阻害し、破骨細胞の形成を抑制することで骨吸収を抑制する。
骨粗鬆症は、骨密度が減少し、骨の微細構造が破壊されることで、骨がもろくなり、骨折しやすくなる疾患である。
骨粗鬆症の治療は、骨吸収を抑制することで骨量を維持・増加させることを目的とする。
テリパラチドは、遺伝子組換えヒト副甲状腺ホルモン製剤であるが、間欠投与により骨形成を促進する。副甲状腺ホルモンは、連続投与では骨吸収を促進する一方、間欠投与では骨形成を促進するという二相性作用を持つ。
ラロキシフェンは、選択的エストロゲン受容体調節薬 (SERM) と呼ばれる薬剤であり、骨組織においてはエストロゲン受容体に結合し、エストロゲン様作用を示すことで骨吸収を抑制する。
エルカトニンは、カルシトニン製剤であり、破骨細胞に存在するカルシトニン受容体に結合することで、破骨細胞の形成と活性を抑制し、骨吸収を抑制する。


科目| 薬理|問 107-158
論点| アレルギー性疾患治療薬の作用機序と適用疾患


ポイント|
プランルカストは、ロイコトリエン受容体拮抗薬であり、気管支平滑筋のロイコトリエン受容体を遮断することで、ロイコトリエンの作用を阻害し、気管支喘息の発作を予防する。
セラトロダストは、トロンボキサンA2受容体拮抗薬であり、気道のTP受容体を遮断することで、トロンボキサンA2の作用を阻害し、気道過敏症の亢進を抑制する。
アレルギー性疾患は、免疫反応が過剰に起こることで、様々な症状を引き起こす疾患である。
アレルギー反応には、ヒスタミン、ロイコトリエン、プロスタグランジンD2などの化学伝達物質が関与しており、これらのメディエーターを阻害することで、アレルギー症状を抑制することができる。
オザグレルは、血小板のトロンボキサンA2受容体を遮断することで、血小板凝集を抑制し、脳血栓塞栓症や狭心症の治療に用いられる。
トラニラストは、ケミカルメディエーター遊離抑制薬であり、マスト細胞や好塩基球からのヒスタミンなどのメディエーター遊離を抑制するとともに、ロイコトリエンやプロスタグランジンなどの産生も抑制することで、抗アレルギー作用を示す。
スプラタストは、Th2サイトカインの産生を抑制し、IgEの産生を抑制することで、アレルギー反応を抑制する。


科目| 薬理|問 106-159
論点| 心不全治療薬の作用機序


ポイント|
メチルジゴキシンは、ジギタリス製剤に分類される強心薬であり、心筋細胞膜のNa+, K+-ATPaseを阻害することで細胞内カルシウムイオン濃度を上昇させ、心筋収縮力を増強させる陽性変力作用を示す。
ピモベンダンは、非グリコシド系・非カテコールアミン系の強心薬であり、心筋細胞内に作用し、トロポニンCに対するカルシウムイオンの感受性を高め、ホスホジエステラーゼⅢを阻害することで、強心作用を示すとともに、血管平滑筋を弛緩させることで心臓の負担を軽減する。
心不全は、心臓のポンプ機能が低下することで、全身に十分な血液を送り出すことができなくなる状態である。
心不全の治療は、その原因や重症度に応じて、食事療法、運動療法、薬物療法などを組み合わせる。
薬物療法では、強心薬、血管拡張薬、利尿薬などが用いられる。
リシノプリルは、アンジオテンシン変換酵素 (ACE) 阻害薬であり、アンジオテンシンIからアンジオテンシンIIへの変換を阻害することで、アンジオテンシンIIの作用を抑制する。
コルホルシンダロパートは、ドパミン前駆体であり、パーキンソン病の治療に用いられる。
カルペリチドは、ヒト心房性ナトリウム利尿ペプチド (hANP) 製剤であり、グアニル酸シクラーゼ内蔵型受容体を刺激することで、細胞内cGMP濃度を上昇させ、血管拡張作用、利尿作用などを示す。


科目| 薬理|問 109-159
論点| 心不全治療における薬物作用のターゲットと効果


ポイント|
ビソプロロールは、β1受容体遮断薬であり、心筋細胞のβ1受容体を遮断することで、心拍数や心筋収縮力を抑制し、心臓の仕事量を減少させることで、心臓の酸素消費量を減らし、心臓の負担を軽減する。また、長期的には心臓のリモデリングを抑制する効果もある。
イバブラジンは、洞房結節のHCNチャネルを阻害することで、心拍数の調節に関与する電流を抑制し、心拍数を減少させることで、心臓の酸素需要を抑制し、心不全の症状を改善する。
心不全は、心臓のポンプ機能が低下し、全身に必要な血液を送り出せなくなる状態である。
心不全の治療では、心臓にかかる負担を軽減し、心臓の機能を維持・改善することが重要となる。
ジゴキシンは、Na+, K+-ATPaseを阻害することで、細胞内のナトリウムイオン濃度を上昇させ、その結果としてカルシウムイオン濃度を上昇させる。
ピモベンダンは、トロポニンCのカルシウムイオン感受性を増強するとともに、ホスホジエステラーゼⅢを阻害することで、強心作用を示す。
カルペリチドは、ヒト心房性ナトリウム利尿ペプチド (hANP) 製剤であり、生体内で変換されることなく、そのままグアニル酸シクラーゼ内蔵型受容体に作用する。


