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電磁気学と特殊相対性理論との深いつながり

※本記事はロマ数トレラン「マクスウェル方程式から電磁気学を学ぶ」の講師である石山浩一先生による電磁気学と特殊相対論の入門の記事になります。ご興味を持った方は是非ゼミにご参加ください。ガイダンス回は無料となっております。

ロマ数トレラン「マクスウェル方程式から電磁気学を学ぶ」の詳細、お申し込みはこちらのページよりお願いいたします。⇒https://peatix.com/event/1684424/view
この記事の主な内容
・古典力学の歴史概観
・電磁気学の歴史概観
・「場」の理論について
・古典力学と電磁気学は矛盾する?
・特殊相対性理論
・対応原理
・一般相対性理論とその先
・理論物理学の魅力
・マクスウェル方程式と相対性理論への誘い

古典力学の歴史概観

物理学(科学)の近代化は16世紀のガリレオによっておこなわれました。実験によって、力学的現象が数学的に表現されることを発見したのです。それまではなんと、2000年間もの長い間、ギリシャの哲学者アリストテレスの影響が強く、自然法則は人間の思惟のみから理解できると信じられており、実験や観測によって自然現象を解明することは、ほとんどありませんでした。

天文学者ケプラーが惑星の運動の観測データを解析することにより、コペルニクスの地動説を支持し、ケプラーの法則を発見したことは有名です。ガリレオはケプラーの影響を受けて、自ら発明した望遠鏡を使って地球が動いていることを観測によって確信しました。ガリレオがキリスト司教から迫害を受けたものの、「それでも地球は動いている」という言葉を残したことは有名です。ガリレオは重力による落下運動や振り子の運動を実験により、法則を数学的に表現しました。ニュートンの運動法則の第一法則である「慣性の法則」はガリレオが発見しました。なお、ガリレオは「自然という書物は、数学という言葉で書かれている」と述べています。 (参考までにアインシュタインはこう述べています。「数学は、経験とは無関係な思考の産物なのに、なぜ物理的実在の対象物にこれほどうまく適合するのか?」

その後、17世紀、ニュートン自ら発明した微積分を用いて、天体運動が万有引力という力によって説明できることを数学的に証明しました。そしてあらゆる力学的な運動がニュートンの運動法則の第二法則である運動方程式(微分方程式)によって記述され、運動方程式を解くことで運動を説明、予測することができるようになりました。20世紀の初頭に原子の世界を記述する量子力学が生まれるまで、力学的基礎理論はニュートンによって完成されたと思われていましたが、原子レベルの世界ではニュートンの力学がもはや通用しないことが明らかになったのです。しかし、現代においてもニュートンの力学は様々な分野で利用されており、現在でも有用であることは疑いありません。量子力学以前の力学を「ニュートン力学」あるいは「古典力学」と呼んでいます。

電磁気学の歴史概観

電磁気現象は古代ギリシャ時代から琥珀の摩擦による静電気により知られていましたが、目に見えず扱いが困難なため、電磁気学の近代科学化は古典力学よりも約200年遅れることになりました。ちなみに、電気を英語でelectricityと言いますが、これは琥珀のギリシャ語の「エレクトロン」が語源です。

18世紀のクーロンの法則の発見、19世紀のエルステッド、アンペールの法則、ファラデーの電磁誘導の発見と続き、電気と磁気が互いに関係することを発見しました。電磁気学の歴史において特に重要な人物はファラデーとマクスウェルです。ファラデーは電場や磁場という「場」の考え方を初めて導入しました。ファラデーは数学的な素養が乏しかったのですが、マクスウェルによって、電磁気の「場」の定式化がなされ、様々な電磁気現象が最終的にわずか4つの方程式(マクスウェル方程式)で表現されたのです。

(注)ファラデーの「場」の概念とマクスウェルの数学の力によって、電磁気学は一気に理論的に発展し、現代物理学の基礎となっていきます。

(注)現在のマクスウェル方程式の形にまとめたのは、実際はヘビサイドとヘルツです。

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「場」の理論について

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<文/石山浩一>

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