コンプレックスかトレードマークか。

私は小さい頃からそばかすが顔にあって、それがものすごく嫌だった。
中学生になる頃にはコンシーラーをこっそり使って隠したりしていたのだが、校則では禁じられていて見つかると怒られた。

大きくなるまでそのコンプレックスはずっと有って、お化粧をするときに隠すもの、という概念でいたのだが、この歳になって転機が訪れた。

ドラマ〝アンメット〟に出てくる杉咲花さんのそばかすが、どう見ても可愛いのだ。

そんなことある？と思いつつも、本当に可愛く思えた。

もちろんその他のパーツも綺麗で美容が行き届いていてのそばかすだから可愛いのだが、そばかすを一度も可愛いと思ったことがない私には衝撃的だった。

そしてついにこの間、娘にそばかすを発見した。
内心は「うわぁ！そばかすできてる！！どうしよう、私みたいに嫌な思いをしたら‥」と思ったけど、絶対に悟られまいと娘の好きなアナを持ち出して話してみた。

「みてみて！アナと一緒のそばかすがあるよ！可愛い〜！！」

って言うと娘が「どこ！どこ？！うわぁ！ほんとだやった〜！！」と言うのだ。

アナよありがとう。
アナのおかげで娘はそばかすを気に入って愛でている。鏡を見ては「アナとおんなじそばかすがある〜♪」と嬉しそうなのだ。

心底ホッとした。
これで娘はそばかすを少なくとも幼少期に嫌いになることはないだろう。
それどころか今は自分のトレードマークとしていきいきと自分のものにしていくだろう。

何事も自分の捉え方次第だと思い知った出来事だった。