科目| 薬理|問 109-160
論点| 高血圧治療薬の作用機序と副作用


ポイント|
ラベタロールは、α1受容体遮断作用とβ1受容体遮断作用を併せ持つ薬剤であり、α1受容体遮断作用により末梢血管抵抗が低下し、β1受容体遮断作用により心拍出量が減少することで血圧を低下させる。
ジルチアゼムは、カルシウム拮抗薬であり、心臓の電位依存性L型Ca2+チャネルを遮断することで、心筋収縮を抑制し、心拍数を減少させるとともに、血管平滑筋にも作用して血管拡張作用を示すことで、血圧を低下させる。ただし、房室結節のCa2+チャネルも遮断するため、房室ブロックを誘発する可能性がある。
高血圧は、動脈硬化の危険因子であり、放置すると脳卒中や心筋梗塞などのリスクを高める。
高血圧の治療は、生活習慣の改善が基本となるが、薬物療法が必要となる場合もある。
薬物療法では、作用機序の異なる複数の薬剤を適切に組み合わせることで、効果を高め、副作用を抑制する。
メチルドパは、中枢神経系に作用し、α2アドレナリン受容体を刺激することで、交感神経活動を抑制する。
テルミサルタンは、アンジオテンシンII受容体拮抗薬 (ARB) であり、アンジオテンシンIIがAT1受容体に結合するのを阻害する。
リシノプリルは、アンジオテンシン変換酵素 (ACE) 阻害薬であり、アンジオテンシンIIの生成を抑制することで、アルドステロンの分泌を抑制する。アルドステロンは、腎臓でのカリウムの排泄を促進するため、リシノプリルは高カリウム血症を引き起こす可能性がある。


科目| 薬理|問 107-161
論点| 泌尿器系薬物の作用機序と効果


ポイント|
ジスチグミンは、コリンエステラーゼ阻害薬であり、コリンエステラーゼを阻害することで、神経筋接合部や膀胱などの神経節におけるアセチルコリンの濃度を上昇させ、膀胱排尿筋の収縮力を高め、排尿を促進する。
ミラベグロンは、β3アドレナリン受容体作動薬であり、膀胱排尿筋のβ3アドレナリン受容体を刺激することで膀胱を弛緩させ、過活動膀胱の症状を改善する。
排尿は、自律神経系、膀胱、尿道などの協調的な働きによって制御されている。
膀胱の蓄尿と排尿は、交感神経と副交感神経のバランスによって調節されている。
ソリフェナシンは、抗コリン薬であり、アセチルコリンM3受容体を遮断することで、膀胱排尿筋の収縮を抑制し、過活動膀胱の症状を改善する。
シロドシンは、α1アドレナリン受容体遮断薬であり、前立腺平滑筋のα1A受容体を遮断することで、前立腺平滑筋を弛緩させる。
タダラフィルは、ホスホジエステラーゼⅤを阻害することで、サイクリックGMP (cGMP) を分解する酵素の活性を阻害し、血管平滑筋を弛緩させる。前立腺平滑筋に対しても同様の作用を示し、勃起不全の治療に用いられる。


科目| 薬理|問 108-161
論点| 利尿薬の種類と作用機序


ポイント|
トルバプタンは、バソプレシンV2受容体拮抗薬であり、腎臓集合管のV2受容体を遮断することでバソプレシンの作用を阻害し、水の再吸収を抑制して尿量を増加させる。
エプレレノンは、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬であり、アルドステロンの作用を阻害することで、ナトリウムイオンの再吸収とカリウムイオンの排泄を抑制する。
利尿薬は、腎臓でのナトリウムイオンと水の再吸収を阻害することで、尿量を増加させる薬物である。
利尿薬は、心不全、高血圧、腎臓病、浮腫などの治療に用いられる。
トリアムテレンは、カリウム保持性利尿薬であり、遠位尿細管と集合管のナトリウムチャネルを遮断することで、ナトリウムイオンの再吸収を抑制し、カリウムイオンの排泄を抑制する。
インダパミドは、サイアザイド系利尿薬であり、遠位尿細管皮質部にあるナトリウム-クロライド共輸送体を阻害することで、ナトリウムイオンの再吸収を抑制する。
アゾセミドは、ループ利尿薬であり、ヘンレ係蹄上行脚のNa+-K+-2Cl-共輸送体を阻害することで、ナトリウムイオンの再吸収を抑制し、水の再吸収を抑制する。


