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AIやExcelを活用したコールセンターの入電数予測の方法

コールセンターにおけるコール予測(呼量予測、forecaster)とは、お客様からの問い合わせなどセンターで受信する電話の量を予測することをいいます。
コールセンターの運用コストを増加させる要因のうち大きなものが、コミュニケーターの人件費です。コミュニケーターは顧客からの入電に応じてオペレーションの対応をするため、実際の入電数よりも多くのコミュニケーターを配置すると、対応がなく待ち状態のコミュニケーターが増えて、不要な人件費の増加に繋がります。また、逆に配置人数が少ないと呼び出し中でつながらないなどのクレームの要因になりかねません。適正な人員をコンタクトセンターに配置することで、十分な顧客満足度が提供できる状態でオペレーションを行っていることが理想です。今回は、Excelを活用したコール予測、AI(人工知能)による機械学習を用いた時系列分析で、コール予測を実現する方法をご紹介します。

Excelを活用した入電数予測

WFM(Work Force Management)とは、コールセンターでの業務において、適切な人員配置により人件費の最適化とサービス品質の向上を図る経営戦略である。効率的で生産性の高い業務運営を行うための手法です。

これは、効率的で生産性の高い業務運営を行う手法のことをさしています。WFMとは、コールセンター業務において、適切な人員配置により人件費の最適化とサービス品質の向上を図る経営戦略である。効率的で生産性の高い業務運営を行うための手法です。
WFMに基づく適切なマネジメントを行うためには、通話予測が不可欠な手法である。実際の通話予測に基づき、最適なスキルを持つコミュニケーターを必要な数、必要な場所に配置することで、人件費を最小化することができます。また、中長期的なスパンで通話予測を割り出すことで、必要なコミュニケーター数を決定した上で、人材戦略における採用方針として検討するために不可欠な指標となります。

コール予測の精度を高めることが重要
最適なWFMを行うためには、コール予測の精度を向上させることが不可欠です。そのためには、コール数に影響を与えるパラメータを正しく把握することが必要です。

コール予測の基本パラメータは、日付、時間、曜日です。着信データを分析することで、「午前中は比較的着信が少ない」「週末になると一気に着信が増える」「月末は支払請求に関する問い合わせが多い」といった傾向を把握することができます。その傾向と顧客数、顧客データを照らし合わせることで、「どのカテゴリーのスキルを持ったコミュニケーターが何人必要なのか」を予測することが可能となります。

また、新商品や新サービスの発売時には、キャンペーン展開のタイミング、気候変動、自然災害、為替変動、政治的動向などがコール数に直接影響します。データの増減に影響を及ぼしている要因は、コール予測を行う業界ごとに異なりますが、過去のデータから判断することが必要です。

過去のコール数からExcelの統計関数を利用して将来のコール数を求める
過去の記録から次月の数値を予測するには、前年同月のデータと比較したり、1か月間や3か月間の移動平均を使ったりする方法があります。

ここでは、「GROWTH関数」:指数回帰曲線と呼ばれるものを紹介します。
(以下、ExcelはOffice2019を使用しています)

Excelで上の表を作成し、該当の関数を挿入します。関数の挿入方法はいくつかありますが、数式ツールバーの「fx」とかかれた関数ボタンを押し「その他の関数」を選択します。次に関数の種類を「統計」にし、「GROWTH」をクリックします。

引数の選択画面が出るので、「既知のy」のボックスに過去のコール数、「既知のx」のボックスに過去の年月を「新しいx」に調べたい年月(ここでは、2022年11月)のセル番地を指定します。

平均値や中央値といった値ではなく、今回は指数回帰曲線をもとに統計学的なコール予測数を算出しました。

コール数に影響が大きいと考えられる数値による予測
過去のコール数のデータのみを用いるのではなく、コール数に影響を与える可能性のある数値データを用いて分析することも可能です。例えば、コールセンターがECサイトからの注文を受けている場合、商品PRのための広告掲載量を増やせば、必然的に商品に関する問い合わせが増えるでしょう。家電の新商品を発売した直後は、販売数と商品に関する問い合わせのコール数に影響が出ると予想されます。

このようなことを予測するための分析では、影響がありそうな数値データをまずは洗い出し、そのデータに本当に関係があるのかを実際のデータに基づいて検証し、関係があると判断した場合には、統計関数に組み込んでコール予測値を割り出します。

本格的な統計手法を適用するのには、専門的な知識が必要ですが、ここではExcelを使って簡単に計算する方法を紹介します。

コール予測に使用できるデータかどうかの確認
まず、コール予測に関係すると思われる要因(例:販売商品数)と過去の通話回数データをそれぞれの列に入力して表を作成します。
次に、Excelの「データ分析」にあるツールの「回帰分析」機能を使って、相関関係があるかどうかを確認します。

回帰分析の結果で、まず確認したいのは「t値」です。t値はそれぞれの説明変数が目的変数に与える影響の大きさを表す指標で、t値の絶対値が大きければ大きいほど、目的変数に与える影響が大きいことを表しています。目安としてt値の絶対値が2より大きいとき、統計学的に相関関係があるとみなせるので、これをコール予測に使用します。Excelの回帰分析でも簡単に求められます。

相関関係に応じた統計関数を用いてコール予測を出す
ここでは、コール予測に使用するデータを決めたのち、統計関数を用いてコール予測を求めます。
相関関係に応じて、以下の3つの統計関数が利用可能です。

「GROWTH関数」:別名、指数回帰曲線とも言い、過去のコール数のみのデータだけでもある程度の予測を行うことができる関数です。
「TREND関数」:コール数に影響を与えるデータが複数ある際に使用する関数です。
「FORECAST関数」:コール数に影響を与えるデータが1種類のみの場合に使用する関数です。

AI・時系列分析で予測する方法

続きは以下、MatrixFlow記事をご覧ください(無料で閲覧できます)。


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