35.香詩

体調が悪い……！！
おなかの痛み、激しい頭痛、不眠ぎみ、その他冷えやら肩こりやら鼻づまりやら咳やら急にどががががっと体調不良に襲われて撃沈しておりました。なにも……なにもできない……！あれもやらなきゃいけないしこれもやらなきゃいけないのに身体が動かないせいでタスク完了できないあああああ……。
そんな焦りでパニックを起こし更に体調が悪化しました。でもなんか長い事メンヘラ稼業やってるとこうなった方が逆にわかりやすいんですよね。あ、自分は今メンタルが終わったな。こうなるとタスクなんてできる訳がないな。って。謎の諦めがつく。メンタルがへし折れる事に慣れている。嫌な慣れだなぁ！！！
なのでこういう時のための相談先に話を聞いてもらうとするっと落ち着きまして。落ち着くとあわあわ持て余してた体調不良の解決法がすーっと見えてきました。これは何科だから何時に電話かけて確認、これは様子見して不調続くようなら何科を予約。頭さえ回ればたかだか２、３行程でどうにかなる事を、何故あんなに世界の終わりかのように感じていたのか……つくづく私にとっての最大の敵は『焦り』と『不安』です。かといって倒して消し去る事はできないので、付き合っていくしかないなぁ～。ていうか書いてて思ったけど体調崩してる時に真っ先に思う事が「タスク終わらない！！！」っていう焦りなのなんというかこう。それより先に身体労わってもよくね？

そんなこんなで対処できると体調落ち着きまして、今日は苦痛なくゆっくりと過ごせそうです。溜まってたタスクをちょびちょび片付けつつ、ティータイムするぞ～～～。癒しの時間。

香詩。茶ノ時の上焙じ茶です。
読みは『こうばし』。これまで『輝風』『麗至』『和日』『雅歌』と飲んできた、頂き物八女茶セット最後のひとつです。
ついに最後か……！寂しくなりますね。正確にはまだ雅歌が1TB残ってるので最後ではないのですが。ほうじ茶は時々飲むけど、上ほうじ茶ってのは初めて聞いたな。ウェブサイトを見てみると『上質な煎茶をやさしく焙煎した葉ほうじ茶ティーバッグ』とのこと。上煎茶の輝風も極上煎茶の麗至もめちゃくちゃ美味しかったので、これは期待大……！

袋を開けた瞬間にうおお！！！！ほうじ茶！！！！THE・ほうじ茶って感じの香ばしくてクリーミーな甘い香り！！でもちょっと清涼感もあるんですよね。なんというか青みのある香りがする。煎茶や緑茶みたいな。淹れた後は……あ、旨味が増してる！旨味が強くてざらっとした感触の香りがあるのに、どことなくさっきより透明感があります。でも甘さと香ばしさはそのまま……すごいリッチな香りだなぁこれ。属性てんこもりなのに不思議とまとまってる。では一口……。

……うんっっっっま！！あっほうじ茶だ、まごうことなきほうじ茶だ！！
おこげみたいな苦味すら感じる、ばりっとした香ばしさがうんまい！苦味と一緒に旨味もやってくるから、炭火焼きのお餅とか食べてる気分。香りの香ばしさがさらにそれをブーストするー……！多少温度が下がっても苦味が薄まらないので、これは苦みが得意な人向けの茶葉かもな～。私は大好き。淹れる前の香りはたっぷりふくよかに甘かったんですけど、いざ淹れると味に甘みはそんなにないです。かなりすっきりと飲めるほうじ茶ですね。でもこの苦味の奥に溶け込んでる旨味がサイコーーーなんですよねぇ……！ブラックコーヒー程ごりっと苦い訳じゃないんですけど、味の形はブラックコーヒーに似てるかもしれないです。苦味と一緒に旨味を楽しむ……みたいな。
最近出会ったほうじ茶が結構まろやかな味わいのものが多かったので、ここまでばりっと香ばしいのは逆に新鮮だなぁ！楽しい！ただ実はティーバッグ引き上げる時にちょっと事故って時間かかっちゃったので、もっときっかり１分で引き上げられるとまた味わいが変わってくるかもです。ちょっとね……足に熱湯がぽたっとかかっちゃってあわあわ冷やしてたんですよね……。火傷は後回しにすると逆にめんどくせぇということを最近学んだので最優先で冷やしました。

単品で飲んでもいいけど、今日はおやつと一緒に。
セブンイレブンの紅はるか焼芋あんパイです。あんこパイ！あんこパイ大好きです。普通のあんこパイでも大好きなのに秋らしいさつまいも餡ときたらつい手に取っちゃう。
食べる前にちょっとトースターで焼いてみました。そしたらバターの香りがぐっと強くなっていい香り！めっちゃ美味しそう……では一口。

……うっっっっっま！！うわ濃厚！おいも濃厚！なんかカボチャや栗と間違えそうになるぐらい濃～～～～い甘さの焼き芋あんが、さくさくパイ生地と合わさって最高～！！焼いたおかげなのかパイ生地のバターの香りがすんごい良いです。うますぎる。で、ここでほうじ茶を飲むと……お。おお！？意外にも溶け合ってる！苦味で口の中をすっきりさせてくれるのかと思いきや、パイの甘さとすごくなめらかに溶け合います。そしてほうじ茶の香ばしさでパイの余韻をぐっとブーストしてくれる……！
その後またパイを食べると最初の一口目より美味い！！！一番最初はあんの甘さに全ての意識を持ってかれてたんですけど、お茶の後に食べるとパイの風味の情報量が上がります。表面のさくさく部分と中身のあんの間にいる、ふやっとやわらかめのパイ生地部分。ここの味の情報が急にがっと叩きこまれる感じ！わかる！わかるぞここの味が！ただでさえ情報量の多いお菓子なのに更に情報量が上がったよ！？でもそこでほうじ茶を飲むとふー……と一息つけるのです。休憩～……。この緩急つけて味わえる感じが、いいコンビですね……このペアリング……。

美味しかったー……。これでついに頂き物八女茶全制覇です。たっぷり楽しめたのに振り返るとこのあっという間感。美味しいお茶って秒で消える。
5種類全体通して、ペアリングした食べ物に対するブースト力が半端なくて震えましたね……。割と多くのお茶がそういう性質持ってる気がするけど、その中でもこの八女茶達は抜きんでて脇役に徹していた気がする。脇役なんだけど、自分単体で見られても恥じるところのない完成度を持ちつつ。けれど真価を発揮するのは食べ物に添えた時。このストイックな美しさが凄いな……と慄きました。普段飲み慣れてる紅茶と毛色の違うこの美味しさは、文化の違いでもあるのかな。となんとなく思ったり。なんかこう似てるようでちょっと生き方が違ってて、その違いがめちゃくちゃ面白いな……と噛みしめちゃいました。日本茶面白いな。ていうかやっぱお茶って面白い。