科目| 薬理|問 109-161
論点| 造血に関わる因子と薬物作用


ポイント|
ダプロデュスタットは、HIFプロリン水酸化酵素阻害薬であり、HIFプロリン水酸化酵素を阻害することでHIFの分解を抑制し、エリスロポエチンの産生を促進する。エリスロポエチンは、骨髄における赤血球の産生を促進するホルモンである。
葉酸は、ビタミンB群の一種であり、体内でテトラヒドロ葉酸に代謝され、DNA合成の補酵素として作用することで、赤血球の成熟を促進する。
血液細胞は、骨髄において造血幹細胞から分化・成熟する。
赤血球は、酸素を運搬する役割を担い、白血球は、生体防御に関与する。
エルトロンボパグは、トロンボポエチン受容体作動薬であり、巨核球の増殖と分化を促進することで、血小板の産生を促進する。
メコバラミンは、ビタミンB12の一種であり、メチオニン合成酵素やメチルマロニルCoAムターゼの補酵素として作用する。
フィルグラスチムは、遺伝子組換えヒト顆粒球コロニー刺激因子 (G-CSF) 製剤であり、G-CSF受容体に結合することで、好中球の増殖と分化を促進する。


科目| 薬理|問 106-162
論点| 抗血栓薬の種類と作用機序


ポイント|
アルガトロバンは、合成トロンビン阻害薬であり、トロンビンの活性部位に直接結合することで、その酵素活性を阻害し、血栓形成を抑制する。
チカグレロルは、ADP受容体拮抗薬であり、血小板のP2Y12受容体を可逆的に遮断することで、ADPによる血小板の活性化と凝集を抑制し、血栓形成を抑制する。
血栓は、血管内で血液が凝固して固まったものである。
血栓形成は、血管の損傷、血流の停滞、血液凝固能の亢進などが原因で起こる。
血栓は、心臓や脳などの重要な臓器の血管を詰まらせることで、心筋梗塞や脳梗塞などの重篤な疾患を引き起こす可能性がある。
ダルテパリンは、低分子ヘパリンであり、アンチトロンビンと結合してその活性を増強することで、第Xa因子とトロンビンの両方を阻害するが、第Xa因子に対する阻害作用の方が強い。
ウロキナーゼは、ウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベーターであり、プラスミノーゲンに作用して、プラスミンに変換する。プラスミンは、フィブリンを分解する酵素であり、血栓を溶解する作用を持つ。
トロンボモデュリン アルファは、組換えヒトトロンボモデュリン製剤であり、血液凝固因子であるトロンビンに結合することでプロテインCを活性化する。プロテインCは、活性化されると、血液凝固因子である第Va因子と第VIIIa因子を分解し、血液凝固を抑制する。


科目| 薬理|問 107-162
論点| 胃・十二指腸潰瘍治療薬の作用機序


ポイント|
ボノプラザンは、カリウムイオン競合型アシッドブロッカー (P-CAB) であり、胃壁細胞のプロトンポンプであるH+, K+-ATPaseに結合し、その活性を阻害することで、胃酸分泌を強力に抑制する。
ミソプロストールは、プロスタグランジンE1 (PGE1) 製剤であり、胃粘膜細胞のEP受容体に作用し、胃酸分泌を抑制するとともに、胃粘液や重炭酸イオンの分泌を促進することで、胃粘膜を保護する作用を示す。
胃・十二指腸潰瘍は、胃酸やペプシンなどの攻撃因子と、胃粘膜の防御因子とのバランスが崩れ、胃や十二指腸の粘膜が損傷されることで起こる。
治療には、胃酸分泌抑制薬、粘膜保護薬、除菌薬などが用いられる。
ファモチジンは、H2受容体拮抗薬であり、胃壁細胞に存在するヒスタミンH2受容体を遮断することで胃酸分泌を抑制する。
レバミピドは、胃粘膜保護薬であり、胃粘液の分泌を促進するとともに、胃粘膜への血流を増やすことで、胃粘膜を保護する作用を示す。
ピレンゼピンは、選択的M1ムスカリン受容体拮抗薬であり、胃酸分泌を抑制するとともに、胃運動を抑制する作用を示す。


科目| 薬理|問 108-162
論点| 制吐薬の作用部位と受容体


ポイント|
パロノセトロンは、セロトニン5-HT3受容体拮抗薬であり、消化管からのセロトニンによる嘔吐反射を抑制することで、抗がん剤などの化学療法による嘔吐を抑制する。
アプレピタントは、NK1受容体拮抗薬であり、サブスタンスPなどのタキキニンが嘔吐中枢やCTZに作用するのを阻害することで、嘔吐反射を抑制する。特に、抗がん剤などの化学療法によって引き起こされる遅延性の悪心・嘔吐に効果がある。
嘔吐は、様々な原因によって引き起こされる生体防御反応の一つである。
嘔吐は、延髄にある嘔吐中枢が刺激されることで起こるが、嘔吐中枢は、消化管、内耳、脳などからの様々な刺激によって活性化される。
メトクロプラミドは、ドパミンD2受容体拮抗作用とセロトニン5-HT4受容体作動作用を併せ持つ薬剤であり、消化管の運動を促進することで、悪心や嘔吐を抑制する。
オキセサゼインは、胃粘膜保護薬であり、胃粘膜に直接作用することで、保護効果とびらん治癒効果を示す。
プロメタジンは、ヒスタミンH1受容体拮抗作用と抗コリン作用を持つ薬剤であり、嘔吐中枢やCTZに作用することで、悪心や嘔吐を抑制する。


