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『逃げ恥』から読める「うまくいく男女の法則」その3:「本当に居心地のいい恋愛・結婚」を叶える2つの心得〔第7話~最終回編〕

 

 2016年終わりの3ヵ月間、老若男女を熱狂させる大ヒットドラマとなった『逃げるは恥だが役に立つ』ですが、ここまで大勢の人に愛されたのには、深いワケがあります。そこには、これまで長い間、日本の男女の心を無意識のうちに呪縛してきた「古い時代の恋愛・結婚モデル」から解き放ってくれる、革命的な内容が満載だったからなんです。

 そこで、ふだん「新しい時代の愛と性」についてレクチャーしている私が、『逃げ恥』に描かれた、これからの時代にふさわしい「本当に居心地のいい恋愛・結婚」を叶えるために役立つ「必須の心得」を2つ取り上げてみましょう。

 第1の心得:まずセックスよりハグを大切にする

 バブル時代にトレンディドラマで描かれて定着した、これまでの恋愛モデルは「男と女が一緒にいれば、セックスするのは当然」というものでした。この点、80年代に大ヒットしたドラマ『東京ラブストーリー』が、ヒロインが同僚の男性に、明るく「セックスしよ!」と誘い、彼がそれに乗ったことから交際になだれ込むという展開だったのは象徴的です。

 ところが『逃げ恥』の津崎平匡(ひらまさ・星野源)ときたら、ヒロインの森山みくり(新垣結衣)と同室で寝ることになっても、独り寝を清々しく貫くわ、その後キスをする仲になり、みくりから「そういう事をしてもいい」とセックスOKサインを出されても、「ぼくはそういう事をしたいわけじゃありません」と断ってしまうわと、バブル男子とは真逆の態度を取ります。

 女としては「愛されていないのか?」と気がもめるところですが、これは彼が女性を「欲望の対象」として見ずに、「人として尊重している」証拠なんですね。だから、ハグによって伝わる「ぬくもり」は喜んで味わい、お互いの愛情がしっかり確認できた後に、ゆっくりその先へ進んだわけですが、その感激度の高さは、お手軽なセックスの比ではなかったはず。

第2の心得:お互いの「モヤモヤ」に目をつぶらない

 ドラマの終盤で、平匡の一方的な入籍プランに対してみくりが放った「“好き”の搾取です!」という発言が、せっかくのラブラブムードに水を差す「キツイ言い方」として賛否両論となりました。でも実はこれ、古い男女関係の核心を突いた画期的な言葉なんです。

 日本では昔から「自分の意志や権利を主張する女は小賢(こざか)しい。男のワガママを笑って受け入れるのがいい女」という男女像の呪縛が、案外に根深く続いてきました。
それは「男が女子供を所有する」という封建時代の社会システムの名残で、「男性は、自分が養っている女性のエネルギーを自由に利用(つまり、搾取!)してもいい」という錯覚を生み出してきたのです。みくりの「モヤモヤする」は、そこを見逃さずに直視する、鋭いバランス感覚だったというわけ。

 これまでは、そうした不公平な感覚に目をつぶれるのが「(都合の)いい女」とされてきたのですが、みくりが過去に「小賢しい女」と交際相手に叩かれたトラウマにおびえながらも、それにくじけずに貫いた自己主張を、平匡は小賢しいなどとは思わずに、むしろ歓迎します。
 そう、『その1:女の思いつきを男が具体化する連係プレイ』にも書いたように、女性が正直に希望や問題点を打ち明けると、男性は課題をクリアしたい欲求が刺激されて、彼女の思いを叶えようとする「連係プレイ」が始まるんですね。つまり、女性が「モヤモヤ」したことを黙っていないほうが、お互いにとって居心地のいい関係が作れるということです。

《「本当に居心地のいい恋愛・結婚」を叶える2つの心得》

その1)セックスを急ぐ必要はない。まずは会話・食事・ハグを楽しんで、お互いの心と体をじっくりフィットさせる。ここでしっくりいかない相手とは、関係を深めなくてよい。

その2)自分が何か奪われているような「居心地の悪い感覚」を無視しないで、正直に相手に伝えること。

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