「宇宙の流れに身を合わせる」会社を売却して巨万の富を手に入れた成功者が、僕に教えてくれたこと。

「毎朝晩瞑想をして、宇宙の流れに身を合わせる」

それが、僕が彼から教えてもらった数少ない言葉の中でもっとも印象に残っている言葉かもしれません。

彼は一体何者なのか！？

彼との出会いは、知人の経営者が定期的に開催していた交流会で出会いました。

見た目は、金髪、丸刈り、浅黒い肌のちょいワルオヤジ風。

一体、何をやっている人なのか。

見た目からは正直何をやっている人なのかまったく想像がつきませんでした。

その交流会でひとりずつ自己紹介をする機会があったのだけれど、彼は一言、こう言いました。

「職業は、無職です」

はっ？えっ？ますます一体何をしている人なんだ、何者なんだと僕の興味は彼に注がれました。

そして、その場で自分が持ち込んだ食材を使ってチャッチャと料理をやり出して僕らに振る舞ってくれました。

今となってはそれがなんという料理なのか忘れてしまったけど、ただ、とっても美味しかったなという記憶だけはあります。

見た目は、金髪、丸刈り、浅黒い肌。そして、料理が上手。

でも、料理人には見えないし…

後々聞いて分かったことですが、彼は本当に無職でした。

社長という肩書が虚しくなった

お名前は、Tさんといいます。（ここから先は、Tさんと呼ばせていただきます）

都内でわりと大きめなアパレル会社を経営していたらしいのですが、ある日、社員に給料を振り込みに銀行に行ったときに急に「社長という肩書が虚しくなった」そうです。

それで、会社を売却してしまったそうで、それでかなり大きいお金を手にしたというのもあるし、毎月200万くらいは何もなくても収入が入ってくる仕組みができていたそうで、お金には困っていない感じでした。

行くところまで行っちゃった人だったので、お金に対しての執着がまったくないようでした。

結局、会社を売って手に入れた巨万の富もすべて寄付し、株なども売ってしまったとあとから聞きました。

宇宙の流れに身を合わせる

そんなに口数の多い人ではなかったので、自分はこうやって成功したんだとか、自分から他人に対して強く口出しをするような人ではなかったですけど、ある日、誰かがTさんにアドバイスを求めていたときに、言っていた言葉。

それが冒頭の言葉になります。

「毎朝晩瞑想をして、宇宙の流れに身を合わせる」

ただスピリチュアルにどっぷり浸かった人ではなくて、ビジネスの吸いも甘いも経験してきて、経済的な成功もおさめた人が言う言葉には、とても大きな説得力がありました。

実は、Tさん、雪山でケータイをなくして以来、ケータイなくてもいいかなってケータイに縛られている自分も手放したくなったようで（笑）

連絡も取れず、もう10年近く会っていないのですが、聞く話によると、農業をやるためにイタリアに渡ったそうです。

今、どこで何をしているのか。

流れる雲のような人でした。

ほんとにそんな人がいたのかっていう感じなんですが、確かに僕の人生の一部に、Tさんは存在しました。

もう一度、Tさんに、どこかで再開できる日を夢見ています。

宇宙の流れに身を合わせれば、いつか、きっと。