科目| 薬理|問 109-162
論点| 胃・十二指腸潰瘍治療薬の作用機序


ポイント|
スクラルファートは、胃粘膜保護薬であり、胃酸存在下で潰瘍部位に選択的に結合し、粘膜を物理的に保護する被膜を形成することで、ペプシンや胃酸による消化から粘膜組織を保護し、潰瘍の治癒を促進する。
ラニチジンは、H2受容体拮抗薬であり、胃壁細胞のヒスタミンH2受容体を遮断することで、ヒスタミンによる胃酸分泌刺激を抑制し、結果としてプロトンポンプの活性化を抑制し、胃酸分泌を低下させる。
胃・十二指腸潰瘍は、胃酸やペプシンによる攻撃因子と胃粘膜の防御因子とのバランスが崩れることで、胃や十二指腸の粘膜が損傷され、起こる。
ランソプラゾールは、プロトンポンプ阻害薬 (PPI) であり、プロトンポンプ (H+, K+-ATPase) に直接結合し、その活性を阻害することで、胃酸分泌を強力に抑制する。
ミソプロストールは、プロスタグランジンE1 (PGE1) 製剤であり、胃粘膜細胞に存在するEP受容体に作用し、胃酸分泌を抑制するとともに、胃粘液や重炭酸イオンの分泌を促進することで、胃粘膜を保護する作用を示す。
オキセサゼインは、胃粘膜保護薬であり、胃粘膜に直接作用することで、保護効果とびらん治癒効果を示す。


科目| 薬理|問 106-163
論点| 呼吸器系作用薬の作用機序


ポイント|
ジメモルファンは、非麻薬性鎮咳薬であり、延髄の咳中枢に作用し、咳反射を抑制することで咳を鎮める。
ジプロフィリンは、キサンチン誘導体に分類される気管支拡張薬であり、細胞内のホスホジエステラーゼを阻害することで、cAMPの分解を抑制し、cAMP濃度を上昇させ、気管支平滑筋を弛緩させる。
呼吸器系は、空気中の酸素を取り込み、二酸化炭素を排出する役割を担っている。
気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患 (COPD) などの呼吸器疾患では、気道が狭くなり、呼吸困難などの症状が現れる。
オキシメテバノールは、オピオイド受容体作動薬に分類される鎮咳薬であり、延髄の咳中枢に作用し、咳反射を抑制することで咳を鎮める。
カルボシステインは、気道粘液調整薬であり、気道粘膜の分泌細胞に作用し、シアル酸の含有量を増加させることで、痰の粘性を低下させ、排出しやすくする。
アンブロキソールは、ブロムヘキシンの活性代謝産物であり、気道粘液調整薬に分類され、気道粘液の粘性を低下させ、線毛運動を活性化することで、痰の排泄を促進する。


科目| 薬理|問 107-163
論点| 2型糖尿病治療薬の作用機序


ポイント|
ミチグリニドは、速効型インスリン分泌促進薬であり、膵β細胞の細胞膜に存在するスルホニル尿素受容体に結合することで、ATP感受性K+チャネルを遮断し、細胞膜を脱分極させることで、インスリン分泌を促進する。
ピオグリタゾンは、チアゾリジン誘導体に分類されるインスリン抵抗性改善薬であり、脂肪細胞に多く発現するPPARγを活性化することで、脂肪細胞の分化を促進し、脂肪組織におけるインスリン感受性を高める。また、肝臓や骨格筋においてもインスリン感受性を高める効果がある。
2型糖尿病は、インスリン分泌低下とインスリン抵抗性を特徴とする代謝疾患である。
2型糖尿病の治療は、食事療法、運動療法が基本となるが、薬物療法が必要となる場合もある。
イプラグリフロジンは、SGLT2阻害薬であり、腎臓の近位尿細管に存在するSGLT2を阻害することで、尿糖排泄を促進し、血糖値を低下させる。
リナグリプチンは、DPP-4阻害薬であり、DPP-4を阻害することで、GLP-1の分解を抑制し、GLP-1の作用を増強する。GLP-1は、膵β細胞に作用し、グルコース濃度依存的にインスリン分泌を促進するホルモンである。
メトホルミンは、ビグアナイド薬であり、AMPKを活性化することで、肝臓での糖新生を抑制し、骨格筋でのグルコース取り込みを促進する。


