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人を見るための「ものさし的存在」気質について ~No.4 気質・人間~

 今回で「気質の歴史」に関しては最終回です。次回は「気質の番外編」それから「色彩の歴史」についてまとめたものをアップしていく予定です。

 さて、前回はプラトンの弟子アリストテレスが図形ではなく性質へ。そのアリストテレスの性質を参考に、人の病気を治すため、人の液体や臓器の動きなどへヒポクラテスが当てはめました。

 ですがみなさんもご存じのように現代医学ではこういった体液病理ではなく臨床研究や解剖研究、細菌の研究などそちら側の「科学的根拠の有る医学」になっています。これは18~19世紀に産業革命を起点として様々なものが科学的に処理されるようなった証でもあります。

 しかしながら体液病理説が名残としているものもあります。それが「うつ病」を指し示す「メランコリック」という言葉。もともとは「メランコリー」で「黒胆汁質=憂鬱質」のことを指しています。

そのため、この4体液説というのは「病気」の分野ではなく時代の流れを受けて「人の性格、考え方、行動」に主眼が置かれ始めます。

  ちょうど17世紀の世紀末、18世紀の初頭に2人は気質のイメージ分けを行い上記のようなものを考え出しました。私は「胆汁質」なのでイメージは「英雄、冒険家、暴君」というなんか危ない感じがしますが、表現を柔らかくすれば「リーダー、探検家、経営者」のような感じでしょう。

 胆汁質は「火」です。物質に火をつけると勝手に燃え広がっていき、その火で物質を制圧して灰にしてしまいます。正義に従い、悪を倒せば英雄になり、悪事を働き民衆を苦しめれば暴君となるでしょう。探検家は前人未到の土地を好みます。火は燃えていない部分への浸食を続けます。

こんな感じで気質の本質的な「元素の動き」と人の考え方、やっていることのイメージを結び付けました。

 更に時間が経過し、ルドルフ・シュタイナーという人物が「古代ギリシアより続く4元素、気質」の概念を元にして「4つの気質」を提唱します。ここら辺はシュタイナーの提示している「世界観」と合わせることでより深く理解できます。シュタイナーは「教育」という分野において「シュタイナー教育」という物を発明して残しており、現在「シュタイナー学校」にてその教育が行われています(日本にも有ります)通常の教育とは違った教育を行っているので気になった方は調べてみてください。

 その「シュタイナー教育」の中にあるのが「気質」です。子供の特徴を見極めるときに気質を用いて行っています。


 人の特徴は4つの気質によって出てくるもので、その4つの気質のうち、どれが表に出てきているのかでその人の考え方、行動を見極めることが出来ます。

 凄く飽きっぽい→多血質。上手く考えを伝えられない→憂鬱質のような感じです。それと時期と年齢によってもこの気質というのは動き続けます、例えば「子供の時期というのは多血質に属しています」「お年寄りの時期になると粘液質に属する」こんな感じです。

 この「気質」というのは「4元素」であり「4体液」の系譜に位置するため、元素や体液と同様にどれかの気質に固定されるということは無く、どれが一番手前に出ているかということになります。

 それと結構大事なことなのですが、この「自分の気質の見極め」というのは自分ではない他の人から見てもらうのも方法の一つですが、それよりもより実践的に考えることが出来るようになるためには「自分の気質を自分で見ようとする」ことです。

 そのために必要なものが「自分の過去」です。そしてそれを具体的に表現したものが「自分史」になります。

「自分史を作ってください」

 そういうと大抵の場合「メンドクサイ」「それには意味があるのか?」「それをやってもお金にならない」「自分の人生なんか誰も興味ないよ」という気持ちになると思います。私もそうなりましたから仲間です。

 でも、私はやりました。なんでやったのか?と言われると

「表の世界に、答えが見当たらなかったから」だと思います。

 表の世界に無いのであれば、裏の世界に探しに行かなければいけません。

ですが裏の世界は表とちがって「黒い世界」です。表の世界を歩くのは簡単なのですが、裏の世界は真っ黒なので懐中電灯みたいな光が必要になります。

 なのでその「懐中電灯=光=気質」として使うために必要だということ。そしてそれを使うためには、自分の過去を振り返って自分の気質はどんなもんなのか?というのを手作業で探ることから始めなければなりません。

懐中電灯を探すきっかけみたいなのが「自分史」だと思います。

 それと、自分の過去から気質を導き出す理由のもう1つに「人は4つの気質を持っている」ためです。たまたま憂鬱質の人が気分よく多血質のような振る舞いをすることが有ります。こうなってくると短時間での見極めというのは難しく、「ああ、多血的にふるまってるな」で終わってしまうからですね。

 自分史を描くことの重要さは歴史に有ります。重要なのは歴史に書かれている「分岐点」です。人生の選択、高校選び、大学選び、もしくは病気になった、何か運動を始めた。そういう分岐点でどういう考えで、どういうことを思って選んだか。が最も重要です。

例えば「大学選び」

「ネットで学歴は大事だと言っていたから」
「有名な大学に入れば将来困らないから」
「友達が行くから一緒に」
「家の近所だから」
「学費が安いところへ」
「自分のやりたいことがあったから」

 などなど、一つのことをとっても様々な理由があります。その理由がいけないということを言いたいのではありません。その理由に至った経緯の背景に自分の気質が隠れているという感じです。

 4つの気質にはそれを表現するように「4つの色彩」が当てはめられています。色彩に関しては物事の根幹をなす見方が詰められているのでこれは先に言ったように次々回以降から同じようにまとめていこうと思っています。

 ざっくりと気質の歴史の流れをまとめたものです。現在が2022年なので約2600年間の歴史になります。世界の根源から人体へ、そして現代では人の行動、考え方へと変化してきました。

 今回が一応最終回ですが、気質の番外編ということでちょっと俗っぽいものを気質・色彩で見ていこうかなと思っています。

・メンバーシップ「彩方技研(株)「仮」」について

 まだ会社ではありませんが、いずれは会社にしていこうと考えています。このメンバーシップは「気質・色彩」を含ませて構築していく一枚の絵画のようなものを目指そうかなと考えております。

分かりやすく言えば「芸術」の分野です。

物語、絵、漫画、作曲、作詞、ダンス・・・ 

様々な表現方法がありますが、そういったものを組み合わせて何かの作品を作っていければなと考えています。

また、単に気質や色彩の世界を少し覗いてみたいという方、例えば○○を気質的に、色彩的に分析したらどうなりますか?というような質問でも構いません。

初月は無料です。その後は月100円となっています。
よろしければどうぞ

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