マガジンのカバー画像

小生書いてみたよ小説

18
何か“降りてきた”ら、書きます、小説。
運営しているクリエイター

#ショートショート

ホラー短編

ホラー短編

「行ってきまーす!」

まさか家に車が突っ込んでくるなんて
思わなかったわよ

私のみぞおちからバケツ程の血が落ちた

得にならなくても

得にならなくても

損得勘定して生きてますか
悪くないですよ
ある程度の生活水準を保ちたいなら
お買い物だってそう、
仕事だってそう、
これは得になるだろうか?
これは損するんじゃないか?
天秤にかけたりしながら
常に考える事が大事です

でも得にならなくてもいい生き方もありますよね
自分の得にはならなくても
誰かの得になっているかも知れない
自分が辛くて堪らない事もないなら
それでも良いよね
その方が良いよねと思え

もっとみる
思い出

思い出

どうしても
口の中の乾きが癒えず
胃薬ばかり飲んでいた
何故胃薬かというと
胃が弱いから
でも飲んでも駄目だった

どうしたんだろう私
歯も弱ったのか
微妙な揺れを感じ
加えて重圧的痛みもあった

よく眠っているのに
頭は硬まる一方で
起きようとしても
体が沈んでいる様だった

何となく
鼻も詰まる
目は瞬きを忘れた様に
閉じたままだった

そうだった

私、息してない

私、死んだんだよね
何だ

もっとみる
恐怖が足りない

恐怖が足りない

私は怖いものが好きだ
今に始まった事でなく
4つか5つの頃には
楳図かずお先生の本に出会い
その後、様々な怪談本を貪り読んだ

自分でも複雑な思いがある

恐怖を研究する事等思いつかなかった
だから
単にファンなのかマニアなのか
そんなものになっていた

それって危険なのかなと

何かの命をとった事はない
自分が痛いと思う事は人も同じだと
認識があるから
傷つける事は想像のみだ

ただ、足りなくて

もっとみる
屍人の意識

屍人の意識

夏になると
自分の死臭を感じていたあの頃
それから長い間それは消えていたのに
また始まったようだ

今度こそ
今度こそお迎えがくる
今度こそ
本物を感じることすらできなくなる
頭の中にテロップがぐるぐる巡り出した

緊張で心が砕けたからだろう
人の心が見えて
しかも悪い思いが見えたので
パニックになり
頭の中が真っ白になり
でも追い打ちをかける様に
嫌だと思わているという相手の意識が
ズンズンズン

もっとみる