科目| 薬理|問 108-163
論点| 肝疾患、膵疾患、胆道疾患治療薬の作用機序


ポイント|
デヒドロコール酸は、胆汁酸製剤であり、胆汁の浸透圧を上昇させることで、胆汁中の水分を増加させ、胆汁の流れを良くする作用があり、胆石症の治療や胆道閉鎖の予防などに用いられる。
ガベキサートは、プロテアーゼ阻害薬であり、膵臓から分泌される消化酵素であるトリプシン、キモトリプシン、エラスターゼなどを阻害することで、急性膵炎における膵臓の自己消化を抑制する。
肝臓は、代謝、解毒、胆汁産生など、様々な機能を担う重要な臓器である。
膵臓は、消化酵素やインスリンなどのホルモンを分泌する臓器である。
胆道は、肝臓から分泌された胆汁を十二指腸に運ぶ管である。
フロプロピオンは、ムスカリン受容体作動薬であり、消化管運動を促進する作用を持つ。
ラミブジンは、HBVのDNAポリメラーゼを阻害することで、HBVの複製を抑制する。
ソホスブビルは、HCVのNS5B RNA依存性RNAポリメラーゼを阻害することで、HCVの複製を抑制する。


科目| 薬理|問 109-163
論点| 肝疾患、膵疾患、胆道疾患治療薬の作用標的と機序


ポイント|
フロプロピオンは、COMT阻害薬であり、COMTを阻害することでノルアドレナリンの代謝を抑制し、Oddi括約筋を弛緩させる。
ソホスブビルは、HCVの複製に必要な酵素であるNS5B RNA依存性RNAポリメラーゼを選択的に阻害する直接作用型抗ウイルス薬 (DAA) であり、HCVのRNA複製を阻害することでウイルスの増殖を抑制する。
肝臓、膵臓、胆道は、消化吸収や代謝に重要な役割を果たす臓器であり、これらの臓器の疾患は様々な症状を引き起こす。
薬物療法は、これらの疾患の治療において重要な役割を果たす。
ウルソデオキシコール酸は、親水性の胆汁酸であり、胆汁中のコレステロールに対する溶解度を高めることで、胆石の形成を抑制することで、コレステロール胆石の溶解に用いられる。
カモスタットは、セリンプロテアーゼ阻害薬であり、膵酵素の活性を阻害することで、膵臓の炎症を抑制する。
テノホビルは、HBVの逆転写酵素を阻害することで、HBVの複製を抑制するヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬 (NRTI) である。


科目| 薬理|問 106-164
論点| 消化器系疾患治療薬の作用標的と機序


ポイント|
ナファモスタットは、セリンプロテアーゼ阻害薬であり、膵臓から分泌される消化酵素(トリプシン、キモトリプシン、エラスターゼなど)の活性を阻害することで、急性膵炎における膵臓の自己消化を抑制する。
ペグインターフェロン アルファ-2は、インターフェロン製剤であり、免疫細胞を活性化し、ウイルス感染細胞を攻撃・破壊することで、HBVやHCVの増殖を抑制する。
消化器系は、食物の消化吸収を担う器官系であり、肝臓、膵臓、胆道なども含まれる。
消化器系疾患には、様々な原因によるものがあり、薬物療法は重要な治療法の一つである。
ウルソデオキシコール酸は、胆汁酸製剤であり、胆汁酸の分泌を促進することでコレステロール胆石を溶解する。
アスナプレビルは、HCVのNS5A複製複合体を阻害する直接作用型抗ウイルス薬 (DAA) であり、NS5Aの機能を阻害することで、HCVの増殖を抑制する。
エンテカビルは、HBVのDNAポリメラーゼを阻害するヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬 (NRTI) である。


科目| 薬理|問 107-164
論点| 性ホルモン関連薬の作用機序と効果


ポイント|
フルタミドは、抗アンドロゲン薬であり、前立腺がん細胞のアンドロゲン受容体に結合することで、アンドロゲンの作用を阻害し、前立腺がんの増大を抑制する。
レトロゾールは、アロマターゼ阻害薬であり、アロマターゼの活性を阻害することでエストロゲンの合成を阻害し、閉経後乳がんの増殖を抑制する。
性ホルモンは、生殖機能の調節だけでなく、骨代謝、脂質代謝、精神機能など、様々な生理機能に関与している。
性ホルモン関連薬は、性ホルモンの作用を調節することで、様々な疾患の治療に用いられる。
メテノロンは、アナボリックステロイドと呼ばれる薬剤であり、アンドロゲン受容体を刺激することで、タンパク質合成を促進する。
エキセメスタンは、アロマターゼ阻害薬であり、エストロゲン合成を阻害することで、閉経後乳がんの増殖を抑制する。
デガレリクスは、GnRH作動薬であり、GnRH受容体を刺激することで、性腺刺激ホルモンの分泌を抑制する。


