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ロサンゼルスで空き缶・空きペットボトルのリサイクルについて考える話

カリフォルニア州では缶やペットボトルの飲料を買う場合、24 オンス (約 680 ml) 未満は 1 本当たり 5 セント、それ以上は 1 本当たり 10 セントを CA CRV (California Redemption Value) として追加で支払うことになります。この追加で支払ったお金は、空き缶・空きペットボトルをリサイクルセンターに持ち込むことで返金されます。私達はロサンゼルスに引っ越してきた当初、空き缶や空きペットボトルを洗って大事に取っておいて、ある程度の量になったら近くのスーパーの横にあったリサイクルセンターに持ち込んで返金を得ていました。

そんなある時、ふとした際にアメリカ人の友人とリサイクルの話になり、彼に「私は空き缶やペットボトルを取っておいて持ち込んでるよ」と話したところ、「え、本当に?」といったような感じの驚きの混じったリアクションをされました。それがどういう意味だったのかその時は良くわからなかったのですが、その後何回か空き缶、空きペットボトルを持ち込んでいくうちにだんだんその意味がわかって来ました。

もちろん例外もたくさんあるのでしょうが、私達の行くリサイクルセンターにペットボトルや空き缶を持ち込む人は、ホームレスの人かそれに近いような身なりがとてもラフな人が多く、私たちのようなアジア人の学生夫婦などは少数派でした。また、場所はよく行くスーパーの横にあったのですが、近くには車で生活している人の車が何台か停まっており、あまり雰囲気がいい所とは言えず、できれば近寄りたくはないような感じの場所にありました。また、缶やペットボトルをたくさん持ち込んでいる人で常に混雑しており、順番を30分くらい待たなくてはいけないこともありました。私の友人はそういった背景を知っているから、私達がそういうところに行って CRV の返金を受けている、ということに驚いたのだと思います。

そんな感じでリサイクルセンターから徐々に足が遠のいていくうちに、家の近くのリサイクルセンターが閉鎖され、離れたところまでわざわざ車で行かなくては行けなくなってしまいました。また、たくさん貯めて持ち込んでもせいぜい返金額は数ドル程度であり、費用対効果を考えても割が合わず、結局私たちは取っておいてリサイクルセンターに持ち込む、ということを give up するに至りました。今では CRV を回収せずに空き缶・空きペットボトルはリサイクルのゴミ箱に捨てています。

たまに近くの小学校のファンドレイジングとして、私達が住んでいるアパートメントに空き缶・空きペットボトル回収の告知が出ますが、それも頻繁にあることではなく、私の身の回りでは多くの人が CRV を回収せずにそのまま捨てていると思います。カリフォルニアは環境対策が進んでいるというイメージを持つ人も多いかと思いますが、CRV が回収される割合はまだまだ低い水準にあるのではないかと思います。

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