科目| 薬理|問 108-164
論点| 糖尿病治療薬の作用機序と分類


ポイント|
デュラグルチドは、GLP-1受容体作動薬であり、膵β細胞のGLP-1受容体を刺激することで、グルコース濃度依存的にインスリン分泌を促進し、グルカゴン分泌を抑制することで、血糖値を低下させる。
グリメピリドは、SU薬であり、膵β細胞の細胞膜に存在するSU受容体に結合することで、ATP感受性K+チャネルを遮断し、細胞膜を脱分極させることで、インスリン分泌を促進する。
糖尿病は、インスリンの作用不足によって慢性的な高血糖状態となる疾患である。
糖尿病は、大きく1型糖尿病と2型糖尿病に分類される。
1型糖尿病:自己免疫反応などによって膵β細胞が破壊され、インスリンがほとんど分泌されなくなる疾患。
2型糖尿病:遺伝的要因や生活習慣などが原因で、インスリン分泌低下とインスリン抵抗性が起こる疾患。
ピオグリタゾンは、チアゾリジン誘導体であり、脂肪細胞に多く発現するPPARγを活性化することで、脂肪細胞の分化を促進し、脂肪組織におけるインスリン感受性を高める。
ボグリボースは、α-グルコシダーゼ阻害薬であり、小腸におけるα-グルコシダーゼを阻害することで、糖質の分解と吸収を遅らせ、食後高血糖を抑制する。
トレラグリプチンは、DPP-4阻害薬であり、DPP-4を阻害することで、GLP-1の分解を抑制し、GLP-1の作用を増強する。


科目| 薬理|問 109-164
論点| 高尿酸血症治療薬の作用機序と分類


ポイント|
プロベネシドは、尿酸排泄促進薬であり、腎臓の尿細管において、尿酸の再吸収を阻害すると同時に、尿酸の分泌を促進することで、尿中への尿酸排泄を促進し、血清尿酸値を低下させる。
ドチヌラドは、尿酸排泄促進薬であり、腎臓の近位尿細管に存在する尿酸トランスポーター1 (URAT1) を阻害することで、尿酸の再吸収を抑制し、尿中への尿酸排泄を促進する。
高尿酸血症は、血液中の尿酸値が高い状態である。
尿酸は、プリン体の代謝産物であり、通常は腎臓から尿中に排泄される。
尿酸の産生過剰や排泄低下が起こると、血清尿酸値が上昇し、高尿酸血症となる。
高尿酸血症は、痛風発作の原因となるだけでなく、腎臓病や心血管疾患のリスク因子となる。
トピロキソスタットは、キサンチンオキシダーゼ阻害薬であり、キサンチンオキシダーゼを直接阻害することで、尿酸の産生を抑制する。
ラスブリカーゼは、尿酸酸化酵素であり、尿酸をアラントインに分解する酵素である。
クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム配合剤は、尿のpHを上昇させることで、尿酸の溶解度を高め、尿路結石の形成を抑制する。


科目| 薬理|問 106-165
論点| 高尿酸血症・痛風治療薬の作用機序と特徴
ポイント|
ブコロームは、尿酸排泄促進薬だが、抗炎症作用も併せ持ち、腎臓の尿細管における尿酸の再吸収を阻害することで尿中への尿酸排泄を促進し、血清尿酸値を低下させる。同時に、痛風発作に伴う関節の痛みや炎症を抑制する。
クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム配合剤は、尿をアルカリ化することで尿酸の溶解度を高め、尿路結石の形成を抑制する。
高尿酸血症は、血液中の尿酸値が高い状態で、痛風発作の主な原因となる。
痛風は、関節に尿酸結晶が析出することで、激しい痛みや炎症を引き起こす疾患である。
トピロキソスタットは、キサンチンオキシダーゼ阻害薬であるが、プリン骨格を有しているわけではなく、キサンチンオキシダーゼの活性部位に結合し、その活性を阻害することで、尿酸の産生を抑制する。
ベンズブロマロンは、尿酸排泄促進薬であり、腎臓の尿細管における尿酸の再吸収を阻害することで、尿中への尿酸排泄を促進する。
コルヒチンは、痛風発作の急性期治療薬として用いられる抗炎症薬であり、微小管の重合を阻害することで、白血球の遊走や炎症性メディエーターの放出を抑制し、炎症を抑える。


科目| 薬理|問 108-165
論点| 内分泌系作用薬の作用機序と効果


ポイント|
プロピルチオウラシルは、抗甲状腺薬であり、甲状腺ホルモンの合成に必要な酵素であるペルオキシダーゼを阻害することで、甲状腺ホルモンの生成を抑制し、甲状腺機能亢進症の症状を改善する。
メテノロンは、アナボリックステロイドと呼ばれる薬剤であり、アンドロゲン受容体に結合して活性化することで、タンパク質合成を促進する。タンパク質同化作用は、筋肉の増強や骨格の発達に作用するが、副作用として、男性化や肝障害などが知られている。
内分泌系は、ホルモンを分泌することで、生体の様々な機能を調節する器官系である。
ホルモンは、血液を介して標的臓器に運ばれ、特定の受容体に結合することで、その作用を発揮する。
内分泌系に作用する薬物は、ホルモンの合成、分泌、作用を調節することで、様々な疾患の治療に用いられる。
クロミフェンは、選択的エストロゲン受容体調節薬 (SERM) であり、視床下部のエストロゲン受容体に結合し、エストロゲンによるネガティブフィードバックを阻害することで、性腺刺激ホルモンの分泌を促進し、排卵を誘発する。
テリパラチドは、副甲状腺ホルモン製剤であり、副甲状腺ホルモン受容体を活性化することで、骨形成を促進する。
ブロモクリプチンは、ドパミンD2受容体作動薬であり、下垂体においてドパミンD2受容体を刺激することで、プロラクチンの分泌を抑制する。


科目| 薬理|問 107-167
論点| 急性白血病治療薬の作用機序と分類


ポイント|
シタラビンは、代謝拮抗薬であり、細胞内で三リン酸化されて活性代謝物となり、DNAポリメラーゼに作用してDNA合成を阻害することで、細胞周期のS期で細胞増殖を抑制する。
イマチニブは、分子標的薬であり、慢性骨髄性白血病 (CML) の原因となるBCR-ABL融合遺伝子によって産生されるBCR-ABLチロシンキナーゼを特異的に阻害することで、CML細胞の増殖を抑制する。
急性白血病は、造血幹細胞ががん化し、骨髄で異常な白血病細胞が過剰に増殖する疾患である。
白血病細胞は、正常な血液細胞の産生を阻害するため、貧血、感染症、出血傾向などの症状を引き起こす。
シクロホスファミドは、アルキル化薬であり、DNAにアルキル基を付加することで、DNA鎖を切断したり、DNAの複製を阻害したりすることで、細胞増殖を抑制する。
ビンクリスチンは、微小管阻害薬であり、チューブリンの重合を阻害することで、微小管の形成を阻害し、細胞分裂を阻害する。
ダウノルビシンは、アントラサイクリン系に分類される抗がん剤であり、DNAにインターカレートし、トポイソメラーゼIIを阻害することで、DNA複製を阻害する。


科目| 薬理|問 108-167
論点| 肺がん治療薬の作用機序と分類


ポイント|
エトポシドは、トポイソメラーゼII阻害薬であり、トポイソメラーゼIIに結合し、DNA鎖の再結合を阻害することで、DNA損傷を引き起こし、がん細胞を死滅させる。
ドセタキセルは、タキサン系に分類される微小管阻害薬であり、チューブリンに結合し、微小管の脱重合を阻害することで、微小管を安定化させ、細胞分裂を阻害し、がん細胞の増殖を抑制する。
肺がんは、肺に発生する悪性腫瘍である。
肺がんの治療法としては、手術、放射線療法、化学療法、免疫療法などがある。
化学療法では、がん細胞の増殖を抑えるために、抗がん剤が用いられる。
イリノテカンは、トポイソメラーゼI阻害薬であり、トポイソメラーゼIに結合し、DNA鎖の再結合を阻害することで、DNA損傷を引き起こし、がん細胞を死滅させる。
ゲフィチニブは、上皮成長因子受容体 (EGFR) チロシンキナーゼ阻害薬に分類される分子標的薬であり、EGFRチロシンキナーゼを阻害することで、がん細胞の増殖を抑制する。
ゲムシタビンは、代謝拮抗薬であり、細胞内に取り込まれた後、代謝されて活性代謝物となり、DNAに取り込まれることで、DNA合成を阻害し、がん細胞の増殖を抑制する。


科目| 薬理|問 106-168
論点| 内分泌系作用薬の作用機序と効果


ポイント|
プロチレリンは、TRH製剤であり、TRHと同様の作用を示すことで、甲状腺機能低下症の診断や治療に用いられる。
メチラポンは、副腎皮質ホルモン合成阻害薬であり、副腎皮質において、コルチゾールの合成に必要な酵素である11β-ヒドロキシラーゼを阻害することで、コルチゾールの産生を抑制する。クッシング症候群の診断や治療に用いられる。
内分泌系は、ホルモンを分泌することで、生体の様々な機能を調節する器官系である。
ホルモンは、血液を介して標的臓器に運ばれ、特定の受容体に結合することで、その作用を発揮する。
内分泌系に作用する薬物は、ホルモンの合成、分泌、作用を調節することで、様々な疾患の治療に用いられる。
カベルゴリンは、ドパミンD2受容体作動薬であり、下垂体前葉においてドパミンD2受容体を刺激することで、プロラクチンの分泌を抑制する。
デスモプレシンは、バソプレシンV2受容体作動薬であり、腎集合管におけるバソプレシンV2受容体を刺激することで、水の再吸収を促進する。
リオチロニンは、甲状腺ホルモン製剤であり、甲状腺ホルモンの作用を示す。


科目| 薬理|問 106-169
論点| 抗ウイルス薬の作用機序と標的分子


ポイント|
ファビピラビルは、RNAウイルスに効果を示す抗ウイルス薬であり、細胞内で代謝されてリボシル三リン酸体となり、RNA依存性RNAポリメラーゼに取り込まれることで、ウイルスのRNA合成を阻害する。
バロキサビル マルボキシルは、インフルエンザウイルスに効果を示す抗ウイルス薬であり、体内で加水分解されて活性体となり、インフルエンザウイルスのキャップ依存性エンドヌクレアーゼを阻害することでウイルスの増殖を抑制する。
ウイルスは、宿主細胞に感染し、宿主細胞の機能を利用して自己複製を行う。
抗ウイルス薬は、ウイルスの増殖サイクルの様々な段階を阻害することで、ウイルスの増殖を抑制し、感染症の治療に用いられる。
エムトリシタビンは、HIVの逆転写酵素を阻害するNRTIである。
ラルテグラビルは、HIVインテグラーゼを阻害するインテグラーゼ阻害薬である。
リバビリンは、広範囲のRNAウイルスやDNAウイルスに効果を示す抗ウイルス薬であるが、その作用機序は完全には解明されていない。


科目| 薬理|問 109-169
論点| 抗悪性腫瘍薬の作用機序と分類


ポイント|
シタラビンは、代謝拮抗薬であり、細胞内に取り込まれた後、三リン酸化されて活性代謝物となり、DNAポリメラーゼを阻害することでDNA合成を抑制し、主にS期で細胞周期を停止させる。
ドキソルビシンは、アントラサイクリン系に分類される抗腫瘍性抗生物質であり、DNAにインターカレートすることで、DNAポリメラーゼやRNAポリメラーゼなどの酵素の働きを阻害する。また、トポイソメラーゼIIを阻害する作用も持ち、DNA鎖の切断を引き起こすことで、がん細胞を死滅させる。
抗悪性腫瘍薬は、がん細胞の増殖を抑制または死滅させる薬物である。
正常細胞にも影響を与えますが、がん細胞は正常細胞よりも増殖が速いため、抗がん剤の影響を受けやすい。
テガフールは、フッ化ピリミジン系に分類される代謝拮抗薬であり、代謝されてフルオロウラシルとなり、チミジル酸シンターゼを阻害することで、DNA合成を阻害する。
フルダラビンは、プリンアナログに分類される代謝拮抗薬であり、DNAポリメラーゼやDNAプライマーゼを阻害することで、DNA合成を阻害する。
アファチニブは、上皮成長因子受容体 (EGFR) チロシンキナーゼ阻害薬に分類される分子標的薬であり、EGFRのチロシンキナーゼ活性を阻害することで、がん細胞の増殖シグナル伝達を阻害する。


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参考資料|

厚生労働省ホームページ / 薬剤師国家試験のページ
薬剤師国家試験のページ |厚生労働省 (mhlw.go.jp)

過去の試験問題及び解答|

第109回(令和6年2月17日、2月18日実施)
第108回(令和5年2月18日、2月19日実施)
第107回(令和4年2月19日、2月20日実施)
第106回(令和3年2月20日、2月21日実施)
第105回(令和2年2月22日、23日実施)
第104回(平成31年2月23、2月24日実施)
第103回(平成30年2月24、2月25日実施)
第102回(平成29年2月25、2月26日実施)
第101回(平成28年2月27、2月28日実施)
第100回(平成27年2月28、3月1日実施)
第99回(平成26年3月1、2日実施)
第98回(平成25年3月2、3日実施)
第97回(平成24年3月3、4日実施)

過去の薬剤師国家試験の結果|

第109回(令和6年2月17日、18日実施)[PDF形式:2,589KB][2.6MB]
第108回(令和5年2月18日、19日実施)[PDF形式:471KB][471KB]
第107回(令和4年2月19日、20日実施)[PDF形式:803KB][803KB]
第106回(令和3年2月20日、21日実施)[PDF形式:871KB][871KB]
第105回(令和2年2月22日、23日実施)[PDF形式:371KB][371KB]
第104回(平成31年2月23、2月24日実施)[PDF形式:620KB][620KB]
第103回(平成30年2月24、2月25日実施)[PDF形式:457KB]
第102回(平成29年2月25、2月26日実施)[PDF形式:564KB]
第101回(平成28年2月27、2月28日実施)[PDF形式:796KB]
第100回(平成27年2月28、3月1日実施)[PDF形式:2,005KB]
第99回(平成26年3月1、2日実施)[PDF形式:1,116KB]
第98回(平成25年3月2、3日実施)[PDF形式:634KB]
第97回(平成24年3月3、4日実施)[PDF形式:285KB]

いかがでしたか?前回の4年前の集計と比較して、文章での解説を省略して、グラフだけで見せるアプローチにしてみました。
薬学生の皆さんは、ぜひ、グラフから分析と考察に挑戦してみてください。

今日はこの辺で、
それではまた
お会いしましょう。

Your best friend
Mats & BLNt

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